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新進気鋭の起業家が大物キャピタリストとアイデアを磨きあげる合宿イベント「Incubate Camp 9th」が開催

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7月15日(金)〜16日(土)、スタートアップへの投資・育成事業を行うインキュベイトファンドが開催する起業家と投資家が合同合宿「Incubate Camp 9th」が 、千葉県内のホテルで開催された。 Incubate Camp の参加対象となるのは、シードラウンドでの調達を求めているスタートアップに加え、すでにサービスをリリース済で、追加の資金調達やサポートを希望するスタートアップだ。2日間にわ…

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7月15日(金)〜16日(土)、スタートアップへの投資・育成事業を行うインキュベイトファンドが開催する起業家と投資家が合同合宿「Incubate Camp 9th」が 、千葉県内のホテルで開催された。

Incubate Camp の参加対象となるのは、シードラウンドでの調達を求めているスタートアップに加え、すでにサービスをリリース済で、追加の資金調達やサポートを希望するスタートアップだ。2日間にわたって、スタートアップ17社をインキュベイトファンドの代表パートナー4名、13名のゲストベンチャーキャピタリストがメンタリング。2日目には、審査員6名を交えたプレゼンテーションが実施された。

入賞の是非とは別に、参加スタートアップはゲストベンチャーキャピタリストは投資を受けられる可能性があるほか、スポンサー各社からはウェブサービスの無料利用権など特典が進呈される。審査員らからは、いくつかのスタートアップに将来性を認められたとの声も上がっていたので、今回の Incubate Camp を経て、新たにいくつかの出資が実施されることになるだろう。

本稿においては、プレゼンテーションで披露されたサービスの概要についてお伝えしたい。参加したスタートアップ17社中4社については、ステルスモードであるため本稿では取り上げない。個々のサービスの背景や詳細などについては、随時 THE BRIDGE で取材を進めていく予定だ。

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Incubate Camp 9th のプレゼンテーションで審査員を務めたのは、

  • ミクシィ 経営企画室/アイ・マーキュリーキャピタル 代表取締役社長 新和博氏
  • 産業革新機構 専務執行役員 土田誠行氏
  • ニッセイ・キャピタル チーフベンチャーキャピタリスト 永井研行氏
  • ディー・エヌ・エー 執行役員 戦略投資推進室長 兼 モバイルサービスインキュベーション事業部長 原田明典氏
  • ヤフー 企業戦略本部長/YJキャピタル 代表取締役 平山竜氏
  • B Dash Ventures 代表取締役社長 渡辺洋行氏

…の皆さん。司会は、IF Angel の代表パートナーである笠井レオ氏が務めた。

【1位】Refcome(リフカム)by Combinator

(メンタリング担当:Draper Nexus Venture Partners 倉林陽氏)

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企業は、人材採用において、なかなかいい人に出会えない、採用単価が高い、入社後のミスマッチが減らない、という問題を抱えている。Refcome は、社員による紹介採用、リファラル採用において、面倒な紹介プロセス、応募者管理、社員への周知活動などを簡便化するプラットフォーム。ユーザである社員は、クリック2回で人材を人事部に紹介できるようにした。

既にサイバーエージェント、コロプラ、GMOメディアなどが利用。年内に、導入企業100社達成を目指している。

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【2位】NICOLY(ニコリー)by ドウゲンザッカーバーグ

(メンタリング担当:グロービスキャピタルパートナーズ 今野 穣氏)

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日本では、毎年200万人が何らかの形で美容医療を受けているにもかかわらず、信頼できる情報が少なく、ユーザと美容クリニックの間には情報の非対称性がある。NICOLY は、美容医療に特化した情報を提供するウェブメディアで、監修ドクター25名の協力により月100本以上の記事を発出。潜在顧客を集め、美容クリニックへの送客を行う。

Yahoo ヘルスケア、T-SITE ニュースなど、ニュースサイト各社にも記事を配信し、多汗症・埋没法など美容医療の主要キーワードによる SEO でユーザ流入を確保。美容クリニックへの送客により、予約に至った患者の施術費用の20%を NICOLY が手数料として受け取る。NICOLY 経由で毎月3万人が美容クリニックにリーチしており、うち 1,000人が予約に至っている。3年後に売上高30億円を目指し、メディカルツーリズムやリアルクリニックの分野にも市場展開していきたいとしている。

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【3位】タウンWiFi by WiFiシェア

(メンタリング担当:セプテーニホールディングス 佐藤光紀氏)

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タウンWiFi は、ユーザがスマートフォンのデータ量制限を受けないようにするため、市中の無料 WiFi サービスに自動で接続できるようにするモバイルアプリ。200種類の WiFi サービスに対応しており、国内200万カ所20万カ所で自動接続が可能だ。ローンチから2ヶ月間で80万ダウンロードを突破し、月間デイリーのアクティブユーザ数は10万人に上る。

アプリによる WiFi サービスへの自動認証と自動接続により、通信制限無し・通信料無料の「新しいキャリアネットワーク」という位置づけでユーザを魅了する。WiFi 事業者に、利用頻度などのデータやユーザからのクレームなどの情報を提供することで、サービス改善を促すプラットフォームとしても機能する。2017年8月までに3,000万ダウンロード、2018年3月までに1.5億ダウンロードを目指す。

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【ベストグロース賞】カロナビ by Qualia

(メンタリング担当:B Dash Ventures 西田隆一氏)

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国が糖尿病患者のケアに投じている国費は年間1.2兆円。肥満を防ぐことが糖尿病患者の抑制につながるが、肥満を防ぐ努力はなかなか成功しづらい。カウンセリング力、栄養指導力、モチベーション力を三位一体として提供すべく、カロナビでは、カウンセラー、栄養士、モチベーターによる、食事管理や健康維持努力を促す。

この種のサービスでは努力が長続きしないのが難だが、美しい女性のインフルエンサーやインスタグラマーをモチベータに起用し、モチベーションを管理。主要なターゲット層となる男性ユーザに対し、電話によるモチベーションサポートなどを行い課金する。最終的には、医師による臨床研究、健康保険組合、特定保健指導、健康保険の提供なども目指していく。

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【ベストグロース賞】FLIPP by Famione

(メンタリング担当:インキュベイトファンド 村田祐介氏)

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国内で200万組の夫婦が妊活を行っているとされるが、現在、日本には妊活に特化したクリティカルメディアは存在しない。平均的に、妊活に取り組むカップルが、妊娠に至るまでの期間は18ヶ月とされ、それに要する金額は59万円だ。

Famione の FLIPP では妊活に関わるすべての情報を可視化し、それに対する適切なアクションをトレーナーが提案。スコアリング、カウンセリングなど、PDCA をオンライン化し、フルパッケージ9,800円などの価格帯で提供する。同社が持つ妊活の特化メディア「Famit」や Q&A サイトの「Famione」などとも連携し、潜在ユーザを FLIPP に誘導する。

Baby Map by Trim

(メンタリング担当:WiL 西條晋一氏)

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TrimBaby Map は、出先でおむつ交換台と授乳室を検索することに特化したアプリだ。検索エンジンなどを使っても容易にこれらの情報を探し出すことは難しいため開発した。 1日に100件以上投稿されるユーザからの情報集積により成立しており、これまでにプロモーション無しで10万ダウンロードを誇る。子供が生まれてから、おむつが外れるまでの平均2.5年間は使ってもらえ、ユーザのリテンション率が高い。

授乳室は18,000件が登録されており、授乳室においては、消耗品販売やスマートロック(西條氏がメンターしたことから Qrio を想定か)連携も模索。授乳に必要な平均時間は1回あたり20分であることから、タクシーの1回あたりの乗車時間16分よりも長い滞留時間を利用して、デジタルサイネージ、サンプリング、アンケートなども行えるとした。

Open Network Labが第12期より輩出。

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RE:GAIN by Return to the Field

(メンタリング担当:インキュベイトファンド 赤浦徹氏)

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RE:GAIN は、オンラインでリハビリテーションを提供するプラットフォーム。腰痛疼痛管理に特化している。企業における従業員の診断情報やヘルスケア情報を集約し、疾患のある人と理学療法士をマッチングする。昨年10月にローンチ、既に300人の理学療法士が登録している。

アメリカではヘルスプランを持つ従業員1,000人以上の企業4,000社、また、日本では社内に健保組合を持つ1,500社以上の企業がターゲットとした B2B2E ビジネスモデル。日本では DeNA、アメリカでは Google が既に導入済みで、今後、コロプラや楽天などが導入予定。企業向けに福利厚生を提供するベネフィットワンや AnyPerk とも提携しており、今後 AnyPerk との提携を予定。来年3月までにユーザ3,000人の達成を目指す。9月1日からアメリカへ進出予定。これまでに、デジタルガレージ、アスリートの為末大氏、連続起業家の柴田陽氏らが出資している。

TECH LAB PAAK 第3期より輩出。

6月19日14:20更新:一部表記内容を修正、赤字部分を追記)

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MagicPrice by 空

(メンタリング担当:アーキタイプ 中嶋淳氏)

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MagicPrice は、ホテルや航空会社が、高過ぎず安すぎない、その時点で最適な価格を顧客に提示できるようにする価格戦略人工知能プラットフォーム。予約履歴などの自社データをインポート、周辺ホテルなどの競合データをクローリングし、機械学習で最適な価格をリアリタイム計算する。計算された価格は、自社サイトのほかサイトコントローラを経由して、旅行予約サイトや OTA にも反映させるしくみだ。

