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契約書から稟議書まで、手軽でシンプルな電子契約クラウド「SignTime」がローンチ——Shizen Capitalからシード調達も

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DocuSign や CloudSign をはじめとして電子契約のプラットフォームは定番化しつつあるようにも思われるが、SignTime の共同創業者で CEO の Jim Weisser 氏に言わせれば、この領域はまだブルーオーシャンであるそうだ。ビジネス上の取り決めを、社外と取り交わすのであれば契約書、社内で交わすのであれば稟議書と解釈することができる。発注書などでは、承認フローに応じてその社…

Image credit: Signtime

DocuSign や CloudSign をはじめとして電子契約のプラットフォームは定番化しつつあるようにも思われるが、SignTime の共同創業者で CEO の Jim Weisser 氏に言わせれば、この領域はまだブルーオーシャンであるそうだ。ビジネス上の取り決めを、社外と取り交わすのであれば契約書、社内で交わすのであれば稟議書と解釈することができる。発注書などでは、承認フローに応じてその社の何人かの担当者のハンコが押印されていて、稟議と契約を兼ね備えたものもある。

日本には3,000万人のオフィスワーカー、ナレッジワーカーがいる。そこで取り交わされる契約書や稟議書の仕組みは、まだデジタルに処理されることを想定したものにはなっていない。SignTime が提供するのは、誰もが使える電子契約クラウド。個人ユーザであっても手軽かつ安価で使え、そのユーザビリティは1分以内で使えることを目指している。(Weisser 氏)

Weisser 氏は20年以上にわたり日本で活動を続けるシリアルアントレナーだ。90年代のインターネット黎明期には、伊藤穰一氏が日本代表だった古参最大ティア1 ISP の一つ PSINet で、Weisser 氏は同社が買収したプロバイダ TWICS の事業統合の責任者を務めていた。その後いくつかの企業を経て、2006年に PBX(内線電話交換機)クラウドの PBXL を創業し BroadSoft(のちに Cisco が買収)に事業売却。昨年、起業家であり投資家でもある Jonathan Siegel 氏と共に SignTime を創業した。

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Weisser 氏がこれまでに自身が手がけてきたのは、事業規模の大小にかからず企業が必要とするツールの数々だ。ユニファイトコミュニケーション、セキュリティ、ビデオカンファレンス、そして、次に必要と思われるものが契約管理を効率化する仕組みだと考えた彼は、SignTime の開発に取り組むことにした。電子契約のプラットフォームにおいては、そこで取り交わされた契約内容が法的根拠を持つことも重要だが、SignTime ではむしろそれ以前に、約束事を記録する習慣づくりに重きを置いているように見える。

どの程度の法的根拠となることを期待するかは、現在のところ想定しているのは、まずメールとやりとりと同じレベル感だ。双方が約束事を交わしたことを記録に残せることが重要で、手書きしたようなサインを残せるのも SignTime の特徴だ。(執行役員 坂柳裕亮氏)

SignTime の説明によれば、さまざまな種類の契約書を電子契約で完結させられる環境が整うまでには、法整備の関係から、あと数年はかかるだろうという。まずは、口約束やメールでのやりとりに留まっていた、ラフな約束事をデジタルに記録・管理することを習慣化することで、不必要なトラブルを避けることに焦点を当てるようだ。

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SignTime は昨年からβ運用を始めており、これまでに1万件の書類がプラットフォーム上でやりとりされているという。

SignTime はサービスのローンチとあわせて、シードラウンドで Shizen Capital から資金調達したことも明らかにした(調達額は非開示)。Shizen Capital は BRIDGE にも時々寄稿してくれる Mark Bivens 氏によるファンドで、1月にはライブコマースやソーシャルコマースのためのアプリ「RONGO LIVE」を開発・運営する RONGO に出資したのが記憶に新しい。

インフキュリオン、BaaSや次世代カード発行PF強化で24億円超を調達——JPインベストメントなど複数社から

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各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオンは、直近のラウンドで新たな資金調達を実施したことを明らかにした。このラウンドは JP インベストメントと三菱 UFJ キャピタルが共同リードし、セレス(東証:3696)、TIS(東証:3626)、凸版印刷(東証:7911)、りそな銀行、大日本印刷(東証:7912)、マネーフォワード(東証:3994)が参加した。インフキュリオンはこれに先立ち、複数の…

