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デモデイはローンチ戦略の場ではないーー製品の検証とユーザー獲得のためにやるべき5つのこと

Dana Oshiro氏はHeavybitのプログラムディレクターで、開発に注力するスタートアップが製品をローンチする際の支援をしている。Heavybit以前は、Code for Americaのマーケティングマネージャー、NetShelterのシニアメディアアナリスト(Ziff Davisに売却された)、HerokuとSalesforceのコンテンツストラテジストを務めていた。 デモデイはローン…

Dana Oshiro氏はHeavybitのプログラムディレクターで、開発に注力するスタートアップが製品をローンチする際の支援をしている。Heavybit以前は、Code for Americaのマーケティングマネージャー、NetShelterのシニアメディアアナリスト(Ziff Davisに売却された)、HerokuとSalesforceのコンテンツストラテジストを務めていた。

Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat
Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat

デモデイはローンチ戦略の場ではない。ステージで成功するよう根をつめて作業し、製品とプレゼンテーションを作りあげる。しかし本当のところは、プレゼンテーションの聴衆であるベンチャーキャピタリストやテック系ジャーナリストは、製品のエンドユーザーではない可能性が高い。一般的に、デモデイに集まるプレスもまた、エンドユーザーではないのだ。

製品開発をしている企業で資金調達を狙っている場合は、デモデイで自社の製品が話題になることもあるので、デモデイは最高の機会となる。しかしそうでなければ、デモデイとプレスへのローンチは、それよりも優先して急いでやるべきことの妨げにしかならないかもしれない。

アーリーステージの製品開発をする企業(およびスタートアップ一般)にとっての最大の問題は資金調達ではなく、トラクションと売上だ。自らの製品を確実に検証し、有機的にユーザーを獲得し、製品とフィットした市場を見つけていれば、時が来てサンドヒルロード(訳注:シリコンバレーのVCが集まる通り)に行っても問題は起きないだろう。デモデイに向けて追い込みをかけていない企業に対しては、一般ローンチが近くなるまではPR向けの作業を保留すべきだというのが私の主張である。

製品の検証と、トラクションの獲得

プレス向けローンチは、よく組み立てられた、エベレストに登頂したセルフィー(自撮り)のようなものだ。最終目的はプレスへのお披露目ではなく、持続可能なビジネスを立ち上げることのはずだ。

実際にするべきことは、山登りにおいて他人より一足先に進むことである。プレスローンチの前に行うべき泥臭い実作業、それが製品の検証だ。それは、潜在的カスタマーとの会話を通して、下記のようなことを洗い出すことを意味する。

ー 自社製品の最初のユーザー、支持者、顧客
ー 彼らが抱える問題と、目の前の要求を解決する製品機能
そして、
ー 現時点での値付けに対する考え

製品の検証とトラクション獲得において、私が最良だと思うアドバイスをSteve Blank氏の名言から盗用させてもらおう。「Get out of the building(ビルの外に出よう)」だ。

以下は、製品を開発する初期の企業がメディア向け資料を作成する前に注力すべき、顧客の発見と製品の検証のための手法である。

技術のインフルエンサーにアプローチする:
自社の分野での技術的なインフルエンサーのリストを作ろう。これには、自社製品の補完となる製品を作った人、自社のカテゴリのカンファレンスでキーノートスピーチをするような人、そして自分の仮説に挑戦してくるような人などだ。この中からできるだけ多くの人と話し、彼らのニーズや困っていることを聞き出し、オフィスやミートアップ、または彼らがそこにいれば、カンファレンスの場でデモをしてみよう。

目的は製品を売ることでなく、製品と市場についての仮説が正しいか正しくないかを検証することである。これらのミーティングで、機能の優先順位付け、ユーザーターゲットの絞込みを行い、それに伴い説明を改善していこう。

紹介を得る:
前述のような技術のインフルエンサーにデモをすることができたら、eメールの受付ページを作成し、招待者にさらに他の人を紹介してほしいと依頼しよう。こうしてネットワークを広げつつ、同時に自分の製品を改良していこう。

少し状況の整理ができたら、自社製品の改良履歴を書類化し、大きなアップデートや機能リリースを初期テスターに知らせよう。こうすることで、彼らの意見を聞いていることを示し、コミュニティでの主導権をさらに高めることができる。

アーリーアダプターを洗い出す:
協業したい顧客企業のリストを作り、ユーザーのリストと対比してそこに重複があるかを確認する。もしあれば、さらに大きい組織が必要かを確認するための質疑応答のフォローアップを考慮してみよう。ここでも、まだ販売はしない。ここではっきりさせるのは、製品の必要最小限の機能と、初期の価格帯である。

広範囲のネットワークへのアナウンスが準備できたら、自社サイトをProductHuntに登録、またはHackerNewsにShowHNとして登録してみよう。オープンアクセスを提供するのではなく、招待ベースでのアクセスにするとよい。これにより、製品の十分な検証の前に多くのジャーナリストがアクセスすることを防げる。新規ユーザーを観察し、興味深い潜在カスタマー、特異なユースケース、サクセスストーリーを洗い出そう。

サクセスストーリーを収集する:
ユーザーの誰かが自社製品を多くの人が目にするコミュニティのプロジェクトに使ってくれたら、そのストーリーを共有させてくれるよう頼んでみよう。サクセスストーリーは製品普及やコンテンツマーケティングをより良くする隠し味である。

自社製品をミートアップやブログ投稿で直接語るより、実在する人の事例として強調することで、製品の実力の根拠を直接示すことが可能になる。多くの企業が、このようなユーザーやプロジェクトをミートアップの場で獲得しようとする。このようなユーザーはときに自社の最初のエバンジェリストとなってくれる。

カスタマーのストーリーを収集する:
あるユーザーが自社製品を広く知られた組織で使ってくれたなら、そのストーリーを共有する許可を求めよう。カスタマー向けのウェブページやプレス向けの作業を始める準備ができたら、そのユーザーの事例の影響を有効利用して、彼らのお墨付きを自社製品のものとして利用しよう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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中国の伝説的投資家Cai Wensheng(蔡文胜)氏「中国のネットサービスは、世界をコピーする時代からコピーされる時代に」〜 #ASIABEAT 2016 アモイから

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本稿は、ASIABEAT 2016(亜洲創業大賽)の取材の一部である。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします! Sign Up 中国とアメリカが、インターネットスタートアップの急速な成長を促す豊かな土壌を持つトップ2ヶ国であることは、よく知られている。アメリカのベンチャーキャピタルが中国に参入しようとした最初…

CaiWensheng

本稿は、ASIABEAT 2016(亜洲創業大賽)の取材の一部である。

中国とアメリカが、インターネットスタートアップの急速な成長を促す豊かな土壌を持つトップ2ヶ国であることは、よく知られている。アメリカのベンチャーキャピタルが中国に参入しようとした最初の段階では、彼らは資本を台湾、香港、中国本土に分散して投下していた。そしてほとんどの場合、最も好ましい結果が得られたのは中国本土であった。Cai Wensheng(蔡文胜)氏は Mike Cai 氏としても知られる中国で今勢いのあるエンジェル投資家であり、3月17日に ASIABEAT アモイにおいて、スタートアップについて彼の意見を披露してくれた。

中国のスタートアップシーンに興味を持つ読者であれば、辣腕エンジェル投資家で知られる Mike Cai 氏のことは聞いたことがあるだろう。ドメインネームへの投資で最初の成功を収めたのち、Cai 氏は自らのスタートアップをゼロから立ち上げた。彼の事業で最も成功した例のひとつは、ウェブディレクトリの 265.com であり、これは中国の検索最大手 Baidu(百度)に2004年に買収された Hao123.com のクローンである。若き起業家 Cai 氏は次第に名高いエンジェル投資家へと変貌していった。

彼のポートフォリオの中には、 Meitu(美図、写真に特化したスタートアップ)、Baofeng(暴風、ビデオプレーヤー開発およびビデオコンテンツプロバイダ)、CNZZ(オンラインデータサービス)、58.com(58同城、クラシファイドコミュニティサイト=ローカルの広告を分野別に掲載するサイト)、Feiyu Technology(飛魚、モバイル/ウェブゲーム開発)、FlashGet ダウンローダ(快車、原文では FalshGet とあるが誤記と考えられる)などがある。

<関連記事>

本年度の ASIABEAT で、伝説のエンジェル投資家が中国における起業と投資についての考えを披露してくれた。

中国のユーザ規模と資金調達の環境

Cai 氏は、中国のインターネットスタートアップの急速な成長を引き起こしているのは同国の12億に上る人口によるものだと考えている。

これだけ大きなサイズのユーザベースがあれば、なぜ今でも投資家たちが、Didi(嘀嘀快的)や Meituan(美団)といった金食い虫のスタートアップに投資をしようとしているのか理解できます。

無論、これほど巨大な市場が成長するにあたり、資本は必要不可欠である。中国インターネット市場の発展は、世界トップクラスのVCおよび、最近増加している国内の投資家により後押しされている。アメリカ上場企業が中国のA株市場に戻ってきていることが、国内資本の台頭を示している。

クリエイティビティと実行力を持つ起業家であれば、資金の心配は必要ありません。多くのVCが優れたプロジェクトを探しています。

中国国外への拡大

中国における最も初期の起業家は、アメリカのビジネスモデルをコピーしていた。市場が進化するにつれ、起業家らは部分的に西洋の同業者から学び、そこに独自の小さいイノベーションを加えてローカル市場に適合しようとした(例:QQ)。

中国の起業家は、成功した自分たちのサービスを輸出してもよく、また、インドネシアやインドといった新興市場で新規ビジネスを立ち上げるのでもよいと Cai 氏はいう。

私たちが洋服や靴、帽子をアフリカやヨーロッパで売るとき、まるで20年前のように感じます。その頃、中国の一部の起業家が彼ら独自のビジネスをそれらの国々で始めました。彼らはまた大きな成功を収めています。

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どうやって資金調達するか?

