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台湾のスタートアップ・カンファレンス #IDEASShow 2015から、ピッチ登壇スタートアップを紹介(3/3)

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本稿は、台湾で開催された「IDEAS Show 2015(網路創意展) 2015」の取材の一部。 7月、台北市内の空總創新基地(以前は台湾空軍の基地だったが、現在はイノベーション・スペースとして改築されたエリア)で2日間にわたって開催された IDEAS Show には、台湾はもとより、中国や韓国などアジア各国からスタートアップや投資家など数百名以上が一堂に会した。 IDEAShow 2015 のピ…

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本稿は、台湾で開催された「IDEAS Show 2015(網路創意展) 2015」の取材の一部。

7月、台北市内の空總創新基地(以前は台湾空軍の基地だったが、現在はイノベーション・スペースとして改築されたエリア)で2日間にわたって開催された IDEAS Show には、台湾はもとより、中国や韓国などアジア各国からスタートアップや投資家など数百名以上が一堂に会した。

IDEAShow 2015 のピッチ・コンペティションには、台湾やアジア各国から総勢28チームのスタートアップがに参加した。披露されたスタートアップの顔ぶれを3回にわけて紹 介しているが、今回はその最終回。例によって、すべてのピッチにはビデオをつけた。

FindBind.tv/電視美食(台湾)

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電視美食は、ダウンロード数150万件を誇る台湾初の有名グルメアプリ。月間ユニークユーザは10万人に上る。電視とは中国語でテレビのことだが、その名の通り、テレビのグルメ探訪番組で紹介されたレストランをアプリ上で紹介、最近では、レストランに iBeacon を配置し、アプリのユーザに特典を提供するほか、店舗に対しては顧客の来店率を上げたり、顧客管理やマーケティングが可能なソリューションを提供する。

OmniSTAR/九星資訊(台湾)

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OmniSTAR はダイバー向けのスマートウォッチ「Triton」を開発、アプリおよびクラウドプラットフォーム「Deepblu」を通じて、その情報を世界中の他のダイバーと共有できる。Triton は腕につけることで、深度、水温、潜水時間を測定。ダイバーの身体安全を確保するために、体内の窒素濃度の計算が可能。その記録を DiveLink という Wi-Fi SD アクセサリー経由で取り出し、クラウド上に写真やビデオとあわせて潜水日誌として公開できる。

WOVN.io(日本)

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ウェブサイトやブログの多国語サポート機能を抵抗。WOVN.io のウィジェットをサイトに張り込むことで、サイト訪問者は複数言語を切り替えて閲覧することができる。最近では、複数言語環境で SEO 対策ができる WOVN++ をβ版リリースしたほか、オプトベンチャーズとニッセイ・キャピタルから1.3億円を資金調達している

CHEMISTRY(韓国)

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CHEMISTRY は O2O のソーシャルネットワーク・サービスで、実際に自分が今いる場所と同じところにいる人とチャットが楽しめるサービス。パーティー、カフェなどで、オンラインになっている人とのみ接続ができる。同じ場所にいる人に「ケミ」を送ることでチャットをはじめることができ、1分以内に直接相手と会ってみるのが目標。iOSAndroid で利用可能。

JANDI(韓国)

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開発元の Toss Lab はMicrosoft Ventures、Cherubic Ventures(心元資本)などから資金調達、クラウドベースの企業向け情報共有プラットフォーム「JANDI」を開発している。デスクトップ、タブレット、モバイルなどデバイス横断で利用可能で、5ヶ国語に対応しているのが特徴。

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Spocasa(韓国)

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SPACOSAは、リアルタイムの位置情報提供プラットフォームを提供、CATCH LOC(システム)、FAMY(アプリ)、LINK(ビーコンデバイス)の3つで構成されている。DAU 20万人の位置共有アプリ「ドコナノ」とビーコン技術を使って「ドコナノ」と連動できる機器「LINK」を2015年3月にローンチ。さらに、多くの人の管 理が必要な企業や団体向けのサービスとして、「CATCH LOC」を開発し、2015年9月から提供開始予定。「CATCH LOC」は学校、病院、商店、 倉庫などの資産の紛失を防止し、消費者や患者の動線情報を集め分析する。

WizDrive – NamuCloud(韓国)

