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香港VCのBrinc、欧州Blue Horizonとフードテックアクセラレータを設立——300万米ドル超を投資

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


香港を拠点とするアクセラレータ兼ベンチャーキャピタルの Brinc は、ヨーロッパのファンド Blue Horizon Ventures と提携し、世界のフードテックスタートアップに300万米ドル以上を投資する。

Image credit;: Brinc

Blue Horizon Ventures は、Brinc の新しいスケールアッププログラムを通じて投資を行い、アーリーステージのスタートアップが東南アジアや大中華圏全体で成長するのを支援するとのことだ。この国境を越えたプロジェクトは、シンガポールと香港で実施される予定だ。

Brinc は、シンガポールを選んだ理由として政府の支援と規制の枠組み、香港を選んだ理由として資本へのアクセスのしやすさと中国への近さを挙げている。

Brinc は、この新しいプログラムの3つの主要な目的を説明している。アジア太平洋地域におけるスタートアップの事業拡大とビジネスチャンスへの参入を支援するなどだ。また、Brinc は、シードステージのアクセラレータープログラムを卒業したばかりのスタートアップを支援し、テクノロジーを通じたグローバルなフードシステムのイノベーションを促進することも計画している。

このプログラムでは、スタートアップに対して、フードサイエンティスト、小売業者、製造・販売パートナー、施設やリソースなどへのアクセスを提供する。また、投資家、商業パートナー、業界の専門家、メンターなど、Brinc と Blue Horizon Ventures のネットワークにも接続してくれる。

また、Brinc と Blue Horizon Ventures は共同で、シードステージスタートアップに少なくとも25万米ドルの投資を行う。これにより、Brinc が香港で展開している自社フードテックアクセラレータや、LeverVC が支援する上海の代替タンパク質特化アクセラレータ China Alternative Protein を通じて投資された企業にも資本が拡大される。

2014年の設立以来、Brinc は200社以上の企業に投資してきたという。そのうち30社は、代替タンパク質や細胞農業などの上流技術に取り組むフードテック企業だ。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

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不動産管理会社のデジタル化支援「WealthPark」が約9億円を調達

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ピックアップ:不動産管理会社向けに、資産運用・管理プラットフォームアプリケーションを提供するWealthParkは8月5日、シリーズBにて総額9億700万円の資金調達を完了したと発表している。増資を引き受けたのはSBIインベストメント、みずほキャピタル、あおぞら銀行、日本政策金融公庫、個人としてMarcus Everard氏、Varun Bery氏、Water Cheung氏らとなっている。各社・…

Capture
WealthParkウェブサイト

ピックアップ:不動産管理会社向けに、資産運用・管理プラットフォームアプリケーションを提供するWealthParkは8月5日、シリーズBにて総額9億700万円の資金調達を完了したと発表している。増資を引き受けたのはSBIインベストメント、みずほキャピタル、あおぞら銀行、日本政策金融公庫、個人としてMarcus Everard氏、Varun Bery氏、Water Cheung氏らとなっている。各社・個人の出資比率等は非公開。

同社は不動産管理会社向けに業務効率化・管理支援ツールを提供する。4言語(日本語・英語・繁体字・簡体字)での利用が可能で、6か国・地域でサービスを展開している。同社は現在までに、70社を超える不動産管理会社と1万3,000名以上の不動産投資家に利用されている。

また、管理支援ツールに加え不動産管理会社・投資家間における取引のデジタル化にも注力しており、スイスのPriceHubble社との提携では「AI査定価格・査定賃料」機能を実装し不動産価値の可視化を実現した。今後は、金融機関との連携による電子取引利便性の向上や各種手続きの更なるオンライン化を計画してしているという。

via PR TIMES

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【詳細レポ】短時間でサービスデザイン思考を体験する方法ーーAR業界特化コミュニティ「AWE Nite Tokyo」がワークショップ開催

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8月29日、「AWE Nite Tokyo」主催によるARサービスデザイン・ワークショップが都内で開催された。「AWE Nite Tokyo」とはAR関連イベントを世界中で開催する団体「AWE Nite」の東京支部である。AWE Nite Tokyoは日本のARスタートアップ「Graffity」「MESON」「ENDROLL」の3社によって運営されている。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世…

8月29日、「AWE Nite Tokyo」主催によるARサービスデザイン・ワークショップが都内で開催された。「AWE Nite Tokyo」とはAR関連イベントを世界中で開催する団体「AWE Nite」の東京支部である。AWE Nite Tokyoは日本のARスタートアップ「Graffity」「MESON」「ENDROLL」の3社によって運営されている。

今回のワークショップはARユースケース開発企業「MESON」代表の梶谷健人氏のモデレートで進行し、同氏のグロースハッカーとしての知見も活かした、AR時代特有のサービスデザイン設計を共有する場となった。本記事ではイベントの様子をなるべく細かく伝えていき、AR界隈のみならず、あらゆる業界のスタートアップが利用できる新規事業アイデア設計手法を共有していきたい。

今回、5つのチームに分かれて空間的な情報操作・閲覧を可能にするAR・MRグラスが普及した「Spatial時代」における主要サービスをお題にサービスデザインを約2時間ほど行った。

空間情報を操作するデバイス「Spatial Computing」が切り拓く未来についての考察に興味があれば「Mirror WorldとSpatial Computingの時代」の記事を読むことを勧める。

まず最初に行われたのがチーム間の緊張を解くための自己紹介だ。ブレストをしながら短時間でサービスフローを考える上では柔軟な姿勢・思考が必須となってくる。しかし、人となりの知らないメンバーといきなりワークショップに移るのは難しい。

そこで最初にチームで取り組んだのがスマイルボールを使った自己紹介。黄色いボールを持った人が、過去1ヶ月以内にあったハッピーだったできことを1分ほどプレゼンをしてボールを回す。

ブレストでは主に「他人の意見を暖かく受け入れる」「コンパクトに発言する」「否定をしない」の3点が重要となってくる。この点、最初のワークでチームの雰囲気を盛り上げつつ、ブレストへ向かうための意識を自然な形でインストールする儀式のようなものがスマイルボール。

この手法は毎月、もしくは四半期毎に行う少しフォーマルなアイデア会議の場で非常に有効な手段であると感じる。スタートアップに限らず、あらゆる規模の企業がチーム全員合宿などで長期戦略のアイデアを練る際、アイデア促進を会議冒頭で促す有効手段だ。

さて、早速デザインワークショップに入っていくのだが、ARサービスデザインは基本的にWeb/アプリ開発の手法を基に進んでいく。具体的には「Garrettの5レイヤー」を用いる。「Spatial時代のサービスデザイン」と聞くと、思わず全く新しいデザイン手法があると勘違いするかもしれないがそうではない。

一番下の戦略レイヤーからアイデアの解像度を上げていく。順番としては「ユーザーゴール」「機能とコンテンツ」「ユーザーインタラクション」「各種機能の配置及びナビゲーション」「見た目や感じ方などのユーザー体験」でデザインをしていく。本ワークショップでは最後のユーザー体験デザイン以外のステップをこなしていった。

ここで既存手法と唯一違ってくるのが3つ目の「ユーザーインタラクション」と4つ目の「配置及びナビゲーション」のデザインである。私たちが使っているパソコンやスマートフォンは閉じられた世界、平面でのデザインをする必要しかなかった。しかしSpatial時代では空間すべてを利用する。

空間デザインを巧みに行うための専用のデザインツールを使う必要がある。そこで利用するのが「Reality Sequence」と「Reality Sketch」の2つのフレームワークだ。

Reality Sequenceはユーザーがサービスを利用する各シーン毎に体験を定義するデザインツール。

シーン別にユーザーがどのような情報に触れ、次のシーンにどのようなインタラクションをして進むのかを明示する。1つ1つのシーンをつなぎ合わせることでSpatialサービス体験が初めて定義される。今回のワークショップのゴールは、このReality Sequenceを作り終えて発表することであった。

時間の都合上触れることはなかったが、最終的にReality Sequenceに落とし込んだユーザー体験が、第三者視点でどのような空間で発生しているのかを書き出すのがReality Sketchである(詳細は「ARサービスにおけるワイヤーフレームのつくり方」や、「4つのキーワードから考えるARサービスのデザイン」の記事をご一読いただきたい)。

