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IVS 2018 Winterのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、次世代ドローン「Nextシリーズ」を開発するAERONEXTが獲得 #ivs18w

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本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa の取材の一部。 19日午前、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、次世代ドローン「Nextシリーズ」を開発するAERONEXT が優勝を獲得した。 LaunchPad の審査員を務めたのは、 仲暁子氏…

本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa の取材の一部。

19日午前、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、次世代ドローン「Nextシリーズ」を開発するAERONEXT が優勝を獲得した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 仲暁子氏 ウォンテッドリー 代表取締役 CEO
  • 千葉功太郎氏 Drone Fund General Partner
  • 木下慶彦氏 Skyland Ventures ジェネラルパートナー & CEO
  • 川田尚吾氏 DeNA 顧問
  • 山岸広太郎氏 慶應イノベーション・イニシアティブ 代表取締役社長
  • 國光宏尚氏 gumi 代表取締役会長
  • 吉田浩一郎氏 クラウドワークス 代表取締役社長 CEO
  • 堀新一郎氏 YJ キャピタル 代表取締役社長
  • 真田哲弥氏 KLab 代表取締役会長 兼 社長
  • 丸尾浩一氏 大和証券 専務取締役
  • 本田謙氏 フリークアウト・ホールディングス 代表取締役社長 Global CEO
  • Brendan Wales  Partner, e.ventures
  • Corina Birta  Executive, ITC
  • Joseph Chan/詹德弘氏 AppWorks/之初創投

なお、副賞としてファイナリスト全チームに  Freee の1年分利用権(Freee 提供)、1〜3位入賞チームに Daiwa Innovation Network 優先登壇権(大和証券提供)、優勝チームにサッポロビール1年分、2〜5位入賞チームにサッポロビール半年分(AGSコンサルティング 提供)、全社に AWS Active 3,000米ドル分(Amazon Web Services 提供)が贈られた。

【1位】Next by Aeronext

<副賞>

  • Freee 200万円相当利用権(Freee 提供)
  • スペシャルディナーご招待 with Daiwa IPO Team(大和証券 提供)
  • SibaZiba スペース利用権300万円分(SibaZiba 提供)
  • Aiptek Mobile Cinema i70、Elecom Omni shot、コワーキングスペース6ヶ月間無料利用権(NTT ドコモ・ベンチャーズ 提供)
  • TECH PLAY 利用権150万円相当(PERSOL 提供)
  • ヴィラージュ伊豆高原1組5名1泊分(住友不動産提供)
  • 「SOICO タイムカプセル ストックオプション」無料コンサルティング(SOICO 提供)
  • Amazon 本当にかなうウィッシュリスト(Amazon Web Services 提供)

AERONEXT は、次世代ドローン技術を開発するスタートアップだ。独自技術「4D Gravity」を使って、これまでに360°VR撮影用の「Next VR」、宅配専用の「Next DELIVERY」、インフラ点検や検査測量、警備、農業等に対応した「Next INDUSTRY」といった、ユースケースに最適化されたドローンを発表している。

ソフトウェアではなくハードウェア的なアプローチ、ドローンの機体を改善することで、飛行時の軸がぶれないなど安定性や高速飛行などの点で圧倒的な技術的優位性を獲得した。ユースケースのそれぞれの業界大手とジョイントベンチャーを作ることでスケールを図る。現在、マルチコプター技術を駆使した固定翼垂直離着陸機「Next VTOL」を開発中だ。B Dash Camp Fall 2018 in 福岡の Pitch Arena でも優勝

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【2位】Virtual Cast by Virtual Cast

Virtual Cast は、VR デバイスを使うことで、誰でも容易に VTuber になることができるサービスだ。現実よりも楽しい仮想現実の世界を作ることが目指している。Twitter と連動して、配信している番組へのツイートを番組内で紹介することもできる。VTuber は視聴者からギフトを送ってもらい、マネタイズすることが可能。

他の VTuber の番組に飛び込み参加ができる「凸機能」という機能が備わっており、VTuber 同士が互いの番組で掛け合いをすることも可能。HTC VIVE、Oculus Rift + Oculus Touch、Windows Mixed Reality に対応している。

