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【Airbnbハック】 ECブランドが仕掛ける“体験する宿泊事業”ーー 新コンセプト「Airbnb as a Service」とは?

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ピックアップ記事: Why your eCommerce store should open an Airbnb ECブランドによるチャネルハックが起きています。顧客へ商品・サービスを届ける媒体の費用対効果を圧倒的に効率化させる手法が一般化し始めている印象です。 小売ブランドが大きなメリットを受けるチャネルハックの分野は往々にして不動産。たとえば2015年にサンフランシスコで創業した「b8ta」の…

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ピックアップ記事: Why your eCommerce store should open an Airbnb

ECブランドによるチャネルハックが起きています。顧客へ商品・サービスを届ける媒体の費用対効果を圧倒的に効率化させる手法が一般化し始めている印象です。

小売ブランドが大きなメリットを受けるチャネルハックの分野は往々にして不動産。たとえば2015年にサンフランシスコで創業した「b8ta」の例が挙げられるでしょう。累計調達額は3,850万ドルに及ぶ大型スタートアップです。

b8taは月額2,000〜3,000ドルで店舗の一画を各ブランドの販売商品の展示スペースとして割り当てる不動産事業を展開しています。自社で不動産を購入することはないため、いわゆる又貸しのビジネスモデル。EC事業者が手軽に一等地店舗に商品を並べる機会提供をおこなっています。

月額サブスクリプションモデルのためb8ta側は一定売上が担保されます。従来、店舗ビジネスを展開する事業者が収益をあげるには商品を売りさばく必要がありました。しかし、販売売上に左右されずに一定の売上予測が可能になったのです。出店ブランド側も多額の出店費用リスクを負う必要がなくなるWin-Winの関係構築ができました。

さて、b8taの事例は「店舗チャネル」のハッキングです。店舗を持てなかったECブランドが柔軟な料金体制と出退店契約を通じて手軽に顧客へ商品体験を届けられるようになりました。

そして昨今、ECブランドがAirbnbを通じた「宿泊チャネル」のハッキングを行なっている傾向にあります。

ホスピタリティをマーケティング戦略の武器にする

brown wooden center table
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Airbnbに「出店」するECブランドたちが徐々に登場してきました。ここから簡単に4社ほど事例をピックアップ記事から引用する形で挙げたいと思います。

  • Casa Mami: デザイナーズECブランド「Casa Mami」はAirbnb宿泊事業を戦略の主軸に据えている企業。特別にリノベーションされたデザイナーズハウスにAirbnb経由で宿泊ができます。ハウス内に置かれている全ての家具や日用品はECサイト上で購入できる導線ができています。
  • Utility Canvas: 日用品ECブランド「Utility Canvas」は都市部で宿泊場所を探している人ではなく、バケーション客をターゲットに宿泊箇所を提供。1泊85ドルから滞在が可能。最大6人が宿泊でき、ビーチすぐ側でゆったりと過ごせるそう。部屋には同ブランド商品が置かれており、滞在中に自由に使えるとのこと。
  • Floyd: Eコマース事業者である家具ブランド「Floyd」。 本記事執筆時には14拠点の宿泊部屋を展開。ピックアップ記事によると、Airbnbを利用している旨を前面に推し出しているとのこと。
  • Marine Layer: 衣料品ブランド「Marine Layer」はAirbnbに3つのアパートルームを展開。実店舗を持っており、宿泊部屋は全て同ブランドが主要都市で展開する小売店の上階にあります。 部屋の内装や雰囲気はMarine Layerが展開する服のラインアップに合うように調整されています。 また、Airbnbsに滞在する人は、店舗で15%の割引を受けられる特典付き。 Marine LayerはAirbnbと公式のパートナーシップを結んでいませんが、サイト上ではまるで自社運営の宿泊事業のようにサービスを展開しているのが特徴です。
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Photo by Joe on Pexels.com

ここまで紹介した4つのブランド達は「ホスピタリティ・ブランディング」を戦略軸に置いている企業です。

ホスピタリティマーケティングの利点は、単に製品だけを売るのではなく、“ライフスタイル全体を売る”ことに重きを置いています。配置する全ての生活用品のキュレーンレベルを高め、ブランド商品を通じてどのような生活を送れるのかを体験させます。

なぜホスピタリティ・ブランディングを重視しているのかという理由に次のデータが挙げられます。冒頭に紹介した記事よると、ミレニアル世代の84%が一般に認知されているブランディング手法を好まない/信用しないと回答しているそうです。一方、自分たちの価値観と一致し、個々のアイデンティティに適合する「本物のブランド」に魅了される傾向にあるとのこと。

単調な商品機能の説明ではなく、「体験」を求める時代になってきたことが上記のデータから伺い知れます。こうした時代のソリューションの1つが「店舗」であり、最近登場したのがECブランドによる宿泊事業といえるでしょう(Marine Layerのみ実店舗所有)。

ソフトウェア化するAirbnb

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Image Credit : © Airbnb, Inc.

