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やってみる価値があることを成し遂げるには必ず時間がかかる

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起業家、ライター、コメディアン、そしてクリエイターでもあるJon Westenbergさんによる寄稿記事です。Jonさんの活動は、ご本人のWebサイト、またTwitter(@jonwestenberg)でフォローできます。本記事は、Mediumに投稿された記事をJonさんから許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。 やることに価値を感じる何かを成し遂げるには必ず時間がかかる。 短い時間枠…

Jon-Westenberg起業家、ライター、コメディアン、そしてクリエイターでもあるJon Westenbergさんによる寄稿記事です。Jonさんの活動は、ご本人のWebサイト、またTwitter(@jonwestenberg)でフォローできます。本記事は、Mediumに投稿された記事をJonさんから許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。


image via. Robin Yang
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やることに価値を感じる何かを成し遂げるには必ず時間がかかる。

短い時間枠で考えてはいけない。それは、あまりにも近視眼的すぎる。

「革新的なアイディアの実がなるまでに、企業には5〜7年を待つ覚悟が必要だ。ほとんどの企業が、この時間を設けることをしない。」ージェフ・ベゾス

一晩にして、ライター、アーティスト、起業家、デザイナー、陶芸家、建築家、ソフトウェアデベロッパー、また人形使いとして成功することはできない。この世の中に、唐突に訪れる大ヒットなど存在しない。瞬時に起こることなど、何一つない。

僕はこれを100%の確信を持って言える。どんな成功も、時間というコミットメントを要する。それも、相当量の時間が。君がどんなキャリアを望んでいようと、そこにたどり着くための唯一の方法は、君の人生の何年もの時間を捧げることだ。君はそれを受け入れて前に進むしかない。

僕には、ずっと守り続けているルールがある。自分の人生の5年間を捧げてもいいと思えることでなければ、そもそもやらないことだ。たしかに、5年は長い時間枠だと思う。でも、これだけの時間があれば、計画を立てる余裕があるし、成果を測ることも可能なはずだ。

5年間という時間を注ぎ込んでも成功できず、成功する見込みすら立っていないのなら、その道を再考するタイミングだと思っている。

もちろん、君はここまで長くの時間をコミットしなくてもいい。でも、それくらいの長期的な時間枠で考える必要はあると思う。何かの実現を急ぐことで君は消耗し、最後には失望に終わるからだ。

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何かを学ぶには時間がかかる

僕たちはこれを見失ってしまったように思う。僕たちは皆、まだ何も達成していない時分から、自分の現状の成果とそれを先に成し遂げた人たちの成功とを比較する。そして、彼らが実践してきたことを真似て、それを改良していく。

君は起業家だ。自分の成果を、他の起業家と比べることで測ってはいないだろうか?それとも、億万長者として知られるグローバル企業のCEOと比べているだろうか?

君は、ライターだ。他のライターと比べることで自分を評価していないだろうか?それとも、ヘミングウェイ、Ginsberg、ケルアック、 J・K・ローリングなどと比べているだろうか?

ここに名前を挙げた人たちは、十分な才能があると言われるレベルにたどり着くまでに、何年もの年月やスキル・クリエイティビティを注ぎ込んでいる。その結果として、君や世界が尊敬する作品を仕上げることができた。魔法の杖をただ振って、彼らのレベルに一瞬にしてたどり着くことはできない。だから、君は学ぶ。または、学ぶための努力をする。

それをきちんと身につけるには時間がかかる

アーティスト、ライター、起業家といった人たちから、「創ったものが完璧からは程遠く、とても披露できない。どう完成させればいいのかがわからない」と相談を受けることがある。そんな彼らに、僕はこう伝える。君がそれを完璧にすることは一生ない、と。なぜなら、完璧などというものはそもそも存在しないからだ。

君にできることは、改善することだけだ。常に改善を続けることだ。そして、それを行う唯一の方法は、それを一度世に出し、フィードバックを集めて、また挑戦することだ。何かを創るたびにこのプロセスを繰り返せば、早かれ遅かれ、君は進歩していく。

これには時間がかかる。その何かをきちんと習得するのは長い道のりだ。イテレートし、改良し、改善するには何年もの時間がかかる。僕はライターと起業家として、そこそこの道を辿っていると思う。読者もそれなりにいるし、クライアントの数も増え続けている。でも、ここにたどり着くまでにだいぶ長い時間がかかった。

僕が書いたものをオンラインで公開するようになって15年が経つ。僕は、17歳の頃から事業を始めたり運営したりしてきた。何年間という歳月にわたって失敗を重ね続けた経験を、一冊の本にできるくらいだー実際に本にしてみるかもしれない。

自分の成果に満足できる今の状態にたどり着くまでに、だいぶ時間がかかった。

オーディエンスを築くのには時間がかかる

誰かが君の作品を聞いたり読んだり、すぐにそれが売れることを期待してはいけない。物事はそんなに上手くは進まない。

Green Dayというバンドについて教えてあげよう。1994年に、『Dookie』というアルバムで大ブレイクした。でも、実はこれが彼らの3つ目のアルバムだということを知っていたかい。そして、それをリリースするまでに8年間のバンド活動をしていたことを?

それは、彼らにとって8年分の仕事だった。彼らはツアーに出て、いくつも作曲して、彼らの音楽をへとも思わない酔っ払いしかいないハコで演奏して。誰もファンになることのない曲をリリースし続けて。

彼らは、オーディエンスをひとりひとり獲得していった。演奏をするたびに。

僕が言いたいことは、つまりこういうことだ。何かを書いて、何かをリリースして、何かをデザインして、それが瞬時に世界のトップに躍り出て拍手喝采を受けることを期待してはいけない。確かに、稀にそうなることもある。いつでも例外は存在するが、それはあくまで例外に過ぎない。

Green Day
Green Day

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僕は、この記事をAmazonの創業者であるジェフ・ベゾスの言葉を引用することで始めた。

Amazonは、ドットコムバブルの崩壊で完全に破滅しなかった数少ない企業の一社だ。未来が期待されたスタートアップや起業家のほとんどがバブル崩壊で死に追い詰められたが、Amazonの墓場は未だに空っぽのままだ。彼らは生存し続けている。

僕は、「××が成功した唯一の理由」といった類の記事が大嫌いだ。そんなの真っ赤な嘘でしかない。なぜなら、何かについて理由がたった一つしか存在しないなんてことはありえないからだ。その何かを見つけようとする時、人は事実を伝えるのではなく、ストーリーを仕立て上げようとしている。

でも、Amazonが成功した理由のひとつはわかっている。生き延びたことだ。成長し続けたことだ。ジェフ・ベゾスは、物事を短期的な時間枠で考えることをしない。彼は、瞬時の急成長を望まず、指をちょっと鳴らすことで世界がひっくり返ることを期待しない。彼は成功を待ち、それに向けて努力を続けている。

きっと、君にだってできる。

(翻訳:三橋ゆか里)

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午前8時前に誰もがやるべき8つのこと

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Benjamin Hardyさんによる寄稿記事です。3人の素晴らしいお子さんの父親で、現在は組織心理学の博士号を取得するために猛進中。eBook「Slipstream Time Hacking」の著者。Twitter アカウントは、@BenjaminPHardy。本記事は、Mediumへの投稿記事を許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。 人生は忙しい。夢に向かって走ることは、時に不可能…

Benjamin-HardyBenjamin Hardyさんによる寄稿記事です。3人の素晴らしいお子さんの父親で、現在は組織心理学の博士号を取得するために猛進中。eBook「Slipstream Time Hacking」の著者。Twitter アカウントは、@BenjaminPHardy。本記事は、Mediumへの投稿記事を許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。


Benjamin-eggs

人生は忙しい。夢に向かって走ることは、時に不可能に感じられる。フルタイムの仕事に就いていて、さらに子どもがいるとなると、それはいっそう困難をきたす。

どうやって前に進んでいけばいいのだろう?

進歩し、改善するための時間を意識的につくらなければ、時間はめまぐるしさを増す人生の中にあっという間に吸い込まれてしまう。そして気つけば君は年老いて、一体どこに時間が消えてしまったのかと嘆くことになる。

Harold Hill教授は、こう言った。「明日を十分なだけ重ねていくと、空っぽの昨日の山しか残されていないことに気がつくだろう」。

人生を見直してサバイバルモードを抜け出す

この記事は、君の人生へのアプローチを完全に変えることに挑戦するものだ。君が物事をシンプルにして、基本に立ち返る手助けをしたい。

悲しいことに、多くの人生は無くてもいい、つまらないことで溢れかえっている。彼らには、意味や価値がある何かを築き上げていく時間が許されていない。

彼らは、生き残りをかけたサバイバルモードにいる。君もまた、サバイバルモードにいるのだろうか?

Bilbo のように、僕たちの多くはパンに多く塗り過ぎて削り取られたバターのような存在だ。残念ながら、そのパンですら他の誰かのものであって僕たちのものではない。人生を自分のものにして生きている人は、一握りにとどまる。

一世代前、他者が決めたルールや条件のもとで生きることは文化的で社会的に自然なことだった。それが唯一習った世界観だったからという理由だけで、多くのミレニアル世代がそれを忠実に守っている。

しかし、意志を持って必死の努力を続ければ、自分の人生の一瞬一瞬を自分なりに生きることができるという意識が芽生え始めている。

君の運命をデザイナーするのは、他ならぬ君だ。

君に責任がある。他には誰もいない。

君が決断する。君は決断しなければいけない。さもなければ、他の誰かがそれを代わりに決めてしまう。優柔不断は決して懸命な選択だとは言えない。

朝行う短いルーチンで、君の人生はあっという間に変わるだろう。

一見すると長いリストに見えるかもしれない。でも、掻い摘むとそれは至極シンプルだ。

  • 朝起きる
  • スイッチを入れる
  • 動き出す
  • 適切な食べ物を摂取する
  • 準備をする
  • インスピレーションを受ける
  • フォーカスを見定める
  • 前進するための一歩を踏み出す

では、始めてみよう。

1. 7時間以上の健全な睡眠をとる

現実を見よう。睡眠は、食べることや水分を補給するのと同じくらい重要だ。それにも関わらず、大勢の人が十分な睡眠時間を確保せず、結果として深刻な問題を抱えている。

National Sleep Foundation(米国立睡眠財団)が実施した調査によると、国民の4,000万人が70種類以上の睡眠障害に苦しんでいることがわかっている。また、成人の60%、子どもたちの69%が、一週間のうち数回以上、睡眠のトラブルに見舞われている。

さらに成人の40%以上が月に数回、日中の活動に支障をきたすレベルの睡魔に見舞われている。また、20%が一週間に数回またはそれ以上の回数を睡魔と戦っている。

一方、健全な睡眠は以下のようなことに繋がっている:

  • 記憶力の上昇
  • 寿命延長
  • 炎症の発生率の低下
  • クリエイティビティの向上
  • 注意力と集中力の向上
  • 運動による脂肪減少と筋肉量の増加
  • ストレスの減少
  • カフェインのような興奮剤への依存性の低下
  • 事故に遭うリスクの低下
  • うつ病になるリスクの低下
  • ググってみればわかるが、他にも沢山ある。

君に、睡眠をとることの優先順位を上げるつもりがないなら、この記事を最後まで読む意味はない。君はこんな風に考えるかもしれない。就寝時間を3時間早めれば、別に朝5時に起きたっていいじゃないかと。

でも、それでは長続きしないだろう。

君はコーヒーなどの興奮剤を使って補おうとするかもしれないが、それも持続可能だとは言えない。それは、長期的には君は健康を損ねることになるだろう。設定するゴールは、長期に持続可能である必要がある。

