BRIDGE

タグ Emmanuel Macron

仏大統領選挙、有力候補5人が掲げるテクノロジー政策を比較分析

SHARE:

フランス次期大統領を待ち受けているのは、政治や経済への不満が渦巻く国の現状だ。そんな懸念の中、テクノロジー市場とスタートアップ市場の急速な発展が近年では大きな明るい話題になっている。 日曜日(4月23日)にフランスで次期大統領を選ぶための第1回投票が行われる。そこで多くの票を得た上位2名の候補者が、5月7日の第2回投票に進むことができる。 最後まで勝ち残った者が「La French Tech」の運…

Image credit: adrianhancu / 123RF

フランス次期大統領を待ち受けているのは、政治や経済への不満が渦巻く国の現状だ。そんな懸念の中、テクノロジー市場とスタートアップ市場の急速な発展が近年では大きな明るい話題になっている。

日曜日(4月23日)にフランスで次期大統領を選ぶための第1回投票が行われる。そこで多くの票を得た上位2名の候補者が、5月7日の第2回投票に進むことができる。

最後まで勝ち残った者が「La French Tech」の運命を決めることになる。「La French Tech」とは、テクノロジー業界の発展を推進するために現在の社会党政権が3年以上前に立ち上げたプログラムだ。このプログラムには、起業家精神を高め、投資家を引き付けるための幅広い政治的および経済的な支援が盛り込まれている。

そのプログラムは実際にどれほど信用できるものなのか、そして、フランスのテクノロジーエコシステムは独立してやっていけるのか、そう疑念を抱く者もいるだろう。しかし、現時点でフランスのテクノロジー業界が凄まじい勢いを持っていることは明らかだ。

テクノロジーというテーマについて候補者らはどのような立ち位置を取っているのだろうか。

第1回投票を数日後にひかえ、世論調査も活発化している。 5人の有力候補がおり、第2回投票への進出が可能な票数を獲得する見込みがあるのはそのうちの4人。最新の世論調査の集計によると、中道のエマニュエル・マクロン氏が23%で、極右のマリーヌ・ル・ペン氏が僅差でそれに続く。

さらにその後ろには、保守派のフランソワ・フィヨン氏と極左のジャン=リュック・メランション氏が20%で並び、社会党のブノワ・アモン氏は8%となっている。

ここからは、テクノロジー政策に関する公約について、これら5名の候補者が語ってきたことを見ていこう。

エマニュエル・マクロン氏

フランスのスタートアップ業界から最も支持されている候補者はマクロン氏だと言っても差し支えないだろう。彼は現在の社会党政権下で経済大臣を2年務め、起業家精神を積極的に支持し、保護主義に走るのではなく、むしろ現在テクノロジーがもたらしているディスラプションの波を受け入れる必要があると主張してきた。

昨年に大臣の職を辞した後、マクロン氏はオバマ式の組織戦略とデジタル戦略を用いて独立系政治グループ「En Marche!(前進!)」を設立した。フランスの政治において、伝統的に左右に分かれた社会党と共和党の間には新たな中道が存在する、というのが彼の考えだ。

また、彼は親 EU・EU 残留派の最有力候補だ。一方、労働改革を支持する考えが労働組合の不評をかなり買っている。

彼は著作の中でこう語っている

研究とイノベーション、労働と起業家精神によって、経済的および社会的な流動性を再構築したいと考えています。デジタル革命は、私たちの生産、消費、生活のあり方に変化をもたらします。

公約の中で彼は以下のことを述べている

  • 職業訓練、環境事業、フランス政府のペーパーレス化に520億米ドルを注ぎ込む。
  • フランス人が労働者や起業家として登録しやすくなるように、労働と社会保障関連の法律を改正する。
  • 起業家への失業給付を拡充する。
  • 行政サービスを簡素化およびオンライン化し、悪名高き鈍重なお役所仕事の迅速化を図る。
  • ホテルや職業ドライバーの免許など新規事業者の許認可を与える機関向けにデジタルデータベースを作成し、プロセスの迅速化と透明性の向上を図る。また、これにより、フランスのスタートアップが海外のテック企業と競争しやすくなるような環境をつくる。
  • 欧州における単一デジタル市場の推進とリスクキャピタルファンドのサポートを継続する。
  • 高速光ファイバと無線ネットワークの拡大を進める。
  • フランス再建に向けた文化的および経済的に重要な原動力として、起業家精神の奨励を継続する。

マリーヌ・ル・ペン氏

そう、彼女は反移民を掲げる非寛容な極右政党「国民戦線」の声なのだ。注目すべきは、彼女がフランスの EU 離脱とユーロ廃止を望むポピュリズム的な経済政策を掲げていることだ。米トランプ大統領のように、彼女は経済的混乱によって取り残された人々にもっと焦点を当てることを約束し、労働者階級の有権者の心をつかんでいる。現在の世論調査どおりにいけば、第2回投票は彼女とマクロン氏の決選投票となる。そして、マクロン氏が労働組合から嫌われていることを考慮すれば、大方の予想を覆すギリギリの勝負になる可能性がある。