インフキュリオン 代表取締役 丸山弘毅氏
Image credit: Infcurion

各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオンは、直近のラウンドで新たな資金調達を実施したことを明らかにした。このラウンドは JP インベストメントと三菱 UFJ キャピタルが共同リードし、セレス(東証:3696)、TIS(東証:3626)、凸版印刷(東証:7911)、りそな銀行、大日本印刷(東証:7912)、マネーフォワード(東証:3994)が参加した。インフキュリオンはこれに先立ち、複数の金融機関に新株予約権社債を発行しており、これらを含めた調達額総額は24億円超。

インフキュリオンの資金調達は、昨年実施した NTT データ(東証:9613)からのものを最後に明らかになっていない。フォースタートアップスが運営する「Startup DB」が登記簿情報などを参考に推計したものによると、明らかになっているものだけで累積調達金額は8億円を超えている(今回ラウンドを除く)。また、INITIAL によるとクラウドキャストイジゲンStockOsidOri など10社ほどのスタートアップにも出資している。

インフキュリオン・グループは JCB 出身者4名が中心となり2010年に設立された。同社では調達した資金を使って、BaaS プラットフォームサービス「ウォレットステーション」や次世代カード発行プラットフォームサービス「Xard(エクサード、昨年、Kyash から事業譲受)」の機能強化を図るとともに、新サービスの企画・開発を加速させ、日本における「Embedded Finance」を推進するとしている。

via PR TIMES

ノーコードで現場をデジタル化、「カミナシ」がシリーズAで約11億円調達——ALL STAR SAAS FUND、Coralから

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現場改善プラットフォーム「カミナシ(以前は KAMINASHI)」を開発・運営するカミナシは4日、シリーズ A ラウンドで約11億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ALL STARS SAAS FUND(BEENEXT が運営するファンド)と Coral Capital など。 ALL STARS SAAS FUND と Coral Capital の両者は、共にシードラ…

カミナシ代表取締役の諸岡裕人氏(中央)、今回のラウンドに参加した投資家の皆さん。
Image credit: Kaminashi

現場改善プラットフォーム「カミナシ(以前は KAMINASHI)」を開発・運営するカミナシは4日、シリーズ A ラウンドで約11億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ALL STARS SAAS FUND(BEENEXT が運営するファンド)と Coral Capital など。

ALL STARS SAAS FUND と Coral Capital の両者は、共にシードラウンドに続くフォローオン出資(シードラウンドでは、それぞれ BEENEXT と 500 Startups Japan として)。なお、シードラウンドを含めて累計調達額や約12.7億円であるとのことから、2018年のシードラウンドから今回のシリーズ A ラウンドまでの間に、約1.2億円を調達していることが推定できる。

カミナシは2016年12月の設立(当時の社名はユリシーズ)。代表取締役の諸岡裕人氏の実家は航空機の機内食製造工場を営んでおり、諸岡氏のここでの体験から KAMINASHI が生まれることになった。当初は、食品工場をターゲットに、食品の安全を担保するための煩雑な帳票記録をデジタル化することを意図して開発されたが、現在ではさまざまなサービスに利用されているという。

「カミナシ」のレポート結果
Image credit: Kaminashi

当初は食品工場で通用すると思って作ったサービスだが、飲食チェーンでは HACCAP 取り始めたら記録が必要になる、病院では施設巡回の際に必要になる、といった具合に多くの現場で必要になることがわかり、(当初の Vertical SaaS)ではなく Horizontal SaaS に転じて展開してきた。

紙だと記録する行為が形骸化してしまう(例えば、結果を反映せずに○やチェックを記入敷いてしまうなど)が、カミナシだとユーザが選んだ回答に応じて、それ以降の質問を動的に変化させることができる上、間違った入力には NG を出して是正措置のマニュアルを表示することもできる。記録が3クリックで終わる上、自動的にレポート化なされるので、導入現場からは ROI を算出しやすくなった、と言われる。(諸岡氏)

以前は「食品工場の〝紙記録ゼロ〟を目指す」というタグラインだったが、現在はさまざまな現場で「ROI のみならず、教育コストなども考え、標準作業を現場の皆が対応できるようにしようよ」というメッセージで販売しているという。いわゆるノーコードツールであるためシステム部門の関与が不要となり、導入現場には3ヶ月間で7回のオンボーディング機会をカミナシから提供する。