ブランドがAirbnbを活用する強みは「ハコ」がすでに用意されている点でしょう。不動産を購入することなく、ホスト宅を一度内装を加えて、生活環境を整えるだけで宿泊事業として展開が可能となります。

こうした既存ハードウェア(ここではホストが持つ不動産)にSaaSの概念を持ち込み、宿泊 × ブランドの流れに最適化した業態を「Airbnb as a Service」と筆者は呼んでいます。

ビジネスモデルの観点からでもWin-Win-Winの3方良しの関係を築けます。

ホスト側からすれば、信頼できるブランドが部屋をデザインしてくれるため、高品質な滞在環境を実現できるでしょう。滞在客からの評価も高くなる傾向になるでしょうから、必然的に検索結果上位に選ばれ、平均流入客も比較的高くなると予想されます。

Airbnb側にとっては、ブランドが出店してくれることから、さらなるサービス認知度の向上、先述したホスト側のメリット増大が見込めます。また、ブランド監修の滞在体験は単価を多少高く設定することで、収益増加が狙えるかもしれません。

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Photo by Milly Eaton on Pexels.com

ブランド側からすれば、初期投資に当たる部屋のデザイン費用さえ負担すれば世界中のあらゆるAirbnbネットワーク上に商品体験できる拠点を構えることができます。なお、初めから自社ブランドと雰囲気の合う部屋を持つホストにリーチすれば、内装コストも省き、宿泊施設に置く商品コストのみでで宿泊事業へと進出できるでしょう。

ちなみに先述したデザイナーブランド「Casa Mami」のように家を丸ごとリノベーションすることを除き、部屋の内装変更は中堅ブランドにとってみれば巨額の支出にはならないでしょうし、事実上ブランド商品を適切に配置するだけで事業展開できそうです。

また、Walmartに買収された小売ブランド「Bobonos」が展開するガイドショップ機能を持つような拠点として働くことも考えられます。Bonobosは店舗にほとんど在庫を持たず、顧客が店舗で商品を体験・購入の決定をしたあとはECサイト経由で購入プロセスを踏んでもらい、購入品は後日の自宅配送される仕組みを採用。

こうした店舗戦略を模倣し、在庫スペースを確保しなくてはならない店舗の代わりにAirbnbを使う活用法が確立されているのです。ミレニアル世代が望まないマーケティングへ莫大な費用をかけるのではなく、1ライン1商品を各滞在拠点に設置するだけでマーケティングチャネルを確立できます。

加えて、暮らしの中で商品体験をおこなうため、定量データでは測れない多大なインプレッション率を弾き出せるのも魅力です。どのような商品に興味を持ち、どのような生活をしているのかを定性的な視点から測ることができるはずです。

このように、宿泊施設の流動性はAirbnbの登場以来、世界中で高まっています。日本参入を果たしたOYOなども、こうした文脈のなかでECブランドの宿泊事業として利用される可能性は高いかもしれません。Yahoo!や楽天、BASE、ZOZOに出店するオーナーさん達が手軽に自社ブランド商品を生活体験できる場所として、様々な宿泊事業者と提携する未来はちょっと楽しそうです。

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ストリート・ファッション版メルカリ「Bump」、200万人の“ツウ”な若者を魅了するその秘訣とは

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ピックアップ: Streetwear marketplace Bump raises $7.5M ニュースサマリー:4月11日、ストリートファッション商材を扱うP2Pマーケットプレイス「Bump」が750万ドルの資金調達を発表した。 BumpはNikeやadidasに代表される若者向けブランドが販売するスニーカーやジャケットを手軽に中古売買できるプラットフォーム。現在の登録ユーザー数は約200万人…

