THE BRIDGE

タグ handiii

PLEN・ADAWARP・Exiiiなど、成都の #ChinaBang 2016を飾ったハードウェア・スタートアップ7選

本稿は、Geektime 英語版に掲載された記事を、Geektime の了解を得て日本語に翻訳し掲載するものである。 The Bridge published the Japanese translation of this original article on Geektime in English under the permission from Geektime. 執筆した Laura …

本稿は、Geektime 英語版に掲載された記事を、Geektime の了解を得て日本語に翻訳し掲載するものである。 The Bridge published the Japanese translation of this original article on Geektime in English under the permission from Geektime.

執筆した Laura Rosbrow-Telem は、テルアビブを拠点とする Geektime のマネージング・エディター。以前は Jerusalem Post でエディターをしていた。


geektime-chinabang-2016_featuredimage

本稿は、中国四川省成都市で、3月30〜31日に TechNode(動点科技)が主催した ChinaBang Awards 2016 の取材の一部である。

中国の四川省成都市で行われた TechNode のカンファレンス ChinaBang Awards の直近の回では、アジア最高のハードウェアスタートアップの一部がお披露目された。どのアイデアも素晴らしかったが、利益を出せそうなのはごくわずかだった。

スケートボードに乗る小型ロボット。遠距離に暮らすパートナーをハグしてくれるテディベア。輸送コンテナでの水耕栽培。いずれも TechNode Asia Hardware Competition で発表されたクールな製品の一部だ。

コンテストの審査員は、Y Combinator のハードウェア専門家 Luke Iseman 氏や、日本で初めて株式公開した大手ソフトウェアスタートアップ、ACCESSの共同設立者である鎌田富久氏などの著名人が務めた。

<関連記事>

ファイナリストは3社、そのうちの2社については後ほど紹介する。TechNode の最終選考授賞式でファンファーレが響くことはなく、観客や企業の多くにとっては誰が勝者なのかわからなかったので、ここでは私たちが面白いと感じた製品に焦点を当てたい。

まずイスラエルからの出品について。この国のスタートアップは通常、アドテクやサイバーセキュリティなど B2B に力を入れており、このようなハードウェアスタートアップは魅力的に感じられる。そしてこういった企業のイノベーションには稀に感動させられる。しかしカンファレンスに参加していた投資家が、多くがまだ初期段階にあるこれらの製品が、市場でのさらなる試練を経るまでに金を出すかというと、ちょっと考えられない。

日本のスタートアップ PLEN のこの小柄なロボットを見てほしい。世界初の 3D プリンタでプリントアウト可能なオープンソースのヒューマノイドとして売りだされている。これには驚いた。可愛らしいし、なんと小さいスケートボードにも乗れる。

3Dプリント技術はこういったおもちゃの創造をより簡単にした。しかし、すでに 3Dプリンタを使っている人以外は、「ヒューマノイド」を作りたいと思う人はあまりいないのではないだろうか。

<関連記事>

もう一つの楽しいテクノロジーは、遠く離れて暮らすカップルや海外に住む家族に、お互いに触れ合ったりする感覚の代わりとなるものを提供している。この感覚は、テレビ電話ではまだ伝えられないものだ。しかし、この問題への取り組みとして使用されるVRデバイスでコントロールされたロボットのテディベアは、癒しとも不気味とも解釈できるものだった。

ひょっとして、と思っているなら…そう、このスタートアップは日本からの参加だ。

このテディベアを作った ADAWARP の設立者が、ステージでデモを行っているところを見てみよう。

障がいを持っている人の大きな助けとなるような発明もいくつかあった。その一つがインドのスタートアップ Live Braille のもので、この会社は杖の補助や代わりとなるような、いくつかのレベルの製品を作っている。製品に対する自信もあり、そのハイエンド技術(価格はおよそ699ドル)を使えば目の見えない人でも走れるようになるという。さらに、製品に満足できなかった場合は誰でも返金を受けられる。なぜそんなに自信があるのか。その理由の一つは、テスト期間の後にゴミになってしまった他の多くのウェアラブル端末とは違い、初期のテスターたちの多くがいまだに製品を使い続けていることにある。

geektime-chinabang-2016_livebraille-1

このレポーターが同社の最もベーシックな製品を試しているところだ。300ドルのリングで、物体に近づくと振動して知らせてくれる。杖の補助としての使用が意図されているためこのテストの信頼性はいまいちだが、この製品は有望と思われる。

geektime-chinabang-2016_livebraille-2

だが、障がい者向けテクノロジーの実際の勝者は日本のスタートアップである Exiii だった。3Dプリント技術により、より低価格の義手を開発した。コンペティションのファイナリスト3社のうちの一つだ。