テクノロジー政策に関する公約として、彼女は以下のことを約束している:

  • 「知的な保護主義」を通じて、「不正な国際競争に直面するフランス企業を支援する」。
  • 小規模企業の事務負担と税負担を軽減する。
  • 中小企業やスタートアップ向けの研究開発減税制度、ベンチャーキャピタルやスタートアップまたは自社でベンチャーファンドを設立する大企業向けの税制優遇措置を設ける。
  • フランス国内の生産者に課せられた規制基準に準拠していない海外商品の輸入および販売を禁止する。
  • 同時に、国内で流通する商品および製品に対し生産国の明記を義務づけ、「メイド・イン・フランス」を支援する。
  • オンライン上の「サイバー・ジハーディズムや小児性愛」との戦いを強化しつつ、憲法によって保護されている基本的自由に表現の自由とデジタルの自由を加えることにより、これらの自由を保証する。同時に、名誉毀損や中傷にあった被害者のために苦情処理手続を簡素化する。
  • フランス国内に設置されたサーバに個人情報の保存を義務づける個人情報保護を含めた憲法価値の憲章を制定する。
  • フランス人の雇用という国家的優先課題を効果的に実践するために、外国人従業員の雇用に追加税を設定する。
  • 経済安全保障局を新たに設け、国益を損なう海外投資を規制することにより、重要かつ有望な業界の保護を行う。「ハゲタカ・ファンド」や「敵対的な株式公開買い付け」から企業を保護し、有望な業界において権益を確保するという二重の使命を持ったソブリンファンドを創出する。
  • 新たなテクノロジーに関連した労働形態の変化(「ウーバリゼーション、ロボット化、シェアリングエコノミーなど」)を予測するために、財務省に経済変化を専門とした大臣職を設ける。関係部門と協力して、公正な競争を維持するための新たな規制を制定する。
  • 国内企業に公的補助金が支給された場合、それから10年間海外企業がその企業を買収することを禁止し、フランス国内におけるイノベーションを奨励する。寄付に対する税額控除を増やすことによって、研究やイノベーションといった戦略的分野を促進する。公的研究予算を30%増額する(GDP の1%が上限)。
  • 中小企業「専用のワンストップショップ」を設け、事務手続き上および税制上の複雑さを軽減する。
  • 自営業者のための社会保障を拡充する。
  • 医療制度を現代化する国内スタートアップを支援する。
  • インフラへの投資、特に農村地域における高速インターネットと無線通信範囲を拡大するような投資を支援する。

フランソワ・フィヨン氏

保守派のフィヨン氏は元首相で、共和党予備選では予想を裏切り、より穏健派の本命候補者を打ち破り勝利を収めた。もともと、第2回投票に進出する可能性が最も高いのはフィヨン氏とル・ペン氏で、フランス国民は右派候補者と極右候補者のいずれかを選ぶことになるだろうと予想されていた。しかしフィヨン氏は、英国人妻ペネロペ氏などの家族に対して公職を与え、勤務実態のない彼らに不正に給与を支給したとして非難された。 この「ペネロペゲート」と呼ばれるスキャンダルによって、一度は世論調査の結果が落ち込んだ。だが、後半になって立ち直りを見せている。

フィヨン氏は仏テクノロジー業界の新たな擁護者になりたいと声高に述べている。今年初めにラスベガスで開催された CES を訪れた彼は、より広い範囲でコネクティビティと起業家精神への投資やサポートを行うことにより、フランスを「スマートな国家」にしたいと宣言した。彼は「オタク」を自称しており、コンピュータの修理が好きなのだそうだ。

著作の中で彼はこう語っている。

私は自分の国を現代化したいのです。デジタル、それは経済において数ある中の一部門というだけではありませんし、ガレージ内から始まる未来的なスタートアップというだけでもありません。私たちの目の前で起こっているのはまさに産業革命であり、文化、価値観、経済、さらには主権に関する大きな課題を私たちに突き付けています。しかし、それは同時に大きなチャンスをもたらします!私たちには現実的なデジタル政策が必要です。すべてのフランス国民がこの革命から恩恵を受けることを願っています。

テクノロジーに関して彼が掲げる公約を以下に挙げる:

  • 超高速フランス計画への追加資金投入および再編成、さらに「5G 計画」の始動により、2022年までの超高速固定およびモバイルブロードバンドの展開を加速させる。
  • 電子民主主義と電子政府サービスを拡大する。
  • 国、地域、地方の自治体においてオープンデータと API の利用を拡大する。
  • 個人情報の保護を強化する。
  • 医療制度を現代化するために、遠隔医療と電子医療サービスに投資して展開する。遠隔地からより多くの人々の健康状態を観察し、患者のケアをより効果的かつ効率的に行えるようにコネクテッドオブジェクトを導入する。
  • ドイツと連携し、自動運転車やコネクテッドビルディングなどの新たな欧州産業の発展を支援する。
  • 人工知能とブロックチェーンの分野で欧州がイノベーションの中心となるようなプロジェクトを特定して支援するためのプログラムを開始する。
  • 企業や政府のサイバーセキュリティ要件を強化する。
  • 中学生のための「デジタル文化」プログラムの追加、デジタルを専門とする教師の採用と訓練の強化、高等教育のためのデジタル訓練プログラムの開発を含む、あらゆるレベルでのデジタル訓練および教育を強化する。
  • テクノロジー巨大企業が納税を回避できる所在地を選ぶのを防ぐため、欧州全域で税法を改正する。
  • 国内の主要テクノロジー部門のための大きな資金調達メカニズムを新たに構築する。

