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「メール添付のWord」根絶で契約締結を効率化ーービジネス効率化の旗手たち/Hubble代表取締役・早川晋平氏 #ms4su

本稿は日本マイクロソフトが運営するスタートアップインキュベーションプログラム「Microsoft for Startups」による寄稿転載。同プログラムでは参加を希望するスタートアップを随時募集している 新元号が発表された2019年4月1日、働き方に関しても大きな変化がありました。改正された労働基準法の施行です。時間外労働の月45時間・年360時間の厳守や、過労死ラインと言われる月間80時間を超え…

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本稿は日本マイクロソフトが運営するスタートアップインキュベーションプログラム「Microsoft for Startups」による寄稿転載。同プログラムでは参加を希望するスタートアップを随時募集している

新元号が発表された2019年4月1日、働き方に関しても大きな変化がありました。改正された労働基準法の施行です。時間外労働の月45時間・年360時間の厳守や、過労死ラインと言われる月間80時間を超えないようにする取り組みなど、順次施行が始まります。

その一方、ビジネス競争の激化は反比例するように止まりません。人間が労働できる時間は限界を迎えつつある中、生産性をさらに上げるために工夫が必要なのは明らかなのです。

そのひとつの答えが、昨今生まれているクラウド・スタートアップたちです。彼らは各業界に潜む無駄をクラウドの力とアイデアで解決しようとしています。

そこで本稿では、エンタープライズSaaSやインダストリークラウドに注目したサービスを展開するスタートアップにインタビューし、どのような生産性向上の取り組みがあるのか、その課題も含めてお伝えいたします。

初回は法務関連でドキュメント作業の非効率を解決する「Hubble」代表取締役、早川晋平氏にショートインタビューを実施します(太字の質問は全て筆者。回答は早川氏)。

Hubbleが解決していること:契約書等の法務ドキュメントのやりとりに最適化したクラウドサービス。部署内、部署間のやりとりをスムーズにして、契約書の締結までの作業を効率化してくれる。法務ドキュメントでよく利用される「Word」をメール添付等でやりとりするのではなく、Hubble上で履歴確認できるのが特徴。また、クラウドサイン・DocuSign等とAPI連携しており、Hubbleからワンクリックで電子締結サービス等の他社サービスの利用が可能にもなっている

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昨年に公開されたHubbleですが、利用企業の反応などを教えてもらってもよろしいですか

早川:いわゆる「契約書のバージョン管理システム」なんですが、法務界隈ではビジネス版のGitHubとも言っていただいております。2018年10月の公開以降、2018年内にユーザーのみなさまの声をいただき、改善を重ねた結果、今年の2月から一気に導入が進んでいる状況です。

確かに法務ドキュメントというより、Wordのメール添付でのやりとりは大変煩雑で、見落としなどのミスもありました。元々はどういうきっかけでこの課題に取り組むことになったのでしょうか

早川:契約書を締結する人なら誰でも経験する思うのですが、バージョン管理とメール等のコミュニケーションって大変ですよね。私たちの100倍苦労されているのが、弁護士や法務のみなさまです。このペインを解決するために、最初はリーガルに特化したGoogle Docsのようなものを開発しようと思っていたんです。

確かにその点は私も思いました。履歴管理や情報共有はGoogle Docsなどの既存ツールでいいんじゃないのか、と

早川:しかしですね、世の中の契約書業務は「Word」で動いてるんです。私たちはそこに逆らわず、上手く利用することにしたんです。

この辺りはインダストリークラウドなどの開発者に共通したアプローチですよね。現状の業務フローをできるだけ「変えない」。

早川:結果的にプロダクトの特性上、法務の方に使っていただければ契約書を扱う事業部やリーガルチェックを担当する顧問弁護士にも使っていただけるようになりました。

どうやって導入を進めたんですか

早川:Hubbleを利用するターゲットになる方というのは契約業務が発生する全ての企業と、弁護士業界が中心です。まず、企業の法務から導入し、徐々に事業部側に利用が広がっていくという特徴があります。