ホテルや航空会社の現場は多忙であるため、操作にあたってリテラシーを必要とする機能は実装せず、運用を限りなく自動化できるように設計し、創業者が前職で従事したアドテクの知識をベースに API の形式で提供する。7月10日からβ版の提供を開始し、複数のホテルが運用中。メンターの中嶋氏の協力により、ホテル各社へのトップ営業のサポートを期待したいとのこと。先ごろ、500 Startups からシードラウンドで資金調達している。

TECH LAB PAAK 第3期より輩出。

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LIVE3S by 3.0

(メンタリング担当:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ 河野純一郎氏)

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LIVE3S は、月額3,900円の定額制クラブ行き放題サービス。行きたいイベントが見つからないユーザと、より多くのお客に来てほしいクラブとの間で、情報の非対称性が起きている状況を踏まえ、サービスを開発した。クラブに行く人々が2万人いると言われる東京で、夜のピークタイムを作り上げることで、ナイトエコノミーの活性化と日本のクラブカルチャーの醸成を目的としている。

ローンチから1ヶ月で100名のユーザを獲得。東京都内に90店舗あるとされるクラブのうち、約20%あるとされる17店舗と提携済。主要店舗だけで見れば、提携済店舗の割合は約42%に上るとのこと。提携にあたっては、一店ずつクラブのオーナーや支配人を口説いていく地道な営業活動が必要になるため、これが同時に参入障壁になり、他者の追随を許さない要素になると考えている。

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Gamers League by SPODIA

(メンタリング担当:グロービスキャピタルパートナーズ 高宮慎一郎氏)

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世界で NBA を観た人が2,000万人であるのに対し、eスポーツの League of Legends を観た人が3,600万人。すなわち、リアルスポーツ人口をeスポーツ人口が超えつつある。Gamers League は、eスポーツのコミュニティプラットフォームで、eスポーツのファンがゲーマーをフォローするのを支援し、イベントやメディアを通じて、潜在顧客をeスポーツのパブリッシャーに送客する。

毎週末オンラインでイベントを開催しており、1回のイベントで約2万人のファンにリーチしており、参加者数は日本で最大の規模を誇る。パブリッシャーと連携し、オフラインイベントを開催することでマネタイズしている。現在、世界には3,000万人の潜在ユーザがいると考えていて、Gamers League ではその10〜20%を獲得したいとのこと。

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EveryGrowth by sparcc

(メンタリング担当:ベンチャーユナイテッド 丸山 聡氏)

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EveryGrowth は、専任担当者の置けない中小企業向けに、アドネットワークへの広告出稿を自動的に最適化してくれる、人工知能プラットフォーム。トップレベルのオンライン・マーケッターのスキルやノウハウを中小企業4万社に共有する。アドネットワークへの出稿の多くが大企業に集中しているが、EveryGrowth の導入で専任担当者のいない中小企業もアドネットワークへの出稿しやすくする。

これまでのテスト実績では、月のコンバージョンが導入前と導入後で10%以上改善されたとのこと。一般的な広告代理店手数料が20%以上であるのに対し、EveryGrowth では15%と手数料を割安に設定することで集客。また、既に広告出稿している企業が Google 上に表示されるので、それらをクローリングし潜在顧客に営業していく。今後3年間で2万社の顧客獲得を目標とし、アジアや世界への進出も目論む。

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AI ニュース by 5525

(メンタリング担当:Anri 佐俣アンリ氏)

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AI ニュースは、労働集約型業務の典型とも言われるメディアの仕事を、人工知能を使って置き換えようというアプローチ。データ収集、記事執筆、配信、分析なども最終的にすべて人工知能で行うことを目指す。記事が自動生成さることで、即時性や大量生産が可能になる。

AP 通信が Automated Insights の WordSmith を使った自動記事生成を開始しているが、AI ニュースでも同様に、当初は経済のデータ、ゲームの結果など、数字のデータを扱う記事の自動生成から着手したいとのこと。特に日本語の自然言語処理の部分が難易度が高く、逆に参入障壁にもなる。2016年12月のローンチが目標。

Photoruction by CONCORE’s

(メンタリング担当:サイバーエージェント・ベンチャーズ 田島聡一氏)

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建設業界においては、多くの局面で、各プロセスが正しく行われているかを写真で記録・管理している。写真記録の多くは、最終的には紙ベースに依存しており、業務に占める写真関連の時間は1日の60%にも達すると言われる。

CONCORE’s の Photoruction ではモバイルアプリを使い、これらの写真記録・管理を簡便化し、工事管理者が空いた時間を品質管理や工程管理に注げるようにする。現在、工学院大学、芝浦工業大学、東京理科大学、複数の建設会社などで実証実験中。年間57現場ある建設工事の需要のうち、約1%に相当する5,000現場を取りに行きたい、としている。

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なお、キャピタリスト賞には、1位にグロービスキャピタルパートナーズの高宮慎一郎氏、2位にグロービスキャピタルパートナーズの今野穣氏、Anri の佐俣アンリ氏、インキュベイトファンドの和田圭祐氏が選ばれた。

6月19日13時追記:インキュベイトファンドによれば、当日の集計漏れの関係で、キャピタリスト賞2位に、セプテーニホールディングスの佐藤光紀氏が追加となったとのこと。)

Incubate Camp は2010年から通算で8回開催され、950名超の応募者の中から115名超を選出し、約90社のスタートアップを創出。インキュベイトファンドからは、これまでの Incubate Camp 参加スタートアップ中34社に投資が実施されている。他のファンドからの調達も含めた、これまでの Incubate Camp 出身スタートアップの資金調達合計額は132億円に達している。

インキュベイトファンドによれば、前回の Incubate Camp 8th では、1社あたりの最大調達金額が1.5億円、参加スタートアップ全社での資金調達合計額は6億円に上ることが明らかにされている。

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製造業向け従業員スキル管理システム「SKILL NOTE」を開発するイノービア、インキュベイトファンドらから1.1億円を調達

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製造業の人材育成を手がけるイノービアは4日、第三者割当増資によりインキュベイトファンドから7,000万円を資金調達、また日本政策金融公庫から4,000万円の借入を行うことを明らかにした。同社にとっては、数年前に AZX Professionals Group から出資を受けて以来の、本格的な外部資金の調達になる。 イノービアは、信越化学工業の技術者だった山川隆史氏が2006年3月に設立。製造業の人…

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左から:イノービア 代表取締役の山川隆史氏、同社ITソリューション部開発グループの小野正貴氏、インキュベイトファンド 代表パートナーの赤浦徹氏

製造業の人材育成を手がけるイノービアは4日、第三者割当増資によりインキュベイトファンドから7,000万円を資金調達、また日本政策金融公庫から4,000万円の借入を行うことを明らかにした。同社にとっては、数年前に AZX Professionals Group から出資を受けて以来の、本格的な外部資金の調達になる。

イノービアは、信越化学工業の技術者だった山川隆史氏が2006年3月に設立。製造業の人材育成コンサルティングサービスを提供する過程で、人材のスキルや資格の一元管理を行うためのプラットフォームとして「SKILL NOTE」の前身となる「ものづくりプラス」を開発。ユーザが製造業以外の分野にも広がってきたため、今年6月に「SKILL NOTE」にサービス名を変更した。

製造業を営む企業では、人材配置や採用計画を練る上で、工程毎にどの社員がどのようなスキルを持っているかを把握する必要があるが、この種の情報管理は、現場の部署に委ねられスプレッドシードを使って行っていることが多く、全社の情報を一元的に管理したり、人事部門が現場の状況をタイムリーに把握したりすることが難しい。山川氏によれば、同じ企業でも工場が2カ所以上になると、他工場の人材スキルの情報を知るのはほぼ無理で、例えば社員の一時的な異動で間に合うことがわからず、人材配置のムダが生じてしまうのだという。

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SKILL NOTE 上でのスキル管理画面の例

SKILL NOTE では、資格管理、スキル管理、受講履歴管理、研修ポータル、キャリア管理の5つの機能を、ウェブベースのダッシュボードで提供。人材育成の PDCA サイクルを支援するとともに、情報の編集権限を複数用意することで、適切な情報管理を可能にした。山川氏の古巣でもある信越化学工業を皮切りに、現在では、ヤマサ醤油、リコーインダストリー、JFE スチール、古野電気など50社以上で導入されている。特に JFE スチールでは、社員13,000人を対象に全社導入されているのだそうだ。

これまでにも、日本内外の大手 ERP が人材マネジメントシステムや人事システムを提供してきたが、その多くは人事部門を対象としたもので現場での利用は想定されていなかった。SKILL NOTE により、部署を横断した人材スキルの管理が可能になり、特にモノの作り手や職能人材の高齢化が進む日本では、どのタイミングでどのスキルを持った人材が定年退職するのかを把握し、タイムリーな人材獲得やスキルトランスファーの実施に効果が望める。

