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ライドシェア保険から紐解くインシュアテックの今(2/2)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載。Universe編集部と同社のInvestment Group、Directorの皆川朋子氏が共同執筆した。 コラボレーションの必要性 (前回からのつづき)ではこういった業界の大きな変化は誰が担うべきなのだろうか。 事例で挙げたBuckleはライドシェアに目をつけ、大手プラッ…

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載。Universe編集部と同社のInvestment Group、Directorの皆川朋子氏が共同執筆した。

コラボレーションの必要性

「Insure as a Service」を展開するドイツのELEMENT

(前回からのつづき)ではこういった業界の大きな変化は誰が担うべきなのだろうか。

事例で挙げたBuckleはライドシェアに目をつけ、大手プラットフォームと保険企業も巻き込み事業拡大を目指している。大手はなぜここを総取りできなかったのか。

実は国内でも大手保険会社はすでにシェアリング向けのサービスを展開している。東京海上日動火災保険は2017年にいち早くシェアリング関連の自動車保険の販売を開始している。

他方、オンデマンドのような新しい業態の到来や、査定の自動化などにおけるビッグデータのリアルタイム活用には、従来の保険システムでは対応しきれない場合がほとんどだ。かといって重厚長大な既存システムを大幅に変更するには年単位の時間とコストがかかり、大手は機敏に動けない。例えば「スマホ対応」と言っても、簡単にできるようなものではないのだ。

こういった足回りの問題で単独での展開が難しい場合、やはり候補として挙がるのはコラボレーションの方向性になる。

例えば、グローバル・ブレインが支援するドイツの「ELEMENT」は保険サービスに必要な機能をモジュールのようにして提供する「Insure as a Service」を展開しているのだが、先頃、三井住友海上火災保険と提携したことを公表している。これにより今後、多様化する保険商品の開発を加速させる効果が期待されている。

今後を占うP2P保険

ライドシェア保険をきっかけに、インシュアテックにまつわる領域を説明してきた。最後にP2P保険についても言及しておきたい。

グローバルでは米Lemonade、中国アリババグループの相互宝、日本ではjustInCaseが展開している新しい保険のスキームだ。加入者の誰かが被保険者となった場合、加入者でそのリスクを分担する仕組みで、justInCaseのわりかん保険では、加入者の誰かががんになった時、契約者全員でその保険金を「わりかん」する。

justincaseの提供する「わりかん保険」

「わりかん保険」では、一般的な保険料の毎月・前払いではなく、前月にがんになった人の数で支払う金額がきまる仕組みで、対象者がいなければ保険料を支払う必要はない。今後もP2P保険のように、全く新しい形の保険サービスは増えてくるだろう。

ライドシェア保険から紐解くインシュアテックの今(1/2)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載。Universe編集部と同社のInvestment Group、Directorの皆川朋子氏が共同執筆した。 2019年にMcKinseyが発表したレポートによると、2012年以降のインシュアテック(保険テクノロジー領域)への合計投資額は100億ドルに上るという。また、Acc…

Photo by Andrea Piacquadio from Pexels

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載。Universe編集部と同社のInvestment Group、Directorの皆川朋子氏が共同執筆した。

2019年にMcKinseyが発表したレポートによると、2012年以降のインシュアテック(保険テクノロジー領域)への合計投資額は100億ドルに上るという。また、Accentureの別レポートでは、86%の保険会社が競争力を維持するためにイノベーションを加速させる必要があると答え、87%がもはや業界は直線的ではなく指数関数的な成長を見せていると回答している。

保険業界を大きく変えるインシュアテックで今、何が起こっているのか。グローバル・ブレインでは国内P2P保険を手掛けるjustInCaseに昨年投資をしているが、この領域での知見をいくつかのポイントに整理してみたいと思う。

オンデマンド経済が変えた保険のあり方

昨今の保険業界に大きな影響をもたらすキーワードとして「オンデマンド経済」と「ビッグデータ」が挙げられる。まずはオンデマンド経済と保険の関係性から紐解いていきたい。

日本でUberEatsのようなオンデマンド配達サービスが流行っているように、スポットで短時間だけ働ける環境が整いつつある。すると、従来の保険とは違うスキームが必要とされてくる。世界的にはライドシェアが最たる例であろう。

8月に3,100万ドルの調達を発表した「Buckle」というスタートアップは、ライドシェアを利用するドライバー向けに保険を提供している。従来の保険会社が年齢や運転歴などの要素を考慮するのに対し、Buckleはライドシェアの評価なども考慮に入れて柔軟な保険プランを提案しているのが特徴だ。