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WizDrive は、デベロッパが自らのプライベート・クラウドを持たなくてもよくなる、クラウド・エンジン・ソリューション。個人、グループ、企業全体など、情報ごとにグルーピングが可能なチーム情報共有環境を提供する。また、NAS の代わりに使えるクラウドサービス NamuCloud も提供している。

VRWare(韓国)

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VRWare は、Kinect に接続してユーザの動きを感知する、オンライン・レクチャー・オーサリング・システム。学校や塾などで、各種教材を活用して映像をオーサリング、映像コンテンツのマーケットプレイス「KOSWARE」にアップロードすることで、収入を得ることができる。韓国語、英語、中国語に対応。

Apple Factory/애비뚝딱(韓国)

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DY International 誰でも簡単にモバイルアプリが15分で作れるソリューション「Apple Factory」を提供。さまざまな無料テンプレートが用意されており、コミュニティ、ショッピングモール、SNS、位置情報、モバイル決済、プッシュ通知、会員機能など、さまざまな機能を持ったアプリを開発できる。

Drimi – StudyTime(韓国)

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ペアレンタル・コントロール機能のついたアプリ。Drimi は、子供に計画、実行、確認を促すことで報酬が得られるしくみを提供。例えば、子供が目標をクリアすると、保護者がそれをチェックし、報酬として子供が1時間アプリで遊べるような環境を提供できる。StudyTime は保護者が管理する側のアプリで、アプリの操作方法に明るくない女性にも容易に使える設計となっている。


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28チームによるピッチの結果、人気賞は、オンラインゲームの特典を実際に形のある賞品で受け取ることのできるポータル Afreego を運営する愛福利(台湾)に、大会賞はいずれも韓国スタートアップで、JANDI を運営する Toss Lab と VRWare を開発する Global Point に、審査員評価による評審賞は、児童向けスマートウォッチ Jumpyの悅睿科技(台湾)、モバイルアプリ横断検索の Fiiser/飛捜、USB インターフェイスを持たないスマートデバイスに、ワイヤレスでUSBデバイスを接続できる NextDrive Plug を開発する聯齋科技(台湾) に贈られた。

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台湾のスタートアップ・カンファレンス #IDEASShow 2015から、ピッチ登壇スタートアップを紹介(2/3)

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本稿は、台湾で開催された「IDEAS Show 2015(網路創意展) 2015」の取材の一部。 先月、台北市内の空總創新基地(以前は台湾空軍の基地だったが、現在はイノベーション・スペースとして改築されたエリア)で2日間にわたって開催された IDEAS Show には、台湾はもとより、中国や韓国などアジア各国からスタートアップや投資家など数百名以上が一堂に会した。 IDEAShow 2015 のピ…

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本稿は、台湾で開催された「IDEAS Show 2015(網路創意展) 2015」の取材の一部。

先月、台北市内の空總創新基地(以前は台湾空軍の基地だったが、現在はイノベーション・スペースとして改築されたエリア)で2日間にわたって開催された IDEAS Show には、台湾はもとより、中国や韓国などアジア各国からスタートアップや投資家など数百名以上が一堂に会した。

IDEAShow 2015 のピッチ・コンペティションには、台湾やアジア各国から総勢28チームのスタートアップがに参加した。披露されたスタートアップの顔ぶれを3回にわけて紹介しているが、前回に引き続き、今回はその2回目。例によって、すべてのピッチにはビデオをつけた。

Good Do it/你丟我撿-愛物網

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Good Do it(你丟我撿-愛物網)では、地域別に住民が不要になった家具や家電の情報を掲出され、必要な人がそれらを譲り受けることができる。台湾域内を搬送する運送車、自転車・自動車配送チームを組織しており、不要になった人からは無料で家具をピックアップ。家具や家電を必要とするNPO法人は、他の一般ユーザより3日間先行して選ぶことができる。

Speakaa(台湾)

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Speekaa は、ネイティブスピーカーと話が交わせる、ビデオトーク・ビデオチャットアプリ「2Speak」を提供、自分が5分間、ネイティブスピーカーが5分間話す方法を繰り返すことで、双方が外国語を話せるようになるしくみ。また、Facebook のタイムラインに似た機能を提供しており、ネイティブスピーカーの投稿をフォローすることで外国語習得が効率化できる。

Ocard/顧客経営大師(台湾)

