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未来感をチャージしよう:IoT Asia 2016で披露されたクールなデバイスをチェック

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モノのインターネット(Iot:Internet-of-Things)にまつわるカンファレンスを訪れて、狼狽したり畏敬の念を抱いたりすることなくただ立ち去ることなんて、誰にもできないと思う。 Singapore Expo で行われた IoT Asia 2016も例外ではなかった。新しく発表されたどのモデルを見ても、人類がもはや引き返すことのできない地点に高速で向かっているという思いは、さらにはっきり…

Vivian Balakrishnan — シンガポール外相.人民行動党(PAP).彼はスマートネーション推進オフィス担当相でもある.Image Credit: Ying Communications
Vivian Balakrishnan氏 — シンガポール外相.人民行動党(PAP).彼はスマートネーション推進オフィス担当相でもある.Image Credit: Ying Communications

モノのインターネット(Iot:Internet-of-Things)にまつわるカンファレンスを訪れて、狼狽したり畏敬の念を抱いたりすることなくただ立ち去ることなんて、誰にもできないと思う。

Singapore Expo で行われた IoT Asia 2016も例外ではなかった。新しく発表されたどのモデルを見ても、人類がもはや引き返すことのできない地点に高速で向かっているという思いは、さらにはっきりと感じられるようになった。

でも、この不安な気持ちは何を示唆しているのだろうか?

それは、片手ではとても数えきれないほどのIoTセンサーだ。

良識ある人々は驚くかもしれない。控えめな予測に従ったとしても、シンガポールはもうすぐ IoT センサーの海に飲み込まれてしまうという。エアコンに車、電灯、オフィス、ペットや家畜にいたるまで、何もかもが IoT センサーという時代だ!

ということで、私たちの生活は着実にウェブと深く絡み合うようになってきている。私たちが行い感じる全てのことは、知ってか知らずかにかかわらず、センサーやデータ解析、広告ソフトウェアにモニタリングされているのだ。

このことは私たちにとってどんな意味があるのだろう?電波を防ぐアルミ製の服を着て、窓を閉め、ガス灯で生活するべきなんだろうか?

いや、違う。IoT Asia 2016で出会ったエキスパートたちによれば、IoT の時代は人とモノとがより良くつながれるようにするだけでなく、新しい形態のビジネスやコミュニティの発生も見られるようになるというのだ。IoT のソリューションが現実の深刻な問題や課題を解決することになる。

開会のスピーチで、Intel の東南アジア担当マネージングディレクター、Prakash Mallya 氏はこう語った。

IoT は実に衝撃的な変化の最先端にあり、ファッションやスポーツ、音楽などにその影響が見られています。IoT は消費という経験を完全に変えようとしています。

このスピーチで同氏は、IoT の威力を利用して表現力を高めている歌手、レディ・ガガの動画を紹介した。デジタル技術による衣装やメイクアップをリアルタイムで変化させ、IoT のリングでステージ上のスクリーンに投影するイメージを操作する様子が映し出された。

会場には素晴らしい IoT デバイスも展示されていた。多くは一般的な消費者向けだったが、大規模な工業用途や企業向けに開発されたものもあった。

参加者は、多国籍企業大手や大学が企画したプロジェクトに在籍する学生、政府系研究機関から支援を受けたスタートアップ企業、海外企業などと多彩だった。

ではその5点を紹介しよう。

KLÜG Home

KLUG_Home1

KLÜG Home はシンガポールのスタートアップ企業 Intraix(A*STAR が支援している)が開発した製品だ。家庭およびオフィス向けの IoT デバイスで、エアコンの使用を最適化し、消費を減らすことができる。

Intraix の共同設立者、Darrell Zhang 氏は一般の消費者を念頭に置いてデザインしたというから、カスタム化を求める愛好家やテックギークの興味は引かないかもしれない。

エアコン消費のモニタリングを開始するには、手のひらサイズの KLÜG Air デバイスをエアコン(複数でも良い)の上に置き、KLÜG Home およびスマートフォンのアプリと同期させるだけでいい。

すると5分以内にアプリが自動的に情報(累積した費用や湿度、温度など)をダウンロードする。まるでプラグアンドプレイだ。

KLÜG Air はユーザの好みを記憶し、スマートフォンアプリをエアコンのコントローラに同期させて設定を最適化させることもできる。Zhang 氏の説明によれば、Fitbit のようなウェアラブル端末と同期させることで、ユーザが睡眠週間などの情報を KLÜG Air に送ることもできるという。Amazon Echo や Apple Home Kit でも利用できるため、音声でエアコンをコントロールすることもできる。

IoT Billing Solutions

ぱっと見には魅力を感じられないかもしれないが、Selcomm が注力する IoT Billing Solutions は IoT エコシステムの要所をおさえている。

