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無線ホットスポットで報酬がもらえる?ーーブロックチェーン技術の無線ネットワーク「Helium」が1500万ドル調達

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ピックアップ:Our investment in Helium ニュースサマリー:ブロックチェーン技術を用いて、世界初のP2Pワイヤレスネットワークの構築を目指すスタートアップ「Helium」が6月12日、シリーズCラウンドにて1500万ドルを調達した。出資したのはMultiCoin CapitalやUnion Square venturesを含む11つのファンド及びエンジェルから。同社の合計調達…

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Image Credit : Helium Hotspot web site

ピックアップOur investment in Helium

ニュースサマリー:ブロックチェーン技術を用いて、世界初のP2Pワイヤレスネットワークの構築を目指すスタートアップ「Helium」が6月12日、シリーズCラウンドにて1500万ドルを調達した。出資したのはMultiCoin CapitalやUnion Square venturesを含む11つのファンド及びエンジェルから。同社の合計調達額は5400万ドルに及ぶ。

Heliumのサービス概要は非常に革新的だ。Heliumは、ユーザーに無線通信ルーターを提供することで、誰でもワイヤレスネットワークを構築可能にする。ユーザーはHotspotと呼ばれるルーターを立てると、そのルーターは無線通信のホストとなるだけでなく、Heliumブロックチェーンのノードの役割を担い、他のルーターが正しく動作してるかを検証する作業を行う。

Multicoin CapitalのKyle Samuni氏によれば、無線通信プロバイダービジネスというのは、従来非常に資本集約性の高いものの一つで、IoTデバイスへの接続コストが高いという課題があったという。しかしheliumを用いれば、事業者にとってのコストはルーターの購入代金と電気代にのみということになる。今後料金体系は多様化していくとされているが、現在提供されているルーターの相場は5万円ほどだ。

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credit : helium

話題のポイント:Heliumの特徴は2つあります。一つは上述した通り、従来とは全く異なるビジネスモデルで、無線ネットワークの構築を可能にするという点。そしてもう一つは、ルーターを立てるユーザーのインセンティブを分配し、かつIoTネットワークの信頼性を向上させるためにブロックチェーンを用いているという点です。

Heliumにはブロックチェーン上に流通する独自トークンが存在しており、ネットワークを支えているルーター(兼他のルーターを検証するノードとも定義できる)には報酬としてトークンが支払われるシステムになっています。したがって必ずしもIoT事業者だけがルーターを設置するのではなく、個人が報酬を受け取るためだけにネットワークにリソースを提供するケースも存在するということです。

ただ、多くのユーザーが自らリソースを提供し合うネットワークを作るには、インセンティブ設計、すなわち誰にどのくらいの報酬を与えるのかというモデルが上手に構築されていなければなりません。トークンの価格が仮想通貨市場全体の相場に大きく影響を受ける場合、そのしくみ作りは簡単ではありません。

そして、デバイスの位置情報を安全に保存・共有するためにもブロックチェーン技術は一役買っています。Heliumが想定するユースケースとして、自転車盗難防止や犬の迷子を防ぐための位置情報センサーがあることから、各デバイスの位置情報に信頼性を持たせることが非常に重要な要素となります。

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想定されるユースケース credit : helium

そのため、Heliumは各デバイスの位置情報を3つ以上のHotspotの位置情報を元に三角測量で算出し、それらのデータを分散的な合意・検証機能のあるブロックチェーンに保存することで、ネットワークの信頼性を向上させています。

現状、Heliumネットワークを利用しているのは、2Gレベルの比較的低い速度に耐えうるユースケース(位置情報やセンサーデータの取得)を構築する事業者のみですが、今後は3~5Gなどにも対応していくとされています。一般普及が本当に可能なのかが気になるところではありますが、今回の調達はその期待値を表す一つの指標となったのではないでしょうか。

 

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事業者向けスマートセンサー・スタートアップのHelium、シリーズBラウンドで2,000万ドルを調達

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サンフランシスコを拠点とする Helium は、事業者用スマートセンサービジネスのために、新ラウンドで2,000万ドルを調達したことを明らかにした。同社は、身の回りの製品をスマートにしインターネットに接続する、工業・企業用途向け IoT に使える新センサー「Helium Green」を開発している。 このスマートセンサーは、寿司用冷蔵庫の温度検出や病院で保管されている医薬品やワクチンの品質管理に利…

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Helium は IoT 向けのスマートセンサーを開発。 Image Credit: Helium

サンフランシスコを拠点とする Helium は、事業者用スマートセンサービジネスのために、新ラウンドで2,000万ドルを調達したことを明らかにした。同社は、身の回りの製品をスマートにしインターネットに接続する、工業・企業用途向け IoT に使える新センサー「Helium Green」を開発している。