2. 明快さと豊富さを促進するための祈りと瞑想

安眠から目覚めたら祈りを捧げ、瞑想することで自分をポジティブな方向へと導くことができる。また、より多くのことにフォーカスできるようになる。

祈りと瞑想は、自分に与えられているすべてのことに対する深い感謝の気持ちを助長する。感謝の念は、豊富なマインドセットを持つことを意味する。感謝の気持ちを持つ時、この世界は君の思いのままになる。君には、無限のチャンスと可能性が待ち構えている。

人はまるで磁石のようなものだ。自分が恵まれているものに対して感謝すると、自然とポジティブで良いものが吸い寄せられてくる。感謝の念は伝染する。

感謝の念こそ、成功するために最も欠かせない要素かもしれない。感謝は、最上の美徳であると言われてきた。

毎朝を感謝と明快さに包まれて始めることで、素晴らしい世界を君自身が吸引するようになる。そして、君は妨げられることのない注意力を手にする。

3. 激しい身体活動

運動の必要性を証拠づける調査結果について目にしない日はない。ところが、定期的に運動しているのは、アメリカ人の25歳〜64歳男女の3分の1に留まっている。(Center for Disease Control’s National Health調査による)

君が、健康的かつ生産的に生きる幸せな人たちの仲間入りをしたいのなら、定期的に身体を動かそう。身体を動かすために真っ先にジムに向かう人が多いが、僕は最近、朝の数時間をかけて庭仕事をするようにしている。そうすることで視界が開け、深いインスピレーションに恵まれることを発見した。

好きな運動なら何でもいいから、とにかく身体を動かすことだ。

運動することは、うつ病、不安障害、またストレスを感じる可能性を低下させることがわかっている。また、輝かしいキャリアの確立にも関係していると言われている。

自分の身体を大切にしないことで、君の人生における様々な側面が困難に陥ってしまう。人間は、ホリスティックな生き物なのだ。

4. 30グラムのタンパク質を摂取しよう

イリノイ大学で栄養学を研究するDonald Layman名誉教授は、朝ごはんに最低30グラムのタンパク質の摂取を推奨している。同様に、Tim Ferriss氏は自身の著書「The 4-Hour Body」の中で、起床から30分以内に30グラムのタンパク質を摂取することをすすめている。

Timの父親は、これを実践した結果、19ポンド(約8.6キロ)を減量することに成功したそうだ。

タンパク質が豊富な食材は、他の食べ物に比べてその満腹感が長持ちする。胃から出ていくまでにより長い時間を要するからだ。またタンパク質は血糖レベルを安定させ、急な空腹感が訪れることを防ぐ効果がある。

食事の際、まずタンパク質から摂取することで、砂糖や精白粉などから成る炭水化物の食欲を減らしてくれる。人を太らせるのは、この類の炭水化物だ。ベーグル、トースト、ドーナツなどは避けよう。

朝、適度なタンパク質を摂取するなら、Timが推奨する以下のようなものが良いだろう:

  • 朝ごはんに摂取するカロリーの40%をタンパク質で構成する
  • 2〜3個の卵からそれを摂取する(卵一個あたりのタンパク質は約6グラム)
  • 卵が嫌いなら、ターキーベーコン、オーガニックなポークベーコン、またはソーセージやカテッジチーズなどで代用する
  • または、水を使って作るプロテインシェイクでもいい

乳製品、肉、卵を避けて食事をする人のためには、植物性のタンパク質が複数ある。マメ科の植物、緑黄野菜、ナッツ、種などはタンパク質が豊富なことで知られている。

5. 冷たいシャワーを浴びる

起業家でベストセラー作家のTony Robbinsの1日は、毎朝、約14度のプールに飛び込むことから始まる。

なぜ、そんなことをするのだろうか?

冷水に浸ることで、人の身体的また精神的な健康をいっきに促進してくれる。それを習慣にすることで、免疫力・リンパ・循環系・消化器系に長期にわたる変化がもたらされ、生活の質がより豊かになる。また、新陳代謝が上がることで減量にも繋がる。

2007年の研究調査では、うつの症状を治療するには、処方箋医薬品を飲むよりも、習慣的に冷たいシャワーを浴びるほうが効果的であることが判明した。これは、冷たい水が気分を向上させる神経科学物質の引き金になり、人をハッピーにするからだ。

冷たいシャワーに入るのを躊躇しない人はいない。過去にこれを試してみたことがあるなら、シャワーの外に立って、いつまでも脚を踏み入れることができなかった経験があるだろう。

君は、「明日になれば、きっと」と自分を説得して上手くそれを免れたかもしれない。そして、いざ入ろうという時にすかさずお湯のハンドルを回した。

または、君は一度飛び込んで即座にお湯のハンドルを回したかもしれない。

僕は、シャワーを水泳プールだと想像することにしている。冷たいプールにゆっくり入ろうとすると、それは長くて痛みの伴うプロセスになる。飛び込むことが必要だ。入って20秒もすれば、なんてことはなくなる。

冷たいシャワーを浴びるのも同じことだ。入ると、心臓が忙しく鼓動し始めるのがわかる。でも、20秒もするとあっという間に慣れてしまう。

この習慣は、僕の意志を強固なものにし、僕のクリエイティビティとインスピレーションを高めてくれる。背中に冷たい水が流れるのを感じながら、自分の呼吸を整えて心を沈ませていく。水の冷たさに慣れて落ちついてくると、幸せに満ち足りた気分になる。頭の中にアイディアがいくつも流れ出し、ゴールに向かって走るためのやる気がみなぎってくる。

朝一番に、ちょっと怖気付くくらいのことをするのは健康的だと思う。生きていることを実感し、自分にとって安心で快適な領域から踏み出すための準備になる。

6. 気分が上昇するコンテンツを聞き、読む

凡人はエンターテインメントを探し求める。才人は、教育と学びを追求する。世界トップクラスの成功者は、最低でも週に1冊のペースで本を読んでいる。彼らは常に学び続けている。

僕は、通学の時間またはキャンパスを歩く際にオーディオブックを聞いている。一週間もあれば、まるまる1本を聴き終えてしまう。

朝起きてすぐに気分を高揚させ、役に立つ情報を15〜30分間読むだけで君には変化が訪れる。最上のパフォーマスを発揮するためのスイッチが入る。

十分に時間が経つと、君は数百冊の本を読み終える。君は、複数のテーマで豊富な知識を保有することになる。君は世界を新しいレンズで見るようになる。君は、一見すると関係ないように見えるトピックスを紐付けて考えられるようになる。

7. 人生のビジョンを見直そう

自分のゴールをどこかに書き記そう。短期のゴール、また長期のゴールもだ。毎日数分間かけて自分の人生のビジョンを読み返すことで、これから立ち向かう1日の方向性を定めることができる。

長期的ゴールを毎日読み返すことで、君はそれについて毎日考えることになる。毎日考えることで、そしてそれに向かって努力することで、それがいっそう明白になっていく。

ゴールを達成することは、科学だ。そこにはなんの混乱もなければ、曖昧さもない。シンプルなパターンにならっていけば、ゴールがどれだけ大きかろうと、君はすべてのゴールを達成することができる。

それを叶えるための基本は、ゴールを書き出すこと、それを毎日見返すことにある。

8. 長期的ゴールに向けてアクションを起こす

意志の力は、使われることで弱っていく筋肉のようなものだ。同様に、良質な判断を下す僕たちの能力は時間とともに低下していく。決めることが多くなればなるほど、個々の判断のクオリティーは低下していく。そして、意志もまた弱まっていく。

だから、朝起きたら、まず困難なことからやらなければいけない。重要なことから着手する。

さもないと、それは永遠に終わらない。1日が終わる頃、君は疲れ果てているだろう。君は燃え尽きている。明日まで先延ばしにする理由は無限にある。明日、また明日と先延ばしにすることで、それは永遠に実行されない。

だから、君のマントラ(真言)はこれだ:まず最悪なことから片付ける。やらなきゃ、やらなきゃとずっと思い続けていることから着手する。そして、それをまた明日も繰り返す。

一日一歩だけでも、大きなゴールに向かって進むことができれば、遠く離れて見えたゴールが、さほど遠くないことに気がつくだろう。

結論

その日一日に何が待ち構えていようとも、これを実行すれば、君は重要なことを最初に片付けたことになる。君は、成功するための場所に自分を置いたことになる。君は、夢に向かって少し前進したことになる。

これをすべてやっているからこそ、君は人生全般において高い成果を上げるようになる。仕事も上手くいくようになり、人間関係もまた上手くいくようになる。君はもっと幸せになる。君はもっと自信を持てるようになる。君はもっと大胆で勇敢になる。君には明快さと明確なビジョンが訪れる。

君の人生はあっという間に変わる。

人生における不調和なものすべてに目覚めることなく、この朝の習慣を身につけることはできない。君が毛嫌いすることはじきに葬られるだろう。それは抹消され、二度と戻ることはない。

君はすぐに、自分の仕事が自分の情熱そのものであることに気がつくだろう。

君の人間関係もまた、情熱に溢れ、深く愛おしく、そして心踊るものになる。

君は、自由と豊かさを手に入れる。

世界、そして宇宙は、なんともうつくしい形で君に応えてくれるだろう。

(翻訳:三橋ゆか里)

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アプリメーカーよ、中毒ユーザーからの搾取をやめて倫理的になるべき時だ

Felice Miller Gabriel氏は、Delwの設立者である。 モバイル業界の起業家として、私たちは自分の作る製品で世界をより良くしたいと願っている。そして基本的に、スマートフォンやモバイルアプリは人々をつなぎ、力を与えてくれるものだと信じている。しかし、自らを深く鑑みて、世に送り出している製品やサービスが実際のところ、社会に貢献しているのか、社会悪になっているのかを自問自答することはほ…

Felice Miller Gabriel氏は、Delwの設立者である。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “40+242 Work“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

モバイル業界の起業家として、私たちは自分の作る製品で世界をより良くしたいと願っている。そして基本的に、スマートフォンやモバイルアプリは人々をつなぎ、力を与えてくれるものだと信じている。しかし、自らを深く鑑みて、世に送り出している製品やサービスが実際のところ、社会に貢献しているのか、社会悪になっているのかを自問自答することはほとんどない。

不幸な真実として、一部のアプリには中毒性がある。人によっては「習慣」と呼んでいるものは、実際には精神的に有害な行動である。このような行動には、社会的に大規模な悪影響を及ぼす可能性さえある。モバイルの乱用だとユーザーを責めるほうが都合良いかもしれないが、これらのアプリの中毒性は実際は理解されていないのではないかと私は思っている。

アリゾナ州立大学の情報システム工学教授であるSang Pil Han氏は2015年、韓国科学技術院(Korea Advanced Institute of Science and Technology、KAIST)と共同で、ソーシャルアプリと中毒性についての研究を行った。彼らは、韓国のスマートフォン利用者の間での、Facebookおよび韓国で人気のモバイルゲームAnipangの利用状況を調査した。その結果として、「中毒性という点では、(モバイルソーシャルアプリは)コカインやアルコールより強く依存度を助長しますが、カフェインやタバコよりは中毒性が低くなっています。」

食べ物やドラッグ、ギャンブルなど、適度に楽しむのが一番である趣味嗜好と同様に、一部のアプリはドーパミンを誘発する。自分の情報をソーシャルメディアに投稿したりゲームをプレイしたりすることで、神経伝達物質が放出され、それを過度に行うことで、人間には肉体的な変化すら起こってしまう。