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台湾のモバイルアプリ・デベロッパ Olis Innovation(奧立科技)が開発した O2O アプリ「Ocard」。店と客の距離を近づけ、顧客のリピート率を高め店舗の収益を高める。6月のローンチ以降、数十の店舗と共同実験を行った結果、平均して一ヶ月の顧客リピート率が4倍、最大で9倍にまで上昇する効果が得られた。

Fiiser/飛捜(台湾)

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Fiiser(飛搜App搜尋引擎) は、iTunes AppStore、Google Play などの複数のモバイルアプリ市場を、横断検索できるモバイルアプリ検索サービスを提供。Fiiser 側ではクラウド上に226万種以上のアプリをインストールしており、ユーザは検索サービス(ブラウザ)を通じて擬似的にそのアプリを試してから、ダウンロード・インストールをするかどうか判断することができる。アプリをダウンロードする前に、ユーザにデモトライアルさせる機会を与える機能だけを捉えれば、台湾の VMFive にも似ているかもしれない。日本語ローカライズ済。

TenMax/騰学広告科技(台湾)

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TenMax(騰学広告) は2014年に台湾で設立された、リアルタイム入札広告(RTB)のプラットフォームを開発するアドテク・スタートアップだ。ユーザプロフィール、各サイトのトラフィックデータ、人工知能を使って自動的に広告枠を買い付ける機能を提供している。相手先ブランドでサービスを提供するホワイトラベルで運用し、台湾に加え、東南アジアに進出する計画だ。

Saihu/十方智汇(中国)

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Saihu(十方智汇)は、国を超えて知識の共有ができるプラットフォーム。互いの文化の違いを理解しするために、先生にハンズオンで指導を求めることができる。次世代の知識によるEコマースとも言うことができるだろう。すべての人類の経験、能力、知識をつなぎ、人類にとってのネットワーク上のアーカイブを作ることを目標としている。2015年6月に正式にローンチした。Alibaba(阿里巴巴)が主催した創業コンペティションで入選した。

Ghosta/高塔科技(台湾)

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Ghosta は、バイクライダーやサイクリスト向けのスマート・ヘルメット。二輪車を運転しながらでも、ハンズフリーで電話したり、ナビゲーション・システムを使ったり、走行風景の録画、渋滞情報、音楽の再生などを実現することができる。乗用車向けのスマート・ソリューションが主に四輪車向けであるのに対し、その可能性を二輪車のユーザ領域にまで広げたものだ。

Teascovery/発言茶(台湾)

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Teascovery(発言茶)は、30秒で水出しできる冷泡茶(レンパオチャ)を開発。市中で販売されているティーパックには防腐剤が入っており、一方、一般的なお茶は煮沸する必要があったり、冷泡茶は飲める状態になるのに時間がかかったりしていたが、独自技術により30秒で天然かつ健康的な冷泡茶が抽出できるようにした。

DA VILLAGE/籃球部落(台湾)

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DA VILLAGE(籃球部落)は、バスケットボールに特化した情報メディア。NBA、SBL、HBL に関連したニュース、チーム・ユニフォーム、トレーニング・プログラムなどの情報を提供する。週間訪問者数は41万人で、香港やマレーシアからも多くのユーザが来訪している。DV CAMP、DVL-H(中高横断チーム)、DV33 のようなコミュニティ・イベント、試合、トレーニング・プログラムを運営している。


残る10チームについては、後日掲載予定。

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台湾のスタートアップ・カンファレンス #IDEASShow 2015から、ピッチ登壇スタートアップを紹介(1/3)

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本稿は、台湾で開催された「IDEAS Show 2015(網路創意展) 2015」の取材の一部。 先月、台北市内の空總創新基地(以前は台湾空軍の基地だったが、現在はイノベーション・スペースとして改築されたエリア)で2日間にわたって開催された IDEAS Show には、台湾はもとより、中国や韓国などアジア各国からスタートアップや投資家など数百名以上が一堂に会した。 IDEAShow 2015 のピ…

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本稿は、台湾で開催された「IDEAS Show 2015(網路創意展) 2015」の取材の一部。

先月、台北市内の空總創新基地(以前は台湾空軍の基地だったが、現在はイノベーション・スペースとして改築されたエリア)で2日間にわたって開催された IDEAS Show には、台湾はもとより、中国や韓国などアジア各国からスタートアップや投資家など数百名以上が一堂に会した。

IDEAShow 2015 のピッチ・コンペティションには、台湾やアジア各国から総勢28チームのスタートアップがに参加した。今回披露されたスタートアップの顔ぶれを3回にわけて紹介したいと思う。例によって、すべてのピッチにはビデオをつけた。

