コミュニティドリブンのプラットフォーム Hardware Club は11日、同社の1号ファンドのきぼを5,000万米ドルにまで拡大したと発表した。同社は、アーリーステージ投資のインパクトの拡大を模索していた。 約4年前にパリでローンチした Hardware Club は、サンフランシスコと東京にオフィスを構える。同社は互いに助け合うことができるハードウェアスタートアップのネットワークコミュニティ…
Harrods にある Hardware Club の展示ブース Image credit: Dan Taylor
コミュニティドリブンのプラットフォーム Hardware Club は11日、同社の1号ファンドのきぼを5,000万米ドルにまで拡大したと発表した。同社は、アーリーステージ投資のインパクトの拡大を模索していた。
約4年前にパリでローンチした Hardware Club は、サンフランシスコと東京にオフィスを構える。同社は互いに助け合うことができるハードウェアスタートアップのネットワークコミュニティを形成しており、製造には Foxconn(鴻海/富士康)、流通には Amazon や Target といった大手企業をパートナーに擁し、クラブメンバーを開発のあらゆる面で支援する。
Hardware Club は本日(原文掲載日:6月15日)、初のベンチャー資金調達を行なったと発表した。2,800万米ドルに及ぶ資金は、同社のコミュニティプラットフォームから生まれるシードステージスタートアップの支援に使われる。約3年前にローンチした Hardware Club はパリに本部を置き、サンフランシスコや東京にもオフィスを設置している。 Hardware Club は当初、ハードウェ…
有名百貨店 Harrods にある、Hardware Club のメンバースタートアップによるプロダクト展示コーナー Image credit: Hardware Club
Hardware Club は本日(原文掲載日:6月15日)、初のベンチャー資金調達を行なったと発表した。2,800万米ドルに及ぶ資金は、同社のコミュニティプラットフォームから生まれるシードステージスタートアップの支援に使われる。約3年前にローンチした Hardware Club はパリに本部を置き、サンフランシスコや東京にもオフィスを設置している。
Hardware Club は当初、ハードウェアスタートアップが相互に助け合えるネットワークコミュニティを構築した。その後、そのネットワークを Foxconn(鴻海/富士康)などの製造業大手、Amazon や Target などの流通業大手などに広げ、メンバースタートアップが開発を進める上であらゆる面において支援してきた。
最近では、Hardware Club は VC 的な動きもしている。昨年12月現在、彼らは10万米ドルのシード投資を10件実施している。新たな資金を手にいれた Hardware Club は VC 企業として再編成され、平均的な出資の規模は一件あたり約50万米ドルになるものの、最大で150万ドルまでを出資できるようになる見込みだ。
共同創業者の Barbara Belvisi 氏は、次のように語っている。
我々の目標は常に、新しい VC アプローチを作り上げてくることだった。
どうやってスタートアップを支援し、彼らを成功に導くかという点について、我々にはコミュニティがある。
左から:ジェネラルパートナーの Jerry Yang 氏、共同創業者の Alexis Houssou 氏と Barbara Belvisi 氏 Image Credit: Hardware Club
Belvisi 氏は Hardware Club を Alexis Hossou 氏とスタートさせ、Jerry Yang がジェネラルパートナーとして参画した。今回の調達に参加した機関投資家には、Bpifrance、Credit Mutuel Credit Mutuel Arkéa(編注:いずれもフランスの金融機関大手)、Foxconn、Mistletoe などがいる。
Hardware Club は今後3年間で、10〜15社への出資を計画している。対象となる領域は、デジタルヘルス、人工知能、新型センサー、コネクティッドビルディング、スマート交通、コンシューマハードウェアだ。
Hardware Club の統計によれば、同社のコミュニティには現在、30カ国以上から260のスタートアップが参加している。メンバー企業らは総額で VC から7億ドル以上、クラウドファンディングで8,000万ドルを調達している。
近年ハードウェアスタートアップが経験してきた浮き沈みにもかかわらず、Belvisi 氏は今後数年の間に、ハードウェア業界が大きなイノベーションとディスラプションを経験することになると確信している。新たな資金調達により、Hardware Club はさらにリーチを拡大して、よりよいリターンへの可能性を提供するとともに、さらに多くの優秀なスタートアップの発掘が可能になるだろう。
クラウドファンディングから受けた資金はまさにローンのようなものです。スタートアップの資金支援者(バッカー)に資金を借りているわけで、起業家は、量産化プロトタイピングの壁/Design for Manufacturing(製造性を考慮した設計技術)に非常に注意する必要があります。
Kickstarter Julio Terra 氏「Kickstarter はコミュニティを構築するための場所」
Kickstarter Julio Terra 氏
Julio Terra 氏は、ニューヨークを拠点に建築やプランニングデザインを手がけるデザイン企業 Rockwell Group のイノベーションスタジオ LAB で、IBM、Microsoft、Sprintといった企業向けにデジタルマーケティングプログラムを管理していた人物だ。その後、ニューヨークの Kickstarter のデザイン&テクノロジー部門ディレクターとして、この3年間で Nebia、Pebble、Cubetto、Prynt といったスタートアップのキャンペーンを成功に導いた。
Terra 氏は「クラウドファンディングプラットフォームの活用」をテーマに話を進めた。Kickstarter は2009年に設立され、クリエイティブなプロジェクトに対して、クラウドファンディングによる資金調達を可能にしたプラットフォームである。ハードウェアスタートアップにとっても非常に重要なツールだ。
Terra 氏は、世界のテクノロジーイノベーションに貢献できるスタートアップになるためのポイントを3つ挙げた。
Hardware Club Jerry Yang 氏「スタートアップが成功できるかどうかは、防御力で決まる」
Hardware Club Jerry Yang 氏
Jerry Yang 氏は、27カ国から180社ものスタートアップが集まるコミュニティをサポートする Hardware Club のジェネラルパートナーだ。Hardware Club はスタートアップへ投資とあわせ、製品化やプロトタイピングのサポートも行うベンチャー企業である。Yang 氏は台湾国立大学で電子工学の学士と修士、HEC Paris で MBA を取得後、台湾やシリコンバレーでエンジニアとしての勤務した。
彼は「スタートアップのプロダクトは、それを届けるまでに何が必要か?」という問いから講演を始めた。彼は、自身の豊かなハードウェアへの投資経験から「Scaling to Dominance(スケールから寡占へ)」というテーマで話を続けた。
Yang 氏によると、少し前に話題になったスマートウォッチのブームの中で、重要だったのは「大手企業もスタートアップも、オリジナルの製品を生産できる」点だったと言う。そして、ここで最も重要なポイントは、拡張性:scalability (どうやって利益を得るのか)と防御力:defensibility (どうやって自分のビジネスを守るのか)である。
創業者の Linh Le は大学の研究者なので、私たちは政府機関からの資金を得ています。デザイナーとして発言させていただくと、アメリカでは大きなアパレル会社と協業することはコントロールを失うことになります。なので小さいけれども優れたデザイナーとコラボレーションしたいと思っています。また、Bonbouton のターゲットとしては、医療関係や安全に関する分野を考えています。