THE BRIDGE

タグ ヨーロッパ

GAFAが恐れる欧州委員会の旗手ベステアー氏「今はテック大手に分割を迫る段階ではない」〜WebSummit 2019から

SHARE:

本稿は、WebSummit 2019 の取材の一部である。 欧州委員会の競争政策担当委員 Margrethe Vestager(マルグレーテ・ベステアー)氏は、社会における技術の役割については楽観的であったが、テック大手は虐待的な行動を抑制するべきで、そうでなければ、厳しい規制に直面するだろうと述べた。しかし、彼女はこのようなテック大手を分割させる呼びかけを支持することに消極的であり、そのような動…

欧州委員会の競争政策担当委員 Margrethe Vestager 氏。
デジタル時代に向けた〝ヨーロッパ順応〟について WebSummit 2019 で語った。
Image credit: WebSummit

本稿は、WebSummit 2019 の取材の一部である。

欧州委員会の競争政策担当委員 Margrethe Vestager(マルグレーテ・ベステアー)氏は、社会における技術の役割については楽観的であったが、テック大手は虐待的な行動を抑制するべきで、そうでなければ、厳しい規制に直面するだろうと述べた。しかし、彼女はこのようなテック大手を分割させる呼びかけを支持することに消極的であり、そのような動きが大きな問題を解決する可能性は低いと主張した。

新しい欧州委員会の下で拡大する役割を担う Margrethe Vestager 氏は次のように語った。

競争の観点からすると、会社を分割させるのが違法行為の唯一の解決策である場で、何かをしなければならないことになるだろう。

現在直ちに、そのようなケースは存在しない。私はそれが起こる可能性を決して排除しないが、これまでのところ、会社を分割させることが解決策となるような大きな問題は存在しない。

Vestager 氏はリスボンで開催された WebSummit に登壇し、Laurie Segall 氏のインタビューを受けた。Segall 氏は自身のメディアスタートアップ Dot Dot Dot Media を立ち上げるまで、約10年間に渡 CNN のテクノロジー担当記者を務めた人物だ。Segall 氏は Vestager 氏のことを、シリコンバレーで最も恐れられる人物の一人だと紹介した。

実際のところ、過去5年間二渡 Vestager 氏がテック大手に対する厳しい批評家の一人であり、Apple が145億米ドル超もの税支払を免れようとしていたことを明らかにした、アイルランドでの税控除調査をはじめとして改革活動家らを率いてきた。彼女は規制当局に嘘をついて WhatsApp を買収したとして、Facebook をも追及している

彼女はこれまでに Google に対して、比較ショッピングサービスの利用を高めるため検索での優位性を乱用したとして27億2,000万ドルの罰金、モバイル OS の Android の支配的地位を乱用したとして50億ドルの罰金、競合を排除する一方で支配的地位を乱用しサードパーティのサイトが自社アドネットワークを優先するように強制を試みたとして16億9,000万ドルの罰金を課した。さらに、Google の AI を使った仕事探しプラットフォームが現在、精査中であることを示す兆候が見られる。

ロイターによれば、Vestager 氏はこの日行われた記者会見で、ApplyPay に関する独占禁止法違反の苦情が多いことを確認しており、どうサービスの調査に着手したことを明らかにした。

テック大手が新しいスタートを切ろうと考えたとき、新しい欧州委員会は Vestager 氏をさらに5年の任期に再任命し、彼女の守備範囲を独占禁止法に加えテクノロジー政策を含めるまでに拡大した。

近年、彼女がテック大手の狙撃手として浮上したことを考えると、これらの会社を分割するよう呼びかける政府の動きに彼女が参加する準備ができていなかったのは少し驚きだった。アメリカでは、Elizabeth Warren 氏のような大統領候補は、力を制限するために Apple、Google、Facebook、Amazon などの企業を分割する必要性について声高に語っている。

Vestager 氏は一方で、規制と執行の必要性についに目覚めたアメリカに拍手を送った。

私が感じるのは、非常に刷新されたものだ。関心だけでなく、質問を開始し、関与を開始し、調査を開始することで、「ここにも、私たち法の番人の役割があるかもしれない」と言って、アメリカ当局の関与が得られるようになった。それは歓迎すべきことだ。

しかし、Vestager 氏は対処すべき多くの大きな問題があることを固く主張している一方で、テック大手の小型化が実行可能なソリューションであるとはまだ確信していない。

その議論の問題は、それを主張する人々がこれを行う方法についてのモデルを持っていないことだ。そして(古代の)ある種の生き物についての話を知っているなら、頭を一つ切り落としても、また一つ、二つ、七つと出て来る。つまり、問題が解決しないリスクがある。もっと多くの問題が生まれることになる。……そのように問題が大きくなることを考えると、特別な責任を負うことになるだろう。

彼女はまた、トランプ大統領や他の人が主張しているように、これらの企業に立ち向かう意欲は反アメリカの偏見から外れていないと説明した。むしろ、これらの企業に蓄積された力は、小さなライバルが競争して新しいイノベーションを推進する能力を制限していると考えている。

多くの興味深い(小規模)企業が競合する可能性がないというリスクがある。テクノロジーが大手にしか組み込まれていないものになるとしたら、それは私たちの限界を超えている。そうなると、テクノロジーに対する信頼が失われると思う。そして、私の使命の一部は、私たちが潜在能力に到達できるようにすることで、テクノロジーに対する信頼を築くことだ。

彼女が見たいのは、企業が彼らの言葉に合致したより多くの行動を取ることだ。 政治広告の場合、Twitter がそのような広告を終わらせるといった最近の発表を彼女は称賛し、Facebook が同じことをするのになぜ苦労しているのか不思議に思ったという。さらに、なぜ多くのプラットフォームがこれほど虐待的な振る舞いを許容しようとしているのかと尋ねた。

すべての結論として言えることは、我々は新しいテクノロジーを手にしているかもしれないが、そこに新しい価値は無いということだ。

我々はリアルの世界では、何を受け入れたくて、何を受け入れたくないか、長く深く議論してきた。それがデジタルの世界では同じようにしない理由がよくわからない。リスクは民主主義を完全に弱体化させることだから、オンラインでより議論を重ねるべきでだろう。