なるほど、ネットワーク効果がわかりやすいモデルですね

早川:ここで肝心なのは法務の方の高い満足度です。プロダクトはもちろんなのですが、サポートも徹底しないと、うまく広がりません。そのためには、オンボーディングを体系的に行なっていくことが大事で、そこは今、まさに研究しているところです。

利用企業のフィードバックで想定していたものと異なるものはありましたか

早川:バージョン管理も格段に楽になるのですが、それよりも契約書のやりとりが早く、そして楽になったと言っていただけることが多いです。あとクラウドサービスなのですが、いつも通りのローカル環境でWordで編集できるところに、感動していただけます(笑。

クラウドなのにローカル。確かにWordですからね…。地味だけど、ここもいつもの作業フローを変えないで済むという点で共通していますね

早川:一方で契約締結に必要な作業については、クラウドサインやDocuSignのような電子締結の利用も拡大しています。Hubbleではこれらとの連携もできることから、そこからのユーザー流入があるのもひとつの傾向ですね。

取材対応ありがとうございました。次の方にバトンをお渡しします。(取材・編集:平野武士、写真撮影:増渕大志)

契約書版GitHubの「hubble」をRUCがローンチ、更新履歴や契約書情報を一箇所にーークラウドサインとの連携も実施

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RUCは7月2日、契約書のバージョン管理・共有クラウドの「hubble」のローンチを発表した。今回のローンチでは問い合わせベースで順次サービス提供を進める。また、あわせて電子契約書の作成および締結サービス「CLOUDSIGN」とのAPI連携も発表している。 2017年4月にクローズドβ版がリリースされた同サービス。契約書作成の際に発生する編集や共有業務のコストを削減し、誰がいつどの部分を変更した…

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RUCは7月2日、契約書のバージョン管理・共有クラウドの「hubble」のローンチを発表した。今回のローンチでは問い合わせベースで順次サービス提供を進める。また、あわせて電子契約書の作成および締結サービス「CLOUDSIGN」とのAPI連携も発表している。

2017年4月にクローズドβ版がリリースされた同サービス。契約書作成の際に発生する編集や共有業務のコストを削減し、誰がいつどの部分を変更したのかバージョン管理できるようになっている。基本的なインターフェースはMicrosoft softが提供するWordファイルと同じで、アップロードしたファイルは同時に複数人が更新しても自動で統合できる仕組みになっている。

β版では、ユーザーヒアリングを兼ねて10社程度に向けサービスを提供。現段階では、社内の部署間や顧問弁護士などとのやりとりを想定したサービス内容になっている。導入時の料金形態は契約社により異なるが、基本的にはアカウント数課金の方向性をとっている。

誰がいつ更新したのかマップで表示される

総合事務所での勤務経験を持つ同社代表取締役の早川晋平氏と同社の顧問弁護士でもあったCLOの酒井智也氏。早川氏は同サービスのローンチ背景について、次のように話してくれた。

「バックオフィスは雑務やお金を生まない部分だと思われていることも多いですが、実は攻めの部分が必要です。さらに弁護士や会計士などは意外と雑務に追われています。双方の誰でもできる部分をサービス化し、専門性の高い業務に時間を使って欲しいと思っています」(早川氏)

また弁護士経験を持つ酒井氏は、企業において履歴管理が非常に重要になるケースも目にしてきたという。

「企業のM&Aや大きな契約時に契約書やその締結の履歴を一斉に用意しなければいけないケースを見てきました。その際に情報がまとまっていないと、1部見つからないというだけでリスクがある内容が含まれているかもと推定されて条件が悪くなってしまうこともあります。そう言った時にまとまっていれば、という部分をなくしたいですね。」(酒井氏)

2016年4月に設立された同社は、2017年7月にANRI、TLM、CROOZ VENTURESを引受先としたプレシードラウンドを実施。リーガルテック領域でクラウドストレージサービス「DROPPA」をローンチした後、現サービスにピボット。さらに、2018年6月に既存引受先のANRIおよびCROOZ VENTURESから追加で資金調達を実施している。

現在は先行リリース段階であるが、年内中には一定規模の売上を目指す。機能面では、同サービスでの契約書テンプレートの作成なども検討していくということだ。