同社設立者はその開発に向けた願いを見事に言い表した。本当の腕らしく見せるよりも、「無くなった腕を障がいとして隠してしまうのではなく、表現する手段として」この義手を開発したという。

geektime-chinabang-2016_exiii

<関連記事>

レポーターとしてのこの日のお気に入りスタートアップは、同じくファイナリストの一つで北京に拠点がある Alesca Life だった。輸送コンテナを再利用して、野菜の水耕栽培を可能にしている。都市部の農業にとって非常に有益なスペースを生み出した。

<関連記事>

通常の農業と比べて、必要な水の量が20分の1で済むという。そして新鮮な野菜や果物が欲しいレストランやホテルとパートナーシップを結んでいる。写真は、そのコンテナのミニバージョンを既に店内で使用しているカフェを写したものだ。

geektime-chinabang-2016_alesca-life

ビジネス上の市場可能性に懐疑的だったり、消費者が水耕栽培作物を欲しがるか疑問に思ったりする人もいたが、この発明はクールという枠を超えて、資源の有効利用に極めて役に立つものだ。仮に消費者がこういう野菜をあまり買いたがらなくても、野菜をより安く育てられる可能性があるというだけで、企業は利用したがるのではないだろうか。

Startup East の Amos Avner 氏と話をした時のこと。彼は、スタートアップに対しては、B2Bに重点を置く古典的なイスラエル的視点を踏襲している。そして Samsung の分家と言える韓国のテック系企業 Tip Talk を気に入っていた。耳を押したら時計(スマートウォッチ)から電話がかけられるという製品である。それほどセクシーな感じはしない(レポーターの興味も引かない)ものの、携帯電話会社が買いたがるんじゃないか、という話だった。そうかもしれない。

geektime-chinabang-2016_tiptalk

<関連記事>

その他の参加企業としては、イスラエルから参加したARアウトドアグッズのスタートアップ RideOn や、中国の Aurora Brewing Co.、Meditation Master、uSens、インドの Revolution through Pollution、そして香港の Eggplant と Medexo Robotics などがあった。

今回の取材は TechNode がスポンサーとなり、Startup East がコーディネーターを務めた。

----------[AD]----------

医療カンファレンス「Health 2.0」スタートアップピッチの優勝者は、トイレに装着する小型デバイス「SYMAX」

SHARE:

2007年にその初イベントが米国カリフォルニア州で開催された「Health 2.0」。医療・ヘルスケア分野における最新テクノロジーとそれを活用した先進事例を紹介するグローバルカンファレンスです。そんなHealth 2.0が、11月4日と5日の2日間にわたって日本で初めて開催されています。 初日に行われたAfternoon Pitch Competitionでは、それぞれの形でヘルスケア領域に挑戦す…

Health 2.0 Asiaのピッチコンペティションで優勝した「 SYMAX」
Health 2.0 Asiaのピッチコンペティションで優勝した「 SYMAX」

2007年にその初イベントが米国カリフォルニア州で開催された「Health 2.0」。医療・ヘルスケア分野における最新テクノロジーとそれを活用した先進事例を紹介するグローバルカンファレンスです。そんなHealth 2.0が、11月4日と5日の2日間にわたって日本で初めて開催されています。

初日に行われたAfternoon Pitch Competitionでは、それぞれの形でヘルスケア領域に挑戦する5社のスタートアップが登場。モデレーターと兼審査員を勤めたのは、ドレイパーネクサスベンチャーズマネージングディレクターである倉林陽さん。審査員は、ドコモ・ヘルスケアの取締役である佐近康隆さん、アーキタイプのプリンシパル 福井俊平さん、そしてグロービス・キャピタル・パートナーズのシニア・アソシエイト 福島智史さんの3名です。

厳選な審査の結果、見事優勝したのは「SYMAX(サイマックス)」。トイレに小型デバイスを装着するだけで、利用者の健康状態を分析するもの。以降、スタートアップ5社によるピッチ内容の概要をお届けします。

