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Fortnite(フォートナイト)の主張:アフターマーケットは誰のもの?(2/2)

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(前回からのつづき)法定に出された書類の中でAppleは、独占などしておらずゲームを含むあらゆる市場で競争に直面していると主張している。またAppleは反論の中で、Epicは不正な決済システムを使わなければ容易にFortnite(フォートナイト)をStoreに戻すことができるともしている。その上でAppleはApp Storeから削除されたEpicは「自業自得」であると指摘した。 一方のEpicは…

Appleに対抗するEpic・Image Credit: Epic Games

(前回からのつづき)法定に出された書類の中でAppleは、独占などしておらずゲームを含むあらゆる市場で競争に直面していると主張している。またAppleは反論の中で、Epicは不正な決済システムを使わなければ容易にFortnite(フォートナイト)をStoreに戻すことができるともしている。その上でAppleはApp Storeから削除されたEpicは「自業自得」であると指摘した。

一方のEpicはアプリ配信というのはそもそも、スマートフォンプラットフォームの一次市場から派生した「アフターマーケット」であると主張している。Epicはつまり裁判所は本件で関連する独占禁止法上の市場をアフターマーケットに見るべきだと主張しているのだ。これは独自のブランドと市場性を持ち、決して単なる一商品の一サービスが所有するものではない、と。

ということでEpicはあくまで「スマートフォンのプラットフォーム上でのAppleの権利」を争っているのではなく、この「アフターマーケットで」Appleが独占的な振る舞いをしていると主張している。Epicはこの考え方により、Appleは他の市場で消費者が利用できる選択肢(ウェブサイトからアプリをダウンロードするなど)を遮断していると指摘する。

AppleがEpicのApp Storeへのアクセスを遮断して以来、Epicは法廷で、iOSのデイリーアクティブユーザーが60%減少したと明らかにしている。しかし公聴会では、明らかに裁判官がAppleを支持しているように感じられた。というのもFortniteが他の多くの場所でも30%の手数料を支払わなければならない以上、Appleの市場もまたオリジナルのものであり、Epicの弁護士の主張は取るに足らないと考えているようだった。判事のGonzales Rogers氏はにべもなくこのようなコメントを示している。

「あなたの顧客が属するビデオゲーム業界では30%の手数料が業界のレートのようです。例えばSteamは30%を請求していますし、Google、Microsoftも30%を課金しています。コンソールではPlayStation、Xbox、Nintendo、GameStop、Amazon、Best Buyが30%を請求しています。しかしあなたの顧客はそうじゃないという。どこに独占があるのでしょうか?」。

Cravath, Swaine, & Moore法律事務所でEpic Gamesの弁護士を務めるGary Bornstein氏は公聴会で、iOS上のFortniteプレイヤーの63%がiOS上でのみプレイできる状況にありながら、AppleがEpicに対してプラットフォーム上に独自のストアを持つことを禁止しているのは独占以外のなにものでもないと主張している。

AppleはEpicのCEO、Tim Sweeney氏の証言に基づき、1日の平均的なプレイヤーの約90%が競合プラットフォームを経由してFortniteにアクセスしていると指摘している。またAppleは、EpicがAppleのサービスから利益を得ており、それが料金を徴収する理由のひとつになっていると述べている。例えば、AppleはFortniteでは、Apple独自のAPI(Application Programming Interface)フレームワークやクラス(Metalなど)を400件以上使用している。また、Appleは過去にもFortniteのプロモーションを行ったことがあることも付け加えた。

陪審員裁判は2021年の7月に開始される可能性があるが、上訴はさらに長くなる可能性もある。この訴訟のUnreal部分について裁判官は「双方の裁判は自由だが、Epic GamesとAppleはデジタルフロンティアの未来のためにこの争いが傍観者を混乱させるようなことがあってはならない。また、社会的な興味はUnreal EngineとEpicの関連会社に圧倒的に有利に働く」と言及した

Appleに対抗するためにEpicはSpotify、Tile、Basecamp、Blix、Deezer、Blockchain.com、SkyDemon、ProtonMail、Schibsted、European Publishers Council、The Match GroupなどのApple批判者とともに、App Fairnessのための連合を設立している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Fortnite(フォートナイト)はやっぱりiOSに戻ってこない(1/2)