Linqapp

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Linqapp は異言語間のコミュニケーション・プラットフォームで、ユーザは言葉に関する質問をタイプしたり、写真撮影したり、録音したりしてアップロード、Linqapp コミュニティから即座に回答を受け取ることができる。中国語のみならず、多数の言語をサポート。将来的には、異言語間の翻訳サービスや、正確かつ即時通訳サービスを提供することを計画している。日本語ローカライズ済。

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Clapp.io

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Clapp.io は、スピーチ、キーノート、カンファレンス、コンサートなどのイベントに関するリアルタイム・フィードバックが得られるプラットフォーム。聴衆から好き嫌いの統計を取り、その分析結果をリアルタイムで表示することができる。

Iaunty/愛月嫂

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子供が生まれた後に必要となるコスト、労力、時間を省くための、出産育児支援プラットフォーム「Iaunty(愛月嫂)」。妊婦や新生児のケアを考慮し、産後1ヶ月間通院しなくても、自宅で養生できる環境を提供する。O2O により助産婦や育児ヘルパーを紹介、全世界の8つの国で華人の助産婦・育児ヘルパー派遣のサービスを展開。現在、プラットフォーム上には90人の助産婦・育児ヘルパーが居て、全員が3年以上の職務経験を有し、専門課程の訓練を受けている。

Tixchart

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Tixchart は、LCC(格安航空会社)に特化した価格比較サイト。107カ国3,000社の LCC からリアルタイムでのチケット価格の比較、日時を指定したフライトのチケット価格の比較、一年を通してのサーチャージなどを含む最低価格を知ることができる。日本語ローカライズ済。

Jumpy/児童智能手錶

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Jumpy は5歳から8歳の児童向けに開発されたスマートウォッチで、世界初の親子対話型ゲームを提供する。ゲームのほか、日常の予定お知らせ機能、メッセージ機能などが搭載され、保護者は子供がどのような生活を送っているかをスマートウォッチを介して把握することができる。オープンSDKを提供することで開発元の JoyRay(悦睿科技)やサードパーティーが毎月のように新しいアプリをリリースしている。Foxconn のスマートフォン部門に在籍した Jerry Chang 氏が設立。

Meepshop/網路開店平台

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Meepshop は、ドラッグ・アンド・ドロップで、簡単にオンラインショップを開設できる Eコマースプラットフォーム。たった30秒で、デスクトップはもちろん、タブレットやスマートフォン向けのインターフェースも作成することができる。台湾出身の Jack Lin 氏とベルギー出身の Rian Halid 氏により設立。日本語ローカライズ済。

Niceday/玩体験

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Niceday は、台湾の小旅行やエクスカーションを探せるマーケット・プレイス。親子でのものづくり体験、おもちゃづくり、夜釣り、料理指導、特殊メイクの製作体験など、数々の体験に参加することができる。Foxconn のソフトウェア・エンジニアだった Dean Wu 氏により設立。

NextDrive

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IoT やスマートホームデバイスを開発する聯齋科技は、USB インターフェイスを持たないスマートデバイスに、ワイヤレスでUSBデバイスを接続できる NextDrive Plug を開発。ファイル共有、ストレージ、写真のバックアップ、音楽ストリーミングなどに利用できる。小さなプラグの中には IoT コンピュータが備わっており、これがスマートフォン上の NextDrive Connect アプリと Wi-Fi 経由で連携し動作するしくみだ。ウェブカメラやハードドライブなどの USB デバイスと接続できる。現在、Indiegogo でクラウドファンディング中で、5万ドルの目標額に対し約75%を達成済みだ。

英文脳

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英文脳は、スマートフォンで英語が勉強できる人工知能アプリ。英文を入力したり、スマートフォンのカメラで文章を撮影したりすると、即座にフィードバックが得られ、正しい答えについての説明を得ることができる。


残る19チームについては、後日掲載予定。

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会場となった空總創新基地。奥に台北101が見える。
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#IDEASShow 2015: グローバルなスタートアップが見る台湾市場の強みと課題

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本稿は、台湾で開催された「IDEAS Show 2015(網路創意展) 2015」の取材の一部。 先月、台北市内の空總創新基地(以前は台湾空軍の基地だったが、現在はイノベーション・スペースとして改築されたエリア)で2日間にわたって開催された IDEAS Show には、台湾はもとより、中国や韓国などアジア各国からスタートアップや投資家など数百名以上が一堂に会した。 <関連記事> IDEAS Sho…