カミナシ側ではカスタマサクセス部門で進捗状況を可視化し、その内容を導入企業の総務部門などに定期的にフィードバックしている。手厚いフォローアップが受けて、現在では、ホテル、飲食チェーン、スーパーをはじめ、サービスの正式開始から8ヶ月で14業界の70社に導入されている。月次140%で成長を続けており、これは日本のトップ SaaS に匹敵するスピード。(諸岡氏)

カミナシでは今回調達した資金を使って、生産工程に代表される、より複雑度の高い現場業務フローのデジタル化の推進、IoT センサー、AI などの最新技術との連携、他の現場向けサービスとの API 連携などを実現するとしている。

本田圭佑氏も支援するアジア教育オンライン化のManabie、ベトナム事業強化で300万米ドルを調達——Do、ジェネシア、千葉道場らから

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日本の教育をベトナムにもたらすことを目指すベトナムのスタートアップ Manabie は1日、Do Ventures、Genesia Ventures、千葉道場などの投資家から300万米ドルのシード調達ラウンドをクローズしたと発表した。これは、昨年4月に行われた、ジェネシアー・ベンチャーズがリードし、プロサッカー選手の本田圭佑氏をはじめとする著名なエンジェルが参加した480万米ドルの投資ラウンドに続…

Image credit: Manabie

日本の教育をベトナムにもたらすことを目指すベトナムのスタートアップ Manabie は1日、Do Ventures、Genesia Ventures、千葉道場などの投資家から300万米ドルのシード調達ラウンドをクローズしたと発表した。これは、昨年4月に行われた、ジェネシアー・ベンチャーズがリードし、プロサッカー選手の本田圭佑氏をはじめとする著名なエンジェルが参加した480万米ドルの投資ラウンドに続くものだ。

今回調達した資金は、Manabie の技術プラットフォームを強化し、ベトナムでの学校プレゼンスをさらに強化するために使用されると、同社の広報担当者は e27 にメールで回答した。

本間拓也氏と Christy Wong 氏によって2020年1月に設立された Manabie は、日本の質の高い教育の要素をベトナムに持ち込むことを目指すオンラインプラットフォームだ。同社は、オンラインとオフラインの学習を融合させた運営モデルでそれを実現することを目指しており、オンラインベースの教育の効率を最大限に高めることができるという。

また、ベトナム全土の高校生がオンラインで学習できるモバイルアプリ(ローンチ後1年で35万ダウンロードを突破)のほか、ホーチミンシティには5つの学習センターがあり、個別のカウンセラーによる指導を受けられるようになっている。

Manabie によると、こうしたカウンセラーは日本をはじめとする先進国の教育システムの特徴だという。カウンセラーは、大学受験やキャリア選択のための目標設定の指導、各学生の目標に合わせてカスタマイズされた学習計画の作成、学生のモチベーションを維持するためのアドバイスなど、重要な役割を担っている。

Manabie のプラットフォームは、人工知能と機械学習を活用して、各学生の能力と特定のニーズを認識し、個人に合わせた学習プログラムを設計することを可能にする。

私自身が日本で学び、働いてきた経験から、日本の教育文化が非常に規律正しく自立した個人を生み出すことにいつも感銘を受けてきた。Manabie は優れた実行力を持っており、世界から高く評価されている日本の教育の質をベトナムに持ち帰ることができる。(Do Ventures ジェネラルパートナー Manh Dung Nguyen 氏)

Manabie の2021年の計画について、CEO の本間氏は次のように語った。

ベトナムはエデュテックにとってチャンスのある市場であり、ベトナムの親たちは子供の教育への投資に大きな関心を寄せてい流。Manabie は、ベトナムの学生のための新しい教育方法の形成に貢献したいと考えている。我々は、学習者コミュニティにポジティブな影響を与えるために、リーズナブルなコストでユーザ体験を向上させることに焦点を当てて、Manabie モデルをスケールアップしていく。

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【via e27】 @E27co

【原文】

物流向け自動搬送ロボット開発のLexxPluss、インキュベイトF・SOSV・住商からシード資金を調達

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神奈川・川崎を拠点とする LexxPluss は3日、インキュベイトファンド、SOSV Investments、住友商事からシードラウンドで資金調達したと発表した。同社にとっては初めての外部からの資金調達。SOSV Investments と住友商事は、ハードウェアアクセラレータ HAX の東京チャプターである HAX Tokyo を共同で運営していることで知られる。Lexx Plus は Hax…

