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ゲーム攻略の動画共有ソリューションKamcordが、日中韓への市場進出を本格化 #IVS

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 本稿は、 Infinity Ventures Summit Kyoto 2013 の取材の一部だ。 今週、京都で開催された Infinity Ventures Summit(IVS)は、国内イベントとしては大きなものだった。日本の内外から、日本でのサービス展開を模索して多くの参加者が集まった。そのうちの一つ、サンフラ…

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

本稿は、 Infinity Ventures Summit Kyoto 2013 の取材の一部だ。

今週、京都で開催された Infinity Ventures Summit(IVS)は、国内イベントとしては大きなものだった。日本の内外から、日本でのサービス展開を模索して多くの参加者が集まった。そのうちの一つ、サンフランシスコを拠点とする Kamcord は、モバイルゲーマーのソーシャルメディア上での動きを捉えビジネス化している。

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同社はゲームデベロッパに SDK を提供し、ゲーム内に「動画撮影ボタン」をつけてもらう。ユーザはこのボタンを押すことで、プレイを録画し、その動画を共有できる。Kamcord 上で他のゲーマーと共有できるほか、YouTube、Facebook、Twitter、メールでも共有することができる。[1]

昨日の IVS には Kamcord の共同創業者 Adi Rathnam も参加していて、彼らののスクリーン・キャプチャ・サービスを使ってくれそうな、日本のゲーム会社と会話していた。Kamcord のサービスは、これまでに160のモバイルゲームに採用されている。彼らの至近の競合はフィンランドの Applifier で、ゲームコンテンツを録画・共有できるという点ではサービスが似ているが、こちらは動画を使ってクロス・プロモーションの広告展開をすることに注力している。

THE BRIDGE では、ゲームやアプリのスクリーン・キャプチャ動画を頻繁に掲載しているが、これを撮影する手順は簡単ではなく、特別なソフトウェアと手間を必要とする。Kamcord がゲームに搭載されれば、動画共有の手間を取り除かれ、平均的なゲーマーでも利用がしやすいものになる。

日本と韓国という、アジアで最もモバイルの発達した2カ国を Kamcord がターゲットとしていることは合点が行く。しかし、Kamcord にとって最も面白い市場は中国だと思う。Adi によれば、Tencent(騰訊)を出資者に迎えたので、WeChat(微信)がパートナーになったのはごく自然だった。Youku(優酷)などでユーザが作ったゲームの動画がシェアされていることを考えれば、中国は Kamcord にとって勝利をおさめやすい市場だろう。中国のローカルゲームを、彼らはレパートリーに加えるべきだ。

中国、日本、韓国への展開は、我々の最大課題です。プロダクトを中国語、日本語、韓国語にローカライズし、アジアで人気のある LINE、カカオトーク、WeChat などのメッセージアプリでコンテンツをシェアできるようにする計画です。ゲームのユーザ増加、ダウンロード促進につながるでしょう。ユーザにリッチなエクスペリエンスを提供したい企業と協業したいと考えています。

Kamcord はまだコミュニティの形成に注力しているが、マネタイズについては、インストールの促進から広告掲載まで、Kamcord には多くの選択肢があると思う。

もし日本のゲームデベロッパやパブリッシャーが、熱狂的なファンが動画を使い、ゲームを広げてくれる可能性に気づいていないとしたら、それは驚くべきことだ。多少の先見の明と、ユーザが作り出すコンテンツを信じる必要はあるかもしれないが、多くのゲームデベロッパが Kamcord のトレンドに載ることを期待したい。

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  1. 動画ファイルは大きなものではなく、概ね5〜10メガバイト程度である。
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#IVS Launch Pad: 優勝スタートアップCapyに聞いた、CAPTCHAサービスの世界展開(ビデオ・インタビュー)

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 本稿は、 Infinity Ventures Summit Kyoto 2013 の取材の一部だ。 先週、私は Capy の渋谷にあるオフィスを訪れ、チームの人々と話をすることができた。この新進気鋭のスタートアップの創業者である岡田満雄氏は、京都大学在学中に、この CAPTCHA サービスのコンセプトを思いついたのだ…