ピックアップ: Streetwear marketplace Bump raises $7.5M

ニュースサマリー:4月11日、ストリートファッション商材を扱うP2Pマーケットプレイス「Bump」が750万ドルの資金調達を発表した。

BumpはNikeやadidasに代表される若者向けブランドが販売するスニーカーやジャケットを手軽に中古売買できるプラットフォーム。現在の登録ユーザー数は約200万人。1年前のユーザー数20万から10倍の成長を見せている。

基本機能はほぼメルカリと似ている。ユーザーはアプリ上で売られている商品にいいねを付けたり、自分の趣味に合った商品を掲載するセラー(売り手)をフォローできる。商品に対してのコメントはプライベートメッセージを介して行われる。

TechCrunchの記事によると収益源は売り手から6%を徴収する取引手数料。ユーザーは2.9%の手数料がかかるPaypal経由で決済をしなければならないため、合計8.9%の手数料が売値から差し引かれる。

ターゲットユーザーは10代を中心とした「ジェネレーションZ世代」。同世代が手軽にファッショングッズを売買できる特化型マーケットプレイスの確立を狙う。同社は著名アクセレータ「Y Combinator」2018年冬のプログラムを卒業している。

話題のポイント: Bumpのポイントとして「情報通と繋がる」ソーシャル要素が挙げられます。

マーケットプレイス機能だけに着目するとBumpは既存のEコマースアプリと変わらない印象を受けます。筆者は昨年に何度か同アプリを触っていましたが、米国では中古品売買プラットフォーム「Letgo」や「メルカリ」が急成長している背景もあり競合差別化が図れているとはあまり感じませんでした。

しかしストリートブランドという特異な商材に注目している点が大きな優勢性になっていることに気付かされます。

たとえば週末に日本の原宿にあるセレクトショップ前に新商品を買いに走る長蛇の列を見かけます。定期的に特定ブランドの商品を買い付けるバイヤーが数多くいることが分かります。欧米でも同様の現象が発生していると想像できるでしょう。

Bumpはこうした各ブランドの新作発売のタイミングなどの商品情報交換や、海外でしか買い付けられない商品の販売を個別に頼むことができるネットワーキングアプリとなっているのです。アプリ用途を「ブランド通が集まるマーケットプレイス」という立ち位置にはっきりと区別することで差別化を図っているわけです。

ブランド商品の買い付けというカテゴリーでは競合が存在します。越境Eコマース大手サービス「BUYMA」は買い付けできる人とをマッチングするプラットフォームとして大きく成長を遂げました。しかしあらゆるカテゴリーに手を広げているため独自のコミュニティ形成にまでは至っていません。

一方、Bumpに関してはストリートブランドにカテゴリーを絞ることで熱量の高いコミュニティ形成に成功しています。コミュニティドリブンであるからこそEコマースでは珍しいグループチャット機能を実装し、新作情報がスムーズに交換できる環境作りを行っているのです。

現に原宿や渋谷エリアにいる若者が潜在ユーザーに映っていることから、日本でもBump同様のコンセプトサービスを立ち上げれば大きく成長する可能性を感じます。また特化型アパレルメディア『古着男子』『古着女子』を運営するyutoriに代表される企業が、マーケットプレイスを軸にしたSNSアプリを立ち上げると面白い展開を見せそうです。

分野特化型のラインナップを揃えることで長く愛されるコミュニティを形成できそうな気がしますし、「Zozo」のような大手Eコマースとの連携も考えられそうです。

Thumnail Credit: Charles Thompson

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“垂直統合型ECメディア”の戦略とは? ーー DIYコンテンツサイト「Hometalk」が1500万ドルの資金調達

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ピックアップ: Hometalk raises $15M to grow its DIY community ニュースサマリー: 4月4日、DIY(日曜大工)コンテンツを扱うウェブメディア『Hometalk』が1,500万ドルの資金調達を行ったと発表。今回の資金調達は「Lyft」「DoorDash」「Path」への投資実績を持つファンド「NFX」がリードした。 Hometalkはユーザーが投稿した…

ピックアップ: Hometalk raises $15M to grow its DIY community

ニュースサマリー: 4月4日、DIY(日曜大工)コンテンツを扱うウェブメディア『Hometalk』が1,500万ドルの資金調達を行ったと発表。今回の資金調達は「Lyft」「DoorDash」「Path」への投資実績を持つファンド「NFX」がリードした。

Hometalkはユーザーが投稿したDIYプロジェクトを、画像・動画と詳細なガイドラインテキストに沿って参考にすることができるメディア。14万件以上のチュートリアルが投稿されているという。