Image credit: LexxPluss

神奈川・川崎を拠点とする LexxPluss は3日、インキュベイトファンド、SOSV Investments、住友商事からシードラウンドで資金調達したと発表した。同社にとっては初めての外部からの資金調達。SOSV Investments と住友商事は、ハードウェアアクセラレータ HAX の東京チャプターである HAX Tokyo を共同で運営していることで知られる。Lexx Plus は Hax Tokyo 第2期から輩出された。なお、今回シードラウンドでの調達額については明らかにされていない。

<参考文献>

阿蘓将也氏
Image credit: LexxPluss

LexxPluss は2020年、ドイツの自動車部品メーカー大手 Bosch 出身の阿蘓将也氏により創業。阿蘓氏は Bosch で自動運転開発に携わり、自動バレットパーキングシステムやコネクティッドカーの開発に従事した。LexxPluss 以外に、自動運転と強化学習に特化したオープンなモビリティ開発コミュニティ「Deep4Drive」の代表も務めている。

LexxPluss が取り組むのは、物流倉庫や製造工場向けの自動搬送ロボットだ。Amazon 倉庫の資料映像でよく目にする Kiva をはじめ世界には多くの自動搬送ロボットメーカーが存在するが、阿蘓氏によれば、日本の物流倉庫の8割ほどはロボット自動化による検討すら着手できておらず、その原因の一つは人と協調できるロボットが少ないことではないかという。

人と協調する自動搬送ロボットとは何か? 例えば、それは人が欲しいところに、ピタッと欲しいものを持ってきてくれるロボットだ。安全性や効率性も向上するため、協調性の高いロボットは、自動搬送ロボット業界における差別化要素になる。

自動搬送ロボットを開発する企業は、ロボットを開発するハードウェアデベロッパと、それを制御するソフトウェアデベロッパに役割が分かれているが、LexxPluss ではその両方を一貫して手がけている。また、自動搬送ロボットは AGV(軌道走行型)と AMR(自動走行型)に大別されるが、LexxPlus のそれは AGV と AMR のハイブリッドで、現場のあらゆるニーズに対応できるという。

Bosch での経験から、物理的な課題に対して、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみで解決できるものはなかった。メーカーの開発したロボットを買ってきて実装するだけでは、顧客のニーズに合わないことが多いこともわかった。その経験から、ソフトウェアとハードウェアを一貫して手がけることにした。

顧客の用途に合わせて必要な機能を使えるようにしているが、特に AGV ではプラスマイナス1センチ以下で制御できるようにしているのは当社独自の技術。AGV は作業を続けているとズレていってしまうことがあるが、そうならないようにオペレーションができる。(阿蘓氏)

2020年10月、「Incubate Camp 13th」でピッチする阿蘓氏
Image credit: Masaru Ikeda

ハードウェアとソフトウェアを一貫して提供することで、ビジネスモデルにも柔軟性が生まれる。LexxPluss が目指すのは、自動搬送ロボットは製造開発原価に近い形で顧客に提供し、それを制御するソフトウェアや費用対効果を分析しさらなる作業効率化を促せるクラウドの利用料などのランニングコストで収益を上げる構造だ。導入コストの平準化だけに依存しない RaaS(robot as a service)モデルとして興味深い。

SOSV が展開する HAX は深圳を拠点に、世界中からハードウェアスタートアップを招聘している。LexxPluss では今回の SOSV からの資金調達を受け、自動搬送ロボットの世界展開を視野に入れる。SOSV は HAX 以外にも、バイオ関連特化アクセラレータの IndieBio(サンフランシスコ)、上海拠点の Chinaccelerator(中国加速)、モバイル特化アクセラレータ MOX(台北)、分散型サービス及びブロックチェーン特化アクセラレータ dLab などを運営している。

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宮崎の農業スタートアップAGRIST、シリーズAで6社から資金調達——自動収穫技術で世界展開視野に

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから 〈3日11時更新〉当該件にデットが含まれない旨が判明。タイトルを7社→6社に修正し、訂正線部削除。 宮崎を拠点とするアグリテックスタートアップ AGRIST は3日、シリーズ A ラウンドで資金調達を実施したことを発表した。このラウンドに参加したのはドーガン・ベータ、宮崎太陽キャピタル、ENEOS イノベーションパート…

