THE BRIDGE

タグ 香港

香港の物流スタートアップGoGoVan(高高客貨車)、CEOが語った10億米ドルの合併・ベトナム進出計画・未来への懸念

SHARE:

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 GoGoVan(高高客貨車)は急激な成長の只中にあり、今年末か2020年初頭までに新たなベトナムのビジネスをローンチするつもりであると、共同設立者兼 CEO の Steven Lam…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


GoGoVan(高高客貨車)は急激な成長の只中にあり、今年末か2020年初頭までに新たなベトナムのビジネスをローンチするつもりであると、共同設立者兼 CEO の Steven Lam 氏が Tech in Asia に語った。

ラストマイルのロジスティクススタートアップである同社にとって、2014年にシンガポールに参入して以来、ベトナムは最初の東南アジア進出となり、同時に、2017年後半に中国大陸の競合であった 58 Suyun(58速運)と合併して以来初の全国規模ローンチとなる。

この取引により香港を拠点とする GoGoVan は即座に中国国内の300都市以上をカバーすることとなり、一夜にして同国トップクラスのラストマイルのロジスティクスプレイヤーへと変貌した。

Photo credit: Tech in Asia

巨大な中国市場ではまだ厳しい競争が続いており、GoGoVan が 58 Suyun(58速運)のビジネスと統合した後も簡単な状況ではない。同時に、同国の小さな町や都市にはまだ成長の機会がある。

しかし同社はベトナムやその他の東南アジア市場に狙いを定めている。GoGoVan のビジネスは広げすぎて薄くなっていないのだろうか?

必要からの誕生

2013年に Lam 氏と共同設立者たちが会社を始めてから、GoGoVan は長い道のりを歩んできた。

多くのスタートアップと同様に、GoGoVan はほぼ偶然のように、必要に迫られて生まれたものだった。カリフォルニア大学バークレー校で学んでから故郷の香港に戻った Lam 氏、そして彼の同級生だった Reeve Kwan 氏と Rick Tang 氏は、自分たちのビジネスのためにアイデアを試していた。

国境を越えたすぐ先の深センの工場で作られるガジェットのためのクラウドファンディングとリセリング(香港の起業家にとってほぼ通過儀礼のようなもの)を試した後で、3人はカリフォルニアの中華料理店で苦労していた頃に最初に考えていたアイデアを再考した。

彼らの主な仕事の1つは、膨大な数の「オイスターペイル(中華料理をテイクアウトする際のボックス)」に詰めて封をすることだった。数百万人のアメリカ人(および、アメリカのシットコム視聴者)にはお馴染みの、典型的な中華料理テイクアウト用の容器だ。その後これらの容器はでかでかと「良い1日を!」と書かれたプラスチック袋に入れられ、配達ドライバーに手渡される。

彼ら3人は、袋や容器に書かれた甘ったるい挨拶や竜や仏塔が、価値ある広告を入れることができるスペースを占領していることに気づいた。

GoGoVan の創業者らは、カリフォルニアの中華料理レストランで働いていた時、オイスターペイルに広告枠を作り販売するアイデアを思いついた。
Photo credit: dslrninja

香港では、昼食時にチャーシュー飯や炒麺を注文すると無地のポリスチレン容器で運ばれてくるのがより一般的だ。Lam 氏と共同設立者たちはこの容器に広告を張り付けた。そして、広告主が支払った額によって、容器がレストランのオーナーに無料で配られる。

私たちは2012年に会社を始め、9ヶ月間運営しました。その期間に、私たちの容器を使うレストランは0店から約600店になりました。

Lam 氏は明かした。

シンプルだが効果的に見えた。しかし BoxAd はロジスティクスの面で問題に直面した。

私たちは1日におよそ10万個の容器を配達していましたが、十分な配達用のドライバーがいなかったのです。

バンやトラックの自営ドライバーはコールセンターに電話をして仕事を取らなければならなかった。ドライバーの需要と供給は釣り合っておらず、BoxAd の要求に応えようというドライバーがいないこともあった。また別の場合には、2~3人が同時に現れて誰が仕事を受けるかで揉めることもあった。

BoxAd はコールセンターシステムをすべて回避することに決め、独自の WhatsApp グループをドライバーたちと立ち上げた。メッセンジャーアプリそれ自体は高レベルのロジスティクス管理機能を持っていないので、Lam 氏と彼のチームは自営のバンやトラックと顧客を結ぶ独自のプラットフォーム作成に着手した。

こうして GoGoVan は生まれた。個人や小規模ビジネスがこの新しいオンデマンドのバンのサービスに興味を向けるようになるにつれ、チームは BoxAd の仕事を止めて、ラストマイルのロジスティクスをメインのプロジェクトとした。

東南アジアとの初期のコネクション

初期の GoGoVan は共同設立者らの資金2万香港ドル(約27.3万円)で運営されていたが、2013年末にかけてエンジェル投資家から数十万米ドルの調達を確保した。

当時の香港のベンチャーキャピタルシーンはまだ道半ばであったが、中国大陸の投資家はこの地域にあまり入ってきていなかったと Lam 氏は指摘する。GoGoVan が野心的な拡大計画に必要な資本を確保しようとするなら、他の場所に目を向ける必要があったのだ。

最終的に、GoGoVan は2014年8月のシリーズ A ラウンドで、このラウンドに参加したシンガポールの複数の非公開投資家から、650万米ドルを確保した

弊社は面白い存在です。香港で資金を調達することはできませんでしたが、ここでは投資家は非常に協力的なのですから。彼らは弊社を信じています。中には自社のロジスティクスのニーズにペインポイントを持っているビジネスのオーナーもいます。彼らは弊社のモデルを見て、そして東南アジアにも多くの個人ドライバーがいるために、それが上手くいくと考えています。投資の後、弊社は東南アジア全体に拡大するという義務を負いました。

中国への拡大

しかしながら、GoGoVan が北へと足を伸ばし始めたため、この拡大計画は保留となった。2014年、シンガポールで営業を開始したのと同じ年に、同社は台湾でローンチした。その翌年には韓国と中国本土に進出した。

後者の市場はかつてない最大のチャレンジだった。ラストマイルのロジスティクスサービスを提供するスタートアップがすでにひしめき合っていたのだ。

2016年、Lam 氏によれば GoGoVan は中国で「激しい競争」を行っていた。個人や小規模ビジネスのクライアント向けオンデマンドサービスという似たようなサービスを提供している他のビジネスと距離を置くために、同社はもっとニッチなところを見つけなければならなかった。

途中で他のいくつかの企業が消えていくのを目の当たりにしました。そして自分たちに目を向けてこう言いました「この市場はとても大きい。なぜみんなこの分野で戦っているのだろう?」それがロー・ハンギング・フルーツ(簡単に達成できる目標)だということは分かりますが、一歩先を行って、もっと大きいところから市場を奪ってみたらどうだろうか?