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SKILL NOTE の操作例

国際規格である ISO9001 にも、職務能力の観点から力量管理の項目が設けられているが、製造業を営む企業が、実際にどのような運用を行うべきかの方法については論じられていない。製造業のグローバル化に伴い、品質管理の一環として、SKILL NOTE のようなしくみを使った、人材スキル管理の必要性はこれまでに増して高まっていくだろう。そのせいか、SKILL NOTE もイノービアから営業しているというより、お客さんが SKILL NOTE を見つけてくれる方が多いそうだ。日本内外の企業から英語対応に対する要望も数多く寄せられていて、今回のインキュベイトファンドからの出資では、「Global Scale」「Legacy Market」「Enabling」をキーワードとする、同ファンドの3号ファンドの投資スコープにも合致したのだという。

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イノービアではこれまで、人材スキル管理のコンサルティング業務の一環として、半ばブートストラップ的に SKILL NOTE を開発してきた。これまでにも数ヶ月に一度のペースで機能追加を実施してきたとのことだが、今回の調達を受けて、開発スピードのさらなる加速が期待できるようになる。

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失敗を乗り越えた起業家がスタートアップに贈る、3つの言葉

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7月15日から開催となる、シード・アーリーステージのスタートアップ向け経営合宿イベント「Incubate Camp 9th」が開催を前に参加希望者などを対象とした勉強会を開催した。 先日、KDDIグループ入りを果たした「ママリ」運営のConnehito代表取締役、大湯俊介氏とその創業期から交流のあったプライマルキャピタル佐々木浩史氏の話が聞けるとあって、会場は30名ほどの起業家志望者たちで満席、私…

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7月15日から開催となる、シード・アーリーステージのスタートアップ向け経営合宿イベント「Incubate Camp 9th」が開催を前に参加希望者などを対象とした勉強会を開催した。

先日、KDDIグループ入りを果たした「ママリ」運営のConnehito代表取締役、大湯俊介氏とその創業期から交流のあったプライマルキャピタル佐々木浩史氏の話が聞けるとあって、会場は30名ほどの起業家志望者たちで満席、私も個人的に興味深い話が聞けた。

みなさんにも一部共有したい。

2016年7月に起業家/投資家合同経営合宿『Incubate Camp 9th』を開催。

創業のリスクとは?

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大湯氏は支援プログラムを転々とした。Incubate Campもそのひとつ。

スタートアップすることは非常に簡単な世の中になった。そもそも法人を作る際、資本金として1000万円(株式会社の場合)必要だった時代に比べ、人・モノ・カネといったリソースの壁も低く、インターネットやモバイルの急激な発達でビジネスチャンスも格段に増えている。対象的に安泰と思われた大企業が落日の憂き目にあう話題も耳にするようになった。

スタートアップが選択肢として手に入った今、私たちはどのようにして生きる道を選ぶべきなのだろうか?

大湯氏は「機会を逃すこと」これが1番のリスクだと語る。

「大学卒業して就職する前、内定を貰った会社から半年ぐらいの猶予を頂いて留学していたんですね。その時、このテーマについてはやりたいなと思うことが3つほどあったんです。しかも共同創業者する友人もいる。この面白いメンバーで3年後にさあやろう、と言っても集まらないと思ったんです。しかも自分は性格的に会社に入ると突き詰めて頑張ってしまうだろうなと。機会を逃してはならない、それが1番のリスクだと気がついたんです」(大湯氏)。

創業期の事業プランなんて重要じゃない

Connehitoオフィスにはママリユーザーと同じ視点の主婦や妊娠中の女性たちが多く働く(写真は大湯氏)

ではスタートアップしようと決めて、次に考えるのがプランだ。

大湯氏が最初に取り組んだCreattyというクリエイター向けのポートフォリオサービスは失敗に終わっている。その後に生み出したママリは「ピボット」ではなく完全な事業転換であってその面影はない。その辺りの経緯はこちらの記事でも少し触れた。

「(最初の)事業選定なんて正直、重要じゃないですよ。だって(自分も市場も)変わるじゃないですか。プランはそれこそ無数に考えたし、そこから3つ選んだ内のひとつがCreattyだった。ただ、今から考えると稚拙なものが多かったなと思います。自分の能力も変わっていくし、周囲を見渡すと考えすぎている人たちが多い。早くトライして動き出すことの方が重要じゃないかなと」(大湯氏)。

机上の空論ではなく実行してこそ初めて理解できる世界がある。その先にこそ本当にやるべき事業プランが待っている。

自分の人生をかけられるものとは

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大湯氏の創業期から親交のあるプライマルキャピタル佐々木氏

もう一つ、彼の失敗から得た大切な学びに「必要とされるものを作る」というものがあった。彼らが最初に取り組んだCreattyはクリエイターの支援を謳っていたが、実際のところ、クリエイターの多くが趣味であったりサイドビジネスであったりと、そこまでCreattyに必要性を求めていなかったと振り返る。

大湯氏はある時ふと、自分は人生かけてやってるのに、利用者はそこまでここを求めていないのではと思案することになる。

この気づきは非常に残酷だ。私もそうだがこのサービスは本当に人の役に立っているのかと考えることが多い。ただこのラインは明確ではなく、いつまでもその当確線上で葛藤し続けるのが起業家に求められるひとつの能力なのかもしれない。

「狙ってのイグジットなんてできませんし(もし売却やIPOできたとして)みなさんが予想しているより倍の時間が必要になります。であればやっぱり好きなことしかできないんです。ほとんどのパターンでは心が折れてしまう。1円も貰えなくてもハッピーでいられる領域を選ぶべきなんです」(大湯氏)。

登壇している彼の姿は、イベントのお手伝いをしている元気よい学生起業家候補生ではなく、既に30名近くのチームをまとめる経営者のそれになっていた。彼がこの先、大企業グループの中で経験するであろう出来事もまた、この日本の起業エコシステムにとって役立つものになるだろう。

また機会あれば彼の声を共有したい。

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日本と東南アジアの起業家と投資家が集う、Asia Leaders Summit 2016がバリ島で開幕

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これはインドネシア・バリ島で開催された、Asia Leaders Summit 2016 の取材の一部だ。 インキュベイトファンドと Golden Gate Ventures が共催するカンファレンス「Asia Leaders Summit」が幕を開けた。2014年に始まったこのイベントはこれまでシンガポールで開催されていたが、今回は趣を変えてバリ島での開催だ。日本、東南アジア各国、インド、欧米か…

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これはインドネシア・バリ島で開催された、Asia Leaders Summit 2016 の取材の一部だ

インキュベイトファンドGolden Gate Ventures が共催するカンファレンス「Asia Leaders Summit」が幕を開けた。2014年に始まったこのイベントはこれまでシンガポールで開催されていたが、今回は趣を変えてバリ島での開催だ。日本、東南アジア各国、インド、欧米から新進気鋭のスタートアップ創業者、投資家らが集まった。

午前中には、アジアや日本からユニコーン(バリュエーション10億ドル以上のスタートアップ)が生まれるかどうか、そのためには何が必要かを議論するセッションが持たれた。

このセッションのパネリストは、

  • Krishnan M Menon 氏(インドネシアのカスタム家具用品eコマース「Fabelio」の共同創業者兼CEO)
  • Albert Lucius 氏(インドネシアのO2Oプラットフォーム「Kudo」の創業者) → 関連記事
  • 松本恭攝(やすかね)氏(ラクスル創業者兼CEO)
  • Nico Jose Nolledo 氏(2014年にフィリピン証取上場した、モバイルコンテンツ・デベロッパ Xurpass 会長兼CEO)

モデレータは、インキュベイトファンドの共同創業者で代表パートナーの本間真彦氏が務めた。

ユニコーンを生むには、国境を越えた投資家や起業家の流入が重要

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インキュベイトファンド本間真彦氏(左)と Xurpass 会長兼CEO Nico Jose Nolledo 氏

昨年くらいから、中国やインドからもユニコーン・スタートアップが生まれ始めた。中国は国内に多額の資金と多大な市場があり、インドにはそれらの要素に加え、シリコンバレーとの密接なつながりから優柔な人材と資金が国外からも流れ込んでいる。東南アジアにユニコーンを生み出す上では何が必要だろうか?

Xurpass の Nolledo 氏は、フィリピンで上場したり、資金調達したりする企業の国内VCから調達がまだ少ないことを例に挙げ、海外からの資金が流れ込む必要性を示唆した。Kudo の Lucius 氏は、多くのインドネシアの起業家がインドネシア市場をターゲットにしたサービスに勤しむ一方で、インドネシア国外から多数の人材がやってきて、スタートアップを創業したり、スタートアップで働き始めたりすることが重要であると語った。

アジアのスタートアップでは、アメリカの成功モデルのコピーキャットが多いのではという指摘については、Fabelio の Menon 氏が、確かにベンチマークにしている企業があるものの、たとえ同じサービスを扱っていても、アジアでは各市場で消費者が求める趣向が全く異なり、7億人いる東南アジアの人口を考えれば、この点についてはユニコーンを生み出す上での足かせにはならないだろうと語った。

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左から:Fabelio 共同創業者兼CEO Krishnan M Menon 氏、 Kudo 創業者Albert Lucius 氏、ラクスル創業者兼CEO 松本恭攝氏

一方、Nolledo 氏はフィリピンの起業家を見ていると、メディアに掲載された有名スタートアップのアイデアに影響され、例えば「セブ島の Uber」のようなローカルの市場需要に閉じてしまったアイデアで持ち過ぎであることを指摘。小さくまとまらず、世界とは言わないまでも、せめて東南アジア市場を視野に入れることが、フィリピンの起業家にとってはチャレンジであると語った。