名医の検索および提案サービス「クリンタル」

Clintal

本日、本媒体で取材記事をお届けした「Clintal(クリンタル)」からは、医師で代表取締役である杉田玲夢さんが登壇。100万人を超える日本の病院難民の数。医師の説明や治療方針に不満や不安を抱える患者が多く存在します。クリンタルは、そうした患者に対してその疾患や病状に応じて最適な名医を探せるサイト。患者は、診療科と疾患を選択するだけで、名医のリストを見ることができます。

病院単位で探すのではなく医師単位で探せること、名医の選定に定性と定量データの両方を用いていること、また医師のアクセシビリティも評価している点が特徴です。名医の提案サービスにおいてはWebフォームから情報を入力することで、名医を1週間ほどで提案。日本の社会問題になりつつある医療費の増加や医療の質向上といった課題に貢献し、今後はアジア展開も視野に入れています。

審査員からは、医師による実績開示に対する抵抗を懸念する質問がありましたが、これまでのところ医師からは高評価で、むしろ積極的に情報の精度向上に協力する姿勢が多いとのこと。クリンタルでには現時点で500人の名医が掲載されていますが、1年以内に、日本全国25万人の医師トップ3〜4%の掲載を目指します。

普段通り生活するだけで健康状態がわかる「SYMAX(サイマックス)」

IMG_0178

サイマックスからは、代表取締役の鶴岡マリアさんが登場。サイマックスは、洋式トイレの便器の中に取り付けることで尿を分析し、健康状態を分析してくれるもの。まだ自覚症状がないような状態から、糖尿病や痛風など生活習慣病などを早期発見することができます。独自アルゴリズムによる解析の正確性は99%だと言います。

従来の類似サービスには数千万円を下らないものも。それらに比べて、サイマックスは発見できる疾患数、また安価で継続して使える点が優れています。同社によると、生活習慣病の86%を発見できるとのこと。

個人の利用者も月額980円で使うことができますが、企業などがビルや施設などに導入することで、社員の健康や医療費の適正化などに活用することが可能に。すでに高級志向の介護施設や大手デベロッパーなどが関心を示しており、最初の設備投資は数百万円規模になる見込み。また、収集したバイタルデータを用いて、健保や企業に対するデータマーケティング事業の提供も考えています。

3Dプリンターとオープンソースで障害を個性にする節電義手「handiii(ハンディ)」

handiii

exiiiからは、代表取締役の近藤玄大さんが登場。同社は、3Dプリンティングの技術とオープンソースの公開によって、新しい節電義手の形を模索しています。手のない人が、残された筋肉を直感的に操作することができる節電義手ですが、半世紀以上、その機能には変化が見られません。数千人という市場規模の少なさ、また義手をはめる手の大きさや形などに応じたカスタマイズの必要性がハードルになってきました。

こうした理由から、これまでの義手の価格は一本150万円ほど。あまりにも高額なため、義手の普及率は0.7%に留まります。これを、3Dプリンティングとオープンソースという2つのテクノロジーによって、価格とデザインともに義手を気軽な選択肢にする試みがhandiiiです。義手一本の制作費は約3万円で、障害を隠さずに個性として表現できる世界が近づいています。また、節電義手の周辺でコミュニティが形成されており、世界中でさまざまなカスタマイズが実現しています。

カスタマイズした栄養ドリンクを調合する「healthServer」

healthServer

健康であり続けるためのサプリメントドリンクを調合する「healthServer」を開発するドリコス。ステージに上がったのは、CEOである竹 康宏さん。healthServerは、忙しい現代人が健康であるために取り入れられる究極に簡単なソリューションです。

各種ウェアラブルデバイスと連携することで、利用者の身体に必要なサプリメントを分析。すると、サーバーがその内容に応じて必要なドリンクを調合してくれます。ウェアラブルを使っていなくても、サーバのマシン本体に触れることで生体信号が読み取られ、個々人に合った栄養ドリンクが抽出されるとのこと。

現在、日本人の38%が何かしらのサプリを摂取しており、市場は1.5兆円規模に及びます。初期段階では、健康意識の高いスポーツジムに通っている人をターゲットに見据え、すでに来年春のスポーツジムへの設置に向けて動いています。healthServerのサプリはカートリッジ交換によって補充する仕組みであるため、継続的な売り上げが見込めます。