【3位】MiiTEL by REvComm

RevComm の「MiiTel(ミーテル)」は、電話営業を人工知能で可視化するサービスだ。電話営業では、担当者と取引先の閉じたコミュニケーションにしてしまいがちだ。成約と失注の理由が共有できず、結果として営業活動が属人化してしまう。MiiTel を導入すると、取引先にかけた営業電話を内容を録音し解析。そのフィードバックを営業活動に反映し改善することができる。

話すスピードを取引先の担当者と合わせることを促すなど、営業トークを改善する機能も備えている。今後は、AI によるアポどりとクロージングの自動化、また、営業のみならずミーティングの最適化や経営判断の最適化なども提供したいとしている。同社は今年10月、「ビズリーチ創業者ファンド」から1号案件として資金調達している

【4位】P3 Finder by RF Locus

RF Locus の「P3 Finder(P3ファインダー)」は、RFID タグを使った高精度位置測定システムだ。一般的な RFID のユースケースでは、バーコードを使った方法に比べ、商品の入った段ボールを開梱する必要がなく、棚卸しなどが楽になる。しかし、RFID は位置精度がよくないため、どの位置にその商品が存在するのかは把握しづらい。

P3 Finder ではスマートフォンとソフトウェアを使い、スマートフォンの加速度センサーを併用した「電波位相情報時系列解析」により、開梱しない状態でも正確な商品の位置と内容を把握することができる。ピッチでは、物流ロボットやドローンと併用したシステムを披露。トヨタ自動車、大手航空会社の整備、大手アパレルなどで導入されている。

【5位】GOKURI by PLIMES

PLIMES は、筑波大学からスピンオフしたスタートアップで、加齢による飲み込み能力の低下、すなわち、嚥下機能計測を行う。首の部分に接触させたマイクを使って拾う音から嚥下が正常であるかどうかを日常的に計測でき、ユーザのリハビリの効率化を目指すウエアラブルデバイス「GOKURI」を開発している。

2,700回の嚥下を AI 学習し、その情報をもとに 97.3%の精度で嚥下を検出する技術を開発。特許を取得している。今年4月のローンチ以降、16施設1,089ユーザに利用されている。1台あたり10万円、サブスクリプション500円/月でマネタイズする。

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AILL by gemfuture

厚生労働省の調査によれば、20〜30代の正社員独身者の半数以上が恋人がいないと回答しており、その理由として、建前では「忙しい」や「恋愛のノウハウが無い」という回答が多いという。しかし実際の理由は、「恋愛で傷つきたくないから」というのが深層心理にある、と GemFuture は見立てる。成果主義が浸透し、結果が明確に見えないことに努力しづらい世相も影響しているのだろう。

GemFuture が開発した「AILL(エイル)」は、カップル間のチャットを支援する AI サービスで、好感度や告白成功確率を上げ、両者の関係性を進展させるべく AI キャラクターがナビゲートしてくれる。恋愛における心理的ハードルを下げることに特化しているのが最大の特徴。これまでに1,000人を超える会員を獲得しており、その86%が「(AI による)ナビゲートが必要」と回答した。企業への福利厚生サービスとして導入支援が決定している。

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Hubble by Hubble

Hubble は、法務ドキュメントのバージョン管理システムだ。二者間で契約書などの内容を推敲するとき、複数回にわたってやりとりが発生する。このような契約書のドラフトのやりとりが複数同時に発生したとき、どの契約書が最新版がわからなくなる。これを解決するのが、ビジネス版の GitHub だ。

Hubble は Microsoft Word を SaaS 上から呼び出し、契約書の作成過程、弁護士からの専門アドバイス、Slack や Chatwork をはじめとするサードパーティーツールとも連携する。10月にローンチし、これまでに300社から問い合わせが得られている。

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AI-CON by GVA TECH

GVA TECH の「AI-CON」は、AI を使った契約書のレビューサービス。ユーザが作成した契約書データをクラウドにアップすると独自の AI がリスク判定し、専門の法律家がレビューして改善点などを指摘してくれる。現在14種類の契約書に対応しており、弁護士に依頼する場合に比べて10分の1のコストで契約書のレビューを依頼できる。これまでの利用登録社数は約1,000社。