Menon 氏はインドの状況について触れ、インドのスタートアップにとって最も克服が難しいのは、あらゆるインフラが未整備であること。また、テック・スタートアップはエンジニアが居ないと成長できないにもかかわらず、エンジニア不足であることがスタートアップの成長を阻んでいると語った。

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Gumi Asiaの元CEO率いるgoGameとの提携で、セガがシンガポールへ進出——インキュベイトファンドも出資

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数ヶ月ものあいだ身を削って働いた後、開発者はあることに気づく。「すごいぞ、次のFlappy Birdになるかも!」後はゲームを完成させて、お金がただ入ってくるのを夢見るのだ。 しかし、実際お金がどんどん入ってくるということはほとんどないだろう。 マーケティング、ローカライズ、カスタマーサービスが平均的なゲーム開発者がやっている最優先事項であるというわけではない。 日本のゲーム企業セガのモバイル部門…

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セガの社長兼 CEO 里見治紀氏と話す、goGame 創業者でCEOの David Ng 氏

数ヶ月ものあいだ身を削って働いた後、開発者はあることに気づく。「すごいぞ、次のFlappy Birdになるかも!」後はゲームを完成させて、お金がただ入ってくるのを夢見るのだ。

しかし、実際お金がどんどん入ってくるということはほとんどないだろう。

マーケティング、ローカライズ、カスタマーサービスが平均的なゲーム開発者がやっている最優先事項であるというわけではない。

日本のゲーム企業セガのモバイル部門、セガネットワークスがシンガポールの goGame に数百万米ドルを投資したと新しいオフィスイベントで木曜日(12月3日)に発表された。

正確な投資額は明らかにされていない。

日本の有名なアーリーステージ向けVCであるインキュベイトファンドも参画している。

新しいオフィスのローンチパーティで CEO の David Ng 氏は次のように語った。

私は周りにおかしいと言われています。3年半かけて Gumi を世界的なゲームにまで築き上げた後、辞めたことです。どうして辞めたのか、まともな人なら辞めないでしょう? とよく言われました。しかし、私は自分がどこまでできるのか周りの皆さんに示したいのです。

Ng 氏はどうやって自分の会社に何百万米ドルも投資してもらうようセガを説得したのだろうか?

<関連記事>

goPlay

主力製品は goPlay だ。無料出版システムで、開発者はゲームのローンチ、マーケットおよびサポートに必要なサービスをドラッグ&ドロップで可能にしてくれる。

goGame は10分で SDK(ソフトウェア開発キット)をゲームに組み込むことができ、問題解決や更新、ゲームのローカライズ、顧客管理、グローバルマーケティング、決済など年中無休の運営を行える。

ある会社が単独で SDK を複製しようすると、プロセスは状況にもよるが何ヶ月もかかることだろう。

ほとんどの開発者は、何が市場にあるかわからないのです。彼らは取引の方法を知らないですし、グローバルな運営チームの管理方法も知りません。つまり、彼らはこれまで自分たちで行って失敗してきたのです。私たちと取り組むことで、皆が成功するためにその可能性を高めるお手伝いをすることができます。これまでもそうしてきましたから。(Ng氏)

goGame には決済ゲートウェイ、ダッシュボードデモ、支払アドユニット用のSDKがある。

さらに、goGame 側のメリットとして、セガのマーケティング製品「Noah Pass」を東南アジアに提供することができる。

Noah Pass

2015年2月のセガサミー(セガの持株会社)会議資料によると、Noah Pass は日本におよそ9000万人のユーザを誇るクロスプロモーションネットワークだ。この数字のすごさは、日本の人口が1億2,700万人であることを考えればわかるだろう。

goGame は日本国外にこの製品を展開していく中心的な存在になるだろう。

Noah Pass は開発者向けには無料で、プラットフォームに彼らのゲームを組み込むことによって何百万ものユーザ向けに製品を提供できる。

noah-pass_screenshot

購入前にお試しを

おそらく最もクールな機能は、Ng 氏が身振り手振りで明らかな興奮を示してくれた 1App というモバイル広告ダッシュボードだ。これはユーザが購入前に広告付きでゲームを試せる機能だ。

「モバイル広告の過熱ぶり」の問題は、ゲーマーに限ったことではない。

携帯電話を持っている人ならこの痛みがわかるだろう。ゲームは面白そうだ。もしかしたら Uber みたいなアプリかもしれない。クールな動画だし、かっこいいスクリーンショットだ。しかし、実際にダウンロードして10分もすればそのゲームは最悪だったとわかる。

1Appは、ソースコードに触れることなく、開発者が潜在的顧客の携帯でデモ動画を再生できるシリコンバレー技術を東南アジアにもたらしている。

昨晩のgoGameのイベントは明らかに盛況だったが、次の段階はゲーム展開、つまりセガのモバイルゲームエコシステムを東南アジアへ普及させることである。

セガの社長兼 CEO 里見治紀氏は、イベント会場で次のように語った。

セガゲームスをシンガポールにローンチする代わりに、私たちは goGame と共に取り組んでいくことに決めました。この市場には巨大な可能性が期待されています。しかし、goGame だけがセガゲームスを展開できるのか? goGame も他でゲームを配信できるよう支援をし、ゲーム経験を提供して展開するソリューションを創造するべきです。他の開発者が世界中の人々にゲームを配信するのを支援していきたいのです。

1app_screenshot

【via e27】 @E27sg

【原文】

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起業か投資か。そして私は自らのVCをスタートアップさせたーーインキュベイトファンド本間真彦氏【e27投資家シリーズ】

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これは本誌(e27)の「Meet the VC series」の一部である。本シリーズは、スタートアップ界隈で活躍する投資家にインタビューし、彼らがやっていることをどのようにやっているのかを探るものである。 本間氏はシンガポールを拠点に、日本や東南アジアの国々を行ったり来たりしながら活動を続けている。彼のファンドは、インターネット事業やソフトウェア、モバイルといったスタートアップのシードステージに…

Masahiko-Honma
本間真彦氏。インキュベイトファンドの共同創設者であり、ゼネラルパートナーを務める。

これは本誌(e27)の「Meet the VC series」の一部である。本シリーズは、スタートアップ界隈で活躍する投資家にインタビューし、彼らがやっていることをどのようにやっているのかを探るものである。

本間氏はシンガポールを拠点に、日本や東南アジアの国々を行ったり来たりしながら活動を続けている。彼のファンドは、インターネット事業やソフトウェア、モバイルといったスタートアップのシードステージにフォーカスしており、37カ国43の企業に投資を実施している。

これらの企業にはYOYOホールディングスやMotionElements、GameWithといった名前が連なる。

本間氏とのメールインタビューで彼は、自らの投資実績を振り返り、恥じることなく「愚かだった」ことも含めて振り返ってくれた。どのようにして投資を実行するのか、見いだした起業家たちはどのような人物なのか、そして失敗してしまった投資案件とはどのようなものなのか。

彼が我々に語ってくれたことをここに紹介させてもらう。(THE BRIDGE編集部注;太字はすべてインタビュワーのElaine Huang、回答はすべて本間氏)

どうやってベンチャーキャピタルに?

大学を卒業後、ジャフコという日本にある大手のベンチャーキャピタルで働き始めました。時はまさにITバブルまっただ中といったところでした。当初、私はスタートアップの世界に何の夢も野望も持ってませんでしたね。

ただ、大企業よりも個人のプロフェッショナルとして働きたいという想いはあって、それをベンチャーキャピタルが実現してくれたんですよね。しかし、そう決めたジャフコでのキャリアを通じて、スタートアップによって生み出されるインターネットやソフトウェアビジネスのことをより多く知ることになったんです。

私は2007年に、最初の個人ファンドであるコア・ピープルパートナーズを立ち上げ、Gumi(2014年にIPO)や、みんなのウェディング(2014年にIPO)といった企業への投資によって10倍以上のファンドリターンを生み出すことに成功しました。

それから私は元同僚やベンチャーキャピタリストである友人と共にインキュベイトファンドを共同創業するとになるのです。2010年のことでした。

現在、我々は国内で2億米ドルものファンドを運用しており、シードステージのVCとしては日本最大になります。ビジネスネットワークを更に拡大するため、私は2012年にシンガポールに移住しました。

最初の投資で直面した挑戦はどのようなもの?