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

本稿は、 Infinity Ventures Summit Kyoto 2013 の取材の一部だ。

先週、私は Capy の渋谷にあるオフィスを訪れ、チームの人々と話をすることができた。この新進気鋭のスタートアップの創業者である岡田満雄氏は、京都大学在学中に、この CAPTCHA サービスのコンセプトを思いついたのだそうだ。詳しくない人のために Capy の優位性を説明すると、従来のゆがみ文字を使ったものよりもフラストレーションが少なく、ボットが対応できないイメージパズルの組み合わせで実現する CAPTCHA だ(以下のイメージを参照)。

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岡田氏や彼の同僚と先週会話していて、たまたま、私が京都のInfinity Ventures Summit 2013 に参加することを話したところ、

あぁ、我々も行くのですよ。

…と、岡田氏から聞いていたのだった。

それから一週間、岡田氏はウェスティンホテル京都で、満員となった会場を前に Capy のピッチをした。ステージにはスタートアップが12社登壇したが、Capy はその中で最優秀賞に選ばれた。

我々は7月に岡田氏にインタビューしているので、THE BRIDGE では Capy は初登場というわけではない。しかし、アメリカでサービスをローンチするなど [1]、日本のスタートアップの中でも、同社は当初から世界市場を展望しているという点で特筆に値する。

従来からある CAPTCHA は煩わしく、私はセキュリティ対策よりも、むしろ、入力が簡単であり、書籍の電子化に貢献しているという点でも reCAPTCHA を気に入っている。一石二鳥だからだ。しかし、Capy も同様に一石二鳥なことを実現しているという点で、大きな可能性を感じている。

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Capy を使うウェブサイトは、広告のスペースをユーザ認証画面として活用できる。このことは、画面のスペースを無駄遣いできないスマートフォンの画面において特に有効だ。Capy には無料版と有料版があり、CAPTCHA 画像に、無料版では広告が挿入され、有料版では任意の画像を使うことができる。彼らは来年の SXSW(サウスバイサウスウエスト)に参加する予定で、現在着手している機能開発がそれまでに完成することを期待したい。

岡田氏によれば、Capy は現在、日本の3〜4社の顧客に毎日5万件の CAPTCHA を提供している。日本は閉鎖された市場なので、テストするには最適だと岡田氏は語る。UI や UX にはまだ改良の余地があるが、彼らにはエンジニアが不足していると思う。現在はまだ4人のチームで、うちエンジニアは2人だけだからだ。

彼らのメンターでエンジェル投資家を務めるのは、セキュリティの専門家のウィリアム斉藤氏だ。5月にはシリーズAラウンドで資金調達を実施している。IVS のローンチパッドでの優勝を受けて、より多くの人が Capy に注目することを期待したい。来年以降、Capy のチームからさらなる躍進の話を聞けることを楽しみにしている。

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  1. Capy は、アメリカ・デラウェア州で登記されている。
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1万人がクラウドソーシングで”食える”世界に立ちはだかる「見えない壁」ーーランサーズ秋好氏に聞く #IVS

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2013」の取材の一部である。 ジモティのインタビューに引き続き、個人間取引についての課題や状況をIVSの会場で聞く。インタビューしたのはクラウドソーシング業界を創世記から牽引するランサーズ代表取締役の秋好陽介氏。 インタビューはまず、大きな調達を発表したクラウドワークスの話題から始まった。 ユーザーは年明けに30万人規模に…

本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2013」の取材の一部である。

ジモティのインタビューに引き続き、個人間取引についての課題や状況をIVSの会場で聞く。インタビューしたのはクラウドソーシング業界を創世記から牽引するランサーズ代表取締役の秋好陽介氏。

インタビューはまず、大きな調達を発表したクラウドワークスの話題から始まった。

ユーザーは年明けに30万人規模に成長。課題は発注側

ーーこの会場では個人間取引というテーマでいろいろな方を捕まえて話を聞いてるんですが、聞けば聞くほど奥深いですね。大きな話題としてはクラウドワークスさんが大型調達もしました。