具体的には、被験者13人のMRI画像を調査した文献によれば、インターネット依存症(Internet Addiction Disorder、IAD)と診断された人は、ドーパミン輸送体の不足という形で「脳の異常」を示していた。要は、彼らの脳はダメージを負っているということだ。ドラッグ中毒やギャンブル依存症の脳と似ているのである。

この調査に参加した精神医学研究者である医学士Sree Jadapalle氏は、アメリカの若者のおよそ26.3%がIAD患者だと推測しており、それは同年代のグループではアルコールやドラッグ依存症よりも高い数字である。彼女はまた、IADとうつ病、自殺志向、強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder、OCD)、摂食障害、注意欠陥障害(Attention-Deficit Disorder、ADD)、その他の中毒症状に有意な相関があることを研究者が見出していることも指摘している。

IADは無害とは逆のものだ。Innovations in Clinical Practice誌(第17号)のある章で、Kimberly S. Young医師はIADが家庭、教育、職場に及ぼす影響を明るみにしている。IADは家族を崩壊させ、学業を台無しにし、労働者が解雇されてしまうような精神疾患である。しかし、Young医師が警鐘を鳴らしているように、「IADは歴史が浅く中毒性も真剣に捉えられていないため、専門家が自分の訴えを真剣に聞いてくれないのではと思い、治療の道を探るのをためらってしまいます。」

そう感じてしまうのを誰が責められるだろうか? サンディエゴ・スーパーコンピュータセンターの研究者James E. Short氏の見積もりでは、アメリカ人は2015年にのべ1兆7000億時間を従来のメディアおよびデジタルメディアに費やしたと考えられており、それは一人一日あたり、平均15.5時間である。それが普通だとしたら、習慣と乱用の区別をつけるのは、きわめて困難であろう。

モバイルデバイスは道具であり、善でも悪でもない。しかしモバイルデバイスはユビキタスであり、ユーザーは常時アクセス可能でそのときの行動が中断されてしまうため、この2つは危険な組み合わせである。そして一部のアプリは、多かれ少なかれ、中毒性を持っていることもわかっている。

モバイル分析企業であるMixpanelはAddictionというレポートを作成し、人々が一日にどれくらいの頻度でアプリを利用するかを調査した。このレポートでは(アプリ中毒がアプリメーカーにもたらす利益に基づいて、このトレンドを好意的に捉えているが)、中毒性の中でもソーシャルアプリが最も際立っていることを示唆している。

2014年に、50%のソーシャルメディアユーザーが最低でも一日5時間をソーシャルネットワーキングに費やしており、トップの20%は8時間にも上るとしている。また、一部のユーザーはソーシャルアプリを毎朝起きた直後にチェックしていた。メッセージングアプリはソーシャルに比べて中毒性は低く、メディアアプリは中毒性が最も低いとしている。

Mixpanelのレポートでは、「理想のカスタマーとは、貴社の製品に一日最低一度は触れてくれる人であり、継続して利用してくれるのであればなお良い」としている。そして確かに、これはテックコミュニティの間では定着した捉え方である。

しかし、常時モバイルアプリに入り浸ることが破滅的でないとしたら何なのだろう。そして、一部のユーザーに精神的、肉体的、社会的な破滅をもたらしながら、デベロッパーにお金が落ちてくるような仕組みを称賛するのは、ぞっとしないだろうか。

アプリに中毒性があるのは、偶然でなく意図的である。ユーザーエクスペリエンスの大家Nir Eyal氏の有名な著書、「Hooked: How to Build Habit-Forming Products」は、まさに中毒性を持たせる手法を開発者に示したことからベストセラーとなった。しかし、Eyal氏がこの「スーパーパワー(Eyal氏の命名)」を利用するときの道徳的ガイドラインも併せて示していたことを読者は忘れがちである。彼はブログにおいて「ただぼーっと立ったまま、自社製品を乱用してくれたユーザーの支払った代金を刈り取るようなやり方は、もう受け入れられません。それは搾取です」と書いている

まさにその通り。中毒性(および、それによる社会的損害)のチャンピオンとなるのでなく、ユーザーを守り、この脅威の解決に対して主導権を握るべきである。そのためには、まず「利用上限つきアプリ」と「利用無制限アプリ」の区別をつけなければならない。利用上限つきアプリは、軽度の習慣しか作らない。例えば毎日の瞑想とか、毎朝自分のTo-Doリストを見直すことなどと近い。これらが継続的に無制限の楽しみを誘発することはなく、ドーパミン褒賞システムを乱用することはない。

利用無制限アプリは、ユーザーに対して上限なしにできるだけ多くの時間利用してもらうよう働きかけるが、それにより中毒症状を広めたり助長してしまう可能性がある。そのようなアプリがあっても、道義的なデベロッパーであれば、以下の2つの効果的なやり方でユーザーを守ることができるだろう。

1. 利用無制限アプリは、頻繁にログインし、長時間アプリを利用するトップ20%のユーザーに、週ごとの利用状況レポートを送るべきである。

トップ20%に注意喚起することで、自覚を促し、中毒を回避することが可能になる。このレポートでは、ユーザーがa) 一日に何回ログインしたか、b) アプリ利用に一日何時間費やしたか、を示すべきである。

利用状況レポートはまた、「このeメールは、あなたが当アプリを一般ユーザーより著しく多く利用くださったために送られています。当社はこのアプリにあなたが熱中してくださることに心から感謝しておりますが、一方で、当社にはインターネットアプリが中毒症状を引き起こすことを注意喚起する責任がございます。もしあなたが、当アプリにより、キャリア、教育、人間関係、メンタル面での悪影響を感じておられる場合、専門家の助言を求められることをお勧めいたします」というような警告文も含んでいるべきである。

2. 利用無制限アプリには、自己管理ツールを含むべきである(そして、週ごとのレポートにはそのツールへのリンクを記載すべきだ)。

FreedomおよびAnti-Socialについて聞いたことがある人もいるだろう。前者は事前に決めた長さの時間だけインターネットアクセスをブロックし、後者は、特定のウェブサイト(多くはソーシャルネットワーキングサイト)へのアクセスをブロックする。利用無制限アプリも似たようなツールを提供し、ユーザーにa) 一日のログイン回数を制限し、b) 一日のアプリ利用時間を制限することを可能にすべきである。

当然このような疑問が出るだろう。中毒に陥ったユーザーが多額の利益をもたらし、エンゲージ指数をはねあげているのに、どこのデベロッパーがそんな対策を実際に導入するだろうか?

デベロッパーが自らの責任を果たすことを期待したい。しかし、そうでなければ、AppleとGoogleが、これらの対策をアプリストアへの登録の条件とすることができるだろう。彼らはデザインや機能に厳しいガイドラインを設けているのだから、中毒警告レポートや自己管理ツールの条件を課すことも可能なはずだ。

Appleは、iPhoneアンロック問題においてのFBIとの対立で、セキュリティとユーザーのプライバシーへのコミットメントを世に知らしめた。同社であれば、カスタマーのメンタルヘルスと健康にも同様に尽力していることを示したいのではないだろうか。

インターネットやモバイルアプリは寓話ではない。社会的影響を持ち、それは私たちの友人、家族、同僚にも及ぶ。バーは飲みすぎたお客さんを断ったりもする。私たちも同様、アプリを使いすぎたユーザーに責任を果たす必要がある。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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成長し続けるディープラーニングを制するのは誰か

Amit Karp氏はBessemer Venture Partnersの副社長である。彼は同社イスラエル事務所で勤務しており、イスラエルとヨーロッパにおける投資に焦点をあてている。彼をTwitterでフォローしよう。@amitkarp 人工知能(AI)*は私たちの予想をはるかに超えて急速に発達している。先月、GoogleのDeepMind AIが伝説的囲碁棋士のLee Sedol氏に勝利したこと…

Amit Karp氏はBessemer Venture Partnersの副社長である。彼は同社イスラエル事務所で勤務しており、イスラエルとヨーロッパにおける投資に焦点をあてている。彼をTwitterでフォローしよう。@amitkarp

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Jiuguang Wang“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

人工知能(AI)*は私たちの予想をはるかに超えて急速に発達している。先月、GoogleのDeepMind AIが伝説的囲碁棋士のLee Sedol氏に勝利したことは業界にとって決定的な瞬間だった。この勝利を手にしたのは、ディープラーニングと呼ばれる比較的新しい人工知能技術で、人工知能に変革をもたらしているものだ。

ディープラーニングができるまでは、最高級の人工知能システムは常に特定の問題への対処のために調整され、正常に動かすためには多くの制御を必要としていた。しかし、ディープラーニングがもたらす変化により、多数の研究者が昔ながらの人工知能アプローチを放棄せねばならなくなった。ディープラーニングは巨大な多層状のバーチャル神経細胞をシミュレーションし、コンピュータが抽象的なパターン(人間の脳の働きに似通ったもの)を認識し学習する。これはあらゆる一般的な目的のパターン認識問題の解決にも利用することができるので、大量データを使った活動には有益だ。

ディープラーニングには大いに投資の機会がある。そのテクノロジー自体だけでなく、激増するオンラインサービスによる大量データ、ストレージの向上、GPUと計算能力の進化、豊富なクラウドコンピューティング、安価なセンサーの開発、モノのインターネット(IoT)によって生み出された新たなデータといった、その他のテクノロジーも底上げできるからだ。結果として、ディープラーニングには全ての業界の問題を解決できる可能性がある。

大手ソフトウェア企業は皆ディープラーニング性能を構築し、自社製品に組み込むために巨額の投資をしている。これらの企業は社内利用のためだけではなく、ソフトウェアフレームワークとライブラリを開放して業界全体の進化を目指しているのだ。Googleが先日発表したところによると、同社最新の機械学習システムTensorFlowをオープンソース化するという。Facebookは人工知能ソフトウェアを動かす強力な新サーバーを無料開放している。IBMは自社の機械学習コードSystemMLをオープンソース化し、Elon Musk氏は協力者とともに非営利人工知能研究グループOpenAIを設立するなど、枚挙にいとまがない。スタートアップはすでにこれら大手ソフトウェア企業による大掛かりな社内研究の恩恵を受けている。

そうなればもちろん、スタートアップがもたらす新たな成果によって人工知能は数年前には解決できなかった複雑な問題も解決できるようになる。おそらくここで最も興味深いことは、これらのスタートアップはほとんど全ての業界をターゲットとしていることだ。最初の層は一般的な目的のために大量データを取り込み自動的に興味深いパターンを発見する人工知能プラットフォームで、シリコンバレーを拠点とするAyasdi、ドイツのBlue YonderやイスラエルのSparkBeyondなどが含まれる。

次に、人工知能をベースとした商品を販売する企業だ。人工知能をベースとしたRadiusDynamic Yieldといったパーソナライゼーションとマーケティングツール、販売と維持率予測ツールの6senseGainsight、人工知能をベースとしたカスタマーサポート会社Wise.ioなどがここに属する。しかし、人工知能スタートアップは企業にとどまらない。地上輸送(MobileyeCruise)、農業(ProsperaBlue River)、産業(Imubit)やヘルスケア(Zebra MedicalDeep GenomicsFlatiron Health)といった古くからある多くの業界を震撼させている。

ある意味、ディープラーニングは初期ビッグデータと似た道をたどっていると言えるだろう。当時、「ビッグデータ」企業であることは良い意味に捉えらえていた。しかし、時間とともに、ほとんど全ての企業が大量データを保存し、分析しているビッグデータ会社だということが明らかになったのだ。データの中から価値ある洞察を抽出できる能力を持ち、それに基づいて行動を起こすのが優良企業であり、他社との差別化である。