スマホに指をかざすだけでストレスレベルをチェックできる「COCOLOLO」

WINfrotiern

WINフロンティアの代表取締役である板生研一さんがピッチしたストレスチェックアプリ「COCOLOLO」。リリースから7ヶ月が経った現在のダウンロード数は30万を突破しています。

日本には、その事業所の70%以上にメンタルに悩む人がいます。ウェアラブルを用いることなく、COCOLOLOなら身近なスマホだけで心の状態を可視化することが可能。スマホのカメラ部分に指をあてると、血液の脈拍を測定し、ストレスやリラックス数値を導きます。結果は、8タイプの気持ちとなって表れ、測定精度の信頼性は80%ほど。

自分のストレスレベルを知った後は、そのストレスの状態に応じて音楽やスパクーポンなどをレコメンドする機能も。また、今年12月から企業へのストレスチェックが義務化されることを受けて、法人向けソリューションも提供していくとのことです。
—-

今回ピッチした5社を見てもわかるように、医療やヘルスケアと一言で言っても、その形やアプローチ、ターゲットなどはさまざまです。今後、テクノロジーやデバイスの進化などによって嫌でもデータは収集されていきます。肝心なのは、それを人々の課題を解決するソリューションにどう活かすのか。今後も、ますます注目が集まるヘルスケア領域の国内外のサービスを追いかけていきたいと思います。

----------[AD]----------

2015年度グッドデザイン特別賞を受賞したスタートアップたち

SHARE:

秋になるとデザイン関連のイベントが増える。東京デザインウィークに、Any Tokyo、Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2015など様々。 毎年開催されている公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」も、この時期のデザイン関連イベントの目玉のひとつ。 そんなグッドデザイン賞は、10月30日に2015年度特別賞と大賞候補を発表。特別賞を受賞した中に、本誌でも紹介…

good design award

秋になるとデザイン関連のイベントが増える。東京デザインウィークに、Any Tokyo、Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2015など様々。

毎年開催されている公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」も、この時期のデザイン関連イベントの目玉のひとつ。

そんなグッドデザイン賞は、10月30日に2015年度特別賞と大賞候補を発表。特別賞を受賞した中に、本誌でも紹介したことのあるスタートアップたちが名前を連ねていたので紹介したい。

グッドデザイン金賞

exiii

経済産業大臣賞であるグッドデザイン金賞を受賞したのは、パーソナルモビリティの「WHILL」と、電動義手を開発するexiiiだ。

この他には、TOYOTAの水素自動車「ミライ」やtakramが手がけた経済産業省の地域経済分析システム「RESAS」のプロトタイプなどの名前が並ぶ。

「WHILL」や「exiii」はテクノロジーを用いて人の可能性を増幅し、これまでとは違った視点を提供するプロダクトたちだ。グッドデザイン金賞受賞した彼らは、グッドデザイン大賞候補にもなっている。





未来づくりデザイン賞

来るべき社会の礎を築くと認められるデザインに対して贈られるという未来づくりデザイン賞では、クラウド会計ソフト「freee」とクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」が選ばれた。

「Cloud」と「Crowd」、それぞれのクラウドが今後日本社会にポジティブな影響をもたらしてくれることには期待が集まる。この他、ハイブリッド黒板アプリ「Kocri(コクリ)」も未来づくりデザイン賞を受賞。

ものづくり賞

Motiongallery

全国の中小企業による製品開発の中から、特に優れていると認められるデザインに対して贈られるものづくり賞では、クラウドファンディングサイト「Motiongallery」が受賞。

前述のクラウド関連サービスたちと合わせて、クラウドファンディングサイトが受賞したことを見ると、クラウドという仕組みが社会に浸透し始めているのかもしれない。

こうしてアワード等に選ばれたことを励みにして、さらに活躍してもらいたい。

----------[AD]----------

クックパッドダイエット、ルナルナ、handiii、FiNCーーデジタルヘルスの一線で活躍するプレイヤーたちがヘルスケアサービスの未来を語る

SHARE:

グリーベンチャーズは1月22日、健康領域でスタートアップする企業を交えたイベント「Digital Health Meetup Vol.1」を開催した。 スタートアップは日本の医療費の問題を解決できるのかーー語られたデジタルヘルスの「今と未来」 – THE BRIDGE(ザ・ブリッジ) 同イベント内で開催されたパネルディスカッションには、「デジタルヘルス」領域で活動するプレイヤーたちがパ…