「クラウドソーシングの事業をすでに5年やってみて思うんですが、開始当初に比べて周囲の理解度は全く違いますよ。私たちのターゲットになるのはウェブ素養がある人たちなんですが、そういう方々のクラウドソーシングやランサーズといったワードの認知度は格段に上がりました。

ユーザー(受注側の働き手)も4年かかって10万人だったのが先々月には20万人を達成して先月が22万人、年明けには30万人に到達するかもしれません。

ただ、もっと使いたいけれど深いところではよく分からない。なのでまだまだ啓蒙も大切なんです。そういう意味でも11億円の調達というのは業界発展のためにもいいことだと思っています」。

ーー今日、リリースになったようですがGMOイプシロンと連携されるそうですね。

例えば今回のイプシロンさんでは決済を提供されているわけなんですが、この導入時には様々な業務が発生するんですね。そういうものをランサーズに向けて発注することになりますね。

ーー外注するには高い、けど社内にはリソースが足りない。個人に注文するには不安があるからクラウドソーシングを選択する、という流れですね。

プラットフォーム系の事業者さんとクラウドソーシングって相性がいいんですね。

クラウドソーシング成長への三つの課題

ーー好調ぶりが話題になりがちですが、実際は個人間取引、企業と個人の取引という文化づくりで他のサービスも苦労されてると聞いています。秋好さんの考える課題はどこにありますか?

「ユーザーは伸びいているのでそちらは問題ないと考えてます。課題は発注側ですね。今は(利用に慣れている)コアな企業が使ってくれている状況ですが、今後は普通の会社でも扱えるのかが焦点になります。その上での課題は三つほどあると考えてます」。

ーーなるほど。

「まず、ディレクション。クラウドソーシングに発注しようとする時、発注内容を切り分けるところから始まるんですが、ここでつまづく」。

ーーウェブ制作だったらデザイン、コーディング、ライティング、プログラムと切り分けてそれぞれを発注する必要がある、と。

この点は企業でセミナーを開催したり、システム側の工程管理をさらに細かく分けたりすることで対応しようとしています。

それに関連して、そのような工程管理ができるプロジェクトマネージャー(の育成)ですね。私たちには認定ランサーという方がいるのですが、テストなどの制度を細かく用意して育成を推進しています。最後はやはり発注側の企業への啓蒙活動ですね」。

ーー企業への啓蒙活動時、クラウドソーシングの利用メリットはどこを押してますか?

「どれかひとつ、という訳じゃなく、スピードとコスト、リソースのバラエティなどの組み合わせですね」。

秋好氏の話で大変興味があったのは、積極的にランサーズが工程管理の部分にフォローをいれようとしていることだ。このスタイルの成功者はもちろんMUGENUPだ。

一方で、このモデルはやりすぎるとスケールしにくくなってしまう。ちなみにクラウドワークスは過去の取材からもプラットフォーム的なスタンスを保っており、このあたりの比較は興味深い。

質問をもう少しだけ進めよう。

ーー受注側のユーザーにはどのような啓蒙活動を実施してますか?結構地方を回られているようですが。

「すでに15ぐらいの地域を回りましたね。やはり人とちゃんと向き合って課題を共有することは大切です」。

ーー地方の課題とか聞こえてきましたか?

「やはり仕事がないですね。むしろ地方の仕事を東京の事業者が取ってしまっている。さらに東京のような便利なコミュニティも少なく、チャンスが少ないです」。

ーー今日は個人間取引、働き方の変化が起こるのかというテーマでお話をお聞きしました。この先、クラウドソーシングが第三、第四の働き方として定着するまでにどの程度の時間がかかるとお考えですか?