どのビジネスモデルに従うにせよ、資本の注入がビジネス発展を加速させることは間違いない。エンジェル投資家として、Cai 氏が重要と考える起業家の資質は3つあるという。大きなポテンシャルを持つ業界にいること、自社の能力とリソースの範囲内でビジネスをしていること、そして、強固なビジョンを持つハードワーカーであること、の3つである。

Cai氏は、2000年の出来事として、自分の事業ではなく Sohu.com(捜狐)のCEO、Charles Zhang(張朝陽)氏のプロジェクトに投資したときに感じた鬱憤を取り上げ、こう語った。

Zhang 氏が資金を手にしたのにはそれなりの理由があります…投資家の判断に影響されないで下さい。自分のところにあるリソースでベストを尽くせば、資金はやがてやってきます。

起業家は最初、小さな問題を解決することから始めるべきで、最初のユーザグループを少しずつ集めてゆき、やがて VC に存在を認めてもらうものだという。

それが何であれ、自分が正しいと思うことをやると決めたときは、精神的にもとても良い状態になるでしょう。自分の製品について何もせずに、ただ資金を追いかけて時間の無駄遣いをするようであれば、たぶんおしまいです。

インターネット・セレブリティは15年前の個人ウェブマスターのようなもの

今日の中国のスタートアップ全盛期における起業家のかたちは非常に多様であり、例えば画家やミュージシャン、インターネット・セレブリティにまでわたる。

インターネット・セレブリティは15年前の個人ウェブマスターに似ています。違いは、後者がドメインネーム登録、マーケティングや関連技術などいくつかのスキルをマスターする必要があることです。今日インターネット・セレブリティになるのは格段に簡単です。WeChat(微信)パブリックアカウント、Weibo(微博)、Meipai(美拍)といった多くのプラットフォームがあり、技術的なハードルはなくなり、彼らは自分の特技に集中すればよいのです。

ロビー活動

大きな成功を狙うのであれば、マネジメントとロビー活動を学ぶ力を持つことが重要である。Cai 氏はロビー活動とは、起業家が継続した投資を呼び込む能力だという。スタートアップは急速な成長の中で、資本により決定的に差別化を図ることができる。中国には何百ものタクシー配車アプリがあるが、ほとんどが熾烈な競争の中で消えていった。

Wang Gang(王剛)氏の卓越したロビー活動能力が Didi の継続的な資金調達を助け、同社の最終的な生き残りに大きく貢献している。2002年のインターネットバブル崩壊の後、eコマーススタートアップが資金調達するのはほぼ不可能であったが、(Alibaba=阿里巴巴の)Jack Ma(馬雲)氏は8,200万米ドルを調達してみせ、中国eコマース市場の支配者となったのである。

Cai 氏は、インターネットには3つの性質があるという。

  1. インターネットは共通の趣味嗜好がある人を引き寄せ、そのコミュニティの力を最大化する。
  2. アウトソーシング。例えば、Taobao(淘宝)のビジネスモデルは同社のプラットフォームでストアを開きたくなるよう、人々を引き付ける。
  3. シェアリング。Uber や Airbnb といったシェアリングとソーシャルネットワークに関わる2つのサービスは、私たちの生活に大きな変化をもたらしている。

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【via Technode】 @technodechina

【原文】

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Chinaccelerator(中国加速)のディレクターが語る、外国人が中国でスタートアップを成功させるための極意〜 #ASIABEAT 2016 アモイから

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本稿は、ASIABEAT 2016(亜洲創業大賽)の取材の一部である。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします! Sign Up 中国のスタートアップ・アクセラレータ Chinaccelerator(中国加速)でプログラムディレクターを務める Todd Embley 氏によると、中国におけるスタートアップの失敗…

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本稿は、ASIABEAT 2016(亜洲創業大賽)の取材の一部である。

中国のスタートアップ・アクセラレータ Chinaccelerator(中国加速)でプログラムディレクターを務める Todd Embley 氏によると、中国におけるスタートアップの失敗率は95%にも上るという。これは、一般的なスタートアップで予想される失敗率よりもずいぶん高い数値だ。

Embley 氏は ASIABEAT で、次のように語った。ASIABEAT は、アジアの起業家や投資家のために毎年行われるスタートアップのコンペティションだ。

人々はアジアで事業を開始する方法さえわかっていない場合が多いのです。中国を特に恐れています。多くの企業が中国進出に失敗しているからです。もちろん、Google以上の大企業が進出したことはありませんが。

(Chinaccelerator が)スムーズな市場進出と現地エコシステムを理解するための支援をし、スタートアップが良い環境からスタートできても中国に進出するのは勇気が必要です。

中国では企業がどんどん生まれている。これらの企業は、中国でベンチャービジネスを始め、規模を拡大し、事業を進めていきたいと考えている外国人が、スムーズに進出できるようなサービスを提供しようとしている。ハードウェアを専門にしている深圳の HAX は、中国のハードウェアスタートアップが集まる中心地に世界中から起業家を呼び込んでいる。他にも、北京に拠点を置くハードウェアアクセラレータの HaxAsia や、2012年にローンチした Microsoft Ventures Beijing などがある。また、起業家が中国の厳しい市場でも生き残れるよう国からの後押しもある。例えば、フランスのスタートアップエコシステムで投資家、起業家、他のプレイヤーなどの世界的なネットワークを有する La French Tech が、今年初めに上海でローンチした。

しかし、自分の国を離れ中国に来た起業家は、言葉の壁、文化的な相違や中国の一般的な消費者行動を直感する上でEmbley 氏が間違った「本能的直感」と呼ぶものなどにいまだ苦しんでいる。ASIABEAT では、Chinaccelerator や中国における外国人のスタートアップ環境について、Empley 氏にインタビューすることができた。

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1. 中国に来てからの7年間で、中国のスタートアップシーンはどう変化しましたか?

スタートアップによるイノベーションには大きな関心が寄せられています。信じられないほどです。私はいつも、シリコンバレーのスタートアップエコシステムのイメージを、政府がイノベーションに対して重い腰をなかなか上げられずにいる感じに捉えています。しかし、中国ではこれは逆なのです。政府は非常に前向きで、起こる必要のあることをわかっており、起こるべきことが起こるように進んであらゆる手段を講じています。市場に資金とメディアを注ぎ込んでいますし、コワーキングスペースやアクセラレータ、インキュベータ、ITパークなどを推進しています。

(政府は)よく次のように発言をしています。

この国には起業家が必要です。革新的なことを生み出す若い人が必要です。製造現場から、イノベーションやテックのリーダーを輩出するよう目指すべきなのです。

これは見ていて素晴らしいことです。

2. 現在の中国のスタートアップエコシステムは、昔よりも海外のスタートアップに対してオープンですか?

昔よりも情報があるからでしょうね。5年前に進出した時は、情報があまりなかったために非常に苦労しました。人にコンタクトを取りたくてもイエローページさえありませんでした。インターネットで情報を得ることもできませんでした。情報を見つけるのは難しく、あらゆることが本当に難しかったです。

現在は、多くのスタートアップが失敗し、多くの人が中国へ渡り、エコシステムにも十分な関心が寄せられています。こうしたことで、中国で成功する秘訣が明かされてきたのです。中国国内外に資金が流入し、海外の収益も上がっています。現在は、中国進出がずっと容易になりました。

3. 中国政府の支援は、スタートアップのエコシステムにどのような影響を与えていますか? アクセラレータとして、政府方針から影響を受けたことがありますか?

(近い)将来には、良い影響と悪い影響の両方があると思います。私たちの意見としては、起業家は失敗して学ぶ必要があります。今、資金調達ができすぎると、その道のりが長くなってしまいます。スタートアップは背水の陣でいるべきなのにも関わらず、資金があり過ぎるのです。製品を市場に出荷し、継続的にその製品を見直し、修正し、市場に合ったものにしていく必要があります。

資金があり過ぎると、オフィスにこもって商品を作ってばかりになり、資金が潤沢であるために収益を追求する必要がなくなります。投資家は投資にあまりリスクを取りませんから、資金はいくらか自由になります。これでは、市場経済が正しく機能しているとはいえません。

良い点としては、これはすごいことだと思います。中国政府が何を考えているかはわかりませんが、重要な点のひとつとして、中国の親に子供を起業家にするよう勧めている点があります。お金を多く稼げることやニュースやメディアで取り上げられている会社を創業して成功した人物、例えば Jack Ma(馬雲)氏や Lei Jun(雷軍)氏など多くのケースを親世代に示すことができます。「聞いてよ、スタートアップで働こうと思うんだ」と言っても、親がパニックになることはありません。

4. Chinaccelerator を設立し、中国スタートアップの現状に関するデータを利用できるようにした経緯を詳しく教えてください。

(Chinaccelerator の設立者が)、中国に投資したいと考えました。しかし中国は、特にGoogleなどの企業が失敗した経緯などがわかっていれば、外国人にとって非常に危険な場所です。そこで「どうすれば賢く投資できるか。データが無いなら、どうすればあまりわかっていない文化に賢く投資できるか」と考えたわけです。

こうして、アクセラレータという考えが生まれました。初期の段階にあるスタートアップを呼び込んで、3ヶ月間一緒に仕事をするのです。そうして、データができてきます。相手がいったいどんな人たちなのか、どういう働き方をするか、何をしているのか、成功できると思うかどうかなどがわかってきます。

現在、初期段階のスタートアップに関するデータはそれほど多くありません。データは、起こったことの歴史的証拠からできます。新しいスタートアップに関しては、歴史的なデータがそれほどありません。そしてもちろん、私たちは自分が「外国人」である中国のような国にいますし、取引相手に関する本能的直感がありません。私たちは、中国の技術に初期段階で投資する会社になりたいと考えています。これが、私たちにとって最良の方法でした。

5. 中国市場に適応した外国企業の例(Embley氏の話から)

どちらかといえば、私は LinkedIn が気に入っています。LinkedIn は私たちが「SEAL Team 6手法」と呼んでいる手法を取り入れているからです。この SEAL Team 6 では、まず優秀なエリートチームを集める必要があります。そして、彼らに成功するのに必要な訓練をすべて受けさせます。さらに、成功に必要なリソースを全て与えます。その後、それぞれの環境へ送り込み、シリコンバレーから遠隔で指示を与えることなく、必要なことをさせます。この方法がここに来るほとんどのスタートアップを驚かせ、ここへ来る企業を驚かせるのです。

成功したいなら、中国では素早く判断し、身を粉にして働く必要があります。遠隔から指示を飛ばそうとすると、それは時間がかかりすぎます。中国人以外の人で中国にいない人を意思決定者にするというのは、良い考えではありません。ですから、LinkedInは、完全自律式の製品をここ中国で作りました。LinkedIn.cn(領英)は、中国のコードから作られ、中国で管理され、中国人が中国人のために作った完全に新しい製品です。この製品は LinkedIn.com とシームレスに繋がって動き、統合されているようですが、完全に独立した製品なのです。非常に良くできていると思います。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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グループチャットに振り回されている君へ:グループチャット「Basecamp」創業者が語る「リアルタイム/非同時」を使い分けるコツ

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Jason Friedさんは、BasecampのファウンダーでCEOです。「Getting Real」「Remote」、そしてニューヨーク・タイムズのベストセラーで日本でも話題になった「REWORK」(邦題:「小さなチーム、大きな仕事」)の著者でもあります。本稿は、もともとIncに投稿され、Mediumにも再掲された記事をご本人から許可を得て翻訳したものです。Twitterは、@jasonfrie…

Jason-Fried-profileJason Friedさんは、BasecampのファウンダーでCEOです。「Getting Real」「Remote」、そしてニューヨーク・タイムズのベストセラーで日本でも話題になった「REWORK」(邦題:「小さなチーム、大きな仕事」)の著者でもあります。本稿は、もともとIncに投稿され、Mediumにも再掲された記事をご本人から許可を得て翻訳したものです。Twitterは、@jasonfriedでフォローできます。


君はこんな感じだろうか?または、他者をこんな気持ちにさせているだろうか?
君はこんなことになっていない?または、他者をこんな気持ちにさせていないだろうか?