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本稿は、台湾で開催された「IDEAS Show 2015(網路創意展) 2015」の取材の一部。

先月、台北市内の空總創新基地(以前は台湾空軍の基地だったが、現在はイノベーション・スペースとして改築されたエリア)で2日間にわたって開催された IDEAS Show には、台湾はもとより、中国や韓国などアジア各国からスタートアップや投資家など数百名以上が一堂に会した。

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会場で繰り広げられたパネル・ディスカッションの中から「グローバル・スタートアップが見る台湾市場」と題して、台湾の魅力、強み、課題等を論じたセッションを取り上げたい。台湾人が持つマインドセットや台湾市場の特性などの観点から、日本のスタートアップにとっても参考になる部分が多いように思われたからだ。

このセッションのパネリストを務めたのは次の方々だ。

  • 日本/Nulab CEO 橋本正徳氏
  • 韓国/Toss Lab カントリーマネージャー Jeffrey Lin(林徳理)氏
  • 韓国/Malang Studio 台湾マネージャー Soojin Lee(李受珍)氏
  • 日本/Capsule CEO 埴渕修世氏(小哈)

なお、モデレータは、iiiNNO 共同創業者 の David Kuo(郭展栄)氏が務めた。


Nulab は THE BRIDGE の読者にはおなじみの福岡を拠点とするスタートアップで、Cacoo や Backlog といったコラボレーション・ツールをしたがえ、ニューヨークや台湾などに拠点を構える。日本では珍しい、全世界にユーザを擁するスタートアップだ。

Toss Lab が提供するのは JANDI という企業向けのコラボレーション・ツールで、そのインターフェイスから〝アジア版の Slack〟との異名を持つ。昨年には、韓国の Softbank Ventures Korea や台湾の Cherubic Ventures(心元資本)などから200万ドルを調達、日本にも進出を果たしている。

Malang Studio は、韓国 Yello Mobile(옐로모바일) 傘下のスタートアップで、目覚ましアプリの「AlarmMon」を開発している。今年始めには、台湾の有力モバイルキャリア Far EasTone(遠伝電信)のデジタルマーケティング子会社 Hiiir(時間軸科技)と合弁企業を設立し、台湾市場への進出に乗り出した

Capsule は福岡を拠点とするスタートアップで、台湾にも支社を開設し、現地でエンジニアを雇用しスマートフォン・アプリを開発。これまでに、モバイルゲームの「怪物彈珠降臨攻略圖鑑大全」、スマホから写真を簡単にプリントアウトできる「コマプリ」、旅行情報アプリの「Sights Door」を、中国・台湾・東南アジアなどで展開している。

私が台湾を選んだ理由

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橋本正徳氏と David Kuo(郭展栄)氏。

セッションの冒頭、モデレータの Kuo 氏 は、パネリストのそれぞれに、なぜ台湾に来たのかを尋ねた。台湾は日本などに比べると市場規模は小さいものの、それでも世界平均から見れば大きい部類に入る。当初から日本・アメリカ・中国などを目指せば、現地の競合との熾烈な争いに晒されるが、台湾で一定規模のユーザベースを獲得し、体力をつけてから世界市場に乗り込もうという戦略だ。

ゲーム業界にとって台湾市場は大きい。マーケティング調査によれば、台湾は世界で4番目に大きな市場だ。台湾の人がゲームを愛し、私が台湾人が好きだというのも大きな理由だと思う。(埴渕氏)

台湾人でありながら、長年にわたりマレーシアで仕事に従事していた Lin 氏は、友人の紹介が縁で韓国のスタートアップの台湾カントリーマネージャーを引き受けることになった。

なぜって? 韓国のスタートアップにとって、次に攻める市場はということで台湾になった。中国や日本は非常に大きな市場なので、攻めるには多くのコストや時間が必要だからだ。(Lin 氏)

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Soojin Lee(李受珍)氏

我々のアプリ「AlarmMon」が早期に中国大陸で人気を獲得し、同じ言葉が使われている台湾でも人気を得られると思ったのですが、実はそれがポイントではなかった。台湾人は、アプリの内面的なコンテンツについてこだわりが強い。一番は日本で、二番は台湾。それで、我々は台湾に来ることを選んだ。(Lee 氏)

