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VRアプリ開発のEmbodyMe、アーリーラウンドで約2.3億円を調達——「次世代CG界のPIXARを目指す」

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VR アプリや技術を開発する EmbodyMe は12日、アーリーラウンドで約2.3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、DEEPCORE、インキュベイトファンド、Deep30(東京大学松尾研究室のスピンアウト VC)、Techstars、SMBC ベンチャーキャピタル、漆原茂氏で、調達額には NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究開発型ベンチ…

EmbodyMe のチームメンバー。中央が CEO の吉田一星氏
Image credit: EmbodyMe

VR アプリや技術を開発する EmbodyMe は12日、アーリーラウンドで約2.3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、DEEPCORE、インキュベイトファンド、Deep30(東京大学松尾研究室のスピンアウト VC)、Techstars、SMBC ベンチャーキャピタル、漆原茂氏で、調達額には NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究開発型ベンチャー支援事業採択による助成金が含まれる。

インキュベイトファンドからの調達は、2017年のEmbodyMe 創業直後のラウンドに続くものだ。EmbodyMe の創業来累計調達額は、日本政策金融公庫からの資本性ローンを含め約3.6億円となる。

EmbodyMe は一枚の顔写真から自分そっくりのアバターを生成し、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を通して、他ユーザはインターネット越しに、あたかもその人と話しているかのような感覚でコミュニケーションができる VR アプリをローンチ。また、昨年には、AIで表情をリアルタイムスキャンしフェイクビデオが作れる「Xpression」をローンチしている。

アプリ「XPression」
Image credit: EmbodyMe

EmbodyMe の技術では、顔の表面上に5万点以上の捕捉ポイントを設け、Deep Generative Model(深層生成モデル)によるビジュアルコンテンツを作成することが可能で、静止画だけでなく動画でもリアルタイムに、また、大規模なオンプレミスマシンやクラウド環境を必要とせず、モバイルでも軽快に動作させられるのが特徴だ。

CEO でエンジニアの吉田一星氏によれば、将来的には実写映画や SNS などに利用されることを目指しており、そういったプロシューマの要求に応えられるレベルに技術を育て上げるために、コンシューマ向けアプリ Xpression を通じて、データや知見を蓄積しているフェーズだという。XPression がきっかけとなり、リアリスティックなビデオ制作が可能であるとして、今年の Techstars Music には EmbodyMe が日本スタートアップとして唯一選出された。

EmbodyMe では調達した資金を元に、IT、映画、ゲーム、テレビなどあらゆるコンテンツ産業が変革していく中で、EmbodyMe はその中心となるポジションを取りにいくとしている。吉田氏は、1990年代の3D コンピュータグラフィクスを PIXAR が先導したように、EmbodyMe が2020年代のコンピュータグラフィクスにおける中心的存在になりたい、と野望を語ってくれた。

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VRアプリ開発のEmbodyMe、AIで表情をリアルタイムスキャンしフェイクビデオが作れる「Xpression」をiOS向けにローンチ

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東京を拠点とする VR スタートアップの EmbodyMe は、人工知能(AI)を使うことで、リアルタイムに顔の動きをスキャンし、フェイクビデオが作れるモバイルアプリ「Xpression(エクスプレッション)」をリリースした。iOS 向けに AppStore から無料でダウンロードできる。 Xpressionは、ビデオの顔の表情を、カメラに映った自分の顔の表情にリアルタイムで置き換えるアプリだ。i…

東京を拠点とする VR スタートアップの EmbodyMe は、人工知能(AI)を使うことで、リアルタイムに顔の動きをスキャンし、フェイクビデオが作れるモバイルアプリ「Xpression(エクスプレッション)」をリリースした。iOS 向けに AppStore から無料でダウンロードできる。

Xpressionは、ビデオの顔の表情を、カメラに映った自分の顔の表情にリアルタイムで置き換えるアプリだ。iPhone で撮影したビデオはもとより、YouTube などで公開されているものなど表情が映っているあらゆるビデオを利用可能。有名人へのなりすまし演出のほか、着替えていない寝巻き姿のまま、あたかもスーツ姿で話しているかのようなオンライン動画も作成できる。

このアプリの動作を実現しているのは、最近、AI 分野でよく耳にする GAN(Generative Adversarial Network、敵対的生成ネットワーク)という技術。カメラに映っている顔の表情、元にする映像として提供されたビデオにおける人の動きを分析し、GAN で動画をリアルタイム生成している。CEO でエンジニアの吉田一星氏によれば、Xpression ではディープラーニングも3つが同時に走っているが、多くのリソースを必要とせずモバイルやローエンド PC でも簡単に動作するようにした独自技術が特徴なのだという。

Xpression は、このアプリ単体でのビジネスモデルを確立してはいないが、EmbodyMe が持つ技術を使って可能性を具現化できたことで、バーチャル YouTuber など動画サービスを提供する企業やスタートアップなどが、この技術を採用する可能性は考えやすい。吉田氏によれば、世界的に見ても Xpression の競合はまだいないとのことで、製品ページが英語であることをふまえると、当初から国外市場にリーチすることも視野に入れているのだろう。

EmbodyMe は2016年6月、いわゆる〝未踏エンジニア〟である吉田氏をはじめ、ヤフー出身のエンジニアやデザイナー3名により設立(当時の社名は Paneo)。2017年にはインキュベイトファンドから9,000万円を資金調達し EmbodyMe をリリース。同年、Tokyo VR Startups(現在の Tokyo XR Startups)の第3期に参加した。今年4月に東京で開催された Microsoft Innovation Day で Xpression を披露し、聴衆からの関心を集めた。