同様に、ディープラーニングが得意だと名乗りを上げる新しいスタートアップも多数存在する。しかしながら、時が経つにつれどの企業も何らかの形でディープラーニングを利用することになるのではなかろうか。そして、優良企業とそうでない企業の違いは、ドメイン知識、データセット品質や、解決すべき問題を正確に見分けられる能力といったことだ。

私の投資会社では、このような新しい人工知能スタートアップを評価する際、まずどのチームが最高の知識を有するか、独自技術において外部APIに依存していないか(イスラエルはこういった才能の宝庫のひとつだ)を理解しようと努める。現在、強力な人工知能チームがかなり不足しているので大企業が手早くスタートアップを買収し、独自の人工知能機能を向上させている(GMが最近Cruiseを買収したのがその一例)。

長期的に考えると、投資家として最も興味をそそられるのはディープラーニングを使ってデータネットワーク効果を生み出すことのできる会社だ。こんな風に。

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このアプローチでは、企業は他とは違う独自のデータセットを作り、より効果的なディープラーニングアルゴリズム訓練で洞察力を向上することができる。これらの洞察によりデータの共有に協力的な顧客が増え、データセットの品質が向上しサイズが拡大するという好循環をもたらすはずだ。新しい競合相手は鶏が先か卵が先かという古典的な問題に対峙する。顧客データがなければ、ディープラーニングアルゴリズムに適合できないのに、より良いアルゴリズムがなければ顧客データが得られない。

先ほど述べたように、最高水準の人工知能知識を持ち、なおかつそれを有効なデータネットワークに落とし込めるスタートアップこそ、やがて究極の価値を持つのだろう。人工知能スタートアップの競争が過熱するとともに、この好循環は自然と独占され、やがて数年後には不気味なほど巨大で強力な人工知能企業が誕生するだろう。

*人工知能という言葉は一般的に機械学習(ML)のことを指す。この記事では、混乱を避けるために人工知能という言葉で表現したが、これらの機能の多くは人工知能ではなく機械学習と定義されるべきであることは認識している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
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GoogleのAIは、いかに次世代ボットのために道を拓いたか

Peter Yared氏はSaphoの設立者でCTOである。以前はCBS InteractiveでCTO/CIOを務めていた。 テック業界でボットがあっという間に大人気になっている。ボットは、メッセージングアプリ上でUberのようなサービスにシンプルなテキストで依頼を出せる機能を提供している。ユーザインターフェースは友人にテキストメッセージを送るのとそっくりで、重いネイティブアプリをダウンロードし…

Peter Yared氏はSaphoの設立者でCTOである。以前はCBS InteractiveでCTO/CIOを務めていた。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “JD Hancock“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

テック業界でボットがあっという間に大人気になっている。ボットは、メッセージングアプリ上でUberのようなサービスにシンプルなテキストで依頼を出せる機能を提供している。ユーザインターフェースは友人にテキストメッセージを送るのとそっくりで、重いネイティブアプリをダウンロードして使うよりもずっと簡単にメッセージを入力できる。

多くのボットやSlackのようなボットプラットフォームが現れると、テキスト検索でクエリの結果を返す方法を完成させるまでGoogleがほぼ20年を費やしたという話が余計に興味深く感じられる。現在のボットは、自然言語の解釈、人工知能、そしてユーザインターフェースについてGoogleの教訓から学べることが多くある。

ボットの典型的な例としては、Slack上でUberを依頼する、というものがある。モバイル上のSlackではユーザの居場所がわかっているため、これはどちらかといえば簡単な使い方である。しかし、最新のボットはすぐ行ったり来たりを永遠に繰り返し始めてしまう。例えば、飛行機のフライトをテキスト経由で探そうとすると、航空会社の自動音声サービスを使う場合と同じくらい長々と面倒な時間を強いられることになる。

ボットでのメッセージのやり取りはつまらない

きっといつの日にか、ユーザーがサンフランシスコからニューヨークへのフライトについて尋ねるとそれを完璧に理解できるまでにボットは賢くなるだろう。しかし、ビジネスなのか観光なのかといったことや、今回はミーティングがあるから前回とは違う空港に行かないとか、マイレージを使いたいから特別な航空会社を使いたいといったようなことをわかってもらうにはまだまだ長い時間がかかる。

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Googleがいかにより少ないテキストでのやり取りを可能にしたか

Googleはもう長い間、検索したテキストに対して最も関連のある回答を返すことにかけては名人の座についている。7年前、Googleの検索システムはクエリの意図を解釈したり、クエリに対する検索結果の上に回答を書いたカードを返してきたりし始めた。その後、Googleのこのカードは高度なインタラクティブアプリに進化し、天気から音楽、歌詞、それに飛行機のフライトまで、何でもカバーするようになった。

Googleは英語の簡略表記、例えば「SFからLAへのフライト」などを理解するし、インタラクティブカードを検索結果で返してくる。インタラクティブカードはボットによるメッセージのやり取りよりもずっと効率的なユーザインターフェースだ。私たちはテキストメッセージを送りたがるが、より長文のテキストメッセージが返信されることはできるかぎり避けたいと思っているのだから。

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Googleのインタラクティブカードアプリ

カードの中の「フライトを表示」のボタンか「フライト」タブをクリックすると、ユーザが航空券を購入できるよう導いてくれる完全に双方向型のマイクロアプリがフルスクリーンで表示される。ボットだったら、このフルスクリーンのマイクロアプリを使った方法を、より複雑な対話方式に変えてしまいそうだ。

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テキストのみで双方向型のやり取りをしてもどうしようもない、という点をはっきりさせるために、Googleは数年前、インタラクティブカードとマイクロアプリをスマートフォンに対応させた後に、自身のSMS検索プロダクトを一つ終了させている。

メッセージにふさわしい方法を選択すること

人々は書類を書くためにには、電話ではなくコンピュータを使う。それと同じように、自然言語ボットは異なるコンテキストにおける異なるタスクに向いている。音声のみのインターフェースを使用する場合、対話は一般的に単純な質問と回答に限られる。だがスマートフォンに入力する場合は、より複雑なクエリによって精巧なインタラクティブカードやマイクロアプリを回答として得られる。

各対話オプションをここに簡単に例示しておこう。

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新興ボットプラットフォームはマイクロアプリプラットフォームになるべきか

ボットをサポートしているSlackやFacebook Messengerなどのメッセージングプラットフォームにとって、これはなにを意味しているのだろう? Googleの辿った道を見てみると、これらはすぐにAPIを拡張してカードアプリやマイクロアプリがそのプラットフォーム上で活躍できるようにする必要がありそうだ。

カードアプリやマイクロアプリへの対応は、GoogleのカードAPIのような新世代のライトウェイトHTML APIが必要となる。皮肉なことに、FacebookはFBML(Facebook Markup Language)プラットフォームを終了させてしまっているが、React.jsがその後を継ぐ可能性がある。ユーザは過剰な機能を積んだ膨大なネイティブアプリにうんざりしているから、これは実時間でダイナミックにロードできる軽いなHTML関連アプリにとっていい機会である。

Googleはまた、単純なクエリならクエリ入力が終わる前に回答を出してくれる。これはメッセージングプラットフォームがもうすぐ取り入れそうなもう一つの機能だ。

Google検索は今、一部のクエリに対してクエリ入力中に回答を表示する

そして一部のクエリに対しては、ボットは質問全てが送信される前に回答を出している。これはGoogleが、Chromeでの天気や株価の情報などのクエリに対して行っていることだ。

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もし、ユーザに対して特別な何かが起こった場合は、ボットはもっと長い間メッセージを送ってくるだろう。今現在のボットは非常に冗長で、SalesforceやGithubのようなソースシステムで起こる全てのことを吐き出してくる。

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ここでもまた、Googleから学ぶことができる。Google Nowなら、プッシュ通知やインタラクティブカードアプリなどをコンテキストやユーザの興味に合わせて先に送ってくれるのだ。

Googleは同じようなエクスペリエンスをメッセンジャーのGoogleハングアウトにも統合しようとする可能性がある。また、O’ReillyのAlistair Croll氏が言及したように、インテリジェントカードアプリとマイクロアプリをメール製品のInboxに統合しようとしている。

デベロッパープラットフォーム戦争が起きつつある

iOS/Androidアプリからもうすぐ10年が経つ。アプリらしい機能性をどうやって実装するか、クエリとユーザーコンテキストに基いたアプリのスリム化をどうするか、といったところに立ち返る素晴らしい機会だ。企業向けアプリにおいては、ユーザーはすべてのエンタープライズツールでクエリが利用でき、主導的でインタラクティブなカードとマイクロアプリが使えるようになることを期待するだろう。

法人ユーザーにとってのボットの価値はようやく明らかになり始めたばかりだ。法人向けボットは、会話の文脈に知能を加え、従業員に関連情報を送り、ワークフローを最適化するために使われるようになる可能性が高い。

Googleはテキストクエリに回答するという点で他を引き離している。しかし、MicrosoftはすでにSkype用のボットAPIについて発表しているし、Slackのような新顔もいる。全体を見れば、これはきっと面白い展開になるだろう。ここ10年ほどの間、デベロッパープラットフォーム戦争なんてなかったのだから。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
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Yammerとの給料交渉で、1万5000ドルアップを成功させた方法

著者のAnna Marie Cliftonさんは、Yammerのプロダクトマネージャーです。本稿はMediumに掲載された記事をご本人から許可を得て抄訳したものです。Twitterは、@TweetAnnaMarieでフォローできます。 初めてある人をデートに誘ったとき、私はプチパニックに襲われた。正直に言うと、彼がイエスといったのかもよく分からない。電話の向こうで彼がなんと言ったのか聞き取れなかっ…

著者のAnna Marie Cliftonさんは、Yammerのプロダクトマネージャーです。本稿はMediumに掲載された記事をご本人から許可を得て抄訳したものです。Twitterは、@TweetAnnaMarieでフォローできます。

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初めてある人をデートに誘ったとき、私はプチパニックに襲われた。正直に言うと、彼がイエスといったのかもよく分からない。電話の向こうで彼がなんと言ったのか聞き取れなかったのだ。「一緒にでかけない?」という言葉を発するやいなや、アドレナリンが放出されて、私は耳に血が上ってくる音と、頭の中に響く「電話を切れ、電話を切れ、電話を切れ。逃げろ!!」という叫びしか聞こえなかった。

こんな感情に襲われたのは自分でも驚きだった。とにかく恐ろしかった。手の震えが止まり、再び普通に思考できるようになると、もうこんな感情を味わうのは止めようと誓った。

どうすればいいか? 練習だ。

翌日から、私は新しい日課を開始した。なにかのソーシャルなイベントに毎日参加し、もっとも興味がもてる男性を選んで、電話番号を聞いて、次の日には一人一人に電話をしてデートに誘ったのだ。

数週間実行すると、十分なデートファネルなるものができあがった。

聞いた電話番号の数 40個/週
実際に教えてもらえた数 10個/週
デートまで実現した数 6回/週

私は忙しかったが、それ以来誰かをデートに誘うことに緊張しなくなった。

恐いと思っていることを乗り越えるための一風変わった方法は、ただそれを実行することだ。

この教訓は何年も私の心に残った。最近の面接で給料の交渉で緊張したときには、その不快感を乗り越えるためにできる限りの努力をして、最高の結果を出すために交渉した。

どんなに大変だったとしても、こうしたことがよりうまく、気負わずにこなせるようになっていった。

月曜日

Yammerでの最終面接の3日後、採用担当者から「条件について話す」ための時間が欲しいというメールがきた。

最高の気分。この部署に加われることに胸が高鳴った。
緊張。話し合いの電話まで2時間しか準備時間がない。
リサーチ。そのポジションの報酬についてリサーチを重ねた。
助言。信頼する友人4名に電話をして、自分が話そうと思っていることを伝えた。
練習。考えられるあらゆるシナリオごとに、回答を練習した。