ピーマンを検出する AI
Image credit: Agrist

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

〈3日11時更新〉当該件にデットが含まれない旨が判明。タイトルを7社→6社に修正し、訂正線部削除。

宮崎を拠点とするアグリテックスタートアップ AGRIST は3日、シリーズ A ラウンドで資金調達を実施したことを発表した。このラウンドに参加したのはドーガン・ベータ、宮崎太陽キャピタル、ENEOS イノベーションパートナーズ、宮銀ベンチャーキャピタル、ジャフコグループ(東証:8595)、インキュベイトファンド、及び、名前非開示の地域金融機関一社からのデットファイナンス

これは、同社にとって2019年に実施したシードラウンドの続くものだ。今回シリーズ A ラウンドの調達金額は明らかにされていないが、INITIAL によれば、シリーズ A ラウンド後の同社バリュエーションは16億円超であるため、数億円程度と見られる。

農林水産省の統計によると宮崎県はピーマン国内生産量の5分の1を占める。AGRIST はそんな人口17,000人の街・宮崎県新富町で2019年で創業した。創業者の齋藤潤一氏は、新富町役場が2017年に設立した地域商社「こゆ財団」の代表理事を務め、ライチの開発、移住者や起業家の誘致などで注目を集めるなど地域プロデューサーとして知られる。(BRIDGE で取り上げた2019年の九州・山口ベンチャーマーケットでは、新富町の緑色のシャツを着て審査員を務めていた)

斎藤潤一氏
Image credit: Agrist

AGRIST では農業の人手不足を解決する AI と収穫ロボット「L」を開発している。完璧なパフォーマンスが実現できるものの高価なロボットではなく実用的なシステムを目指し、ビニルハウスの中で平坦でない土壌の上でなく、空中に張ったワイヤを使って移動できる収穫ロボットを地元のピーマン農家らと開発した。ロボットに備わったカメラからの画像認識により、収穫を完全自動化する。

AGRIST は今年から農産物の収穫率を高めるOS「agriss」の開発に着手する。BRIDGE のインタビューに応じた斎藤氏は、L を agriss と組み合わせることで、データドリブンなロボットに成長させていきたいと話した。

世界中の農業の収穫率を上げたい。ロボットを導入してもらう農家が増えることで世界中からデータが集まるようになり、それを元に収穫方法をさらに改善していけばそれが可能だ。

これを将来は、日本だけでなく中国やアフリカなど食糧問題を抱える地域でも動かせるようにしたい。世界の農業を日本の農業が変える、そして、その源は地方のビニルハウスの近くで作られているという事例は、これまであまりなかった。

AGRIST は、今回ラウンドの出資者の一つである ENEOS イノベーションパートナーズの親会社 ENEOS ホールディングス(東証:5020、提携時は 旧称 JXTG ホールディングス)と営農型発電事業の開発で協業している。これは、農作物生産地の上部空間に太陽光発電設備を設置し、発電もしながら AI が自動的に収穫率を上げるパッケージの開発を目指すものだ。非電化地域での農業や SDGs ビジネスの開発にも貢献が期待される。

AGRIST は IVS 2020 Online「LaunchPad」で3位及びプルータス・コンサルティング賞に入賞。2020年度の「スマート農業実証プロジェクト」に採択され、6人の農家と収穫ロボット6台を活用した稼働実証を開始している。ピーマン生産地として知られる茨城県神栖市でピーマン自動収穫ロボットの実証実験を開始したほか、埼玉県深谷市が主催する「DEEP VALLEY Agritech Award」を受賞し、同市できゅうり自動収穫ロボット導入する予定。また、「JA アクセラレータープログラム 第2期」にも選出された。

UNITE、インサイドセールスを短期間でプロセス化するサービスを事業化

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コロナ禍のテレワーク拡大から注目を集めるインサイドセールス。この分野では、「MiiTel」を開発するレブコムやベルフェイスといったスタートアップの評価が鰻登りだ。しかし、MiiTel や bellFace のようなツールを導入しても、その日からインサイドセールス環境が整うとは限らない。テレワークでは社員間の意思疎通も限られるし、経験や勘に頼った営業活動は機能しづらい。 UNITE 代表の上田啓太氏…

コロナ禍のテレワーク拡大から注目を集めるインサイドセールス。この分野では、「MiiTel」を開発するレブコムやベルフェイスといったスタートアップの評価が鰻登りだ。しかし、MiiTel や bellFace のようなツールを導入しても、その日からインサイドセールス環境が整うとは限らない。テレワークでは社員間の意思疎通も限られるし、経験や勘に頼った営業活動は機能しづらい。