具体的には、彼女は Facebook CEO の Mark Zuckerberg 氏に、虐待に対処するためのさらなる取り組みを呼びかけ。

彼自身が言葉通りに行動を起こせば、急速に変化するだろう。そして、それは大歓迎だ…私は Facebook の CEOではない。…しかし、彼らは彼らの言葉通りに行動を起こすべき時が来たと思う。

彼女は新しい役割のもと、人工知能(AI)に関する規制を作成する責任を負っている。これはヘルスケアや気候変動のような大きな問題を解決するための計り知れない可能性があると信じている分野だと彼女は述べた。しかし、AI を規制してもルールがすぐに時代遅れになるリスクがあるため、「非常に注意が必要だ」と彼女は述べた。

AI は進化の途上にある。AI が人間のやりたいことをどう支援するかには制限が無く、これは素晴らしいことだ。

しかし、我々は AI を信頼できるよう礎石をコントロールする必要がある。偏見を受け入れ、我々が今持っている世界を取り込んで AI に移すのなら、そういった問題が固定化されてしまう。

このような警戒は今後大きなものになるだろう。なぜなら、最大手のテック企業らは野心をさらに大きくすることを明確に設定しているからだ。

ローンチする新しい Google のサービス、Facebook Libra の計画、Apple のストリーミングサービスを見ると、さらに大きな野望が見られる。

テクノロジーの役割とハイテク大手の影響について悲観論が高まっているにもかかわらず、Vestager 氏は、規制当局が問題を管理し、市民と生活を変えつつある製品との間の信頼確保を支援できるとの希望を持っている、と述べた。

もし私が楽観主義者なら、それは道徳的義務だと思うからだ。悲観論者は本当に何も成し遂げることができない。明日はもっと悪くなると思うから。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

欧州の金融を統一するベルリンのデジタル証券マーケット「CrossLend」が3,500万ユーロの調達

SHARE:

ピックアップ:Berlin-based fintech CrossLend raises €35 million in funding from Santander Innoventures ニュースサマリー:10月16日、ベルリンの証券マーケットプレイス「CrossLend」がシリーズBラウンドにて、Satander Inno Venturesを含む4つの投資家から合計3,500万ユーロ(約42…

Screenshot 2019-10-17 at 1.15.06 PM.png

ピックアップBerlin-based fintech CrossLend raises €35 million in funding from Santander Innoventures

ニュースサマリー:10月16日、ベルリンの証券マーケットプレイス「CrossLend」がシリーズBラウンドにて、Satander Inno Venturesを含む4つの投資家から合計3,500万ユーロ(約42億円)を調達した。2014年に創業された同社の累計調達額は今回で4,900万ユーロ(約59億円)になった。

CrossLendの運営するマーケットプレイスは、デジタル上で証券発行者である金融機関と、証券を購入する投資家を繋ぎ、自由で円滑な取引を促す。また、プラットホームの側面を持つと同時に、投資取引を加速させる分析ツール・API・レポート機能などのインフラ・サービスの提供も行なっている。CrossLend上で扱われる証券は、株式(エクイティー)ではなく、主にローンなどの債権を裏付けに証券化された有価証券。

同マーケットプレイス上では、消費者ローン・SME(中小事業者)ローンなどの債権をバックに発行された証券や、モーゲージ(住宅用ローン担保証券)、他複数種の有価証券が売買されている。発行者には銀行やその他の貸金業者が、投資家には同じく銀行などの機関投資家や投資ファンド、保険会社が存在している。

話題のポイント: CrossLend最大の特徴は、ヨーロッパ中の金融機関と投資家を結びつけ、国境を超えた一つのプラットホーム上でマッチングさせることで欧州圏の証券市場に大きな流動性を与えている点です。

以下右側のグラフは同サービスが展開されている国の割合で、イギリス・オランダが約30%ずつを占め、その他欧州諸国でも展開されていることが分かります。

Screenshot 2019-10-17 at 10.26.45 AM.png

また、左側のグラフではマーケットプレイス上で扱われる証券の種類・割合が示されており、消費者ローン・SMEローン・モーゲージが扱われている証券の70%以上を占めていることが分かります。

リード投資家であるSatander Inno Venturesの投資部門を率いるManuel Silva Martínez氏は、記事の中で以下のようにコメントしています。

CrossLendは欧州地域の資本市場を結び付け、業界標準へと成長するポテンシャルを秘めています。創業者のオリバーとそのチームは、その野心的なビジョンを実現するためのDNAを持っています。私達はそんな彼らを積極的にサポートできることをとても嬉しく思います。

Martínez氏によれば、CrossLendが潜在的にヨーロッパ圏以外の地域に拡大していくことも可能だと主張しています。

国際政治において現在様々な問題を抱え、分断が生じている欧州諸国ではありますが、CrossLendのようなプラットホームがヨーロッパの経済統合の一手段として非常に高い存在意義を持っていると感じています。

デジタル金融によってヨーロッパ中の証券取引をボーダレスに仲介し、EU経済の新しい金融インフラとなることを目指す同社が、今後どれほどその役割を提供していけるかに注目が集まります。

Image Credit : CrossLend

----------[AD]----------

中国のLuckin Coffee(瑞幸咖啡)、欧州の食品加工大手ルイ・ドレフュスとジュース事業をローンチへ

SHARE:

中国のコーヒーチェーンスタートアップ Luckin Coffee(瑞幸咖啡)は、ヨーロッパの食品加工業 Louis Dreyfus(LDC)と提携し、中国で合弁会社(JV)を通じ Luckin Juice を販売する契約に合意した。 重要視すべき理由:中国でスターバックスの競合として知られる Luckin は、製品カテゴリの拡充と国外市場の開拓を積極的に進めている。 福建省アモイを本拠とする同社は…

Luckin Coffee(瑞幸咖啡)と Louis Dreyfus(LDC)の調印式
Image credit: Luckin Coffee(瑞幸咖啡)

中国のコーヒーチェーンスタートアップ Luckin Coffee(瑞幸咖啡)は、ヨーロッパの食品加工業 Louis Dreyfus(LDC)と提携し、中国で合弁会社(JV)を通じ Luckin Juice を販売する契約に合意した。