最近、スクラッチの契約書をレビュー依頼するのではなく、あらかじめ用意されたドラフトに基づいて契約書を作成できる「AI-CON ドラフト」をリリースした。AI-CON と AI-CON ドラフトを合わせて、利用者は2,000社。年明けのローンチを目指して、大企業向けのサービスも開発中。

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Zenport by Zenport

Zenport(ゼンポート)は、貿易業務のコラボレーションツールだ。競合各社は、物流プレーヤーをつなぐプラットフォームを開発しているのと対照的に、Zenport では輸入者と輸出者の間に入って運用することにより、双方のニーズも把握する。

アパレル、雑貨、食品など多品種小ロット業種にフォーカス。課金版を開始して半年が経過するが、すでに17社が利用している。オリコと提携し、ユーザ企業向けの短期融資サービスも提供する。

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VOX by Mashroom

VOX」は戸建や集合住宅、公共スペースへ設置し、不在時の荷物受取の課題を解決するスマートフォン制御型の宅配ボックスだ。屋内外で使用でき、盗難検出機能やマスターキー機能、荷物センサー機能を搭載。ソーラーセルによる環境電源で動作するため、電源コードがなくても利用ができる。公共スペースなどへの普及を目指し、宅配だけでなく自分専用ロッカーとしての利用なども促進する。

フードデリバリ、ネットスーパー、ボタン一つだけで商品交換可能なサービスなど、サードパーティーとのサービス連携を計画している。生活者の時間消費、束縛からの解放を狙っており、中でも特に、洗濯サービスとの連携により、汚れものを VOX に入れるだけで洗濯された衣類が返却されるサービスを展望している。

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monooQ by monooQ

monooQ は荷物預かりのシェアリングサービスで、荷物を預けたいユーザーは現在地から荷物を預ける場所を指定し、その場所を管理するホストに預ける日時を通知して予約する。具体的な受け渡しの方法はサービス内のメッセージで直接やりとりをし、その確定した内容で荷物を預ける。

決済は事前に済ませておけるほか、事前のやりとりの中で預ける荷物の写真や情報を共有しておき、預ける当日のトラブルを避けることができる。荷物の返却も事前に予約した内容でおこなう。三井住友海上と包括契約を結んでおり、保管時のトラブルの補償も得られる。イナバクリエイトと提携し、空いた土地にコンテナボックスを置き、その場所での荷物預かりサービスも提供。

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macci by Review

macci は、街の情報をもとにビジネスに活用できるサービスだ。空き地や新築建物などの不動産、求人、駐車場の状況をもとにビジネスを展開する企業は多くある。Google StreetView や Google Earth などでオンラインでも街の情報は得られるが、これらは頻繁に情報更新されるサービスではないため、その情報をもとに出店計画や営業計画を立てるのには不十分だ。

macci では主婦やシニアを活用し、街の情報を道路に沿って人海戦術による実地調査で網羅。得られた情報を集約・精査し、ユーザ企業に底k評する。情報は3ヶ月おきに更新される。

Velodash by Velodash

Velodash は、自転車競技やツーリングにおいて、自分や仲間の時間記録を管理できるアプリ。これまでの方法では、サイクリングイベントを見つけるには複数のプラットフォームを使う必要があり、グループでツーリングを企画するには6〜7つのツールを使う必要があり、また、グループ内参加者全員の走行状況を追尾・記録するには外部デバイスが必要になる。

Velodash では、これらの情報管理をモバイルアプリ一つで完結することができ、天気予報やコースの難易度レベル、リアルタイムでの走行状況、グループ間でのインタラクションなどが行える。今年4月のローンチ以来、2万ルートが登録され、イベントが5,000件主催された。

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Porker by Eco-Pork

養豚においては、種付、肥育、出荷など多くの過程が存在するが、それらは紙ベースで管理されていることが多い。Porker は、モバイルアプリを使ってそれらの情報を養豚の現場で即座にデジタルに貯めることができ、生産性成績の比較、改善点の可視化ができる養豚管理システムだ。オンラインで、担当獣医師や農場指導者に連絡し、アドバイスをもらうこともできる。