2007年にコア・ピープルパートナーズを始めたとき、日本には何のトレンドも、ホットな業界もありませんでした。スタートアップ投資は活発ではなかったのです。よいスタートアップを見つけることは難しく、一年後にリーマンショックに見舞われてしまいました。数多くのスタートアップが消滅しました。

そこで私は調達した資金を使い、自分の手でスタートアップを作り上げることにしたんです。同僚たちと共に。

これがポケラボでした。

私はCEOとして、私はいくつかのビジネスプランを書き上げ、企業に売り込み、若手エンジニアやデザイナーを雇って、小さなアパートの一室でこのビジネスをスタートさせました。

Pokelabo
ポケラボ

モバイルゲームの波に乗ったおかげで、ドールキャピタルマネジメント(DCM)とセガから資金調達に成功した後、ポケラボは1億7300万ドルの評価額でグリーに買収されることになったのです。挑戦に立ち向かうことで、最終的には結果に結びつくことになった例ですね。

投資と起業、どちらを好みますか?理由も教えてください。

20代後半には、自分のキャリアをVCとして歩むのか、それとも創業者として歩むのかを迷いました。でも、どんな企業を立ち上げるのか、決められなかった。それである日、自問自答したんです。

「スタートアップとして自分のベンチャーキャピタルを立ち上げればいいんじゃないか」って。

思い返せば、私にとって自分がよく知る分野でビジネスを立ち上げるというのは極めて当たり前のことでした。それ以来、私は素晴らしいベンチャーキャピタルを作ると心に決めたんです。

スタートアップの起業家のように、ファンドの調達に失敗して、投資案件に失敗が続けば、VC事業にはいられなくなる。

今となってはこの2つの違いを明確に説明することができます。偉大なスタートアップを作るには、3つのリソースが必要です。よいビジネスアイデア、チームや組織、そして資金です。

起業家は、1番目と2番目のものを提供できる。私は、シードステージの投資家として1番目と3番目を提供することができます。起業家はビジネスプランとアイデアを生みだし、資金を調達し、そのアイディアを形にするためのチームを作る。

一方で、VCはこのビジネスアイデアをキックオフする資金を持っています。しかし、チームやその組織を自身で作ることはできません。VCたちは投資を通じて多くのビジネスアイデアを一度に検証して挑戦することができますが、起業家は一度に多くのアイデアにチャレンジすることはできません。

私が投資を好むのは、私自身が大きな組織を作り出すことよりも、新しいビジネスアイデアについて思考を巡らせることが好きだからです。周囲の起業家やCEOの友人たちは、共に夢を実現してくれる組織を作ることが好きなんだと思います。

インキュベイトファンドはモバイルとシードステージのスタートアップにフォーカスを当てています。その理由は?また、ここ最近で変化はありましたか?

私たちは好んで新しいアイデアやイノベーションについて創業者たちと話をします。この創業者の一番最初の投資家になること、これに誇りを思っているんです。

投資家として単なる「後追い」になることを望みません。最初の資金提供者でありたいし、彼らのアイデアを信じ、リスクをとって同じ船に乗り込む。これは、日本も東南アジアも同じです。私たちのフォーカスはシードステージのみにしっかりと固定されているんです。

今、私の投資フォーカスはマーケットプレース、フィンテック、シェアリング経済、そしてエンターテインメント業界にあります。東南アジア地域ではこれから更に合併や買収といったことが発生するでしょうね。

平均的な1日の流れについて教えてください。何時に起きるんですか?

普段、一週間の内のほとんどの時間は、創業者たちとのミーティングに使っています。インキュベイトファンドの各ゼネラルパートナーたちは、それぞれ20社〜30社のアクティブなポートフォリオ企業を持っています。

朝ですか?5時には起きますね。メールチェックして、facebookやニュースを見て、たまに唯一の趣味のトライアスロンのためにバイクトレーニングしたりします。朝食の後には、7時〜8時の間で私の日本や東南アジアといったポートフォリオ企業のCEOや創業者たち、投資家たちと電話会議をしてます。

これ以外に、私はアジア・リーダーズ・サミットやインキュベイトキャンプといったコミュニティづくりもやってます。前者は東南アジアと日本、韓国、中国といった国々の架け橋となるテクノロジー系カンファレンスで、後者については創業者たちのためのシード投資プログラムになっています。

Incubate-Camp
インキュベイトキャンプ

未だに1カ月に一度は日本に帰国してますが、ほとんどはシンガポールか東南アジアのどこかの地区で時間を過ごしています。

日本にはコーポレートベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンド、ベンチャーキャピタリストも沢山います。日本とシンガポールの投資環境の競争の激しさはどうですか。それは、あなたの仕事をどう影響しますか?

日本にはベンチャーキャピタルが多数ありますが、投資状況はあなたが想像してるほど、競合はしてないんです。日本とシンガポールを比較したら、シリーズAラウンド投資は日本の方がよっぽど競合してる状況かもしれません。一方で、よいシードステージの投資案件はシンガポールや東南アジアの方が競合状態にあると思います。

日本には安定した株式公開市場があります。日本のVCにとっていいことではあるのですが、私は東南アジアの合併や買収といった数については、日本のそれよりも多くなるだろうと考えています。日本のスタートアップは、日本のドメスティックな企業に買われるしかありませんが、東南アジアの企業はそうではありません。

シードステージのディールの件では、インキュベイトファンドや私たちのグループファンドは今日、日本の創業者たちの大多数をカバーしています。

日本のスタートアップ・エコシステムにおいては、よいディールを得るのにそこまでの難しさは感じていません。ポートフォリオ企業をシリーズAラウンドやB、Cといった次のレベルに押し上げることのできる国内投資家たちに強いパイプを持っていますしね。

起業家に求める素質や特徴はありますか?そして絶対にここは譲れないという点は?

ベンチャーキャピタリストとして、今日までに数百人の創業者たちと出会いました。私が創業者に大切だと思う特徴は次のようなものです。

  1. 自分たちのビジネス・マーケットをよく観察していること
  2. 利益構造や売上モデルに深い造詣があること
  3. スタートアップに150%コミットしていること

特に若い創業者が好きですね。自分の事業にフルコミットしない創業者だけは我慢できません。

逃して後悔しているような投資案件はありますか?またその理由は?

いっぱいありますよ。メルカリやグノシーもそうだし、ラクスルも。それ以外にも。

これらは現在、日本のスタートアップの中では最も成功を約束されたものたちです。しかし、私は、その創業者たちが自分の友人に近しい人物で、そして公式にも、非公式にも時折調達のオファーを貰っていたにも関わらず、私はその機会を逃してしまった。

学んだことの1つ目は、「連続起業家の力を決して見くびるな」です。

これまでに富を生み出した連続起業家というのは、一回目の創業者に比べてはるかに進んでいるものです。彼らはスタートアップをどのように成長させるかという勝利の方程式を持っています。なので、例えシードステージであったとしても、彼らの多くはその評価額に関してかなり強気なのです。

2つ目の学びは、「その道のエキスパートを気取るな」です。

時々、投資家はそのスタートアップのビジネス領域を完全に知ったかのように勘違いしてしまう。私のケースではそれがラクスルでした。一番最初にラクスルの創業者に会った時、間違いなく彼らは優秀だと感じました。私もまた、彼らのビジネス領域に対して豊富な知識を持っていたからです。

しかし、私は結果的に投資しませんでした。それは当時、彼らがあまりにも多くの「解くことのできない課題」を抱えてると感じたからです。

これが愚かでした。シードステージの駆け出しスタートアップにとって、解決できない課題が積もっていることは当たり前なんです。普段はこういうスタートアップに投資することを許容していたのですが、ラクスルのケースでは(知識が邪魔をして)できませんでした。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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動画素材プラットフォームのMotionElementsが、プレシリーズAラウンドでKK Fund、インキュベイトファンド、500 Startupsから資金調達

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シンガポールを拠点に、動画素材のマーケットプレイスを展開する MotionElements(モーションエレメンツ) は31日、プレシリーズAラウンドで資金調達したことを発表した。このラウンドは KK Fund がリードし、インキュベイトファンドと500 Startupsも参加した。 なお、投資金額など詳細は明らかになっていない。 MotionElements は、実写映像、CG動画、3Dモデルなど…

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シンガポールを拠点に、動画素材のマーケットプレイスを展開する MotionElements(モーションエレメンツ) は31日、プレシリーズAラウンドで資金調達したことを発表した。このラウンドは KK Fund がリードし、インキュベイトファンド500 Startupsも参加した。 なお、投資金額など詳細は明らかになっていない。

MotionElements は、実写映像、CG動画、3Dモデルなどを HD や 4K のほか、PAL や NTSC のような主要なテレビ放送方式で映像素材をダウンロードできる、ロイヤリティフリー(映像権買切型)のストックビデオサービスだ。2010年にローンチし、これまでに80万件以上の動画アセットを確保しており、英語、日本語、中文(繁体字)、韓国語、ドイツ語で利用することができる。サジェスト機能付きでキーワード検索ができるほか、画像ファイルをアップロードすることで関連する動画を検索することも可能だ。

MotionElements の CEO兼CTO を務める Mark Sun 氏によれば、同社の動画素材を使うユーザには、テレビ番組などのプロユースはもとより、90 Seconds、Viibar、Crevo などのビデオのクラウドソーシング製作者が多いそうだ。そのほかにも、ビデオプロダクション、YouTuber、広告会社など社員数100人未満の小規模な事業体を主なターゲットにしている。

これまでに、70カ国以上にサービスを提供していますが、アジアはこれまでも、そしてこれからも、我々にとって注力していく市場です。これまで、MotionElements が日本、韓国、台湾、香港で好意的に受け入れられててきたことを嬉しく思っています。これらの市場では、発達したメディア産業、素晴らしい人材、よいビデオを安く早く作りたいという熱意の3拍子全てが揃っているからです。(Mark Sun 氏)

MotionElements 上で動画素材を販売する素材クリエイターは世界中にいて、同社自らが素材を制作することはしない。プラットフォームを作ることに徹しており、素材製作者の利益を疎外しないためだ。

この分野には、ゲッティイメージズアマナイメージズPIXTA(ピクスタ)などの競合が存在するが、MotionElements は、提供する素材をロイヤリティフリーにすること、写真素材(静止画)ではなく映像素材(動画)に特化すること、アジア市場に特化することで拡大を図りたい考えだ。

