BRIDGE

タグ KDDI ∞ Labo

KDDI ∞ Labo企業連合46社、スタートアップ各社アセット提供へーー新規商材開発や協業加速ねらう

SHARE:

KDDIが提供するオープンイノベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」は7月30日、スタートアップとの協業促進を目的とした新たな支援企画を公開した。 名称は「MUGENLABO支援プログラム 2020」で、協業を求めるスタートアップに対し、パートナーとして連携する企業46社が保有する施設や開発環境、専門分野に関するデータなどのアセットを提供する。 これにより新規商材の開発や、技術採用事例など…

kddi_mugen
「KDDI ∞ Labo」パートナー連合46社(同社リリースより)

KDDIが提供するオープンイノベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」は7月30日、スタートアップとの協業促進を目的とした新たな支援企画を公開した。

名称は「MUGENLABO支援プログラム 2020」で、協業を求めるスタートアップに対し、パートナーとして連携する企業46社が保有する施設や開発環境、専門分野に関するデータなどのアセットを提供する。

これにより新規商材の開発や、技術採用事例などの創出につなげるのが狙い。協業を希望する企業は登録フォームから必要な情報を送付する必要がある。申し込みに関する費用は無料。各社の提供するアセットについても同ページに記載されている。

この第一弾事例として、KDDIは直営店において来店者の体温測定や店内の混雑度を検知する展示デモの設置を予定する。AIソリューションを提供するIdeinが伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と共同で開発した対応検知デバイスで、発熱者を検知すると画面に表示されるもの。

KDDI ∞ Laboは2011年に始まったスタートアップの成長を支援するアクセラレーションプログラムで、これまでに83社の未公開・新興企業の成長や協業を支援してきた。大企業との共創(オープンイノベーション)を特徴としており、KDDIをはじめパートナー連合との具体的な事業創出を支援している。今年8月からは企業とスタートアップがディスカッションできる窓口として渋谷にて「MUGENLABO Café」を開始する予定。こちらも参加には事前のエントリーが必要となる。

via KDDIニュースリリース

----------[AD]----------

未来を創るCVCーーエコシステムの拡大、仮想化に挑戦したKDDI∞Laboの「今」

SHARE:

\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回・2回目・3回目・4回目・5回目・6回目) ソラコムの買収 3年前の夏、朝一番にあるニュースが飛び込んできた。KDDIによるソラコムの子会社化だ。発行済み株式の過半数を取得するため、KDDIが支払った金額は約200億円。2010年…

soracom
ソラコム代表取締役の玉川憲氏(2017年・筆写撮影)

\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回2回目3回目4回目5回目6回目

ソラコムの買収

3年前の夏、朝一番にあるニュースが飛び込んできた。KDDIによるソラコムの子会社化だ。発行済み株式の過半数を取得するため、KDDIが支払った金額は約200億円。2010年以降のインターネット系企業の買収案件としてはポケラボ(グリー、2012年・138億円)とチケットキャンプを運営するフンザ(ミクシィ、2015年3月・115億円)を大きく超える評価となった。

まさに、2010年以降の国内スタートアップシーンで最大規模となる買収劇は当時、多くの関係者を驚かせた。

KDDIのオープンイノベーション戦略でこれまで紐解いてきたKDDI∞LaboやKDDI Open Innovation Fund(以下、KOIF)はいずれも主なターゲットを「非通信事業」、つまりKDDI本体の主力事業とは異なる分野をターゲットにしていた。当たり前だが年間数千億円規模の利益を稼ぎ出す「本業」は鉄板であり、そこを補完するベンチャーなどそう簡単には出てこない。

しかしソラコムは全く違うアプローチで新たな市場にチャレンジしていた。それがInternet of Things(通称:IoT・モノのインターネット)分野だったからだ。彼らは通信キャリアから回線を借受けるMVNOの方式で独自のSIMカードを発行し、さらにモバイル通信をまるでクラウドサーバーのように必要なだけ利用できる「SORACOMプラットフォーム」を構築した。

KDDIとの協業は買収の約1年前、2016年10月に遡る。KDDIにソラコムの保有するコア部分を開放し、「KDDI IoT コネクトAir」の提供を開始したのが始まりだ。元々Amazon Web Serviceの日本開発担当だったチームが手掛けたサービスなだけに技術的な信頼度も高い。結果、法人向けの利用を中心に7000件もの利用社(2017年8月の買収時点)を獲得するまでに成長し、グループ入りを果たすことになる。その後も利用社はさらに拡大し(2020年3月時点で1.5万社)紛れもない国内IoTのトッププラットフォームとなった。