シェアリング市場は日本でも様々な領域で広がっている。多数拠点の居住サービスや留学生向けの民泊、キャンピングカーやヨットといったものまでシェアの考えは浸透し始めている。

これは何を意味するのか。シェアは所有に比較して稼働する時間が少ない。一方、不特定多数が利用することのリスクも高まる。また、シェアというのはオンデマンドとセットになっている。つまり「より細分化された柔軟な保険」に対するニーズが高まっていた、ということが市場背景として考えられる。

ちなみに国内では、2006年に施行された少額短期保険(いわゆるミニ保険)によって、こういった新しい経済圏に対して保険が対応しやすくなったことも付け加えておく。

ビッグデータで変わる保険業界

justInCaseの「スマホ保険」はセンサーデータからスコアを算出

もうひとつの視点で重要なのがビッグデータの存在だ。保険とデータは相性がよい。

自動運転車に対して保険サービスを提供する「Avinew」もこのトレンドに合致するだろう。自動運転技術はデータの宝庫だ。どの道をどんな天候で選ぶのかによって事故の発生率が事前予測しやすくなった現代では、データで保険料を変動させることができる。

スマートフォンの保険を展開するjustInCaseの場合、スマホの各種センサーを活用したデータスコアリング(安全スコア)を計測している。ユーザーがどのような使い方をしているのかをデータから割り出し、より個人に最適化されたカタチの保険提案を実現している例だ。

また、医療・ヘルスケアデータの活用も注目される領域だ。従来の医療保険では基礎疾患や過去の疾病履歴により加入できない場合があるが、例えばウェアラブルデバイスを装着することで生体データを取得したり、食事内容をモニタリング・記録するなど、疾患を予防できる日々のエビデンスを得ることにより加入対象を拡大できる可能性が広がる。

もう一点、ビッグデータの活用と並び、保険業務そのもののデジタル化の影響も大きい。

例えば昨今発生した感染症拡大の問題で、変わらざるをえなかったのが対面契約のあり方だ。非対面での営業活動が長期化する中、テレビ電話やLINEなどのチャットで保険の説明を完結させる流れが徐々に生まれつつある。

海外の事例では火災保険なども、書類提出プロセスがデジタル化されていたり、衛星写真から家の写真を撮影して、その場で保険料を自動計算できたりと効率化が進んでいる例もある。

こういったプロセス自体の効率化においても、スタートアップ参入の間口が広がることもインシュアテックを語る上で重要な視点になろう。(次につづく)

 

インシュアテックのjustInCase、パートナー企業8社からP2P保険「わりかん保険」を発売

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東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は28日都内で記者会見を行い、同社が開発してきた P2P 保険「わりかん保険」の発売を始めると発表した。justInCase は保険の販売にあたり、既に顧客チャネルを持つ企業との提携により B2B2C で消費者にリーチすることで、justInCase 自体は保険商品を中心とした新規事業開発に経営資源を集中する戦略を取ることを…


東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は28日都内で記者会見を行い、同社が開発してきた P2P 保険「わりかん保険」の発売を始めると発表した。justInCase は保険の販売にあたり、既に顧客チャネルを持つ企業との提携により B2B2C で消費者にリーチすることで、justInCase 自体は保険商品を中心とした新規事業開発に経営資源を集中する戦略を取ることを明らかにしていた

今回、わりかん保険の販売で提携するのは、アドバンスクリエイト(東証:8798)、SBI 日本少額短期保険、クラウドワークス(東証:3900)、新生銀行(東証:8303)、チューリッヒ少額短期保険、ディー・エヌ・エー(東証:2432)、日本生命保険、LINE Financial の8社。justInCase の販売代理店となるケースや、justInCase へのオンライン送客などが中心。世界的に好況なバンカシュアランス(保険会社以外の金融会社による保険商品販売)を意識した顔ぶれとなっている。

今回の販売提携先のうち、新生銀行、SBI 日本少額短期保険、LINE Financial とは、それぞれのグループの投資関連会社にあたる新生企業投資、SBI インベストメント、LINE Ventures から justInCase は先月実施したシリーズ A ラウンドで資本参加を受けている。LINE Ventures は、2018年6月のプレシリーズ A ラウンドにも参加していた。