「もちろん成功の定義にもよりますが、私たちの中で決めている数字があるんです。今、ランサーズだけで生活している人が200人ほどいらっしゃるのですが、これを2017年までに1万人まで増やそうとしています。

ただ、本当に意識が変わる、例えば新卒の学生が就職や起業などと並立してクラウドソーシングを選択したり、日曜日だけクラウドソーシングを活用したりと働く構成要素のひとつとなるのはもう少し先の話でしょうね」。

ーー時間かかりますよね。ちなみに今はどの数字を注目していますか。

「ユーザー体験をどこまで上げるかということに注目して、継続率やリピート率は追いかけています。もちろん案件数や会員数も横目にみてますけどね」。

ーーお時間ありがとうございました。

クラウドソーシングという分野で言えば、確実に受注側の理解は進んでいると考えていい。彼らは仕事を求めているし、新しい働き方への期待も大きいだろう。そういうモチベーションがある。

一方で発注側には安いとか早い以外にも安定感や信頼感、そして今回のインタビューでも分かったように、そもそもの「使い方」、例えばプロセスを細かく分割したりといった作法を理解する必要がある。ここは明示的になっていないがため、見えない壁になっている。

ジモティのインタビューとも併せて振り返ると、個人間取引や企業と個人の取引にはこの暗黙のルールというのが国内のユーザーにとって障壁になっているのではないだろうか。「なんでもできる」が「なにもできない」になる典型的な例だ。

国内ではどのアプローチが成功するのか興味深いし、引き続きこの点は注目していきたい。

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#IVS Launch Pad: オープンソースで実現した廉価版バイオデバイス、鳥人間の「DNA増幅器」

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 本稿は、 Infinity Ventures Summit Kyoto 2013 の取材の一部だ。 Inifinity Ventures Summit では、ローンチパッドでいくつか新しいスタートアップに会うことがえきた。中でも特筆すべきは、セッションの最後に登壇した、ハードウェア・スタートアップ鳥人間 [1] の創…

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

本稿は、 Infinity Ventures Summit Kyoto 2013 の取材の一部だ。

Inifinity Ventures Summit では、ローンチパッドでいくつか新しいスタートアップに会うことがえきた。中でも特筆すべきは、セッションの最後に登壇した、ハードウェア・スタートアップ鳥人間 [1] の創業者である久川真吾氏だ。彼は、DNAをサンプリングするデバイスについてピッチした。

彼は、DNAをサンプリングするデバイスの問題は、4,000ドル〜10,000ドルと高価であることだと考えた。鳥人間はこの価格を10分の1にし、オープンソースで提供したいと考えた。このデバイスの機能はやや複雑(英語の同時通訳に頼ったため、この点については詳述しない)。処理後のテストサンプルの結果は、Chrome ブラウザに表示されるので、特別なソフトウェアを必要としない。ハードウェアは以下の写真の通りで、上のビデオにもあるような形になる。

私は、セッションの中でも、このデバイスのピッチがもっともパッションに富んでいたと感じ、、久川氏が「インターネットは、私たちのDNAの一部だ。古い習慣を捨て去るべく、もっとインターネットを活用すべきだ。」と述べていたのが印象的だった。

同社はこのデバイスを日本国内で発売しており、海外展開も考えている。既にマレーシアで販売しており、中国で工場を立ち上げる計画だ。

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  1. 久川氏は以前、飛行機を製造していたため、社名を鳥人間とした。社員には久川氏と彼の妻、愛猫が居る。 
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国内で個人間取引は成立するのかーー #IVS の会場で聞くクラシファイド「ジモティ」の3年間

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2013」の取材の一部である。 ここ1年ほど盛り上がりをみせているテーマのひとつに「個人間取引」がある。小規模なコマース、フリマアプリのような売買、クラウドソーシングも個人間取引になる。 しかしまだこの市場は手放しで伸びていくほど簡単なものではない。主に主要サービスが成長している北米などの市場に比べ、個人の意識や取引の「お作…

本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2013」の取材の一部である。

ここ1年ほど盛り上がりをみせているテーマのひとつに「個人間取引」がある。小規模なコマース、フリマアプリのような売買、クラウドソーシングも個人間取引になる。

しかしまだこの市場は手放しで伸びていくほど簡単なものではない。主に主要サービスが成長している北米などの市場に比べ、個人の意識や取引の「お作法」など、文化に根ざした課題も聞こえてきている。クラウドワークスの大型調達もそれが理由の一端と考えると理解も進みやすい。