重要視すべき理由:中国でスターバックスの競合として知られる Luckin は、製品カテゴリの拡充と国外市場の開拓を積極的に進めている。

  • 福建省アモイを本拠とする同社はスナック・果物飲料事業を追加した後、先月、Xiaolu Tea(小鹿茶)として知られる紅茶事業を独立運営の主体として分社化すると発表した。
  • 息つく暇もないほど成長しているが、未だに赤字を計上している。アメリカで上場している同社にとって、製品カテゴリーの拡充は財務的にさらなるプレッシャーになるだろう。
  • ヨーロッパのパートナー LDC とは、ここ数か月話し合いを進めてきた。Luckin が SEC(証券取引等委員会)に提出した文書には、Louis Dreyfus Asia とコーヒー事業の合弁を立ち上げる計画が示されていた。その取引の一環として、Louis Dreyfus は IPO(新規株式公開)価格で5,000万米ドル相当のクラスA株式を取得する。

LDC との合弁会社を通じて、Luckin は製造に近い上流部門へ事業を拡大し、製造過程全体での品質管理、より優れた製品の提供、顧客の多様な製品ニーズに応えるためのさらなる体験とサービスの向上につなげられます。将来に向けて、幅広い顧客のニーズに応えるほか、さらに多くの消費をしていただけるよう、費用を削減していきます。(Luckin のシニア VP 兼共同設立者 Jinyi Guo=郭瑾一氏)

詳細情報:新しい合弁会社は、濃縮果汁ではないオレンジ、レモン、アップルのストレートジュースを専業とするほか、自社の飲料製造工場を建設する予定がある。

  • 同社によると、他の果物・野菜ジュースを製造する計画もある。
  • Luckin 店舗は販売拠点として重要な役割を果たす一方で、他のチャネルを通してジュースを市場に展開する予定だ。
  • 合弁会社設立に関する取引情報は非開示。

背景:1851年に設立され、オランダ・ロッテルダムを本拠とする LDC は中国で40年以上事業展開している。中国のほぼすべての州において、穀物、油糧種子、綿花、砂糖、コメ、ジュースなどの商品を取り扱っている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

----------[AD]----------

Alipay(支付宝)、ヨーロッパ進出を本格化——ユーザ合計500万人を抱えるデジタルウォレットアプリ企業6社と提携、QRコードを一本化へ

SHARE:

中国のモバイル決済サービス大手 Alipay(支付宝)は10日、乱立しているQRコード決済サービスを1つに統一すべく、ヨーロッパの複数のデジタルウォレット企業と提携したことを発表した。 Alipay の提携先となるのは、フィンランドの ePassi と Pivo、ノルウェーの Vipps、スペインの MOMO、ポルトガルの Pagaqui、オーストリアの Bluecode。Alipay はこれらの…

Photo credit: Ant Financial(螞蟻金融)

中国のモバイル決済サービス大手 Alipay(支付宝)は10日、乱立しているQRコード決済サービスを1つに統一すべく、ヨーロッパの複数のデジタルウォレット企業と提携したことを発表した。

Alipay の提携先となるのは、フィンランドの ePassi と Pivo、ノルウェーの Vipps、スペインの MOMO、ポルトガルの Pagaqui、オーストリアの Bluecode。Alipay はこれらの企業と提携して、ヨーロッパで乱立しているモバイル決済サービスを1つの QR コードサービスに統一する考えだ。

今回の提携によって、ヨーロッパのモバイル決済アプリユーザは、提携先6社のデジタルウォレットの決済方法を採用しているヨーロッパ10ヶ国の販売業者に対してアプリを使って支払うことができる。提携先のデジタルウォレット企業は、Alipay が提供する統一されたQRコードを使うことになる。ヨーロッパで Alipay を使うことになるユーザの大半は中国からの観光客だ。これらのユーザも Alipay の提携先となる決済アプリを採用している販売業者に対して Alipay を使って支払うことができる。

今回の提携は、同社の QR コード標準を採用すべく、去年12月に Vipps、ePassi、Alipay の間で結ばれたパートナーシップに基づいて構築されている。Alipay によると、今後はヨーロッパにおけるサービスをさらに多くの国に展開していくという。

今回 Alipay と提携した6つのデジタルウォレット企業は、ヨーロッパで合計500万人のユーザを抱え、19万の販売業者が登録している。

Alipay や WeChat Pay(微信支付)などのモバイル決済企業は、ヨーロッパに大挙して押し寄せている中国人観光客から利益を得ようとしている。貿易摩擦が激化する中でも、ヨーロッパは中国人にとって最も人気のある観光地の1つとなっている。

貿易摩擦の影響で Alipay のアメリカ進出は難航しているため、同社は現在ヨーロッパとアジア地域の市場に注力している。

Alipay ヨーロッパのトップを務める Roland Palmer 氏は最近、中国とアメリカの貿易戦争によって Alipay の成長が減速するという懸念を一蹴した。同氏によると、過去1年間で Alipay のサービスを採用したヨーロッパの販売業者の数は3倍になったという。

Ant Financial(螞蟻金融)の CEO Eric Jing(井賢棟)氏は声明で次のように語った。

弊社がより多くの販売業者と中国人観光客の橋渡しをしながら、ヨーロッパにおけるスマートなライフスタイルと IT 化の推進に一役買えることを喜ばしく思っています。モバイル決済は世界中どこでも使えるものであり、サッカーと同じように人々の心を1つにできるものだと考えています。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

----------[AD]----------

米国のテック大手が2018年に買収した、欧州スタートアップ13社

SHARE:

過去数年間と同様、2018年にもテクノロジー業界で多数の大規模買収劇があった。テクノロジーを強化する手段を探すアメリカ企業にとっては、ヨーロッパが格好の調達先となっている。 ここからは、今年欧米間で行われた買収劇のいくつかを紹介しよう。 Spektral(デンマーク) 10月、Apple はデンマークのスタートアップ Spektral を買収したことを発表した。Spektral はコンピュータビジ…

travel-2313444_640
Image credit: Pixabay

過去数年間と同様、2018年にもテクノロジー業界で多数の大規模買収劇があった。テクノロジーを強化する手段を探すアメリカ企業にとっては、ヨーロッパが格好の調達先となっている。

ここからは、今年欧米間で行われた買収劇のいくつかを紹介しよう。

Spektral(デンマーク)