グループチャットは、アジェンダのない、行き当たりばったりの参加者と共に参加する1日中続く会議のようなものだ。

2006年、僕たちは「Campfire」をリリースした。それは、SAASの現代風ビジネス向けグループチャットとメッセージツールの先駆けだった。

それ以来、Hipchat、Flowdock、Slackといったビジネス向けチャット&メッセージサービスが登場している。そして、僕らはグループチャットとインスタントメッセージ(僕たちはこれを“pings”と呼んでいる)を新サービス「Basecamp 3」としてリリースした。

一企業として、今日存在する他のグループ・ビジネスチャットよりも長く存続している。何年にも及ぶ顧客らのフィードバックに加えて、僕たち自身が実施してきた10年分のグループチャット体験が、何が機能して何が機能しないのかを教えてくれた。 37signalsとBasecampを合計して、累計1,000万件にのチャット行数をメッセージし合ってきた。

僕たちは、特定の状況下でグループチャットを控えめに活用することの価値を学んだ。でも、チャットを組織内のデフォルトのコミュニケーション手段として使うのはナンセンスだ。パイの一部分に使うなら、いいだろう。でも、パイが丸ごとグループチャットなのはいただけない。企業が、物事を一行ずつしか考えなくなるとき、よろしくないことが起こり始める。

また、人が職場で感じる感情には、そのコミュニケーション手段や作法が大きく影響することを確信している。消耗し、擦り切れて、いつも気がかりで仕方がない?それとも、君はクールに構えて、落ち着いているだろうか?これは単なる心理状態ではない。これは、僕たちが使うツールによって引き起こされた状況であり、ツールによって促進された態度だ。

これらの発見に基づいて、組織におけるグループチャット活用のメリットとデメリットについてまとめてみた。もし、君やその組織がチャット主導、またはその方向性に進みそうなら、その決断が与えうる以下のインパクトについてよく検討してみてほしい。

メリット

グループチャットはこういう点で使える…

1. 細切れになった物事をスピーディに進める。少人数でアイディアについて意見を交換する時、チャットほど優れたツールはない。言葉を放り込んで、画像をドラッグして、フィードバックを迅速に受け取り、次に進む(再び引き込まれてしまう前に、とっとと退出すること)。

2. 緊急警報。チームに危機的な情報を共有しなければいけない時がある。例えば、サーバーが落ちたりデプロイに失敗したりした時などは、グループの注意を一瞬にして引く必要がある。この情報をチームに瞬間的に伝える手段は複数存在する。優先順位が高いチャットルームやチャネルに情報を流すことは、間違いなくその手段の一つだと言える。

3. 楽しむこと。職場において、仕事をすることが大切なのと同じくらいに、楽しむこともまた重要だ。ここでは、チャットがすごく役に立つ。そこには文化が育まれ、仲間内だけで通用するジョーク・絵文字・音を使ったおふざけ(Campfireの機能)が生まれていく。チャットルームやチャネルは、ミームを生むのに打ってつけの場所なのだ。

4. どこかに所属しているという感覚。これは特に、遠隔で仕事をしている人にとって大切だ。ただそこに顔を出して、おはようと言ったり、お昼に出かけると伝えたり。どこかに所属しているという感覚が、離れていることで感じる情緒不安定を和らげてくれる。

デメリット

グループチャットを、グループや組織全体にまたぐ主流のコミュニケーション方法にすることはこんなことを導く…

1. 精神的な疲れと疲労困憊。グループチャットの内容を追い続けることは、一切アジェンダが存在せず、行き当たりばったりの参加者と共に参加する1日中続く会議のようなものだ。頻繁に、その1日会議は何度も繰り返される。

君も聞いたことがあるだろうーこれほど疲れるものはない。常に会話が行われ、おしゃべりが止まらず、そこには始まりもなければ終わりもない。注意を払わないと決めることはできるが、すると今度は取り残されてしまうかもしれないという不安がつきまとう。

2. ASAP(As Soon As Possibleの略)の文化。グループチャットとリアルタイムのコミュニケーションの根幹には、「今」がある。そのため、特定の状況においては力を発揮する。チャットはすべてのことを迅速に議論するよう仕向けてくる。でも実際、今すぐ議論すべきことや、ASAPに注意を傾ける必要があることがどれだけあるだろうか。

ASAPはまた、インフレを誘発する。ASAPと明記されていない要望の価値を下げてしまう。ふと気がつけば、何かを達成するには、それをチームの前に放り投げ、彼らの瞬時のフィードバックを得るという方法しか残らなくなる。まるで、常に誰かの肩を叩いているようなものだーまたは誰かのシャツを引っ張るような。彼らが手を止めてこちらを振り向き、君の頭の中にあるものにまず対処することを求める。決して持続可能な習慣とは言えない。

3. 自分に発言権がないと感じたり、取り残されているのではないかという恐怖。常時注意を向けていないと、何かが起きた時に君に発言権はない。会話が起こるスピードが早く、すぐにベルトコンベーヤーで流れてしまうため、順番が来たときに指定の位置に立っていないと、後からチャンスは回ってこない。だから、必要と感じた時にすぐに会話に参加できるよう、1日中チャットルームやチャネルを覗くようそそのかされる。

4. 思考ごとに考えるのではなく、1行ずつ考えてしまう。しっかり議論すべきことには、時間をかけて詳細に議論する価値がある。チャットは1行ずつ表示されるため、思考の塊は1行ずつ展開されることになる。でも、君がその思考を伝え切る前に他の人がいつでも飛び込めるため、何かを伝えることがあっという間に苛立たしい体験になる。

また、中途半端な思考や、ピアノで言うスタッカートのような反応は、特定の議題を漏れなく検討し、重要な意思決定をすることを困難にする。特に、グループ間においては。誰もが1行ずつしか発言しない会議に参加することを想像してみてほしい。そして意見を言おうとすると、常に人に遮られることを。そのやり方で、どこかにたどり着くことができるだろうか?時間がいくらあっても足りないのではないだろうか?

5. 暗黙の総意。「チャットルームで話したのだから、知るべき人は知っている」。君も経験したことがあるだろうーチャットルームで何かが議題に上り、でも、誰もそれに反対しない。それによって、発言者は、全員がその議論を目にし、同意したものだと推測してしまう。

でも、実は誰も読んでもいなければ、同意もしていない。議論が行われたその瞬間にそこにいなかったがために、メンバーの合意なしに意思決定がされていく。これは、上述したポイントにも繋がる。「今」という瞬間が、「議論をすること」と「意思決定を行うこと」の2つに同時に適していることはない。

6. 無条件反射的な反応。チャットルームで何かを議論することは、バスケで言うところのショットクロックのようなものだ。反応しようと思う瞬間から、それがスクロールされて流れてしまうまでの時間はわずかだ。だから、相手の耳に届くことを願って何かを叫んで終わる。

同じ現象がTwitterでも起きている。加速していく会話が、深みにかけた浅い話題とサウンドバイトになっていく。テレビのレポーターが、3分の時間切れになる前に急いで意見を主張することと変わらない。

7. 積み上げとゆだねられた会話。何かの議題について、複数人が会話を始める。なかなかいい感じに進んでいる。でも、別の誰かが通りすがって1行コメントを残したことで、会話が別の方向に進み始める。頻繁に、好ましくない方向に。

すると、今度はまた別の誰かが入ってきて、彼の1行を投げ入れる。もともと会話をしていたメンバーは、会話の方向性を見失ってしまう。わずか数人が議論していたことが、6人以上の会話になる。物事があっという間にゆだねられていく。

会話の背景に追いつくことなく、誰でも後から会話に参加できることは、破壊を助成する。勢いよく始まったとしても、時間の経過とともにチャットの威勢は弱まっていく。

8. とりとめもなく喋ることが繰り返される。数分で終わるはずの会話が、グループチャットで行うと20分以上を要する。グループ間における継続的な会話に終止符を打つことは難しい。特に、いつでも誰か新しい人がやってきてその1行を放り投げられる状況では。

そろそろ会話が終わりに近づいていると思った途端、またそれは始まりに戻る。そして大半、それは前の会話の焼き回しにすぎない。世界中のチャットルームで、「もうそれは話した」という言葉が繰り返される。

9. リアルタイムな情報共有を過多に行う。数日前、営業データを使って、新しく案件が決まる度にチャットルームに通知するアイディアに熱くなっている奴と話していた。僕は、それが1日何回になりそうか聞いた。彼は、「たくさん」と答えた。「1日中、読まれない通知をチャットルームに流すのか?」と聞くと、彼は「そうだ。悪いことだろうか?」と逆に聞いてきた。

営業の「今」の成績を常にみんなに知らせる必要はあるのか?1日分の営業成績をまとめて共有するほうが、読まれない通知を送りつけて仕事を妨げるよりいいのではないか?彼はこうしたインパクトを考えてすらいなかったが、最終的には理解してくれた。

いろいろと連携させてチャットに流し込むことは楽しい。だからこそ、要注意だ。人の注意を妨げることのコストを考えなければいけない。仕事に向かう人たちの集中力を、待って後から伝えれば済むものを、1日に何十回と妨げる(みんな未読をなくことが大好きだから)だけの価値があるかどうかを。

10. チャットは、君が遅れをとっていることをリマインドしてくる。グループチャットは、僕たちをまるで1日中何かを追い続けているかのような感覚にさせる。

もっと酷いのは、グループチャットが頻繁に「離れることへの不安」をもたらすことだ。ちょっと離れて戻ってくると、数十、数百の未読ラインに出迎えられる。それを1行ずつ読むべきなのか?読まなければ、何か大事なことを見逃してしまうかもしれない。そこで全てを読んでいくか、リスクをとってすっ飛ばさなきゃいけない。まだ読みきれていない内容があるかもしれない中、断片的な会話のパズルを完成させていく。

やっと追いついたと思ったら、また遅れをとっている。まるで2つの仕事を同時にこなしているようなものだ。一つは自分がやるべき本来の仕事。もう一つは、たぶん知らなくても支障のない情報に常に追いつこうとする仕事(でも、自分が無関係かどうかは読んでみないことには判断できない)と。

11. 25という数字は、以前は1を意味するものだった。1件の未読メールがあれば、それは「1」として受信箱に表示された。その1件の未読は、塾考されたアイディアかもしれないし、12行の文章かもしれないし、もっと長いかもしれない。でも、1件が1件であることに変わりはない。吸収すべき1件のユニットだった。

同じことをチャットルームでやり取りするために必要な行数を考えてみてほしい。チャットは基本的に一度に1行ずつ進むため、それが長い1行だったとしても、未読の数はどんどん掛け算されていく。1、2件のメールを送れば済んだ会話が、今では25件、40件、または100件以上を要する。

それだけでなく、誰かが話している最中にも反応が追加されていく。グループチャットは、巨大な数字を生んでいく。その数が大きければ大きいほど、君が見逃しているものの数も大きくなる。そして、その悪意あるサイクルが繰り返される。

12. 未読の何だって?分散されたカテゴリー・チャットルーム・チャネル名の横にある数字が会話を象徴する時、その内容が見るに値するかは、実際に入って新着を見て判断する他はない。数字は、そこで繰り広げられる会話を表現してはくれないし、単純に新しく何かが追加されたことしか教えてくれない。

数字の裏にあるものを判断することは極めて難しく、すでに進行している会話に後から入って行って、議論の内容を確かめる必要がある。それによって、「今」参加する必要がない議論に引き込まれてしまう。一方、Eメールには決まったヘッダー部分があり、参加者も一目でわかるため、即対応すべきか、後でいいのか、そもそも反応してなくていいのかが瞬時に判断できる。

13. めまぐるしいコンテキストの移行と、継続的な関心の分散。メンバーの多くは、そのスクリーンの端またはセカンドモニターにチャットのウィンドウを開いたままにしている。片方の目はチャットのウィンドウにやり、もう片方を仕事に使う。問題は、チャットウィンドウが君の関心を吸い込むブラックホールだということだ。常に君の視線を引っ張り、君の集中力を少しずつ削いでいく。

チャットルームやチャネルにまたいで、もぐらたたきゲームのように未読表示を追いかけることで、めまぐるしいコンテキストの移行が生じる。コンテキストの移行は、本来やるべき仕事に取り掛かるためのまとまった時間を奪ってしまう。

さらに、君の筋肉が連続するタスクを記憶するように、君の心もまた同じことをする。1日中、会話から会話へと行ったり来たりすることで、「関心の残余」が生じる。一つ前の会話を忘れて、次の会話を始めることが難しくなる。これから参加する新しい会話に完全に集中することができない。この点については、Economistの素晴らしい記事を読んでほしい。