IVSの会場には主要サービスを運営するプレーヤーも多いので、私は彼らが今どのような状況で、この「個人の時代」をどのように作っていこうとしているのか、話を聞いてみることにした。

ひとつめは個人間取引クラシファイドサービスのジモティだ。

創業は2011年2月。これまでに2011年5月にインフィニティ・ベンチャーズLLP(以下、IVP)からシード資金、2012年6月にはKDDI Open Innovation Fund、三菱UFJキャピタル、IVPから約1億5000万円を調達、今年の8月にはフジ・スタートアップ・ベンチャーズからも調達をしている。

ジモティ代表取締役の加藤貴博氏に話を聞く。

クラシファイドに挑戦した3年間

ーー開始当初から時間のかかる事業だとは認識していましたが、少し数字的な部分も踏まえて振り返っていただいてもよろしいですか?

加藤:「サービス開始3年目で11月には訪問者数で140万人、閲覧では1100万ページビューになりました。9月に100万人突破したばかりでした」。

※追記:ジモティーは一度大きなリニューアルを実施しており、現在の訪問数は実質2年弱での達成となっている。こちらに補足させていただく。

ーーここ数カ月で伸びてるんですね。

加藤:「先日めざましテレビで紹介してもらったんですが、過去は瞬間最大風速で伸びた後、そのユーザーが戻ってこなかったんです。でも、今回は放送の後にも残っていました」。

ーーユーザーのアクティブ率が上がった

加藤:「ゼロ円の不要品が2割から3割ほどあるのですが、投稿された依頼に対して24時間以内に問い合わせがあるような状況です」。

ーーちなみに北米のクラシファイドとしては「クレイグスリスト」があります。あれっていまどれぐらいの規模あるんですか?

加藤:「未だに月間で6000万訪問あるそうです。ページビューでは20億。大きいですよね」。

国内でオンラインの個人間取引はどうなる

クラシファイド(いわゆる3行広告)は、個人間での売ります買いますから人材募集、家庭教師などありとあらゆる「個人間取引」を扱うコンタクトプラットフォームだ。サービスとしてはまずコンテンツを拡充しなければ先に進まない。一方で3年かかって140万人訪問は少なく感じる。

今回のインタビューの目的でもある、国内で「個人間取引」が成立するのかどうかについて引き続き質問を続けた。

ーー世界最高峰から比較するとまだまだ少ないですが、成長は想定よりも遅いですか?

加藤:「クレイグスリストも1000万人訪問を越えるのに5年ほどかかっていますし、中国でいくつか成長しているものもやはり同じぐらいの時間がかかってます。なので、現在の成長速度も予定通りといえばそうです」。

ーーとはいっても、もう少し成長カーブに角度がついてもよさそうですよね。私は国内で完全なオープンプラットフォームでの個人間取引(C2C)というのは、まだまだいくつか乗り越えるべき壁があるんじゃないかと考えてます。例えばユーザーはプラットフォームが全てを保証してくれると考えがちです。でも実際はそうじゃない。

加藤:「確かにカスタマーサポートをしていると、ユーザーの方からトラブル時にジモティはどう責任をとってくれるんだという話もありました。なので、サイトの全てのページにプラットフォーム側ではあくまで責任はとりませんよ、という表示を徹底したりしています」。

ーー啓蒙や教育が必要。

加藤:「細かい文言を入れることで、サイト内に自浄作用って働き出すんです。通報サービスなんかを設置するとユーザーがユーザーに対して突っ込んでくれる」。

ところでジモティは当初、小野裕史氏が代表として立ち上がったIVP主導のサービスだった。どこに勝機を見出していたのか。質問を小野氏に向けた。

ーー小野さんに質問です。ジモティが立ち上がった当初は中国でクラシファイドが盛り上がりをみせている頃でした。さらに58.comは2013年10月にIPOしています。立ち上げの背景にそういう流れもあったのですか

小野:「ジモティをやるにあたって、そもそもアメリカ以外で流行るの?っていうのはやってました。中国では58.comや百姓网は伸びていました。中国で百姓网に成功の方法などについてお話を聞いたりしましたよ」。

ーー答えはあったんですか?