Photo credit: GoGoVan

2016年、GoGoVan は戦略を転換し、企業顧客に注力することを決めた。

Lam 氏はこう続ける。

これによって、弊社はバイクシェアリング企業や「ニューリテール」企業と話をするようになりました。

そういった企業はロジスティクスのパートナーを必要としているが、その多くは伝統的なサードパーティロジスティクス(3PL)業者との高価な契約を正当化できるほどの、一貫したスケールアップをしているわけではない。

Lam 氏によれば、GoGoVan は Mobike と Ofo にとって初の大規模な配置パートナーとなり、これらのバイクシェアアプリが中国の都市の隅々まで自転車を分配するのを手伝っていた。

弊社は彼らのバイク配置のコストを大きく減らしました。例えば、彼らは上海だけでも最低10社の別々の3PL と契約を結んでいました。この契約やインフラを扱うだけでも、もう大変です。ですが弊社は「弊社と取引してスケジュールや地区ごとの需要を教えてもらえれば、配置して差し上げます。3日間であれば、3日間それぞれにドライバー100名を用意します」と言うことができます。

こういった契約を確保していくにつれ、GoGoVan には良好な結果が見えてきた。同社が新たな投資を求める際に、やりやすくなったのだ。

2016年以降、ドライバーの登録数や顧客の登録数を含めて、弊社は急速に成長しました。そして、さらに多くの B2B(企業間取引)を始めた際に、突然、経常収益を上げたのです。

そのため、私たちが投資家になってくれそうな人と話をすると、彼らは「競合企業はどこも資金を調達して、それをすぐに使い切ってしまいます。君たちはどうやって収益を挙げているのですか?」と言います。私は3PL と契約を結んでおり、彼らは毎月一定額を支払ってくれるからです。弊社はおよそコストと収支が合っています。時には競合よりも価格を下げるために損をすることもありますが、最終的には弊社は利益を上げます。それが彼らの興味を引くのです。

ユニコーンとの合併

2016年5月、GoGoVan は New Horizon Capital(新天域資本)や Alibaba Entrepreneurs Fund(阿里巴巴創業者基金)を含む投資家から、シリーズ C で非公開額の資金を調達した。その後間もなく、Lam 氏は中国でカンファレンスに参加し、そこで58 Daojia(58同城) およびオンデマンドのロジスティクスプラットフォームである58 Suyun の CEO の Xiaohua Chen(陳小華)氏と出会った。

Lam 氏はこう説明する。

彼らは支配的でした。中国で最大のクラシファイド広告サイトである 58.com の一部門だったのですから。商業ドライバーが仕事を探すときは、たいていの履歴書は 58.com に提出されます。

GoGoVan はバイクシェアリング企業のような新しい企業の顧客を探していたが、58 Suyun は卸売業者や、親会社のクラシファイド掲示板に需要が張り出されている中小企業へのサービスの提供に注力していた。

ライバルであったにもかかわらず、Lam 氏と Chen 氏は意気投合した。

その年の終わりには WeChat のフレンドになっていて、いつもメッセージを送り合っていました。

中国への出張の際、Lam 氏と Chen 氏は夕食の席で会うことにした。GoGoVan の歴史において、ここが重要なターニングポイントと言えるだろう。

Lam 氏はこう回想する。

私たちはほぼ3時間ずっと、業界についての意見を話し続けました。非常に興味深かったのは、市場についての私たちの分析、そして私たちの段階的な戦略、私たちはとても似ていたのです。

最後には、私たち2人のどちらも市場を100%勝ち取ることはできないと同意しました。B2B に参入すればすぐに、勝者の総取りではないということが分かります。そこで私たちは、一緒に仕事をするのはどうだろうかと言いました。私にはドライバーの数が足りないので、私があなたのドライバーを使用し、そして弊社にはすでに顧客が集まっているので私があなたの販売代理店になるのはどうだろうかと。私は私が作る必要のあるものを作り、あなたのドライバーはより多くの仕事を得るという具合に。

Chen 氏は合意し、そして2社はコラボレーションを開始した。ほんの3か月間で、話はさらに緊密な合併へと変わった。

私たちにはどちらも Alibaba が投資家としてついていました。そのため、合併という話へと進んだのです。Alibaba はこう言いました。「もちろんいいですよ、もしあなたたちがお互いに争わずに協力するのなら、弊社はサポートします。」実際に両社は多くのコストをカットできましたし、私も東南アジアから多少のノウハウを持ち込むことができました。会社を一から作り上げる方法です。彼らは大きな企業の一部門でしたが、独立子会社になっていましたので、それが必要だったのです。

2社は2017年8月後半に合併を発表した。取引の結果、58 Daojia が合併後の GoGoVan の主要株主となり、Chen 氏がチェアマンの役割を担うこととなった。

卸売業者や中小企業の新たな顧客層を GoGoVan に提供することに加えて、この取引によって同社の10億米ドルスタートアップクラブへの仲間入りを果たすこととなった。58 Suyun の高い評価額のおかげである。

Lam 氏はこう指摘する。

弊社はシリーズ B の後で1,000万米ドルでした。シリーズ C で最高2,000万米ドルを考えていました。彼らはシリーズ A ラウンドで3億米ドルです!

彼はまた、取引の前の GoGoVan が8都市でのみ営業していたことも指摘する。

弊社だけで100都市に拡大するには、数年の時間と幾度かの資金調達ラウンドが必要だったでしょう。合併によって、すぐにそれが実現したのです。

彼は付け加えた。

Lam 氏は58 Suyun と合併してから GoGoVan の収益が毎年10倍以上の成長をしていると述べたが、Tech in Asia に明確な数字を明かすことはしなかった。彼はまた、GoGoVan が営業している都市や国の一部で「市場で利益を上げている」ことにも言及した。

2018年7月、同社はシリーズ D で2億5,000万米ドルを調達した。InnoVision Capital(華新資本)がリードし、58 Daojia と Alibaba のロジスティクス部門の Cainiao などが参加した。

おはよう、ベトナム

中国に足場を築き、Lam 氏と彼のチームは再び東南アジアへの取り組みに戻ることができた。しかし、彼らが中国での経験で学んだように、あるものにとって良いことが別のものにとっても良いとは限らない。

同社が最初に本土に進出した際、GoGoVan は英語に不慣れという現地市場の条件を考慮して、別ブランドを立ち上げた。中国語で「素早い犬」を意味する Kuaigou(快狗)というこのブランドは、最終的に合併後の58 Suyun にも拡大した。

GoGoVan はもちろん人間の最良の友という考えを喚起しようとしたのだが、名称の変更は中国のドライバーの間で騒ぎを引き起こすこととなった。中国では「犬(狗)」はしばしば侮蔑的な言葉として使われるのだ。