時刻は3時になり、私はパワーポーズをとった。担当者からの電話がなり、やりとりが始まった。

応募したチームはあなたのことがすごく気に入っている。喜んでオファーを出したいとのこと。すばらしいニュースだ。

彼は質問した。「有利なオファーを出したいので、あなたが求めていることを教えてくれませんか?」

私は意図的かつ正直で、練習をこれ以上ないほど重ねた回答を返した。

「給料は一番の決定要因ではありません。Yammerでの挑戦とチャンスにとてもワクワクしています。きっと、全員が納得する形で話がまとまることと思ってます」

報酬を具体的に言わなかったのはわざとだ。多くの交渉に関するアドバイスが「セカンドスピーカー」になれと説いている。条件を口にした最初の人が、その時点で会話の方向性を決定する。お菓子一箱の取り分について交渉している際に、あなたが半々に分けましょうと言ったとしたら、あなたは私が交渉できる余地のある低いハードルを設定したことになる。

具体的な報酬やその幅を口に出さないことで、私は採用担当者が低いハードルを設定して、私にそれを上げられる余地を与える状況をつくった。担当者は当然、最初に私から話してもらって、上限を設定したいと思っていた。

彼は直接的には質問をしなかったが、その後の30分に感じられたような5分の間に、私に何かを言わせようとした。

警戒を取り除く「Microsoftは過小評価しません。その点は懸念されていないといいのですが。」
有用な情報「ストック・オプションをもつ社員もいます。その点を考慮に入れることはできるでしょう。」
友好的な態度「もちろん、ある程度柔軟に額は動かせますよ。ですが、まずあなたの希望について情報をいただけると助かるのですが。」
などなど。

なにか言われるたびに、私は落ち着きはらって穏やかに、お互いをライバルとみなしていないという安心感を与えながら、具体的な額を言わないという決意を守っていた。

二人の間の緊張感はすさまじく、私は気まずかった。会話の間は階段を上ったり降りたりしながらエネルギーを吐き出し、呼吸を整える必要があるときだけ立ち止まった。この会話は非常に疲れるものだった。

でもやりきった。

会話は無事に終わった。私たちのどちらも具体的な額を言うことなく。彼は部署と具体的な条件について話し合うと言い、翌日また詳細の話をすることになった。

火曜日

遅い午後に担当者から電話が入った。承認を得られた条件が確定したが、自分は今日この後ずっと外出するため、次の日まで情報を伝えられないという。私は問題なかった。

その日、姉と飲みに行って、具体的な報酬を提示されたらどのように回答するかを話し合った。

その額が低いものだったら、大きく上げてもらいたいと求めるだろう。だが、それがある条件を満たしているものだったら、きっと少しだけ上げてもらうことを頼んで、それに対する回答がなんであれ、それを受け入れるだろうと。

だが、そうすると月曜日に交わしたやりとり、自分の期待値に近い高い給料を提示された場合でもより高い給料を交渉するためのやりとりの意味がなくなってしまう。姉は、この過程をやり抜こうと決めた当初の気持ちを思い出させてくれ、強くいるんだと励ましてくれた。

「高い報酬を提示されたら、さらに1万5000ドル多く求めてみるの。練習のためにやるのよ。交渉をしない女性のために、そしてあなた自身のためにも。上がった分をもらうことが気まずいんだったら、その分をMicrosoftのすばらしいチャリティプログラムに寄付すればいいのよ!」

水曜日

担当者から時間通りに電話がきた。短い挨拶のあと、すぐに本題に入った。

彼は条件の詳細を順に述べていった。私は静かに聞いていたが、時間はとてつもなく長く感じられた。全身で落ち着いた態度を保とうと必死になっているとき、わずかな沈黙がどれだけ長く感じられるものか驚いた。

彼は基本給を言ったあと、一息ついた。期待しながら。

その額は、私が期待していた範囲の中でも高い額だった。

さまざまな考えが頭を駆けめぐったが、沈黙をできる限り長く伸ばして、はっきりとしない「うーん……」という相槌を発した。彼は他の条件についての説明へと進み、私は最後まで沈黙を保った。

説明が終わると、私はいくつかの質問をして、こう返事をした。

「繰り返しますが、この部署についてはとてもワクワクしています。A、B、Cに関しては私の期待に沿うもののようですが……基本給の年収に関しては、さらに1万5000ドル高い額を期待していました。」

ぐわーー。耳に血が上ってきた。まさに数年前のあの瞬間のように。だが、期待を保って、なんとか乗り越えようとがんばった。心臓をバクバクさせながら、私は返事を待った。

採用担当者は動じなかった。彼は部署に確認すると言った。また、さらに1万5000ドル高い額を提示すれば、すぐにサインしてくれるか、他の会社と進めている話を打ち切ってYammerにコミットしてくれるかどうかを私に確認した。私はイエスと言った。他に内定もなかったし、もしその条件がかなえばオファーを喜んで受け入れたいと思った。

「すぐに折り返しますね」彼は電話を切って、私の代わりに交渉に入ってくれた。

数時間後、彼は私の希望に合った内容に変更した条件とともに再度電話をかけてくれた。もちろん、多少の変更はあったが。長期的なインセンティブの調整はあったが、それは私にとってまったく問題ないものだった。

ヤッターー!!

怖くて大変なことを無事にやり遂げたのだ。私は給料交渉に不安を感じている他の女性たち(そして男性にも!)に共有できる多くのことを学ぶことができた。

主な学び

ー 沈黙は友なり
話すことを期待されるプレッシャーは気が滅入るものだ。しかし、何も言わないというスキルは、口に出そうと考えていることの多くに比べれば大きなものだ。

ー 決定を引き延ばすための、誠実な方法を見つけること
自分にとってベストな条件を見つけてもらうよう、採用担当者にプレッシャーをかけること。だが、本心から話すことが大事。そうすることで、会話の駆け引きの中でも落ちつきを保てるはずだ。

ー より多くを求めることを恐れないこと
企業があなたにオファーを出すほどあなたのことを気にかけているのであれば、より多くを求めたからといってオファーを撤回することはないはずだ。最悪の場合でも、企業はできる限りのオファーを出したと返答するだけなのだから。

ー BATNAを知って、有利に交渉を進める
BATNA(最も望ましい代替案)というのは、Roger Fisher氏とWilliam Ury氏が1981年の著書『ハーバード流交渉術 』で提案したすばらしいコンセプトだ。

簡単に言うと、最も望ましい代替案が良いものであるほど、会話を有利に進めることができるというものだ。そして、代替案を出すことを恐れないこと。私は他の企業とも話を進めていたため、必要であれば交渉を離れることもできる立場にあった。それによって、期待していた金銭的な条件を得ることができた。あなたのBATNAを知って、時機を見計らって、それをオープンに告げること。あと、『ハーバード流交渉術 』もぜひ読んでみて!

(翻訳: 佐藤ゆき)

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2016年のバーチャルリアリティの発展に期待できること

Tipatat Chennavasin氏はThe Venture Reality Fundの共同設立者である。冒頭に紹介したChennavasin氏によるレポート250-plus VR Landscapeはリンク先を参照してほしい。 バーチャルリアリティ(VR)はついに私たちの手の届くところにあり、それは私たちの想像を超えている。Oculus、Facebook、Samsung、HTC、Valve、…

Tipatat Chennavasin氏はThe Venture Reality Fundの共同設立者である。冒頭に紹介したChennavasin氏によるレポート250-plus VR Landscapeはリンク先を参照してほしい。

Above: A Latin American journalist tries out Until Dawn: Rush of Blood in virtual reality on the PlayStation VR at PSX. Image Credit: Dean Takahashi/GamesBeat
上: PSXのPlayStation VRで『Until Dawn: Rush of Blood』をVRで試している南アメリカのジャーナリスト
Image Credit: Dean Takahashi/GamesBeat

バーチャルリアリティ(VR)はついに私たちの手の届くところにあり、それは私たちの想像を超えている。Oculus、Facebook、Samsung、HTC、Valve、ソニー、そして(当然だが)Googleといった大手テック企業が先鞭をつけており、それに続くのが、開発者、デザイナー、その他VRに夢を見る人々などによるエコシステム全体である。皆、VRの明るい未来を夢見ておりその未来では、誰もがヘッドセットを装着していることだろう。

私は250を超える将来有望な企業をこちらのレポートでリストアップしている。これらの企業は40億米ドルの資金を調達し、市場規模を150億米ドルにまで成長させている。

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「できるかできないか」ではなく「いつできるか」

VRのルーツは、80年代、90年代に死んではいなかった。ただ、コンシューマー向けのVRはその頃まだ未成熟であった。しかしVRは、世界中の学術研究、軍事研究の場で成長してきた。今日におけるVRの復活は、コンピュータが実験室の段階を抜け出し、メインフレームからパーソナルコンピュータ(PC)に進化したときと似ている。コンシューマー向けVRはリーズナブルな価格になっており、ユーザエクスペリエンスの質も高くなっている。

20万を超える開発者と、世界中で少なくとも700社はあるスタートアップ、そして前述したような大手テック企業が参画しているVRは、「できるかできないか」の段階を過ぎ、「いつできるか」の段階に来ている。最初は熱心なファンだった人が開発者になり、最終的にはVRに投資するという流れの中で、急速に成長と進化を遂げているVRのエコシステムに焦点を当てることは重要であった。

この記事の目的は、VRで目覚ましい成果を上げている企業を取り上げることと、彼らがVRという新しいメディアで見出している革新的なユースケース(使い方)を取り上げることの両方である。また、ここでは資金を調達できているか、メディアから大きな注目を浴びている企業に絞っており、数え切れない超初期段階のスタートアップやステルス(秘密裏に進めている)スタートアップは意図的に除外している。

ここでの目的は、すでに投資ないしはメディアの関心を集めている例を示すことで、VRで投資する価値があるのは何かを検証することだ。この業界の見通しをよくすることは業界自体のためにも重要であり、それによりパートナーシップが発生するかもしれず、また、業界に参入しようとする者が早期にキャッチアップして参入できるようになるだろう。

本記事ではまた、VR業界のメガトレンドも紹介したい。

VRは驚くべきクオリティになっているが、改善の余地もまた大きい

Oculus、Valve、ソニーはVRを手頃な価格にしただけでなく、デバイスの品質も高めることで、技術的に大きな課題であったシミュレータによる乗り物酔いを商品設計の良さで解決できる問題に変えてきた。もちろん、Retinaディスプレイや触覚フィードバックなど改善できることは山ほどあるが、これらのVRシステムは、最初の世代の(デスクトップコンピュータにワイヤで接続されていた)デバイスの頃から比類なき強力なものであった。

最初にモバイルありき

Image Credit: Samsung
Image Credit: Samsung

パーソナルコンピュータがデスクトップからモバイルに移行するのに数十年かかったのとは異なり、有線とモバイルのVRデバイスは同時に作られている。そしてコンシューマー向けでは、SamsungのGear VRやGoogle Cardboardは、よりパワフルだが取り回しの悪い(有線接続の)VRデバイスより先に登場した。多数派に受け入れられているものといえば、これらの手頃な価格のモバイルVRシステムであり、すでに500万人を超えるユーザが存在している。

モバイルデバイス上で動作するので、モバイルVRはPCや据え置き型のものに対して機能は制限されている。それでも、360度のビデオやカジュアルなゲームはVR初心者としては注目すべきものであり、100米ドルの価格(Cardboardはさらに安い!)は、妥当どころではない。デスクトップVRの価格と比べてみるとよいだろう。Viveは800米ドル、Riftが600米ドル、PlayStation VRが500米ドル。これはコンソールのハードウェアを含まない価格である。そして、Cardboardは技術的にみれば最も簡素なものとして登場しているが、Googleは同社がモバイル上でVRを一般普及させるという意思表示として、今年初めにVRの正式な事業部を発足させている。