ジャン=リュック・メランション氏

メランション氏は2008年に離党するまでは社会党に所属し、その後「La France Insoumise」や「Unbowed France」という独立系の政治団体を設立している。泡沫候補だったがここ数週間で世論調査の上位に浮上し、先週(4月第3週)トゥールーズで行った集会では7万人を集めた。

最も注目すべき彼のテクノロジーの利用方法は、選挙運動へのホログラムの活用だ。

また彼は一部の起業家からも支持を得ている。下の動画(フランス語)は一例だ。そして、彼が政界へ復帰できたのは昨年のこの演説に助けられた部分もある。この演説はフランスではちょっとした話題になった。

テクノロジーに関する公約として、彼は以下のことを掲げている

  • EU の抜本的な改革を開始する。ビジネス界寄りの基本構造が再交渉で見直されない場合、EU 離脱のための国民投票も辞さない構えだが、欧州全域で協力がなされるはずだという考えも明言している。
  • フランスの産業経済を復活させるために、環境産業とテクノロジー分野への大規模な公共投資を行う。
  • 最低賃金を引き上げ、労働時間を短縮する。
  • 高速インターネットの導入を加速させるために大規模な公共投資を行う。
  • 彼が掲げる一連の「メイド・イン・フランス」案が実施されれば、多くのシリコンバレー企業(Uber など)は、フランスで事業を行うために労働規則の大幅な見直しを余儀なくされそうだ。どの海外企業も労働者に労働組合を組織する権利を与えなければならず、フランス国内の他の労働基準を遵守しなければならない、と彼は述べている。
  • 経済的進歩の第一目標として、商品やサービスのコストを下げることに執着するのは、そのような政策が経済的および社会的に及ぼす多大な影響を無視しているに等しい、と考えている。
  • 「設立3年未満の企業を優先した、独立業務請負人と中小企業を支援する公共サービスを設けます。そのサービスの下には、法律、マネジメント、人事、税制、環境責任、イノベーションなど様々なスキルを持った専門家が集まります。さらに、起業家にとっては、法律、商業、行政上の障壁を排除できる上に、小規模企業の設立、継承、経営に要する手続きを誰でも無料で行えるようにします。」

ブノワ・アモン氏

アモン氏は社会党の候補者だが、彼にとってみればそこに所属していることで得られる利益はまったく無かったようだ。2012年に議員に選出された後、彼は進歩的なオランド政権の閣僚メンバーとなった。しかし、オランド大統領がより中道的な路線へのシフトを決めたのをきっかけに、閣僚から退いた。オランド政権下で首相を務めたマニュエル・バルス氏を相手に、アモン氏は番狂わせの勝利を収めた。

しかし、この選挙での進歩的な彼の主張はメランション氏の主張に飲まれてしまった感がある。さらに、彼のサポート陣営は10名に満たないスタッフで運営されている。それでも、今週末の投票日(4月23日)には浮動票が舞い込むことを願って戦い続けている。結果はまだわからない。彼が活用している Snapchat の投稿で何か変わるかもしれない:

それはさておき、テクノロジー政策について彼は以下のように語っている

  • 「すべての人にデジタルテクノロジーが行き渡るようにします。」
  • 「戦略的投資プログラムを展開します。」さらに彼は、中小企業が資金調達しやすい環境をつくると付け加えた。
  • 流動性供給について、フランスの中央銀行が自ら資金を供給する権限を拡大する。
  • 新たな事業や研究に投資する人々に対する税額控除の改革を行う。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

フランス次期大統領候補Emmanuel Macron氏、インターネットを活用し政治改革に挑む

SHARE:

この1年の間にインターネットの影響で国際政治は一変したが、ここにきて Emmanuel Macron 氏が、インターネットを活用してフランスに新たな政治的均衡をもたらそうと試みている。 元経済相である同氏は、末尾に Yahoo 風の感嘆符までついた新たな政治組織 En Marche!(「進行!」や「働く!」の意)を設立し、その数ヶ月後の8月に社会党政権を辞職している。Macron 氏は、フランスに…

フランス大統領候補、En Marche! のリーダー Emmanuel Macron 氏
Image Credit: VentureBeat/Chris O’Brien

この1年の間にインターネットの影響で国際政治は一変したが、ここにきて Emmanuel Macron 氏が、インターネットを活用してフランスに新たな政治的均衡をもたらそうと試みている。

元経済相である同氏は、末尾に Yahoo 風の感嘆符までついた新たな政治組織 En Marche!(「進行!」や「働く!」の意)を設立し、その数ヶ月後の8月に社会党政権を辞職している。Macron 氏は、フランスには従来の右翼・左翼では象徴しきれない政治的中心点が存在すると確信している。