先述した2つのツールはSpatial時代のユーザーフロー設計をチームで共有することが大きな目的で作られたもの。Spatial時代であると限定されているが、小売やモビリティーを中心としたいわゆる「リアルビジネス」を行うスタートアップは十分に活用できるツールであると感じる。

Airbnbではユーザーストーリーをシーン毎に描き、その中で最もユーザーが感動するシーン「Moment of Truth」を定義している。このメソッドに通用するデザイン手法であると感じた。ちなみにAirbnbはユーザーがホスト宅の玄関扉を開けた瞬間の出迎えシーンをユーザー体験のピークであるとしている。

Reality Sequenceを作るために最初に行うのが「ユーザー課題」と「解決策」、「最終的にユーザーがどうなったのかを表すハッピーな状態」の3点。いきなり解決策は想像しづらいため、まずは課題とハッピーな状態を先に書き出してから、解決策を2ステップに分けて描く。合計4つのシーンに沿ってアイデアの土台を作る。

全員が1分ほどで自分のアイデアを発表したのち、「課題が明確」「解決策およびユーザーメリットが妥当である」という基準でシーン毎に投票していく。最終的に高い得点のシーンをつなぎ合わせてユーザー体験のシナリオを作っていく。

筆者のいたチームは「Spatial時代のSpotify」をお題にした。課題感として孤独を感じている人などのシーンが挙げられ、音楽を通じて家にいながらホログラム化した他者と交流・コラボレーションして心を満たすといったシチュエーション・アイデアが共有された。とにかく他人のアイデアを否定せず、量を出して発散させることが重要であったため、様々なアイデアが飛び交った。

一通り各メンバーによる発表が終わってから投票が始まる。投票結果を参考にしつつ、4つのシーンを暫定的に定義する。この際、シーンの流れがバラバラであっても構わない。とりあえずユーザー像をうっすらと決めてしまう。

スタートアップを始めたい人で、最初のユーザーを探し当てるためにアイデアをいろんな人に聞きながら探っている手法をとっている人を見かける。もちろん間違いではないだろうが、短時間にユーザーを定義してしまってからユーザー探索に出かけるほうが効率的かもしれないと感じたワークであった。

次のワークでは、一旦定義した4つのシーンに基づいて必須機能を洗い出す。ここで重要となるのが「ユーザーは〇〇ができる」というように、ユーザー主語で機能をブレストしていくことにある。機能を考えていくと、どうしても技術的な視点で考えてアイデアが限定されてしまい、突飛なアイデアが出づらくなってしまう場合もあるので、ユーザーメリットを軸に機能を考えていく。

このワークでも最終的に投票で機能を絞り込んでいく。ここまで来るとサービスの全体像がうっすらと見えてくる。どのシーンでどんな機能を提供して、ユーザーはどのようなことができるのかがチーム全員で理解できる段階にやってくる。

今回はラフな機能定義で終わったが、本来はシーン毎に「ユーザー心理/欲求」「具体的な行動」の2つを定義。それに基づいて機能アイデアを出し合い、優先度をつけてアップデートする度に高い優先度の機能から実装していく手法を採る。

 

ここまで約90分ほどの時間を費やして「ユーザーゴール」「機能とコンテンツ」の定義づけが終わった。最後は前述したReality Sequenceを描いていく。各メンバーが1つのシーンを描き、一つにつなぎ合わせて空間上で行われるユーザーインタラクションの意識を合わせていく。

描写をする際に最も難しい点が具体的なシチュエーションを選び出すところだ。ざっくりとしたユーザー課題や解決策、必要な機能を洗い出したが、どのような現実のシチュエーションで使うかは詰めきれていない。ここを各メンバーが思い浮かべながら行うことになる。

実際にスタートアップの現場で同じ手法を試す場合は、ここでいくつかのUsed Caseをブレスト形式で複数作り上げ、最も利用頻度の高いシナリオに沿ってサービスデザインを昇華させていくことになるだろう。

筆者のチームでは「1. AR/MRグラス越しに生活情報を自動で解析」「2. ユーザーの今の気分がオーラ色として体を覆うように表示される」「3. 色に応じた音楽プレイリスト空間を選択」「4. 選択したARソーシャル空間に没入しながらARアバターとして登場する他人と一緒に音楽を楽しめる」といったSpatial時代のSpotifyアイデアを突貫で作り切った。ターゲットは仕事場で疲れて帰ってきて、自宅で誰かと音楽を楽しみたいサラリーマンと暫定で定義した。

選ばれた班の発表が終わると同時にワークショップはラップアップへ。最後にモデレーターの梶谷氏からSpatial時代におけるデザイン思考の重要性が語られた。

Spatial時代はこれからやってくる5〜10年後の世界であることは間違いない。だからといって、現在使われているデザインフレームワークが使えないというわけでは全くない。空間体験をデザインしきるには様々なアプローチが必要。そこで適切なデザインメソッドを使いながら具体化させていく必要性を共有された。こうした考えを総じて「Spatial Experience Design」と呼ぶとのこと。

プレゼンはここまでで終わったが、梶谷氏が執筆した各ブログ記事の要素はサービスデザインにおいて大切なので付け加えておきたい。

ワークショップを通じて1つのアイデアを形作ったが、事業に落とし込む際にはさらに2つの基準でアイデアを選択・磨き上げる必要が出てくるという。それはサービス自体の価値を示す「意義」と、ARである必要性を問う「意味」である。この点は「ARサービスのコンセプトデザイン | 意義と意味のデザインについて」の記事に詳しく載っている。

意義の有無を確かめるには従来のサービス開発の手法とさほど変わらない。ユーザー課題と、それに対する適切なソリューションの提供、ビジネスモデルとして成立するかなどの基本要素を満たせるかが評価要素となる。

基本的にビジネスモデルを成り立たせるためのUnit Economicsなどの指標はユーザーが集まってからでないと測れないため、立ち上げ当初はユーザー課題探索がメインとなるだろう。この点は関連記事「ARサービスを0から企画・開発していく際のチェックシート」が役立つため参考にすると良いだろう。

意味に関しては、ARだからこそできる要素に注目すると良い。具体的には5つの「超越」と梶谷氏は定義する。「O/Oの超越」「知覚の超越」「距離の超越」「 時間の超越」「規模の超越」が挙げられる。

平たく言えば空間とのインタラクションができるようになった世界で、既存の概念がどのように変わるかを考えると意味の有無を確認できるだろう。各定義の詳細や考え方は「スマホの次の波であるARの本質的インパクト」や「未来から逆算するアイデア」の記事に書かれている。

ここまでARサービスデザインのフローを説明してきた。個人的には荒削りながらもサービスアイデアを短時間で完成させるまでに至るまでのメソッドを知れて非常に満足のいくイベントであった。核となるサービスデザイン思考はAR市場以外のスタートアップも十分に取り入れるだろうとも感じた。チームの士気を上げ、効率的に、かつ前向きにサービス開発を行っていく雰囲気をここまで説明したやり方をなぞれば再現できるはずなので、ぜひ挑戦してもらいたいと思う。

本ワークショップのスライドはこちらに、ARサービスデザイン手法をより網羅的に知りたい方は「ARにおけるサービスデザイン完全解説」の記事を参考にしていただきたい。

※情報開示:筆者は登壇者である梶谷氏のスタートアップ「MESON」と業務において契約関係にあります。なお、本記事執筆にあたり一切の金銭授与はありません。

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Facebookの描くマスタープランーー私たちに馴染みのある「ウェブ」が葬られる?