このスマートセンサーは、寿司用冷蔵庫の温度検出や病院で保管されている医薬品やワクチンの品質管理に利用可能だ。同社は、ヘルスケア、食品、飲料、運輸、日用雑貨の分野の顧客向けにセンサーを開発している。Helium の社長で COO の Rob Chandhok 氏は、VentureBeat とのインタビューで、これらのセンサーが、スマートビル、病院、研究所、製薬会社、データセンターをモニターすることができると語った。エネルギーコストを管理したり、快適さをモニターしたりするために、このセンサーは会議室が利用中かどうかを検出することもできる。

今回の投資で、我々のプロダクトの強さに対する、力強い証を得たことになります。(Chandhok 氏)

今回のラウンドは GV(旧称:Google Ventures)がリードし、Khosla Ventures、FirstMark、Munich RE/Hatford Steam Boiler Ventures が参加した。GV のジェネラル・パートナー Andy Wheeler 氏は、Helium の役員に就任する予定だ。

ステートメントの中で、Wheeler 氏は次のようにコメントしている。

低温流通で使う冷凍庫、予防メンテナンスに使われる重機、工場内の空気品質のモニタリングなど、商業・工業分野の IoT には大きな市場可能性があると考えています。Helium のチームは、建物の中でこれまで工業分野での試みがうまくいかなかった問題の多くを、IoT プラットフォームで解決してきました。Helium のプラットフォームは非常に興味深い技術アーキテクチャーを持っており、エッジ(端末)とクラウドのどちらからでも簡単に管理できます。

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モバイルアプリ「Helium Pulse」 Image Credit: Helium

センサーデバイスの「Helium Green」は温度、湿度、気圧、照度、動きを感知することができる。また、同社はウェブやモバイルデバイス向けに、Helium Pulse というアプリも出している。このアプリは、企業が Helium のスマートセンサーやプログラムアラートパラメータを設定したり、得られた値に基づいてアクションしたりできるよう、遠隔制御や警告の発信が可能だ。Helium Pulse は企業のコスト節約、生産性や顧客満足度向上を念頭に設計されている。

オペレータがセットした閾値条件に基づき、通常では無い状態になったときだけ警告が発せられる。多数の警告を発してユーザが〝警告慣れ〟してしまうのを避けるため、アクションをとる必要があるときのみ警告が発せられる。たとえば、冷蔵庫が故障の信号を出したときに、警告が鳴るような感じだ。警告はリアルタイムに、メール、テキストメッセージ、アプリ通知で受け取ることができる。

予防メンテナンスのカテゴリにフィットするプロダクトです。(Chandhok 氏)

Helium によれば、彼らのプロダクトは、全米トップ10の病院のいくつかにも導入されている。センサーを導入するには、顧客はスマートセンサーのバッテリータブを引っ張り、それを天井に貼るかか平らな場所に置くだけだ。Chandhok 氏によれば、概ねトランプカード一式の大きさで、単三電池で稼働する。ほとんどのスマートセンサーは、単三電池2本で3年間はもつそうだ。

このセンサーには多数の使い方が存在するが、クリーンルームや病気の手術室では気圧のモニタリングに利用されている。これらの部屋では、外部から雑菌が侵入しないよう、気圧が高めに設定されている必要があるからだ。

Chandhok 氏は、これらのセンサーがスマートであるとともに、生産性を重視して設計されているとも語った。たとえば、ワイヤレスで、データセンターに15分おきにデータを送るようなことはしない。データはセンサーの内部で処理され、その情報は、センサーが異常を感知し、ユーザにアクションが求めるときにのみデータセンターへ送信される。フォトセンサーの中には、このような動作をするものもある。

無線でデータを送信するよりも、少電力でセンサー内でデータを処理できます。正確で少量のデータを1,000万個のセンサーから送るときには、これは重要なことです。

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Helium のネットワークの動作イメージ Image Credit: Helium

2013年に設立された Helium は、これまでに総額3,600万ドルを資金調達した。現在の従業員は30名だ。

Helim の CEO で創業者の Amir Haleem 氏は、次のように語っている。

Helium の、スマートセンシングに対する、ユニークでソフトウェアに特化したアプローチは、顧客企業にソリューションを迅速かつ柔軟に届ける上で、素晴らしい価値を生み出しています。本日(原文掲載日:4月25日)のシリーズBの調達発表は、我々の輝かしい進捗と製品ロードマップとともに、Helium の IoT プラットフォームの本格展開で、さまざまな産業に変革をもたらせる存在であることを明らかにしてくれました。

同社は2014年、Khosla Ventures に加え、FirstMark Capital、Digital Garage、Marc Benioff 氏、SV Angel、Slow Ventures から1,600万ドルを調達している。

技術研究アナリストで創業者の Bob O’Donnell 氏は、ステートメントの中で次のように述べている。

IoT 分野では目に見えて変革が生じており、それはスマートセンシングに代表される、企業ベースのソリューションやアプリに牽引される流れです。この分野に関する我々の新しい研究によれば、Helium の新製品のようなスマートエッジ・センサーは、トップのエンタープライズ向け IoT アプリの中で、重要な要素を占めています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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