Macron 氏は、その中心点を明らかにし新たな政治的活動を一から築き上げるべく、パリを拠点とする「ヨーロッパ初のキャンペーンスタートアップ」Liegey Muller Pons とともに取り組み始めた。同社は、2008年にバラク・オバマ氏の選挙キャンペーンでボランティアした際に米国で出会ったパリ出身の3人の若者によって設立された。

綿密なデータ分析を活用して大勢のボランティアを引きつけ、組織化し、そして意欲を引き起こさせるオバマ・チームの手法に感銘を受け、同社はこの戦術を、プライバシーやデータに関する政策や規則がまったく異なる同国で採用している。Macron 氏が正式に2017年5月のフランス大統領選挙の無所属候補となった今、勝利する見込みをわずかでも得るには、こういったデジタルツールを利用して大勢の草の根レベルのボランティアをまとめる必要があるだろう。

会社の共同設立者の1人である Guillaume Liegey 氏はこう語る。

私たちが提供するのは、Facebook や Twitter を使うためのデジタルコンサルティングではありません。私たちは資金集めもしません。私たちが焦点をあてるのは、現場の大勢の人たちの協調です。データ、デジタル、人間を結び付けることを自社の活動だと考えています。

困惑をまねく候補者

En Marche のデジタル戦略を理解するには、Macron 氏自身とフランス政治における彼の立場をもう少しよく知るといいだろう。

2012年、現職の保守派大統領ニコラ・サルコジ氏を破り、社会党員フランソワ・オランド氏がフランス大統領に選出された。当初はアルノー・モントブール氏が経済相に任命された。モントブール氏のことは、シリコンバレーでフランスの Dailymotion を買収しようという Yahoo の試みを遮るべく介入した人物として記憶している人も多いだろう。しかしそれは、同氏は決してスタートアップやイノベーションの支持者ではないと、フランスの起業家らが感じるに至ったいくつかの出来事の1つに過ぎなかった。

2014年の内閣改造の際、当時わずか37歳だった Macron 氏がモントブール氏の後任となった。若さと華々しい出世に加え、同氏がフランスの支配体制を困惑させるらしい理由は他にも数多くあった。Macron 氏が20歳以上年上の妻に出会ったのは、高校で彼女からフランス語を教わっていた時だった。また同氏が、大学で勉強した哲学に博識であると主張できる真の根拠はどこにあるのかについては、知識人の間で活発に議論されている。

しかしもっとも不可解なのは、Macron 氏がオランド政権に加わる前は投資銀行家だったということだ。これは社会党員の経歴としては珍しい。公職にあった頃、同氏は企業寄りの改革を推し進め、労働組合の怒りを買い抗議行動をもたらした。一度はフランス議会で混乱を引き起こし、オランド政権の崩壊をまねきかけたこともある。また、2013年に当時のデジタル経済担当相フルール・ペルラン氏によってローンチされ、後継者アクセル・ルメール氏がさらに拡大させた French Tech イニシアチブの積極的な支持者でもある。

同氏は2014年12月に開催された Le Web カンファレンスで次のように述べている。

はっきり言いますと、フランスは今、勢いにのっています。私たちにとってもっとも重要なのは、どのようにして勢いを増すか、そして新規ビジネスの創出をどのようにして後押しするかです。…私の役目は、今後数年の間に何千もの新しいビジネスを確実に創出し、古いビジネスと置き換えることです。…私の役目は、人々が革新的でありリスクを負うことができるよう、人々を守ることです。

これを聞いて起業家は喜ぶかもしれないが、フランス人労働者すべてが喜ぶとは限らない。この春ストライキ中の組合労働者と直接対面した際、Macron 氏は憤慨したストライク中の1人の労働者にこう伝えている。

スーツを買いたければ働くのが一番です。

Macron 氏はこれ以前に、もはや自分は正式には社会党員ではないという失言をしている。今年初め、オランド氏の支持率が一桁に落ちる中、Macron 氏は En Marche の設立を発表した。

政治的なスタートアップ

社会党から離脱するだいぶ前から、Macron 氏は非公式で Liegey 氏と話を進めていた。両者は、Liegey 氏が McKinsey でコンサルタントとして働いていた数年前に出会っている。Liegey 氏は2007年にハーバード大学に留学するためにフランスを離れ、オバマ氏の選挙キャンペーンに刺激を受けてボランティアとして活動することを決めた。

ニューハンプシャー州で戸別訪問を実施し、Liegey 氏は毎日ボランティアに渡される、訪問先、訪問ルート、訪問者のプロフィールなどのデータの精巧さに驚かされた。またこの時の経験から、有権者と直接会って話すことの重要性を確信した。