ツールが重要

VRのクリエイターが従来の製作ツールやワークフローを踏襲することもあるが、VRが本当に普及するには、従来よりはるかに簡単に効率よく、VRにふさわしいユーザエクスペリエンスを作成できなければならない。だからこそ、VRコンテンツ作成環境をより良くするためのツール、プラットフォームに多額の投資が行われている。「小市民ケーン(映画)」、スーパーマリオブラザーズ、はたまたMicrosoft Officeといったキラーコンテンツを取り入れるために多くの実験と失敗を重ねなければならない新しいメディアであれば、それは特に重要である。

コンテンツ、コンテンツ、コンテンツ

投資家は基本的には、ヒット作に過度に依存するコンテンツビジネスには手をつけないものだが、プラットフォームが移行するとき、その移行が類まれな投資機会を作り出す。VRコンテンツはまだ巷にあふれるようなコモディティ化はしていないため、この業界の競争で勝ち、優れた製品だけでなく新ブランドやIP(知的財産)を築くことも難しくはない。これが、VRゲームやコンテンツのスタジオに投資することは、従来のスタジオに投資するより意義深い理由である。だからといって、VRに転向するだけでベンチャーキャピタルの投資が受けられるわけではない。優れた製品と優秀なチーム、そして過去に製品だけでなく企業として抜きん出た成功の実績が必要である。

ゲームやエンタメのためだけではない

VRがゲームやエンターテイメントだけに向いているというのは、よくある誤解である。VRは確かにゲームや映画などのストーリーにより没入でき、心に訴えてくるが、この没入の深さはまた、教育、ヘルスケア、デザイン、コミュニケーションその他多くのことを革新してくれる。

VRにより真のスケール感や全体像がもたらされることが重要な意味をもつタスクはいくつかある。VRはまた、デジタルの世界に実在感をもたせ、これまでのメディアが不可能であった感情移入も可能になる。ふさわしいユーザエクスペリエンスがあれば、VRは「ゲームチェンジング(業界のルールを変える)」だけでなく、「ライフチェンジング(人々の生活を変える)」となり得るのだ。

VRネイティブのインプット方法はすべてを変える

過去3年間、一般に入手可能なVR開発キットはヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いていたが、VRとして特定の入力デバイスを持っていなかった。数ヶ月前にHTCが発表したViveにVR用のハンドトラックコントローラを付属させ、さらに最近Oculus Touchが発表され、状況は変わった。

ようやく、実際に見ているのと同じように簡単かつ直感的に、バーチャルの世界に触れることができるようになったのだ。真にVR向けといえる入力デバイスを開発者が入手できるようになり、これからさらに多くの企業が、そのクリエイティビティと生産性を持ってVRの世界に参入してくるだろう。

VRは世界各地で根差し始める

サンフランシスコはVR開発活動のハブとなっており、ベイエリアではVRに関するミートアップイベントが月に6回以上開催されている。しかしそれだけでなく、ロサンゼルス、シアトル、東京、パリ、バルセロナ、ソウル、ロンドン、中国の深セン、ニュージーランドのウェリントン、さらにその他の都市に素晴らしい企業が存在し、それぞれの都市にVRの進化をサポートする開発者、熱心なファン、エバンジェリストのコミュニティが存在している。最大の障害のひとつは、一般への普及のためには、実際にVRを体験してもらう必要があることである。

しかし、コミュニティの急速な成長から予想するに、いったんVRに虜になった人はVRを熱心に広めるであろう。必要であれば、ミートアップイベントのたびにデモを開催するくらいに。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
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考え直そうーーRuby on Rails生みの親でBasecampの創業者がスタートアップに贈る言葉【寄稿】

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Ruby on Railsの生みの親、Basecamp(旧 37signals)のファウンダーでCTOのDavid Heinemeier Hanssonさんによる寄稿記事です。著書に、ニューヨーク・タイムズのベストセラー「REWORK」と「REMOTE」。「ル・マン24時間レース」のクラス優勝者。Davidさんの活動は、ご本人のWebサイト、またTwitter(@DHH)でフォローできます。本記…

DHHRuby on Railsの生みの親、Basecamp(旧 37signals)のファウンダーでCTOのDavid Heinemeier Hanssonさんによる寄稿記事です。著書に、ニューヨーク・タイムズのベストセラー「REWORK」と「REMOTE」。「ル・マン24時間レース」のクラス優勝者。Davidさんの活動は、ご本人のWebサイト、またTwitter(@DHH)でフォローできます。本記事は、Mediumに投稿された記事をDavidさんから許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。

*記事は、「Web Summit 2015」のDavidさんの講演内容を起こしたものです。


#WEBSUMMIT2015
#WEBSUMMIT2015

12年前、僕はBasecampというスタートアップを共同創業した。月額制のシンプルなコラボレーションツールで、チーム間のプロジェクト進行を後押ししてくれる。

それがあることで、みんなの仕事が少し改善される。Eメールでプロジェクトを管理したり、いくつもに分かれたチャットやファイル共有、タスクシステムを同時に使うより、やりやすい。それは、僕と僕のパートナーとにって快適な事業へと育ち、僕らの従業員に素晴らしい職場をもたらした。

でも、それだけだ。

Basecampは、別に何もディスラプトしていない。それは、“10億ドル クラブ” に新たなメンバーを加えてもいなければ、ユニコーンになったことも一度もない。もっと酷いことに、これだけの年月が経っても、Basecampの従業員数は50人未満にとどまる。サンフランシスコにサテライトオフィス(遠隔勤務地)を設けることすらしていない。

君が何を考えているのかはわかっている。つまらないな、と。なんで、こんな男の言うことに耳を傾けているんだろう?と。このカンファレンス(*Web Summit 2015)は、スタートアップというゲームの勝者に向けたものじゃないのか?例えば、ベンチャーキャピタルから巨額の調達をしているとか、少なくともそれを目指しているとか。世界を食い尽くす野望を持っているフリすらしない企業で10年以上を無駄にするなんて正気じゃない、と。

僕がここにいる理由は、君たちにあることを思い出してもらうためだ。もしかしてもしかすると、君もまた、今スタートアップ業界にはびこる “ディスラプトマニア”の空気に嫌気がさしているんじゃないか。スタートアップに許される空気がきっと他にもあるはずだと。昨今のディスラプションへの熱意は、事業を始めるためのそれ以外のモチベーションを排除しているかもしれない。また、このカンファレンスに参加する人たち、そして世の中にとって毒以外の何物でもないのかもしれない。

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この問題の一部に、もはや人は、宇宙にちょっぴりくぼみを生むだけでは満足出来なくなっていることがある。彼らは宇宙を制覇したい。ただ市場に存在するだけでは物足りず、それを独占せずにはいられない。ただ顧客に仕えるだけでは不満で、顧客をにしなければ気が済まない。

最近のスタートアップ界隈の人たちとは、ネットワーク効果(ユーザー数の急速な伸び)や、世界中を虜にするまでマネタイズを無視する勇気について話題にすることなしには会話すらできない。

この環境下で「スタートアップ」は、ビジネスの完全な支配を追求するという狭義なものになってしまった。それは、ユニコーンや“成功”に付随するもので溢れた強迫観念と化している。とある世代が丸ごと、神めいた存在へと変化するポテンシャルに執着する「インターネット」というもののために働いている。

この類のおとぎ話のような理想が絶えず強調されている世の中で、そんな彼らを責める権利が誰にある?

問題の根底から始めよう。ユニコーンになる見込みがあるスタートアップにいくつも小さく賭ける人たちは、自らをエンジェルと名乗るようになった。気は確かかと聞きたい。自己奉仕の別名を、よりによって、この宗教の寓話につけるだなんて。そのリーダーが男を神殿から追い返し、「裕福な男が天国に行くことは、らくだが針穴を通ることよりも難しい」と断言した宗教。

「裕福な男が神の王国に脚を踏み入れることは、らくだが針穴を通ることより難しいだろう。」Matthew 19:23–26 (聖書より)

これは、あくまでパイプラインにおける始まりの一歩でしかない。もし君が、software is eating the world(ソフトウェアが世界を食い尽くす)といったディスラプションにまつわるバズワードを十分に列挙できて、サンフランシスコのメッカに適した熱望を抱くことができるなら、君もまたこの何階層にも分かれた投資スキームに加担することができる。

エンジェルは、スタートアップマネーの神聖なる三位一体のほんのエントリーレベルにすぎない。照らされた道を進んでいけば、あっという間に、賢明なベンチャーキャピタリストという観衆に巡り会うだろう。そして最後に、君のホッケースティック(成長カーブがホッケーステックのような形をしていることからくる表現)が丈夫なら、君は投資銀行のオーディションを受けることができる。彼らは、売却禁止期間が切れてキャッシュアウトできるまでの間、君の「輝いて見える能力」を見定めるだろう。

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そして、彼らが最終確認のためにするのは、投資家がその株を売って現金化するための機会「Liquidity Event」だ。財務天国に踏み込むために必要な洗礼。無事にその仲間入りができると、君は天使に生まれ変わり、神々の輪が完成される。

それがお前とどう関係あるんだよと思うかもしれない。だって、僕は特別なんだ。ユニコーン製造工場のあらゆる予想に反して、自分だけの特別なツノを手に入れてみせる。そもそも、資本家が語る神聖な言葉なんてどうだっていい。お金を持っていることさえわかれば、Big Dollar Daddyと呼んでやったっていい。別に失うものはない。

でも、君は次のユニコーンになるチャンスを見逃すまいと、エンジェルから必死になってお金を受け入れる。次に、そのトップクラスの成長を加速化させるために、ベンチャーキャピタルから巨額の資金を受け入れる。君に上場するポテンシャルがあり、いつか君がテクノロジーのビヒモス(旧約聖書に登場する怪物)に化けると投資銀行家をそそのかす。

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台本が用意された道のりの中で、君は自分のボスとなる存在を次々に増やしていく。君を手引きして導く存在は増え続ける。彼らは君に、空にそびえ立つエアーキャッスルを高く膨らまし続ける方法、またそれが他の誰かの悩みの種になるまで、数字を「よく見せる」方法を教授するだろう。

もし君が、これから5年以内に次のUberなる50億ドル企業になりたいと本気で願うなら、このゆがんだ論理に基づいたゲームにも少しは意味があるのかもしれない。でも、君がそれを本当に望んでいるのかについて、少し時間をかけて再考する価値が十分にあると思う。もっと正確に言うと、それが君が本当に望むことであるという極めて低い可能性について。

それがみんなが盛り上がる「成功」の定義だからといって、君までそれを鵜呑みにすることはない。確かにコーラスは無視できないほど大音量で響いているし、魅力もある。でも、表面の漆をちょっと削ってみれば、その下にある材木が想像するほど頑丈ではないことがすぐわかるはずだ。

一歩下がって、この成功の定義がどれだけ狭義なものかについて検討してみよう。

まず、この質問を塾考してみてほしい:君はなんのためにここにいる?