10月、Apple はデンマークのスタートアップ Spektral を買収したことを発表した。Spektral はコンピュータビジョンと機械学習テクノロジーを使って、リアルタイムで動画から人物の部分を切り抜くことができる。iPhone のカメラに組み込まれたら便利な機能である。しかし Apple 傘下で Spektral のテクノロジーがどのような変化を遂げるかはまだ未知数だ。

契約条件は公式には明らかにされていないが、地元紙 Børsen によると契約額は約3,000万米ドルになるという。

Shazam(イギリス)

01_Shazam_screenshot-2017-08-03-15-11-32
Shazam

この買収劇が実際に発表されたのは昨年のことである。Apple は4億米ドルの入札によって、ロンドンに拠点を置く音声認識プラットフォーム企業 Shazam を買収した。欧州委員会(EC)による独占禁止法の調査が行われた影響もあり、買収完了までには10か月を要した。EC は9月になって買収を進めることを認め、その数週間後には Apple が契約完了を正式に発表した。

Apple は Shazam をスタンドアロンのアプリとして維持し続けることを表明していたが、将来的には Apple 製品に Shazam のテクノロジーが緊密に連携されていく公算が高い。

Dialog Semiconductor(ドイツ)

これについては完全な買収ではないが、いずれにせよ注目に値するものである。Apple は6億米ドルの契約を結んで Dialog の電力管理チップ事業を部分的に買収した。これには Dialog のテクノロジーのライセンス、一部のヨーロッパオフィスの所有権、そして300人のエンジニアのオンボーディングが含まれる。

Apple が iPhone の電力管理チップを Dialog Semiconductor のものから他社のものにするという報道が出て1年以上経過してから、今回の契約のニュースが発表された。この噂により Dialog の株価は約40%も急落していた。

Platoon(イギリス)

今月、Apple がロンドンに拠点を置く Platoon を買収したというニュースが伝えられた。Platoon はミュージシャン向けのクリエイティブサービスを提供している。

Apple は Platoon に関する明確な計画を決めていないが、Platoon はレコード契約の締結やツアーのサポート、独自コンテンツの作成、関連市場へのマーケティングといったアーティストの育成を得意としている。言うまでもなく、Platoon と Apple Music の相性は抜群だ。

Bloomsbury AI(イギリス)

7月、Facebook はロンドンに拠点を置くスタートアップ Bloomsbury AI の買収計画を発表した。契約条件は発表されていないが、一部の報道によると契約額は最大で3,000万米ドルに達するという。

Bloomsbury AI の自然言語処理(NLP)とマシンリーディングテクノロジーでは、非構造化テキストと文書の構文を解析して質問に答えることができる。今回の契約は企業買収によって人材を獲得するだけにとどまらない。 Bloomsbury AI はコア製品の開発を中止して GitHub でオープンソースとして開発を行う道を選んでいる。

GraphicsFuzz(イギリス)

8月、Google はロンドンに拠点を置く GraphicsFuzz を買収したことを発表した。GraphicsFuzz はモバイル画像ベンチマークツールに特化したスタートアップである。

契約条件は発表されていないが、当時発表された Google の声明によると、契約の結果、GraphicsFuzz の3人から成るチームは Android のグラフィックチームに参加してドライバーテストテクノロジーを「Android のエコシステム」に統合するサポートを行う。

Ninja Theory(イギリス)

02_Ninja_hellblade-5
Senua は青いタトゥーを除けば平凡なキャラクターだ
Image Credit: Ninja Theory

6月、Microsoft は5つのゲームスタジオを買収したことを発表したそのうちの1つがイギリスに拠点を置き『Hellblade』を開発した Ninja Theory である。

過去を振り返ってみても、Microsoft は限られた数の社内スタジオしか運営してきておらず、Xbox 限定のゲームの制作ができなかった。5つのスタジオを傘下に置くことで、この状況が打開される方向に向かう。

Playground Games(イギリス)

6月に行われた Microsoft によるもう1つの買収劇が、『Forza Horizon』を開発した Playground Games に関するものである。同社は買収を経て、Microsoft 傘下で『Forza Horizon 4』を PC と Xbox で限定リリースする役割を担った。

Blue Vision Labs(イギリス)

Blue Vision Labs

2019年に IPO を計画しているライドヘイリング企業 Lyft は10月、ロンドンに拠点を置く拡張現実(AR)スタートアップ Blue Vision Labs の買収計画を発表した

この買収により、Lyft は初めてイギリス内にオフィスを持つことになる。しかし、Lyft のコアサービスであるライドヘイリングをイギリス市場でローンチする動きに出るかは発表されていない。Blue Vision Labs は Lyft の自動運転向けレベル5(完全自動運転)部門の一部となり、買収によって Lyft の自動運転車への取り組みが強化される。

PlayCanvas(イギリス)

Snapchat を運営する Snap が、ロンドンに拠点を置く PlayCanvas を買収したというニュースが3月に飛び込んできた。PlayCanvas はウェブ向けのゲーミングエンジンを開発している。しかし、取引自体は昨年に行われていたようだ。

確認は取れていないものの、報道によると Snap は一部のゲーム機能を Snapchat アプリに実装する方法だけでなく、新たな3D 機能やバーチャルリアリティ(VR)機能を同社の看板アプリに実装する方法を探っているようだ。

iZettle(スウェーデン)

04_izettle
iZettle

ヨーロッパの Square と呼ばれる iZettle は、突然目の前に現れた PayPal に22億米ドルで買収されるまで上場に向けた準備を行っていた。この買収は PayPal にとってこれまでで最高額となるものだ。

iZettle は複数のヨーロッパ市場に進出しているため、PayPal は今回の買収によって実店舗での支払いサービスで存在感を強化することになる。

買収自体は完了しているものの、イギリスの競争・市場庁である CMA は契約の調査を続けている。今後何らかの形で契約が取り消しになる可能性もあるため、今後の動向にも注目だ。

Interoute(イギリス)

2月、アメリカの通信会社でインターネットプロバイダーでもある GTT Communications は、ヨーロッパのファイバーネットワーク事業者である Interoute を23億米ドルで買収したことを発表した。