Armando Biondi氏はFacebook広告の最適化を手がけるSaasソリューション企業AdEspressoの共同設立者兼COOである。彼は過去に5つのテック/非テック企業を共同で設立している。また、Mattermarkをはじめとする30以上の企業のエンジェル投資家であり、500 Startupsネットワークに所属している。 昨年の今頃、筆者はFacebookがGoogleを葬り、世界で2…

Armando Biondi氏はFacebook広告の最適化を手がけるSaasソリューション企業AdEspressoの共同設立者兼COOである。彼は過去に5つのテック/非テック企業を共同で設立している。また、Mattermarkをはじめとする30以上の企業のエンジェル投資家であり、500 Startupsネットワークに所属している。

Image Credit: Facebook
Image Credit: Facebook

昨年の今頃、筆者はFacebookがGoogleを葬り、世界で2番目の1兆ドル企業に成長する秘密のプランが進行中であると書いた。これは多くの議論を呼んだ。しかし筆者は間違っていた。Facebookのプランは実際には、それよりはるかに遠大だ。

今週キャンディクラッシュを72時間ぶっ通しでプレイでもしていた人でなければ、Mark Zuckerberg氏のF8(Facebookの開発者カンファレンス)におけるキーノートスピーチでその一端を垣間見たはずである。また、発表された内容についての記事などメディアカバレッジも多く目にしたことだろう。

ただ、これらのアナウンスが実際に人々と世界にとってどのような意味を持つのかは読み取れなかったかもしれない。なので、点と点を線で結んでみよう。

あらかじめ断っておきたいが、筆者はFacebookのマーケティングパートナーであるAdEspressoの共同設立者兼COOであり、当社は未公開情報へのアクセス権を持ってはいる。だが、この文章にはいかなる未公開情報も含まれてはいない。

10年戦略

10-year-roadmap
上記の写真のスライドを見た人も多いだろう。これは、私たちの世代で最も興味深い企業の長期的な考え方を垣間見られるという意味で、非常に意義深いものである。

さらにわくわくさせてくれるのは、Facebookが関連するほとんどの分野でたやすく勝利を収めるために同社がこれまで使ってきたシナリオを明らかにしている3段階の戦法だ。1)インフラを構築し、2)その上に製品/サービスを構築し、3)それを取り巻くエコシステムを構築する。以上。

具体的には、製品について言えば、Facebookは10億人にインパクトを与える「モノ」について語っている。スライドの真ん中のエリアを見てみれば、Facebook Groupsは10億近いユーザ数を持ち、Facebook Messengerも10億近いユーザ数、WhatsAppも同様である。メインのFacebookアプリがもちろんそれをはるかに上回っているのは言うまでもない。

ここには語られていないつながりがあり、F8イベントの期間中にささやかれていたが公には語られなかったことがある。欧米の他のどのソーシャルネットワークも10億ユーザーは獲得していないということだ。

PinterestもSnapchatもほど遠い(いずれもつい最近、1億人の月間アクティブユーザ数を達成した)。Twitterでさえ届いていない(同社はおよそ8億人の「ログインしない」ユーザとおよそ5億人の「ログインする」ユーザ数を公称している)。

それによる語られない巨大な影響とは? Facebook以外の大手ソーシャルネットワークを総計しても、Facebookのひとつの製品のリーチにすら届かないのである。当面、これを深く心にとどめておこう。つまり、人間の行動に根本的な変化が起きない限り(知ってのとおり、数世紀にわたって変わったことはないが)、Facebookはソーシャルメディアのレースに勝ったということだ。

social-race

シェア争いをしているライバルたちにとって、単に「別のユースケース」であるだけでは不十分であり、Facebookがそれを真似できない理由が必要である。なぜなら、今のFacebookには巨大なスケールと野望、そして決断力があるからだ。もし新しいユースケースを防御できなければ、Facebookがそれをコピーするだけである。

これは実際に、「ライブビデオ」の導入(Meerkat、Periscopeがやっていること)、MSQRDの買収による画像とビデオのパーソナライゼーション(Shapchatがやっている)などで見られたことだ。フェアかどうかと聞かれれば、ノーだ。しかし、ビジネスはフェアプレイではなく、勝負である。

コンシューマ視点

したがって、Facebookの課題は競合の存在をどう防ぐかではなくなってきている。もはやそういう段階ではない。Facebookに問うべきことは、どんな新しいユースケースが出現しても実装して吸収してしまえるようレベルにまで、どのように成長を続けることができるのかということだ。その答えは、世界中で中国を除くほぼ全員がFacebookに接続している状況なので、より多くの人をつなげることである。それをやり遂げてしまったら、つながっているときにできることをより多く提供すること。つまり注目を集める経済システムである。

これが、Facebookがレーザやドローン、飛行機について、また革新的5Gネットワーク技術を社会貢献のために提供しようとしていることについて語っている理由である。より多くの人をつなげるということなのだ。

また、Facebookがバーチャルリアリティ、インスタント記事、ライブビデオAPIについて語っている理由でもある。人々がつながったときにできることをより多く提供することである。理解していない人もいるが、大多数の人にとって、Facebookはすでにインターネットへのアクセスの入り口であり出口なのだ。とりわけ、モバイルではそうだ。

ビジネスの視点

ここからが本当に面白いところである。ここはまた、メッセージングが本領を発揮するところだ。確かに人工知能やボットは面白いが、本当のゴールは、またもFacebookのスケールメリットを活用し、メッセージングアプリを最も簡単で早いコミュニケーション手段として確立することである。

もはや他人とだけではなく、アルゴリズムや企業とのコミュニケーションでもある。これは通常、以下のような2つの場面だけで使いたいものだ。A)企業から何かを買いたいとき、B)すでに何か買ったあと、である。

全容が見えてきただろうか? Facebookは効果的な広告チャネルとしてすでに数十億ドルを稼ぎ出し、Googleの競争相手たりえる唯一の代替として確立している。この両面戦略の実行により、Facebookは効果的なeコマースチャネルかつ効果的なコミュニケーションチャネルになっている。具体的には、同社はマーケティングファネルの全域、セールスとポストセールスまで含んだ分野をカバーすることになり、Facebookがそれをやり遂げることができれば、まったく新しい世界の幕開けとなるだろう。

マスタープラン

同社のプランを完成させるもの、そして最重要の要素がある。Facebookは企業ページの数について何度も繰り返し語ってきた。現在5000万である。なぜそれが重要なのか?

理由はこうだ。もし広告、セールス、サポートすべてがFacebook上で行われ、その中心が企業のFacegookページなのであれば、企業として自社のウェブページを持つ必要があるだろうか? ないだろう。また、自社のウェブページを立ち上げることはいまだに一苦労だが、Facebookの企業ページを持つことはきわめて簡単である。

効率、利便性、スピードは、テクノロジーと人間の行動において最大の理由付けになる。どんなレベルであっても厄介さを取り除けば、集客力は一段階上がるものだ。Facebookがそれをさらっとやってのければ、それはもはや必要不可欠なほどパワフルになる。情報ベースのウェブでなく、人のつながりをベースにしたウェブになるのだ。これはとてもわかりやすい。ウェブページは大昔からあるようにも思えるが、最初に作られたのは1991年8月6日である。25年にも満たない過去のことである。それを考えてみれば明らかだ。

いま私たちが知っているウェブは、単に例外だったのかもしれず、まったく異なる方向に行くはずだったものが最初に回り道をしただけなのかもしれない。数年たてば、ウェブは公的なものではなく民間のものになっているかもしれない。おそろしい? 必ずしもおそろしくはない。確かに言えるのは、とても興味深い状況になるだろうということだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
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ARやVRが私たちの生活に与えるインパクトは過小評価されているーーその理由は?

Matthew Szymczyk氏はZugaraのCEOである。 ここ数ヶ月、Goldman Sachs、Digi-Capital、ABI Researchの各社が拡張現実(AR)と仮想現実(VR)の市場予測レポートを発表した。予想される将来の市場規模はGoldman Sachsが最も控えめな800億米ドル、Digi-Capitalが最も大きく1200億米ドルである。 ニュースレターの購読 注目す…

Matthew Szymczyk氏はZugaraのCEOである。

Above: A still-shot from the 2014 Dezeen YouTube video "The Future of Augmented Reality".
上: 2014年のDezeenのYouTube動画 “The Future of Augmented Reality”より

ここ数ヶ月、Goldman SachsDigi-CapitalABI Researchの各社が拡張現実(AR)と仮想現実(VR)の市場予測レポートを発表した。予想される将来の市場規模はGoldman Sachsが最も控えめな800億米ドル、Digi-Capitalが最も大きく1200億米ドルである。

私はと言えば、最大の予想をしたDigi-Capitalに近い。このテーマをできる限り客観的に見ると(拡張現実企業のCEOとしてではあるが)、ほとんどのアナリストは拡張現実と仮想現実が実際に影響を及ぼす分野に関して、木を見て森を見ていないと思われる。

私が最も馴染みのあるリテール業界について見てみよう。Goldman Sachsはこの市場について、 拡張現実と仮想現実のソフトウェア市場のベストケースシナリオとして2025年までに16億米ドルになると予測した。これに対しDigi-Capitalがリリースした図によると、拡張現実のコマースだけで2020年までに100~200億米ドルに達する見通しのようだ。私がDigi-Capital予測の肩を持つのは、拡張現実(そしてある程度は仮想現実も)がリテール・パーチェスファネルに影響を与える分野が実にたくさんあるからだ。