14. 見直して後から参照する能力の欠如。チャットルームやチャネルでされた大事な会話を、後から見返そうとしたことはないだろうか?上手くいけば、その断片が見つかるかもしれない。でも、それが全てだとどうして言い切れる?一週間前に、同じ内容が議論されて、異なる意思決定がされているかもしれない。それは、230スクロール前に議論されているかもしれない。

終わりのないベルトコンベヤーのような会話は、すべてを分散された瞬間の連続に変えてしまう。より大きな視点や完全な記録が明確になることはない。それはどこから始まるのか?どこで終わるのか?誰かがそれを全部見たのか、それとも一部だけ見たのか、または全く見ていないのかどうしてわかるだろう。

15. コンテキストの欠如。ひとつ場所で議論が行われる時、そしてそれを隔てるものが時間しかない時、その議論にはコンテキストが不足している。「この会話は、このドキュメントに基づいています」とは言いにくい。なぜなら、そのドキュメントはどこか他にあって、その会話はもとの素材から離れた場所で実施されているものだから。

後からドキュメントを見返した時に、それが議論されたかどうかは定かではない。その会話は、違う場所に存在しているのだから。これは、捉えにくく微妙なポイントではあるが、すごく重要な点だ。

16.プレゼンス、推測、そして期待。多くのチャットプラットフォームには、その人がオンラインかどうかを表示するために小さな緑色のドットマークが存在する。これが、なかなか辛い機能だ。なぜなら、チャットにログインし続けるプレッシャーが生じるからだ。それは、まるで「君のドットは緑じゃないから仕事をしていないんだね」と言っているかのようだ。

このプレッシャーによって、人はチャットルームを常時開くことを強いられる。すると、本来やるべき仕事に向かいながら、1日中続く妨げをすべて吸収することになる。自席に着席してことが求められた昔の職場環境の現代版だ。Do not disturb(取り込み中)と言うこともできるが、本当の邪魔をなくすことは、チャットをやめることでしか叶わない。

17. タイムゾーンをまたいだコミュニケーション。チャットは、遠隔で仕事をする上での必須ツールだと考えられている。遠隔で仕事をする人間にとって、チャットが重要なツールであることは間違いないが、異なるタイムゾーンにいる人と仕事をする時、それは特にイケてないツールになる。

チャットは、永久に「今」に向けられたツールであるため、そして人にはそれぞれの「今」があるため(君の午前9時は僕の午前11時で、彼女にとっては午後3時で彼にとっては夜の8時といった具合に)、リアルタイムは「間違った時間」でしかない。世界中にチームが散らばっているとき、または複数のタイムゾーンにまたいでいるときは、非同時性のコミュニケーションのほうが圧倒的に有効だ。

・     ・     ・

しつこいチャットを、主流のコミュニケーション方法にすることにどこまで反対すれば気が済むんだって?ほとんどの状況において、僕はそれには反対だ。37signals/Basecampでチャットを10年間使い続けてきたことで、それが妨げや不安、ストレスになり、数々の誤解を生んでしまうこともわかっている。そして、これらは全ての組織や人に多大なダメージを与える。

僕は、人が持つ最も重要なリソースは注意力だと思っている。もし、他の何かが僕の注意力を操作しているのだとしたら、その何かが僕の能力を操作していることになる。また、君の注意力は、素晴らしい仕事を成し遂げるための必須要件だ。だから、グループチャットの山や、そこから生じる期待値が僕から計画的にリソースを奪うとき、それは僕の敵になる。「今すぐ」は、無駄にされるのではなく、守られるべきリソースだ。

そうは言っても、コミュニケーションの道具箱において、グループチャットは重要なツールの一つだと思う。ただ、最優先のツールだとは思わないだけだ。グループチャットは、例外的なツールだ。一般的な状況よりも、特別な状況においてすごく役立つ。

適切に控えめに、そして正しいコンテキストに基づいて正しいタイミングで使われると、それは素晴らしい力を発揮する。それを抑制し、使うべきではない時を判断し、行動と雰囲気を観察することだ。そうしないと、それに支配され、いいものもダメにされてしまう。

公平性のために言うと、こうした問題はグループチャットに限った話ではない。でも、グループチャットの基盤(今参加、1行ずつ送られる不完全な思考、見逃すことへの恐怖心、参加するための障壁の低さ、そしてそれが誘発する過度な参加、ひっきりなしの通知など)は、意図しないネガティブな結果を拡大させる傾向がある。原因と効果を切り離して考えることはできない。

もっと興味深いのは、1対1、ダイレクトメッセージやテキストが、Eメールに類似していることだ。それは、頻繁に非同時で使われる。誰かのために何かを残しておくと、そこに戻った時に相手がそれを確かめることがわかっている。

でも、グループチャットの環境では、見てもらえるかどうかが定かではない。他の人が会話をすることで、もとの会話が流れていってしまうからだ。@mentionsなどの療法は存在するが、気休めに過ぎない。参加者の数によって進むスピードが異なる「ベルトコンベヤー上のコミュニケーション」の決定的な欠陥を、バンドエイドや松葉杖で覆い隠そうとするようなものだ。グループチャットで何が起こるのかを予測することはできない。

Osmo Wiioが言ったように、コミュニケーションは基本的に失敗に終わる。それが上手くいくのは、事故が起きた時だ。だからこそ、組織における主流のコミュニケーションツールとしてのチャットのインパクトについては、じっくり考える必要があると思っている。

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僕たちが目指すこと

時々リアルタイムで、ほとんどの時は非同時

Basecampのが目指すルールは、「時々リアルタイムで、ほとんどの時は非同時」だ。この理想にたどり着くためには、まだやらなければいけないことがある。チャットにまだまだ頼りすぎているし、もっとそれを控える努力をしたいと思っている。

基本的に、「今すぐ」は例外であるべきで、デフォルトであってはいけない。そうすることで、本当に今すぐ議論される必要があることに使う余裕と注意力が生まれる。そして、その他のすべてのことを非同時に、時間をかけて徹底して議論することが可能になる。

例えば、Basecamp 3(当然、僕らはすべてのプロジェクト、仕事、組織をまたいだコミュニケーションに使っている)では、たまに発生するリアルタイムコミュニケーションのために、Campfireのビルトインチャットを使っている。

一方、重要な非同時性のコミュニケーションには、Basecampのすべてのオブジェクト(to-doリスト、個々人のto-do、ドキュメント、発表、チェックインなどなど)に付随するメッセージボードやコメントスレッドを使う。

コメントスレッドでは、コンテキストを保ったまま議論を続けることができる。to-do(またはドキュメントやファイル、発表など)にまつわる議論は、永久的にそのto-doに紐付く。こうすることで、すべての会話にいつでも簡単に戻ることができ、それにまつわる会話の全容を把握していることを確信できる。

君が、Basecamp以外のツールを使っていても役立つ、組織におけるリアルタイム/非同時の使い分けのアドバイスにはこんなものがある:

  • 人が1日中チャットに参加することを期待するのをやめる。1日中、チャットのウィンドウを開いておくべきだという期待値を生んではダメだ。1日中つるむ場所ではなく、チャットはあくまで目的を持って入っていくものにする。
  • もし、それが重要なことなら速度を緩めよう。それが大事な会話なら、それはチャットルームで行われるべきじゃない。チャットは、すぐに済む一時的なものに使われるべきだ。重要な議題はその他のおしゃべりから隔離し、時間をかける必要がある。
  • 発表はチャットでは行わない。一つ前のポイントに関連するが、全員に目を通してほしい組織またはグループ全体に向けた発表があるときは、それをチャットルームに投稿してはいけない。非同時で(BasecampやEメールや君が使う非同時コミュにケーションを可能にする他の選択肢)それを送ること。
  • 道理をわきまえたスケジュールで持って、それを検討する機会を全員に与えること。しっかり考えられたフィードバックは、ただの返答ではなく、時間をかけて考察された返答を意味する。時間は、何かを塾考するために欠かせない要素だ。フィードバックを非同時で求めることで、人に考えるための時間を与えよう。彼らがそれぞれのタイミングで反応できるように。期限を儲けるなら、「明日までにフィードバックがほしい」「水曜の終わりまでこの議論を残しておく」などと伝えればいい。
  • チャットをサウナのように扱おうーしばらくは入っていてもいいが、必ず退出すること。チャットルームやチャネルに長くいる傾向があるなら、チャットルームをサウナやホットタブだと思えばいい。しばらくは心地よいが、長く居すぎるのは逆に不健康だ。
  • グループチャットをカンファレンスコールのように扱うー全員を呼ぶことはない。チャットは少人数であればあるほど良い。チャットをカンファレンスコールだと思えばいい。3人で行うカンファレンスコールはパーフェクトだ。6〜7人は混み合っているし、ひどく非効率だ。グループチャットもまた同じ。数人でいいのに全員を招いてしまわないように注意しよう。
  • 1行ずつ書く代わりに、まとめてもらおう。長引くチャットから抜け出せない?たくさん話しているのに進捗がない?一度会話を止めて、誰かにその内容を議事録に残してもらう。そして、日同時のコミュニケーションでもう少し時間をかける。誰かにポイントをまとめてもらい、参加者にはそれを吸収して反応するための時間を与えよう。
  • 情報を垂れ流すのではなく、まとめよう。何かが起きた瞬間に何もかもを流し込むのではなく、1日に一度または二度にまとめてみること。それで人を妨げる頻度を減らすことができる。
  • 人が仕事を終わらせられるためのまとまった時間を確保しよう。中断は、生産性の敵だ。グループチャットは、職場における中断の生成工場になってしまっている。人に素晴らしい仕事をしてほしいなら、それに集中するための適切な時間とスペースを与えるべきだ。ここで15分、あそこで30分、もう7分と細切れになった時間では不十分だ。人には、何時間という邪魔されない時間が必要だ。未読の表示が光るたびに、人は今やっていることを中断してそれを確認する衝動にかられる。中断のコストを意識すること。その価値があるのか?睡眠だと思えばいい。寝ようとしている人が、毎15分ごとに起こされたとしたら、間違っても熟睡したとは言えない。同様に、1日中、中断され続けることで、どうしていい仕事ができるだろうか。
  • 不在にしてもいいという期待値を広めること。君自身がオンラインの表示をオフにしてもいい。それができないなら、不在にしても良いことが人に伝わるようにすること。チャットを閉じる、一切やめる、スヌーズにする、形は何でもいいが、不在にしたって一向に構わない。その不在は、休憩中ではなく、彼または彼女が仕事をしていることを意味する。

・     ・     ・

最後に、これは特定のツールや特定のプロダクトに限った話ではない。これは、コミュニケーションの方法にまつわる議論だ。それがどんなスピードで進むかを誰も操作できない、一度に1行ずつ流れるベルトコンベヤーについての。そこで会話は、瞬時に散ってしまうこともあれば、何時間、何日と居座り続けることもある。

ツールのメリットとデメリットを理解し、それがどんな影響を及ぼすかを理解することは、それを最大限に活用するために欠かせない。引き換えにするものを知ることが、価値を知ることに繋がる。メリットが最高だからといってデメリットを無視すること、またはデメリットが酷いからといってメリットを退けることは、君に誤った感覚の心地よさをもたらし、現実を曇らせてしまう。

頭を突っ込んだり出したりを簡単にできて、複数の人に同時に話すことができるため、グループチャットを愛してやまないマネージャーたちがいる。でも、終わらせなければいけない仕事があるにも関わらず、参加してことを装うために1日中オンラインでいようと汗を流している従業員が大勢いる。彼らは、遅くまで仕事をしなくてはいけないことを常に考えている。平日、ずっと中断が続くため、その分、日曜の夜も仕事をしなくてはいけないと考えている。これほどリアルな問題は存在しない。