『TechCrunch』の記事によると合計登録ユーザー数は1,700万、月間1,000万ユーザー及び2,100万閲覧数を誇り、2018年末までの累計閲覧数は25億回を数える。

これまで広告事業のみでの収益化を行っていた。しかし今後は「マーケットプレイス」「サブスクリプション」「ブランドコンテンツ」の3つの収益軸を確立していくとのこと。

話題のポイント: Hometalkのビジネスモデルを話す上で重要なポイントとなるのは「垂直統合型のECメディア」です。この記事では、特定分野にコンテンツを絞り、チュートリアルから物販まで一連のコンテンツ消費サイクル全てを抑えるメディアを指します。

たとえば編み物市場に特化したメディア『Lovecrafts』が挙げられます。YouTube動画とウェブテキスト記事を中心にコンテンツを展開。各コンテンツで紹介されている編み物に必要な素材販売益から収益化をしています。2017年には3,300万ドルの大型調達を果たしています。

HometalkもLovecraftsも一点特化型の事業戦略を張ることで高い競合優勢を保っています。1つの分野を徹底的に独占するメディア手法が垂直統合型と呼べるでしょう。往々にしてこのようなメディアはECもしくは広告事業を収益軸としています。Hometalkの事例では、これまで広告事業を軸に展開してきましたが十分にユーザー獲得を行えていることからEC事業の強化へ走ることが予想されます。

さて、Hometalkが参入するDIY市場には競合メディアが多くいます。ここからは同メディアがどのように競合差別化を図っているのかを簡単に紐解いていこうと思います。キーワードは「媒体の違い」「ターゲット属性の違い」の2つです。

DIY市場規模は右肩上がり。「Statistic」のデータによると、米国のDIY市場は2012年の300億ドルから2025年には4倍の1,200億ドルにまで成長すると見込まれています。

市場成長の背景にはSNS上で配信される短尺動画ブームが挙げられます。たとえば2016年、大手メディア『BuzzFeed』は専門チャンネル『Nifty』を開設。Facebookページで3,000万人以上の登録者を獲得。小難しいDIYプロジェクトの手順を1-2分のコンパクトな動画にまとめて、”一口サイズ”に配信する形式が視聴者にウケました。

しかし動画やテキスト記事を通じて手軽にDIY情報を仕入れられたとしても、実際に作ってみると案外うまくいかないもの。材料の調達から本当に正しいプロセスで完成したのか疑問に思うところもあるでしょう。DIYの元語である“Do It Yourself(一人でやれ)”の意味が裏目に出てしまった具合です。

昨今登場した動画メディアは確かに消費されやすいですが、詳細がわかりづらいデメリットを抱えています。そこで登場したのがHometalk。

先述したように、既存の大手SNSメディアが提供するDIY情報だけではチュートリアルを再現するのに限界があります。1-2分で読み切れるコンパクトにまとめられた短尺動画では細かい点はカバーしきれませんし、必要機材・材料を検索して買い出しに行かなければなりません。

HomeTalkはこの課題を解決するため、「チュートリアル/Q&Aサイト」、「Eコマース(アフィリエイト)」の2つを軸にサービスを展開。良質なコンテンツ提供から必要備品の購入までを1つのプラットフォーム上で完結できるように環境を整えたのです。

こうした巨大なメディアを構築できた垂直統合型の事業モデルを指す“One-Stop-Platform”という言葉は重要なコンセプトと言えるでしょう。

一方、ウェブメディアに目を向けるとユニコーン入りを果たしている住宅のコミュニティサイト『Houzz』が立ちはだかります。彼らとの違いは「何を買える」かではなく「何を作れるか」といった消費者心理を追求している点にあります。

DIYコミュニティユーザーが独自に持つ「自分で作りたい」というモチベーションを軸に市場セグメント化しサービスを提供しているのです。この点、Houzzはどちらかというと素敵な内装を業者に依頼してアウトソーシングしたい時短ニーズを持つ人たちをターゲットにしていると感じられます。

このように他社メディアとのアプローチの違いや、ユーザー心理/モチベーションをしっかりと定義することで競合性を強く保ち、一点集中型で成長するのが”垂直統合型ECメディア”だと言えます。

日本では一時期キュレートサイトが乱立し、広告事業を軸に成長軌道に乗っていましたが今後は良質なコンテンツを配信するEnd-to-Endなメディアかもしれません。

本記事で紹介したHometalkやLovecraftsのコンセプトは他分野への応用も十分可能なはずです。漫画やアニメ制作に代表されるアート分野や洋服やシューズ作りなどのアパレル事業に応用展開できるかもしれません。

サムネイル画像クレジット: Hans Gerhard Meier

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2016年、インドのeコマースはどう変わるか?