リテール・パーチェスファネルの概念に馴染みのない方のために説明すると、これは最終的な購入に至るまでの各段階が含まれている。段階には商品の発見・認知、検討、試行、決定、購入、維持が含まれる。拡張現実はこれら全段階にそれぞれ影響を及ぼす。以下、最も控えめな予測をしたGoldman Sachsの予測が見過ごしている4つの主要分野を取り上げてみた。

1. 商品の発見と販売に向けた促進
モバイル端末で使用される拡張現実は、潜在的な消費者の目をバーチャルな販売商品に向かわせてくれる。ジオロケーションも活用すれば、ジオフェンスされたエリアでARのコンテンツを有効にできるほか、店舗固有のエリアをジオフェンスに設定することもできる(その過程で顧客を店舗に誘導できる)。例えば、小売店やブランド店はモバイル購買客に対し、特定の場所で拡張された視界を持つ環境でバーチャルなポップアップストアを設置することができる。買う側は携帯端末から品物を直接購入したり、売る側は店舗内で顧客の来店を待つこともできる。

2. バーチャル商品の試行とパーソナライゼーション
バーチャル試着室の技術がここでは鍵となる。ここではモバイルからディスプレイされる同期が、消費者にとってのパーソナル買い物アドバイザーの役割を持つ。1つの事例として、バーチャルで試してみたい商品を認証するためにディスプレイを使い、ビーコンで可動するタブレットやスマートフォンが使用される。消費者はこのディスプレイか自分の携帯端末から直接商品を購入できる。

3. 進化した生体測定とARコンテンツのデータ
これが、リテール業界における拡張現実に関して、アナリストが過小評価している、または見落としている分野だ。Kinectなどの3Dカメラは生体測定データのほかにも肌の色、髪の色、体型といった消費者の身体的な属性を捉えることができる。このデータは2倍の利用価値がある。まず消費者は、特定の商品に対しどのような反応をするかという情報に基づき、個人的なレコメンド情報を入手するのにこのデータを利用したり、同じような身体的特徴を持つ人から導き出されたレコメンド情報を入手できる。

次に小売店は、生体測定データに基づき商品のリアルタイムなフィードバック情報を受け取れる。ここ数年、商品を提供する際、消費者の動きや感情を認識するのにCoca Colaなどのブランド企業が利用しているインタラクティブ自動販売機が人気の手段となっている。MITの研究者たちも、消費者が商品を見ている時にその生体反応を評価すべく、カメラで脈拍を検知する取り組みを進めている。

4. ARオブジェクトと買い手のパーソナルプロフィール
小売店は私が述べた2つの機能(バーチャル商品の試行とパーソナライゼーション、生体測定とARコンテンツデータ)を組み合わせて、より進化したARソーシャルショッピングの体験を提供できる。友人とバーチャルな店で一緒に買い物をするのにどこでもつながることができ、自分仕様のレコメンド情報を受け取れる。小売店もまた、拡張現実のeコマース体験をスタイリストと共に高めることができる。スタイリストはリアルタイムで消費者とつながっており、バーチャルな品物を閲覧、お勧めしたりできる。

以上、アパレルやアクセサリー周りのリテール・パーチェスファネルについて、4つの特定分野を取り上げた。ARを小売ディスプレイスタンドとして配置したり、さらにはスーパーで商品を検討、購入してもらうために3Dカメラを備えたモバイル拡張現実を使用したりするなど、さらに深層に入り込めるリテール分野は他にもたくさんある。

この分野の中には、リテール現場で採用されるのにより現実的なものもある。2020~2025年頃までにこれらすべての拡張現実分野がリテール購買体験を根本的に変えてしまっているだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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理想の仕事を手に入れるための方法(仮に君にその応募資格がないとしても)

Raghav Haranさんによる寄稿記事です。マーケッターで起業家。著名なテクノロジー起業家やニューヨーク・タイムズのベストセラー作家、またトップクラスの企業との仕事を経て、Land Any Job You Wantを創業。意欲的な人が仕事に就く後押しをしています。Twitter アカウントは、@RaghavHaran。メルマガには、ここで登録できます。本記事は、Mediumへの投稿記事を許可を…

Raghav-HaranRaghav Haranさんによる寄稿記事です。マーケッターで起業家。著名なテクノロジー起業家やニューヨーク・タイムズのベストセラー作家、またトップクラスの企業との仕事を経て、Land Any Job You Wantを創業。意欲的な人が仕事に就く後押しをしています。Twitter アカウントは、@RaghavHaran。メルマガには、ここで登録できます。本記事は、Mediumへの投稿記事を許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。


Hire-Me

ニューヨーカーを3通りで説明するとするなら、僕はこう説明すると思う:

  1. 観光客が大嫌い
  2. ニューヨーク以外の都市を嫌う
  3. みんなルックスがいい

3つ目は、単に僕が南西部出身だから感じることかもしれない。でも、僕にとってNYCの人たちは全員ジムに通っているように見える。

僕は過去に何度も身体を鍛えようと試みてきたが、それは実現しなかった。でも、彼らの引き締まった身体に囲まれているうちに、もう一度挑戦してみる気になった。

でも、これまでとは違う方法を試したかった。そこで昨年の夏、僕はNYCでパーソナルトレーナーを雇うことにした。

僕がNYを恋しく思う理由だ。エンパイア・ステート・ビルディングではない。それは、Equinox gymだ。
僕がNYを恋しく思う理由。それは、エンパイア・ステート・ビルディングではない。Equinox gymだ。

その結果に僕は大満足だった。あまりにも満足したため、NYCから地元に戻った後も新しいトレーナーを見つけようかと考えたほどだ。

NYCで世話になったトレーナーに相談してみると、彼からこう質問された。「筋力トレーニングとか栄養学の資格を持っている人がいいでしょうか?」。

僕には、その答えが検討すらつかなかった。

身体を鍛えようとしている人の中に、「筋力をつけたい。栄養学と筋力トレーニングの資格を持った人に相談したい」なんて言う人がどれだけいるだろう。

そんなことを言うのは、実際にその華やかな資格を持っている当人だけじゃないだろうか。

買い手はそんなことを気にしちゃいない。

彼らはただ、鍛え上げた身体をしている人を見つけて、どんな運動をしているのか?と聞くだけだ。

・   ・   ・

だいぶ前に、スタートアップのインターンシップの職に応募した。履歴書の出来は良かったし、その企業の担当者は僕がいい大学に通っていることも知っていた。僕は、当然のようにオファーが出るものだと思っていた。

でも、その企業から連絡が来ることはなかった。

後になって、その企業が聞いたこともないような無名のコミュニティカレッジに通う学生を雇ったことを知った。彼のほうが経験があったかというと、そういうわけでもなかった。

どうしたらこんなことが起こりえるのだろう?

採用候補者を探す企業の担当者より、むしろ、仕事に応募する人間のほうが、自分の「成績」を気にする。

これは、僕たちの直感に反する事実だ。

一般的な応募者は、良い成績や資格などを得て、紙の上で”十分に資格がある” ことを証明することに躍起になる。

でも、その舞台裏で、企業は全く異なるゲームをプレイしている。彼らは、自分たちの課題を解決してくれる人材を探すことに捉われているからだ。

閉ざされたドアの向こうで起きていること

成績の証明書や、紙に綴ることのできる資格が物を言う業界もある。主にアカデミックな領域、例えば、医学や法律などの業界がそれに当たる。でも、多くの業界の職務要件には、君が驚くほど交渉の余地が残されている。

企業には、ひとつのポジションに対して100件を超える応募が集まることがある。その膨大な量を処理できる数字にするためには、候補者を除外する何かしらの方法が必要になる。「大学院の学位が必要」「5年以上の経験が必要」などと記載することが、それを実施する最良の方法なのだ。

彼らは、「右も左もわからない応募者の書類に目を通すのは勘弁してほしい。5年以上経験がある人間なら、この仕事をこなすことができるだろう」と考えている。

でも、彼らが抱える課題を解決できるということを証明できれば、君は瞬時に自分を非コモディティ化することができる。そうすれば、紙の上に書いてあることは大した意味を持たなくなる。

これはまさに僕自身が、修士号、MBA、学んだことがない教科の学位、より豊富な経験などが必須だとされる仕事で、面接に進み、採用されてきた方法だ。

では、君が彼らの課題を解決できることをどうやって証明するのか?