ソフトウェア業界には、ユーザーを責める傾向がある。使い方を知らないユーザーが悪い。彼らが、間違った使い方をしている。これはやるべきで、これはやるべきじゃない。でも、ツールというものは、人に対して特定の行動を促すものであるはずだ。プロダクトは、特定の結果が想定された、デザインにおける意思決定の連続だと言える。

たしかにツールが意図された通りに使うことはできる。でも、ほとんどの人は、デザインによって定められたパターンにならう。だから、人が疲れ果てて追いつけないと不安になるのは、ツールの責任であってユーザーの責任ではない。ストレスを生むデザインは、悪いデザインだ。

君がこのどちら側にいても、どのツールを使っていても、それが人に与えている影響について意識してほしい。一見すると、仕事を終わらせるために役立っているかのように見える部分だけに目を向けず。もし、その道のりで人が破壊されているのなら、仕事を終わらせることになど、何の意味もない。

(翻訳:三橋ゆか里)

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私の子供たちが、第二言語としてプログラミングを学ぶべき理由

Randy Redberg氏はオンラインテックコミュニティExperts Exchangeの業務執行社員である。 (編集部注:本稿はこちらで参照した記事の原文を翻訳したものです) 私は最近、二人の若い息子の父として、彼らの目に将来世界がどう映るのか深く考えてみた。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします! Si…

Randy Redberg氏はオンラインテックコミュニティExperts Exchangeの業務執行社員である。
(編集部注:本稿はこちらで参照した記事の原文を翻訳したものです)

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “elfgoh“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

私は最近、二人の若い息子の父として、彼らの目に将来世界がどう映るのか深く考えてみた。

彼らが高校生になれば、勉強する第二言語を選択することになる。今の経済状況を見れば中国語が賢い選択だろう。もしくはドイツ語でもいいかもしれない。しかし、もし子供の通う学校で代わりにプログラミング言語を選べたらどうなるだろう? 生徒たちはテクノロジーについて実践で学べるだろう。もし学校がRubyやPythonを、コンピュータ言語としてでなく普通の言語のように教えたらどうなるだろう?

学生が若いうちからプログラミングに親しまなければ、アメリカは他国に対する知的な面でのアドバンテージを大きく損なうと私は考えている。アメリカはすでに数学と科学の分野で後れをとっている。

プログラミング能力の不足は、さらに大きな不都合をもたらすことになるだろう。少人数の技術者でさえ多くの人々にインパクトと影響を及ぼす可能性を持つのがプログラミングだからだ。WhatsAppのようなグループを見ればわかるように、100人に満たないチームが作成するコードが毎日10億を超える人々に影響を及ぼしている。

プログラミングを第二言語として学ぶという考えが最初にアメリカで注目を集めたのはおよそ1年前、テキサスケンタッキーニューメキシコ州が、コンピュータのコースを外国語の履修要件のひとつとして認める法令を定めたときのことである。

先月フロリダ州議会上院は、コーディングを高校生の外国語履修項目のひとつとして認めた。ある議員は「わが州の生徒たちに末永く使うことができる価値あるスキルを学んでもらおう」と宣言している。

さらにこの議員は、教室での授業でコーディングを教えられないような地域での代替手段として、フロリダバーチャルスクールを提案し、教育のためのリソースが確保できないような地域にとっての障壁を取り除くことを狙っている。

この法案は先月末に賛成多数で上院を通過してメディアの注目を集めたが、先週下院で廃案となってしまった。この法案は下院で止まってしまったが、学校においてコンピュータサイエンスのカリキュラムをどうやって強化するかという議論を再燃させた。

子供にコーディングを教えることには、彼らが成長して人的ネットワークを作り上げていくにあたって、いくつかの重要な利点がある。

  • いくつかの研究結果は、コーディングを学ぶことと問題解決スキル、ロジカルシンキングの能力発達には関連性があることを認めている。プログラミングを基本的に理解しているだけで、複雑な問題についての考え方とその解決方法の見つけ方について、ユニークな捉え方ができるようになる。
  • コーディングを言語として、人間性の修養として教えることで、プログラミングはコンピュータ学科の枠組みを超え、教育の主要科目として認識されるだろう。そして、コンピュータサイエンスの学生だけでなく、誰もが利益を享受できるようになる。
  • コーディングの力を理解している人が、仕事のスキルにおいて比類なきアドバンテージを持っていることは疑いない。テクノロジーが、全てでないとしてもほとんどの企業に影響を与えるわが国では、カスタマイズされたソリューションの需要は高く、そしてそのソリューションは誰かがコーディングしたものである。

このデジタル時代に、私は自分の子供たちに彼らの将来を他人任せに(アウトソース)してほしくない。テクノロジーが舞台裏でどう動いているのかを理解することはきわめて重要である。しかしほとんどの教育者はコーディングをSTEM教育(科学・技術・工学・数学)の必須科目として、基本のITスキルを教える既存のカリキュラムを少しいじるだけにとどまっている。

私は、必要なのはもっと根本的なことだと考えている。テクノロジーを真に理解して再設計するには、内部で何が起きているのかを深く認識することが必要である。私たちは、基本的理解だけでなくプログラミングとアルゴリズム的思考の能力を子供たちに教え込むべきである。

もちろん、この動きを推し進めるには学校とコミュニティによる合意と協力が不可欠である。学生がコーディングを学ぶには適切なコンピュータシステムを利用できなければならず、それらの機器はテクノロジーシステムへの投資を増やして初めて調達できる。

そしてコーディングは言語と同じく、最初は暗記に頼るしかなく、抽象的思考や問題解決の出る幕はない。1年間のプログラミング経験はソフトウェアとシステム開発能力の基礎にすぎず、学校はそのような導入編だけでなく、さらに進んだコースを提供していかなければならないだろう。

私は、現代のビジネスがいかにコーディングに精通したスタッフに依存しているかを直接見てきた。企業オーナーとして、システム開発業務のスタッフ数がここ数年で目覚ましく伸びているのを目の当たりにしてきた。

自分の子供が将来の居場所を確かに持てるようにしたければ、今こそ意見を表明するときだ。子供の学校の役員会に、プログラミングのコースを学習の単位として認めるようリクエストする手紙を書くべきだ。子供の学校の教師と話し、州の議員にメールしよう。行動を急ぐべきだ。コンピュータ言語に他の言語と同等の地位を与え、テクノロジーを最優先にすべきであるということを口ばかりでなく行動で示すときである。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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10億ドル規模のSaaS企業をつくる方法ーー「システム・オブ・レコード」を構築する

Ajay Agarwal氏はBain Capital Venturesの執行役員兼Bay Areaオフィス所長であり、同社においてアプリケーションソフトウェアやSaaSへのアーリーステージ投資に注力している。 SaaS(Software as a Service:ウェブ上でのソフトウェアサービス)業界では数多くの企業が花開き、また散ってきた。テック業界は基本的に、バリュエーション・マルチプル(企業…

Ajay Agarwal氏はBain Capital Venturesの執行役員兼Bay Areaオフィス所長であり、同社においてアプリケーションソフトウェアやSaaSへのアーリーステージ投資に注力している。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Tomais Ashdene“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

SaaS(Software as a Service:ウェブ上でのソフトウェアサービス)業界では数多くの企業が花開き、また散ってきた。テック業界は基本的に、バリュエーション・マルチプル(企業価値対売上の比率)が低下傾向で、レイトステージの資金調達は困難になりつつある。しかし、SaaS業界では大きな高価値の企業を立ち上げるチャンスは今でも数多く存在している。

では、起業家がそれを成し遂げるにはどうすればよいか? それは、「システム・オブ・レコード」を立ち上げることである。

「システム・オブ・レコード」(SOR)は、特定の事業プロセスのためのバックボーンとなるソフトウェアである。その定義ゆえ、SORは顧客に強く定着し、多くの理由から(SOR変更のために)現在のシステムの利用をやめさせることは困難である。SORのシステムソリューションは、購買担当がまず尋ねるような基本的なROI(費用対効果、Return on Investment)といったレベルではなく、ビジネスプロセス遂行のために必要不可欠なソフトウェアというレベルに進化している。

強力なSORを築いた企業:業種、企業名、時価総額(左から)
強力なSORを築いた企業:業種、企業名、時価総額(左から)

多くの企業がSOR製品で大きな成功を収めている。Salesforceはセールス業務、Intuitは会計業務、Workdayは人事、そし特定分野の市場を狙ったGuidewireとVeevaは保険とライフサイエンスのSORを手がけている。これらの企業で特筆すべきは、高い企業価値と、年間の解約率の低さである。

顧客が一度SORを購入・導入すると、(それが宣伝のとおりに動いているのであれば)解約されることはまずない。

SORを構築しようとしている方は、以下の7つの質問について確認していただきたい。

1. そのソフトウェアは、極めて重要な事業プロセスを稼動させているか?

SORは普通、基幹ビジネスプロセスのバックボーンであり、システムがダウンしたりシステムの使用をやめれば、基幹ビジネスが機能しなくなる。システムが顧客企業の利益創出の根幹に近いほど、そのSORの価値は高まる。

2. プロプライエタリな業務データを保持しているか?

SORの力とは、それが究極の情報ソースであり、重要な業務データの「記録」となっていることである。基本台帳データはQuickbooksかOracle Financialsに、セールスパイプライン(見込み顧客まで含めた時系列のセールスデータ)はSalesforceに、給与や従業員の情報はWorkdayに保存されている。

あなたのソフトウェアがこのような重要な業務データを「保持」しているのなら、他のアプリケーションはそのソフトウェアと統合しなければ動作しない。歴史あるSOR企業、例えばSAPなどは、自社ソリューションを開示せず、サードパーティベンダーに大金を投じさせて、顧客がSAPデータにアクセスできるように統合作業をさせている。Salesforceはより現代的なアプローチをとっており、オープンAPIおよびすべてのエコシステムを準備して、サードパーティのアプリケーションプロバイダに開放している。

3. 従業員の大部分が、毎日または毎週のようにアクセスしているか?

ソフトウェアへの依存度と利用状況は、一般従業員のワークフローにそのソリューションがどれだけ浸透しているかのバロメーターである。分析ソリューションが素晴らしいものであっても、それが少数のデータサイエンティストだけに利用されているのであれば、簡単に置き換えられてしまう。

それに対して、多くの従業員が出張精算レポートシステムを毎週のように利用しているのであれば、そのソリューションを入れ替えることは、大人数に対して新システムのトレーニングを強いることになる。

4. そのシステムは「真実のシステム」か? そのソリューションのアウトプット(レポートや考察)が、重要な意思決定の基盤となっているか?

企業価値が最高ランクのSaaS企業は、「システム・オブ・レコード」から、「システム・オブ・トゥルース(真実のシステム)」に進化してきた。

人材リソースの議論のために役員が参照するデータは人材リソースマネジメント(HRM)システムからくるものであり、カスタマーサービス業務の議論のためのデータはCRM(カスタマー・リテンション・マーケティング)システムからくるものである。SOR企業を目指すすべての企業のゴールは、企業の役員や社長が、そのシステムをいつも使っているという状態である。

5. 「人間の頭の中にある」ことを成文化したソリューションになっているか?