IoT や M2M システムのセンサーやメーターから収集したビッグデータの処理と決済に特化しており、企業は簡単に収益を上げることができる。これらの IoT センサーには ETC やその他の料金収集システムなどがある。

IoT Billing Solutions はデバイス管理の手順を自動化・効率化してくれる。例えば、ユーザが大きな工業用プリンタを購入した場合は、IoT センサーは自動的にプリンタの状態についてのレポートを送り、メンテナンスが必要になればサプライヤーに知らせてくれるといった具合だ。

LUX Photonics Consortium

テクニカルになり過ぎないように(実際は非常にテクニカルなので)、LUX Photonics Consortium を紹介したい。NTU(Nanyang Technological University:南洋理工大学、シンガポール)の支援を受けており、3D ディスプレイや細胞内医療用画像から環境発電まで、フォトン(光子)を利用した様々なアプリケーションを専門としている。どんなものか見てみよう。

NTU_Photonics

右上の緑の物体がわかるだろうか。私の身体の3D モデルだ。

Microsoft の Kinect Camera と複合サーマルイメージングソフトウェアを使用して、このテクノロジーは私自身の身体の興味深い統計的数値、つまり肩幅や体積、腰回りなどを教えてくれた。それも Kinect と向き合い20秒ほど回転するだけで。私の3D モデルは少し雑だが、それは「素早く回転しすぎた」ためらしく、ちょっと失敗である。

この技術は非常に幅広い分野に応用できるだろう。特に医療やファッション業界で利用できると考えられる。

Neural_fiber_optic

IoT センサーは光ファイバーのような小さなものにも設置できる。上の図が示すように、医療研究の分野で利用できる可能性は大きい。薬剤の試験では、IoT 対応の光ファイバーのプローブを被験者に取り付けることで、より効果的に被験者をモニタリングし、試験を進めることができるだろう。

Fibre_Optics1

映画『マトリックス』で世界の覇者であったマシンに似たところがあるとしても、本当にただの偶然だろう。

「Bus Lai Liao」

Bus Lai Liao」はシンガポールのスラングで「バスが到着した」という意味だ。Team Stitches による学生プロジェクトで、シンガポール国立大学の Yi Ming 氏と Kai Lin 氏、それに Ngee Ann Polytechnic(技術専門学校)の Jia Jun 氏がメンバーだ。Intel Edison Technology がサポートしている。

下の写真に写っているのが実際にバス停に設置されている IoT デバイスで、障がいを持つ人や高齢者が簡単にバスに乗れるようにしている。

BusLaiLiao

例えば、目の見えない人なら、このデバイスの点字を触って乗る予定のバスの番号を確認し、対応するボタンを押して選択する。

するとデバイスはそのバスの番号を音声出力し、その人が乗りたいと思っているバス番号(選択した番号)の次の便がこのバス停に来た時に知らせてくれるのだ。

耳の聞こえない人には、この同じ機能が画面表示で提供される。

今のところ、これを製品として販売する予定はないという。しかし Team Stitches は製品化の可能性を除外してはいない。

Intelli-Signage

Intelli-Signageは A*STAR が支援しており、IoT センサーからのターゲティング広告送信を専門としている。先進的な Age and Gender Recognition System(AGRS:年齢/性別識別システム)を備えており、対象者の性別と年齢層に基づき、関連する広告を表示してくれる。

New_Shoes

このシステムは HD ウェブカムと年齢層識別アルゴリズムだけを使って情報を引き出すことができる。標準的なライティング下において、識別の正確性は性別で80%、年齢層で75%だという。

Crowd_counting_sensor

上の写真のデバイスは群衆の数を測定するビデオ解析センサーだ。同時に複数の顔を解析することで測定を行う。数え違いを防ぐための、同じ顔を判別する機能には実に驚かされた。

結論

どれも非常に素晴らしいテクノロジーばかりだというのに、IoT はいまだ初期段階にある分野だ。誰かの発明が廃れる一方で、別の誰かは大成功する可能性がある。

「IoT はひとつの行程だ」、とは IDC Asia Pacific の副社長で Mobility and IoT 部門のトップである Charles Reed Anderson 氏によるスピーチでの言葉だ。現在もてはやされている技術のいくつかは、数年で時代遅れになってしまう可能性があるという。

ひとつ確信を持って言えるのは、IoT センサーは数年前と比べて格段に安くなっており、今後あちこちで現れてくるだろうということだ。

接続性と自動化への過剰な依存が人類の堕落に結実するかどうか、といった話は社会科学者に任せておこう。

普通に使う分には、それを享受しようじゃないか。

【via e27】 @E27co

【原文】

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