採用される前に、その仕事をやってしまうことだ。

僕はこれを「プレ・インタビュープロジェクト」と呼んでいる。

例えば、営業やマーケティングの職に応募しているなら、プレ・インタビュープロジェクトとして、その企業の製品を実際に販売し、それをドキュメントにまとめることができる。デザイン関連の仕事に応募しているなら、その企業のために新しいデザインのモックアップを作成して、そのデザインの理由や背景を説明することができる。

今日は、実例を交えながら、プレ・インタビュープロジェクトの選び方、それを企業の誰に送るのか、また快く受け止めてもらうためのEメールの構成(サンプルも共有する)について教えようと思う。

では、始めよう。

ステップ1:仕事の的を絞る

履歴書をひたすら送るよりは大変なプロセスだが、その分、効果もある。

みんなが、まるでスパムのように企業に履歴書を送りつけて、かろうじて数回の面接にこぎつけている間に、君は一握りの仕事に絞ってそれをすべて獲得することができる。

まず最初に、求人サイトに行って就きたい仕事を3〜5つだけ選ぶ。

募集要件に目を通している時に覚えておくと良いルールがある:

  • 経験年数が数年足りないくらいなら大丈夫。大学を卒業したばかりで、7〜10年の経験を要するシニアレベルの仕事を選ぶべきじゃない。でも、1年の経験年数しかなくても、3〜5年の経験を要する仕事は対象になる。
  • 学歴が少し満たないくらいなのも問題ない。もちろん、全くかけ離れているのはNGだ。例えば、僕は大学院には行ったことがないが、MBAや修士学位が必須とある仕事やインターンの面接を受けたことはある。でも、博士号を必須とする仕事は僕の手には届かない。
  • 求められている仕事を、君が実際にこなせること。成績や資格などの証明は必要ないかもしれないが、当然、結果を出すために必要なスキルは持っていなければいけない。

3〜5の仕事に絞ったら、ステップ2に進もう。

ステップ2:やることになる仕事内容を大まかにまとめる

その仕事に就いた時、君が毎日やることになる実務ついて理解を深めよう。これによって、君がその職に適していることを証明するためのプレ・インタビュープロジェクトの内容を定めることができる。

仕事内容を書き出すために必要なのは、職務概要だけだ。

その中でも、すぐにでも着手できる日々のタスクに注目しよう。例えば、チャーン分析はすぐにはできない(そのためには十分な内部情報が必要だからだ)。でも、「地元企業とパートナーシップを結ぶ」ことは、今会社に勤めていなくても手伝うことができる。

ステップ3:一社ごとにプレ・インタビュープロジェクトを実施する

これで、企業が君に期待する仕事内容が把握できた。今度は、それを事前にやってしまうことで、君に彼らの課題を解決する能力があることを証明できる。

Kiipのビジネス開発のポジションに応募した時は、複数企業に対してKiipとパートナーシップを結ぶようにと営業しに行った。そして、見込みがある企業をビジネス開発部に紹介した。その結果、僕は無事に採用されることができた。

プロダクト開発の仕事に応募した時は、その企業のプロダクトの簡単なユーザービリティテストを実施した。そのプロセスをドキュメントにまとめ、デザインチームに対して、その結果に基づいたデザインを提案した。これは、Airbnbに応募した時に実際にやったことだ。

こんな風にプレ・インタビューをやることで、Quoraのようなメジャーなテクノロジー企業の面接に進むことができた。また、Shutterstockは、僕のために新しいポジションまで用意してくれた。

僕の友人のFrancine Leeは、Dropboxに応募した際に、僕と似たようなこと(でももっと深堀されている)を実施して採用されている。

Francineは、Dropboxの写真についてユーザビリティテストを実施して、その内容をMediumにまとめている。
Francineは、Dropboxの写真についてユーザビリティテストを実施して、その内容をMediumにまとめている。

David Rogierは、Evernoteのプロダクトマネージメントの仕事に就きたかった。彼は、23人の顧客をインタビューし、プロダクトを改善する方法について10枚のスライドにまとめた。彼は、それをCEOにメールした。30分後にはCEOから返事が届き、面接が決まった。

プレ・インタビューのプロジェクトをやることで、君は他者より目立つことになる。鍵を握るのは、ハードワークだ。だからこそ、ほとんどの人はこれをやらずにただ履歴書を送るだけで終わる。

ステップ4:担当者にプロジェクトを送る

次に、君の仕事にきちんと目が止まるように、企業内のプロジェクトを送る相手を見つけなければいけない。

応募する企業が小規模なら、それは簡単だ。君が面接を受ける部門の責任者、またCEOに送るという手もある。大概の人は、直接連絡がつく個人のWebサイトなどを持っている。それが存在しないなら、彼らの会社のEメールアドレスを当てることも難しくないはずだ(名前.苗字@company.com または それに近いものが多い)。

これが、メールテンプレートのサンプルだ:

◯◯さま、

私は [氏名] と申します。あなたが、[職種やポジション]を募集しているのを拝見し、関心を持ちました。僕の意志、また僕が御社に提供できる価値を上手く伝えるために、[プレ・インタビュープロジェクトの的確な説明]することが役に立つのではないかと考えました。

[プロジェクトを提示するーデザイン案など文字で書いたものなら、画像やリンクを貼る。パートナーシップ交渉を実施したなら、メールをしている相手にそれらの企業に関心があるかを尋ねる、などなど]

私は、[今回応募する仕事に関連する自分のバックグラウンドや経験を2〜3行で説明する]です。

この度は、お時間を頂戴し、どうもありがとうございます。次のステップについて、お返事をお待ちしております。

[氏名]

企業がマイクロソフトやアマゾンのような大企業の場合、もう少し厄介になる。同じ部署内の人間がお互いを知っているとは限らない(君のドキュメントが適切な人に渡らない可能性がある)。この場合、面接の日程が決まるまで待つといい。その後、プロジェクトを実施して、面接当日までにそれを関係する相手全員に送っておく。ここで使えるサンプルはこんな感じだ:

◯◯さま、

[やりとりしている従業員の氏名] から、[職種やポジション]の面接の一貫として、次はあなたに面接していただく予定であると伺いました。

[プロジェクトをここで提示(リンクを貼り、ポテンシャルパートナーへの紹介を望むかどうかなどを記載する)]

面接当日、より詳細にお話しすることも可能ですので、あらかじめお送りしておきます。

[氏名]

これを実行するたびに、インタビューはぐんとスムーズに進むようになる。そして、その大半で僕はオファーを受けている。君は、こう言うかもしれない。

「でも、これは僕の専門分野では通用しないよ。僕の専門分野は違うんだ!」

違わない。

それは、これが人間としての自然な行為だからだ。人はいつだって自分が抱える課題を解決したい。だから、それを解決してくれる「かも」しれない人より、すでに解決に取り組んでいる人を採用する可能性のほうが高い。

試してみればいい。きっと効果があるだろう。

仮に、君が企業のためにプロジェクトを実施して、それに対して何の反応もないのなら、それはその企業文化について多くのことを物語っていると思う。果たしてそんな企業で本当に働きたいのかどうかを再考するきっかけになる。

これは、ウィン・ウィンなんだ。

(翻訳:三橋ゆか里)

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価値あるボットをつくるためのゴールデンルールとは?