システムが何らかの形で人間からの情報を必要とし、それを活用できているほど、別の競合がそのシステムを入れ替えて、やっていることをコピーすることは困難になる。

SORを導入するプロセスというのは、企業内に散在している書類化されていないナレッジを、再現性のあるやり方でソフトウェアソリューションの中に形式化していくことだ。SORは、顧客企業の業務のルールを成文化したものになる。SORの導入に時間がかかることがあるのはこのためである。このような情報はさまざまなグループの人の頭の中にあり、それを引き出して、整理しなければならない。

6. そのソフトウェアは「学習し」、時とともに改善されていくか?

学習は、アルゴリズム的に進めることが可能である。例えばマシンラーニングを活用し、アウトプットを時とともに改善していくソフトウェアなどがそうだ。また、業務プロセスに組み込まれたフィードバックループからも学習は可能である(例:セールス見積もりを、直近のセールス実績により微調整しなければならない。であれば、見積もりソリューションの基本的な動作をそれにしたがって更新しよう)。

このようにすれば、SORは顧客企業の業務やワークフローの中で何年もかけて学習することができる。これが、SORの価値の高さの有力な一因である。

7. そのソリューションの「グロス」解約率は非常に低いか?

SORが正しく導入されていて、正しく動作していれば、顧客企業が倒産するか買収でもされない限りは、解約されるはずがないのが道理である。エンタープライズに注力する企業は、グロス(総計)のリテンション率が90%を超えており、最高は95%超である(上位製品への乗り換えは含んでいない)。私がセールス・マーケティングを率いていた会社Trilogyは、私たちが1995年に販売した顧客と今でも年間メンテナンス契約を保持している!

このリストが必ずしもすべてを網羅しているわけではないが、SORを構築するための指針を与えることができていると望んでいる。

ここで筆者があげた多くの事例はエンタープライズ向けの企業である。しかし、ここであげたコンセプトは、売り込み先が大企業でも中小企業でも、また、ソリューションが一般市場向けでも特定のバーティカル市場向けでも、そしてサポートする業務が広範囲でも限定範囲であっても、すべて適用可能だ。

SORを構築することだけが十億米ドル規模のSaaS企業への道ではないが、そこにたどり着くための最も確実な道であることは間違いない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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自分ではない誰かになろうとするのはやめよう【寄稿】

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起業家、ライター、コメディアン、そしてクリエイターでもあるJon Westenbergさんによる寄稿記事です。Jonさんの活動は、ご本人のWebサイト、またTwitter(@jonwestenberg)でフォローできます。本記事は、Mediumに投稿された記事をJonさんから許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。 口だけになるのはやめて、何かを生み出そう テレビのリアリティ番組を見てい…

Jon-Westenberg起業家、ライター、コメディアン、そしてクリエイターでもあるJon Westenbergさんによる寄稿記事です。Jonさんの活動は、ご本人のWebサイト、またTwitter(@jonwestenberg)でフォローできます。本記事は、Mediumに投稿された記事をJonさんから許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。


image via. Greg Rakozy
image via. Greg Rakozy

口だけになるのはやめて、何かを生み出そう

テレビのリアリティ番組を見ていると、星のように目をキラキラ輝かせた夢見る候補者が、カメラ目線で「いつか歌手になりたいと夢見ていた」と語る。彼らは、ずっと歌いたいと思っていたとは言わない。

これは、重要な違いだと思う。もし、彼らが歌うことを本気で大切にしているなら、彼らは毎日、毎晩ステージに立ち、肺が腫れ上がるまで歌い続けているだろう。

バンドに入ったり、ステージに立たせてくれる先を探し、音楽を録音し、YouTube動画を撮影し、一回でも多く人前に立って歌うために死に物狂いになっているはずだ。

でも、彼らはそうはしていない。彼らは全国番組に出ることでいっきに名声を手に入れるチャンスを待っている。そこには、演出されたドラマと、指示を受けて操られた聴衆しか存在しない。

彼らは、誰かが自分を歌手にしてくれるのをただ待っている。きらびやかなライフスタイルだけじゃなく、その上、刺激まで欲しがっている。彼らは何かをしたいわけじゃない。その何かをする人になりたがっている。

音楽シーンに限らず、こうした行動や態度は、さまざまな分野で見受けられる。

彼らは、会社を立ち上げたいわけじゃない。創業者になりたがっている。彼らはアートを創りたいわけじゃない。アーティストになりたがっている。彼らは、目が痛くなるまで何時間もコーディングをしたいわけじゃない。デベロッパーになりたがっている。

image via. Kai Oberhäuser
image via. Kai Oberhäuser

人生は、日々やることの積み重ねでしかない

夢を追いかけて、自分が望む人生を歩むことは、毎朝起きて仕事に行くことを意味する。その仕事はアートかもしれないし、音楽かもしれないし、自分で立ち上げた事業かもしれない。仕事の舞台となる場所は、どこかのステージかもしれないし、スタジオかもしれないし、しゃれたオフィスかもしれないし、または君の寝室かもしれない。でも、それはいつだって仕事だ。

それは、君が自分と呼ぶものや、君のそのライフスタイルとはまったく関係がない。それは、君が手を動かしてするべき、毎日達成すべきものでしかない。肝心なのはそれだけだ。そうやって人はどこかにたどり着いていく。

もし、君が希望のライフスタイルを手に入れたいとそればかりに不安になって、とある肩書きを装い、いいところ取りを狙っているなら、君は肝心なことを見落としている。君が価値のあるものを生み出すことは永遠にないだろう。何かを生み出すということ自体、君のアンテナを擦りもしないだろうから。

「何かをやること」ではなく「何かになる」ことにとらわれてしまうことは皮肉だ。なぜなら、やることをせずに、何かになることなど一生できないからだ。

一生、終着点にたどり着いたと感じることはない

人が、やっと何かになれたと実感することはないと思う。また、誰かになれたと感じることもない。その道の最後尾にたどり着いたときに、たった今、起業家になれたと言う人はいない。たった今、僕はアーティストになったと言う人もいないだろう。なぜなら、それは捉えようのない感覚だからだ。

君は、そこにたどり着くための鍵を握る何かを常に模索するだろうし、やっと手を休めて、ただ今を楽しめるようになるための一度きりのチャンスを探すだろう。

でも、それは永遠に起こらない。次々にチェックリストを消していく感覚を追い求め、誰かになろうとしても、そこに終着点は存在しない。君は、何かをすることを追い求めなければいけない。そこにこそ、満足感と充足感が見つかるはずだ。

ゴールラインを切る瞬間が来ることは永遠にない。無事に家にたどり着いて、一切のことをやめることができる瞬間などない。でも、歌唱コンテストに参加する歌手はどうだろう?彼らは、そうは考えていない。このコンテストで勝つことができれば幸せになれると思っている。この交渉が成功すれば。このシングルがリリースできれば。でも、それは違う。

君の仕事はいつだって大変だ

ただその行為をするためではなく、誰かになるために動いている時、それは辛い道のりになる。その完成度は低く、君が注ぐ努力の量は明らかに不十分なものになる。

一番大切なのは、やること、その行為自体だ。それは、そう名乗りたいと願う理想の自分や、自分が望む感情を正当化するためにチェックで消していくリストではない。それは君のライフスタイルに根拠を提供するものでもない。価値があるのは、やっている行為そのものだ。

君はいいアートを創らなければいけない。いい文章を書かなければいけない。いいものを創らなければいけない。そうせずに、君がただ自分自身のエゴに対してリップサービスをし続けるだけなら、人はそれに必ず気がつく。世界がそれを見逃さない。

何もしなければ、誰も君のことを真剣に受け止めてはくれない

君が自分のことを肩書きを使って名乗るとき、人はその証拠を求める。僕が毎日何時間を費やしてブログ記事や本を執筆したり、読者とコミュニケーションを重ねたりしていなければ、僕がライターだと名乗っても誰も耳を傾けてはくれないだろう。

人が姿勢を正して話を聞く構えを示すのは、君のプロフィールでも自己紹介でもなく、実績に対してだ。君が誰かに真剣に受け止めてほしいと願うとき、君が求めているのは、人から敬意を払われることだ。敬意は、ただ払われるものではない。「よし、敬意を払おう」と、列を成す人など誰もいない。

君は、それを勝ち取る必要がある。肝心なことを自分でやって、大事なプロジェクトに汗水流し、毎日努力し続けることで。それが人からの敬意を勝ち取るための唯一の方法だ。

君は改善もしなければ、学ぶこともない

もし君が、ファウンダーと名乗ったり、アーティストと名乗ったりすることに満足して、実際に会社を立ち上げたり、何かを創造したり、努力したりすることを怠っているなら、君は改善や学ぶための機会を自ら退けていることになる。

何かであることや肩書きに満足する代わりに、「やることに」に目を向けて、そこでベストを尽くす。すると、新しい発見に遭遇するチャンスが生まれる。自分にしかないエウレカの瞬間を体験することができる。

僕がやること。それは、書くことだ。事業を立ち上げることだ。それはマーケティングであり、デザインであり、講演をすることだ。では僕は何者なのかというと、何よりも生徒でありたいと思っている。僕は、学ぶためにここにいる。みんなそうだろう。

image via. Kai Oberhäuser
image via. Kai Oberhäuser

君は飛び込んでいかなければいけない

ただ何かになりたいと思っている間、君は不可能なゴールを達成することに時間を無駄にし、そこにたどり着くために何人もの門番に頼ることになるだろう。その道を進んだとしても、幸せは見つからない。そこにはただ、困難を増す失望が待ち受けているだけだろう。

もし、君に本当にやりたいことがあるなら、君はずっと大きな満足感を味わうことになる。世の中は、君が愛して止まないことをするための機会で溢れている。君が、誰かになろうと不安に明けくれず、また自分の理想のライフスタイルを手に入れようと躍起にならずにいられれば。

外に飛び出して、何かをやってのけよう。僕はよく、FugaziとBlack Flagというバンドについて話題にする。一種のクリエイティブとして、また起業家としても、彼らの存在は僕にとってすごく大きなものだった。彼らは、ただブレイクすることを待っていなかった。彼らは自分たちでステージを予約し、自腹でレコードを録音し、必死の努力を続けた。

彼らは、その長いキャリアを通じて、何かになろうとすることに躍起になるのではなく、ただやり続けることに集中した。

そのほうが、いい道のりだと思う。

(翻訳:三橋ゆか里)

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なりたてのCEOが贈る「CEOの心得」

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CEOになったばかりの人へのアドバイスは、一般的にC・E・Oという3文字の肩書きでずっとキャリアを築いてきたような人々がするものです。ベンと私がJellyを設立した折に、私は正式にこの肩書きを引き受けることになりましたが、その時の私はこの特別な「C-ジョブ」の初心者でした。とはいえ、それまでに15年かそれ以上様々なCEOの側で働いてきたので、そろそろ自分の番が来たと感じたのです。 私は長年素晴らし…

Biz Stone, Newly Minted CEO
Biz Stone, Newly Minted CEO

CEOになったばかりの人へのアドバイスは、一般的にC・E・Oという3文字の肩書きでずっとキャリアを築いてきたような人々がするものです。ベンと私がJellyを設立した折に、私は正式にこの肩書きを引き受けることになりましたが、その時の私はこの特別な「C-ジョブ」の初心者でした。とはいえ、それまでに15年かそれ以上様々なCEOの側で働いてきたので、そろそろ自分の番が来たと感じたのです。

私は長年素晴らしいCEOたちの側で働いて多くを学んできました。良い点を見つけるとそれを採用しましたが、それでも経営についての多くのことは何をしてはいけないかから学んできました。優秀な人物や仲の良い友達が奮闘したり、その地位を失ったりするのを見てきたのです。