UNITE 代表の上田啓太氏
Image credit: Unite

UNITE 代表の上田啓太氏は身をもって営業プロセスの必要性を痛感した一人だ。彼は新卒で入った会社でハードな営業活動に翻弄され、ある日、心労がたたって通勤に向かう地下鉄駅で気絶してしまう。体力・気力だけでは営業成績の向上に結びつかないことを悟った上田氏は、スマートキャンプの扉を叩いた。同社では、インサイドセールス代行「BALES」の開発や販売に従事した。

その後、別のスタートアップを1社経て、2018年に UNITE を設立。この会社で手掛けたのは、大企業からスタートアップまで大小さまざまな営業チームの改革だ。

売上を追いかけている人自らは、プロセスを見るのは難しい。そこで我々が外から入って現場を把握し、その最適解を提供する。これまでに20社以上やってみて、中には1年8ヶ月にわたって継続してもらっている会社もいるほど高い評価が得られた。

ポイントとなるのは、プロセスを作ることと、営業する人の流れ。誰がいつまでにどういう対応するのか、どういうスクリプトを喋るのか、現場の人と一緒に作って実行していく。(上田氏)

ただ、ここまでで見ると、今ひとつスタートアップ的ではない。既に事業は黒字化しているとのことなので需要はあるのだろうが、営業プロセスのコンサルティングを提供するファームは他にもあるし、売上を増やすためには顧客を増やす必要があり、顧客を増やすためにはコンサルタント(社員)を増やす必要があるので、スタートアップ的なスケーラビリティの可能性は見出しにくい。

そこで UNITE が今年から取り組み始めたのがインサイドセールスのプロセス化だ。業種や規模によって違いがあるかもしれないが、プロセス化の過程を何らかの形で標準化できたり、自動化できたりすれば、インサイドセールスする人々の養成システムでスケールできる可能性も広がる。

事業の解像度と、人の解像度が高い会社でないとインサイドセールスのプロセス化は成功しない。今年はいろんな企業のプロセス化をこなし、成功の可能性を一定以上に引き上げるということを通して、我々のサービスの再現性を高いものにしていきたい。(上田氏)

インサイドセールスのプロセス化が実現できれば、オンラインで販売可能な B 向け商材は、百戦錬磨の営業パーソンでなくても、極端な話、営業活動に従事した経験の無い学生でも良い成績を出せるかもしれない。インサイドセールスのバイブルやツールが揃ってきたところで、次はその実装をこのスタートアップが担おうとしている。

FAQの検索UX向上で問い合わせ数削減に貢献、「Helpfeel」開発のNotaがシリーズBで5億円を調達

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京都を拠点とするスタートアップ  Nota は2日、シリーズ B ラウンドで5億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは One Capital が務め、Salesforce Ventures、博報堂 DY ベンチャーズ、パーソルプロセス&テクノロジーが参加した。公表されている限りでは、Nota にとって2014年11月以来の調達となる。 Nota は IPA(情報処理推進機構)…

左から:One Capital 浅田慎二氏、Nota 洛西一周氏、Salesforce Ventures 細村拓也氏
Image credit: Nota

京都を拠点とするスタートアップ  Nota は2日、シリーズ B ラウンドで5億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは One Capital が務め、Salesforce Ventures、博報堂 DY ベンチャーズ、パーソルプロセス&テクノロジーが参加した。公表されている限りでは、Nota にとって2014年11月以来の調達となる。

Nota は IPA(情報処理推進機構)の「未踏」プログラマ洛西一周氏が2007年に創業。2014年には、Apple iPhone のフリック入力を開発したことで知られる増井俊之氏(現在、慶應義塾大学環境情報学部教授)を CTO に迎えた。これまでに、画像キャプチャを他者と共有できるサービス「Gyazo」、Wiki 的なコンテンツを作成できる CMS「Scrapbox」などを開発している。

2019年10月から展開している検索型 FAQ SaaS「Helpfeel(ヘルプフィール)」は、Nota にとっては初の B2B サービスだ。さまざまな Web サービスで用意されている FAQ を取り込み、その検索性を向上させることで問い合わせ数が従来の6割まで減ったところもあるという。ユーザが投入した質問に対するキーワードを最大50倍まで幅を広げる技術を使い、尋ね方やタイプミスなどがあっても的確な答に誘導してくれる。