グリーベンチャーズは1月22日、健康領域でスタートアップする企業を交えたイベント「Digital Health Meetup Vol.1」を開催した。

<関連記事>

同イベント内で開催されたパネルディスカッションには、「デジタルヘルス」領域で活動するプレイヤーたちがパネリストとして登壇。モバイル、データアナリティクス、クラウドソーシング、遺伝子検査、ロボティクスなど、多岐に渡って話が展開された。

IMG_9840

登壇したパネリストは、クックパッドダイエットラボ代表取締役 高木 鈴子氏、エムティーアイ ライフ・ヘルスケア事業本部 ルナルナ事業部事業部長 日根 麻綾氏、FiNC 代表取締役 溝口 勇児氏、イクシー 代表取締役 近藤 玄大氏の4名。野村リサーチ・アンド・アドバイザリー 澤山 陽平氏がコーディネーターを務めた。

デジタルヘルスはどこまでが事業範囲か?

澤山氏:ルナルナは長く事業を継続するなかで、かなり領域を広げてますよね。生理日予測の「ルナルナ」、妊活・妊娠・育児をサポートする「ルナルナファミリー」、ウェアラブルデバイスと連携する「カラダフィット」、遺伝子解析サービスの「DearGene」など。根底にあるテーマはなんだったんですか?やはりヘルスケア?

日根氏:ルナルナは最初からヘルスケアという意識ではやっていないですね。ルナルナは、初潮から閉経まですべての女性を対象として生理周期の予測サービスを提供していて、社内では子宮関連なんて言っています。会社全体のヘルスケアとしてはもう少し広いですが、それでも医療までは踏み込まないで、未病、予防といった領域で活動しています。医療機関へのつなぎ込み、連携などはあり得ますね。

ルナルナLite

澤山氏:医師が質問に24時間以内に答えるQ&Aサイト「カラダメディカ」はかなり医療に近い立ち位置ですよね?

日根氏:そうですね。カラダメディカは医療の少し手前です。

澤山氏:クックパッドダイエットラボも女性のユーザが多いですが、健康やQOLを重視しているということも発信されていますよね?色々事業を展開する中で、軸はどこまでとっているんでしょうか?

cookpad-diet

高木氏:クックパッドダイエットラボでは、専門家がダイエット指導をする「COOKPADダイエット」、生活習慣病発症のリスクが高いと判定された方の「特定保健指導」専用の「ウェルネスプラス」、その他6つのダイエットアプリを提供しています。色々提供していますが、ヘルスケアや健康というよりは、食べるということにフォーカスしています。

モバイルで可能になった「継続」

FiNC

澤山氏:FiNCはアプリを通じたダイエット支援や栄養士のクラウドソーシングなど色々な活動をされていますが、検査がスタートだと聞きました。事業の幅は広がってきていますが、どのあたりまで範囲だと考えていますか?

溝口氏:将来はスマホやタブレットなどのデバイスに、バイタルデータが集約される時代がくると考えています。すべてのパーソナルデータがモバイルに蓄積される。蓄積されたデータを使ったサービスを提供することを軸にしていきたいと考えています。ヘルスケアに限らず、抜けているのが「継続」という視点です。

澤山氏:「継続」ですか。

溝口氏:そうです。勉強でもそうですが、多くのプレイヤーの目はコンテンツに向いています。ですが、大切なことは継続するための仕組みです。継続することができれば成果が出ることは多いですから。これまではパーソナライズすることや、インセンティブを設計することにもコストがかかっていましたが、スマートフォンが普及したことで継続させるためにかかるコストが下がってきていると思います。

澤山氏:たしかに、教育とヘルスケアは似ていますね。継続のためには人が重要になるのかな、と思うのですが、管理栄養士のネットワークを作られている高木さんも、専門家の指導が重要になるとお考えですか?