これまでに数多くの実験が行われており、それらは有権者との関わりが直接的であればあるほど、投票率は上がり、考えを変える人の数が増えることを示しています。

その頃 Liegey 氏は、ボストンで2人のフランス人留学生に出会った。Arthur Muller 氏と Vincent Pons 氏もまた、オバマ氏の選挙キャンペーンのボランティアをしていた。パリに戻ってしばらくたったのち、3人は2012年に当時開始されて間もなかったオランド氏のキャンペーン陣営にアプローチした。彼らは、より入念な投票推進運動を実現しより多くのボランティアを獲得することで、オランド氏の選挙キャンペーン活動を現代化できると主張した。当時の政治キャンペーンでは、このやり方はまだ一般的ではなかった。

3人はボランティアとして、オランド氏と社会党を支援する活動を開始した。やがて少額の予算を与えられ、チームのボランティア人員は15人に拡大した。彼らは、当時会員数約15万人の党有料会員リストのデータを大いに活用し、社内でソフトウェアを開発した。党の各活動家はボランティアと組み合わされ、全国で戸別訪問が実施された。

キャンペーン規模の拡大には、テクノロジーが非常に役立ちました。(Liegey 氏)

結果的に、彼らは2012年の選挙キャンペーン中に約4万人のボランティアを獲得し、その戸別訪問数は500万件に達した。オランド氏は51.7%の票を獲得し、僅差で当選を果たした。

フランスでの選挙キャンペーンを見るとわかりますが、こういったキャンペーンを展開すべきかどうかはもはや問われません。当たり前のように実施されます。(Liegey 氏)

フランスの大行進

オランド氏の選挙キャンペーンののち、3人は正式に Liegey Muller Pons を創設した。Liegey 氏は政権に加わった Macron 氏と連絡を取り続けた。2016年初頭、Macron 氏は新たな政治活動に向けて自身の構想を具体化するため、同社を正式に雇用した。

当初、新しく形成されたチームの手元にはデータがほとんどなかった。フランスで定められているプライバシー法のもとでは、米国では一般的に行われていることだが、投票記録のデータベースのコピーを入手したり、市場調査員や他の政治家から第三者のデータベースを購入したりすることはできない。そのためチームは、有意義な洞察が得られるような規模で、有権者に自発的に個人情報を提供してもらう必要があった。これはただでさえ大きな難題であったが、当初はプロジェクトが人目に触れぬよう進められていたため一層の困難をまねいた。

データベースはありませんでした。秘かに準備が進められました。情報のリークを回避するためです。(Liegey 氏)

やがてMacron 氏は En Marche を公表し、「Grande Marche(大行進)」と共に開始すると述べた。つまり、全国の市民と会話し、入手した情報でこの新たな活動を展開する基盤を形成するというプロセスだ。チームはウェブサイトをローンチし、ボランティアを求めて登録を呼びかけた。

数週間でサイトの登録者数は3万人に達した。En Marche チームはこのデータを利用し、近所を回って戸別訪問しインタビューを実施してくれるボランティアを募った。Liegey 氏によると、6,000人のボランティアを期待していたが、集まったのは5,000人に過ぎなかったという。最初は失望したが、当時を振り返り、新しい試みにも関わらずあのようなボランティアのコンバージョン率を達成できたことに彼は満足している。

ボランティア人員に対し、インタビュー技法と他のボランティアの管理に関する基本的な研修が行われた。チームは当初、ボランティアがインタビューを録音できるボイスアプリの開発を試みたが、現場で良質の音声をとらえるのは困難であることが判明し、また文字起こしも必要になってくる。代わりに彼らは、チームがいくつかの一般的な質問に対しキーワードによる回答を入力できるアプリを開発した。

  • フランスでは何が機能するか?
  • フランスでは何が機能しないか?(もっとも多かった2回答は教育システムと政治)
  • フランスの政治を一言で言い表すと?
  • 過去1年間における最高/最悪の経験は?(「最悪」な経験として圧倒的に多かった回答は、過去2年間に相次いで発生したテロ攻撃であった。)
  • あなたの周囲における、しっかりと具体化された地方イニシアチブについて教えてください。
「Grande Marche」アプリ

いまやチームは、集積した En Marche 会員に関する新データを集計データや人口統計データとうまく融合させ、国内有権者をさらに正確に把握するに至っていた。米国の政治家が手にするほどの正確性は達成できなかったものの、国内の他の政党と比較するとより洗練された水準で機能しているとチームは実感していた。

2016年の春から夏にかけて数週間、En Marche のボランティアは家々を訪問してさらにデータを集めた。しかしそれと同じくらい重要視されていたのは、より積極的に関与していくような文化を En Marche 内に築き、潜在的な投票者の関心を引き出すに足る影響力をボランティアにもたらすことだった。チームは、En Marche 会員が En Marche の他のボランティア以外の人間とも関わりを深めることを求めていた。

私たちは会員に、仲間や近所以外の他の人間との関わりを深めさせたかったのです。そしてそれを、国内で今、何が問題となっているのかを理解するのに役立てたいと考えました。ですがそれと同時に、私たちは聞く耳を持っているというメッセージも伝えたかったのです。