今回のラウンドに参加したインキュベイトファンドには、Crevo、ジェネックスソリューションズ、OPEN8 など動画を使ったサービスを提供するスタートアップがポートフォリオとして存在しシナジーが期待できる。また、NowThis に代表される新興系の動画メディアが隆盛を極める中で、MotionElements のようなサービスが需要を集める可能性は高いと言えるだろう。

弊社のビデオ、“The MotionTribe” ビデオ作成の舞台裏です!弊社はお客様の創造性を高める時間を増やすため、より親切で使いやすいマーケットプレイスを目指しています。是非ビデオをご覧ください。http://goo.gl/SS9ba4

Posted by MotionElements on Monday, August 24, 2015

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Asia Leaders Summit 2015: 大企業が東南アジアのスタートアップと手を組むべき理由

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これは先週、シンガポールで開催された、Asia Leaders Summit 2015 の取材の一部だ。 イベント冒頭の第1セッションでは、「Asia money: the oppotunities and trends」と題し、日本などの大企業/ストラテジックインベスターと東南アジアのスタートアップとのパートナーシップについて、理想の形や今後の方向性を模索する議論が行われた。なお、本稿は、Tec…

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左から:Khailee Ng (500 Startups)、Amit Anand (Jungle Ventures)、Mario Suntanu (Sinar Mas Digital Ventures), Ku Kay-Mok Partner (Gobi Partner)

これは先週、シンガポールで開催された、Asia Leaders Summit 2015 の取材の一部だ。

イベント冒頭の第1セッションでは、「Asia money: the oppotunities and trends」と題し、日本などの大企業/ストラテジックインベスターと東南アジアのスタートアップとのパートナーシップについて、理想の形や今後の方向性を模索する議論が行われた。なお、本稿は、Tech in Asia の Terence Lee の執筆を翻訳したものである。

このセッションに登壇したのは、

  • Khailee Ng, Managing Partner, 500 Startups
  • Amit Anand, Founding Partner, Jungle Ventures
  • Mario Suntanu, Partner, SMDV(Sinar Mas Digital Ventures)
  • Ku Kay-Mok Partner, Gobi Partner

モデレータは、Rebright Partners 創業パートナーの蛯原健氏が務めた。


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Rebright Partners 蛯原健氏

2014年は、少なくとも資金調達に関して言えば、アジアのスタートアップにとって、今までで最も出来事の多い年だったと言えるだろう。日本、なかでもソフトバンクは、日本国外に対して積極的に投資を始めた。アメリカは本腰を入れて、インドに資金を注ぎ始めた。Lazada、Tokopedia、SingPost、GrabTaxi など、多くの積極的な資金調達が見受けられる。(Rebright Partners の創業パートナー蛯原健氏によれば、Lazada のバリュエーションは12億ドルで、年間推定売上高は2.7億ドル).

2014年まで、これほどの資金調達は見なかった。驚異的な進展だ。

投資家やスタートアップ限定のカンファレンス Asia Leaders Summit のパネルで、蛯原氏はそのように語った。今年ももっとすごいことになるだろう。それというのも、数日前、インドネシアの財閥 Lippo Group が5億ドルをeコマース事業に投入すると語ったのだ。このバブルの兆候はまだ始まりにすぎないのだろうか?

前述したような投資は、アジアのスタートアップや投資家の現実を物語っている。アジア展開には、パートナーシップが極めて重要だということだ。比較的単一市場と言える中国や日本は別として、他のアジア諸国は、国によって、インフラが抱える問題、人々の消費行動がさまざまだ。同じ国の中でもそれはあり得る。もちろん、企業もそんなことはわかっている。蛯原氏は、これらの投資が国境を越えて行われていることを強調した。中国の Alibaba(阿里巴巴)がシンガポールの SingPost に出資、日本のソフトバンクはあらゆるところへ、そしてシンガポールの Temasek が東南アジアの Lazada を支援していたり、Sequoia Capital やソフトバンクがインドネシアの Tokopedia を支援していたりすることなどだ。[1]

アジアのテック業界では、パートナーシップの技術を習得できるか否かで、スタートアップの野心を成功させもすれば、失敗させもする。

大企業投資家は、スタートアップにとって最後の手段なのか?

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パネリストらは、うまくいったパートナーシップ、うまくいかなかったパートナシップの事例をシェアしてほしいと、蛯原氏に促された。従来からある知見では、ストラテジックインベスター(事業会社系投資家)、別の言い方をするなら大企業は、スタートアップが資金調達をする最後の手段だった。概ね、この点についてはパネリストの全員が同意した。

Khailee Ng によれば、ストラテジックインベスターは、いざ投資を決めるというときに判断が遅いことがある。

創業者は、希望と大きな約束で取り乱してしまうかもしれない。でも、投資が中止されるかもしれないし、インベスター側の投資委員会が承認しないかもしれない。実際にそういうことはよくある。

よくないストラテジックインベスターがスタートアップを投資しにくい存在にしまうケースもあるのだという一方、彼は良かった事例として、タイの Ookbee と Ookbee に投資した日本のトランスコスモスのパートナーシップを挙げた。

パートナーシップを評価するにはいくつかの指標がある。投資実行のスピードがその一つだ。投資する側とされる側の目標を一致させる戦略調整もそうだろう。証明されていないビジネスモデルに関わる上では、投資家にとってもスタートアップにとっても、メンタリティーが重要である。

Mario Suntanu は、Eコマース大手の eBay がインドネシアに参入したものの、結局、その可能性を十分に発揮できずに失敗に終わった事例を回想してみせた。eBay はインドネシア最大の通信会社 Telekom Indonesia と合弁する形で、2013年にインドネシアに上陸した。

ローカルパートナーが、eBay の期待していた分野において強くなかったのだ。実行能力が不足していた。お金をかければチームを作ることはできるが、機敏さに欠け、証明されていないビジネスモデルの中で彼らを導かなければならない。役人のような会社が、別の役所と手を組んでもうまくいかない。創業者自らがビジネスを回しているスタートアップと、創業者自らがビジネスを回している大企業でなければならない。

ここで Khailie Ng が加わった。

だから、大企業にとって、スタートアップを買収することは理にかなっているんだ。

Kay-Mok Ku は、パートナーシップを評価する上で見るべき、もう一つのファクターについて指摘した。投資をする側とされる側は、お互い違ったもの、補完しあえるものを持ち寄るべき、という点だ。Garena と Tencent(騰訊)のパートナーシップがまさにそのような感じ。東南アジアでゲーム配信をする Garena は、ゲームをどうやって消費者に届ければいいかを知っていた。一方、Tencent を資金を持っており、ゲーム「League of Legends」のライセンスがあることで、Garena は東南アジアの独占的なゲームパブリッシャーになった。

あらゆる可能性を試してみるべき

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ディスカッションは、パートナーシップの方法論について進んだ。蛯原氏は、パートナーシップについては、多くの方法があると語った。少数株式保有、M&A、合弁などだ。どのようにして最善の方法を選べばよいだろうか。

Ku は、中国や日本企業は国内に規模の大きな単一市場を持つものの、東南アジアへと進出する上で単独で行うには、流通チャネルを確保する問題から難しいことがあると指摘した。彼はより多くの企業が、東南アジアの各市場で Tencent と Garena のパートナーシップのような事例を見つけることを提唱した。

Ng は、東南アジアのスタートアップは、そのような外国企業がどのような戦略を描いているか、見据えるべきだと述べた。彼らがこれまでのビジネス売上を増やそうとしているのか、それとも、そのビジネスが沈降する中で新たな収入源を見つけようとしているのか。それとも、単に市場リサーチがしたいだけなのか。

リスクのあまりない大企業が、新しい市場や業界について学びたいと考えるかどうか、ということだ。彼らは(自ら投資するのではなく、外部のファンドに資金を託す)ファンド・オブ・ファンド投資を通じてリスクを分散し、参入しようとする市場についてを学ぶことができる。より深くコミットして、リスクをかけて新しいビジネスを始めるかどうかは、その後からでも判断できるからだ。

判断の過程においては、ただ一つのパートナーシップにこだわる必要はない。Amit Anand は、あらゆることに挑戦してみるべきだと指摘する。

ただ一つの戦略を取るだけでは不十分だ。草の根レベルでどんなイノベーションが起こるかを見るためには、いくつかのファンドに投資してみるべき。ディストリビューションのパートナーシップを作るべき。そして、手に入れたいチームに対して視線を向けるべき。私なら、なんでもやってみるべきだとアドバイスするね。

シンガポール最大の通信会社 SingTel Innov8 も、そのようなアプローチで成果を上げていると、Ng が付け加えた。

彼は 500 Startups も、投資家に対してリスクを下げるために同じような方法で運営していることを指摘した。東南アジア向けの 500 Durians、韓国向けの 500 Kimchi、そして噂を呼ぶタイ向けの 500 TukTuks など、市場に合わせて異なるファンドを運用している。500 Startups の投資戦略にあった、多岐にわたる企業に対して投資している。

インデックスファンド(投資信託の一種)みたいなものだ。我々は資金を広く分散させ、リスクを分散したい投資家に貢献している。LP のニーズにあわせて、さまざまなファンドを立ち上げている。

どのような相手と仕事をするべきか?