高木氏:健康指導に関しては、デバイスを活用して提供するのが手っ取り早い気はしますが、現状、対面で専門家と話すのが一番早いという状態です。

ロボティクスとヘルスケア

handiii_logo

澤山氏:イクシーは、ロボット技術を活用して障がい者の人々向けに筋電義手を提供しているんですよね。

近藤氏:そうですね。「handiii」は、腕の生体信号を使って動かすことができる義手です。これまで義手は画一的なデザインのものしかなくパーソナライズはできておらず、かつひとつあたりの値段が150万円近くになるため、普及率が1%に満たないというのが現状です。「handiii」は、スマートフォンや3Dプリンターを使っていて、義手の価格を下げることに取り組んでいます。

澤山氏:今後も障がい者の方々向けにプロダクトを開発していく予定なんでしょうか?

近藤氏:デザインとロボティクスでどこまで人に精神的な高揚を与えたいと考えています。そのため、障がい者にかぎらず、人々が精神的に豊かになるプロダクトを作っていきたいと思っています。

デジタルヘルスは儲かるのか?

澤山氏:ヘルスケアというと大きなビジョンを描くことがありますが、理想を実現するためには一歩一歩進まないといけません。事業性の部分もかなり重要かと思いますので、そのあたりについてお話を聞ければ。

今後伸びるデジタルヘルス市場

高木氏:私は、デジタルヘルスの領域は今後もっと盛り上がるはずだと考えています。ヘルスケアに携わって十数年が経過しますが、以前と比較すると消費者の意識がかなり異なります。国の支援もかなり力が入ってきていますし、医療費の精算が主な業務だった健康保険組合も、健康増進を厚労省から課されてから活動を初めていて、市場全体が変わってきています。

溝口氏:マズローの5段階欲求と呼ばれるフレームでは、一番上の欲求が自己実現、その次が認知欲求と言われています。現在の若者にとって、その欲求を満たすための要素が車や時計といったものではなくなってきています。これらはマイナーアップデートと呼べるようなものが増え、コモデティ化が進んでいます。お金は持っていても、使う先がない。その流れの中で、自分の見た目にお金をかけ、いつまでも若若しくいることにお金を使おうという動きが見られます。また、こうした動きは、実体経済とつながりやすい。アプリだけだと月額数百円の課金ですが、実体経済とつながると桁が違ってきます。これからデジタルヘルスは伸びると思いますね。

澤山氏:「handiii」のようなロボティクスはどうでしょうか?

近藤氏:筋電義手の価格を下げることに成功したので、もっといろんな人に提供できると考えています。ただ、現状の1%に満たない普及率を上げるためには、国の福祉としてやる必要があると思います。その次に、さきほど溝口さんがおっしゃっていたように、一番上の欲求である自己実現の欲求を満たすことが可能なプロダクトを作っていければと思います。

データを「記録」する価値

澤山氏:ルナルナは最初から「記録」することにフォーカスしたサービスですが、なぜこれだけ広く受け入れられたのでしょうか?

日根氏:ひとつは継続性にあると思います。ルナルナは最初から継続することが前提のサービスで、元々存在していた欲求、習慣をアプリで便利にしたものです。一生の女性の月経回数は400〜500回と言われていて、そこに対する不便さをなくすことが受け入れられたのではと思います。

澤山氏:クックパッドダイエットラボでは、BtoCのビジネスとBtoBtoCのビジネスの両方を実施されています。この2つで顧客の特徴は異っていますか?

高木氏:特徴は異なりますね。特に継続のしやすさが異なります。BtoBtoCである「ウェルネスプラス」のユーザーで、健保組合経由で来る人は、「来ることを強制されている」こともあり、指導する側が悲しくなるくらい継続することが難しい。そのため、サービス設計自体も異なります。ただ、BtoCとBtoBtoCは互いを補っています。BtoBtoCで継続させることに苦労すると、BtoCのサービスの質がブラッシュアップされ、会社全体としてサービスが磨かれていると思います。

澤山氏:将来的に儲かるのはBtoCとBtoBtoC、どちらだとお考えですか?