3ヶ月の間に、En Marche のボランティア5,000人は30万戸を訪れ、10万人と話をし、2万5,000件のアンケート回答を入手した。

大事なキーワード

次のステップは、これらのデータをすべて、テキストの意味解析を行うパリ拠点のスタートアップ、Proxem に渡すことだった。Proxem はアルゴリズムを用いて回答を分類し、もっとも多い回答順にランク付けするだけでなく、回答に込められた感情や思いの強さも見極めることができる(たとえば、回答者は強くそう感じたか否かなど)。

データの分析結果を手に、Macron 氏は10月にフランス各地の市庁舎を3つおさえ、同氏が言うところの「診断(diagnostic)」を行った。ミーティングは2時間から3時間におよび、ライブ配信された。Macron 氏が話す前に、同プロセスがどのように機能するかについてプレゼンターがかなり詳細に説明したが、ここで40ページの説明書類と Proxem から提供された結果として176ページにおよぶ分析が提示された。

その結果によると、もっとも大きな2つのテーマとして出現したのは、「家族(family)」と「社会的保護(social protection)」であった。もっとも重要な価値はというと、結束(solidarity)と統合性(integrity)であった。そして分析の結果、 都合のいいことに、フランスの政治的生活が一新されることが強く求められているということが判明した。

Macron 氏はある診断で次のように述べている。

フランス国民は苦しんでいるようです。そしてそれは、もはや自分の運命を自分でコントロールすることができず、また我が国の民主制度が国民に閉ざされているように感じているためです。これはフランスに限った不安感ではなく、ヨーロッパ全土で見られる不安感で、それはこの世界が容赦なく変化しているためです。

市庁舎で十分に宣伝活動を行った Macron 氏は、11月16日、2017年5月の大統領選挙に立候補することを宣言した。同氏は立候補を Facebook によるライブ配信の他、Medium のブログ投稿でも発表した。

彼はこんな風に書いている(こちらにフランス語で記載)。

私は、この国には前進する力と意欲があると確信しています。なぜならこの国にはその歴史があり、またそのために必要な人々がいるからです。ですが今のフランスは、前進の軌道から外れています。

勝ち目はあるか

2014年、東京で開催された Orange Fab Asia のデモデイの視察に訪れた Emanuel Macron 氏(左から2人目)
Image credit: Masaru Ikeda

政治評論家らが Macron 氏を大穴とみている一方で、同氏のキャンペーン活動はフランス国内の多くの若者や起業家の心をとらえている。Axelle Tessandier 氏がその例として最適だろう。

2009年にフランスを発ち、ベルリン、次いでサンフランシスコのスタートアップの世界で経験を積んだ Tessandier 氏は、2016年にパリに戻った。同氏は Kickstarter のフランスでのローンチに手を貸したのち、企業が革新的な文化を築き上げる手助けをする自身の会社、Axl Agency を設立した。

昨年 Tessandier 氏は、Macron 氏の支持者らによる討論会の司会者として招かれた。その時に En Marche の指導者の目に止まり、夏に、より公式なイベントに参加してみないかと誘われた。Tessandier 氏は、Macron 氏や En Marche について理解を深めるに従い、これは素晴らしい何かの始まりを意味するのではないかと考えるようになっていった。

Tessandier 氏は次のように語っている。

Macron 氏が批判の的になる時もあります。ですが、3ヶ月かけて何千人もの有権者に会い、話をし、耳を傾けるような活動がいかに新しい動きであるかを人々は忘れてしまうのです。活動開始当初からこういった開かれたプロセスを実行した政治団体が他にあるでしょうか?彼らは非常に閉鎖されたシステムの中で新たな動きを作り出したのです。そして突然、39歳のイノベーターが大統領選候補者として登場したというわけです。

Tessandier 氏は今年の秋、11人いる En Marche の公式アンバサダーの1人に任命された。彼女は、ここ1年の政治をみると評議会の予想は全体的に大幅に外れているとした上で、政治評論家らの意見は気にしていないという。彼女や他の人間が Macron 氏から感じる刺激や楽観は本物だと同氏は語る。

有権者に、私たちが投じる票から情熱を感じてほしいのです。私たちの票から信念を感じてほしいのです。どういった社会を築き上げたいかを語りたいのです。

En March が12月10日にパリで開催したカンファレンスは、彼女が語った通り熱意にあふれていた。そして、驚くべきことに1万5,000人もの出席者を集めた。

その後オランド氏が再選を目指さないことを決定し、社会党は今月、新たな候補者を募る予備選挙を実施することになった。保守派の共和党は極右のフランソワ・フィヨン氏を候補者として擁立し、またさらに右派寄りの国民戦線党はマリーヌ・ル・ペン氏が党首を務める。

政治的な社会通念によると、最終的にはフィヨン氏とル・ペン氏の対決になるというが、Macron 氏が優勢になりつつあるという肯定的な調査結果も増えている。一方、En Marche によると登録会員数は12万人に達し、会員によって構成された3,000の地方委員会が平均400件のイベントを毎週開催しているという。

その一方、Macron 氏も休まず活動を続けている。引き続き Grande Marche のテキスト分析を利用してキーワードが発掘され、Macron 氏はそれらをスピーチで利用し、訪問先の各地域や異なる聴衆に合わせて取り込んでいく。また Liegey 氏によると、そのおかげで現実の人々と彼らの挑戦に関する逸話も数多く聞けるという。