新しい市場に参入する際に合弁事業が意味を持つ一方で、例外も存在する。Suntanu は、メッセージアプリの LINE が台湾やタイに参入する上で、子会社を設立したことについて語った。言うまでもなく、LINE はそのEコマースの主導権についてはパートナーに依存しているが、LINE というプロダクトのコントロールとオーナーシップは保持している。これは合弁事業では難しいことだ。

合弁は難しい。もし相手が他の国に居れば、なかなか会いにもいけないし、そこで何か起きているのかも本当のところはわからない。そんな形で、自分のブランドを危険にさらしたいかい? たとえいいパートナーを見つけても、50/50 の関係を避けるべきだ。どちらかが判断をし、責任をとらなければならないのだから。

企業によっては、パートナーシップが生死を占うこともある。斜陽産業においてはなおさらだ。上場企業でも、投資家がその将来に賭けている以上、彼らの利益の追求に応じて大きな困難を強いられることがある。これは、例えば、印刷メディア業界のように、デジタルへの転換が求められる業界では特に深刻だ。Suntanu が続けた。

デジタルに投資しているメディア企業は、オンライン広告から上がる売上では賄えないので、投資したお金を取り戻せない。金の損得勘定だけで考えると、新しいビジネスを作るのは難しいだろう。営業マンはいまだにテレビ広告を売ろうとする。オンライン広告を売りたいやつなんて居るのだろうか。

最近のテックシーンの動きを見る限り、VC とスタートアップのダイナミックな関係は面白いものになっている。洗練されたスタートアップを作り、彼らがバリュエーションを上げていく傍らで、VC の資金供給の増加の方がスピードが速い。ベンチャーキャピタリストは今、競合との差別化のために、より努力することが求められるようになっている。

Anand にとって、よいポートフォリオとは、スタートアップを魅了するような売上戦略なのだという。

最初のいくつかのよいディールに向けて、自分をハックすることだ。そうすれば、残りは後からついてくる。

Ng はまた異なるアプローチを述べた。いろんなベンチャーキャピタリストは連絡がよこしてくるので、本当に関係を持ちたい相手とのみ仲良くすべきだと述べた。

(起業家は)コアの投資家のためにバリュー・ポジションを作るべきだ。IMJ-IP の斉藤晃一氏(編注:先日、KK Fund を設立)が好例だ。彼は非常によく仕事をする人物だ。なんでも成し遂げる男。だから、彼とはもっと一緒に仕事をしたいと思っている。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】


  1. 原文では「Temasek が Tokopedia を支援している」となっているが、蛯原氏から誤りである旨を指摘をいただいたので訂正した。
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Asia Leaders Summit 2015: 楽天、gumi、セガ、ヤフーが考える、東南アジアのスタートアップ投資戦略

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これは先週、シンガポールで開催された、Asia Leaders Summit 2015 の取材の一部だ。 イベント中3つのセッションについては、会場からリアルタイムでレポートしたが、残る3つのセッションについては、執筆が間に合わなかった。週が変わったが(そして、月も変わってしまったが)イベントの振り返りを兼ねて、まとめてみたい。 まず、日本の Executive Talk と題したセッションからだ…

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これは先週、シンガポールで開催された、Asia Leaders Summit 2015 の取材の一部だ。

イベント中3つのセッションについては、会場からリアルタイムでレポートしたが、残る3つのセッションについては、執筆が間に合わなかった。週が変わったが(そして、月も変わってしまったが)イベントの振り返りを兼ねて、まとめてみたい。

まず、日本の Executive Talk と題したセッションからだ。このセッションでは、日本のインターネット大企業のエグゼクティブたちが、東南アジアにおける投資戦略や地元スタートアップとの提携の可能性などについて議論した。このセッションに登壇したのは、

  • ヤフー 執行役員 ショッピングカンパニー長 小澤隆生氏
  • セガ 代表取締役副社長 里見治紀氏
  • gumi 代表取締役 國光宏尚氏
  • 楽天ベンチャーズ マネージング・パートナー Saemin Ahn(안세민)氏

モデレータは、インキュベイトファンド代表パートナーの本間真彦氏が務めた。

(以下、発言の内容は、会場で提供された同時通訳とは表現が異なる場合があります。)

セッションの冒頭、ヤフーの小澤氏はスタートアップに投資する資金として50億ドルを預かる立場にあり、そのお金をカンファレンスに集まった人たちに投資したい、と述べ、会場を沸かせた。また、gumi の國光氏は前回の Asia Leaders Summit で IPO と結婚について語っていたが、その発言通り IPO と結婚を果たし、自身について「大きなビジョンを語って、それを実現していくタイプの人物」と分析してみせた。

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左から:ヤフー 小澤隆生氏、gumi 國光宏尚氏

楽天、Gumi、セガ、ヤフーの投資戦略

成功の定義は、企業によっても人によっても異なる。楽天ベンチャーズの Saemin Ahn が強調したのは、楽天が投資したり買収したりするときにこだわるのは、相手のスタートアップのキャッシュアウト(売上が上げられているかどうか)ということだった。

売上の大小にかかわらず、時価総額などの市場評価に重きを置く一部ファンドがある中で、キャッシュアウトにフォーカスするのは、実業を持つ会社ならではの視点と言えるだろう。先ごろ投資したアドテクスタートアップ PocketMath などは非常にうまく言っていて、毎月数百万ドル以上を売り上げているとのこと。

また、楽天ベンチャーズとしては、テクノロジー系のアーリーステージのスタートアップに対しては、楽天のビジネスとリンクするかどうかにかかわらず投資するケースはあるものの、楽天との協業の可能性を模索する場合は、何よりも投資先のスタートアップが楽天と協業したいと考えているかどうかを重視している、と述べた。

一方、gumi は2,500万ドルのファンドを立ち上げている。ゲームは市場が限られたものではないが、市場によって成長戦略は異なる。ゲーム以外の分野についても投資を進める背景について、國光氏は次のように考察を語った。

新しい技術は、新しいエンターテイメントを作り、新しいメディアを作る。20世紀初頭、映画業界の人は、テレビ業界の誕生によってつぶされると恐れた。テレビが出る前は、映画がコンテンツの王様だったからだ。

テレビ会社を映画をテレビに持ち込んだ上、ニュース、スポーツなど映画にはできないコンテンツも作り出した。その結果として、テレビ業界が映画業界に買った。

インターネットの世界では、キュレーション・メディアなどが立ち上がり始めた。コンテンツ会社やテレビ会社というのは、基本的にはインターネット・メディアが嫌い。広告収入モデルが崩れるからだ。

gumi は今のところモバイルゲームだけをやっていて、1つのゲームセッションは3分間とかで終わる、従来のコンソールゲームとは異なる新しい世界。しかし、SmartNews、Gunosy、(この日の午前中ピッチした)Iemo などにも見られるように、メディアビジネスやゲームビジネスは変化していくだろう。

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左から:gumi 國光宏尚氏、楽天ベンチャーズ Saemin Ahn 氏

セガはこれまでに多くのコンソール・ゲームを手がけてきたが、モバイルゲームに事業特化する会社としてセガネットワークスを設立した。里見氏はこれからのモバイルゲーム業界について、興味深い展望を共有してくれた。

一言で言うと、セガネットワークスは、スマートデバイスにフォーカスしている。スマートデバイスといっても、それぞれ UI が違うので、タブレットやスマートフォンなど、機種にあわせて最適化し開発を進めているのが現状だ。

しかし、将来は、ゲームの処理はクラウド側でやって、スマートデバイス側でやる処理としては、スクリーン表示の処理だけになるだろう。デバイス間のUIの差分をクラウドが吸収して最適化できるようになるだろう。

テンポのよいレスポンスが求められるモバイルゲームにおいて、現在はネイティブアプリで開発されるのが主流であるが、クラウドで実現できることが増えれば、ゲームデベロッパのコスト構造も変化してくるだろう。場合によっては、HTML5 をうまく活用した BoosterMedia のようなデベロッパにも勝運が向くかもしれない(ちなみに、BoosterMedia はヤフーと協業している)。

ビズシークやクロコスなど、日本のインターネット業界で、先駆的に自身のビジネスを有名インターネット企業に売却してきた小澤氏は、ヤフーが投資で目指す方向について、次のように語った。

(どういったビジネスに投資するかと聞かれて)Eコマースもそうだし、アドテクもそうだし、エンターテイメントも………うーん、モバイルサービス全般だね。(会場爆笑)

とにかく50億ドルあるんだ。皆さんと共に、次の新しいビジネスをやりたいんだ。(中略)逆に、やらないと決めている分野も特にない。

小澤氏がモバイルに言及したことに気が留まったのか、國光氏がヤフーのこれまでの動向についても分析をしてみせた。

(C2C の分野では)ヤフーはオークション(ヤフオク)が最強だった。しかし、モバイル戦略が無かったので、メルカリのようなサービスがすごく成長した。モバイルにシフトするのに、時間がかかり過ぎたと思う。

親会社にソフトバンクという最大手モバイルキャリアを抱えながら、モバイルシフトが遅れたことについてはヤフー社内においても、何度となく反省の機会が持たれたのだろう。小澤氏が〝投資の対象は、モバイル全般〟と言い放つ背景には、そんなリベンジに賭ける思いがあるのかもしれない。

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左から:セガ 里見治紀氏、ヤフー小澤隆生氏

日本企業がアジアでプレゼンスを高めるには?