買収「後」から始まるオープンイノベーションとエコシステムの拡大

koif
KOIF3号のスキーム

そしてKDDIとソラコムはもうひとつの注目すべき仕掛けを用意していた。それが「ソラコムファンド」の存在だ。

2018年4月に発表された「KDDI Open Innovation Fund 3号」には特徴的なテーマが設定されていた。それが5G時代に向けた共創戦略である。これまでの1号・2号の4倍となる200億円の組成となった3号ファンドにはAI(ARISE analytics AI Fund Program)、IoT(SORACOM IoT Fund Program)、マーケティング(Supership DataMarketing Fund Program)が明確なテーマとして組み込まれた。

買収したソラコムは事業拡大だけでなく、IoT分野で5Gプラットフォームを活用したアイデアを共創する、新たなパートナーを探し出すための「顔役」にもなったのだ。同社は早速6月にIoTデバイスソフトウェアマネジメントプラットフォーム「Resin.io」や、8月にはシンガポールや台湾でsigfox通信ネットワークを提供するUnaBizへの出資を決め、ソラコムとの戦略的業務提携を実現させている。

KOIFの始まりは初代ラボ長、塚田俊文氏(現・KDDI理事)のある提案からだったそうだ。ファンド組成のきっかけをグローバル・ブレイン(以下、GB)の熊倉次郎氏はこう振り返る。

「2005年あたりですかね、当時、私たちはニフティさんと一緒にファンドの運営をしていて、その支援先の協業提案でKDDIさんにも出入りをしていたんです。そこで出会ったのが塚田さんでした。ちょうど、KDDIでコーポレートベンチャーキャピタルの新たな組成が話題として上がっていた頃です」。

それから10年。インキュベーションの企画として始まったKDDI∞Laboは、年数を重ねてKDDIがスタートアップのみならず、他業種の企業と協業・共創するプラットフォームに成長した。50億円で始まったKOIFは運用総額を300億円にまで拡大し、AI、IoT、マーケティングまでもテーマとした戦略敵投資ファンドとして存在感を発揮している。

KDDI∞LaboとKOIFが狙う協業とファイナンシャル・リターンのバランス、そしてそこから生まれる新たな事業チャンスとの出会い。その可能性はグループ全体の戦略にも影響を与えつつある。

kddilabo-640x337
バーチャルイベント「MUGENLABO DAY 2020」に登壇する高橋誠社長

ウィルスとの戦いで幕を開けた2020年

今、この原稿を執筆している2020年3月というタイミングは、あらゆる常識を疑う日々に包まれているように思う。突如として現れた「COVID-19」というウィルスが、人々を社会から完全に隔離してしまったからだ。

一方、こういった社会の否応のない変化は、新たな価値・体験のきっかけにもなる。先の不況を引き起こしたリーマンショックは、シェアやオンデマンド、クラウドのような「持たざる」新しい経済インフラ、テクノロジーを促進させることに繋がった。

KDDI∞Laboも例外ではない。3月24日、例年であれば大型のカンファレンス・ホールで1000名規模を集めて開催されるはずだったイベント「MUGENLABO DAY 2020」は、人との接触を防ぐため異例のオンライン開催を余儀なくされる。しかし転んでもタダでは起きないのがこのプログラム。単なる無観客イベントをストリーミング放送するのではなく、空間自体を仮想化するという道を選んだのだ。

バーチャル・リアリティ空間での大型カンファレンス

クラスターがスタートアップしたのは2015年7月。α版などの提供を経て、約2年後にバーチャル・リアリティ(VR)空間を自由に生み出せるソーシャルネットワーク「Cluster」を正式公開した。Cluster上には現実とは異なるオルタナティブ世界が広がり、ユーザーはそこでもう一人の自分としてアバターをまとい、様々な活動を楽しむ。

当然ながらこの世界にはウィルスは無関係だ。KDDIはリアル世界での開催が難しいと判断するや否や、Clusterを新たな会場に指定した。クラスターにKDDIが投資したのは2018年9月。シリーズBラウンド(総額4億円)で出資をした後、今年1月のシリーズCラウンド(総額8.3億円)にも続いて参加している。現在、KDDI∞Laboのラボ長を務める中馬和彦氏も社外取締役として経営に参加している。

VRならではの体験といえば一人称視点と没入感だ。OculusなどのVRヘッドセットを装着すれば、まるでそこにいるかのような体験も可能になる。ライブストリーミングだけでは不可能と言われる、リアルイベントならではのネットワーキングについても可能性が見えてくる。ただ今回は残念ながら取材という仕事があるため断念した。どうしてもヘッドマウントディスプレイを付けながら現実世界のキーボードを叩くのは難しい。