Macron 氏と En Marche が築いた基盤は進展し続けている。しかし、彼のキャンペーンの中核がテクノロジーとイノベーションに対する投資であることは変わらない。彼は、ビジネスを始めたり独立したりするのを容易にする、職業面での改革を提案している。しかしそういった改革が、古くから国内の労働者を守ってきたものを取り除き過ぎるのではないかと心配する人々のイラつきを鎮めることはないだろう。

この政治的スタートアップが、Macron 氏を勝利へと押し上げるに足る中心点を探り当てることができるかどうか、En Marche とMacron 氏は今後5ヶ月間で知ることになる。

11月にトゥールーズを訪れた際に Macron 氏はこう述べている。

デジタル革命は、何かを破壊し、そして同時に機会を創出するものです。個人を守ることは大事です。しかし社会がリスクや失敗を受け入れることも大事です。今すべてに対して革命を起こす時期が訪れています。政治も例外ではありません。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

日本フランス・イノベーション年で考える、2つのスタートアップ・コミュニティの相互関係【ゲスト寄稿】

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。フランスのスタートアップ・ブログ Rude Baguette への寄稿を、同ブログおよび著者 Mark Bivens からの許諾を得て、翻訳転載した。(過去の寄稿) The Bridge has reproduced this from its origina…

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。フランスのスタートアップ・ブログ Rude Baguette への寄稿を、同ブログおよび著者 Mark Bivens からの許諾を得て、翻訳転載した。(過去の寄稿

The Bridge has reproduced this from its original post on Rude Baguette under the approval from the blog and the story’s author Mark Bivens.


manuel-valls-pepper
5日、日本フランスイノベーション年のローンチにあわせ、来日したフランスの Manuel Valls 首相。Pepper の開発元は、フランスの Aldebaran Robotics 社であり、現在はソフトバンクグループの傘下にある。(写真出典:在日フランス大使館ホームページから)

日本とフランス間のイノベーション年のローンチにあたり、フランス政府代表の日本訪問団に参加できたのは、非常に光栄なことだ。まじめな話、私は皮肉屋だ。イノベーションにおける政府のイニシアティブはバカにしているし、La French Tech Tokyo の正式キックオフへの招待を受け取ったときに覚えたのは懐疑心だった。世界で最も重要2つのエコシステム——フランスと日本間の文化の違いを越えた協力関係について、フランスの Manuel Valls 首相は真摯に向き合い、ビジョンを唱えてきた。Emmanuel Macron デジタル担当相は、両国の将来のことを考えれば、起業家の活動の重要性が軽視されていると付け加えた。

フランスのスタートアップは、自らの成長戦略の中で日本市場の優先度を上げることを考えるべきで、それは私が以前にも説明した通りだ。それは逆も真なりで、私はヨーロッパの美徳、中でもフランスのそれをを讃え、アジアのスタートアップにヨーロッパを見るべきだ、と言ってきた。

日本のスタートアップ・エコシステムは、そう遠くない昔のフランスを彷彿させる。日本とフランスの共通点は多い。両国には、力のある研究組織に広範な技術基盤が備わり、デザインに長けていて、優秀なエンジニアがいて、教育を尊ぶ文化があり、さまざまな点において、そこそこ大きいながらも必ずしも大きくはない国内市場が存在する。

我々が数年前にフランスで目撃してきた良い兆候は、日本にも当てはまる。

  • 大学新卒生らのパイオニアスピリッツが高まり、起業のため大企業への就職を断るようになった。
  • 会社を設立する人たちの新世代が、国際的に物事を考えるようになった。
  • シリアルアントレプレナーが増加した。
  • 失敗を恥ずかしいとする考え方に寛容になった。
  • イノベーションは大企業の外で起きるという認識が高まった。

冒頭で話した私の懐疑心は、その内容意図はともかくとして、政府のイニシアティブはトップダウンで決められるため、往々にして、その動きが弱々しいという、これまでの体験に基づくものだ。現在の状況において最も重要なのは、よりボトムアップなアプローチで、スタートアップ(そして、いくばくかの VC)自身による草の根的な活動だ。これに着手して状況が安定することは、いずれ時がそれを教えてくれるだろう。しかし、最初に出てくる兆候は将来有望なもののはずだ。

la-french-tech-tokyo-1
5日にデジタルガレージで開催された、La French Tech Tokyo。(撮影:”Tex” Pomeroy)

追記:いくつかの組織や個人には謝意を表したい。BusinessFrance にはそのコネクションに、オレンジ・ジャパンにはロジスティクスの支援に、DMM.Make Akiba にはその個性的な素晴らしいもてなしに、Rude Baguette の Trista Bridges には、2日目のモデレータとして素晴らしく振舞ってくれたことに。

----------[AD]----------

Orange Fab Asiaが日韓台などのスタートアップが集結する第2期デモデイを開催、フランス経済相も来訪

SHARE:

