
中国・深圳を拠点とするハードウェアアクセラレータの HAX は数ヶ月前、インドのスタートアップへの投資計画を発表していたが、本日(10月6日)インド・バンガロールの Riot に投資し最新ポートフォリオに加えたと発表した。
Riot は乳児をモニタリングするデバイスを開発している。同社初となる製品は、乳児に触れることなく睡眠状況をモニターできるデバイスだ。このスタートアップを Ranjana Nair 氏、Sanchi Poovaya 氏、Kannan Natarajan 氏とともに設立した Aardra Kannan Ambili 氏は、乳児に触れなくても使えるので安全で信頼できると話している。
Riot には調達資金10万米ドルのほか、ラボも利用可能な深圳のオフィススペースがもたらされる。さらに、このプログラムではデザインの専門家やプロトタイプ製作に協力してくれる現地メーカーも紹介してもらえる。期間は111日、最後にはラスベガス・CES カンファレンスのデモデイを含め、世界中でプレゼンテーションが行える。
デザイン
深圳はハードウェアのシリコンバレーだとよく言われる。Aardra 氏によると、そう呼ばれるだけの価値があるという。
周りを見渡すと素晴らしいテクノロジー企業に溢れています。インドでハードウェアのスタートアップを運営するのは大変です。リソースが限られているからです。(Aardra 氏)
HAX はそのロケーションのおかげでこうしたリソースを利用できる機会を提供できる。Riot は現在、最初のプロトタイプ製作に向け現地メーカーと協力しているところだ。
HAX はそのほか Riot が購入者目線で製品を考えられるようにもしている。Aardra 氏によると、ハードウェア製品はラボ段階で行き詰まることがあるが、モノを作る際にはうまく機能するだけでなく見た感じも良くなくてはいけないという。
モノを作る作業に集中しているとこういったことを忘れがちです。でもここにはスタートアップ、しかもハードウェアのスタートアップがいます。当社製品がどのように見られていて、ユーザはどのように関わっているかの評価を含め、あらゆる点で HAX は支援してくれています。(Aardra 氏)
最も機能性の高いテクノロジーが消費者の求める製品であるとは限らないという。
消費者にとってどのような意味があるのか?本当は何を求めているのか?といったことを考えるのが大事です。(Aardra 氏)
Kickstarter キャンペーンのローンチ
昨年 Ranjana 氏の妹が出産した。「6ヶ月の早産でしたので、命があるかどうかが一番の心配事でした。妹は夜中に何度も起きて、赤ちゃんがきちんと息をしているか確認していました。そこにモニターがあれば役に立つと思ったのです」と回想している。
難しい作業は不要です。差し込んでインストールすれば、後は携帯電話に最新情報が送られて来ます。乳児のために特別にデザインされた、命を救うデバイスです。(Ranjana 氏)
彼女らメンバーはプロトタイプを製作後、バンガロールで7月に行われた Tech in Asia のカンファレンスにて HAX に対しプレゼンを行った。HAX のパートナーである Benjamin Joffe 氏はこう語っている。
Riot のチームは才能、テクノロジー、熱意を持ち合わせた最高のチームだと思いました。インドの IoT シーンは急成長していますので、この世界最高のリソースに関わるのは今だと思ったのです。
HAX が受け入れたスタートアップには、地上走行する自動運転車を生産している Dispatch がある。同社は4月に Andreessen Horowitz より200万米ドルのシード資金を調達した。
Riot の製品は12月末、Kickstarter キャンペーンによりアメリカにて正式にローンチされる予定だ。