これを可能にしているのは、増井氏が発明した独自アルゴリズム「意図予測検索」で、入力された単語からユーザが聞きたい質問を予測提示したり、関連する記事を探索することを可能にしている。キーワードがその単語でズバリヒットしていなくても、必要としている回答にたどり着くことができるので、その結果、問い合わせ対応やコールセンターのオペレータの稼働も抑えることができる。

「Helpfeel」
Image credit: Nota

コールセンターに電話をしてくるユーザは、FAQ を検索せずに電話してきているわけではない。実際、ユーザの多くはコールセンターの電話番号をネットで検索して電話してきている。わからないこと、尋ねたいことの答に FAQ で辿り着けていないだけ。(洛西氏)

Helpfeel を使えば、サービス運営側のオペレーションコストが下がるだけでなく、ユーザの満足度も向上させることができる。Helpfeel から誘導させる FAQ は従来からサイトにあるものをクローリングして作成することも可能だが、ユーザがより的確な答に辿り着きやすいようにするため FAQ づくりのコンサルティングも Nota では提供している。

銀行や EC サイトなどが相性がいいのかと思いきや、現ユーザ40社中公表可能な企業名を見てみると、伊予銀行、17LIVE、ヤフー(PayPay フリマ)、AHB、ネットプロテクションズ、ディー・エヌ・エー 、ホワイトプラス、ミラティブ、みんなのマーケット、HENNGE 、リクルート、ベルフェイス、お金のデザイン、ニュートン、パーソルテンプスタッフ、シロカなど多彩な顔ぶれだ。

新型コロナウイルスの影響でコールセンター需要が高まっており、コールセンターの人材を確保が難しくなっているという現状も Helpfeel にとっては追い風だ。スタートアップ界隈では B2B SaaS が大きな一つのトレンドだが、カスタマーサクセスなどとあわせて必須となる問い合わせ機能を Helpfeel で充実させられれば、サービスのスケールに大きく寄与するだろう。

学校・塾・法人向けAI英語学習アプリ「TerraTalk for Educators」、GIGAスクール構想追い風に登録者数25万人を突破

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英語学習アプリ「TerraTalk」や API サービス「LINGOS(リンゴース)」を開発するジョイズは1日、同社の学校・塾向け AI 英語学習アプリ「TerraTalk for Educators」のサインアップ数(教師+生徒の人数)が累計25万人を超えたことを明らかにした。文部科学省が2019年に打ち出した、ICT を基盤とした先端技術を学校教育に取り入れる構想「GIGA スクール構想」が追…

Image crediit: TerraTalk

英語学習アプリ「TerraTalk」や API サービス「LINGOS(リンゴース)」を開発するジョイズは1日、同社の学校・塾向け AI 英語学習アプリ「TerraTalk for Educators」のサインアップ数(教師+生徒の人数)が累計25万人を超えたことを明らかにした。文部科学省が2019年に打ち出した、ICT を基盤とした先端技術を学校教育に取り入れる構想「GIGA スクール構想」が追い風となった形だ。

TerraTalk は2014年10月、イギリス気象庁やソニー出身の柿原祥之氏により設立。インキュベイトファンドが当時運営していた「Fellow Program」から輩出され、2016年2月に独自開発の発音・発話解析エンジンを使った発話量と発音矯正を提供するアプリ「TerraTalk」をローンチした。これまでに、シードラウンドで1.5億円、シリーズ A ラウンドで約2億円を調達している。

TerraTalk for Educators は、学校・塾・法人などで組織単位の導入を図ることを想定したサービスだ。同社は2018年頃から学校・法人向けの導入プラン開発を加速させており、昨年には800機関への導入が完了していることを明らかにしていた。NEC の教育クラウドプラットフォーム「Open Platform for Education」教育系図書流通会社などの連携が功を奏したと見られる。

GIGA スクール構想とは、児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想。端末はもとより、ネットワーク、クラウド、教育用のアプリケーションやコンテンツの整備が急がれている。TerraTalk for Educators はここに学校で採用が進んでいるようだ。

2020年から小学校では3年生から英語教育が必修化されているが、これらの授業では発音矯正の手助けとして ALT(Assistant Language Teacher)が授業の一部を支援することがある。外国人のネイティブスピーカーが多い ALT はコロナ禍で採用が難しくなっており、また、コロナ以前から ALT だけに依存しない英語教育が求められる中で、TerraTalk for Educators への期待は高まっていた。