豚肉の需給予測によれば、2021年に需給バランスが崩れ需要が供給を上回り、豚肉の販売価格が高騰することが懸念されている。Prker はそれに先んじて豚肉の生産性を向上させようという試みだ。今年度中には、AI と IoT を組み合わせたサービス「Porker EVO」を開発予定。そこから得られるデータをもとに、養豚産業全般に関わるエコシステムを形成したいとしている。

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変態決済国家日本は「PayPayの10日間」をどう見たーー #IVS で語られた日本キャッシュレス化、推進のカギはどこに

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セッションサマリ:金沢で開催中の招待制カンファレンス「Infinity Ventures Summit 2018 Winter」で提供されたペイメントセッションでは、中国の先進事例との比較や日本で進まないキャッシュレスの理由などが語られた。登壇したのはLINE Pay取締役の長福久弘氏、Origamiの伏見慎剛氏、pring代表取締役の荻原充彦氏の3名。モデレートはlnfinity Venture…

セッションサマリ:金沢で開催中の招待制カンファレンス「Infinity Ventures Summit 2018 Winter」で提供されたペイメントセッションでは、中国の先進事例との比較や日本で進まないキャッシュレスの理由などが語られた。登壇したのはLINE Pay取締役の長福久弘氏、Origamiの伏見慎剛氏、pring代表取締役の荻原充彦氏の3名。モデレートはlnfinity Venturesの田中章雄氏が務めた。

セッションのポイント:2018年のフィンテックを象徴する「事件」と言えばやはりPayPay100億円還元キャンペーンですね。その影響もあってか、結果的に続いた形となったLINE Payの割引キャンペーン「Payトク」はすこぶる好調という話もありました。社会的な雰囲気というのがキャッシュレスに与える影響やこの件の是非についても後ほど。

lnfinity Venturesの田中章雄氏

さておき、日本でキャッシュレスが浸透しない理由については各所で語られている通り、現金が非常に便利だから、逆に進めるためには「お得感」が効くという調査結果も出ています。まずこの件について、日本が今置かれている状況を田中さんが綺麗に整理してくれていました。

  • クレジットカード保有はトップ3に入るのに個人消費では最下位。プレカ大好きで日本が1人5枚持っていて世界トップ。なのにキャッシュレス率は15%前後とインド以下
  • 成田エクスプレスのチケット券売機は日本発行のカードでなければ使えない。外国人が持っているApple Payは独自規格でガラパゴス化している日本では使えない
  • 中国では事業者向けの手数料が0.8%程度。対して日本の決済では3〜4%持っていかれる。マージンが10%無いようなビジネスでは半分近く持っていかれることになる。また現金化される時間も長い場合、トランザクションが発生してから45日なんていうのもある

論点としては、1:現金大国日本でユーザーにどう使ってもらうか、2:独自規格などコスト高になりがちなインフラを事業者にどう導入してもらうか、の辺りでしょうか。

日本ユーザーのキャッシュレス化はやっぱりお得が牽引

LINE Pay取締役の長福久弘氏

まず、ユーザーの利用促進についてはPayPay同様「お得感」で真正面から攻めているのがLINE PayとOrigamiです。

Origamiが17日から開始した吉野家の半額キャンペーンは会場となった金沢駅にある吉野家でも利用があったそうで、PayPay効果も手伝って「マーケット全体で資本投下が始まった。各社持ち合いながら刺激を与えることで活性化する」(伏見氏)と今後の伸びに期待を滲ませていました。

LINE Payも冒頭に書いた通り、かなりの手応えがあったそうです。

「(PayPay以前にも)キャンペーンはずっとやってきたんです。でもPayPayの10日間が終わったあとの伸びはびっくりするぐらい。一度ハードルを越えることに問題があるだけでリピートや満足度はそもそも高いんです。ユーザーがどうやったら使ってくれるかだった」(長福氏)。

ユーザー囲い込みがお得感である限り、私たち消費者にとっては嬉しい還元キャンペーンはまだまだ続きそうな予感がします。

事業者側の導入コストをどう下げるか

Origamiの伏見慎剛氏

もう一つの論点、事業者側の導入コスト問題については、分かりやすい課題として手数料があります。これは中国事例の場合、そもそも国家として上限を設けるなどコントロールが効きますが、日本は事業者間での競争が基本です。