設立以来、justInCase では、シェアリングエコノミーの概念を保険に応用した「P2P 保険」という分野を開拓してきた。昨年、金融庁からサンドボックス認定を取得し P2P 保険を本格的に提供できるようになったのを受け、がん保険の分野で「わりかん保険」をスタートさせている。「P2P 保険特約」のような形で契約を付帯することで、既存のがん保険より低価格になり、保険料は後払いとなることが特徴だ。

なお、今回のわりかん保険に関する8社との提携による販売開始にあたり、justInCase は会社ロゴも刷新した。

インシュアテックのjustInCase、シリーズAラウンドで約10億円を資金調達——B2B2Cでの顧客獲得を狙い、事業会社連携を強化

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東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は9日、シリーズ A ラウンドで約10億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには新規投資家として伊藤忠商事(東証:8001)、グローバル・ブレイン、ディー・エヌ・エー(東証:2432)、新生企業投資、SBI インベストメント、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)、Coral Capital(前 500 St…

6日、都内で開催された justInCase 3周年の記念パーティーで。
最前列でバナナの着ぐるみに入っているのが、CEO の畑加寿也氏。
Image credit: justInCase

東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は9日、シリーズ A ラウンドで約10億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには新規投資家として伊藤忠商事(東証:8001)、グローバル・ブレイン、ディー・エヌ・エー(東証:2432)、新生企業投資、SBI インベストメント、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)、Coral Capital(前 500 Startups Japan)、LINE Ventures が参加した。

justInCase にとっては昨年6月に実施したプレシリーズ A ラウンドに続く調達で、GCP、LINE Ventures は前回ラウンドに続くフォローオン出資。Coral Capital はシードから通算でラウンド3回皆勤での出資参加となる。今回の調達を受けて、justInCase の累積調達金額は約12億円に達した。同社では調達した金額を、人材採用の拡大、大企業とのパートナーシップ強化のためのインフラ構築、新規事業開発の加速を中心に使うとしている。

justInCase は2016年、保険数理コンサル大手 Milliman 出身で ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)などリスク管理サービスを保険会社に提供してきた畑加寿也氏(現 CEO)、資産と負債の双方のモデリングやデータ解析に従事してきた小泉洋夫氏(現 CTO)、大手広告会社でデータサイエンティストとして広告ビジネスプラットフォームの開発に従事してきた那須川進一氏(現 CFO)らにより共同設立。

6日、都内で開催された justInCase 3周年の記念パーティーで。
Image credit: justInCase

設立以来、justInCase では、シェアリングエコノミーの概念を保険に応用した「P2P 保険」という分野を開拓してきた。昨年には少額短期保険業者登録を受け、P2P 保険をのコンセプトを擬似った「新スマホ保険」をローンチ。今年に入り、金融庁からサンドボックス認定を取得し P2P 保険を本格的に提供できるようになったのを受け、がん保険の分野で「わりかん保険」をスタートさせている。「P2P 保険特約」のような形で契約を付帯することで、既存のがん保険より低価格になり、保険料は後払いとなることが特徴だ。

justInCase は保険の販売にあたり、マーケティングコストをかけて直接消費者にリーチすることは考えていない。既に顧客チャネルを持つ企業との提携により B2B2C で消費者にリーチすることで、justInCase 自体は保険商品を中心とした新規事業開発に経営資源を集中する。

保険会社以外の金融会社による保険商品販売(バンカシュアランス)が好況の中、今回のラウンドに新規に参加した投資家の多くが金融や小売流通の企業であるため、justInCase 商品の販売チャネルとして期待は高い。事実、ほけんの窓口グループの主要株主は伊藤忠商事であり(24.2%10月29日現在、57.7%)、コンビニ大手ファミリーマートは言うまでもなく伊藤忠商事の子会社である。新生企業投資と SBI インベストメントもそれぞれ、新生銀行グループや SBI グループ傘下で既存の自社金融サービスと justInCase が持つ技術との融合に意欲を示している。

インシュアテックのjustInCase、金融庁からサンドボックス認定を取得——名実ともにP2P保険の提供が可能に

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<6日午前11次更新> 那須川氏の役職を訂正。 東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は6日、成長戦略に向けた新技術の社会実装のための「規制のサンドボックス制度」の適用を受け、金融庁から事業者認定を受けたことを明らかにした。内閣官房の公開する認定プロジェクト一覧によれば、インシュアテックスタートアップとしては唯一とみられる。 今回の措置を受けて、justInCa…