フランスのテレコム会社 Orange が展開する東アジア地域向けのインキューベーション・プログラム「Orange Fab Asia」は25日、東京都内でデモデイイベントを開催した。Orange Fab Asia は日本、韓国、台湾をアジアにしたインキュベーション・プログラムで今回プログラムの第2期を迎えるが、前出の3カ国以外にフランスやポーランドからもスタートアップ22社、Bpifrance(フラ…

orange-labs-reception

フランスのテレコム会社 Orange が展開する東アジア地域向けのインキューベーション・プログラム「Orange Fab Asia」は25日、東京都内でデモデイイベントを開催した。Orange Fab Asia は日本、韓国、台湾をアジアにしたインキュベーション・プログラムで今回プログラムの第2期を迎えるが、前出の3カ国以外にフランスやポーランドからもスタートアップ22社、Bpifrance(フランス政府主導の投資銀行)/Ubifrance(フランス大使館企業振興部)の推薦による13社が参加した。

<関連記事>

この日は、フランス経済相のEmmanuel Macron 氏や、Orange CEO の Stephane Richard 氏らも会場を訪れていて、第1期のデモデイと比べてみてもわかるように、今回のイベントはかなり鳴り物入りだったようだ。パリのスタートアップ・ハブであるシリコン・サンティエは、インキュベータ NUMA(旧 Le Camping)を中心に民間主導によるエコシステムが形成されているが、Orange Fab 周辺は政府や大企業を中心とした支援体制が組まれているようだ。Orange はグループ内に Iris Capital というVCを保有しており、日本のスタートアップでは、クラウドソーシング翻訳の Gengo が同社から投資を受けている

参加した総勢35社すべてをここで伝えることは難しいため、今回は Tokyo Season 2(第2バッチの東京チャプターからの選出チーム)をピックアップしてお伝えしたい。

orange-fab-asia-demoday-broaderview1


ユークリッドラボ

spectee_featuredimage

ユークリッドラボの Spectee は、ソーシャルメディアからイベントや事件に関する情報を集めるサービスだ。THE BRIDGE では最近、CEO の村上建治郎氏への独占インタビューを実施しているので、詳しくはそちらをチェックしてもらえるとよいだろう。

Eyes, Japan

fukushima-wheel

読者にとっては、「FUKUSHIMA Wheel」というプロダクト名の方が聞き覚えがあるかもしれない。環境センサー・LED広告を装備した自転車によるIoTだ。車輪のリムの部分にLED広告を表示することで広告料を獲得する。また、GPSとの連動により、自転車走行中の地域の気温、湿度、二酸化炭素量、放射線量などを収集することができる。彼らは、昨年10月の第6回 SF Japan Night にも参加していた。

Ikkyo Technology

ikkyo-technology
ディープラーニングによる画像検索API「Categorific」を開発。画像レコメンドエンジンにより、UX を改善してコンテンツを探しやすい環境をユーザに提供する。THE BRIDGE では以前取材をしているので、詳細はこの記事を読んでほしい。

Repro

repro

モバイルアプリ・デベロッパ向けの動画アナリティクスツール。Repro の SDK をアプリに組み込むことで、ユーザが画面をどのように操作したかを記録し、デベロッパはダッシュボード上で動画の形でその動きを確認できる。CTO の三木明氏によれば、動画を動画のままではなく、連続した静止画としてクラウドに送信することで、回線帯域の細い地域でも比較的容易にデータをアップロードできるよう工夫しているとのこと。CEO の平田祐介氏によれば、今後、アメリカなどへの市場展開を検討しているようだ。

Mobilous

mobilous_screenshot

Mobilous の AppExe(「アペックス」と読む)は、プログラマでなくてもデザイナーが GUI で操作でき、Android / iOS / Windows Mobile 向けのモバイルアプリが開発できるクラウドサービス。コードは一切ブラックボックスになっていて、見た目の動きを操作するだけで、Google Play や iTunes AppStore にそのまま登録可能な、コンパイル済のファイルとして出力が提供される。アシアルの Monaca などともコンセプトは似ているが、CEO の宮田明氏によれば、HTML5 を使わないネイティブアプリとして出力されるのが最大の差別化要素ということだ。


今回のデモデイでは、Air Liquide(フランスのガス会社)、EDF(フランスの電気会社)、ソニー、Thales(フランスの航空電機メーカー)、Veolia(フランスのウォータービジネス会社)、電通、大和ハウス、Alcatel-Lucent といった日仏の各種産業分野における大企業が Orange Fab Asia のパートナーとして参画することが発表された。

Orange Fab Asia 第3期のバッチへの参加募集は11月26日から開始され、1月26日で締め切られる予定だ。アジアはもとより、フランスを中心とするヨーロッパ圏への進出を模索するスタートアップは、この機会への参加を検討してみるとよいだろう。

french-economic-minister
左から2人目が、起業家らの説明に聞き入るフランス経済相 Emmanuel Macron 氏。
orange-ceo-stephane-richard
Orange CEO Stephane Richard 氏が、Orange Fab Asia への期待を講演。
----------[AD]----------