更にQR決済の根拠となるクレジットカードブランドが海外のものであれば、その手数料率は明確な「壁」となります。Origamiはやはりそこに引っ張られる形で現在、3.25%の料率が設定されています。そこでOrigamiでは銀行と直接繋いだりチャージ方式にすることで、クレジットカード会社の「原価」に引っ張られる構造そのものを変えようと動いているという話でした。

一方でLINE PayやPringはそもそもクレジットカード紐付けをしていない「銀行口座直結型」です。こうなると事業者側に求める手数料は提携している金融機関との話し合いになりますから、融通が効きます。Pringは紐付けになっているみずほ銀行が株主でもある、ということから事業者側の手数料0.95%を実現しています。

pring代表取締役の荻原充彦氏

またLINE Payはそれ以外にアカウント課金や広告などの「LINEユーザー向けビジネス」を複合的に展開していることから、店舗手数料についても柔軟に対応できるメリットがあります。WeChat Payがまさにそのモデルですね。

PayPayキャンペーンで恩恵を受けたのは「ビックカメラ」?

日本におけるキャッシュレス推進の具体的な取り組みについて、重要な役割を果たすことになったPayPay100億円還元キャンペーンですが、これについて田中さんから興味深い比較が披露されていました。

「中国も最初はDiDi(滴滴)とかのタクシーアプリがでたときにテンセントやアリババが100億ぐらい突っ込んだんです。それと日本は何が違うか、それは恩恵を受けたのがビックカメラだったってことです。だってビックカメラって既にモバイル決済対応しているし、コンバートしてる人をさらにコンバートしたワケです。

中国は末端を変えました。タクシーに普段乗る普通の人やオフィスワーカーにまず、タクシーでWeChatを使ったら100円ぐらい還元した。

それだけじゃないんですね。乗ってる人だけじゃなく運転手にも100円還元したんです。彼らは主にブルーカラーです。キャッシュオンリーだった人がキャッシュレスに変わった。そういう意味で社会的インパクトは大きかった」。

これは納得のいく話題です。

一方でこういったインセンティブを事業者側、特に個人事業者に還元するのは日本ではなかなか難しいようです。例えばOrigamiではアパレルと組んでユーザー獲得に成功した場合、その担当者に2000円ほどの還元を試したことがあったそうです。

しかしこれは上手くいきません。個人で獲得してくれたのに、還元する先は法人になるからです。更に言えばそのインセンティブが本当に個人に渡ったかをトラッキングすることも困難になります。

逆に考えると、だからこそのビックカメラだった、とも言えます。こういったユーザー、事業者が共にメリットがあり、かつ、ネットワーク効果が生まれるようなスキームが見つかればまた大きく視界が変わる可能性が出てきます。

ということでIVSのセッションでおさらいしたキャッシュレス戦争。消費税増税とその還元というイベントも控える中で各社がどう動くのか、面白くなってきたのではないでしょうか。

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人工知能がムダな広告費85%カットに成功ーーReproがAI研究結果を公表

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ニュースサマリ:モバイルアプリ/ウェブのマーケティングツール「Repro」のAI活用が成果を出している。11月末に公表された集英社での事例では、マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」でアプリを利用しなくなる傾向のあるユーザー(以下、離脱ユーザー)を人工知能が予測。離脱前に防止策を打った実証実験について、その成果が公表された。結果として予測の誤差は10%以内に収まり、離脱防止にかかったコストは従来の手法(…

Repro代表取締役の平田祐介氏

ニュースサマリ:モバイルアプリ/ウェブのマーケティングツール「Repro」のAI活用が成果を出している。11月末に公表された集英社での事例では、マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」でアプリを利用しなくなる傾向のあるユーザー(以下、離脱ユーザー)を人工知能が予測。離脱前に防止策を打った実証実験について、その成果が公表された。結果として予測の誤差は10%以内に収まり、離脱防止にかかったコストは従来の手法(マニュアル)に比較して85%の削減に成功した。

話題のポイント:アドテクや顧客マネジメントのマーケティングオートメーション(MA)関連の話題は本誌でも度々扱ってますが、実際、どういう効率化があるのかイマイチ分からないものも多く「人工知能だ!」と声高に叫んでも、実は人手が思いっきりかかってた、なんてこともよくある話です。