Christine Deakers氏はデータ分析会社Mixpanelのマーケティング部に勤めており、成長するチャットボットムーブメントを研究している。 F8の壇上に颯爽と現れたMark Zuckerberg氏は、チャットボットを発表した。チャットボットは今まさに盛り上がりつつある。軽やかな足取りでチャットボットをF8の場で発表した。これらは実現に向けて動いている。Facebookの新しいメッセンジ…

Christine Deakers氏はデータ分析会社Mixpanelのマーケティング部に勤めており、成長するチャットボットムーブメントを研究している。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Logan Ingalls“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

F8の壇上に颯爽と現れたMark Zuckerberg氏は、チャットボットを発表した。チャットボットは今まさに盛り上がりつつある。軽やかな足取りでチャットボットをF8の場で発表した。これらは実現に向けて動いている。Facebookの新しいメッセンジャープラットフォームにおける主なツールとしてチャットボットを使えば、顧客向けにパーソナライズされたコミュニケーションと顧客との取引が可能になる。

Facebookはチャットボットの世界で最新最大の取り組みを行っている。SlackやKikが登場して久しいが、Facebookの参入はチャットボットの必然性を示唆するものだ。

約18ヶ月前にボットをローンチした最初のプラットフォームの一つKikは、チャットボットの成功に何が必要かを探るため、デベロッパーやプロジェクトマネージャーと協働してきた。

「メッセンジャーアプリがソーシャルネットワークを凌ぐ世界では、企業はこの新しい領域でデジタルなプレゼンスを拡大していかなければいけません」とKikのデベロッパーエバンジェリストIvar Chan氏は語った。「多くのプロダクトはまだ、メッセンジャーボットがいかにエンゲージメント率、コミュニティ、強力な配信チャネルの構築を促進させるか、十分に気づいているとはいえません」

そのように考えるのはIvar氏だけではない。グロースとプロダクトの専門家たちはこの領域について、同じように考えている。UberのAndrew Chen氏は2月のインタビューでこう語った。「メッセージングがモバイルアプリ配信において次世代プラットフォームを作り出すと思います。」

ボットの魔法とはつまり、摩擦を減らすことである。ボットを使えば欲しいものを手に入れる時間を短くできる。ジョーク、ニュース、テイクアウトの注文や最新の分析報告書のメトリック、なんであろうと。

しかし、この件で今年私が行った研究とこれまで話をしてきたボットメーカーによると、この革命において汎用型ボットが存在しないのは明らかであった。

「メッセンジャーアプリのボットを通じて購入する、理想的な対話型取引の世界にたどり着くには、デベロッパーはどうすればユーザにまた使いたいと思ってもらえる楽しい経験を提供できるか考える必要があります」とIvar氏は語った。

ボットの行動をプログラムするにあたり、共感とユーザ体験が指針となる。Kikが価値あるボットを作るための3つのルールをまずはゴールデンルールから紹介しよう。

1. ボットはすべて、それぞれ違う生き物として取り扱おう

ボットはそれぞれの商品や目的に沿って作られたもので、定められたことまでしかできない。何よりもまず、チームは商品にどのようなボットが適しているのかを知る必要がある。

「ボットは4つのクアドラント(円を4分割したもの)の1つで機能できるのです」とIvar氏は説明する。「X軸はエンゲージメントタイム、Y軸はリピート率を表します。各クアドラントはどのタイプのボットにも当てはまります。」

「あなたの開発するボットが短いエンゲージメントタイムと高いリピート率を求めているのであれば、それはおそらくニュースボットで、毎日ゴシップや情報を配信するものです。」

一方で、ストーリー性のあるコンテンツは長いエンゲージメントタイムと低いリピート率を狙うべきである。ストーリーが終わればユーザが再度閲覧する可能性は低いが、ボットがうまく作用すればユーザを意図した方向に転換できるはずだ。

次に、短いエンゲージメントタイムと低いリピート率のボットは、表現だけではあまり有能でないように思える。しかし、これらはコンサートやイベント用に作られた一度限りのボットとして使うことができる。ライドシェア、eコマース、配送やバンキングボットもこのクアドラントに分類できる。商品とユーザのニーズによるものだ。

「一度きり、数分だけボットを使います。しかし、短いエンゲージメントタイムと低いリピート率のこのクアドラントに属するものが、悪いボットというわけではありません。このクアドラント向けのボットというだけのことです。」

Ivar氏が話してくれたのは、デベロッパーとプロダクトマネージャーが最もワクワクするのは右上のクアドラントだということだ。「誰もが長いエンゲージメントタイムと高いリピート率を求めています。デベロッパーはそれを追い求めます。しかし、まだボット制作は始まったばかりなので、特に商品に関しては何がそのクアドラントに当てはまるのか正確にはわかりません。」

2. 正しい距離感でボットを作る

好きな人に最初に送るテキストメッセージと同様、どこか控えめなボットは最初から馴れ馴れしいボットに比べて、時間をかけて絆を強めていくものだ。

プロダクトマネージャーとデベロッパーは右上のクアドラントを考える上で、2つ目と3つ目のルールも肝に銘じておくべきである。

ホラー映画『インシディアス 序章』のリリースにあわせ、Kikは登場人物の一人であるQuinn Brennerを演じるプロモーションボットを作った。

「Quin Brennerにテキストメッセージを送ると彼女は何が起こっているかヒントを出してくれますが、しばらくすると通常のメッセージによる会話と同様、尻すぼみになります」とIvar氏は語る。「一度では全部体験できず、すべてを知るには数日かかるのです。これはティーンエージャーにとても好評でした。」

このボットの目標は、オーディエンスとサスペンスを演出して映画のチケットを購入してもらうことであった。高いエンゲージメント率もQuinnボットには織り込み済みだ。Kikのユーザは2日間で50~60回Quinnとチャットを行った。ミレニアル世代が毎日テキストメッセージを送るのは67回ということを考えればなかなか驚異的な数字である。Quinnの場合は、少しの忍耐が大きな成果につながった。

人間とボットの交流において適切な頻度というのを導き出すのは難しい。

例えば、フードデリバリーアプリがボットを作ってKikユーザがテイクアウトの注文を送信するとしよう。今夜、彼女は中華料理を食べたがっている。人間とボットのデリケートなバランスを考慮して、Foodbotはカンパオチキンの到着予定時間をチャット送信するが、Foodbotはその後毎日デリバリーオプションのリマインダーを送るようなことはしない。

代わりに、Foodbotはユーザから来るように仕向ける。例えば、一週間後のナショナルパンケーキデーに向けてIHOP(パンケーキショップチェーン)で使える割引券を提供するなど、何かお祝いする理由があるまでユーザへの直接連絡は控えるのだ。

ボットが商品とオーディエンスにとって適切な距離を保っていれば、ユーザを取り込むことができる。これは最後のルールにつながる。

3. ボットはエンゲージメントを最優先すべき

エンゲージメントを最優先すれば、コミュニティは成長し、コンバージョン率も自然と上がる。

Kikとボットを作る際、コメディウェブサイトのFunny Or Dieはフォロワーを笑わせ続けることができれば彼らが離れていくことはないとわかっていた。そのため同サイトは好循環を生み出せるようエンゲージメントに集中することにしたのだ。広告よりも笑いがエンゲージメントとコミュニティ成長率に貢献した。

Funny Or Dieは、一般的なチャターは各セッションで25個のコンテンツ、平均3.5分エンゲージすることを発見した。結果、ネットではKikを取り巻くFunny Or Die現象が起こった。

Kikのチャターが最新のアプリ内GIF動画をシェアすると、その動画を見た仲間が面白いとただ思っただけでなく、多くの人がFunny Or Dieを直接フォローし始めた。

「150万チャターの獲得に3ヶ月ほどかかりました」と同社マーケティング配信部門VPのPatrick Starzan氏は語った。「ソーシャルネットワークは同人数に達するまで2~3年かかりましたけどね。」

ユーザのエンゲージメントを最優先するコミュニティを作ることで、Funny Or Dieも高いコンバージョン率を得ることができた。

「Kikチャターに通常新しい動画リンクつきのブロードキャストメッセージを送信する際のコンバージョン率は最高10%で、これは価値ある数字です」とStarzan氏は語った。

Funny or DieはFacebookやTwitterといったソーシャルネットワークで毎日5~6回コンテンツを送り出しているが、コンバージョン率はいまだに低い。

ソーシャルネットワークに比べ、ボットは小さなことから多くを生み出すのが得意だ。企業はメッセンジャーアプリでボットを使ったスパムを顧客に送るべきではない。むしろ、メッセンジャーボットはブランドや商品よりも顧客を喜ばせる可能性を秘めている。

プロダクトマネージャーとデベロッパーはボットを使った実験に抵抗があるかもしれないが、Kikが80社以上の提携先を得る成功を収めているところを見ると、先行きはかなり明るいだろう。

この記事は以前のMixpanelブログ内容を改変し、更新したものである。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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欧州のテック業界は予想以上に面白いーー欧州スタートアップに投資した1年で私が学んだこと

Vivek Goyal氏はNokia Growth Partners(NGP)投資メンバーチームの一人であり、GetYourGuide、Cedexis、Digital Lumens、WorkFusion、Indix、RapidminerとZoomCar に対するNGPの投資に携わってきた。この投稿は彼個人の見解を共有したものである。 昨年、成長ステージのベンチャーキャピタルファンドに従事するため欧…