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顔写真1枚から3Dアバターを作成、臨場感に富んだコミュニケーションを実現するVRアプリ「EmbodyMe」がローンチ——インキュベイトファンドから9,000万円を調達

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昨年末から今年の年明けにかけて開かれたいくつかのデモデイの中で、一際気になっていたスタートアップがいた。VR スタートアップ、というよりは、アバターを作り出すスタートアップと形容した方が適当なような気もするが、「EmbodyMe」というサービスを提供する Paneo だ。同社は24日、VRアプリの EmbodyMe を Steam と Oculus Store で配信開始した。Oculus Rif…

Image credit: Paneo

昨年末から今年の年明けにかけて開かれたいくつかのデモデイの中で、一際気になっていたスタートアップがいた。VR スタートアップ、というよりは、アバターを作り出すスタートアップと形容した方が適当なような気もするが、「EmbodyMe」というサービスを提供する Paneo だ。同社は24日、VRアプリの EmbodyMe を SteamOculus Store で配信開始した。Oculus Rift、Oculus Touch、HTC Vive で無料で利用できる。

EmbodyMe は一枚の顔写真から自分そっくりのアバターを生成し、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を通して、他ユーザはインターネット越しに、あたかもその人と話しているかのような感覚でコミュニケーションができる VR アプリだ。Skype などでのコミュニケーションでは、動画や音声だけでは直接対面で話をする場合に比べ、ニュアンスやコンテキストが伝わりにくい場合がある。EmbodyMe では、オンラインでのコミュニケーションがリアルに比べ足りない部分をアバターを使って補い、必ずしも会って話す必要の無い環境を提供する。

この分野では、マイクロソフトなどが複数台の Kinect を使って人体を 3D キャプチャーし、リアルタイムレンダリングするようなしくみを開発しているが、スタジオが必要だったりするなど、その準備や環境は手軽なものとは言えない。Facebook も Oculus を使って同様の試みを行なっているが、実在感が得られにくかったり、作成に手間がかかったりしてしまう。

一方、EmbodyMe では顔写真から 3D モデルを容易に作成し、それをユーザの動作にあわせメタバースの中にリアルタイムに描き出すことができる。ユーザの話している姿、身体の動き、表情なども克明に再現されるのには驚きだ。ユーザの身体全体を実映像のまま 3D でとらえて送信するのではなく、アバターを使うという〝割り切り〟が導入の手軽さと遊びの要素をもたらした。当初は、Oculus Rift や HTC Vive を所有するゲームやエンタメ系ユーザをアーリーアダプタと位置づけ、EmbodyMe のユーザへ取り込んでいきたい考えだ。

今はまだ VR デバイスを誰もが持っている状況ではないし、VR 業界もこれからだんだん盛り上がっていくフェーズ。そこで、EmbodyMe からはユーザがアバター体験を動画出力できるようにした。

動画を Facebook や Twitter などに投稿してもらうことで、ユーザは VR デバイスを持っていない友人などにもアバター体験を共有することができ、ネットワーク効果が期待できる。(Paneo の CEO でエンジニアの吉田一星氏)

Image credit: Paneo

EmbodyMe は現在のところ無料だが、ビジネスモデルが確立できるかどうかの可能性について、吉田氏は大きな心配をしていないようだ。モバイルゲームに慣れた世代には、EmbodyMe 上でアバターが身につけるバーチャルアイテムを販売すれば、お金を払って買ってもらえるかもしれない。かつて世界を席巻した「Second Life」に大企業がこぞってバーチャル店舗を出店していたことから、メタバースの世界に広告を出稿してもらえる可能性も十分に考えられるだろう。

吉田氏は Paneo での当面の優先課題として、VR アプリのブラッシュアップと、サードパーティのデベロッパが EmbodyMe のアバター機能を使ったコンテンツやゲームを開発できるようにする SDK のリリースを挙げた。サードパーティのデベロッパからは既に多くの要望も寄せられているとのことで、2017年中の SDK 公開を目指したいとのことだ。

Paneo のチーム
Image credit: Paneo

Paneo の創業メンバーである吉田一星氏(CEO/エンジニア)、香島ユリ氏(共同創業者/デザイナー/モデラー)、田邉裕貴氏(エンジニア)はいずれもヤフーの出身で、以前は新規アプリの開発やデザインに従事していた。彼らが手がけたアプリは「怪人百面相(Face Stealer)」をはじめ、「なりきろいど(Avatar Phone)」では経済産業省の「Innovative Technologies 2015」に選出(いずれもアプリは既に配信停止)。また、吉田氏は学生時代に、ソーシャルメモサイトの開発で未踏IT人材発掘・育成事業に携わっている。彼らの軌跡を見てみると、優れた VR デバイスが世に出る何年も前から、ソーシャルネットワークとアバターという2つのコンセプトに一貫して取り組んで来た姿勢を伺い知ることができる。

Image credit: Paneo

VR を駆使したコミュニケーション環境が、いつの日か Skype や LINE のようなチャットアプリを凌駕する日は来るのだろうか。もちろんユースケースによってユーザはツールを使い分けることになるのだろうが、エンタープライズで言えば、シスコやアバイアなどが支配するテレカン・ソリューションの領域は、Paneo のようなしくみに進化するか、または Paneo のようなしくみによってリプレイスされるであろうことは想像に易い。

Paneo は2016年6月の設立。同社は今回の EmbodyMe ローンチとあわせ、インキュベイトファンドから9,000万円を資金調達していたことを明らかにした。来週には SVVR(Silicon Valley Virtual Reality)に出展するということなので、今後アメリカでの市場の反応も楽しみにしてみたい。

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