その点、今回ご紹介するReproの結果は具体的でした。Repro代表取締役の平田祐介さんのお話交え、少し詳しく検証結果について紐解いてみたいと思います。

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今回実施された実験は平たく言えば、アプリを使わなくなる人を人工知能で予想して離脱を防ぐ、というものです。平田さんのお話では、従来こういった作業はマニュアルによるものが多く、「だいたい朝のこの時間にみんなアプリ使うだろうからよしプッシュだ」みたいな十把一絡げな運用が多いそうです。

「少年ジャンプ+」で実施されたのはもうちょっと細かく、アプリの再訪確率が低いユーザーを人工知能で抽出し、そのユーザーに対して特典などをプッシュ通知したそうです。面白かったのは、元々再訪率が高い(よく使っている)ユーザーは特典プッシュされてもウザいだけらしく、逆にプッシュで離脱してしまうのだとか。

repro_manga_001

そもそも離脱するはずのなかったユーザーを戻すための広告費と、無駄撃ちしていた広告をカットすることで、実に85%の広告費削減に成功した、というのはわかりやすい結果ですね。人工知能の精度について平田さんはこのように説明してくれていました。

「MAの基本は誰に対して、何を、いつ、どうやって届けるのか、です。この内、人工知能で解決できるのは「What」以外全部できそうってことが分かってきたんです。特に「Who」については9割方予測可能」(平田氏)。

なお、このプッシュ通知を打つタイミングですが、ここにも人工知能が活躍する可能性があるそうです。これは別の匿名案件の事例として教えてもらったのですが、なんと1to1でプッシュをテストしてみたそうです。

つまり、とあるユーザーは再訪時間が午前2時あたりだろう、ということを人工知能で予測して、そのタイミングでプッシュを打つ、というものです。間違ってたら深夜にビービーアプリ鳴るわけですから極めて迷惑ですよね。具体的な数値は秘密ということでしたが、こちらもすこぶるよい結果が出たそうです。実験協力してくれた企業も知名度高い大手ですのでよくこれにOKを出したなと。

一方、まだまだ難しい面も当然あります。まず、アプリとの相性があります。人工知能には予測に必要な教師データが必要になりますから、類型が他にあれば予測精度も高まります。平田さんのお話では、マンガアプリのようにReproが得意とする類型がある場合だと導入してから数週間ぐらいで予測が可能になるそうですが、全くみたこともない、奇抜なソーシャルネットワークのようなものだとやはり月単位で「慣れる」必要があるという説明でした。

Reproではこれら結果を踏まえ、人工知能による離脱予測を「SmartAudience」としてサービス化も発表しています。現在はベータ版の提供で、ユーザーの行動履歴からアプリへの再訪率を予測し、自動でオーディエンスの分類をしてくれる、というものになるのだそうです。

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エキサイトの代表取締役社長にXTech西條晋一氏が就任——社外取締役にユナイテッド会長の早川与規氏、overflow代表の鈴木裕斗氏を招聘

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本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。 今年9月、スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)が、ポータルサイト大手のエキサイトを TOB(株式公開買い付けによる買収)することを明らかにした。報道によれば、買収に要した資金は約55億円。もともと伊藤忠の子会社だったエキサイ…

左から:早川与規氏、西條晋一氏、鈴木裕斗氏

本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。

今年9月、スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)が、ポータルサイト大手のエキサイトを TOB(株式公開買い付けによる買収)することを明らかにした。報道によれば、買収に要した資金は約55億円。もともと伊藤忠の子会社だったエキサイトを XTech が引き継ぐことで組織の若返りが期待されていたわけだが、それがようやく本格始動した模様だ。

エキサイトは18日、XTech 代表取締役 CEO の西條晋一氏がエキサイトの代表取締役社長に、また、ユナイテッド代表取締役会長の早川与規氏、overflow 代表取締役 CEO の鈴木裕斗氏が社外取締役に就任すると発表した。XTech による TOB は11月末に完了しており、18日に開催される役員総会において、3名の代表取締役および社外取締役就任が決議される予定。