Vivek Goyal氏はNokia Growth Partners(NGP)投資メンバーチームの一人であり、GetYourGuide、Cedexis、Digital Lumens、WorkFusion、Indix、RapidminerとZoomCar に対するNGPの投資に携わってきた。この投稿は彼個人の見解を共有したものである。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Rock Cohen“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

昨年、成長ステージのベンチャーキャピタルファンドに従事するため欧州に移り住んだ。インドとアメリカのテック企業に投資した経験から、欧州のテックエコシステムは比較的小規模であろうと思っていた。しかし、昨年は目を見張る1年となった。欧州テック業界は思ったよりも規模が大きく複雑だ。

2015年だけでも、欧州の2400以上のスタートアップに140億米ドル以上が投資された。2009年の投資額50億米ドルの3倍だ。アメリカと中国がイグジット市場で注目を集める中、欧州もそれなりのイグジットシェアを得てきた。この5年間におけるアメリカのIPO(Criteo、KING、Zendeskなど)から欧州IPO(JustEat、Scout24、Zalando、Rocket Internet、Zooplaなど)、アメリカのテック大手による買収(Mojang、Deepmind、Skypeなど)からアジア企業による買収(Viber、Quandooなど)まで、様々な形態のイグジットは450億米ドル相当に上る。

地理的に遠い人々にとっては見えづらい、欧州での投資経験から学んだ重要な洞察をいくつか紹介しよう。

1. 複数のセクターにおいて欧州のイノベーションは進んでいる。
ファッション、音楽、ゲームやフィンテックといったテック部門では欧州がアメリカをリードしているのだ。Spotify、SoundCloud、Shazamといった音楽テックスタートアップはすべて欧州から生まれている。

フィンランドは長らく、世界初のモバイルゲームSnakeをはじめ、Angry Birds、Clash of Clansといったモバイルゲーム企業の温床であり、人口500万人の国からこれほど世界的な成功を収めるゲームが誕生したことは興味深い。世界初P2Pレンディングサイトの一つであるZopaが設立されたロンドンは、今では多くの革新的フィンテックスタートアップのホームとなっている。ファッション業界では、Vente-Privee(フランス)が2011年フラッシュセールサイトコンセプトの先駆けとなった。しかし、企業ソフトウェアイノベーションにおいて欧州はアメリカに遅れをとっている。

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2. 問題は、欧州市場の断片化である。アメリカの投資家の指摘によると、欧州では個々の市場は小さく、国をまたぐのは難しい。欧州内の法律や規制もさらなる足かせとなっている。しかし、こういった問題がある一方で、起業家は欧州全体に向けてアプローチするケースが増えている。これまで見てきた成長ステージの企業数社は、すでに2つ以上の市場で活動しているか、複数の市場征服に向けた明確なプランを持っている。BlaBlaCar、GetYourGuide、GoEuro、Babbelなどは、早い段階でホームグラウンド外に進出している。

3. 欧州では成長ステージで資金不足に直面する。欧州におけるシリーズBとシリーズAラウンド(またはシード)の割合は、アメリカと中国に比べて格段に低い。欧州ではレイトステージでの取引はまれだ。2015年、VCが5000万米ドル以上の出資をしたケースは、米国では約175、中国では75、欧州では35だった。また、欧州の企業は米国に比べると各ラウンドで調達する額は比較的少ない傾向にある。

4. 欧州ではシェアリングエコノミーがより一般的だ。AirBnBはアメリカで設立されたが、同社で事業を行う者の50%以上は欧州を拠点としている。AirBnBのトップ都市10のうち、6都市は欧州で、パリが1位となっている。シェアリングエコノミーが好意的に捉えられるようになる前でも、欧州都市では多くの自転車や車のシェアリング事業が存在した。

自転車シェアのコンセプトは1990年代後半に欧州で始まり、今でも欧州は世界の自転車シェア事業の70%を占めている。同様に、世界のカーシェアリング市場においても車全体の40%が欧州、30%がアメリカのものである。とは言うものの、この好機をつかむために最も多くの投資ラウンドを行ったのはアメリカの起業家たち(AirBnB、Uber、ZipCar)だった。

5. 欧州企業はもっと積極的に動くべきだ。欧州企業がアメリカから学ぶことがあるとすれば、それはグローバル展開をする野心と積極的な行動力である。ほとんどの欧州起業家は、自身の商品がどれほど優れていてもビジネスにおけるピッチは控えめな印象を受ける。インド出身でアメリカで働いていた私は、グローバル展開への意欲をピッチし、最初の段階から大きなビジョンを持つことに慣れている。さらに言えば、VCはもっと多くの欧州企業が世界規模で展開できることを示す役割を果たすべきなのだ。

6. 言語は投資を妨げる理由にはならない。欧州で10ヶ国以上の起業家に会ったが、ほとんどの場合、ファウンダーは通訳を介さずとも流ちょうな英語を話す。ローカルな言語を理解することが欧州における取引に必須というわけではない。例えば、中国では弊社の現地拠点にたびたび通訳を頼まなくてはならないことに比べると、日常的な意思疎通はずっと簡単だ。

7. 資本効率は欧州のDNAに宿っているようだ。2011年と2014年の間で1億米ドルを超える価値のイグジットは少なかったが、これらのイグジットの資本効率は非常に高く(イグジット価値/総資本投下額で計算)、8.1倍のアメリカに対して18.6倍であった。伝統的に、欧州スタートアップは比較的人件費が安く、事務所スペースの賃料も全体的に安い。加えて、欧州では消費者向けインターネット企業の顧客獲得費用はアメリカに比べて低く抑えられる。

8. 労働時間が規制されているというのは早くも神話になりつつある。欧州政府が従業員の勤務時間に上限を設けているのは事実だ。しかし、パリ、ロンドン、ベルリンとストックホルムのスタートアップハブにある事務所を訪れた際、そうした状況は見られなかった。新種の欧州起業家は、時間も曜日も関係なく喜んですべてを捧げている。

欧州のテックエコシステムには予想以上に面白い。そして、欧州のマントラ(私が堂々と大切にしているもの)はシンプルだ。ワインを飲んで型破りなことをしよう!

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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ガチャはついに捕らわれたのか?——日本オンラインゲーム協会が制定した自主規制ガイドラインを考える【ゲスト寄稿】

本稿は、パリと東京を拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。英語によるオリジナル原稿は、THE BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿) This guest post is authored by Paris- / Tokyo-based venture capitalist Mark Bivens. The …

mark-bivens_portrait本稿は、パリと東京を拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。英語によるオリジナル原稿は、THE BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿

This guest post is authored by Paris- / Tokyo-based venture capitalist Mark Bivens. The original English article is available here on The Bridge English edition.


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CC BY-SA 2.0: Via Flickr by Danny Choo

ちょうど4年前の今頃、私は桜に象徴される物事の移り変わりについて考えていた。日本では満開の桜は春の訪れを表し、新しい季節の訪れだけでなく新学期が始まったり、各々の目標を新たに設けたり、経営目標を再査定したりなど、人生の様々な局面における再生を象徴している。

同じように今、企業は様々な形で移り変わりを経験しており、新たなビジネスモデル(輸送)、新たなテクノロジー(ケーブルテレビ)、そして新たな規制(金融取引)からイノベーションを得ているのを私たちは目の当たりにしている。

前回、私は革命と再生がモバイルゲームの分野に起きていると書いた。市場ではあまり注目されていないが、私たちは日本でこの分野における新たな事実に直面している。日本オンラインゲーム協会は新たに自主規制を敷き、それが今月初めに施行されたのだ。

ガチャ捕らわる

新しいルールというのはモバイルゲーム内のガチャ機能について定めたものだ。ガチャは収益を上げるための技術として日本では広く知られているが、欧米では最近まであまり知られていなかった。

ガチャ機能は日本で人気の「ガシャポン」というカプセルに入っておもちゃをランダムに売る自動販売機が元となっている。売り物がランダムに出てくるという点で、いちかばちかという要素が加わり、ガチャがギャンブルと類似していることは明らかだ。モバイルゲームではガチャの商品として特別なキャラクター、武器、パワー、ゲーム内イベントへの参加やその他のレアアイテムをもらえる。

ある時、ゲーム専門家のSerkan Toto氏と話していて気づいたのだが、ガチャ機能は宝くじのような原理を元にしているが、ゲームデザイナーはそれを各々派生させて利用している。(詳しくはSerkan 氏の多様なガチャ機能の解説を参照)

