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コンテナ型仮想化技術の「Docker」、P2Pファイル転送アプリの「Infinit」を買収しオープンソース化へ

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Docker は、多数のマシンにデプロイ可能なコンテナにコードをパッケージングできる、オープンソース・ソフトウェアを推進するスタートアップだ。同社は今日(12月6日)、ファイル転送アプリの「Infinit」を買収したと発表した。 そうだ、Docker は消費者に馴染みのあるアプリ開発会社を買収した。Infinit は、ファイルを他のデバイスと同期し、他のユーザに送信することができるアプリだ。 しか…

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Infinit のチーム
Image Credit: Docker

Docker は、多数のマシンにデプロイ可能なコンテナにコードをパッケージングできる、オープンソース・ソフトウェアを推進するスタートアップだ。同社は今日(12月6日)、ファイル転送アプリの「Infinit」を買収したと発表した。

そうだ、Docker は消費者に馴染みのあるアプリ開発会社を買収した。Infinit は、ファイルを他のデバイスと同期し、他のユーザに送信することができるアプリだ。

しかし、もちろん、Docker は(Infinit のアプリそのものよりも)Infinit を実現している技術に可能性を見出している。このことは、Docker の前身である dotCloud が、Infinit のような独自クラウドサービスを提供していたことを考えれば、驚くべきことではない。このクラウドサービスは、Dropbox や WeTransfer よりも速くファイルを送信できるとされた(P2P のネットワークモデルを使っているため)。

Docker の創業者で CTO の Solomon Hykes 氏は、今回の買収についてブログ投稿の中で次のように説明している。

Infinit の技術を使えば、我々はこれまでに無かったセキュアな分散型ストレージを提供でき、ユーザは Docker を使って、ステートフルなサービスやレガシーなエンタープライズアプリをデプロイするのがさらに容易になるだろう。このしくみは、オープンなモジュール設計の形で提供されるので、オペレータは簡単に既存のストレージシステムを統合したり、高度な設定を調整したり、その機能を無効にしたりすることができるだろう。

今後、Infinit の基礎となるコードは、オープンソース・ソフトウェアとして利用可能になる予定だ。Infinit の共同創業者で CEO の Julien Quintard 氏のブログ投稿によれば、Infinit は iSCSI とパブリッククラウド AWS(Amazon Web Services)のストレージサービス「S3」への対応を追加しているところだ。

Infinit は2012年、Quntard 氏と Baptiste Fradin 氏によって設立された。Quintard 氏はケンブリッジ大学で博士号を取得する傍ら、このソフトウェアを開発した。同社は Mac、Windows、Linux、iOS、Android のアプリを提供している。パリに本拠を置く Infinit は2014年にアクセラレータの TechStars を卒業した。これまでの投資家には、Alven Capital、360 Capital Partners などがいる。買収に関わる詳細条件については開示されていない。

Quintard 氏は、次のようにも書いている。

Docker には、大々的にインフラソフトウェアの形を変える可能性がある。したがって、Infinit は重大な資金調達ラウンドをクローズしようとしているが、Infinit のチームは、より大きくダイレクトなインパクトをもたらすべく、Docker に参画できることを嬉しく思っている。

Docker は最近では、ConductantUnikernel Systems を買収している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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今や評価額が10億米ドルのDocker、数年前に作ったロゴの制作費はたった799ドルだったという話

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現在もっとも熱いエンタープライズ向けテックスタートアップはどこかと聞かれたら、Dockerを挙げるだろう。オープンオースのコンテナーテクノロジーは開発者の中でたちまち人気となり、いくつかの有名テック企業もDockerを採用するようになった。 Dockerが今年4月に9500万ドルの資金調達ラウンドを発表した際、PitchBookはEメール上でVentureBeatに対して投資後の評価額は10億70…

上:Docker の社員 Image Credit: Docker
上:Docker の社員
Image Credit: Docker

現在もっとも熱いエンタープライズ向けテックスタートアップはどこかと聞かれたら、Dockerを挙げるだろう。オープンオースのコンテナーテクノロジーは開発者の中でたちまち人気となり、いくつかの有名テック企業もDockerを採用するようになった。

Dockerが今年4月に9500万ドルの資金調達ラウンドを発表した際、PitchBookはEメール上でVentureBeatに対して投資後の評価額は10億700万ドルであると伝えた。今やDockerには潤沢な資金がある。

とはいえ、2、3年前の同社の状況は違っていた。Dockerはピボットの真っ最中だった。企業向けにアプリケーションを開発、管理するクラウドであるプラットフォームサービス(PaaS)から、コンテナーを中心とするサービスへと移行中だった。同社はこのコンテナーのサービスを2013年3月にオープンソース化し、面倒な作業無しにアプリケーションのコードをパッケージにして、あるサーバー環境から別の環境へとそれを移行できるようにした。このテクノロジーは、VMwareやマイクロソフトといった企業が長い間提供していた仮想化ツールの代替となるものだった。