日本を代表するインターネット企業4社が、今後どの分野に資金を投じていくのかは、日本の起業家のみならず、東南アジアの起業家にも関心の高いテーマだ。

まずは、楽天ベンチャーズの Saemin Ahn からだ。

やはり、キャッシュアウトの可能性の高い分野、モバイルゲームのスタートアップもそうだろう。それから、ビデオも注目している。ゲームとビデオに必要とされる技術として CDN (content delivery network) が存在するが、この分野の大手である Akamai の次にくるような技術にも注目している。

セガの里見氏は、ゲームとさまざまな IoT との連携の可能性についても含みを持たせた。

バーチャルヘッドギアとか、ゲームとの組み合わせが考えられる。しかし、普及するには、少し時間がかかるだろう。音楽ライブ、フェス、ナイトクラブのコンテンツなど、さまざまなライブ・エンターテイメント・シーンも疑似体験できるようになるだろう。

一方、大手企業に限らず、あらゆるサイズの日本企業が、アジアやグローバルでプレゼンスを高めることには多くの課題がある。セガの里見氏は、代表的な理由として2つのケースを挙げた。

まず、基本的に日本国外で事業することを考えていないケース。彼らは日本語でサービスを始め、日本人向けに提供する。

そして、日本市場にはある程度の大きさがあるということ。しかし、日本の市場は縮小している。海外でリスクを取らなければならない。シンガポールなどは国内市場が小さいから、最初から国外に視点が向く。インドや中国など、市場可能性は大きい地域に。

Saemin Ahn は、楽天のような大きな企業では、アジアのような多様なエコシステムの中で企業活動をしていく上で、投資などを通じて各地のスタートアップと付き合ったり、各地の人材を雇用したりすることは極めて重要であり、國光氏は、同じような観点からも、最初からグローバルな視点を持つ東南アジアのスタートアップは、日本企業にとって、よきパートナーであると述べ、このセッションを締めくくった。

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Asia Leaders Summit 2015: インターネット企業経営者らが語る今年注目のテックトレンド、経営の課題点

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これはシンガポールで開催されている、Asia Leaders Summit 2015 の取材の一部だ。 Asia Leaders Summit 2015 の最後のセッションは、Keymans Talk と題し、日本と台湾の注目のネット企業/インキュベータ経営者らが、企業経営における課題点などを議論しあった。このセッションに登壇したのは、 GREE SVP、GREE International CE…

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これはシンガポールで開催されている、Asia Leaders Summit 2015 の取材の一部だ。

Asia Leaders Summit 2015 の最後のセッションは、Keymans Talk と題し、日本と台湾の注目のネット企業/インキュベータ経営者らが、企業経営における課題点などを議論しあった。このセッションに登壇したのは、

  • GREE SVP、GREE International CEO 青柳直樹氏
  • V-CUBE 創業者兼CEO 間下直晃氏 …関連記事
  • AppWorks(之初創投) 創業パートナー Jamie Lin(林之晨)氏 …関連記事
  • Cerevo 創業者兼CEO 岩佐琢磨氏 …関連記事

モデレータは、World Innovation Lab の共同創業者兼 CEO 伊佐山元氏が務めた。

2015年、一番楽しみにしている、新しいテクノロジートレンドは何か?

Cerevo の岩佐氏は、新規格 BLE 4.2 と USB 3.1 を楽しみにしていると述べた。

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Cerevo 岩佐琢磨氏

IoT で一般的に採用されている現在の BLE はスマートフォンなどを通さないとインターネットと接続できない。

BLE 4.2 がリリースされれば、IoT がスマートフォンを介さずダイレクトにルータと接続でき、IoT が IPv6 で直接インターネットと通信ができるようになり、さまざまな可能性が広がる。

岩佐氏によれば、今年の冬くらいまでには、BLE 4.2 をサポートしたチップが発売されるようになるだろとのことだ。

USB 3.1 については、EU が Apple に対して Android と同じ形式の USB コネクタの採用を求めており、2016年以降はすべてのコネクタは統一されるだろうとのことだ。すなわち、Android であれ、iPhone であれ、すべてのスマートデバイスは統一の共通されたコネクタで接続が可能になる。

AppWorks の Jamie は、自走式自動車に興味があると語った。自動車は過去50年にわたり、ほぼ同じような形で利用され、裕福な人たちだけドライバーを雇える状況だった。伊佐山氏は、アジアは非常に人が多いエリアもあり、世界で自走式自動車が普及するのは難しいのではないかと聞くと、Jamie は人間の感覚よりもセンサーの方が優れており、結果的に事故も起きにくくなるのではないか、と語った。

V-CUBE の間下氏は、ドローンに興味があると語った。

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V-CUBE 間下直晃氏

V-CUBE はコミュニケーション・サービスを提供しているが、なぜドローンに興味があるのかと投資家らから聞かれることがある。ドローンは安全性の確保のプロセスで少し時間はかかるだろうが、人が出向くにはリスクの高い場所を確認する用途において、非常に大きな可能性がある。

V-CUBE の顧客に中国の天津市政府がいるが、彼らは災害場所の状況確認のために、市政府の指令センターとの間で V-CUBE を使ってコミュニケーションをしている。ドローンが使えれば、そもそも、現地に人が出向かなくてもよくなる。

GREE の青柳氏は昨年入手した Google Glass には興味があるが壊れてしまって使えないと答え、会場の笑いを誘った。また、Tesla はいい車なのだが、カーナビが付いていないなど、他にも改善すべき点がまだ多く残っていると指摘。デバイスと組み合わせることで、2020年のオリンピックを念頭に、例えば、羽田空港から都内まで自走式自動車で向かうようなことが可能になると、選択肢が拡がるだろうとの期待を述べた。

Jamie、間下氏、岩佐氏の3人の話を聞いた岩佐氏が、ドローンの安全性について、問題解決の可能性を語った。

車にエアバッグや ABS のような事故防止技術が導入されたのと同様に、ドローンにもそのような技術が追加されていくだろう。ドローンは空中を飛んでいるときによく事故が起きるので、パラシュートを搭載するようなソリューションは既に存在している。ホンダがスマートフォン・ケースにエアバッグを搭載したようなジョーク・ビデオを公開しているが、そのようなアイデアが実現するようになれば、ドローンはよりビジネスに応用しやすくなるだろう。

企業経営の上で、最大の課題は何か?

青柳氏はこの問いに、ゲームに代わる Next Big Thing を定義しなければならない、と答えた。

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左から:World Innovation Lab 伊佐山元氏、GREE 青柳直樹氏

GREE がグローバルオペレーションを始めたのは4年前だが、その経験を GREE のメンバーは楽しんでいた。

GREE のメンバーは決して保守的ではなくリスクテイカーであり、課題は Next Big Thing を何に定義するかということ。十年前、GREE は10人しかいないスタートアップだったが、モバイルの SNS にシフトして、ビジネスが非常に大きなものになった。そのような Next Big Thing を求めている。

間下氏にとって、V-CUBE の課題は、ビジネスのスピードをどう保つかということ。日本やグローバルで、常にコミュニケーションサービスを提供する大企業と競争している。そして、顧客である大企業は、サービス品質を非常に気にする。

十年前の V-CUBE と比べてみると、今よりスピードが速かった。我々は、スタートアップと競争したいと思わないといけない。

Jamie は AppWorks でアクセラレータ・プログラムを運営しており、彼の元には多くのスタートアップの CEO がアドバイスを求めにやってくる。

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AppWorks Jamie Lin 氏

CEO は人々のリーダーであるべきという話をしている。

人はそれぞれ違う。違う人を違ったようにマネージメントする。それが CEO に求められるスキル。他人を変えるのではなく、自分が変わらなければならない。

岩佐氏は、「言うに易し、行うに難し」という持論を、自社の事例を引き合いに出して説明した。

品質を保て、スピードを保て、というのは、社員にいくら言葉で言っても効果的ではない。トヨタや家電メーカーでは、一つのプロダクトを作るのに数百から数千人のエンジニアが関わっている。しかし、当社では一つの IoT プロダクトを出すのに4人しか関わっていない。4人でハードウェアとサーバーサイドの両方を見ている。

この人数の少なさが彼らのモチベーションを保つのに役立っている。自分たちが手がけたプロダクトが市場に出れば、そのプロダクトのことを自分の子供のように思うからだ。

IoT はインターネットにおいて、次の大きな波になると言われる。そこには、どんなビジネスの可能性があるか?

岩佐氏は、IoT とはいえレッドオーシャンになっていると指摘。したがってニッチを狙うのだが、今日のニッチが、将来もニッチのままとは限らない。そのような可能性がある分野を探してチャレンジしてみるべきだと述べた。

例えば、IoC (Internet of Cup) というのが考えられる。ペットボトルの会社に行っても、彼らは IoT を作るための人材や設備は持っていない。そういう分野に可能性を見出すことはできる。

間下氏は、IoT が持つ問題を提起した上で、生活に密着した分野への応用に可能性を見出した。

IoT の大きな問題は、マネタイズをどうするかということ。ヘルスケアや医療に大きな可能性があるだろうと、今朝会った人も言っていた。

シンガポールでは毎朝、非常に多くの人がジョギングしている。健康を保つことは、人々にとって最優先課題だからだ。こういうところに IoT を適用すれば、マネタイズに大きな可能性があるのではないか。

成長著しいアジアの消費者パワーは、世界のリスクマネーを魅了し続けている。IoT がアジアの市場にもたらすインパクトも計り知れないだろう。

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