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フィンテック・スタートアップハブの「FINOLAB」が移転、会員プログラムを刷新——みずほFGは、オープンイノベーションのためのラボを開設へ

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皇居に面した大手町の東京銀行協会ビルに、フィンテック・スタートアップハブ「FINOLAB」が開設されたのは、今からちょうど一年前のことだ。三菱地所・電通・電通国際情報サービス(ISID)の協業で生まれたこのプロジェクトには、多くの金融機関やフィンテック・スタートアップが参加し、フィンテック分野での事業拡大やオープンイノベーション推進に一役買ってきた。時を同じくして、東京証券取引所の建物のオーナーと…

皇居に面した大手町の東京銀行協会ビルに、フィンテック・スタートアップハブ「FINOLAB」が開設されたのは、今からちょうど一年前のことだ。三菱地所・電通・電通国際情報サービス(ISID)の協業で生まれたこのプロジェクトには、多くの金融機関やフィンテック・スタートアップが参加し、フィンテック分野での事業拡大やオープンイノベーション推進に一役買ってきた。時を同じくして、東京証券取引所の建物のオーナーとして知られる平和不動産は、兜町界隈の自社ビルにイベントスペース「FinGATE」を展開。日本橋では(こちらはフィンテックというより、ライフサイエンスなどが中心だが)三井不動産がスタートアップ拠点を複数開設するなど、東京駅を挟んで、不動産大手各社がスタートアップ支援でしのぎを削っている状況だ。

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そんな中、FINOLAB が入居していた東京銀行協会ビルが丸の内一丁目地区の再開発で取り壊しされることととなり、FINOLAB は東京銀行協会ビルからも程近い大手町ビルへと移転することとなった。1日、装いを新たにした移転後の FINOLAB が正式にオープンし、FINOLAB 会員スタートアップや参画する金融機関、メディアなどを招いたリニューアル・オープニングイベントが開催された。

クラウドキャスト、Warrantee、Caulis など、ここに拠点をオフィスを構えるスタートアップも含め、総勢40社ほどのスタートアップが FINOLAB に参加している。床面積は以前の2.4倍の650坪となり、会社毎の独立したオフィススペースのみならず、イベントスペース・キッチン・ラウンジなど共用環境も充実しているのが特徴だ。フィンテックというセキュリティにセンシティブな領域を扱っていることもあり、スペース内のゲートやドアの各所には生体認証技術スタートアップ Liquid が開発した指紋認証セキュリティシステムが設置されている。

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また、拠点移転を契機に、FINOLAB は会員プログラムを刷新し、プロジェクト会員・ベンチャーキャピタル・アクセラレータなどの会員メニューを設け、大手企業によるオープン API の提供や、異業種による新規事業早出コンソーシアムの立ち上げなどを推進・誘致してゆく考え。その先駆けとして、みずほフィナンシャルグループ(みずほ FG)がスタートアップ向けに Open Bank API の開発環境を提供するラボを FINOLAB 内に開設する予定だ。みずほ FG の本社は FINOLAB からも目と鼻の先だが、スタートアップの集まる梁山泊にラボを持つことで、より積極的な活動を目指している意識の表れと見ることができるだろう。

100名以上が集まれるイベントスペース
ステージでは、地方創生とフィンテックをテーマにしたパネルが行われていた
玄関には、毎日のイベント予定などが掲出されている
会員の著書やメディア掲載などが展示。ロンドンの Level 39 やソウル・ハンファグループの Dream Plus のような海外アクセラレータとも提携関係にあるようだ。
ラウンジやキッチンのエリアは、イベント開催時にパーティー会場として活用される。
フォーンブースがあるので、電話でのやりとりにおいても、コミュニケーションの秘匿性は守られ、他の利用者への迷惑も避けられる。
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FINOLABで第1回Dentsu Growth Hackersが開催——フィンテックでグロースハックを追求する効用とは?

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら。 東京のフィンテックセンターである FINOLAB は12日、フィンテック・スタートアップなどに向けた初のグロースハックセミナーを開催した。先ごろ開催された FIBC 2016 の会場ともなったこの施設は、今年2月に東京の大手町・丸の内エリアにオープンした。三…

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


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東京のフィンテックセンターである FINOLAB は12日、フィンテック・スタートアップなどに向けた初のグロースハックセミナーを開催した。先ごろ開催された FIBC 2016 の会場ともなったこの施設は、今年2月に東京の大手町・丸の内エリアにオープンした。三菱地所(東証:8802)、電通(東証:4324)や電通国際情報サービス(東証:4812)などの電通のグループが協力するほか、日本の金融イノベーションのための団体 FINOVATORS も支援している。

FINOLAB ではこれまでにも、いくつかの集まりが開催されている、3月30日に開催された Techmeetup の第一回では、CapyGoogle Cloud Platform をフィンテック・サービスに活用する方法についてプレゼンを行った。しかしながら、今回のセミナーは、シリコンバレーで生まれたグロースハックのコンセプトに焦点を当てており、グロースハックはフィンテックと組み合わせることで、将来面白い結果が約束されるだろう。電通ビジネス・クリエーション・センターのプロデューサー片山智弘氏と、デザイナーの浅野大輔氏は、集まった参加者にグロースハックの背景にある基本的な考え方を説明した。

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「ビジネススキームから見た、フィンテックのマーケティング戦略」と題されたこのセミナーでは、市場拡大を狙う多くのフィンテック企業を魅了した。片山氏と浅野氏の話を要約すると、PDCA サイクルの応用により、ユーザインターフェース(UI)のみならず、ユーザ体験にも効果的な反映をもたらそうというものだ。二人は、KGI(key growth indicator)や KPI(key performance indicator)を心の中の目盛、言い換えるなら、優先順位として捉えるべきだと強調した。したがって、To B(business)か To C(consumer)かにかかわらず、ユーザや市場とコミュニケーションし、Action に対する良い Check の機会としなければならないとも語った。

片山氏は、類似分野の徹底的な理解、洗剤や食品などの消費者向け商品に見られる重複例(ユーザセグメントは重なっているが、対象顧客が異なっているケース)、それまでの努力を讃えるような過去の記録の活用に、グロースハックを使う上での成功のカギについて、フォーカスして話を進めた。浅野氏は、言葉に頼らずに UX をデザインするインターフェイス・レベルの説明に注力し、ユーザを惹きつける UI の色や画像の使い方について語った。二人とも、グロースハック戦略を練る上で、ぱっと見の印象が決め手となるという点で意見が一致した。

SMILABLE の澁谷洋介氏や、(FINOLAB の初期入居スタートアップの一社である)カレンシーポートの杉井靖典氏ら参加者は、セミナーや会場に大変満足していた。しかし、杉井氏は、FINOLAB の周辺により多くの店ができれば、エンジニアを魅了できるのに…とも語っていた。FINOLAB の活動を担当する電通プランニングマネージャーの蓮村俊彰氏は、FINOLAB を近い将来のグローバルな金融センターへの布石とすることが計画であり、可能であれば、近隣エリアの企業のビジネス活動も進化させたいと語った。蓮村氏によれば、このグロースハックのセミナーは、今年さらに数回開催されるそうだ。

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