Image credit: justInCase

<6日午前11次更新> 那須川氏の役職を訂正。

東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は6日、成長戦略に向けた新技術の社会実装のための「規制のサンドボックス制度」の適用を受け、金融庁から事業者認定を受けたことを明らかにした。内閣官房の公開する認定プロジェクト一覧によれば、インシュアテックスタートアップとしては唯一とみられる。

今回の措置を受けて、justInCase は向こう1年間にわたり、P2P 保険の提供が名実共に可能になる。同社は「わりかん保険(仮称、商標登録中)」の名前でこのサービスを開発中で、近日中にサービスをローンチする計画だ。

P2P 保険はこれまで前例が無いとの理由から、日本国内でのサービスの運用には制約があった。この制約を回避するために、justInCase ではこれまでに関東財務局から少額短期保険業者としての登録を受け、P2P 保険のコンセプトを擬似的に実現する形でサービスを提供してきた。

少額短期保険業者の登録は2017年3月に開始し、467日かけて昨年登録が完了。そこから、サンドボックス認定を受けるまで、さらに500日を要した。今回のサンドボックス認定により、justInCase は名実共に P2P 保険を提供可能な状態に漕ぎ着けたことになる。

一般的に、P2P 保険では友達同士や同じリスクに対する保険に興味のある集団(プール)で保険料の拠出を行い、このプールから保険金が支払われる仕組みを採用している。P2P 保険は、従来型の保険に比べリスク算出がしやすく、従来できなかった保険商品が開発しやすい、保険金詐欺やモラルハザードの問題が発生しにくい、(キャッシュバックなどで)事後的に保険料を安く抑えられる、などのメリットがある。

justInCase が今回、P2P 保険を適用するのは「がん保険」の分野だ。がん保険に「P2P 保険特約」のような形で契約を付帯することにより、この部分が共済のような形で機能する予定。既存のがん保険より低価格が実現され、保険料は後払いとなることが特徴だ。

P2P 保険の分野には、今年4月にソフトバンクビジョンファンドらからシリーズ D ラウンドで3億米ドルを調達した Lemonade、香港大富豪の李嘉誠氏の投資会社 Horizons Ventures(維港投資)などから1,500万米ドル以上を調達したベルリンのスタートアップ Friendsurance などがある。

ただ、justInCase が目指す P2P 保険のカタチについて、現在あるものとしては、Alibaba(阿里巴巴)傘下の Ant Financial(螞蟻金融) が昨年リリースした「Xianghubao(相互宝)が最も近いだろう」と、justInCase CEO の畑加寿也氏は語っている。Xianghubao は AliPay(支付宝)ユーザ向けの P2P 保険サービスで、加入にあたっては、ユーザの SNS での言動、購買記録、支払情報などを元にした「Sesami Credit Score(芝麻信用分)」で650点以上が必要になる。

justInCase は2016年、保険数理コンサル大手 Milliman 出身で ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)などリスク管理サービスを保険会社に提供してきた畑加寿也氏(現 CEO)、資産と負債の双方のモデリングやデータ解析に従事してきた小泉洋夫氏(現 CTO)、大手広告会社でデータサイエンティストとして広告ビジネスプラットフォームの開発に従事してきた那須川進一氏(現監査役)らにより共同設立。これまでに累計で1億9,500万円を調達している。

<参考文献>

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インシュアテックのjustInCase、少額短期保険業者登録を受けローンチへ——500 Startups Japan、GCP、LINE Venturesらから1.5億円を調達

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【29日午前10時更新】「P2P 保険」に関する一部記述を修正。 東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は先ごろ、関東財務局から少額短期保険業者としての登録を受けたことを発表した。これを受けて同社は、7月1日をメドに少額短期保険業の開業を開始する。また、開業に伴い、これまでテスト提供していた「スマホ保険アプリ」に代わり、機能拡充した新アプリ「ジャストインケース」…

Image credit: justInCase

【29日午前10時更新】「P2P 保険」に関する一部記述を修正。

東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は先ごろ、関東財務局から少額短期保険業者としての登録を受けたことを発表した。これを受けて同社は、7月1日をメドに少額短期保険業の開業を開始する。また、開業に伴い、これまでテスト提供していた「スマホ保険アプリ」に代わり、機能拡充した新アプリ「ジャストインケース」を AppStore 上に7月1日から公開する。新アプリには、スマホ保険アプリの機能に加え、今後、新たな種類の保険機能が追加されていく見込みだ。

