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製造業向け間接材ポータル「Cluez」や価格比較サイト「Aperza」運営のアペルザ、GMO-VPから1.5億円を資金調達

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横浜を拠点とし、製造業向けの間接材カタログダウンロードサイト「Cluez(クルーズ)」や価格比較サイト「Aperza(アペルザ)」を運営するアペルザは、GMO ベンチャーパートナーズ(GMO-VP)から1.5億円を調達したと発表した。 Cluez は、アペルザの創業者で代表取締役の石原誠氏が、大阪のセンサー開発大手キーエンス(東証:6861)で、社内プロジェクトとして、製造業向けカタログダウンロー…

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アペルザ 代表取締役 石原誠氏
Image credit: アペルザ

横浜を拠点とし、製造業向けの間接材カタログダウンロードサイト「Cluez(クルーズ)」や価格比較サイト「Aperza(アペルザ)」を運営するアペルザは、GMO ベンチャーパートナーズ(GMO-VP)から1.5億円を調達したと発表した

Cluez は、アペルザの創業者で代表取締役の石原誠氏が、大阪のセンサー開発大手キーエンス(東証:6861)で、社内プロジェクトとして、製造業向けカタログダウンロードサイト「IPROS(イプロス)」の立ち上げに参画したことに端を発する。一メーカーの立場ではなく、複数メーカーをも横断した業界のエコシステムの形成を目指し、石原氏らは2014年12月にクルーズを創業した(その後、FAナビ、オートメ新聞との経営統合を機に、クルーズはアペルザに改称している)。

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Cluez

アペルザが舞台とするのは、間接資材(生産材)と言われる領域だ。製造業において、商品の中身に使われるパーツ類が直接資材(原材料)と呼ばれるのに対し、その商品の生産設備に必要となるパーツ類はそのように呼ばれる。間接資材はその特性上、量産体制の影響を受けやすい直接資材ほどは定期的に多量を求められるものではなく、効率的なサプライチェーンが形成されにくい。全国に約46,000社あるという間接資材を扱う中小の商社では、宅急便など使わず手持ちで間接資材を納品する、というような光景は日常茶飯事なのだそうだ。

C 向けの E コマースの世界では、マーケットプレイス、価格比較サイト、需要家と供給家のマッチングサイトなどがいることでエコシステムが形成されているが、アペルザが挑戦しているのは、このエコシステムの製造業分野における再現だ。その実現のために、前述した FAナビやオートメ新聞などを経営統合し、ものづくりニュースオートメーション新聞といった製造業に関わるメディアを傘下に置いた。

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Image credit: アペルザ

従来、製造業の情報というのはオンライン上にはなかった。展示会や業界新聞がメインプレーヤーだった。(石原氏)

直接資材の分野ほどは整理されたサプライチェーンが形成されていないとはいえ、間接資材の市場は国内だけで年間20兆円。国内で300万人が関わっているという業界で、Cluez は数十万人のユーザを獲得し、約1,600社の間接資材商社が出展するまでに成長した。B 向けのサービスであるにもかかわらず、ローンチから約1年半でこれらの数字を達成できているのは、石原氏らの努力のみならず、市場からの需要がそれだけ大きかったことを表している。同社にとって成長スピードの指標である Cluez でのダウンロード数は、月単位の増分(MoM ベース)で40%以上のペースで成長を続けており、今月の時点では、月あたり数万件をくだらないだろう。

この分野には、住友商事や アメリカの Grainger International が立ち上げた MonotaRO(東証:3064)や、800垓(1兆の800億倍)種ものパーツを扱うとされるミスミグループ(東証:9962)など、オンライン化された資材の商社が存在する。ただ、製造業の世界にも、小売でいう SPA(speciality store retailer of private label apparel)に似た波が訪れていて、商社は売れ筋の間接資材がわかると、プライベートブランドで同じパーツを出し始め、結果的にパーツメーカーの売上が阻害されることもあるのだとか。アペルザは、カタログダウンロードサイトや商品比較サイトのみならず、エコシステム全体を形成することで強みを発揮しようとしているようだ。

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Image credit: アペルザ

アペルザが提供するオンラインサービスのラインアップのうち、エコシステム形成に必須と考えられるマーケットプレイスがまだ存在していない。今回調達した資金を使って、来年以降、アペルザではマーケットプレイスの構築に注力する。Cluez は2015年8月に台湾版をローンチ、今年に入って、中国最大の製造業ポータル「Gongkong(工控)」と戦略的業務提携を締結しているが、海外展開にも拍車をかけるようだ。

今回出資した GMO-VP は2015年から2016年にかけ、建設機械や農業機械のオンラインマーケットプレイス「ALLSTOCKER」を運営する SORABITO にも複数回にわたり出資している。アナログな B2B 領域への GMO-VP の出資という点では、アペルザとの間に何らかのシナジーが生まれるのかもしれないし、これからの動静が興味深い。

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中国の「Gongkong(工控)」と戦略的業務提携を締結
Image credit: アペルザ

製造業というのはまだまだ古くて、(月額数万円の)Cluez の出展料を決済条件半年の手形とかで払ってくるお客さんが、普通にいます(笑)。(石原氏)

この分野では、B2B における最適化されたロジスティクスやペイメントというのもまだ確立されていない。C2C のロジスティクスやペイメントがレッドオーシャン化する今、新たなホワイトスペースと捉えてもいいだろう。