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連邦裁判所は、独占禁止法違反訴訟の判決を前に、Epic GamesがAppleにEpicのFortnite(フォートナイト)をApp Storeで復活させる要請を退けた。一方、米国連邦地方裁判所のYvonne Gonzales Rogers判事はEpicに有利な判断としてApple側に対し、EpicのUnreal Engineのサポートを中止するという報復を阻止する仮命令を下している。 一連の独占…

連邦裁判所は、独占禁止法違反訴訟の判決を前に、Epic GamesがAppleにEpicのFortnite(フォートナイト)をApp Storeで復活させる要請を退けた。一方、米国連邦地方裁判所のYvonne Gonzales Rogers判事はEpicに有利な判断としてApple側に対し、EpicのUnreal Engineのサポートを中止するという報復を阻止する仮命令を下している。

一連の独占禁止法違反訴訟は、8月13日にEpicがFortniteの割引ポリシーと直接課金の仕組み発表したことで勃発し、AppleとGoogleはそれぞれの利用規約に違反したと判断した。EpicのCEOであるTim Sweeney氏は、大手企業がゲーム課金ごとに30%の手数料を取るのは不公平であり、Epicはアプリ内の商品を直接プレイヤーに低価格で販売できるようにすべきと長年主張してきている。Epicは自社ストアの開発者向けの手数料として12%しか徴収していない。

EpicがiOS版のFortniteを修正し、プレイヤーがバーチャルグッズの料金をEpicに直接課金できるようにした後、AppleはFortniteをApp Storeから削除した。またAppleは、EpicのUnreal Engineをサポートしないとも公表している。Epicはその後、カリフォルニア州オークランドの裁判所に対し、Fortniteを復活させ、AppleによるUnrealへのサポート停止行動を阻止するよう求めた。

これらの一連の判決は独占禁止法裁判の過程で、EpicがiOSでのFortniteの収益を失う可能性が高いことを示唆している。一方、EpicのUnreal Engineの顧客はというと、Appleが技術サポートを引き払うことで自分のゲームがAppleのiOSとMacプラットフォームで動作しなくなることを心配する必要はもうなくなった、ということを意味している。

Epicは追い出しの原因となった直接課金の修正をすることで、将来的にはFortniteを復活させることは可能だとしている。しかし、Appleがそれを許可するのか、それともEpicにペナルティ期間を待たせるのかは不明だ。

Epic Gamesは声明の中で「Epic Gamesは訴訟が続く中、AppleがUnreal Engineと当社のゲーム開発顧客に対する報復行為を禁止されることを歓迎いたします。当社は裁判所の保護の下でiOSとMac向けの開発を継続し、Appleの反競争的な行為を終わらせるためにあらゆる手段を追求していきます」と述べている。

この論争は何年も続く可能性がある。一方、今回の一時的な禁止命令の要求に対する判決は、連邦裁判所の判事たちがこの事件の是非についてどう考えているのかを知るための最初の兆候となる可能性がある。

Appleは声明の中で、「私たちのお客様はすべての開発者が同じルールに則ることで、App Storeが安全かつ信頼できる場所になると考えております。裁判所が、Epicの行為が自社の顧客にとって最善の利益になるものではなく、顧客が遭遇したかもしれないいかなる問題も、自らが規約違反によって巻き起こしたものであると認めていただけたことを歓迎いたします。12 年間にわたり、App Store は奇跡的な成功を遂げ、大小を問わず開発者に変革的なビジネスチャンスをもたらしてきました。私たちは来年、この革新とダイナミズムの遺産を裁判所と共有できることを楽しみにしています」とコメントした。(次につづく)

 

Apple vs Epic:Appleの言い分(3/6)

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Appleはメタバースを脅かす、という主張 (前回からのつづき)AppleがFortnite(フォートナイト)をApp Storeから削除したことで、Snow CrashやReady Player Oneなどの小説に登場するような、すべてが相互に接続された仮想世界の宇宙「Metaverse(メタバース)」を夢想するEpicの努力が台無しになるとEpicは主張している。Epicはメタバースを、多目的…

Appleはメタバースを脅かす、という主張

メタバースはEpic対Appleの戦いの犠牲者になる可能性がある/Image Credit: Sansar

(前回からのつづき)AppleがFortnite(フォートナイト)をApp Storeから削除したことで、Snow CrashReady Player Oneなどの小説に登場するような、すべてが相互に接続された仮想世界の宇宙「Metaverse(メタバース)」を夢想するEpicの努力が台無しになるとEpicは主張している。Epicはメタバースを、多目的で永続的なインタラクティブな仮想空間と表現している。