エキサイトが、アメリカ Excite(当時)の子会社として設立されたのが1997年8月、その3ヶ月後には伊藤忠グループ入りが発表された。その後20年以上にわたって大手商社の傘下にあったエキサイトだが、インターネットやモバイルビジネスの進展が日々そのスピードを加速する中で、「外から新しい情報を取り入れるの忘れ、ガラパゴス化してしまっている」と西條氏は語る。西條氏が早川氏や鈴木氏が社外取締役に招いたのには、そんな淀みに刺激を与える意図があるようだ。

西條氏は今回の代表取締役に先立ち、約250人いるエキサイト社員のうちの7割程度に面接を完了しているようだ。ガバナンス重視の経営が続いた影響からか、エンジニア、事業開発、営業といった直接部門より間接部門の方が人数が多くなっているとのことだが、今後、社内で人材配置を適正化するなどして、より足腰の強い組織に変えていくという。

例えば、過去の結果に注力する決算のための経理業務よりも、将来の事業見通しを展望する管理会計に重点を置く。XTech 傘下には、XTech Ventures、イークラウド、クロスマート、エキサイト、地球の歩き方 T&E などが存在するが、これら他の事業会社との協業や人材交流なども考えられるだろう。

THE BRIDGE では、西條氏が代表取締役就任にあたって社員向けに発出したメッセージを入手したので、その全文を掲示しておく。このメッセージからは西條氏がエキサイトで何をしようとしているのか、これからのエキサイトがどのように変貌を届けるのかを伺い知ることができるだろう。

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「Paktor」や「17 Media(17直播)」運営のM17 Entertainment、モバイルゲームの雄Terry Tsang(曽建中)氏らから2,500万米ドルを調達

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本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。 シンガポール拠点のデーティングプラットフォーム「Paktor」や台湾のビデオストリーミングプラットフォーム「17 Media(17直播、日本でのサービス名は「イチナナライブ」)」を運営する、ソーシャルエンターテイメントプラットフォーム M17 …

Image credit: M17 Entertainment

本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。

シンガポール拠点のデーティングプラットフォーム「Paktor」や台湾のビデオストリーミングプラットフォーム「17 Media(17直播、日本でのサービス名は「イチナナライブ」)」を運営する、ソーシャルエンターテイメントプラットフォーム M17 Entertainment は、香港拠点のモバイルゲームデベロッパ Madhead の CEO Terry Tsang(曽建中)氏がリードしたラウンドで2,500万米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドには、Pavilion Capital や Stonebridge Ventures などの投資家のほか、既存投資家数社も参加した。同社は今後2ヶ月の間に、さらなる追加調達を行う見込みだ。

M17 Entertainment は、新たに調達した資金を使って、ライブストリーマーとユーザ間の対話を改善するための、プラットフォーム拡張に向けた研究開発を行う予定。資金の一部は、アドバイザー専門家、トレーニングカリキュラムなどの提供によりライブストリーマーの成長とリーチの多様化を支援したり、ライブストリーマーの他のショービジネス分野への露出を支援したりするのに使われる。同社は、「ライブストリーマーを発掘し、トレーニングし、プロモーションするシステム手順」を構築するとしている。

M17 Entertainment の共同創業者で CEO の Joseph Phua (潘杰賢)氏は、次のように語っている。

我々は、世界中の視聴者に自分の技能を見せられるステージを提供することで、スターダムへの夢を実現したい個人に力づけたいと考えている。

コンテンツを開発・シームレスに連携することで、ライブエンターテイメントの世界を完全なものにしたい。リソースや特技の強力な礎を築き上げることで、我々はコンテンツクリエイターとユーザ間のさらなる関係性を作り出せるだろう。

同社はプレスリリースで、今年の年間売上が1億8,000万米ドルに届きそうな勢いであると説明しており、日本のライブエンターテイメント市場での好調な業績など肯定的な基調を多く見せている。

M17 Entertainment は現在、台湾、シンガポール、香港、日本、韓国、アメリカ、マレーシアにオフィスを持ち、全世界での従業員数は600人に迫ろうとしている。昨年、Infinity Ventures Partners(IVP)、Vertex、ヤフー、Golden Summit Capital、韓国 VC の KTB Ventures からシリーズ A ラウンドで4,000万米ドルを調達した。

今年6月、同社は資金調達目標を達成することができず、ニューヨーク証券取引所での IPO の試みを保留にした

【via e27】 @E27co

【原文】

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