のちに振り返ると、この時のオープンソースへの移行は非常に賢明な判断であったと証明された。だが、当時のDockerは財政面では比較的苦しい状況にあった。

とはいえ、今週になって判明した事実は驚きに値する。Hacker News上である者が指摘したのだが、2013年の6月に 99designs コンテスト上で選出されたDockerのロゴを制作した者に対して同社が払った額は799ドルだったというのだ。コンテストの優勝者はインドネシアのRicky AsamManis氏だ。

Above: Docker Image Credit: Jordan Novet/VentureBeat
上:Docker
Image Credit: Jordan Novet/VentureBeat

AsamManis氏の作ったロゴは、小さなかわいいクジラが輸送用コンテナーを背負っているもので、今や世界中のノートパソコン上にステッカーとして貼られているロゴだ。

このロゴは他の83個のデザインを勝ち抜いたのだが、選出されなかったロゴの中にはちょっと変わった面白いデザインがある。キリンやどんぐり、輸送用クレーンやゾウまである。

Dockerは、99designsを通じてこのロゴに対して799ドルを支払ったという事実を隠そうとしなかった。ロゴは人々が選出したもので、そのプロセスについては2013年6月の同社のブログ記事に書かれてある。だが、こんなにも低い価格で制作されたロゴが今や世界中で有名になっているという事実は、今考えるとちょっとすごいことだ。とりわけ10億ドルという評価額を考えると。

Dockerにこの件についてコメントを求めたが、今のところまだ回答を得ていない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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「世界を牛耳るのはギークだ」——インフラの権威が語る次世代データセンターの姿、開発者が定義する「DDI」って何?

Jerry Chen氏は Greylock Partners のパートナーで、Dockerの取締役である。かつては VMware でクラウドとアプリケーションサービスのバイスプレジデントをしていた。 もし「ソフトウェアが世界を牛耳る」ようになれば、開発者によって私たちが生かされる時代になるだろう。 ここ何年にもわたって、ソフトウェアエンジニアの重要性が説かれてきた。技術分野専攻の学生たちが他専攻の…

Jerry Chen氏は Greylock Partners のパートナーで、Dockerの取締役である。かつては VMware でクラウドとアプリケーションサービスのバイスプレジデントをしていた。


Image Credit: Docker
Image Credit: Docker

もし「ソフトウェアが世界を牛耳る」ようになれば、開発者によって私たちが生かされる時代になるだろう。

ここ何年にもわたって、ソフトウェアエンジニアの重要性が説かれてきた。技術分野専攻の学生たちが他専攻のクラスメートを圧倒し、彼らの平均給与もここ数年で跳ね上がっているというのが実情である。実際、開発者らは会社の最高給取りの仲間入りを果たすようになるだろう。もちろん、あらゆる業界の会社で、だ。シリコンバレーの会社だけではとどまらない。

時代は開発者が定義するインフラ(developer-defined infrastructure 、以下略してDDI)の時代に入りつつある。歴史的にみて、多くのアプリケーション技術の中で開発者の発言は限られていた。90年代、私たちはMicrosoft .NETとJavaの世界で快適に過ごし、データベースにはOracleを当たり前のように使用してきた。しかしここ数年、開発言語とフレームワーク(Go、Scala、Python、Swift)、さらにデータインフラ(Hadoop、Mongo、Kafkaなど)が急速に増え、開発技術とアプリケーションインフラの新しい潮流を私たちは目の当たりにしている。

オープンソースの力を得て、開発者は今、理に適った開発言語、ランタイム、データベースを選択することができる。しかし、開発者はアプリケーションインフラを決めているだけではない。それが動作するクラウドインフラも決めている。彼らはアプリケーションがどこ(プライベートまたはパブリッククラウド)で動作するかだけでなく、ストレージ、ネットワーク、計算、セキュリティーがどこで管理されるべきかも決定している。これがまさにDDI時代であり、ITの展望は今までとは全く異なったものになるであろう。

開発者とシステム管理者の役割の分離と定義について:

開発者はソースコード管理、障害追跡(Git、Jira)のような開発ツールを決定し、システム管理者(サーバー管理者、ストレージ管理者、ネットワーク管理者)は製品、インフラの基準を管理していた。しかし、現在は Amazon Web Services (AWS)のようなクラウドへの移行により、開発者はどのインフラサービスを使用するかの選択肢が与えられている。

どのようにして、こうした状況へ至ったのだろうか? データセンターの進化を簡単に見ていくことにしよう。

データセンターの3つの時代

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via Flickr by Intel Free Press. Used under the Creative Commons CC BY 2.0 license.