また、同社は新たな資金調達を実施したことも明らかにした。調達ラウンドはプレシリーズ A ラウンド相当で、500 Startups Japan、グロービス・キャピタル・パートナーズ、LINE Ventures などから総額1億5,000万円を調達した。同社はこれまでに合計で(シードラウンド1回目2回目)4,500万円を調達していることを明らかにしており、今回の調達を受けて累計調達額は1億9,500万円となる。

新アプリ「ジャストインケース」の画面
Image credit: justInCase

新アプリで提供される「新スマホ保険」では(従来からテスト提供してきた「旧スマホ保険」と区別して、こう呼んでいる)、どれだけスマホを丁寧に取扱っているかをスコア化した安全スコアを日々測定。保険期間3ヶ月を通じて測定した安全スコアにより、更新後3ヶ月の保険料に更新時保険料割引を適用する。保険金請求が無かった場合は更新時保険料を平均で30%割引し、安全スコアが高くリスクが低いユーザーには、30%よりもさらに大きな割引を提供するとしている。

justInCase が目指すのは、シェアリングエコノミーの概念を保険に応用した「P2P 保険」という分野だ。ただし、現行法令上「P2P 保険」のそのままの運用には制約があるため、同社ではこのコンセプトを擬似的に実現する形を採用した。

一般的に、P2P 保険では友達同士や同じリスクに対する保険に興味のある集団(プール)で保険料の拠出を行い、このプールから保険金が支払われる仕組みを採用している。P2P 保険は、従来型の保険に比べリスク算出がしやすく、従来できなかった保険商品が開発しやすい、保険金詐欺やモラルハザードの問題が発生しにくい、(キャッシュバックなどで)事後的に保険料を安く抑えられる、などのメリットがある。

今回、擬似的な P2P 保険は日本初の試みであり、アプリベースで完結する保険事業という特性上、justInCase では監督当局の許認可を得るのに時間を要したとしている。実際には、少額短期保険業者の登録を2017年3月に開始し、6月25日に登録が完了するまでに467日がかかった。

P2P 保険の分野には、これまでに1,060万米ドルを調達している Sure、昨年末にソフトバンク、GV(Google Ventures)、Sequoia Capital、Allianz から1.2億米ドルを調達した Lemonade、香港大富豪の李嘉誠氏の投資会社 Horizons Ventures(維港投資)などから1,500万米ドル以上を調達したベルリンのスタートアップ Friendsurance などがある。

インシュアテックのjustInCase、500 Startups Japanと青柳直樹氏から資金を調達——P2P型「スマホ保険」の先行サービスをローンチ

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【7日16:30更新】 赤字部を加筆し、訂正線部を削除 東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は7日、500 Startups Japan と、元グリー CFO でメルカリの金融事業子会社メルペイの代表取締役である青柳直樹氏から資金を調達したと発表した。青柳氏は個人投資家としての参画で、今回のラウンドは前回シードラウンドのフォローオンと見られる。justInCa…

前列左から:小泉洋夫氏(justInCase CTO)、畑加寿也氏(justInCase CEO)、那須川進一氏(justInCase CFO)
後列左から:James Riney 氏 (500 Startups Japan 代表兼マネージングパートナー)、青柳直樹氏、澤山陽平氏(500 Startups Japan マネージングパートナー)
Image credit: justInCase

【7日16:30更新】 赤字部を加筆し、訂正線部を削除

東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は7日、500 Startups Japan と、元グリー CFO でメルカリの金融事業子会社メルペイの代表取締役である青柳直樹氏から資金を調達したと発表した。青柳氏は個人投資家としての参画で、今回のラウンドは前回シードラウンドのフォローオンと見られる。justInCase にとって、500 Startups Japan からは二度目の調達となる。justInCase は、前回および今回の個別調達金額を明らかにしていないが、今回の調達を受けた昨年からの累積調達金額が4,500万円に上ることを確認した。

同社が最初のプロダクトとして準備を進めている「スマホ保険」は、スマートフォンユーザ向けの故障時の修理代負担保険サービスだ。AI アルゴリズムを利用してユーザの行動パターンを解析、各ユーザ毎にリスク評価することで最適な保険料でのサービス提供を実現する。結果的に、アップルケアや大手通信キャリアがスマートフォンユーザに提供する保険料よりも安いサービスとなる。