私も中国系ではありますが、中国本土の人とは物の見方が非常に違います。

Lam 氏は当時こう語っていた

東南アジアへの拡大は同様の文化的困難があるだろうと、彼は鋭敏に察知していた。香港からシンガポールへの進出は環境という面では大きな変化はなかったが、同地域の他の市場への進出にはもっと多くの基礎的な準備が必要となる。

Lam 氏は言う。

私たちは東南アジアを1つの地域と呼びますが、そこは非常に興味深い所です。それぞれの国が全く別の文化を持っています。人々は常に国境を越えて行き来していても、生活や仕事や食事の仕方は完全に違います。

地理的な意味では中国より小さくとも、東南アジアの文化的な距離は非常に遠いことがある。

深センから北京に進出するのとはわけが違います。その場合は製品を変える必要がありません。けれどシンガポールからタイやベトナムやインドネシアに行く場合、インターフェースを変える必要があります、言語を変える必要があります、支払い方法を変える必要があるのです。

困難の規模を考えれば、中国国内にまだ成長の可能性が多く残されているのに、なぜ GoGoVan は東南アジアに挑戦するのかという疑問は当然だろう。

だが Lam 氏は「鉄は熱いうちに打て」を信条としている。そして、そのときは今なのだ。

同氏は言う。

中国や北東アジアにはまだ多くの機会があります。市場は非常に大きく、ロジスティクス業界において弊社はまだ小さなプレイヤーです。技術でプレイヤーに力を与えるだけでも弊社にとって大きな問題であり市場です。弊社が今あるところだけではなく、東南アジアのような潜在的な市場においてもです。

GoGoVan にとって決定的な要因の1つは、インドネシアやフィリピンのような市場におけるスマートフォン所持の爆発的な拡大であった。最近まで、同地域全体でドライバーはインターネットに接続できるモバイルデバイスを所有していなかった。それがなければ、彼らは GoGoVan のようなネットワークに参加できなかっただろう。ほんの数年で、モバイルデバイスやデータプランの価格は、東南アジアのような低収入の地域でも、購入しやすいものとなった。

それに消費者のショッピングに対する欲求の急上昇も組み合わさり、GoGoVan がベトナムを同地域における最初の拡大対象市場とした理由も容易に見て取ることができる。

Lam 氏は同国の急成長を指摘し、過去2年間における携帯電話の普及が大きなインパクトを与えたことを挙げた。

同氏はこう付け加える。

突然、経済全体が1つレベルアップしたかのようでした。e コマースは急速に勢いを増し、多くのベトナム人ドライバーは非常に若く、進んで順応します。そのため弊社は市場の教育にあまり費用をかけなくて済みます。彼らは学びたがっています。中国では、弊社は市場の教育に多くの時間をかけなければならず、それが最初に抱えた問題の1つでした。

e コマースの急成長やテックに詳しいドライバーたちの他にも、ベトナムのラストマイルロジスティクスは発展中であり、競争が激化し飽和状態にある中国の状況と比べると、多くのスペースがある。

中国と同様に、GoGoVan はベトナムでの運営でも新たなブランドを発表している。同社は GoGoX という名称になり、バンによるロジスティクス以上のものを提供するということを表している。

Lam 氏によると、新たな名称は同社のブランドとしてその他の国々でも展開され、GoGoVan はバンのサービスのみを指す商標となる。

競争とロボット

中国から引き続き GoGoVan が対峙する主な困難は競争である。東南アジアにおけるこの分野はそこまで混雑しているわけではないが、すでに確立されたプレイヤーが同地域には複数存在している。

香港全域にまたがる競合の Lalamove はすでに東南アジアの複数の国々にローンチしている。マレーシアの TheLorry は GoGoVan がターゲットとする分野で、すでにいくつかの大手企業のクライアントにサービスを提供している。またシンガポール拠点の Ninja Van は同様の地域ではあるが「アセットヘビー」モデルで運営している。

このように、GoGoVan もすでにシンガポールの Ikea のような独自の大手クライアントを握ってはいるが、追い上げを図らなければならない。

しかしながら、Lam 氏は同社の強みは伝統的なロジスティクス業界に関するインサイトを持っていることにあり、それが GoGoVan が競合集団から抜きんでる助けになると考えている。

多くの競合他社はこの業界の問題を技術的なやり方で解決しようとしています。私もテックがこの業界にディスラプションを起こすということには同意しますが、しかし同時に、この業界はとても古臭いのです。顧客はこちらのコンピュータの速さはどうでもいいことで、彼らの要求をどれだけ正確にこなせるかを気にします。だからこそ、紙へのサインで問題ないのです。デジタル化することは彼らの仕事の役には立ちません。単に手順が1つ増えるというだけなのです。

とは言え、技術はより一層、今後の懸念の原因となるだろう。Lam 氏は、ロボティクス、ドローン、自動運転車といった新たな発展が、ロジスティクス業界に根本的なディスラプションを起こすかもしれないということを危惧し始めていると述べた。

弊社にとっての死角のようなものです。これから学んでいきますが、同時に、私たちがコントロールできない多くの社会的な課題もあります。労働人口の多くの割合をドライバーが担っています。もし彼らに仕事がなければ、あらゆる都市が香港のようになってしまうことは保証できます。

同氏はそう述べ、GoGoVan の拠点都市で6月以来起きている反体制の抗議運動に言及した。

中国本土で裁判を受けさせるために香港人を引き渡すことができるようにする条例の提出に対する反応として抗議が始まったが、反政府の機運は市民の不満や高騰する生活費、上昇する失業率、そして全般的な生活の質の低下という感覚とも結びついている。

スタートアップの CEO である Lam 氏は、熱を帯びたこの雰囲気の中では、競合を監視するよりも、GoGoVan 自身のパフォーマンスに注視することがより重要だと考えている。同社がベストを尽くしていれば、あとのことは上手く収まる。世界的なマクロ経済の状況が下降している中では、こういった種類の注力がさらに重要だ。

同氏はこう述べる。

外で混乱や経済的な問題が起きているときは、内側を見つめ、自分たちが改善できることに目を向けなければなりません。弊社は製造業ではないので、貿易戦争の影響はあまりありません。それでつぶれることはありません。ですが、その結果として起きる貿易量の低下、ロジスティクスの需要の低下、これでつぶれることはあり得ます。弊社にはまだそのようなことは見えていませんが、CEO として、私は目と耳を研ぎ澄ませておく必要があります。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

----------[AD]----------

香港のモバイルゲーム大手Animoca Brands、ブロックチェーン活用のデジタルアイテム収集マーケットプレイス「Quidd」を800万米ドルで買収

SHARE:

Animoca Brands は、680万人のユニークユーザを持つデジタルコレクティブルマーケットプレイスメーカーの Quidd 買収で合意した。買収金額は800万米ドル。Animoca Brands による今回の動きは、透明性がありセキュアなデジタル台帳であるブロックチェーン技術と、コレクティブルキャラクターなど販売可能なデジタル商品を組み合わせる同社の長期的な取り組みの一環である。 Animo…

Quidd
Image credit: Quidd

Animoca Brands は、680万人のユニークユーザを持つデジタルコレクティブルマーケットプレイスメーカーの Quidd 買収で合意した。買収金額は800万米ドル。Animoca Brands による今回の動きは、透明性がありセキュアなデジタル台帳であるブロックチェーン技術と、コレクティブルキャラクターなど販売可能なデジタル商品を組み合わせる同社の長期的な取り組みの一環である。

Animoca Brands はブロックチェーンを取り入れることでデジタルアイテムをユニークに特定することができ、ユーザにとっての真のデジタル所有とアイテム稀少性の保証につなげられる。

同社共同設立者兼会長の Yat Siu 氏は GamesBeat への e メールの中で次のように述べている。

ブロックチェーンは間違いなく当社の主要戦略の1つであり、ビジネスの機会を絶えず探っていますが、この事業分野について明らかにできることはありませんでした。デジタルコレクティブル、それが価値、訴求、技術採用にもたらす力を私たちは強く信じており、当社の NFT 戦略に表れています。おそらく最も有名なのはブランドのデジタルコレクティブルで記録を打ち立てた F1 NFT、1-1-1でしょう。

ニューヨークを本拠とする Quidd によると、同社は世界最大のデジタルコレクティブルライセンスとパートナーシップを誇る。パートナーはディズニー、マーベル、HBO(ゲーム・オブ・スローンズ)、CBS(スタートレック)、NBA など様々な業界における世界のトップコンテンツ325ブランドである。

Quidd はこれまで680万のユニークユーザに21億を超える個々にシリアル化されたデジタルコレクティブルを発行してきた。2019年上半期の月間アクティブユーザは平均20万8,000人。1秒あたり約6回の割合でブランド商品の取引がなされている。しかし、北米以外の地域でもかなりの成長余地がある。Quidd を設立したのは、スポーツ関係の記念品やコレクティブル業界(および野球カード)をリードする Topps で長年勤務経験を持つ人物だ。

Siu 氏は言う。

そのため、Quidd のビジネスは、人気のあるブランドと真のデジタル所有の力を活用するという当社の目標と強いシナジーがあるのです。主に北米を販売地域とし、英語表記限定のブランドコレクティブルの販売で1,000万米ドルの売上を持つ Quidd には、ビジネスの潜在能力がかなりあります。

香港を本拠とする Animoca Brands によると、今回の買収により主要なコンテンツ所有者とのデジタルライセンス契約の締結によりデジタルコレクティブルセクターでの経済的な潜在力がかなり向上するという。

Animoca Brands は、Quidd にいるきわめて有能なチームを迎え入れることを嬉しく思います。ブランドデジタルコレクティブルに関する当社のビジョン遂行に力を与えてくれることでしょう。今回の買収により当社のブランドポートフォリオは大幅に拡大するほか、マーベル、ゲーム・オブ・スローンズ、スタートレック、NBA など世界で最も強力な知的財産を持つ関係企業と協業できるのが楽しみです。

本案件では同社が Quidd に事前資金として500万米ドルを支払い、利益目標の達成状況に応じて300万米ドルを支出する。

Animoca Brands は1株あたり20A(オーストラリア)セントで800万 A ドル(540万米ドル)の戦略的な資本調達を完了していた。

2016年に Michael Bramlage 氏と Erich Wood 氏により設立された Quidd のマーケットプレイス、カタログ、コレクションは、Quidd モバイルアプリを使って iOS や Android のデバイスから無料で利用できる。Quidd は1,000万米ドルを調達しており、最大の投資家は Sequoia Capital。

買収が実施されるのは株主の承認後。

Quidd の CEO の Bramlage 氏は声明で次のように述べている。

私たちは当初から、デジタルの収集物が150億米ドルの市場規模を持つ物理的なコレクティブル業界に貢献するだろうという強い確信を持っていました。Animoca Brands の一員となることで、当社にしかないデジタルコレクティブルを世界の人々に届け、無数の主流派デジタルコレクターにとって真のデジタル所有を実現するというミッションを私たちは加速していきます。

Quidd の従業員数は15名ほど、一方の Animoca Brands は約200人。

Sui 氏は次のように述べた。

私たちが気に入っているのは、ブランドのライセンス期間が満了になった後も、エンドユーザがQuidd のコレクティブルを永久的に保有していることです。真のデジタル保有を達成するのに、これは重要な一歩です。

<関連記事>

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

ホテル宿泊客向け無料レンタルスマホ「handy」展開の香港ユニコーンTink Labs、レイオフと大リストラを実施

SHARE:

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 香港のスマホレンタルスタートアップで、最近の資金調達を経て時価総額10億米ドルに達した Tink Labs が、レイオフと大がかりなリストラを実施していると、複数の情報筋が Tech…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


Tink Labs CEO Terence Kwok 氏
Photo credit: Tink Labs

香港のスマホレンタルスタートアップで、最近の資金調達を経て時価総額10億米ドルに達した Tink Labs が、レイオフと大がかりなリストラを実施していると、複数の情報筋が Tech in Asia に伝えてくれた。

情報筋によると同社は他社に買収されたとのことだが、Tink Labs の広報担当はその情報を否定した。

同社担当は現状についての詳細な説明をしなかったが、複数の主体に事業を移管しているところだと語った。そのうちの1社が Blockone Limited。ブロックチェーンと似たような名前が付けられているが、その技術とは無関係であると同担当は強調している。

情報筋によると、多くの Tink Labs 社員はリストラ計画が発表された2週間前のグローバルタウンホールミーティングの後、雇用契約満了の文書を受け取ったという。一部の社員は22日、Tink Labs の事業を引き継ぐ別会社で再雇用されるとも伝えられた。

再雇用されない社員については、契約書にある通り定められた期間は働くことになる。Tink Labs の設立者である Terence Kwok 氏は、レイオフの対象人数を明らかにしなかった。「現在も作業が進められています」と同氏は Tech in Asia に語った。

同社報道担当によると、Tink Labsと契約していた全社員は雇用満了の文書を受け取ったものの、一部の関連企業は例外だった。例えば高級コンテンツ部門の Luxos などだ。

handy
Image credit: hi Japan

Tech in Asia が他に確認できた情報には、 同スタートアップがホテルと交わしていた契約(編注:Tink Labs は、ホテルの宿泊客にスマートフォンを無料でレンタルするビジネスモデルだ)の一部が Blockone に移行することがある(出所は Tink Labs がパートナーに送信した e メール)。