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eコマースは、まぎれもなくインド経済を支える主要な産業の1つになっている。Goldman Sachs のレポートによると、2015年から2018年度の間で41%のCAGR(複合年間成長率)で伸びると予想されている。 インドの消費GDPは10年以内に2兆5,000億米ドルになり、そのうち10%はオンライン消費となる。つまり、eコマースは、2,500億米ドルもの消費を生み出す重要な役割を担うことになる…

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eコマースは、まぎれもなくインド経済を支える主要な産業の1つになっている。Goldman Sachs のレポートによると、2015年から2018年度の間で41%のCAGR(複合年間成長率)で伸びると予想されている。

インドの消費GDPは10年以内に2兆5,000億米ドルになり、そのうち10%はオンライン消費となる。つまり、eコマースは、2,500億米ドルもの消費を生み出す重要な役割を担うことになると予想されている。

2016年からは、インドのeコマース産業は顧客満足やビジネス規模の拡大を信頼性、確実性、収益性を通して実現するために、長期的なビジョンに注力するよう再調整する必要がある。

企業は、全株主により良い体験を提供するために革新的で顧客志向のソリューションを提案する必要がある。これまでにないほどのインパクトのあるデジタルコマースエコシステムを生み出すには、4つの分野に重点を置くことが重要である。

4つの分野とは、デジタル決済、O2O及びオムニチャネル、ローカライズさ れたインターフェイス、そして、予測解析である。

デジタル決済によって付加価値取引が可能に

カード決済からより快適なデジタルウォレットの採用に至るまで、支払い方法はeコマース利用者が快適に付加価値のある取引を行うには不可欠なものになった。

2016年は、顧客体験を改善することに焦点を当てたより効率的なデジタル決済ソリューションを数多く目にすることになるだろう。このようなソリューションが現れれば、金融サプライチェーンや返金方法にも影響を及ぼすことだろう。

銀行はすでに、IMPS取引を通してこのソリューションの構築を支援している。この取引を利用すれば、返金業務をより速く処理することができ、ケースによっては1時間以下で返金することさえ可能になる。

2016 年は、より速い現金取引ソリューションが顧客や販売者向けに開発されるだろう。例えば、銀行は金融サプライチェーンを強化するために、取引のあるeコマー スに対応した物流会社と協力することができる。

この協力によって、銀行システムで迅速な現金の回収・登録が可能になり、さらに、マーケットプレイスや販売者へ早期に支払いを行うための効率的な技術統合も可能になる。

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同時に、インドのモバイルウォレット市場は2020年までに66億米ドルに到達すると予測されている。この予測から、シンプルで安全なデジタル決済オプションとしてデジタルウォレットが導入される可能性が高いと思われる。

Host Card Emulation(HCE)、Near Field Communication(NFC)、Bluetooth Low Energy(BLE)、 Quick Response(QR)コードのような様々な決済ソリューションがあり、デジタルウォレットはすでにワンタッチの安全な決済ソリューション、とりわけキャッシュバック取引を通して価値を生み出している。

今後はRBIの2段階認証権限を満たしているだけでなく、MPIN のような既存の技術よりも高速で安全な「On the go Pin」のようなソリューションが現れて、オンラインでのワンタイムパスワードやオフライン取引の必要性もなくなっていくだろう。

O2Oとオムニチャネルにより統合された取引が可能に

消費パターンの変化に伴い、ウェブやアプリ、実店舗など複数のチャネルから顧客にアプローチする必要性を認識する小売業者やマーケットプレイスが増えてきている。

オムニチャネルプログラムが強化されたことで、eコマース企業は、実店舗とオンラインの両方の製品の特定と配送を統合しやすくなり、顧客へ付加価値やロイヤルティを提供できる。

インドでは、まだオフラインの実店舗で商品を実際に手にして選ぶことを好む消費者がかなり多い。オンライン・ツー・オフライン取引は独自のポジションにあり、多様な消費者の要求や購買活動に応えている。

テクノロジーは直感的なO2O体験にとって不可欠な要素であるので、企業は独自の視点で差別化された体験を提供するために、まずデータ統合や未来を見通した分析に注力することができる。

