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海洋ゴミ回収の「PaWiKAN」とデング熱マッピングの「Aedes」、NASAの国際アプリハッカソンでフィリピン代表に選抜——宇宙データを活用

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アメリカ航空宇宙局(NASA)が10月18日から20日にかけてマニラで開催したコンペティション「International Space Apps Challenge」の現地予選で、フィリピンのスタートアップ2社が勝利を獲得した。 同イベントは、科学技術省のフィリピン産業・エネルギー・萌芽技術評議会(DOST-PCIEERD、Philippine Council for Industry, Ener…

アメリカ航空宇宙局(NASA)が10月18日から20日にかけてマニラで開催したコンペティション「International Space Apps Challenge」の現地予選で、フィリピンのスタートアップ2社が勝利を獲得した。

同イベントは、科学技術省のフィリピン産業・エネルギー・萌芽技術評議会(DOST-PCIEERD、Philippine Council for Industry, Energy and Emerging Technology Research and Development of the Department of Science and Technology)、Animo Labs Technology Business Incubator、PLDT InnoLab、American Corner Manila、そしてアメリカ政府と共同で開催された。

フィリピン貿易産業省の Design Center of the Philippines による Design Week Philippines の一環として行われたイベントだ。

Ocean’s 4 のチーム
Image credit: Design Center of the Philippines

1社目のスタートアップ Ocean’s 4は、PaWiKAN と呼ばれる海洋ゴミを回収する自律システムを開発した。PaWiKAN は宇宙データを利用して付近のゴミベルトを見つける。同スタートアップは、デ・ラ・サール大学(De La Salle University)の電子工学および通信工学の学生らによって設立された。

PaWiKAN は、NASA の Ocean Surface Current Analysis Real-time (OSCAR)データを利用し、GPS で海洋ゴミベルトが存在しそうな場所を特定する。ゴミを捕らえて陸地に持ち帰ることが可能なボートを、同システムは動的に再構成する。

装備された LoRa 技術と Arduino に基づくエクステンデッド・レンジ対応のラジオシステムでセンサーと通信し、システムの制御は配置ステーションで行われる。

Analytics Association of the Philippines の Industry Development Committee の議長を務める Monchito B. Ibrahim 氏は次のように語った。

世界中の海域は、実はプラスチックであふれています。これは、世界中の海で浮遊したり海中に沈んだりしているプラスチックの除去を可能にする、未来的なソリューションです。時宜にかなった適切なソリューションなのです。

Aedes のチーム
Image credit: Design Center of the Philippines

イベントで選ばれたもう1社のスタートアップ Aedes Project は、Dominic Vincent D. Ligot 氏、Mark Toledo 氏、Frances Claire Tayco 氏、Jansen Dumaliang Lopez 氏を構成メンバーとする。Aedes Project チームは、気象データやデジタルデータを活用するデング熱症例のフォーキャストモデルを開発した。衛星データを使って潜在的なホットスポットを特定する。

Copernicus: Sentinel-2 衛星と Landsat 8 衛星、気象に関しては DOST-PAGASA、そして検索エンジンのトレンドの情報を関連付け、潜在的なデング熱ホットスポットをウェブインターフェイスに表示させる。

また FAPAR(Fraction of Absorbed Photosynthetically Active Radiation=吸収された光合成活性放射の割合)や NDVI(Normalized Difference Vegetation Index=正規化差分植生指数)といった指標を利用し、植生地域を特定する。一方 NDWI(Normalized Difference Water Index=正規化差分水指数)を使って水のある場所を特定し、蚊の繁殖場所になりうる停滞水が存在しそうな場所を示す。

DOST-PCIEERD のエグゼクティブディレクター代理を務めるエンジニア Raul C. Sabularse 氏はこう語った。

コミュニティ、特にフィリピンと同じようにマラリアやデング熱に悩まされる国々の役に立つでしょう。私は、Aedes Project はグローバルにインパクトを与えることができると思います。これは、デング熱が発生しうる場所を知ることができる新しい科学です。役立つアプリです。

両チャンピオンは、世界各国のチームと共に NASA の評価を受ける。NASA は12月頭にグローバルファイナリストとしてプロジェクトを上位30位まで選び、トップ6位が2020年1月に発表される。

勝者は2020年に、フロリダ州にある NASA のケネディ宇宙センターに招かれる予定。

昨年は iNON チームが、インターネット接続のない環境下でも科学的データを漁業従事者に伝えるため、NASA のシチズンサイエンスプラットフォームを活用したアプリケーションを開発した。

チームは同プロジェクトで、フィリピン人として初めてグローバル大会で勝利を収めた。彼らのプロジェクト ISDApp は、現在 Animo Labs がインキュベーション中だ。

【via e27】 @E27co

【原文】

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