収益性を向上させる取り組みの一環として、無料で提供されていたサービスに関係する契約も一時満了となる。

広報担当は最近の状況について明言しなかったが、同社は現在、資金調達をしている最中にある。

ここ数年は、無謀な事業拡大戦略が原因で何回か経営陣が入れ替わっていた。

Kwok 氏はかつて Tech in Asia に対し、業績の内訳は明示しなかったものの全社的には利益を挙げていると述べていた

同社によると、6月時点での社員数は500人以上だった。

<編注> 日本においては Tink Labs のサービス提供にあたり、シャープと Tink Labs の合弁で handy Japan が設立され、昨年ソフトバンクとの提携が発表されている。handy Japan は今年に入り hi Japan へ改称

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

----------[AD]----------

RISE 2019のスタートアップコンペティション「PITCH」の優勝は、海運コンテナ貨物管理を最適化する「Haulio」が獲得 #RISEConf

SHARE:

本稿は、RISE 2019 の取材の一部である。過去の RISE に関する記事はこちらから。 7月9〜11日の3日間、ワンチャイ(湾仔)の Hong Kong Convention and Exhibition Centre(香港会議展覧中心)をメイン会場に、スタートアップカンファレンス RISE 2019 が開催されている。 アジア各国・地域から集まったスタートアップがしのぎを削るスタートアップ…

本稿は、RISE 2019 の取材の一部である。過去の RISE に関する記事はこちらから。

7月9〜11日の3日間、ワンチャイ(湾仔)の Hong Kong Convention and Exhibition Centre(香港会議展覧中心)をメイン会場に、スタートアップカンファレンス RISE 2019 が開催されている。

アジア各国・地域から集まったスタートアップがしのぎを削るスタートアップ・コンペティション「PITCH」には80社が参加、9日と10日の2日間にわたって予選が行われ、決勝では上位3社にまで絞られた。

審査員による審査の結果、優勝はシンガポールのスタートアップで、海運コンテナ貨物管理を最適化する「Haulio」が獲得した。

PITCH 決勝の審査員を務めたのは次の方々。

  • Arthur Hu 氏 – SVP & CIO, Lenovo Group(聯想集団)
  • Helen Wong(黄佩華)氏 – Partner, Qiming Venture Partners(啟明創投)
  • Guy Mills 氏 – CEO, Manulife Hong Kong

【優勝】Haulio(シンガポール)

物流全体量の約9割はコンテナで運ばれているが、コンテナを持つ大手海運会社と、コンテナを地上運搬する牽引業者は分断されていて、実際のところ利用されていないコンテナは多い。コンテナ牽引に利用できるトラックが一社当たり数台しかない、など、牽引業者には零細なところが多いこともその一因だ。

Haulio は、この海運会社と牽引業者をマッチングするプラットフォームで、コンテナの牽引需要に対して、そのスケジュールでで手の空いている牽引業者をアサインすることができる。CEO の実家が30年間にわたり物流事業を営んできたこともあり、この業界のニッチな需要に精通していることがチームの強み。Haulio のサービスを開始した2017年からの2年間で、シンガポールのコンテナ牽引市場の80%を獲得した。

これまでに15万TEU(TEU はコンテナ扱量を扱う単位で、1TEUが20フィートコンテナ換算を表す)を取り扱っている。シードラウンドで、シンガポールの港湾会社 PSA International の CVC である PSA Unboxed、500 Startups、Quest Ventures、運送会社 ComfortDelGro などから80万3,000米ドルを資金調達済。世界展開に向け提携できる企業を求めている。

【準優勝】Booqed(香港)

Booqed は、保証金などを必要とせず、月や週単位はもちろん、時間や分単位でもオフィススペースを借りられるサービス。市中にあるオフィススペースの使われていない時間帯を、フレキシブルにオフィスを使いたいユーザとマッチングする。仲介した取引に対して、Booqed はユーザがスペースオーナーに支払った金額の15%を受け取る。

ここまで聞く限りでは、すでに世界中に多くあるスペースのオンデマンド型マッチングマーケットプレイスに思えるが、Booqed が面白いのはスペースの供給側に WeWork などのコワーキングスペース業者も含んでいることだ。コワーキングスペース事業者は、一時的に空いているスペースのマネタイズや、中長期利用する可能性がある潜在ユーザにアクセスできるメリットを期待しているんだろう。

現在の取扱高は月間55,000米ドル。営業戦略としては会議需要の取込から着手し、次第にサービスを展開する都市を増やし、カンファレンスやイベント需要なども取り扱えるようにしたいとしている。

【準優勝】Presso(アメリカ)

Presso は、自動販売機型またはキオスク型のドライクリーニングマシンだ。急いでいる時などに Y シャツをセットすると、5分間で洗浄、汗や臭いやバクテリアの除去・分解、スチーム、プレスなどを完了する。ビジネス旅行者などは、ホテルでクリーニングに出すと出来上がりが数日後になるので依頼を躊躇してしまいがちだが、Presso なら数分間で出来上がるので需要にマッチすると考えた。

エコノミー型のビジネスホテル、空港、オフィスビルなどへの設置などを想定しており、昨年には、Hampton by Hilton Hotels や Courtyard by Marriott などで6件のパイロット実験を完了済。今年は複数の LOI(契約締結)を目指す。これまでに、Y Startup School、HAX、SOSV などからシード資金を調達している。

----------[AD]----------

香港RISE 2019、2日目のまとめ——中国インターネットレポート、ソーシャルロボット、DiDi(滴滴出行)の日本向けローカリゼーションなど #RISEConf

SHARE:

本稿は、RISE 2019 の取材の一部である。過去の RISE に関する記事はこちらから。 香港 RISE も2日目。何回目からかは忘れたが、ここ数年で定番化した人気コンテンツの一つに「中国インターネットレポート」がある。このレポートは、香港の地元紙 South China Morning Post とその姉妹サイトである Abacus と、以前は 500 Startups のパートナーで、今春…

本稿は、RISE 2019 の取材の一部である。過去の RISE に関する記事はこちらから。

香港 RISE も2日目。何回目からかは忘れたが、ここ数年で定番化した人気コンテンツの一つに「中国インターネットレポート」がある。このレポートは、香港の地元紙 South China Morning Post とその姉妹サイトである Abacus と、以前は 500 Startups のパートナーで、今春ブロックチェーン特化 VC の Proof of Capital を立ち上げた Edith Yeung 氏らが毎年更新している。