ロンドンに拠点を置く Interoute はすでにヨーロッパ最大級のファイバーネットワークを運営しており、その規模は7万キロ以上、29か国に及ぶ。つまり、今回の買収によって GTT は世界規模のネットワークを容易に拡大できるようになる。

DogBuddy(イギリス)

最も魅力的な業界というわけではないかもしれないが、世界のペット市場産業規模は数十億米ドルにも及ぶ。アメリカに拠点を置くドッグシッティングプラットフォーム企業 Rover は、今年1億5,500万米ドルを調達して国外への展開に打って出た。その一環としてヨーロッパの競合 DogBuddy を買収した

世界のペットフード消費額は700億米ドルを超えているが、その3分の2をアメリカとヨーロッパが占めており、大半は犬用ペットフードへの支出となっている

犬向けのビジネスは儲かるのである。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

2018年第3四半期、ヨーロッパのスタートアップへのVC投資額が21%ダウン

SHARE:

  シリコンバレーと中国へのベンチャーキャピタルによる投資が増加している一方で、ヨーロッパへの投資は冷え込みつつあるようだ。Dow Jones VentureSource が発表した直近四半期の結果によると、ヨーロッパのスタートアップが調達した資金額と案件数は、いずれも9月までの3ヶ月で急激に減少している。 ヨーロッパのベンチャーキャピタルに関する2018年第3四半期のレポートが12日発…

 

globe-3383088_640
Image credit: Pixabay

シリコンバレーと中国へのベンチャーキャピタルによる投資が増加している一方で、ヨーロッパへの投資は冷え込みつつあるようだ。Dow Jones VentureSource が発表した直近四半期の結果によると、ヨーロッパのスタートアップが調達した資金額と案件数は、いずれも9月までの3ヶ月で急激に減少している。

ヨーロッパのベンチャーキャピタルに関する2018年第3四半期のレポートが12日発表された。このレポートによると、ヨーロッパでベンチャーキャピタルが支援している企業の第3四半期の調達額は52億2,000万米ドルで、前年同期に比べて21%ダウンしている。資金調達の件数は684件で、2017年第3四半期と比べて9%減少している。

これらの数字は2018年第2四半期と比べても減少しており、資金調達額が26%減少、件数も18%ダウンしている。

EU 離脱が懸念されるなかでも、イギリスのスタートアップは群を抜いている。第3四半期には総投資額の43%、案件の32%が行われている。それでも、イギリスのスタートアップが調達した投資額は23億米ドルと、第2四半期からは11%ダウンしており、件数も215件で16%ダウンとなっている。

ベンチャーキャピタルによる投資額が6億7,900万米ドルで2位のフランスは、1位のイギリスに大差をつけられており、案件数は78件で3位となっている。ドイツへの投資額は6億3,100万米ドルで3位、案件数は83件で2位となっている。

ベンチャーキャピタリストにとって良いニュースもある。第3四半期では24のVCファンドがクローズし、41億米ドルを集めている。これは第2四半期と比べると50%アップ、前年同四半期と比べると90%アップである。

<関連記事>

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

2018年上半期の、ヨーロッパのシードスタートアップシーンを振り返る

ヨーロッパも8月に入っているので、ヨーロッパ大陸におけるシードラウンドへの投資についてデータを集めて分析し、振り返ってみるのが良いだろう。今年前半がどういう風だったのかを見てみて、起業家への脅威やチャンスを見極めよう。 1.投資された資本と、その量 ドル建てで見ると量は増えているが、件数の絶対数は減っている。 2018年前半では6億6,500万米ドル相当のシードの取引が完了した。この額から1年分を…

globe-3383088_640
Image credit: Pixabay

ヨーロッパも8月に入っているので、ヨーロッパ大陸におけるシードラウンドへの投資についてデータを集めて分析し、振り返ってみるのが良いだろう。今年前半がどういう風だったのかを見てみて、起業家への脅威やチャンスを見極めよう。

1.投資された資本と、その量

ドル建てで見ると量は増えているが、件数の絶対数は減っている。

2018年前半では6億6,500万米ドル相当のシードの取引が完了した。この額から1年分を推定すると年間13億3,000万米ドルとなり、2016年の額と等しい。4億6,300万米ドルだった2017年上半期と比較すると、ドル建てで44%上昇している。789件のシード取引が2018年前半のヨーロッパで完了したのに対して、2017年前半では873件であり、10%減少している。

1_seed_investment_by_year
(上)Data source: Crunchbase and dealroom.co

起業家へのアドバイス:ヨーロッパではアーリーステージに対する資本がかつてないほど大きくなっている。アーリーステージへの投資量は2012年からずっと上昇傾向にあったが、今は安定しているように見える。シードステージで健全なレベルの資本を活用することと共に、さらに重要なのは、スタートアップが成長する最良のチャンスを与えてくれるパートナーを選ぶことである。虚栄に満ちた資金調達ではなく、会社が成長するための方策を。

2.取引の額

ラウンドは大きくなり続けており、周期的な高値に届いているのかもしれない。

2018年上半期のシードラウンドの平均は117万米ドルだった。

2_average_seed_round興味深いことに、平均的なラウンドの額が89万米ドルだった2017年上半期の平均取引額と比べて、33%増加している。

明らかにラウンドは大きくなっているが、取引額は過去と比べてどのように違うのだろうか。

3_average_seed_round_size
(上)注:2018年の値は上半期のみ
Data source: Crunchbase

起業家へのアドバイス:より多くの資本が、より少数の案件に向かっている。そのため、シード資金の調達のハードルは上がってきている。ラウンドの額の上昇と共に、評価額も全般的に上昇している。一方で、これらの評価額の上昇は株式の希薄化のコントロールには有用かもしれない。シードステージで希薄化に過敏になりすぎると、将来の成長の妨げになるかもしれない。忘れてはならないのは、既に市場の条件はかなり起業家に有利になっているということだ。提携している投資家に支えられた、半分道理にかなった評価額を最重要点とすべきだ。より良い投資家からのより低い評価額を受け入れることは直観に反するが、それこそが成功と失敗を分けるものとなるかもしれない。スタートアップの成長とは、人材や顧客などの付加価値によって促進され得るものである。高い評価額が新しいエンジニアを雇うわけではないし、新しいクライアントをもたらすわけでもないのだ。