高木氏:個人に受け入れられることがビジネスの基本だと思うので、BtoCではないでしょうか。

パネルディスカッション終わり

パネルディスカッションの終わりに、溝口氏は「ヘルスケアベンチャーは医療費問題などの社会的背景を見れば、最もイノベーションが起きないといけない領域」だとコメント。

高木氏も「色んな業態の企業がヘルスケアに参入してきたことが、ヘルスケアが盛り上がっている背景のひとつ。ヘルスケア領域は忍耐強くやらないといけない。忍耐強くて優秀な人たちがどんどん進出してきてほしい」と語った。

個人の健康というレベルから、国の医療費問題というレベルまで、ヘルスケアが関係する領域は広い。この領域に変化をもたらすヘルスケアスタートアップの登場と躍進に期待したい。

----------[AD]----------

筋電義手のhandiii、クラウドファンディング開始5日で目標金額を達成

SHARE:

決して巨額の調達金額ではないが、彼らにとっては大きな一歩となったはずだ。 筋電義手「handiii」を開発するexiiiが挑戦していたクラウドファンディング「kibidango」での資金調達が目標金額の70万円に到達した。開始から5日目での達成で、6日目となった現在、その調達金額は100万円に到達しそうな状況になっている。 昨今のスタートアップバブルからみれば、100万円なんて微々たる金額に思える…

handiii_crowdfunding

決して巨額の調達金額ではないが、彼らにとっては大きな一歩となったはずだ。

筋電義手「handiii」を開発するexiiiが挑戦していたクラウドファンディング「kibidango」での資金調達が目標金額の70万円に到達した。開始から5日目での達成で、6日目となった現在、その調達金額は100万円に到達しそうな状況になっている。

P1040082-
新型のhandiii coyote

昨今のスタートアップバブルからみれば、100万円なんて微々たる金額に思えるかもしれない。しかし筋電義手というプロダクト・マーケットの難しさ、そもそも新しいものづくりに挑戦するハードル、大手メーカーを辞めてスタートアップすることの難しさを考えれば、このマイルストーンへの到達は大いに歓迎したい。

思えば同じく福祉機器である車椅子を大きく変革させたWHILLも同じくクラウドファンディング「CAMPFIRE」からのスタートだった。2011年暮れに実施された試作機のプロジェクトはその後順調に成長し、500Startupsへの採択、そして二度に渡る大型の資金調達に成功している。

こちらはWHILLのチーム。新時代のパーソナルモビリティもスタートはクラウドファンディングだった

僅か数人の若手技術者たちが挑戦することで、世の中は確実に変わるのだ。WHILLは今、2015年に2000台という販売目標に向かって突き進んでいる。

今回の目標額達成についてexiii代表取締役の近藤玄大氏にコメントをもらった。ちなみに彼らは現在、新型のhandiii「handiii coyote」に取り組んでおり、先日開催されたMaker Faireでは今回、クラウドファンディングでのプロジェクトで利用を予定している森川さんが実際に装着した姿をお披露目している。

P1040283
Maker Faireで実際に新型を装着した森川さん

「新型”handiii coyote”の反響としては、実際にユーザー(森川さん)が装着して動かすことで、手のある僕たちがリモートでhandiiiを動かしていたこれまでのデモとはまた一段違う注目を集められた気がしています。

機能に関しても、森川さんは使い始めて10分程度で習熟されていたので、手応えを感じています。さらには、森川さん自らお客さんに説明して頂くことで、障害を持った方々と一般の方との溝が縮まったようにも思えました。

あれだけ握手を求められる40歳過ぎのおっちゃんは、全国探してもなかなかいないのではないでしょうか(笑」(近藤氏)。

P1040423
握手というか腕を掴む森川さん

筋電義手は多くの人たちにとっては馴染みのないものだ。しかしある特定の人たちにとっては本当に大切なプロダクトになるかもしれない。

プロジェクト終了まで53日残っているのでこの後の伸びにも注目したい。

----------[AD]----------

「二人の協力者に筋電義手を届けたい」ーーあたらしいものづくり「handiii」の挑戦がはじまった

SHARE:

新しいものづくりの姿はここにあるのではないだろうかーーそう考えさせられるプロジェクトが今日、始動した。 筋電義手(腕の筋肉の電気信号で直感的に操作できる義手)の製造を推進するexiii(イクシー)は11月22日、同社のプロダクトである「筋電義手handiii」のクラウドファンディングプロジェクトを開始した。支援プラットフォームはkibidango(きびだんご)で、プロジェクト終了期限は2015年1…

handiii

新しいものづくりの姿はここにあるのではないだろうかーーそう考えさせられるプロジェクトが今日、始動した。

筋電義手(腕の筋肉の電気信号で直感的に操作できる義手)の製造を推進するexiii(イクシー)は11月22日、同社のプロダクトである「筋電義手handiii」クラウドファンディングプロジェクトを開始した。支援プラットフォームはkibidango(きびだんご)で、プロジェクト終了期限は2015年1月19日、それまでに70万円の資金調達を目指す。