これから私が学んだ5つの教訓を皆さんとシェアします。この冒険が続く限りこれからももっと多くをシェア出来ればと思っています。この5つの教訓自体ももっとより良く変化するでしょう。CEOとしての期間はそれほど長くはありませんが、これから取り上げるtipsはCEOを始めたばかりの方々に是非伝えたい内容です。

コミュニケーション

あなたの会社が小さくてほんの一握りの社員しかいなくても、みんなの方向性が同じだと思い込まないでください。頻繁にコミュニケーションを取るようにしましょう。情報に乏しいと不安がそれを埋めようとします。いっそCEO自身が取締役会で「何もかもがどうしようもなく悪くなりつつある」と告げたとしても良いのです。何故なら「CEOは悪いものも含めた全てのトップだからです」。

2008年のある日のTwitter社での出来事を覚えています。金曜の午後にチームの数人が週間アカウント登録数のグラフを見せに来ました。私はそれを見て、「あれ?水曜に一体何が起こったんだ?100万ものアカウント登録数が増えた原因になったのは何なんだ?」と尋ねました。その答えですか?私たちのサーヴィスが珍しく24時間落ちなかったことでした。

「なんだって?」信じられませんでした。1日に何十万ものペースでアカウント登録が増えているのは知っていましたが、まさか1日に100万かそれ以上とは。この些細な報告で私の安心は吹き飛び、技術上の問題を素早く改善していくのがどれほど大切か痛感させられました。

アドバイスを求めましょう

会社の中よりも外のほうが頭の切れる人はたくさんいます。とはいえきっとあなたのチームはベストでしょう。ですから、わたしはただ一般論を述べているだけです。あなたの会社がどれほど大きくても、その外にはもっと多くの頭の良い人たちがいます。だから助けが必要な時は、広く外の世界にも目を向けるようにしましょう。

どんな業種でも、いつもあなたはより多くを学び、より良くすることができます。突然「チーフ」になっても全てを分かっている訳ではないからです。CEOになるというのは、一部では幅広い経験やフィードバック、ものの見方をため込むことであり、だからこそクリエイティヴに挑戦できるのです。

Jellyの初回ラウンドのローンチ準備をしていた時、私たちのブランドが掲げる美辞麗句が非現実的だったので、それを少し和らげようとしてミュージシャンにアドバイスを貰ったことがありました。また、サーチ・インダストリーの第一人者にもアドバイスを貰いに行くと、彼はJellyをワード・サーチとリンクするなと言いました。そして、私はミュージシャンのアドバイスに従ったのです。尋ね、耳を傾け、行動を起こしましょう。

解雇しなさい

私は本当にこれが嫌いです。解雇の理由が甚だしくひどい時には、自ら筆を取って手書きでCEOとしての役割を果たすため、それを伝えます。時にはそれが格別やっかいな状況を最小限の被害で切り抜ける唯一の方法になります。決定は既になされたのですから、話し合いで何とかなる段階は過ぎているのです。

大抵、対象となる社員は何度も話すうちに上手くいかないなと既に気付いています。だから解雇を告げるのも楽になると思われるかもしれませんが、実際は楽になることはありません。あなたは彼らに内定書を送った頃のことを思い出すかもしれませんし、個人的にその人を好きかもしれません。でも、そういう個人的な感情は傍に置いておきましょう。責任を果たす時なのです。

誰かがとんでもないことをしでかしたら解雇しなさい。全然仕事が出来なくて、しかも改善の余地がなさそうでも解雇しなさい。仕事が出来ても周りと上手くやれないなら、会社のカルチャーに悪影響を及ぼす毒となるので解雇しなさい。さもなければ他の有能な社員たちを失います。

何年も前に私がある会社で働いていた頃、専門分野で恐ろしく才能のある社員がいました。でも彼と一緒に働くのは完全な悪夢なのです。彼には会社を去ってもらう必要がありました。最終的に彼はそうしましたが、既に手遅れでした。深刻なダメージが会社に残ったのです。同じことをあなたの会社で許してはいけません。

You’ve gotta prune to grow a healthy company.
You’ve gotta prune to grow a healthy company.

CEOとして責任はあなたが取る必要があります。あなたの意見には重みがあり、それでいい気分になることがあるかもしれません。しかし、同時にあなたは不愉快と思うこともしなければなりません。厳然たる事実として、するべき解雇をしないのは会社全体を崩壊させる1番の早道だと言えるでしょう。

人が喜ぶことを言いましょう

言うまでもなく、その人の価値に見合ったフェアな態度を取りましょう。昇給させられるなら、それが望ましいです。「いい仕事をしている」と本人に告げてあげれば、努力している本人は嬉しいです。誰かが一生懸命努力して、いい仕事をしていれば褒められて当然です。あなたも気分がいいでしょう。

Googleで働いていた頃、1人の同僚が「素晴らしい仕事ぶりだ」と私を推薦してくれました。しかも、それで少しばかりのボーナスを貰ったのです。当時の私は借金を背負っていましたが、誰かがわざわざ私のことを褒めてくれたという事実は、私にとってお金よりも遥かに価値のあることでした。

リーダーになりなさい

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Captain Picard and Dr. Crusher

私の大好きなスター・トレックのエピソードは「混迷の惑星ケスプリット」です。ドクター・クラッシャーとピカード艦長はお互いの思考を聞き取れるのですが2人は砂漠で迷子になります。ピカードは立ち止まり、辺りを見回して自信をもってこう言います。「こっちだ」。ドクター・クラッシャーはどちらに行けばいいのか艦長に何の手がかりもないのが分かっています。

このピカード艦長の様子から、ある素晴らしいアドバイスが見えてきます。彼はドクターに「リーダーであっても、全ての問いに対する答えは持ちえないが、それでも導いていく必要がある」と告げているのです。どちらの方向に行けば良いのか分からなくても、決めなければならないのです。大切なのは、どちらに向かえば良いのかすぐに分かると確信していることなのです。

By Biz Stone

Translated from original by Ray Yamazaki, with thanks to Medium Japan.

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サービスをピボットする際に大切にしたい4つのポイント

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<ピックアップ> 4 key steps to effectively pivot your business Nathan Heberさんは2014年にヨットのマーケットプレース「BoatYard」を創業したアントレプレナー。当初、ボードの個人間レンタルをサービスにしようとしましたが、あまりにもニッチすぎて方向転換することにしたそうです。この記事ではその時に実行した方法を4つの項目に…

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Image Credit : IMGP2071 / pancakeplan on Flickr

<ピックアップ> 4 key steps to effectively pivot your business

Nathan Heberさんは2014年にヨットのマーケットプレース「BoatYard」を創業したアントレプレナー。当初、ボードの個人間レンタルをサービスにしようとしましたが、あまりにもニッチすぎて方向転換することにしたそうです。この記事ではその時に実行した方法を4つの項目にまとめてくれています。

  • 全てのステージでプロダクトを再評価しよう
  • ユーザーを理解し、その要望を特定しよう
  • 支援機関と戦略的提携を自分は持っているのか確認しよう
  • リブランドし、売り込み、進化し続けよう

それぞれの詳しい体験談は原文チェックしてもらうとして、支援機関の使い方がちょっと気になったので書いておきます。

アイデアがニッチだと分かって彼がいろいろヒアリングをしてみると、ボートを管理するプロフェッショナルとボートオーナーのマッチングがどうやら上手くいっておらず、ここにチャンスがありそうだと考えたそうです。

そこでそちらにサービスをピボットするのですが、そのために彼が取った方法がインキュベーションプログラムに参加することだったんですね。三つ目の項目です。

Venture HiveというRokk3r Labsが主催するプログラムに参加することで、彼はピボット中にも関わらず、大胆なチーム成長の決断をすることになったそうです。詳細は書かれてないんですが、どうもここでいいチームメートに出会ったみたいですね。その彼の作るモックアップを元にヨットメーカーに売り込むことで、資金と事業提携を獲得できたとか。

最近、国内でも大企業との連携やアクセラレーションプログラムといった受け皿が増えてきて、参加している人たちを取材する機会多いのですが、正直、プログラムに入ってからあの短期間でゼロイチを立ち上げるのは相当に難しいです。

Heberさんのように一度自分で立ち上げて、ある程度のニーズを検証し、不足箇所を特定してからこういったプログラムに参加することで、現実的なビジネスプランであれば成長はいくばくか早まりますし、彼のように事業提携や資金調達、チームメートの発掘からメディアへの露出など、自分一人で用意しようとすると手間がかかるものが案外まとまってたりするので効率がよいのがよくあるプログラムのメリットです。

ある程度のプロダクトはあって、サービスもゆるく成長しているがより大きく路線変更したいという場合は、改めてアクセラレーションプログラムなどの利用を考えてもいいかもしれません。

via The Next Web

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「本当の勝者は表玄関から入ったりしない」ーー誰も教えてくれないキャリアアドバイス【寄稿】

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Raghav Haranさんによる寄稿記事です。マーケッターで起業家。著名なテクノロジー起業家やニューヨーク・タイムズのベストセラー作家、またトップクラスの企業との仕事を経て、Land Any Job You Wantを創業。意欲的な人が仕事に就く後押しをしています。Twitter アカウントは、@RaghavHaran。メルマガには、ここで登録できます。本記事は、Mediumへの投稿記事を許可を…

Raghav-HaranRaghav Haranさんによる寄稿記事です。マーケッターで起業家。著名なテクノロジー起業家やニューヨーク・タイムズのベストセラー作家、またトップクラスの企業との仕事を経て、Land Any Job You Wantを創業。意欲的な人が仕事に就く後押しをしています。Twitter アカウントは、@RaghavHaran。メルマガには、ここで登録できます。本記事は、Mediumへの投稿記事を許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。


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ほとんどの人は、「そこそこ」の仕事に就いている。

仕事に出かけて、午前9時から午後5時までやることをやって、家に帰って、時には友達とつるんだりして、またそれを翌日も繰り返す。

これは何も間違っていない。

でも、中にはまったく違うレベルでパフォーマンスを発揮する人たちがいる。

その他全員がはしごをせっせと登っている間、彼らは30代前半にして役員レベルの仕事に上り詰めている。

月曜日になると嫌々ベッドから這い出す大勢の人と違って、彼らは毎朝、その日に起こることに心を躍らせながらベッドから飛び起きる。

みんなが意味のないタスクに埋もれて仕事をする間、彼らは、自分たちの仕事を通して日々何千人という人たちにインパクトを与えている。

1. 職務要件には交渉の余地がある

子供の頃、(インド人の)祖父と一緒にスーパーに出かけたことを覚えている。

祖父は、値札をじっくり見てから買い物かごにひとつひとつ商品を入れていく。そして、レジにたどり着くと、当時、僕がこの世で一番恥ずかしいと思ったあることをする。他でもない、レジ係と値段交渉をするんだ。

でも、信じられないことにそれは大半うまくいった。

Noah Kagan(AppSumoの創業者)には、「コーヒーチャレンジ」と呼ぶ習慣がある。これが何かと言うと、コーヒー屋さんに行って好きなものを頼んで、支払いをする段階になって10%割引してほしいと頼むんだ。

もし、レジ係がなぜかと聞いてきたら、「なんでも」と答える。

ほとんどの場合、レジ係はそれをただでくれる。

僕たちは、人生のあらゆるものには「交渉の余地がない」と思って生きているが、実際のところ、やりようはいくらでもある。

例えば、僕は一度、3年〜5年の経験を必要とする事業開発の仕事に応募したことがある。まだ大学に通っていた僕の経験はゼロだった。

だから、それでも僕が価値をもたらすことができることを証明することにした。履歴書を送って悠長に構えるのではなく、他社企業に対してその会社とパートナーシップを結ぶよう交渉しに行った。そして、それらの会社を採用責任者に紹介した。僕は採用された。