小野:「成長には時間がかかるなということですね。中国のサービスも2005年あたりに開始してましたから。それとああ、という気づきがあったんですが、それまでジモティは地域もカテゴリも絞っていたんです。各カテゴリの専門性を高めていたんですね。

でもクラシファイドはもっと簡単にやりとりする必要がある。リテラシのあまり高くない方々が利用されますから専門サイトにない簡素化が必要だと気が付いたんです」。

加藤:「それまではSEO主体というよりはライティングでコンテンツを集めてくる手法ですね。そこからSEOに移行するにあたってディレクトリ構造を見直したりしました。コンテンツも自転して増えていくスタイルにしなければならない。それでどういうコンテンツカテゴリかを調べたら「中古品」だと分かったので、そこに集中したり」。

話を聞いて改めて、個人間取引は正面から攻めてもそう簡単に伸びてくれない分野なのだと感じた。率直にいってジモティは苦労の途上と考えていいだろう。

しかし、小規模ながら個人間取引を必要とするユーザーは集まりつつあるし、なによりここ数カ月で少しずつ成長に角度がつき始めてもいる。取材の最後に今後の成長と、出口の見えないトンネルへの「備え」について質問した。

ーーやはり引き続き(取引)コンテンツを増やす方向ですか。

加藤:「集まっているユーザーにあったコンテンツ強化は引き続き実施します。求人系や中古品はSEO型が中心になって集められますが、教室やサービスといったものはストック型ですのでライティングで増やすことも考えています」。

ーーちなみに今の累計取引の件数ってどれぐらいあるんですか?

加藤:「終了したものも含めて数十万というイメージですね。毎日700件ほどが投稿されている状況です」。

ーー閲覧数は恐らく一般的な人でしょうからマスの戦略が必要になりますよね。

加藤:「フジテレビさん(フジ・スタートアップ・ベンチャーズ)にも出資いただいたので、テレビ方面は企画提案してる状況ですね」。

ーーお話を伺っていてやはり時間のかかるサービスだなと率直に思います。資金的な体力をどう保つのか、次の調達などについてどうお考えですか?

加藤:「現在6名ほどの体制でやっていますが、具体的に次の調達については動いているところです。ただ、できるだけ事業会社さんでこのクラシファイドを伸ばせる方との業務提携も含めた形での調達を期待したいですね」。

ーーお時間ありがとうございました。

ジモティ爆発のポイントは加藤氏がいう「自転」するコンテンツの増加に尽きるのは言うまでもない。それは言い換えれば、個人間取引を必要とし、能動的に動ける個人が動き出すかどうかともとれるのではないだろうか。そういう視点で、引き続き動向を注目したいと思う。

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#IVS Launch Pad: 美容師とカットモデルをつなぐスタートアップ「hairmo(ヘアモ)」

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 本稿は、 Infinity Ventures Summit Kyoto 2013 の取材の一部だ。 Infinity Ventures Summit in 京都のピッチの初め、hairmo(ヘアモ)が登壇した。このスタートアップの提案はユニークなものではない。見習い美容師(もしくはアシスタント)と、練習のためのカット…

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

本稿は、 Infinity Ventures Summit Kyoto 2013 の取材の一部だ。

Infinity Ventures Summit in 京都のピッチの初め、hairmo(ヘアモ)が登壇した。このスタートアップの提案はユニークなものではない。見習い美容師(もしくはアシスタント)と、練習のためのカットモデルを結びつけるというものだ。

私たちが初めてというわけではありませんが、この分野で他に成功したサービスは存在しません。

THE BRIDGE では、これまでにも同様のサービスをいくつか取り上げたことがある。

彼らは、この分野のスタートアップが直面する2つの問題を指摘した。

  1. 美容師アシスタントに対する、お客の信頼が低いこと(例えば、実際にはアシスタントではないのに、アシスタントだとウソをつく人もいる。)
  2. スムーズに予約するのが難しいこと。

hairmo はヘアサロンのネットワークをもつ企業から出資を受けており、これらの問題が解決できると主張する。このネットワークを通じ、美容師にある種の認証を与え、問題を解決しようというものだ。