ハードウェアが定義するインフラ(1985年頃から1999年)

クライアントサーバー時代が到来し、企業はメインフレームをミニコンピュータ、そしてパーソナルコンピュータと組み合わせたパワフルなサーバーコンピュータへ移行した。これはハードウェア設計とハードウェアベンダーがIT戦略を牽引していた時代であった。エンジニアはCPUのアーキテクチャ(RISC対CISC)、Power対X86対SPARCについて議論し、この世代の戦略ベンダーはSun MicrosystemsやIBM、HPなどであった。

ソフトウェアが定義するインフラ(2000年頃から2014年)

ハードウェアが定義するインフラにおいて、ソフトウェアは通常ハードウェアと対にされた。2000年代前半、Intel X86アーキテクチャがCPUで圧倒し、サーバーとシステムの標準化が可能になった。一旦ハードウェアの標準が確立されると、ソフトウェアのエコシステムはこれらのサーバーを中心に成長し、物理(ハードウェア)から論理(ソフトウェア)の分離が始まった。WindowsやLinuxのようなオペレーティングシステムはハードウェアを仲介するソフトウェアのレイヤーとなった。最終的に、VMWareがソフトウェア仮想化のアイデアで先駆的な役割を果たした。

ソフトウェア仮想化はIT管理者が仮想コンピュータ、ディスク、ネットワークを全てソフトウェアで構成することを可能にした。ムーアの法則に従い、VMWare はハードウェアが定義するインフラをソフトウェアが定義するインフラへと転換した。実体性のあるものからバーチャルなものへの進化の状況は、SunのようなシステムベンダーからVMware、Microsoft、Red Hat、そしてCPUのデファクトスタンダードとしてのIntelなど、ソフトウェアが定義するインフラの勝者に利益マージンが流れたかを見れば追跡することができる。VMWareは仮想化コンピュータからストレージ(vSAN)へ、そしてネットワーキング(NSX)へと移行した。

もしVMwareがソフトウェアが定義するインフラで先駆的な役割を果たしたとすれば、GoogleやFacebookのようなウェブスケール大手はこれを完成させたと言える。「最終的にはソフトウェアが機能する、ハードウェアはいずれ動作しなくなる」という格言にに従って、彼らは完全には信頼できないハードウェアを信頼できるものにすべく、汎用ハードウェアとソフトウェアを使用する価値を見出した。

こうしたソフトウェアが定義するデータセンターの影響は、実体性のあるものが定義するインフラ時代の行く末に一部見ることができる。例えば、Dellは上場廃止した。IBMはx86サーバーをLenovoに売却し、HPは今でもアイデンティティクライシスに陥っている。

開発者が定義するインフラ(2015年から~?)

DDIの時代へようこそ。ここでは開発者がアプリケーションを動かす方法、内容、場所に関する決定を行っている。DDIは、ソフトウェアが定義するインフラが自然な形で進化したものだ。ハードウェアをソフトウェアに変える力は、ある意味では、実体性のあるものからソフトウェアへという論理が分化したものと言えるが、その実は、ソフトウェアに反映されるハードウェアを手にすれば、コードのようにハードウェアを扱うことができるという事実だ。ハードウェアを移動させたり、プログラムでつくったり、そのためのプログラムを記述することができる。

例えばAWS上では、全てのものにアプリケーションプログラミングインターフェース(API)があり、それをプログラムできる(ストレージ、コンピュート、ネットワーキング、セキュリティなど)。今日、開発者はITやオペレーションのような思考をしなくてはならない。そして、IT管理者は開発者に制約を与えるのではなく、彼らがインフラを選択できるようにしなくてはならない。DevOpやクラウドが現れている中、開発者はDDIをサポートするためにアプリケーションを構築、運営、管理する技術を求めている。つまり、VMwareが過去15年間のプラットフォームであるとするならば、 Dockerのような企業は今後15年のプラットフォームとなるかもしれない。Dockerが特にサポートしているのは以下の通りだ。

  • プログラマビリティとポータビリティ:インフラストラクチャーはちょっとしたソフトウェアのように扱わなくてはならない。物理的な場所にもはや縛られることのないDockerコンテナは、コーヒーショップ内でのノートパソコンからクラウドへと簡単に移動させることができる。さらに重要な点として、DockerのようなDDIはそのAPIを使用してプログラム可能である。
  • コンソリデーション:これこそ、多くのITやシステム管理者を惹きつけているDockerの特徴だ。仮想化が1台の機械で実体性のある10のサーバーを10の仮想化サーバーに変え、物理的なインフラを置き換えたように、Dockerは速度と性能を向上させつつ、サーバー負荷のコンソリデーション率をさらに高めることができる。
  • マイクロサービスへの移行:Twitter、Google、Facebookのような企業は、次世代アプリケーションを構築するためにマイクロサービスを採用している。マイクロサービスはスケールするのが簡単で、アップデートしやすく、大掛かりなエンジニアリングチームによって開発される。

ギークが世界を牛耳る時代

このDDI時代が、ベンダー、開発者、IT専門家に暗示しているメッセージは何だろうか? 開発者を理解せず、これを取り込まないソフトウェアベンダーは時代に取り残されてしまうだろう。仮想化、ストレージ、ネットワーク、セキュリティの管理者などIT管理者に販売をしている既存企業は、開発者に販売する方法を理解しなくてはならない。

IT専門家は開発者に制約をかけるのではなく選択してもらえる方法を考える必要がある。最後に、開発者はアプリケーションの定義を拡張すべきだ。コードはただのプログラムでもなければ、スマートフォンのアプリでもない。コードはハードウェアからマネジメント、そして最終画素まで、何にでもなり得るのだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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