100ページ上からなるこのレポートを要約すると、昨年から今年にかけての中国のインターネットトレンドはこうだ。

  • 昨年の大型 IPO は Xiaomi(小米)と China Tower(中国鉄塔)だった。今年期待されるのは、Tik Tok(抖音) が好調の ByteDance(字節跳動)短編動画アプリの Kuaishou(快手)か。
  • 中国のテック大手と言えば、これまで BAT(Baidu=百度、Alibaba=阿里巴巴、Tencent=騰訊)だったが、これからは TMD(Toutiao=今日頭条、Meituan-Dianping=美団点評、Didi=滴滴出行)にも注目。TMD は元々の基幹ビジネスをベースに、アプリをスーパーアプリ化してサービスを拡充しつつある。
  • AI は中国でもトレンド。特に、中国では、個人認識とサービスのパーソナライズ化の2つに用途は集約される。特に前者は、政府によって犯罪抑止や要注意人物の捕捉などに活用されるのが特徴的。
  • 5G が実装されるのは、世界的に見てもアジアで中国と韓国がかなり早いとされる。特に、広大な国土に広がる複数の大都市で 5G が実装されるのは中国が最初の市場となるため、5G ならではさまざまなユースケースが生まれることが期待される。
  • 欧米サービスのコピーキャットが多いとされてきた中国市場だが、現在では逆に中国のテクノロジーサービスが欧米にコピーされるようになりつつある。例えば、短編動画サービスや QR コード決済サービスは、欧米のテック大手が同様サービスをリリースしている。

DiDi(滴滴出行)のチーフセキュリティオフィサー(首席信息安全官)Zheng Bu(卜峥)氏は、Didi の世界展開の現状について報告。ここで面白い話が披露されていた。日本でも一部地域で DiDi が使えるようになっているが、基本的に DiDi が契約しているタクシーが配車される仕組みになっている。

日本のタクシー運転手は手袋をしているため、DiDi アプリで配車依頼に応じる操作ができないというわけだ。配車依頼が来てから手袋を外してスマホアプリを操作していたのでは間に合わない。そこで、DiDi では配車依頼の受託などを音声で操作できる機能を追加したのだという。この仕組みは日本以外に、オーストラリアでも導入される模様。

最後に、スウェーデンのロボティクススタートアップ Furhat Robotics が開発したソーシャルロボットが、AI やロボットをテーマとしたステージでは注目を集めていた。人の顔の形をしたオブジェクトに、内部から人の表情を投影する形で動作する。必要の都度、さまざまなアプリケーションをローディングすることで用途に合わせた動作をさせることができる。高齢者との対話、患者の事前問診やテレメディシン対応、言語習得などユースケースは多数。

----------[AD]----------

RISE 2019が香港で開幕、1日目のまとめ——中国テック企業の加勢、資生堂の世界展開、StartupsHK発足10周年など #RISEConf

SHARE:

本稿は、RISE 2019 の取材の一部である。過去の RISE に関する記事はこちらから。 今年もまた、香港のカンファレンス会場 HKCEC(香港会議展覽中心)で RISE が始まった。今年で5回目を迎える RISE だが、THE BRIDGE では初回から取り上げているので本稿での詳述は控えるが、1日目のラップアップを簡単にまとめる。9日現在の主催者発表による、今年の参加者人数の暫定値は16,…

本稿は、RISE 2019 の取材の一部である。過去の RISE に関する記事はこちらから。

今年もまた、香港のカンファレンス会場 HKCEC(香港会議展覽中心)で RISE が始まった。今年で5回目を迎える RISE だが、THE BRIDGE では初回から取り上げているので本稿での詳述は控えるが、1日目のラップアップを簡単にまとめる。9日現在の主催者発表による、今年の参加者人数の暫定値は16,000人超で、参加者の出身国は100カ国超。

Wired UK に、「18番目に影響力のあるヨーロッパ人」となった WebSummit / RISE の CEO Paddy Cosgrave 氏だが、今年は例年と異なり、RISE 本番3週間前にダブリンから香港入り。中国、韓国、日本などを巡り、各国のビジネスリーダー、起業家、ジャーナリストなどと会っていた。大阪で開催された G20 の前には、EU コミッションのメンバーとして通称「HIRAI Pitch」でお馴染みの IT 担当大臣の平井卓也氏と面会、今年11月にリスボンで開催される WebSummit への招待を伝えた。

Cosgrave 氏が RISE 前にアジアを巡って感じたのは、以前にも増して中国が加勢している実態だ。トランブ大統領による Huawei(華為)製品の調達禁止令(その後、G20 後に緩和)は、世界でテクノロジーを牽引してきたアメリカに代わり、それを中国のテック企業が本格的にリードするようになったことで、アメリカが事態を容認できなくなったことの表れ、と見ている。一方で政治の駆け引きとは裏腹に、中国の起業家は楽観的で、ほぼ政治の影響を受けずにテクノロジーやビジネスが前進しているとした。

なお、RISE には700社を超えるスタートアップがピッチ優勝や Startup ALPHA(展示ブース)への機会を賭けてエントリ、400人を超える投資家らが事前選考をしている。その中から投資家の視点から、最も求められるスタートアップ10社の名前が明らかになった。以下は主催者発表の情報をそのまま掲載する。

Axinan

Axinan is an InsurTech startup based out of Singapore with full-stack capabilities to create and distribute digital insurance products for the internet economy.

Blue Night/Albam

Albam is a payroll human capital management (HCM) service for SMBs based in Seoul who raised 2.5 million in a third round of Series A funding this year.

Kaodim Group Pte. Ltd.

Kaodim is an online service marketplace that helps our customers to find the right service providers for hire based in Selangor, Malaysia.

WOWBID

WOWBID is a live stream auction marketplace featuring unique products & services based in Dki Jakarta Indonesia. The company raised 5 million in seed funding in April of this year.

Apoidea Group

Apoidea Group is a technology company which focuses on identifying and presenting valuable business information. Based in Hong Kong.

AQUMON

Aqumon​ is an algorithm-driven, technology-based investment platform based on Hong Kong.

BUTLER

Butler is a hospitality and real estate management services company that helps to deliver greater convenience to people and businesses. They operate in Singapore.

Haulio

Haulio is the simplest & most reliable way for businesses to get their containers moved. Their slogan is Together, We Cargo Faster. They are based in Singapore.

Madeforgoods

madeforgoods is a SaaS solution for B2B packaged goods companies which was founded in Shanghai. They had a series A funding round in Feb of this year raising 3 million.

Saphron

Saphron aims to make insurance more accessible to everyone to propel financial inclusion through making the process of buying insurance simple convenient and fun. They operate in Manila, Philippines.