TerraTalk は ALT の代わりにはならないが、生徒にスピーキングの機会を与える。発音のフィードバックについて言えば、ALT よりも安価に提供できる。教師が新しいスキルセットが求められるようになる中、IT の支援でそれを補完できるようになってきた。教科書連動コンテンツが用意された TerraTalk for Educators が受け入れられているのは、そういう理由からだろう。(柿原氏)

4月の新学期を前に、自治体から学校の TerraTalk for Educators 登録が相次いでいるのが現在の状態。GIGA スクール構想により各学校にデバイスが行き渡れば、生徒のデバイス保有率は、世間のスマートフォンの普及率を凌駕することから、ジョイズはもとより、スタートアップ各社が学校向けのサービスが作りやすくなる点で期待は大きい、と柿原氏は語った。

遠隔接客サービス「RURA(ルーラ)」運営、約1.8億円をシード調達——JAFCO、HIRAC FUND、VOYAGE Vから

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遠隔接客サービス「RURA(ルーラ)」を開発・運営するタイムリープは1日、シードラウンドで約1.8億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ジャフコグループ(東証:8595)、HIRAC FUND、VOYAGE VENTURES。 タイムリープは2019年、ロボットドットインフォの創業メンバーで、同社を売却したロボットスタートで取締役兼メディア編集長を務めた望月亮輔氏により創業…

タイムリープのメンバー
Image credit: Timeleap

遠隔接客サービス「RURA(ルーラ)」を開発・運営するタイムリープは1日、シードラウンドで約1.8億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ジャフコグループ(東証:8595)、HIRAC FUND、VOYAGE VENTURES。

タイムリープは2019年、ロボットドットインフォの創業メンバーで、同社を売却したロボットスタートで取締役兼メディア編集長を務めた望月亮輔氏により創業。ホテル・商業施設・シェアオフィス・小売業などの受付をオンライン化できる遠隔接客サービスを開発している。システムだけでなく、対応する人も合わせて提供可能で、複数拠点をまとめて少人数で対応できることが特徴だ。

例えば、ビジネスホテルのフロントなどでは省人化のために自動チェックイン機が導入されているが、結局、不慣れなユーザはホテルの人を呼ぶことになり、期待したほどの人件費圧縮には貢献しないことがある。RURA を通じて説明対応できる体制を整えれば、時間帯の繁閑にかかわらず複数拠点を少人数で見ることが可能になり、1拠点あたり時給換算で最安350円からカバーできるという。

RURA のメリットはコストだけではない。システム端末には動体検知機能が備わっているため、客から呼び出されるだけでなく、客が近づいてきたら、RURA 越しにオペレータから声をかける能動的なアプローチも可能だ。ホームセンターなどでは、個別の商品知識を持つ社員は限られることもあり、店頭に RURA を置くことで、複数店舗横断で顧客対応を可能にしている事例もあるという。

遠隔接客サービス「RURA」。昨秋には、ケイアイスター不動産(東証:3465)の無人モデルルームにも導入されることが明らかになっていた
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システムだけを提供するものとと、システムと遠隔スタッフをあわせて提供するものと、2つのメニューがある。システム単体での利用に関する問い合わせが多いのが現状だが、サービス開始から6ヶ月で、これまでに200社以上から問い合わせをもらっている。(望月氏)

世の中にコールセンターや BPO といった業態が生まれてから、おそらく50年程度が経過している。コールセンターの誕生は、後にテレマーケティングや通信販売をはじめとした、さらに多くの業態を生み出すことにつながったが、従来からの店頭でのやりとりを置き換えるものには繋がっていなかった。

タイムリープでは、ユーザ企業に代わって RURA での応対を代行するスタッフを擁しており、顧客のニーズに合わせて人材のアサインが可能だ。対応業態によって、ギグワーカーの活用も可能だろう。国内のみならず、カナダ、アメリカ、オーストラリアなどからタイムゾーンを超えて働いているスタッフもいるとのことで、新たな経済・雇用生態系を作り出しているのは興味深い。

この分野には、Draper Nexus と DEEPCORE が支援する UsideU といったスタートアップのほか、テレイグジスタンスに注力する全日空も、これまでに東急百貨店らと協力し遠隔でのショッピング体験を披露したことがある。タイムリープでは今後、RURA を自動精算機などとも連携できるようにすることで、店頭体験の多くを包括的に提供できる仕組みを構築したいとしている。