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Ardent CapitalがリクルートSPやGMO-VPらと戦略的提携を締結、タイのEコマース2社に出資

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タイ・バンコクに拠点を置くインキュベータ兼ファンドの Ardent Capital は今日、リクルートストラテジックパートナーズ(RSP)、GMOベンチャーパートナーズ(GMO-VP)、それに、アメリカの Siemer Ventures と戦略的提携を締結したと発表した。今回の提携に伴い、Ardent Capital は日米の前出3社のファンドに加え、Ardent Capital の経営チームや東…

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タイ・バンコクに拠点を置くインキュベータ兼ファンドの Ardent Capital は今日、リクルートストラテジックパートナーズ(RSP)GMOベンチャーパートナーズ(GMO-VP)、それに、アメリカの Siemer Ventures と戦略的提携を締結したと発表した。今回の提携に伴い、Ardent Capital は日米の前出3社のファンドに加え、Ardent Capital の経営チームや東南アジアの起業家らからも出資を募った。調達した金額は公表されていないが、関係消息筋の情報によれば、日本円で数億円規模に上るとのことだ。

Ardent Capital については、2月に創業者の一人 Paul Srivorakul に会った際、同ファンドが目指す方向性について語ってくれていた

タイの起業家はまだ未熟であるため、人のマネージメントの仕方も知らない。そこで、スタートアップの役員ボードに大企業のマネージメント経験者を迎え入れ、起業家に企業の経営について学んでもらえるようにしている。時間と知識の制約があるので、あくまでも全アジアではなく、成長著しい東南アジアの事業にフォーカスしている。

彼が展開しようとしているこのビジョンは「Ardent Labs」と名付けられ、今回資金調達されたファンドから、Ardent Labs のインキュベーション対象となっている、タイの2つのEコマース・スタートアップ WhatsNew と aCommerce に出資される。加えて、これまでに Ardent Capital は、SD Japan のメディア・パートナーである e27 を含め、アジアの5社のスタートアップに投資しているが、今回のファンド組成を受けて、これら5社への追加出資も行うとのことだ。

バンコク市内のインキュベーション施設 ArdentLabs の風景
バンコク市内のインキュベーション施設 ArdentLabs の風景
(aCommerce のウェブサイトから)

以下に今回の戦略的提携に関連した4社の代表のコメントを紹介したい。

Ardent Capital の CEO Adrian Vanzyl 氏:

アジアには、6億人以上の中流層による確実な需要があります。私が経験した限り、文化や言葉が異なり、決済や流通手段が乏しい複数市場に挑戦するのは大変なことです。成長を阻害する要因を取り除くべく、このような問題の解決に注力したいと思います。今回の追加資金調達の成功によって、我々のモデルが認められたことになり、投資計画やチームの増員を加速させ、運用展開する国を拡大することができるでしょう。日米からの強力なサポートを受けて、我々はポートフォリオ企業に対して、投資、提携、世界展開、イグジットへ導くなど、Ardent の内部に留まらないサポートが提供できるでしょう。

Siemer Ventures の Managing Parnter、Eric Manlunas 氏:

急成長する消費者層を有する東南アジア市場に対して、我々は基本的に(投資面で)強気に臨んでいます。したがって、この成長下にある消費者ニーズを捉える次世代オンラインビジネスを作る上で、現在は、会社構築と投資が一本化されたプラットフォーム(訳注:Ardent のこと)を作るのに最良の時期なのです。Ardent Capital はアジアにおいて、優れたオンラインビジネス・ビルダー兼投資家となるのに必要なスキルとトラックレコードを有しています。

リクルートストラテジックパートナーズ代表取締役 岡本彰彦氏:

東南アジアのインターネット市場を開発すべく、Ardent と協業できることをうれしく思います。日本最大のメディア複合企業であるリクルートは、破壊的で成功可能なインターネット・ビジネスモデルを作るため、我々の持つノウハウや経験を、Ardent のアジアに対する見識と融合できることを楽しみにしています。

GMOベンチャーパートナーズ取締役ジェネラルパートナー 村松竜氏:

Ardent との提携および投資を通して、GMOグループは東南アジアのEコマース・ビジネスやスタートアップの成長を支援したいと思っています。今回の提携を通じて、GMOグループの東南アジアへのEコマース進出の足がかりにしたいと考えています。

Ardent Capital の CEO Vanzyl 氏は、今回のファンド組成に際し、次の3つのポイントに当てはまる人々や企業を求めていると付け加えた。

  1. コアチームやユーザが東南アジアに居て、アーリーないしレイト・ステージのシード資金調達を目指すスタートアップ。
  2. Ardent Labs で設立されたスタートアップに、共同創業者として加われる経験豊富な起業家。将来は、これらのスタートアップで CEO または重役候補。詳細は、このリンクを参照。
  3. 東南アジアへの参入に際し、Ardent Capital が持つネットワークやインフラを求める、有名企業またはブランド。

先日のこの記事でも書いたように、タイのスタートアップ・シーンは発展途上にあり、ハンズオン的にタイのスタートアップの成長を支援することは意義深い。他方、タイ国外の投資家や大企業にとっては、未開拓ながら潜在可能性の高い市場に、比較的安いコストで参入できることを意味し、双方にとって win-win の構図ができあがるわけだ。

日本〜東南アジア間のファンド組成を含む提携関連のニュースは、このところ枚挙にいとまが無いが、Ardent Capital、リクルート、GMO周辺の今後の動向にも注目していきたい。

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