日本から登壇した資生堂 代表取締役社長兼 CEO の魚谷雅彦氏は、筆者の予想とは裏腹に、横浜に開設されたイノベーションセンター「S/PARK」の話にはあまり触れなかったのだが、グローバリゼーションへの対応に向け、社内公用語を英語にしたこと、上海に開発センターを構築したこと、パーソナライズファンデーション生産技術を持つアメリカのスタートアップ MATCHCo を買収したこと、IoT により気温や体調などに合わせて8万通りの中から最適スキンケアが受けられるサービス「Optune」などを紹介した。

会場に設けられた「PITCH」ステージでは、前述したスタートアップ700社の中から、事前選考を通過したスタートアップがピッチを続けた。日本からも数社がエントリしており、先ごろ、電通のアクセラレータプログラム「GRASSHOPPER」から輩出された、AI を使った価格変動の未来予測により、複数 OTA の中から最安のタイミングで最安の宿泊プランを教えてくれる「atta」がピッチしていた。atta は先週正式ローンチを発表している。

この日の夜には、会場を Sheung Wan(上環)に移して、香港の地元スタートアップコミュニティ「StartupsHK」の10周年記念イベントがあった。これまでの10年を振り返りながら次の10年を展望、StartupsHK は StartupGBA と名称を変更されることが発表された。

GBA とは Greater Bay Area、ひところ前の表現では珠江デルタ地域とも称されるが、香港〜マカオ〜広東省(広州、深圳、東莞など)を含む拡大経済圏のことで、このエリア全体で市場規模は人口7,000万人を超える。イベントでは、 Greater Bay Area での事業加速をステップに世界展開を図りたいレイターステージのスタートアップを対象としたスケーラレータ(アーリーを対象としたインキュベータ、アクセラレータとは対照的に)「GreaterBayX」が紹介された。

----------[AD]----------

香港RISE 2019開催まであと半月、主催者CEO Paddy Cosgrave氏に聞いた今年の見どころ——ピッチ参加などへのエントリは今週末まで

SHARE:

参加者数のべ7万人以上を集めるまでに成長したスタートアップ・カンファレンス WebSummit は、北米(トロント)では Collision、そして、アジア(香港)では RISE を開催している。 今年トロントで初めて開催された Collision(昨年までは、ニューオーリンズで開催されていた)が終わって1ヶ月足らずだが、早くも今年の RISE の日程が間近に迫りつつある。主催者 CEO である …

参加者数のべ7万人以上を集めるまでに成長したスタートアップ・カンファレンス WebSummit は、北米(トロント)では Collision、そして、アジア(香港)では RISE を開催している。

今年トロントで初めて開催された Collision(昨年までは、ニューオーリンズで開催されていた)が終わって1ヶ月足らずだが、早くも今年の RISE の日程が間近に迫りつつある。主催者 CEO である Paddy Cosgrave 氏に、今年の見どころを聞いた。

メインイベントを半月後に控え、イベント準備のため本社のあるダブリンから香港入りしたばかりの Cosgrave 氏は、「まだ時差ボケ中」と言いながらもいくつかの質問に答えてくれた。

WebSummit CEO の Paddy Cosgrave 氏(右)と、RISE Co-host の Casey Lau 氏(左) – RISE 2016 で撮影。
Image credit: Masaru Ikeda

もうアジア入りしてるんですね?

イベントの準備のためですね。それと、これからの数週間で、日本や韓国に訪問し、メディアの人たちとかに会って RISE のことをアピールする予定。

今年の RISE で新しいこと、大きなことは何だろう? 何か新たな試みはある?

アジアじゅうからユニコーンの起業家が来て、話してくれることですね。それから、これは後で話すけど Venture Stage という大企業とスタートアップとの連携(オープンイノベーション)に特化したステージも開設する。

ヨーロッパ発祥の WebSummit がアジアで RISE を開催するということは、ヨーロッパのスタートアップがやってきて、アジア市場で成功することにも貢献していると思う。RISE が始まって数年経過した今、これまでに何か好例はありますか?

いい体験をしたという話は聞くことはあるが、正直なところ、スタートアップにとっての成功は、各社さまざま。我々は機会を提供することはできるが、成功を保証するとかできないし、成功の定義も各社様々。そうでしょ?

今年は何人くらい参加する予定?

15,000人から16,000人くらい。昨年と同じくらい。参加を希望する人はもっといるのだが、会場(香港国際展覧中心)のキャパシティの問題から、それ以上増やせない事情がある。そんなこともあり、来年からは(7月ではなく)3月開催にする予定だ。

WebSummit はダブリンからリスボンへ、Collision はニューオーリンズからトロントへ移転したわけだけど、RISE は香港にとどまるの?

先ほども言ったのように、会場のキャパシティが参加者数をカバーしきれなくなっている課題があり、移転先も考えている。一つの可能性としては、香港国際空港近くにある Asia-World Expo とか、マカオとかも考えられる。日本の可能性もありますね。日本は素晴らしいロボティクスのスタートアップが多く生まれている地であり、そういう意味でも期待は大きい。

ともあれ、現在言えるのは、あと2年は香港で RISE を続け、2021年にどうするかを決断するということだ。アジアの他の場所で RISE を開催することになるかもしれない。

RISE 2018 の会場
Image credit: Masaru Ikeda

今年の RISE には、日本から資生堂 代表取締役社長兼 CEO の魚谷雅彦氏が登壇、同社が進めるスタートアップへの投資や買収、横浜に開設されたイノベーションセンター「S/PARK」などの話を披露する予定。資生堂はこれまで SXSW などでも社内開発やスタートアップとの協業で生み出されたサービスやアプリケーションを展示してきた。同様に RISE でデモ展示されるかどうかについては、「もちろん、展示できるといいのだけど、会場のキャパシティの都合上、チームが鋭意検討しているところ(Cosgrave 氏)」ということだった。

駆け出しスタートアップが無償でピッチ・コンペティションにエントリでき、審査をパスしたチームには RISE 会場内で展示ブースが提供される「Startup ALPHA」のプログラムも、まだ参加応募を受け付けている。Web サイト上には締切日は掲載されていないが、RISE チームによれば締切は今週末までということなので、この機会への参加を希望するスタートアップは早めのエントリをオススメする(Collision の拙稿では、Collision の Startup ALPHA に採択された HoloAsh を紹介した)。

----------[AD]----------

海外ECで購入した商品の国際転送サービスを展開する香港Buyandship、プレシリーズBラウンドでIVPなどから220万米ドルを調達

SHARE:

香港を拠点とする越境 EC 発送スタートアップ Buyandship は、既存投資家である Infinity Venture Partners(IVP)をリードインベスターとするプレシリーズ B ラウンドで220万米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドには、Buyandship の経営陣に加え、アジア特化の VC である SQ Capital と、名前非開示の複数の戦略的エンジェル投資家…

Slush Tokyo 2018 で PR TIMES 賞を受賞した Buyandship の CEO Wilson Chan 氏(右)
Image credit: Masaru Ikeda