「世界でも最大規模の企業と、最もエキサイティングなスタートアップへのチケットを手に入れましょう。Web Summitに参加するのは、スタートアップにとどまりません。未来に何が待ち受けるのかを探り、業界に変革を及ぼすスタートアップを見つけるために、世界有数のグローバル企業の役員も訪れます。」ーWeb Summitの招待状

これも一つの理由だろう。君は、自分もこのヘッドラインを飾りたい。世界でも最大規模の企業と、最もエキサイティングなスタートアップ。言い換えると、君もユニコーンのツノを頭にはめて試してみたいわけだ。白はまさに君のお気に入りの色だし、これはもはや運命としか言いようがない。

「君はなんのためにここにいる?」という質問に答えるためには、それを文字通りのものにしてしまうのがいい。なぜ君はココにいる?欧州連合のダブリン・アイルランドに(*Web Summit 2015の開催地)。ユニコーンクラブに参加する最速でおそらく唯一の方法は、月4,000ドルを支払ってサンフランシスコで敷き布団を借りることだということを知らないのか?

なぜなら、シリコンバレーの北に位置する地域が全てをディスラプトすることに忙しくしている間、それはまだ地理という基本的なディスラプションに追いついていないからだ。だから、君のぼったくりオフィスが、エンジェルやベンチャーキャピタルがジャムセッションのためにフラッと立ち寄れる距離にないのなら、彼らは君に用はない。

君が問うべき本来の質問は、なぜ起業するのか?だ。昨今のホッケースティック現象だけにへつらうだけが、人のモチベーションになるとは思えない。魅力的に感じるだろうが、それだけにモチベーションを感じているわけではないと思う。そのモチベーションをもっと深く探ってみよう。そのインスピレーションになるように、僕がBasecampを始めた時のそれを共有する。

僕は自分のために仕事がしたかった。自分のペースで進みたかった。自分で道を選びたかった。スーツを身にまとった人間がどう感じるかを気にせず、自分が見たままに感じたかった。もっと調達して、もっと使いまくって、超音速に成長しろと問いただしてくる役員会議に参加するまで、インデペンデンス(独立)は何ともありきたりに感じられる。

インデペンデンスの価値は、それが失われるまで実感されない。そして、お金の支配者が君の素晴らしきジャーニーを指図することで、それはほぼ確実に失われる。一度出発した電車が止まることはなく、山に追突するか、リクイディティという池にあるIPOという駅にたどり着くまで、電車から降りることはできない。

僕は、プロダクトをつくって、そのクオリティーにこだわる人たちにそれを直接届けたかった。君の「金銭的なモチベーション」と「ユーザーに提供するサービス」の足並みが揃う時、そこには素晴らしい繋がりが生まれる。それは、まったく異なる類の仕事だ。ただ人を呼び寄せて、彼らの関心やプライバシー、威厳といったものを最高入札者にまとめ売りするのとは訳が違う。

それは、実直な仕事だ。シンプルで実直な仕事。僕はいいプロダクトをつくり、君はそれに十分な利用料を払ってくれる。この取引を説明するために、マネタイズ戦略といったビッグワードを持ち出す必要はない。なぜなら、それは僕の3歳の息子でもわかるほど単純明白だからだ。

僕は、根を下ろしたかった。同僚や顧客、またプロダクトと長期にわたる絆を築きたかった。10〜100倍のリターンでしか緩和されない、VCの時限爆弾のカウントダウンのもとで舵をとることは不可能に近い。過去20年間インターネットビジネスに身を置いてきて、最も充足した楽しい仕事関係は、どれも長続きするものだった。

Basecampの顧客には、11年間もその利用料を払い続けてくれている人たちがいる!共同創業者のJason Friedとは、14年間を一緒に歩んできた。そして、大きくなるBasecampの従業員チームとも10年近くの付き合いになる。

僕たちのような、生き残る「長寿」なあり方を葬る記事を見かけることが多くなっている。彼らは言う。君は現代の職場環境になんの借りもつくっちゃいない。すべての人間関係は、散ってしまう一時的なものだ。一箇所に居座らず、できるだけ動き回るほうが名声に値する、と。でも、本当にそうだろうか?僕にはピンとこないし、受け入れもしない。そもそも、それを不可欠にする倫理は存在しないと思っている。

僕は、経済的安定のティッピングポイントを達成するするために、一番勝算が高い方法を探していた。理論的な経済観念では、300万ドルを稼ぐための30%の可能性は、3,000万ドルを稼ぐための3%のチャンスと同じで、それはまた3億ドルを稼ぐための0.3%の可能性と同じだ。でも、実際には、君はどれかひとつだけ自分に合ったチケットを選ばなければいけない。

300万ドルの30%を追うために採用される戦略は、3億ドルの0.3%のチャンスを追うために必要な戦略とは真逆であることが多い。月を目指してみたものの、上手くいかなさそうだから代わりに小さな星に着陸しよう、とはいかない。

僕は、仕事の域を越えて豊かな人生を求めた。趣味、家族、知的な刺激、そして、Hacker Newsに止まらない探求。次の次のそのまた次のJavaScriptのフレームワークがどんなものになるのか、そして僕らのユーザー登録のパイプラインをどう最適化できるのかを知りたかった。

1週間約40時間の仕事に伴う制約を謳歌し、それが終わった時に満ち足りた気分でいたかった。自分の貴重な20代と30代を他人に捧げる義務があることについて、四六時中考えていたくなかった。その10年間は、僕に一度しか与えられない。いつか増えるはずのお金のために、それを人に売ることなんて考えられない。
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僕のこれらのモチベーションは、Get Bigか GTFO(Get The Fuck Outの略)(デカくなるか、とっとと失せろ)しか許されないサンフランシスコの経済モデルが定義する成功を否定することを意味した。それは、僕たちにとって、まずはBasecampを副業として始めることを意味した。僕たちの適度な収入を賄うに十分な売り上げを立てるために1年間辛抱し、やっとフルタイムになることができた。それは、プロダクトを売るための観衆をお金で買うのではなく、それをゆっくり築くことを意味した。

スタートアップ神話を封印した僕たちは、そもそも一度もスタートアップではなかったのかもしれない。世界を制覇し、市場や顧客を虜にするための計画もなかった。もちろん、一般的なマイルストーンを祝福することもなかった。シリーズAの資金調達もなかった。IPOする計画もなかった。買収もなかった。

僕らは、競合を根こそぎにすることで勝ったわけじゃない。彼らの道のりに傷をつけ、その従業員を黙って奪い、また短期間で使える限りのお金を使うこともしていない。僕らは、ORの世界ではなく、ANDの世界で繁栄してきた。僕たちも成功し、他社もまた成功できる。

野心に欠けていて、柔なことを言っているなと感じるかもしれない。僕らは、謙虚だと考えたい。現実的。達成可能。これは、考えつくされたエクスペリエンスだ。僕たちは、減っていくばかりの一定の経済的成功を越えて、人生や愛といったものを意図的に探求している。実際には、多くの人の経済的成功は減るどころか損失を被っている。

僕は、これまでにスタートアップのルールブックにある従来的な成功を手にした何人もの起業家と話してきた。そして、話せば話すほど、誰にもある事実が明確になる。吹っ飛ぶような成功から得られるものが、マズローの欲求階層に並ぶ、その他の欲求ほど重要ではないことが。

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僕が言いたいことをまとめると、要はこういうことかもしれない:スタートアップの世界には、巨大な陰謀が隠されている!人は、自分の利益のために動く。特に、主に資金を提供することで貢献する人たちは。彼らには、アイロニーや自己反省のかけらもなく、自分たちの探求を「コミュニティのためだ」と正当化するだろう。

そして時々、この利己心が驚くほど明らかな形で露わになる。例えば、エンジェルが、次のユニコーンになるビジネスが君にわかるはずがないと豪語する時。でも、彼らは、自分たちのプロセスへの貢献度の低さを驚くほど正当化している。どの泥が壁にへばりつくのかが僕にはわからないから、お願いだから、僕のロレックスの6本詰めのために ひたすら泥を投げてくれ!と。

このカンファレンス自体(*Web Summit 2015)、広義のビジネスの世界においては全くもってニッチだと思う。だからこそ、参加者は皆、完全に操られている。そこにいるのは、少数の資金提供者、その周りをうろつく連中、そして君には彼らが必要だと思い込んだ顧客企業だ。彼らはこう言う。君のその頼りないマットレスだけで、冷たくて未知なビジネスの世界に飛び込むだなんて馬鹿がすることだと。

そんな話に耳を傾けちゃいけない。彼らは、サンフランシスコこそ発展が起きる場所であると世界を説き伏せた。真似して競うのは自由だが、勝負にならないだろうと。出来が悪くないハングリーな奴らを、自分たちのもとに送り込んたほうがいい。自分たちなら、世界を制覇し、本気で勝つための勝負をさせてやれると。

彼らはまた、メディアを従順な子犬のように訓練し、自分たちのプロセスや言葉をあがめるように仕向けた。シリーズA!資本政策の数表!従業員のストックオプション!

でも結局のところ、彼らは金貸しでしかない。

資本のレバレッジに対してモラルをぶつけたとしても、大概モラルはその勝負に負けてしまう。欲は強固なモチベーションになりうるが、他者の欲に奉仕する時、それは肥大化する。プライバシーを売りますって?どうってことはない!ベンダーなんて、二等市民が集まった気にくわないロボットだ。誠意なんか必要ない、と。まあ、そんなものだろう。

ディスラプトマニアは、こうした秘密結社のゴールにぴったり当てはまる。それはまるで殺人許可証だ。全力疾走して社会を壊すようなものだ。

当然、すべてが極悪ではない。でもそれは、スタートアップの宇宙からまったく不釣り合いで大量の関心と光を吸い込んでいく。

VC領土の外に身を置く黒字化された企業は、そのストーリーを語るための必要性を感じない。そのため、VCとメディアのゆがみは悪化の一途をたどる。VCは、その採用ゴールを達成するために継続的なPRキャンペーンを必要とするからだ。彼らは、たった一度の勝利に満足することはできない。

ユニコーンの象徴は、雑誌の表紙を飾るモデルの顔と同じくらいリアルだ。n倍に加工され、細心を払って配置され、何時間にもわたって働かされる。

ウェブは、これまでで最も優れた起業プラットフォームだと思う。参入障壁が低く、圧倒的に多くの人にリーチすることができる。僕はウェブが大好きだ。そこに許可は不要で、リーチは広大で、実装に多様性がある。資金へのアクセスという架空の壁を信じちゃいけない。そんなものは存在しない。

自分のモチベーションを分析して、問いただそう。思い切って資金を断り、何か役に立つものを立ち上げよう。宇宙にちょっとのくぼみを生むだけで十分だ。

自分の野心を抑えよう。

そして、いつまでも幸せに暮らそう。

(翻訳:三橋ゆか里)

 

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君を採用しよう、でもまずはルールを共有させてほしい【寄稿】

@fohrcardのファウンダーでファッション写真家のJames Nordさんによる寄稿記事です。Twitter アカウントは、@jamesnord。本記事は、Mediumに投稿された記事をJamesさんに許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。 何年もの間、Fohr Card の従業員数は5人未満だった。これはつまり、全員が僕またはRichによるトレーニングを受けていることを意味した。…

James-Nord@fohrcardのファウンダーでファッション写真家のJames Nordさんによる寄稿記事です。Twitter アカウントは、@jamesnord。本記事は、Mediumに投稿された記事をJamesさんに許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。


Gratuitous picture of our new office.
Fohr Card社の新オフィス

何年もの間、Fohr Card の従業員数は5人未満だった。これはつまり、全員が僕またはRichによるトレーニングを受けていることを意味した。彼らは僕らの横に座り、一緒に飲みに出かけ、共に歩み、僕らの口論を目撃し、また共に勝利を味わった。彼らは、僕らの脳が拡張されたような存在で、その仕事振りは目覚ましい成長を遂げた。