ビジネスモデルはクジラが作る

whales

ガチャ機能を用いるにあたり、モバイルゲーム制作側がターゲットとするのはギャンブルに大金を使ってくれる「クジラ」と呼ばれる人たちだ。特定のモバイルゲームのビジネスモデルにおけるクジラ層への依存度は測り知れない。マーケティング会社の Swrve による最新の統計では、プレイヤーの上位10%がモバイルゲーム全収益の半分近くを占めており、収益の48%は全プレイヤーのわずか0.19%によるものである。

12月31日、日本人のある「クジラ」ユーザが、Cygamesのグランブルーファンタジー内のガチャ機能でレアキャラを獲得するため一晩で6000米ドル以上も費やした。ヨーロッパのゲームスタジオには自社のゲームにガチャ機能を導入し始めたものもいくつかあるが、その技術は今日においてもヨーロッパでは何らかの形で制限されている。その要因の一つとして、ヨーロッパと日本の間でモバイルゲーム開発のプロセスにわずかな違いがあるからだと私は考えている(最下図参照)。

いずれにしても、政府による厳格な規制を避けるための策として、日本オンラインゲーム協会はモバイルゲームにおいて、2つの重要な制限に関する新たなガイドライン(アイテム取得の期待値は課金額の100倍以内とする、1プレイヤーあたり最大課金額5万円以下とする)を制定した。厳密に言えば、こういった業界の「ガイドライン」は法律ではないが、違反すればより厳しい政府介入を招くことをゲーム会社は承知しているのだ。

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この動きを株式市場は把握しているのか?

推奨銘柄を紹介するのは私のポリシーに反するので名前は出さないが、日本の上場モバイルゲーム会社の数々の株価を見れば2月中旬の反発以来かなり着実に上昇している。その時期はCygamesがグランブルーファンタジーのプレイヤーに対して自主的に払い戻しを開始した時期だ。日本オンラインゲーム協会によると、新たな自主規制ガイドラインは4月1日に施行したが、3月までは内容が未確定であったという。

各々のガチャ機能に関する道徳的見解がどうであれ、私はこれらの新しい自主規制(アイテム取得率を上げて課金上限を設けるもの)によって今四半期の売り上げは大きく減少するのではないかと考える。そして不思議なのは、なぜこの件にもっと株式市場が反応してこないのか、ということだ。

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マシーンは人間よりクリエイティブな存在になりつつある

Risto Miikkulainen氏はテキサス大学オースティン校コンピュータサイエンス・ニューロサイエンス学科の教授。ニューロ・レボリューションのパイオニアでもあるほか、AIのスタートアップSentient Technologiesのフェローも務めている。 マシーンはクリエイティブな存在になれるだろうか? AIにおける最近の研究成果によると、自動車の運転、会話の理解、物体の認識といった数年前には…

Risto Miikkulainen氏はテキサス大学オースティン校コンピュータサイエンス・ニューロサイエンス学科の教授。ニューロ・レボリューションのパイオニアでもあるほか、AIのスタートアップSentient Technologiesのフェローも務めている。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Horia Pernea“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

マシーンはクリエイティブな存在になれるだろうか? AIにおける最近の研究成果によると、自動車の運転、会話の理解、物体の認識といった数年前には近未来のことだと思われていた多くのタスクを人間と同等レベルでこなせるようになっている。しかしこれら全ては、こなすべきタスクがわかっているものであり、マシーンは私たちの動きを真似ているにすぎない。正解が未知のタスクはどうだろうか? マシーンは自ら解決策を見つけ、人間が見出すことの困難なクリエイティブな解決法にたどりつけるようプログラム化できるだろうか?

その答えは間違いなくイエスだ! 進化的計算法や強化学習など、この問題にフォーカスしたAIの系統がある。話題のディープラーニングと同様、これらは最近のAIにおける成功の現れと目されるもので、 このAI系統は、最近20年間で何百万倍にも向上した計算能力の恩恵を受けている。宇宙船にはアンテナが設置されているが、あまりに複雑な構造なので計算能力の進化なしには設計され得なかった。オセロ、バックギャモン、そして最近では囲碁など、名人レベルの戦いができるように学習をするゲームプレイエージェントもある。 AlphaGoについて言えば、最高名人の能力すら超えてしまった。Unreal Tournamentにはプレイヤーでないキャラクターがいて、もはや人間のプレイとは見分けがつかない。 そのため、少なくともゲームボットとしてTuringテストをパスしてしまう。 金融では株式市場におけるコンピュータ取引があり、実際にマネーを動かせるほどに進化している。

こうしたAIエージェントは、特定の行動を起こすよう教えられていないという意味でロボティクス、ビジョン、会話処理でよく見られるものとは性質が異なる。その代わりに、可能性のある行動を考え、どれが最善の結果をもたらすかを決定することによって自ら最善の行動を学び取る。

こうした手法の多くは生物学に見られる適用行動をもとにモデル化されている。例えば、進化的計算法は生物学的な進化からその概念を取り入れている。その考え方は、候補となる解決法をコード化することで(ビデオゲームのプレイヤーのように) 、新たな方法の発見を目指して複数の方法を何度も組み合わせ、突然変異させるものである。

そして、多くの多岐にわたる候補の一群が得られると、並行検索法が適用されて問題を解決する1つの解法が見つけ出される。最も優れた結果を残すため、突然変異と再結合には一番有望な候補のみが選択される。このような方法で、可能性のある候補の集団全体からほんの一握りが実際に問題を解決する方法として採用されるよう、検索をしなければならない。うまくゲームをプレイする、というように。

私たちはこれと同じアプローチを、候補の質をコンピュータ的に評価できるドメインにも適用することができる。先に述べた宇宙船のアンテナのようなデザインドメイン、フィンレスロケットのコントロールシステムのデザイン、複数の足を持つ歩行ロボットなどに応用されている。進化の結果、まったく予想されない形で解決策が出てくることもあるが、それでも効果はある。別の言葉で言えば、クリエイティブな効果だ。

一例を挙げると、 障害物の周りを動くロボットの腕を操縦するコントローラを作業しているとき、何らかの事故でメインモーターが動かなくなった。垂直方向に回転ができなくなったためターゲットに到達できなくなってしまった。それに対しコントローラは進化して、ゆっくりとターゲットからアームを離し、残りのモーターを使って実に一生懸命動き、慣性でロボット全体をターゲットの方に向けたのだ!

私が思うに、この分野で最も目新しく最もエキサイティングなのはコンピュータによるデザインの創造性に関する取り組みだ。これも生物学からモデル化されたものだが、新たに出てきた考え方は次のようなものだ。進化的なコンピュテータ計算は特定のデザイン上の目的を最適化するよう設定されるべきではなく、単純に新しい解決法を見出すよう設定されるべきというものだ。少しずつ改善して解決しようとする場合、多くの難しい問題は見た目に惑わされやすく、作業が止まってしまうだろう。

これに対し新規性の検索は、パフォーマンスが悪くても高度にユニークなアプローチをする候補といった足掛かりを見つけようとする。本当の意味でクリエイティブな解決法では、こうした候補の新たな機能を、稼働している解決法と組み合わせることによって見つけ出せる場合がある。例えば、二足歩行ロボットが早足歩行で進化するのは、 徐々に歩く速度を早めようとすることによってではなく、できるだけ早く、そして一生懸命取り組んでも失敗することを許容し、 段階を踏んでその失敗が起きないようにする方法を進化させることによってなのである。

コンピュータの創造性のおかげで私たちは多くの新しい応用事例を目にするようになった。ただし、その多くを私たちはまだ実感していない。可能性のある解決法が自動的にテストできるようなデザイン上の問題に直面しているときは、その解決法を自動的に進化させることができるだろう。 かつてコンピュータがデザインの下絵を描くのに使われていた分野で起きる自然な変化は、進化的検索をさせることだ。

これにより人間のデザイナーは、作るのが容易な機械部品やリスクを最小化する株式ポートフォリオ、さらには多くのコンバージョンをもたらすウェブサイトなど、そのアイデアで多くのトラクションを獲得できる。他の分野では、コンピュータがデザイン上の問題を定義するためにはいくらかエンジニアリング面での取り組みが必要になるかもしれないが、フィンレスロケット、新しいビデオゲームのジャンル、個人仕様の予防薬、より安全で効率的な交通など、まったく新しいデザインという形で報われるかもしれない。

そして、時間が節約されるので、私たち人間はクリエイティブな目標追求のための時間を確保することができるようになるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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