3.エコシステムの分散

仮想通貨で勢いをつけた新規参入のツークが、ベルリンに取って代わって取引額でヨーロッパ第3の都市の座についた。

4_deal_volume_by_city
(上)Data source: Crunchbase

ドル建てでシードファンディングの49%は上位4都市のスタートアップが占めており、ロングテールである多くのヨーロッパの都市が残りの半分となっている。

2017年上半期と比べてどうなっているか見てみよう。

5_deal_volume_by_city_2017
(上)Data source: Crunchbase
  • ブレグジット(EU 離脱)の投票後もロンドンはシードファンディングで他を圧倒しており、絶対的にも相対的にも成長している。
  • 興味深いことに、クリプトバレーの企業に押し上げられて、スイスのツークが重要なプレーヤーになっている。この図はエクイティファイナンスのみを表示しており、すべての IC ファンドを含めればツークはさらに大きな存在感を示すと思われる点に留意すべきである。
  • トップ3には届かないが、額という点ではケンブリッジがベルリンを追いかけている。しかしこの2都市は企業の構成という点ではまったく異なっている。ケンブリッジは地元の学術機関が生むエンジニアリングとディープテックの人材を活用し、重要なポジションにあり続けている。

起業家へのアドバイス:ベンチャーが支援するスタートアップを作るには、ロンドンは今でもヨーロッパで最良の場所である。ロンドンのエコシステム(および付近のケンブリッジとオックスフォード)の深さは、ブレグジットが迫る中にあってもヨーロッパのその他の都市を上回り続けている。エンジェル投資家、VC、アクセラレータ、そして究極的には資本が、この都市には最も大きく集中している。また同都市はヨーロッパの34社のユニコーンのうち13社が拠点としている。これによって人材、資金、メンタリングにおいて最も肥沃な環境が提供されているのだ。ロンドンの優越に対する喫緊の脅威は、外国人の人材雇用が制限されイギリス企業が外国企業との取引で困難に直面する、ブレグジット後の世界である。しかしヨーロッパの多くの投資家は大陸中を網羅しているということは覚えておくべきだ。素晴らしい会社はどこででも始めることができるが、いくつかの地域では人材雇用の限界に達するのが早いかもしれない。

4.シードファンディングを行うスタートアップの年齢

現在、シードファンディング時点でのスタートアップの平均年齢は2年3ヶ月である。

6_age_at_seed_funding
(上)Data source: Crunchbase

2017年上半期に比べるとシードファンディング時点におけるスタートアップの年齢の平均値も中央値も上昇している。

では、スタートアップの成熟度が調達する資本の量に影響するのかどうか見ていこう。

7_amount_raised_vs_age
(上)Data source: Crunchbase

トレンドラインは緩やかに上昇しており、年齢の増加とシードで調達する資本の間には僅かな関係があることが示されている。それでも、ベンチャースケールの成長目標に自力でついていく会社でない限り、調達までの予定表が長引いていることは、何かの不具合(伸び悩むトラクション、出荷能力の欠如、まとまらない戦略など)があるのではないかというネガティブなサインとして見る投資家もいるだろう。

起業家へのアドバイス:資金調達ラウンドのタイミングは、会社がいつ資本を必要とするのかということと、その資本をさらなる成長に変換できるのはいつかという指標の、その2つのコンビネーションに基いていなくてはならない。資金調達は会社がさらなる成長を加速させる転換点として捉えられるべきものであり、ゲームの終着点ではない。シードラウンドで資金調達をしている会社は、もはや創業チームと狭いオフィスだけではない。会社設立の障壁が下がり(AWS、フリーランサー、スタートアップらの微粒子化など)、設立者は今やより少ないものでより多くを手にすることができるようになった。シードラウンドで調達する前に、資本は根源的には成長阻害要因であると認識しておかなければならない。

5.シリーズ A への道

シリーズ A のファンディングは成長を続けており、それと共にスタートアップのトラクションに対する投資家の期待もまた膨らんでいる。

シードファンディングが安定して増加を続ける中で、シードステージのすべての起業家が持つであろう疑問は、どうやってシリーズ A に進めばよいのだろうかというものだ。

スタートアップの KPI と収益予測を見るのは、この分析には無理があるかもしれない。なので代わりに、過去18ヶ月のシリーズ A ファンディングのペースを見てみよう。

8_series_A_by_quarter
(上)Data source: Crunchbase

ヨーロッパのシリーズ A の額は著しく上昇している。「A」ラウンドの分析に踏み込まなければ、少なくとも資金調達の環境は健全であると推測することができる。

では、シリーズ A ラウンドに先駆けてスタートアップが調達した資本の平均額を見てみよう。この図は鵜呑みにしないようにしたい。すべてのスタートアップはユニークであり、次の転換点へと到達するために必要な資本もバラバラだ(ハードウェアは高く、ソフトウェアは低い)。下図は情報を提供するものであり、目標額でも必要額でもない。

9_pre_Series_A
(上)Data source: Crunchbase

興味深いことに、シードラウンドとの対比では、「旧来の」シードラウンドの外、つまりエンジェル、プレシード、ブリッジ、追加シードラウンドなどで調達された資本の量は、取るに足らないものではないことを上図は示している。

そこに行くまでにどのくらいかかるだろうか。過去2年半のデータを見てみると、スタートアップがシリーズ A に辿り付くのに平均4年かかっている。

10_time_to_raise_Series_A
(上)Data source: Crunchbase

起業家へのアドバイス:トレンドラインは明確だ。ヨーロッパで会社を立ち上げアーリーステージのベンチャーファンディングを調達するのは今が最良のタイミングだが、シードやシリーズ A ラウンドに到達するための時間は増加している。投資家がシードやシリーズ A のスタートアップにかける期待も増大している。スタートアップもまたプロダクト・ゴー・ツー・マーケット・フィット(市場に合うであろうプロダクト)段階からプロダクト・マーケット・フィット(市場に合ったプロダクト、PMF)へと移行する期間をより長く取っているようだ。シリーズ A に至るために求められる KPI を理解すべく、思慮深く実践的なアプローチが重要だ。シードを通過したスタートアップは PMF に至ることができるよう、十分なデータポイントを集めるために多くの支障やロードマップの変更を必ず経験することになる。ポジティブな方向への発展(とキャッシュ)がスタートアップの歩みを進めていくことだろう。そして、シリーズ A に向けて市場で何が求められているのかということに関する深い理解と洞察を提供できる投資家と共に働くことができれば、ライバルよりも有利になることができるだろう。