実際に、地元密着型サービスの成功例である Click And Collect コマースサービスアシスタントを構築する一連の戦略的な取組みは、単純化された技術ソリューションの強固な土台の上に行われることになる。これらの取組みの例は、自動車、アパレル、不動産業界などの分野で見ることができる。

オムニチャネルの必要性がブランドにもっと認知されれば、オムニチャネルはさらに広がり、広く浸透するだろう。

ローカライズされたインターフェイスの価値の認識

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eコマースビジネスの急速な成長に伴って、eコマース業界は、市場シェアを増やすことのできるまだ未開拓分野のインドの人々の層に、まず目を向ける必要がある。

IAMAI(インド・インターネット&モバイル協会)のレポートによると、インドの2億5,900万のインターネットユーザのうち、第2級・第3級都市に住む1億2,700万のインターネットユーザは、言語の壁に阻まれて、まだオンライン上に現れていないという。

しかし、このグループの消費需要は英語圏のものと並ぶほど多様で高い。したがって、eコマース産業をまだ開拓されていない市場に広げていける可能性がある。未開拓市場には1億人以上のインターネットユーザがいると見積もられている。

次に成長が見込まれる領域は、言語ベースのインターフェイスソリューションやバックエンドサポート、顧客対応チームを作って地元の顧客だけが独自に体験できるものを提供することであると私たちは考えている。

この可能性を認識し、最初にUIを11地域の言語でローンチしたeコマース企業がSnapdealだ。これは、農村地域もデジタルウォレットで経済活動に巻き込んでeコマースのトレンドを広げていくと考えられている。

将来は現金不要な経済になる可能性が高いだろう。

革新が単純化と予測化の波に乗る

価値あるコマース体験は、商品の特定、購買、配送がいかに簡単であるかにかかっている。

顧客志向という考え方をすれば、複数のプラットフォーム、チャネル、アプリなど「一繋の真珠」にまたがるユーザエクスペリエンスの様々な側面を混ぜ合わせることを思いつくだろう。

これこそが、産業が成熟するにしたがってeコマースの取組みに対する反省、さらには弾みとなるものである。この側面が、ブランドやプラットフォームを利用した時に顧客が体験することなのだ。

顧客にインパクトを与えるには、まず、インターフェイスを直感的に操作できるものにできて初めて第一歩となる。製品の特定の効率性、他ユーザの購買体験に影響を受けるソーシャルプラットフォームの統合、オフライン閲覧体験の向上のような数多くの革新は、全ての段階が初めにインパクトを与えるための準備なのである。

現在、eコマースマーケットプレイスが注目すべき重要な領域は、主に信頼性や利便性の欠如による顧客の不満にリアルタイムに対応することだろう。技術の最先端で言えば、詐欺を未然に防ぐことができる厳しい製品品質チェックのようなソリューションを使って問題解決が行われる。

ビッグデータを使った解釈や予測分析の利用などは、eコマース企業が顧客対応を強化する方法を考える際に重要な要素となっている。

実際、顧客へ製品を勧めたり、販売者にビジネスソリューションを勧めたりする時は、顧客の嗜好を見極められるかにかかっている。しかし、データ解析は、特に工程管理の場面では活用されていない場合が非常に多い。

2016年のeコマースビジネスは、バックエンドソリューションを管理するためにデータ解析とより密接に関係してくるだろう。今日のエコシステムを見てみると、物流パートナーやマーケットプレイスは製品をより効率的に追跡することでプロセス管理の改善を促進し始めている。

例えば、特にオンライントラフィックの多い日に需要急増の予測を立てたり、組立て、配送障害を賢く管理したりするのに使われている。

eコマースは、エコシステムを強化するために多額の投資がなされていることからしても、より高い段階へと引き上げられるだろう。

バリューチェーンの様々な要素を変えることに取り組んでいる企業は、持続可能なeコマース部門を作ることも可能だ。したがって、デジタル決済、O2Oコマース、事前に単純化した技術革新は、顧客や販売者どちらに対しても価値を向上させてくれるだろう。

産業が進化するのに伴い、農村地域にいる人々もオンラインショッピングに巻き込もうということに重点が置かれることで、eコマースはさらに変革していくだろう。

デジタルコマースは、インド市場にさらなる革命を引き起こすだろう。そして、これらの展開を経て、最終的には国の経済成長を強固にする重要な役割を果たしていくのである。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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