Nulab は台湾に来て2年になるが、日本国内に3つ、そして、ニューヨークとシンガポールにオフィスがある。シンガポールのオフィスを設立したときにコミュニティマネージャーを雇ったのだが(Lilian Lu 氏)、台湾に来たのは彼女が台湾出身だったから、というのが大きな理由。それで、現在は台湾市場にフォーカスしている。(橋本氏)

台湾市場の難しさ

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埴渕修世氏

日本を含むアジアの他の国々から、台湾に進出しようとするスタートアップは少なくないだろう。彼らにとって、最も足枷となるのは何か? 解決すべき難題について、Kuo 氏はパネリストに意見を求めた。

台湾の人々に、世界市場を意識してもらうというのが難しい。人を雇うのも簡単ではない。(埴渕氏)

これは筆者が、今年オープンした台湾のスタートアップ育成組織「Taiwan Startup Stadium(台湾新創競技場)」を訪れたときにも言われたことのも相通ずるのだが、台湾で生まれ台湾で育った典型的な台湾人は、台湾が十分に大きな市場である、と感じているそうだ。

もっとも日本人の目には台湾は小さく映るかもしれないが、同じことは日本人にも言える。アメリカや中国などから見れば、日本は小さな国であり小さな市場だ。台湾においても、留学経験や海外勤務経験のある人ほど、そのことを如実に体感しているようだ。

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Jeffrey Lin(林徳理)氏

最大の難関は、良い人材を見つけることだ。(台湾に進出して以降)まだ最適な人材を見つけられていない。我々が欲しいのは、世界市場に対してではなくて、台湾市場に対する人材であるのにだ。

例えばマーケティングで言えば、我々は B2B の商品を売っているのでネットワーク・マーケティング的なアプリーチをとらないといけないのだが、私がインタビューした人たちは、広告にお金を使うべき、メディアに広告を出すべきだという。スタートアップがやる具体的なアプローチとしては、極めてアイデアに乏しい。この分野の専門知識を持っている人物を探すのは難しい。(Lin 氏)

日本から台湾へ、台湾から日本へ

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台湾にとっての日本、日本にとっての台湾は、距離的にも精神的にも最も身近な海外市場と言えるだろう。より多くの日本のスタートアップを台湾へ招く上で何が必要か、埴渕氏と橋本氏に質問が寄せられた。

難しい質問だが、日本のスタートアップに対してアドバイスできるとすれば、シャイにならずにフレンドになるべきということだろう。私は考えるな、感じろ(Don’t think it but feel it.)という言葉が好きだ。(橋本氏)

ただ、来ればいい。それだけ。それ以外に何もない。(埴渕氏)

筆者の場合、最近、海外出張が多いこともあって、アジアへの渡航の感覚は、おそらく一般的な日本人が国内で出張するようなものだ。マインドセットの柔軟さとフットワークの軽さは、スタートアップのアジア展開においては極めて重要になってくる。東京から出張する起業家が、福岡や沖縄の延長線の感覚で、台湾、香港、シンガポールに根を下ろすようになれば、アジアのスタートアップ・コミュニティにもさらなる活気が生まれるだろう。

一方、台湾のスタートアップが日本に進出する場合はどうなのだろうか? 橋本氏も埴渕氏も福岡出身なのだが、海外のスタートアップにとっては、最も便利のよいスタートアップ・ハブが東京であるという点で意見は一致した。

東京には多くのアクセラレータがあり、それに次ぐのが福岡だと思う。だから、福岡から東京へ行って資金調達して、最終的には福岡に戻ってきて仕事をしているスタートアップは多い。(橋本氏)

東京は確かに便利だが、スタートアップの数も多いので、進出したとしても大勢の中の一社になって埋もれてしまう。その点、福岡であれば、唯一の存在としてプレゼンスを目立たせることができる。(埴渕氏)

東京からアジアに出張して飛行機内でモニタを見ていると、飛行時間の3割から半分くらいは日本の領空を飛んでいるのがよくわかる。香港、上海、台湾、東南アジアをまたにかけるスタートアップを作るなら、移動を効率化するために台湾や福岡あたりに拠点を置くのは悪くないかもしれない。

昨今ホットな IoT のプロダクトは、この地域に散らばる電子技術や科学技術の叡智が生み出す結晶だ。起業家が台湾を訪れる理由は、ますます増えることになりそうだ。

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