Epicは、Fortniteがメタバース特有の多くの特徴を持っていると考えているようだ。

「深いコミュニティが存在し、永続的な社会的つながりを中心とする没入体験であり、誰にでもなれる遊び場でありながら、真の本物の自分を表現することができる」。

Epic はゲームのソーシャル空間におけるアイデアの流れを、FacebookやSnapchatなどに対抗し、それに取って代わる可能性があるとしている。Epic は「大手テック企業がメタバースのフロンティアに注目して多額の投資をしている。Fortniteはこのレースで優位に立っている」と言及している。

加えてEpicは、Fortniteのメタバースへの進化が成功するかどうかは、大規模なユーザーベースを持つかどうかにかかっており、潜在的な新規ユーザーにとって、その点がFortniteでの活動をより良い体験にするとしている。つまり、モバイルユーザーがそのユーザー基盤に対して非常に重要な役割を果たすとしているのだ。

1億1,600万人以上の登録ユーザーがiOSからFortniteにアクセスしており、これは他のどのプラットフォームよりも多くなっている。彼らはアプリで28億6,000万時間以上を費やしており、これらのプレイヤーの多くをFortniteから排除し、10億人以上のiOSユーザーにアクセスする能力をブロックすることは、AppleはEpicのチャンスを取り返しのつかないものにする可能性がある。Epicはその点において、Appleがメタバースを生み出す能力を脅かしていると主張しているのだ。

Appleは当然ながら、この主張を簡単に退けている。

Appleの主張

Appleのティム・クックCEOはプライバシーに全力で取り組む/ Image Credit: Apple/VentureBeat

AppleはEpicを 「卑劣な攻撃」と称して、事前に訴訟のための下準備をしていたことを批判した。Appleは、EpicがFortniteを修正して独自の直接課金システムを使用できるようにするために、「修正プログラム(Hotfix)」という裏技を使用したと指摘している。Epicの技術幹部は、このような修正プログラムは業界では非常に一般的であり、これはAppleがデジタル版「トロイの木馬」と表現するようなものには値しないとしているが、Appleは修正プログラムは明らかにセキュリティと支払いシステムを回避するために計画されたものであったと主張している。

EpicはAppleがFortniteを切断し、Unreal Engineのプラグを抜くと脅したことで緊急事態が勃発したとしているが、Appleはこの状況を「自業自得」と切って捨てた。一方、Appleは訴訟が係争中の間、Epicが手数料を支払うことで簡単に以前のバージョンのFortniteがApp Storeに復帰できるともしている。

「Epicがここで提起した被害は回避可能なのです。AppleはFortniteであれUnreal Engineであれ、Epicの顧客に対する主張されている被害は、Epic自身によって終息させることができるのです。Epicが危険に晒されていると主張しているユーザーや開発者は、Epicが持ち込んだスキームに契約違反が含まれており、その救済を求めて裁判所に駆け込んだことで不利益を被っているにすぎません。Epicは彼ら自身が顧客と開発者をこのような立場に追い込んだのであって、Apple ではないのです」。

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple vs Epic:Appleプラットフォームにおける決済論争(2/6)

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Epic側が主張するAppleの「独占」 (前回からのつづき)Epicは以下2点でAppleが独占的性質を帯びていると主張する。 アプリ配信コントロールをしている点 ユーザーがApple独自の決済システムを介して支払いをしなければならない点 Appleが持つ独占力を考慮すれば、独占禁止法により競合他社をマーケットから取り除くような行為は禁止されているはずだという主張だ。しかし、それと同時に同社はA…

Epic Gamesはオープンプラットフォームを望む。Image Credit: Epic Games

Epic側が主張するAppleの「独占」

(前回からのつづき)Epicは以下2点でAppleが独占的性質を帯びていると主張する。

  • アプリ配信コントロールをしている点
  • ユーザーがApple独自の決済システムを介して支払いをしなければならない点

Appleが持つ独占力を考慮すれば、独占禁止法により競合他社をマーケットから取り除くような行為は禁止されているはずだという主張だ。しかし、それと同時に同社はAppleがApple Storeを通して成し遂げた新しい価値提供について認めている点は触れておくべきだろう。