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Quoraのプロダクトデザインの仕事に応募した時も、モバイルアプリでユーザビリティテストを実施して、デザイン案のモックアップを用意して、プロダクトデザインの責任者に送った。

同日、彼からは面接を設定するためのメールが送られてきた。

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医療や法律といった学究的な専門職を除いて、職務要件には大いに交渉の余地がある。その会社に新しい価値をもたらせることを証明すればいい。

ほんの少しもルールを破ろうとしない人たちは、同じことを、まったく必要のない年月やお金を無駄にしてやっと達成することになる。

2. インポスター症候群(詐欺師症候群)はいいことだ

だいぶ前に、ニューヨーク・タイムズにこんな記事があった。特定のグループに所属する人たちが、なぜその他の人たちに比べて経済的に裕福なのかを分析するものだ。

ネイティブアメリカンインド系アメリカ人は、国の標準(中間層の世帯収入が年間50万5万ドルのところを、年間約90万9万ドル)の倍を稼いでいる。イラン人、レバノン人、中国系アメリカ人もまた所得が高い。」ーニューヨーク・タイムズ

ニューヨーク・タイムズによると、その最大の理由は文化的なものだと言う。他のグループより成功しているグループは、以下の3つの性質を共通して持っている:

  • 優位性へのコンプレックス
  • 何かしらの不安定さ、または自分の能力が不十分だという感情
  • 衝動をコントロールする力

自分が目指す場所にどこでも行けると信じる心、自制心、現状に対して不安を感じる心。こうしたものの組み合わせが、影響力のあるキャリアを築くための方程式だ。

まだまだ足りないと感じる気持ちを謳歌しよう。

3. 何が「現実的」かは幻想に過ぎない

君にとって何が現実的かは、君のこれまでの経験に基づく。

僕が若かった頃、僕の周りには高等教育を受けることができなかった低所得家庭出身の友達がいた。

彼らは、僕の父親が医者であることを知ると、「へー!すごいな!」とまるでそれが信じられないほど大事かのように反応した。彼らにとって、医者になることは非現実的だったからだ。

それは単に彼らが医者になる方法を知らないだけだった。

もし、誰かが将来医者になりたいと言ったなら、僕はそれを十分に手が届くゴールだと感じると思う。なぜなら、僕は医学部に入るために必要なことや、その現場の裏側に関する知識があり、それを実際に成し遂げた人たちを知っているからだ。

君がその人生で当たり前のように手に入れていることは、どこかにいる誰かにとって、頭がおかしいのかと疑ってしまうほどの非現実的なことなんだ。

大学院の学位を取得するって?どこかに、家族が誰も大学に行ったことがない少年がいて、彼にとってはそれは非現実的だろう。

Fortune 500の企業で働いているって?家族が最低賃金で日々仕事に明け暮れる少女にとって、それは非現実的に違いない。

数百万ドル企業の経営者だって?どこかにいる中流階級出身の子どもにとって、それは非現実的だろう。

その分野で超一流の人材と共に仕事をして、彼らの書籍を読み漁り、彼らのインタビューに耳を傾け、彼らがそこにたどり着くためにしたことについて研究しよう。そうすれば、いつか、以前は信じられないほど非現実的だった夢が手の届くものになる。

4. 平均収入や雇用数でキャリアを選ぶな

自分の仕事で向上しようと努力する時、「平均」は意味を成さない。

「ライターなんて儲からないだろ」なんて発言を聞くと、僕は笑ってしまう。過去数カ月間で、僕はブログ記事やEメールの副業で5桁ほどの収入を得ている。そして、何百人という人が夢の仕事に就く手助けをし、6,000人を超えるオーディエンスを築いた。

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そして、これを実現しているのは僕ひとりじゃない。

どんな分野でも、より向上しようと努力する人はすでに十分に成功しているし、お金もある。そして、残されたその他大勢の人々は、彼らの残り物を奪い合っている。

エンジニアリングだって同じだ。最良のプログラマーは、Googleのような企業に採用されていく。一方で、コード習得の短期オンラインクラスを受講し、IT業界の「ゴールドラッシュ」で少しでも儲けようとする人たちの状況は決して芳しくない。

自分が楽しいと思うことをやろう。そして、それで卓越することだ。その他のことは、後からついてくる。

5. 企業ではなく、上司を選べ

Facebookやゴールドマンサックスのような企業に就職できると、まるで一生安泰のように考えている人たちがいる。

それは間違っている。鍵を握るのは、自分にとって適切なメンターを見つけることだ。

その分野で成功している人の近くにいることで信じられないほど多くのことを学べるだけでなく、君が本物であることを証明できれば、君はその仲間内のグループにめでたく加わることができる。

そうすれば、君にはかつてないほどの機会が訪れることになる。

例えば、僕はニューヨーク・タイムズのベストセラー作家 Ramit Sethi氏と仕事をしたことがあるが、彼は僕を周囲の勢力家に紹介してくれると言ってくれた。

その結果、僕は世界でも有数のマーケティング企業の職に採用された。

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またはそれは、君が何年もの時間と努力を費やすことになったかもしれない過ちから救ってくれるかもしれない。

だいぶ前、とある人のもとで働くことを検討していた。でも、シリコンバレーでも有名なメンターが、僕を止めてくれた。

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その一通のEメールが、僕が間違った道を何ヶ月、何年と進むことから救ってくれた。

周囲を適切な人たちで固めることは、一企業が君にもたらす以上の機会をもたらしてくれる。そして、他者が何年も耐えることになる間違いを、君は避けることができる。

6. 正しい経験を積むためには、賃金カットを恐れるな

ヘッジファンドのマネージャー Stanley Druckenmiller氏は、こう言っている:

「まだ君がそのキャリアの始まりにいて、素晴らしいメンターと高い給与のどちらかの選択肢を与えられたなら、常にメンターを選べ。それは接戦ですらない。そして、自分自身の学習曲線がピークにたどり着くまで、そのメンターの世話になれ。

僕の事業を含むさまざまな事業において、素晴らしいメンターほど価値のある存在はない。あまりにも多くの若者が、長期的に備えることなく、目の前にちらつくお金を選んでしまい過ぎる。」ーStanley Druckenmiller

経験豊富な年配の人間は、ほぼ全員と言っていいほど、若者が犯す最大の過ちは忍耐力の欠如だと指摘する。

彼らは短期的な物の考え方に基づいて最適化し(例えば、友達や家族をあっと驚かせる大企業に就職するとか)、長期的なゴールについて考えようとしない。

今日、一歩後戻りして、明日二歩前進することを恐れてはいけない。

7. 君をレベル1まで連れて行ってくれたものは、レベル2までは連れていってはくれない

キャリアの始まりにおいて一番重要なのは、技術的スキルだろう。

エクセルをどれだけ使えるか、どれだけ上手くコーディングができるか、どれだけ美しくプロダクトをデザインできるか。

でも、時間が経つにつれて、技術的スキルの重要性は減っていき、人とどうやり取りするかのほうが重要になっていく。

多くの人は、自分の技能さえ磨いていれば十分で、何もかも上手くいくものだと考えている。

それは間違いない。仕事がデキることは間違いなく大切だ。

でも、それ以上にもっと必要なことがある。君は、オフィス内で繰り広げられる政治を上手く乗り越えていく術を知らなければいけない。また君は、自分に与えられた役割を越えて価値をもたらす方法を見つけなければいけない。

君の会社に何が必要なのかを考え、それを提供するー彼らが自らそれを君に伝えなかったとしても。

8. 本当の学習は大学を出てから始まる

大学を出た途端に、「勉強は終わり」だと考えている人が多いことは嘆かわしいことだ。

実際には、君がクラスで学んだことの大半は、実世界ではほぼ役立たずに等しい。

成功をおさめる人たちは、多い時は週に1冊の本を読んでいる。彼らはポッドキャストに耳を傾ける。カンファレンスに参加する。研究論文に目を通す。彼らは、自分以外のビッグなことを手がけている人たちとコミュニケーションを重ねる。

こうすることで、彼らは一見すると全く関係なく見えるトピックスを「点と点で結び」、そのインサイトを使ってより多くの機会を手に入れることができる。

それが、彼らがその他大勢とは違うレンズで世界を見る方法だ。

9. 常に今より露出せよ

「露出は効力だ」ーGary Vaynerchuk

プロとして何かしらを成し遂げたなら、それについてネットで書こう。そうすることで、以前の君と同じ状況にいる誰かを後押ししてあげよう。

露出することで、信頼が築かれる。

君のオーディエンスが大きければ大きいほど、より多くの人が君の話に真剣に耳を傾けるようになる。

10. 君自身の成功を会社にアウトソースしないこと

シリコンバレーにある有名なベンチャーキャピタリストは、一ヶ月間、コーヒーショップで働くことにした。

想像してみてほしい。超成功しているCEOが、レジの後ろに立っている姿を。彼は人から注文をとって、客にコーヒーをふるまった。

ほとんどの人は、そんな見栄えがしない仕事をやろうとは思いもしないだろう。

でも、彼はお店の運営の仕方を内側から知りたいと思った。物流、システム、ボトルネック、非効率性、顧客が訪れる頻度、あらゆることを理解したいと思った。

多くの人は、マクドナルドやスターバックスで働くことを客観的にイケてないと思うだろう。一方、名の知れた大企業で働くことは、未来の成功に近づけるという意味で客観的にイケていると感じる。

でも現実には、会社の価値は自分自身が握っているものだ。

フランチャイズのお店を開くために、ビジネスの運営、物流、マネージメント戦略などについて学ぼうとマクドナルドで働いた人にとって、ファーストフード店で働くことはすごく価値のある体験になりえる。

一方で、有名企業で仕事に就いて「人生安泰」だと思っている人たちに、きっと明るい未来はない。

客観的に見て、いい仕事も悪い仕事もない。全ては君次第だ。

11. 本当の勝者は表玄関から入ったりしない

Alex Banayan氏が上手いこと言っている:

素晴らしい成功をおさめている人たちは、人生、ビジネス、成功をまるでナイトクラブのように扱う。

クラブへの入り方は3通りある。

99%の人が、「無事に通してもらえますように」と願って列をなすのが、一つ目のドア。

億万長者やリピーターが抜け駆けして入っていくのが、二つ目のドア。

でも、そこには常に三つ目のドアがある。それは、君が列から飛び出し、路地を駆け下り、ゴミ箱をよじ登り、ドアを100回叩き、窓を叩き割り、キッチンから忍んで入る方法だ。どれだけハードルが高くても、そこには常に別の入り口がある。

それが最初にかいたソフトウェアを売却したビル・ゲイツであろうと、ハリウッドの主要スタジオで一番若手のディレクターになったスティーブン・スピルバーグでも、彼らはみんな3つ目のドアを選んだ。」ーAlex Banayan

みんなと同じ方法を選んで、並外れた機会を手にする人間はいない。

自分にとって夢のような仕事を、何千人と競争しなくてはいけない仕事を、ただネットで履歴書を送ることで手に入れられると思っている人が多いことには心底驚かされる。

物事はそんな風には進まない。

このゲームは、周囲にある「口に出されないルール」に気がつくことで進んで行く。人に「これが欲しい」と言われる前に、それを与えることだ。

これこそが、勝利を収める方法だ。

(翻訳:三橋ゆか里)

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