重要なポイント

2018年上半期ヨーロッパのシードファンディングデータにおける重要なトレンドは以下のとおり。

  • ヨーロッパは成長している。これは自明のことである。2016年と2017年のそれぞれで、ヨーロッパではアメリカの2倍近い量の IPO があった。今年はこれまでのところ、ヨーロッパでは27件の IPO で総額325億米ドルなのに対して、アメリカでは14件の IPO で総額250億米ドルである。流動性がすべてではないが、それによって人材が流入し、起業する者にきちんと資金が提供され、投資家のリターンは増加し、そして自信を深めて、ヨーロッパのテックエコシステムの木に新たな年輪を刻んでいる。
  • シードは新たな「A」である。今年生まれたトレンドというわけではないが、この現状はますます固まってきている。歴史的には、トラクション以前のスタートアップはシードとされてきた。今では多くの投資家が、トラクションにつながる小切手にさらに大きな額を書き込むことで、リスクを減らそうとしている。
  • シリーズ A ファンドはレイトシードへと移行している。A ファンドがより大規模かつシード後半に、もしくはそのどちらかで行われることが著しく増加しており、、シードと「A」の境界線は曖昧になってきている。こういったことが起きているのには多くの理由がある。a)シードの会社は、より「A」の会社のようになってきており、b)「A」ラウンド内の競争によって、それに勝とうとする投資家は先買いの小切手を切らねばならなくなってきており、そして、c)多くの VC は大量の資金を調達しているため、「A」およびその周辺に資金を振り当てなければならないのだ。
  • プレシードが出現している。プレシードはシリコンバレーやニューヨークで定義されたカテゴリとして表れた。インキュベータやアクセラレータを除いた、少数の専用ファンドがヨーロッパにも誕生しており、またより多くのシードファンドはより早い段階で小額の小切手を切ろうとしている。以前、起業家は「友人と家族」を頼るか、もしくはエンジェルファンドで調達するよう求められるか、またはシードラウンドまで自力で進まなければならなかった。今や機関投資家はこのステージへ慎重に足を踏み入れており、経済状況を把握して、時には起業家を制限された予算で専門的な製品を製造しなければいけない状況から救っている。

「ヨーロッパのテックは成長している」という言説は何度も耳にしてきた。そして今、土台となるデータがその主張を本質的に支持しているのを見て取ることができる。

Sam Cash 氏betaworks のバイスプレジデントである。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

米国との投資格差を埋めるため、EUがファンド・オブ・ファンズ「Venture EU」に21億ユーロ(約2,780億円)を投入すると表明

SHARE:

欧州連合(EU)は10日、域内で台頭するスタートアップのエコシステムにアドレナリンを投与すべく、大規模なファンド・オブ・ファンズ「VentureEU」を立ち上げると発表した。 EU はこれまでにこのプロジェクトのために4.5億ユーロ(約600億円)を拠出しているが、現在は民間投資家から21億ユーロ(約2,780億円)を調達するのが課題となっている。 VentureEU には、デジタルサービス、医療…

eu
Image Credit: Pixnio

欧州連合(EU)は10日、域内で台頭するスタートアップのエコシステムにアドレナリンを投与すべく、大規模なファンド・オブ・ファンズ「VentureEU」を立ち上げると発表した。

EU はこれまでにこのプロジェクトのために4.5億ユーロ(約600億円)を拠出しているが、現在は民間投資家から21億ユーロ(約2,780億円)を調達するのが課題となっている。

VentureEU には、デジタルサービス、医療技術、生命科学、エネルギーなどの分野に特化する VC に投資を行う6つのファンドが含まれる。このプログラムは、本日(4月10日)ブリュッセルで開催された EU の「Digital Day」で正式発表された。

欧州委員会の職業・成長・投資及び競争力部門副委員長を務める Jyrki Katainen 氏は声明の中でこのように述べた。

ベンチャーキャピタルは、規模が重要な要素です! VentureEU により、ヨーロッパにいる革新的な起業家の多くは、イノベーションや世界的な成功物語の実現に向けて必要な投資をすぐにでも得られるようになるでしょう。それにより、ヨーロッパには雇用と成長がもたらされるのです。

このプログラムは大規模な取り組みであると同時にスタートアップエコノミーを加速させようとする際にヨーロッパには大きな課題があることを示唆している。

EU は、発表の中でその課題について強調していた。2016年にアメリカのスタートアップは、ヨーロッパのスタートアップより6倍多い金額を調達していた。ヨーロッパでは VC ファンドが台頭してきているとはいえ、大半の規模は米系ファンドの3分の1ほどにとどまっている。そしてヨーロッパには2017年末時点で、時価総額10億米ドル超の民間企業(ユニコーン)は26社しかない。これに対してアメリカは109社にのぼる。

実際、ヨーロッパは起業家がスタートアップをローンチする際のサポートでは改善がみられるものの、多くの企業がより後期のステージの資金調達をしようとすると別の地域に向かってしまう。もしくは、ヨーロッパでスケールしようとする試みが断念させられる。

EU の構想は素晴らしいが、公表内容をみると、資金調達のダイナミクスを域内においてシフトさせようとするときに直面する限界を意識させられる。今回のような汎ヨーロッパ主義的なファンドの計画は、実は2015年にすでに発表されていた。調整に3年もかかり、今の段階に至ったわけだ。そして資金の大半は複数の VC ファンドに分散されるだろう。それらのファンドは、バランスを図って投資するに値するスタートアップを見定めなくてはならない。

資金を受け取る6つのファンドを選定するプロセスを管理したのは European Investment Fund(EIF)である。その EIF は本日(4月10日)、Isomer CapitalAxon Partners Group の2社と契約を交わした。残りの4社(Aberdeen Standard Investments、LGT、Lombard Odier、Schroder Adveq)との契約は今年中に行われると予測されている。上記ファンドは、ヨーロッパを拠点とする別の VC に資金を投資していく。