「明確にしておくと、弊社はAppleに対して全ての無償提供を求めているわけではありません。私たちが求めているのは、App StoreやIAP(アプリ内課金)を利用することなく、他のサービスを選択可能とすることです」。

Epicはアプリ配信自体そのものが、スマートフォンプラットフォーム市場から派生した「アフターマーケット」であると主張している。これは、全てを同一マーケットであると捉えるAppleとは正反対の見解だ。そのためEpicは裁判所に対し、諸問題が単一製品の話でなく、独自性を持ち合わせたアフターマーケットとして考慮すべきだとの考えを示している。

つまりEpicは、スマートフォンプラットフォーム上における権利主張をしているのではなく、アフターマーケットにおいてAppleが独占禁止法に触れていると主張しているのだ。具体的には、同社はAppleがウェブサイトなどからアプリをダウンロードすることを禁止しているように、市場に制限を意図的に持たしていると主張。こうした主張の前例には、Apple vs Pepperのようなものがある。

一方、GoogleがAndroidを展開していることを考えれば、Appleが完全な独占をしているとは言えない。しかし、Epicは二重独占も市場に悪影響を与えており、AndroidよりAppleの方が比較的良質なユーザー層を抱えていると主張している。加えて、AppleにはAndroidより課金を拒まない10億人のユーザーが存在しており、彼らを市場的性質により仮想的に移動不可な状態にしていると指摘する。これは、iOSからAndroidへの移行コストが非常に高いという点が経済学者のDavid Evans氏によって提唱されているからだ。

2016年Q1から2020年Q1におけるスマートフォン販売シェアを見ると、Appleは全体の40%を占めていることが分かる。Epicは同期間のiPhone販売価格が最低でも300ドル以上、平均では790ドルであることに言及している。スマートフォン市場全体では、300ドル以上の価格で販売されたデバイスの内、Appleは57%の売り上げシェア、49%の販売台数シェアを獲得していた。同数字のみでは、同社が独占市場を得ているとは言えないが、本質的な問題はデバイス移行に伴うコストが非常に高い点であろう。

Epicは現時点でAppleより同社サービスへのアクセスを切断されているため、iOSにおけるDAUは60%ほど減少している。これらユーザーが以後復活しない可能性は大いにあり、それを考慮し同社は裁判所に対し一時的な制限緩和をAppleに対して求めている。

Appleプラットフォームにおける決済論争

Above: Tim Sweeney氏は歯に絹着せないCEOだ
Image Credit: Epic Games

決済に関しても両社が独占禁止法を巡り争う大きな論点になっている。現在Appleは開発者に対し、デジタルコンテンツを配信し決済システムを導入する際は同社独自の決済サービス利用を求めている。ただし、一部のケースにのみ同社は他の決済手段を認めている。

例えば、ライドシェアのような現実世界でのやり取りが存在するようなサービスにおいて、Appleは外部決済サービスの利用を認めている。確かに、Lyftのアプリ内決済ではStripeがサービス提供を実施している。また、UberはBraintreeの決済サービスを利用しており、これは即時決済が求められる背景が大きく関与していると思われる。加えてPrime VideoやAltice One、Canal+などプレミアムデジタルビデオコンテンツを提供する場合も、同社は他決済サービスの利用を許容している。

Epicは、Amazon Pay、Authorize.net、Braintree、Chase Merchant Services、PayPal、Square、Stripe、Xsollaなどは、Appleと比較してはるかに低価格な手数料でサービス提供をしており、開発者がこうしたサービスへ需要を示すことは当然であると主張する。

しかしAppleは、決済は独立したビジネスではなく「より大きな」ビジネスの一部であるとし、こう主張する。

「Epicの主張は、IAPを独立した一つの市場であると裏付けしているものではありません。ユーザーへサービス提供するにあたり、必要不可欠な要素である場合、通常裁判所は全てのサービスを包括的に1つのものとみなします」。

また、Appleは現在、決済システムやアプリ配信ポリシーに違反しているFacebook、Microsoft、Google、Nvidiaなどのクラウドゲームアプリを禁止しており、結果的に独占市場を作り上げているとEpicは主張している。これは、別観点での独占禁止法違反問題かもしれないが、未だ法的問題には発展していない。(つづく・全6回)

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】