もう一つの問題である予約は、シンプルなカレンダー、予約確認の手順化、料金支払の機能を持たせることで解決できるという。

hairmo は、テレビで取り上げられたことも幸いし、既に5,000人のユーザが居る。「美容師アシスタントを、一人前の美容師にしてあげたいのです。」と彼らは述べた。

この競争の激しい分野で、彼らが健闘することを楽しみにしたい。試したい人は、アプリストアでアプリがダウンロードできる。

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「創業1年半、半年で月商は倍の1億円に」ーー #IVS でファッション系会員制コマース「MUSE&Co.」が明かす成長のポイント

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2013」の取材の一部である。 IVSの会場には多くの起業家がいるので、インタビューしていたら好調なスタートアップに再会した。ファッション系フラッシュセールの「MUSE&Co.」だ。半年前に取材した際、5000万円ほどだった月商は1億円にまで伸びていた。 MUSE&Co.は2012年2月創業の会員制フラッ…

本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2013」の取材の一部である。

IVSの会場には多くの起業家がいるので、インタビューしていたら好調なスタートアップに再会した。ファッション系フラッシュセールの「MUSE&Co.」だ。半年前に取材した際、5000万円ほどだった月商は1億円にまで伸びていた。

MUSE&Co.は2012年2月創業の会員制フラッシュセールサービスで、ブランドから委託を受けた商品をタイムセール方式で会員に販売する。スマートフォンアプリが好調で、会員数は半年前時点で20万人、月商は前述の通り5000万円だった。調達の状況など詳しい内容についてはこちらの記事をご覧いただきたい。

ミューズコー代表取締役の久保裕丈氏に会場で少し時間をもらって話を聞いた。

半年で会員数と月商が倍増

ーー半年で順調に成長してるようですね。要因は?

これまではフラッシュセールだけで展開してましたが、モノを買うときってそれだけだと面白くないですよね。それでファッション関連のコンテンツ、いわゆるキュレーションコンテンツですね。それを開始したところ一気に伸びました。会員数はそこまでですが、購入率が上がりましたね。

ーーよくある施策だと思うのですが、ポイントはどこにあったと思われますか?

今はこの人がオススメしてると言った程度では響きません。名前が売れている方がいらっしゃって、そういう方を上手く出しました。

ーーセレブ系な人たちにオススメしてもらう。

ただ、消費者の方は賢明ですからいいものかどうかは見極めされます。なのでそういうセレブ系の方も人選にすごく時間をかけていて、別にモノを売らなくてもいいやっていうスタンスで、他の商品を掲載してもらってたりもします。

ーーこういった編集機能を持つとコストになりますけど、収支のバランスはどうですか。

ワークしてますね。編集機能っていってもそこまで立派なものは持ってません。外部を上手く活用してますし、ROIがどれぐらい見込めるのかということも含めてコントロールしてます。

ファミリーセール、フラッシュセールといった会員にとって、単なるコストバリューの高いサイトだけでなく、日々楽しめるコンテンツとしての側面が生まれることでここまで効果がでるとは驚きだった。

ーー具体的に出せる成長数字はありますか?

会員数ベースであれば月間で15%ずつ成長しています。アプリは月間で3万ダウンロードを続けていますし、ウェブからも毎月4万人ほどが登録してくれています。伸び率は(半年前に比べて)倍以上になってますね。

ーーブランド数や会員数はどの程度になりましたか?

ブランドが大体1000ほど、会員数は40万人になりました。

「年商50億円」とその先

ーー順調に購入が進んでいるとなると気になるのは今後の成長です。前回の取材でもお聞きしましたが、ビジネス構造的に商品点数を増やそうとするとバイヤーを増やさないといけない。その点の問題は解消されましたか?

