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ecboが飲食店支援事業に参入、全国有名店の料理を家で味わえる〝レストランキット〟をローンチ

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ecbo は12日、飲食店と食卓をつなぐレストランキットサービス「ecbo kitchen(エクボキッチン)」をローンチした。ecbo によれば、レストランキットとは、レストランのメニューを自宅で再現できるミールキットを意味する造語。ecbo では、既存のフードデリバリやミールキットでは充足できない消費者需要を開拓したいとしている。 ecbo と言えば、荷物預かりサービスの「ecbo cloak」…

「ecbo kitchen」
Image credit: Ecbo

ecbo は12日、飲食店と食卓をつなぐレストランキットサービス「ecbo kitchen(エクボキッチン)」をローンチした。ecbo によれば、レストランキットとは、レストランのメニューを自宅で再現できるミールキットを意味する造語。ecbo では、既存のフードデリバリやミールキットでは充足できない消費者需要を開拓したいとしている。

ecbo と言えば、荷物預かりサービスの「ecbo cloak」で知られる。2017年1月にローンチしたこのサービスは、提供地域・拠点・ユーザ共に順調に成長していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言により、4月中旬からサービスの一時停止を余儀なくされている。インバウンド客が減少したとはいえ、荷物預かりへの需要は根強く、事態収拾を見てサービスを再開する見込み。

一方、ecbo cloak の荷物預り拠点には飲食店やイベントスペースなどが多いが、こういった事業を営む経営者からの声を工藤氏は間近で耳にすることも多かった。

Zoom 越しに「ecbo kitchen」の可能性を熱く語ってくれた工藤氏

「モノの循環を滑らかに」という思いで立ち上げたのが ecbo cloak。最初はモノから着手して、いろんなコト・モノを滑らかにする事業を立ち上げていくつもりでいた。緊急事態宣言の発令に伴い、飲食店は休業や時短営業を余儀なくされ大変な状態。

UberEats などフードデリバリにも加盟店申込が殺到していて、始めようとしてもすぐには始められない。そんな中で、ecbo として何かできないかと飲食店経営者らから相談を受けた。数千軒以上の飲食店と付き合いのある ecbo が今できることを考え、ecbo kitchen を立ち上げる決断をした。

フードデリバリでもテイクアウトでもない体験で「食を滑らかに」したい。(ecbo CEO 工藤慎一氏)

ecbo kitchen の最大のメリットは、お店にとっての商圏が圧倒的に広がる点だろう。フードデリバリは、コストやオペレーションの関係から、配達できるのはせいぜい飲食店や調理拠点から数キロ程度に限られる。フードデリバリ事業者によっては、有名飲食店のブランドやレシピを借りてクラウドキッチンで調理した料理を届けるようなところも出てきているが、オペレーションや品質維持の点からハードルは高い。

ecbo kitchen で届く、いちえんの「Wagyu Box」

ecbo kitchen はミールキットであるため、冷凍や冷蔵の宅配便の配達可能範囲であれば、どこへでも届けられる。ミールキットとはいえ、自宅に届いてからの調理は湯煎やレンジアップで完了するため、その手軽さは「宅麺のオールジャンル版と考えてもらえばいい(工藤氏)」とのこと。キットを用意する店舗もまた、オーダーに基づいて準備を始められることからフードロスを削減できるメリットがある。

現時点で加盟店として準備を始めているのは30店舗ほど。お店からは、今後実店舗で提供しようとしている試作品や、調理手間の関係で提供できていなかった裏メニューなども提供できるのでいい、と評価をいただいている。

これまで飲食店は地域や商圏に縛られていたが、ecbo kitchen を使えば全国に商品を売れるので、飲食店も知名度やブランド力を資産化できるようになる。(工藤氏)

ただ、ecbo kitchen を始める上で飲食店にとってハードルが無いわけではない。店舗からのフードデリバリやテイクアウトであれば飲食店は保健所からの営業許可の延長でカバーできるが、レストランキットは日を跨いでの消費となるため、別途製造許可を取得する必要が生じる。この許可の枠組みは自治体によってまちまちで、今までそのような業態を経験していない飲食店にとっては煩雑な作業だ。こういった許可取得や包材の手配などについても、ecbo kitchen では側面支援を提供したいとしている。

工藤氏によれば、ecbo kitchen のサービス開発や各店舗との打ち合わせは、すべてオンラインで完結させたのだそうだ。新型コロナウイルスという禍が追い風となって生まれた ecbo kitchen だが、工藤氏が以前インターンしていた Uber 率いる UberEats が未リーチの顧客層を満足させられるかどうか、今後の成長が楽しみである。