香港を拠点とする越境 EC 発送スタートアップ Buyandship は、既存投資家である Infinity Venture Partners(IVP)をリードインベスターとするプレシリーズ B ラウンドで220万米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドには、Buyandship の経営陣に加え、アジア特化の VC である SQ Capital と、名前非開示の複数の戦略的エンジェル投資家も参加した。

調達した資金は、オペレーション効率の改善と市場拡大に使われる予定。

オペレーションに関しては、Buyandship は高度な倉庫自動化システム、ショッピング手順の単純化、ワンクリック購入ツールを採用し、同社の物流とショッピング体験を効率化する。市場拡大については、東南アジアで新市場を開発するほか、シンガポール、マレーシア、台湾、インド、アラブ首長国連邦(UAE)など既存市場でプレゼンスの強化を図る。

2014年に設立された Buyandship は、EC 顧客向けにグローバルな発送サービスを提供している。海外事業者からの国際発送や取引、製品、他で手に入らない品などの入手に、顧客は同社を選ぶことができる。顧客は同社に1ポンド(約450グラム)あたり最大で22香港ドル(約305円)を支払い、自宅か数百以上ある配達ポイントで荷物を受け取ることができる。

500 Kobe 2018 のデモデイでピッチする Buyandship CEO の Wilson Chan 氏
Image credit: Masaru Ikeda

現在は日本、韓国、中国、台湾、アメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリアで、荷物の受取代行と倉庫からの転送業務を行なっている。これらの倉庫から香港への定期便は週に一度の頻度で配送され、配送料は荷物の大きさではなく重さで決定される。

Buyandship は2017年中ほどにシリーズ A ラウンドをクローズし、中国、マカオ、台湾、日本、インド、マレーシア、シンガポール、UAE に進出した。ユーザは32万人以上。eBay、StockX、GLADD、Drop などの事業者とは、彼らのアジア進出の支援する提携を締結している。

OECD が発表した2018年の報告によると、アジアの EC 客は地元市場だけでなく海外ブランドから直接購入することを希望しており、これにより越境 B2C コマースは急速に成長しているとされる。アジアへの越境 EC は年平均でおよそ18.8%伸び、2021年までに取扱高は9,000億米ドルに達する見込み。中国からの需要だけでも、この金額の3分の2を占め、ベトナムやインドネシアはより高い成長率を見せることになるだろう。

Buyandship の共同創業者で CEO の Wilson Chan 氏は、アジアの EC 客は多くの場合、価格の違いから商品を選ぶ傾向にあると語った。

香港でダイソンの商品を小売店で買う場合4,000香港ドル(約55,300円)しますが、海外のオンラインストアからなら1,800香港ドル(約24,900円)で買えます。50%以上安くなる場合、顧客は自然に海外のストアから買いたがります。

我々の目標は、ユーザのための国境の無い国際的な EC ネットワークを作ることです。そうすることで、ユーザは Buyandship を通じて簡単かつ快適に、世界中から最高の掘り出し物の購入を楽しむことができます。最先端で進歩的な EC 物流サービスが必要なときに、Buyandship のことを思い出してくれるでしょう。

【via e27】 @E27co

【原文】

----------[AD]----------

新興市場向けスマートフィーチャーフォンOS開発のKaiOS、シリーズBラウンドで5,000万米ドルを調達——Cathay Innovation、Googleらから

SHARE:

スマートフィーチャーフォン用のオペレーティングシステム(OS)を製作している KaiOS Technologies は、この種の電話をより強力かつ手が届きやすいものにするという目標の達成に向け5,000万米ドルを調達した。 このラウンドをリードしたのは Cathay Innovation だったが、他にも Google や TCL Holdings といった以前からの投資家も参加した。Google…

KaiOS が搭載されたスマートフィーチャーフォン
Image credit: KaiOS

スマートフィーチャーフォン用のオペレーティングシステム(OS)を製作している KaiOS Technologies は、この種の電話をより強力かつ手が届きやすいものにするという目標の達成に向け5,000万米ドルを調達した。

このラウンドをリードしたのは Cathay Innovation だったが、他にも Google や TCL Holdings といった以前からの投資家も参加した。Google は昨年、KaiOS による2,200万米ドルのラウンドをリードしている

香港を拠点とする同社の、Linux をベースとする KaiOS は、フィーチャーフォンでスマートフォンのサービスが利用できるよう設計されている。さらに大きな目標は、新興市場で多くのユーザがインターネットを利用できる強力な OS を制作することだという。

KaiOS の CEO、Sebastien Codeville 氏は声明の中で次のように述べた。

当社の使命は、新興市場でネットに接続していない何十億という人々のモバイル接続を実現すること、そして確立された市場でスマートフォンの代替品を提供することで、個人、企業、社会に新たな可能性を開くことです。今回のシリーズ B ラウンドにより、こうした取り組みを加速させられるほか、世界中にあるさまざまな社会で、着実にフィーチャーフォンへの影響を拡大させることができます。

同社によると KaiOS は現在、100か国にある1億台超の電話で動作している。この OS を使えば、インドのモバイルネットワークオペレーター Jio が制作した高品質な4G フィーチャーフォン JioPhone などの低コストデバイスで WhatsApp といったサービスが利用できる

KaiOS では、今回獲得した資金を新たな市場に投入するほか、製品の研究開発に投資する計画がある。さらに多くのデベロッパーを同社のエコシステムに引き寄せる取り組みも拡大する予定だ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

香港のインシュアテックスタートアップOneDegree(寧宝金融)、シリーズAラウンドを拡張し総額3,000万米ドル超を調達

SHARE:

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 香港を本拠とするインシュアテックのスタートアップ OneDegree(寧宝金融)は、シリーズ A のセカンドトランシェを拡張し、総額で3,000万米ドル超を調達したと発表した。 同社…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


香港を本拠とするインシュアテックのスタートアップ OneDegree(寧宝金融)は、シリーズ A のセカンドトランシェを拡張し、総額で3,000万米ドル超を調達したと発表した。

同社声明によると、倉庫事業者 GLP が出資するフィンテック企業の BitRock Capital がシリーズ A2 ラウンドをリードした。Cyberport Macro Fund(數碼港投資創業基金)、Cathay Venture(国泰創投)ほか既存投資家も、このラウンドに参加した。

左から:共同創業者 兼 CEO の Alvin Kwock 氏と、共同創業者 兼 CIO の Alex Leung 氏
Image credit: OneDegree(寧宝金融)

<関連記事>

同社では、調達した資金をデジタルプラットフォームの迅速なスケール、 香港での新製品ローンチ、「大湾区」構想の一環としての成長機会追求に活用するとしている。

今年初めに中国政府により開始された「大湾区(Greater Bay Area)」構想は、香港、マカオ、中国南岸の9都市をインフラプロジェクトでつなぎ、この地域の交易を促進しようとする施策だ。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

----------[AD]----------