VentureEU のプロジェクトが発表されたのは、EU デジタル単一市場委員長の Andrus Ansip 氏が、人工知能(AI)、ブロックチェーン、ヘルスケアといった重要な技術に対するだとよ呼びかけたため投資をもっと増やすべきだと呼びかけたため

Digital Day での講演の場で彼は次のように述べた。

ヨーロッパのテックセクターは、この地域が主導的な役割を果たすのに最も適した分野として AI やブロックチェーンがあるとみています。しかし、政治的、財政的な意味で投資しなくてはいけないことは周知の事実です。キャッチアップする余地はまだ数多くあります。欧州以外の大陸では急速に変化していますから。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

ヨーロッパのバーチャルリアリティ業界企業数、約300社にまで成長——アメリカ・The Venture Reality Fund、フランス・LucidWeb共同調べ

SHARE:

欧州でブームとなっているバーチャルリアリティ(VR)のエコシステムにいる企業数は、今や300ほどに達した。この調査結果は、The Venture Reality Fund とフランスの LucidWeb により実施された第1回「European Virtual Reality landscape(欧州 VR の概観)」により明らかにされた。 シリコンバレーを拠点とするベンチャー企業の The Ve…

vr-fund-european-landscape
(上)欧州におけるAR/VRマーケットの概観
Image Credit: VR Fund

欧州でブームとなっているバーチャルリアリティ(VR)のエコシステムにいる企業数は、今や300ほどに達した。この調査結果は、The Venture Reality Fund とフランスの LucidWeb により実施された第1回「European Virtual Reality landscape(欧州 VR の概観)」により明らかにされた。

シリコンバレーを拠点とするベンチャー企業の The Venture Reality Fund は、拡張現実と VR 市場の投資を追跡調査しているが、以前はそのほとんどが米国企業に偏っていた。しかし、VR Fund はこのたび、VR エコシステムで起きている地域別の成長と国際的な影響を初めてビジュアル化した。

「欧州 VR の概観」は追加的な調査のほか、欧州全域でなされた VR の地域アンバサダーと呼ばれる人との対話や電話で聴取した内容をベースとしている。300社ほどの VR スタートアップが特定・検証され、うち116社が「VR Landscape Europe」の初回リリースの一部として採用された。

同ファンドの共同設立者兼ジェネラルパートナーの Tipatat Chennavasin 氏は声明で次のように述べた。

私たちが LucidWeb をパートナーに選んだ理由は、欧州 VR の大手スタートアップに関する優れたデータベースを持っており、この地域のエコシステムに大変精通していたからです。この図全体は、業界の教育と成長を担うという当社の公約をビジュアル的に見せたものです。

この調査によると、最も競争が激しいのはゲーム分野で、CCP Games(アイスランド)、nDreams(英国)、Resolution Games(スウェーデン)、Solfar Studios (アイスランド)といった潤沢な資金を獲得した企業がいる。

脳(BCI)、身体、目、足、手による VR でのやり取りに特化したユーザインプット技術分野にも、スイスを拠点とする MindMaze など多くの優良プレーヤーがいる。同社は、欧州の VR 企業が1回のラウンドで調達した金額としては最高額の1億米ドルを獲得した実績を持つ。

他にも、360度全方位 VR キャプチャーハードウェアやソフトウェア開発に取り組んでいる企業がある。中でもフランスの VideoStitch や Giroptic が最先端を行っている。

ゲーム以外ではエンタープライズ分野がトラクションを獲得しており、不動産の VR が欧州全域のオンライン代理店でかなりの収益を上げている。これをリードしているのはスウェーデンの Diakrit とオランダの TheConstruct の2社だ。

フランスの Homido と MindMaze、スウェーデンの Starbreeze は、モバイル用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)もしくはテザード HMD を開発している最先端のハードウェア企業だ。

VR ポストプロダクション企業は3D ツールを開発中で、米国の大手ソフトウェア企業はこの2年で複数のスタートアップを買収した。例えば Google はアイルランドの Thrive Audio、Facebook はスコットランドの Two Big Ears、Snapchat はロンドン拠点の Seen/Obvious Engineering をそれぞれ買収している。

ヘルスケアやフィットネス系企業は、VR を治療トレーニング、 精神療法(不安神経症、アスペルガー症候群)、身体のリハビリに活用している。スペインの Psious とアムステルダムの MDlinking はこのカテゴリーで注目すべき2社だ。

この図に示された企業の過半数は、英国、フランス、ドイツ、スウェーデンを拠点としている。大陸全体でみると概ねフランスが VR をリードしているようだ。

LucidWeb の共同設立者で CEO の Leen Segers 氏は声明でこのように述べている。

VR 業界のブームが起きているのは何も米国やアジアだけではありません。欧州大陸はスタートが遅いことで知られていますが、この2年は確実に動きが速まっています。VR ゲームは依然として最も競争の激しい分野ですが、ユーザインプットや3D ツールにフォーカスした多くの企業からの挑戦を受けているのも確かです。国内外の投資家らがこのセグメントに資金を投じてくれていることも明らかですので、VR の将来に大変期待しています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

タクシー運転手による「Uber」への反発デモが欧州各地で発生

SHARE:

Photo via. BBC <Pick Up> Taxi and rail strikes hit European cities パリ、マドリッド、ロンドン、ミラノ、ベルリンといった欧州各地で、Uberに反発するタクシー運転手によるデモが繰り広げられているそう。各地で、タクシー運転手が道や広場を塞いでしまっているとか。 Uberのアプリは、要は既存タクシーで言うところのメーターの代…

Strike-against-UberPhoto via. BBC

<Pick Up> Taxi and rail strikes hit European cities

パリ、マドリッド、ロンドン、ミラノ、ベルリンといった欧州各地で、Uberに反発するタクシー運転手によるデモが繰り広げられているそう。各地で、タクシー運転手が道や広場を塞いでしまっているとか。

Uberのアプリは、要は既存タクシーで言うところのメーターの代替。タクシーと変わらないのに、Uberだけタクシーに課せられる規制を免れているのはおかしいというのが彼らの主張。

ロンドンだけで、4,000人のタクシー運転手がデモに参加した模様。でも、こういうのを本当の“Disruption”って言うんだろうね。

via. BBC 【G翻訳】

----------[AD]----------