プロジェクト支援したオーナーに対しては展示用のhandiiiにロゴを印字したもの(2万円)から完成品など、9種類のリターンが用意されている。プロジェクトが成立した場合、exiiiはhandiiiの機能を実用レベルにまで引き上げ、協力者である人物に実際に使ってもらうことを約束している。

test
写真:kibidangoより/プロジェクトがhandiiiの提供を目指している協力者の方

さて、恐らく多くの健常者にとって、この義手などの話題は馴染みのないものかもしれない。プロジェクトページに掲載されている内容をみると、この筋電義手は150万円以上という価格で、普及率も1%程度なのだという。私は恥ずかしながらこの数字が多いのか少ないのかも判断ができない。しかし、現実的に課題があると感じたexiiiのチームは新しいものづくりの方法で、この解決方法を探った。

それがhandiiiだ。

私がこのプロダクトを初めて見たのが電子工作のコンテスト「Gugen」というイベントで、実はまだこのタイミングで彼らはスタートアップしていなかった。パナソニックやソニーといった大手家電メーカーに在籍していたメンバーが休日を使って地道に準備を重ねた結果、今回のプロジェクト開始に繋がり、2014年10月29日には法人としてのスタートも切っている。

fbc0293
写真:kibidangoより/左から取締役CTOの山浦博志氏、代表取締役CEOの近藤玄大氏、取締役CCOの小西哲哉氏

アイデアももちろん優れている。もともと百万円単位で販売されるものを数万円レベル(試作段階で材料費が3万円程度)に抑えることに成功したのは、主に3Dプリンタの活用と、操作部分をスマートフォンという汎用機器で代用したことが大きい。

また、3Dプリンタで出力が比較的容易にできることから、デザイン面でも使う人の気分に合わせた柔軟性を持っていることも大きな特徴だ。彼らは義手を福祉機器ではなく、腕時計やシューズのようなものとして提供したいと考えている。この辺りは近く取材する予定なのでまたいろいろお伝えしたい。

なお、代表取締役CEOの近藤玄大氏に少し話を聞いたのだが、明日から開催されるMaker Faireに彼らも参加予定で、そこで新型のhandiiiを展示するということだった。

handiiii
Maker Faireに出展中の最新handiiiティザー画像

興味ある方はぜひ彼らに会いにいって欲しい。

----------[AD]----------

筋電義手「handiii(ハンディ)」を実用化させるためのクラウドファンディングプロジェクトがスタート

SHARE:

クラウドファンディングサイト「kibidango」で、筋電義手「handiii(ハンディ)」のプロジェクトが掲載された。 筋電義手「handiii」は、「ロボティクスとデザインで日常を楽しく」をビジョンに掲げるものづくりユニット「exiii(イクシー)」によって開発されているプロダクトだ。 コンセプトは「気軽な選択肢」となっており、義手を単なる福祉機器として捉えるのではなく、腕時計やシューズのよう…

140718handrender_w1

クラウドファンディングサイト「kibidango」で、筋電義手「handiii(ハンディ)」のプロジェクトが掲載された

筋電義手「handiii」は、「ロボティクスとデザインで日常を楽しく」をビジョンに掲げるものづくりユニット「exiii(イクシー)」によって開発されているプロダクトだ。

140718handrender_val2

コンセプトは「気軽な選択肢」となっており、義手を単なる福祉機器として捉えるのではなく、腕時計やシューズのように、ユーザーが気軽に個性を表現できるアイテムに変えようとしている。

これまでに「James Dyson Award 2013 国際2位」、「Gugenコンテスト2013 優勝」などを受賞した実績を持つ。現在、ユーザーや医療機関と連携しながら実用化に取り組んでおり、今回のクラウドファンディングプロジェクトもその一環だ。

exiiiはこれまでに4世代のプロトタイプを作成している。だが、デモンストレーションと実用化には大きな壁がある。彼らはまず一本でもhandiiiを実用化しようと考えており、クラウドファンディングを開始した。

彼らはkibidangoのプロジェクトページ上で、handiiiをどのように使いたいか、今回のプロジェクトでどんなリターンがあったらいいかといったことへの意見を求めている。

4proto

----------[AD]----------