スマホ保険
Image credit: justInCase

同社はスマホ保険の正式サービス開始に向け、保険業法の適用除外規定(業法第2条)の適用を受けた少額短期保険業者としての登録に向け関東財務局と調整を進めているが、正式サービスのローンチに先立ち、保険業法の適用除外規定(業法第2条)を活用し、事前登録者への招待制先行サービスを本日から開始した。

少額短期保険業者登録完了後は、先行サービスが正式サービスに移行する見込み。なお、法律適用の制約などにより、正式サービスの商品性や保険料条件などは、先行サービスのそれらと異なる可能性が生じる。

スマホ保険は、シェアリングエコノミーの概念を保険に応用した「P2P 保険」に分類され、友達同士や同じリスクに対する保険に興味のある集団(プール)で保険料の拠出を行い、このプールから保険金が支払われる仕組みを採用している。P2P 保険は、従来型の保険に比べリスク算出がしやすく、従来できなかった保険商品が開発しやすい、保険金詐欺やモラルハザードの問題が発生しにくい、(キャッシュバックなどで)事後的に保険料を安く抑えられる、などのメリットがある。

P2P 保険の分野には、これまでに1,060万米ドルを調達している Sure、昨年末にソフトバンク、GV(Google Ventures)、Sequoia Capital、Allianz から1.2億米ドルを調達した Lemonade、香港大富豪の李嘉誠氏の投資会社 Horizons Ventures(維港投資)などから1,500万米ドル以上を調達したベルリンのスタートアップ Friendsurance などがある。

<関連記事>

AIで保険を最適化するjustInCase、500 Startups Japanからシード資金を調達——スマホ故障の修理代を負担する「スマホ保険」をローンチへ

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東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は16日、500 Startups Japan からシードラウンドで資金調達を実施したことを明らかにした。調達額は開示されていないが、数千万円程度と見られる。 justInCase は2016年、保険数理コンサル大手 Milliman 出身で ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)などリスク管理サービスを保険会社に…

左から:澤山陽平氏(500 Startups Japan マネージングパートナー)、Takuo Nakamura 氏(justInCase SEOエンジニア)、那須川進一氏(justInCase CFO)、畑加寿也氏(justInCase CEO)、小泉洋夫氏(justInCase CTO)、飯沢邦之氏(justInCase デザイナー)、James Riney 氏 (500 Startups Japan 代表兼マネージングパートナー)
Image credit: justInCase

東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は16日、500 Startups Japan からシードラウンドで資金調達を実施したことを明らかにした。調達額は開示されていないが、数千万円程度と見られる。

justInCase は2016年、保険数理コンサル大手 Milliman 出身で ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)などリスク管理サービスを保険会社に提供してきた畑加寿也氏(現 CEO)、資産と負債の双方のモデリングやデータ解析に従事してきた小泉洋夫氏(現 CTO)、大手広告会社でデータサイエンティストとして広告ビジネスプラットフォームの開発に従事してきた那須川進一氏(現 CFO)らにより共同設立。CTO のみならず、CEO や CFO も技術者というテクノロジードリブンなチームメンバーで構成される。

スマホ保険
Image credit: justInCase

同社が最初のプロダクトとしてローンチ予定の「スマホ保険」は、スマートフォンユーザ向けの故障時の修理代負担保険サービスだ。AI アルゴリズムを利用してユーザの行動パターンを解析、各ユーザ毎にリスク評価することで最適な保険料でのサービス提供を実現する。結果的に、アップルケアや大手通信キャリアがスマートフォンユーザに提供する保険料よりも安いサービスとなる。

この分野は大手保険会社が提供しないニッチな市場であるため、新たな保険需要を生み出し、既存事業者とも協業関係を築くことが可能。justInCase では、少額短期保険業者登録に向けた調整を関東財務局と進めており、2018年の正式サービス開始を目指すとしている。また本日より、正式サービス開始に向けた事前ユーザ登録が justInCase のウェブサイト上で開始された。

スマホ保険の細かい仕様については明らかになっていないが、ユーザの行動パターン解析に加え、アメリカにおける同様の保険サービス Sure のような、保険加入時や保険金請求時にスマートフォンの自己診断が行えるアプリが提供される可能性が考えられる。創業3年目の Sure は、今年に入ってからのシリーズ A ラウンドをはじめ、これまでに合計1,060万ドルを投資家から調達している。

保険料の算定に AI アルゴリズムを利用しているわけではないが、広義において、日本におけるこの種の個人向けのオンデマンド保険の分野では、今月から Warrantee が「Warrantee Now」を開始しているほか、Trov の日本市場参入が期待されている