だんだん積み上がってきてバイヤーをそこまで増やさなくても大丈夫になってきました。お付き合いのあるブランドがアセットとなって、(過去は売れ筋の商品を出してもらうための調整に時間がかかったが)外さないようになってきました。

ーーなるほど。であるとどこぐらいまで月商は伸びそうですか。

コンペティターを眺めると50億円、月商で4億円程度まではいけるかなと考えてます。

ーーそこから先にいくために何か考えていることは。

考えていることはありますよ。詳しくはお話できませんが、ひとつだけ、脱フラッシュというのはあるかなと思っています。フラッシュはお客さんを引っ張るフックとしての役割はありましたが、その先をみようとすると、定常的に「売れる」商品を提供する必要があると考えてます。

ーー急遽お時間ありがとうございました。

しっかりとユーザーを確保してビジネスも回っている状況があればコンテンツ導線はハマるということか。

ファッション関連のアイテムはテキスト検索が効きにくいので、雑誌のようなアプローチは王道とも思える。こうやって結果までついてくると、今後、逆のアプローチ(メディアがECを開始する)ことも増えてくるのではないかなと感じた。

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STORES.jpやBASEに出店してる方はヤフーにも出せばいいと思いますーー #IVS で語られたECの未来

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本稿は季節の風物詩になりつつある招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2013」の取材の一部である。 経済産業省の発表する日本のEC市場は8.5兆円、一方全体の小売り市場からみると10%を切る。色々な数字の見方があるものの、まあまだまだこれからというのは共通した認識だ。 一方でスマートフォンシフトが世の中で巻き起こり、世の中にインターネットに接続する人の流れに変化が起…

本稿は季節の風物詩になりつつある招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2013」の取材の一部である。

経済産業省の発表する日本のEC市場は8.5兆円、一方全体の小売り市場からみると10%を切る。色々な数字の見方があるものの、まあまだまだこれからというのは共通した認識だ。

一方でスマートフォンシフトが世の中で巻き起こり、世の中にインターネットに接続する人の流れに変化が起こった。新しい局面でECはどこに向かうのか。

すっかりとヤフーの人になってしまった執行役員の小澤隆生氏の話が面白かった。私が興味を持ったのは商品の発見方法、特にレコメンドだ。爆発的に増え続ける商品数は楽天では1億を越えているそうで、モノとの出会いは益々重要、かつテクノロジーが重要なキーとなるポイントになる。

モデレートを担当するインフィニティ・ベンチャーズLLPの小野裕史氏から目的の決まった「指名買い」以外の発見、ウィンドウショッピングのような偶然の出会いをネットでどのように表現するのかという質問に対して、「キュレーション、検索、レコメンデーション」という3つの方向性を示していた。

「ヤフーは検索の会社です。Googleのエンジンを使ってますけどね。テレビと検索してもでてこなかったですが、先日直りました。(レコメンドは各社提供しているが)ヤフーでどういうページを見たか、検索したかというヤフーの場合情報収集できるシーンが多いので、レコメンドの結果に違いがでてくる」(小澤氏)。

レコメンデーションはAmazonのお家芸だ。一方で多数の利用者がいるヤフーのメディア力を持ってすれば、また違う結果が出せるというのは納得がいく。

ヤフーニュースも大きくスマートフォンシフトする中、日頃触れるニュースの合間に商品がレコメンドされるようなことがあれば、ヤフーショッピングへの見方も大きく変わる可能性がある。

実際、ニューステクノロジーのGunosyはニュースの合間に新たな広告を挿入することでCVRが格段に向上するという結果も出している。

さらに続々と立ち上がるSTORES,jpやBASEといったスモールコマースについては「出店されている方はぜひそのままヤフーにも出店いただきたい」とアピールして会場を盛り上げていた。(これに限らず小澤氏の話は全て会場を笑いに包み込んでいたが)。

「STORES.jpもBASEも両方機能の提供。両方に出店したら自動的にヤフーにも出店できるようにしたい。集客の機能はヤフーが得意としている。機能とメディアの組み合わせは最高。ま、両社には何にも話してませんがね」(小澤氏)。

まあ、ヤフーと連動するかは別として、モールを持たないSTORES.jpやBASEがメディア、集客導線をどうやって確保するかというのはこれからの注目ポイントでもある。

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