その後、小さく密な集合体が大きくなるにつれて、僕らの価値観・信念・文化・振る舞いについて、紙に書き留める必要があると感じるようになった。その結果、誕生したドキュメントを「A Preamble to Your Success」(君の成功への序文)と呼んでいる。それは、僕より賢い人(中にはBen Horowitzの言葉をそのまま拝借しているものもある)を含む様々なものに影響を受けて完成したものだ。また、立ち上げ初期からいる従業員とのコラボレーションでもある。

僕たちは、パートタイマーを含む新入社員全員に、オファーレターと共にこのドキュメントにも署名してもらっている。

チームに加わる従業員に対して、彼らにどんな人でいてほしいのかという僕たちの期待値を知らせることはすごく重要だ。これは、彼らに解決してほしい課題を伝える以前の問題だと思っている。さもないと、彼らは僕たちのコアバリューに反する形の解決を試みてしまうかもしれないから。

  1. 許しを請おう、許可ではなく。僕たちは、君の脳の働き方や考え方が好きで君を採用することにした。それをフル活用するための時間をかけてほしい。
  2. もし、何か問題につまづいたなら、ただコンピューター画面を凝視していてはいけない。そんな時、Rich は昼寝をするし、Jamesは散歩に出かける。君が必要なことをすればいい。
  3. 仕事の枠を越えて人生を謳歌し、その状態を維持しよう。僕たちは強い絆で結ばれたチームだ。でも、仕事の範囲を越えて成長することも重要だ。君の情熱を突き進むために僕たちにできることがあるなら、理にかなった範囲内でそれを手伝おう。
  4. どれだけ大きな脳も、認知していない問題を解くことはできない。もし、僕たちが何か間違いを犯していると思うなら、それを迷わず指摘してほしい。
  5. 信頼関係を大切に。大きな目標を掲げる小さな企業として、これは一番欠かせない要素だ。これがないと、コミュニケーションは破壊し、何もかもが崩れ落ちていく。僕たちがお互いを信頼する時、一人ひとりのアクションがどれも、共有された一つのゴールに向かったものであることを確信できる。
  6. 悪いニュースから先に。もし、自分の部署で何かまずいことが起きているなら、それをいいニュースより先に共有してほしい。
  7. 実行し、結果を出すのみ。長期にわたって小さな一歩と進歩を積み重ねることで、僕たちはこの市場で勝つ。失敗に終わるものもあるだろうが、成功するものもある。成功に向かって、小さなことを日々行っていくことが大切だ。
  8. 僕たちは、チームメンバー・プロダクト・利益をこの順番通りに大切にする。
  9. 僕たちはオフィス内で時に口汚い言葉を使い、音楽を爆音でかけ、午後5時前にウィスキーを飲むことがある。全員にこれを強いることはないが、これが変わることはない。
  10. あきらめないこと。僕たちは粘り強い。ゴールを達成し、プロダクトのリリースに漕ぎ付けることが時に不可能に感じられることもあるだろう。その通りなのかもしれない。でも、失敗するのはいいが、決してあきらめてはいけない。逃げ出す人には、すぐに辞めてもらう。
  11. 環境を尊重すること。毎日スーツやワンピースを着る必要はないが、プロフェッショナルな身のこなしをしてほしい。Tシャツ、サンダル、フリース、帽子は最小限に止めよう。職場にスウェットパンツを履いて来たなら、君はまっすぐ家に帰ることになる。
  12. 僕たちは、人のことを一度の誤ちに基づいて判断することはしない。だから、言い訳するのはやめよう。自分の失敗に正直に向き合い、同僚やマネージャーと共に未来の過ちを防ぐ方法を見つけよう。
  13. まず書き出そう。機能・営業戦略・パートナーシップについて、アイディアがあるって?まずはそれを書き出して、それを実現するために必要なことを具体的に考えよう。自分のアイディアを完全に考え抜く時間を設けることで、同僚の時間を大切にしよう。
  14. コミュニティを尊重しよう。その中の誰かに対して不満を感じていたとしても、それは自分の中に留めてほしい。僕たちは、この会社を現実のものにしてくれている人を決してバカにしない。
  15. いつ口を開き、いつ耳を傾け、いつ手を動かすのかを知ろう。
  16. コミュニティの中に「存在」すること。飲みに出かけ、ディナーをセッティングし、この業界で働く素晴らしい人たちに出会い、友人になろう。
  17. 僕たちは、Assholes(嫌な野郎)を許容しない。気難しい?いいだろう。要求が高い?それも構わない。嫌な野郎?お断りだ。
  18. 個人主義を祝福しよう。この街、そしてこの会社には変な奴が溢れている。君の変人っぷりを旗を上げて楽しもう。
  19. 僕たちは、ありのままの君を採用した。でも、君がそれ以上のものになることを期待している。その代わり、君はその成長を促すために必要なチャレンジを僕たちから期待してほしい。
  20. 最良の状態を推測し、最悪の状態に向けて準備しよう。僕たちがやる全てのことが成功すると信じ、でも、そうならなかった場合のための計画を用意しておこう。
  21. 批判的になることは簡単だ。役に立つことのほうが難しい。問題や批判に直面したら、それを見くびるのではなく、解決するために動こう。
  22. 同僚の仕事内容について理解する努力をしよう。
  23. それがオフィスの中でも外でも、元気?と聞かれた時に「忙しい」と答えないこと。つまらない人間こそ、忙しい。魅力的な人は、はつらつとしている。

(翻訳:三橋ゆか里)

 

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LinkedInはどこでつまづいたのかーーそして、復活への道のりは?

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Hank Nothhaft Jr.氏はTrapItの設立者でありCEOである。Twitterで彼をフォローしよう。 この数ヶ月、テクノロジー関連メディアからWall Streetの情報通まで、LinkedInの評価に関する議論で盛り上がっている。Morgan Stanleyのアナリストによると、「予想以上の減速が続いたこと、経営ミスがあったことで株価は一定の値幅で上下し続ける(最善のシナリオ)また…

Hank Nothhaft Jr.氏はTrapItの設立者でありCEOである。Twitterで彼をフォローしよう。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Ben Scholzen“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

この数ヶ月、テクノロジー関連メディアからWall Streetの情報通まで、LinkedInの評価に関する議論で盛り上がっている。Morgan Stanleyのアナリストによると、「予想以上の減速が続いたこと、経営ミスがあったことで株価は一定の値幅で上下し続ける(最善のシナリオ)または弊社の下落株評価(60米ドル/株)に近づくものと思われます。」

LinkedInのネットワークの仕組みはスパムエンジンに過ぎないという人もいる。Morgan Stanleyのように、LyndaやSales NavigatorといったLinkedInの比較的新しい商品による成長見込みが過大評価されていたという者もいる。

もちろん、テック業界はプロダクトデザインやネットワーク効果が原因だといい、大手金融機関は「経営ミス」と決めつけるのも無理はない。

だが、本当にそんなに単純なことだろうか? LinkedInのような猛者が突如経営能力を失うなどとは、にわかに信じがたい。LinkedInの広告やリクルートツールの手直しは必要だろうが、それだけで会社の価値が半値になる理由にはなり得ない。実際、LinkedInは広告網で大きな成功を収めてきた。昨年は広告による収入が20%アップしている。では、いったい何が起きているのだろう?

ソーシャルネットワークと企業ソフトウェアになじみのある人ならわかるだろう。LinkedInのビジネスモデルには矛盾点がある。

LinkedInは法人向けソフトウェア会社の皮をかぶったソーシャルネットワークだ。この2つのモデルが文字通り会社を引き裂き、ユーザーもクライアント企業も遠ざけている。それはソーシャルネットワークにおける囲い込みがもたらす当然の結果であり、アクセスを厳重にすれば関係性が解消してしまう。

法人向け施策を探る

巨大なソーシャルネットワークであることと、法人向けソフトウェア会社であることは両立できない。前者はオープンプラットフォームとサードパーティーによる開発に、後者は計測可能な投資利益率を求めるビジネスに対して独占的にソフトウェアを販売するモデルに依存するものだ。

昨年、LinkedInは自身のAPIを閉鎖し、競合とみなした法人向けソフトウェア開発者を締め出し、顧客の選択肢を制限し、法人顧客のニーズを満たす責任のすべてを自らに押し付けることになった。さらに悪いことに、「競争力のあるサービス」の定義を広く応用した。結果、LinkedInが開発する意図も能力もないソリューションや特化された能力まで囲いの外へ追いやってしまったのだ。

これこそまさに、同社が法人ソフトウェアへの移行を始めた瞬間だった。そして、その戦略はすでに裏目に出始めていた。この動きにより、Salesforceのようなサードパーティー開発からSales Navigatorのようなツールのユーザーまで多くの人を宙ぶらりんにしてしまった。

Twitterでも同様のケースがあり、次に何が起こるのかは予想がつく

LinkedInの多芸は無芸となり果てた。巨大ソーシャルネットワークであり、広告プラットフォームであり、リクルートテクノロジーソリューションプロバイダーであり、販売促進ツールであり、オンライントレーニングプラットフォームである―スタックなしソフトウェアの時代におけるまぎれもないスタック販売者なのだ。

最も重要なのは、スタックを作る代わりに一つずつ買収してきたということだ。Bizoの評価減は一例に過ぎない。アナリストは既にLinkedIn最大の買収であるLyndaがマーケットリーダーであるにもかかわらず、CEOのJeff Weiner氏が拡張と統合のために「予想以上に巨大な投資が必要」と述べたことを危惧している。

さほど遠くない昔にLinkedInがのし上がった真骨頂に戻ってもいい頃ではないだろうか。

方向性を正す

LinkedInは得意なことに集中し、ソーシャルネットワークビジネスモデルを再活性させて成長を刺激する必要がある。それは広告販売とリクルートソリューション、LinkedInのコアビジネスから始まるのだ。

広告は成長著しく、Mary Meeker氏によると特にモバイル広告は毎年34%伸びている。

リクルートソリューションの規模やネットワークの方向性はLinkeInの強みだ。さらに重要なのは、ビジネス顧客と個人ユーザーが一堂に会していること。企業は人を、人は職を求めている。

LinkedIn独自の調査では、「需要の多い人材プールで候補者を探すこと」はリクルーターにとって今年最も困難であることがわかった。LinkedInのほかに誰がこの問題をよりよく解決できるだろうか? つまり、LinkedInの人材ソリューションは最も大きな収益性を持っているのだ。

しかし、独自のAPIを再度開放、それも以前より広範囲で開放しない限り、同社の長期的持続可能性に展望はない。APIへのアクセスをマネタイズすることでLinkedInは休止状態の、しかし利益性の高い収入の流れを起こすことができる。開発企業は世界最大のプロフェッショナルネットワークデータとそれにアクセスできることの価値を認識しているため喜んでお金を払うはずだ。LinkedInは、法人に注力する会社に、高い価値のあるレイヤーをそのネットワークの上位に築くことを任せて、顧客には選択肢、専門性、高い品質を提供し、健全な成長への道を進めばよい。

どのマネタイズモデルも成功するであろうし、実質LinkedInにとってはどれもリスクをとることなく持続可能で高成長な法人からの収入を得る方法である。偶然にも、アナリストが求めていることと全く同じだ。

LinkedInが永久にプロフェッショナルソーシャルネットワークに君臨すると思ってはいけない。すでに代替的ソリューションへの需要も競合相手も現れている。しかし、LinkedInの特性であり新たな成長への鍵となるのは、その膨大なソーシャルグラフである。その価値を活用するには、APIを開放して開発者に委ねることだ。

難しいことじゃない。古き良き資本主義の応用だ。ベンダー、顧客と提携先が揃っていれば、誰もが優良なエコシステムの恩恵を受けることができる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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