私の都合でリアルカンファレンスの体験を完全に再現するまでには至らなかったが、十分未来を感じることのできる取り組みだった。

披露された4つの事業共創プログラム

では、2011年の開始から10年目を迎えることとなった共創のプログラムはどのようなものになっているのだろうか。大枠として走るのは、5GをテーマにKDDI ∞ Laboがネットワークするパートナー連合46社とスタートアップが協業を目指す「5G for Startups」と、より具体的なテーマを盛り込んだ共創プログラムの「∞の翼」の二つだ。

共にPoC(実証実験)ではなく、企業に予算がついた事業にスタートアップの技術・アイデアが加わることで、具体的な事業化を目指すものになっている。「5G for Startups」は通年での応募が可能で、「∞の翼」については第一弾となる取り組み内容と参加スタートアップを含むチームが公開された。

p_index_02b-640x379
KDDI ∞ Labo パートナー連合46社:リリースより引用

例えばスタジアムと5Gをテーマにした共創プロジェクトには、KDDIとサッカーチーム、名古屋グランパスエイトがタッグを組んだ。利用可能なアセットとして名古屋グランパスのホーム「豊田スタジアム」が利用可能で、5G時代における新たなスポーツ観戦の体験を生み出すのが狙いだ。ここに採択されたのが2017年創業の「ENDROLL」。昨年には東京急行電鉄と協力し、渋谷の街を謎解きゲームの舞台にした「渋谷パラレルパラドックス」を発表するなど、現実世界をテクノロジーで拡張する新進気鋭のAR(拡張現実)スタートアップだ。

KDDIの持つ5Gインフラと技術、グランパスの持つファンベースとスタジアム、ENDROLLが仕掛けるARエンターテインメント・テクノロジー。これらを掛け合わせることで、来場するサッカーファンたちにゲームだけでない、新たなテーマパーク的体験を提供するのが狙いだそうだ。3社はこれから年末の本格導入に向けて開発・テストを開始する。その他にもコミュニケーションや商業施設、テレビの合計4つの共創テーマが発表され、それぞれ取り組みを開始している。

企業のオープンイノベーションに必要とされるもの

これまで6回に渡ってKDDIのオープンイノベーション戦略を紐解いてきた。戦後復興の昭和に始まった成長神話は絶頂バブルを生み、ゆるやかに下り坂に入った平成を経て令和の今、企業には自前主義ではなし得ない新たな成長戦略が求められるようになった。その焦燥感にも似たうねりが、2010年から始まった企業によるスタートアップ投資や協業・オープンイノベーションという文脈なのだろうと思う。

各社は先行する企業を見様見真似でファンドを立ち上げ、筆者も数多くの取り組みを取材してきた。しかしそこには残ったものと消えたものという、明確な差が生まれたのも事実だ。何が異なっていたのか。

ひとつ明確に言えることはリーダーシップと覚悟だ。

成長戦略におけるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)やアクセラレーション・プログラムは、手段であって目的にはなり得ない。さらにその変数の多い道のりには不確定な協業シナジーと、必要に迫られるファイナンシャル・リターンが待ち受ける。実施をすれば矛盾も起こる。企業トップが明確に「変わらねば」という意思表示しなければ、現場はこの矛盾と葛藤に飲み込まれてしまう。

KDDI∞LaboやKOIFのようなエコシステムは他の企業にも生まれるのか。先行き不透明感が増す中、次の10年が終わったあとの振り返りを楽しみにしたい。(了)

ーーー

筆者:平野武士・・ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現・BRIDGE)を共同創業し、2018年4月に株式会社PR TIMESに事業譲渡。現在はBRIDGEにてシニアエディターとして取材・執筆を続ける傍ら、編集からPRを支援するOUTLINE(株)代表取締役も務める。

----------[AD]----------

未来を創るCVCーー3世代で紡ぐオープンイノベーションの礎と「トップの覚悟」

\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回・2回目・3回目・4回目・5回目・6回目) オープンイノベーションのDNA 主力事業である通信とは異なる周辺の「非通信」事業でいかに未来を描くか。そのために自社だけでなく、積極的な協業の戦略を打ったのが2000年代のKDDIだった…

gifty
KDDI∞Labo一期生のギフティは2019年にマザーズ上場を果たした

\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回2回目3回目4回目5回目6回目

オープンイノベーションのDNA

主力事業である通信とは異なる周辺の「非通信」事業でいかに未来を描くか。そのために自社だけでなく、積極的な協業の戦略を打ったのが2000年代のKDDIだった。Googleとは検索で手を組み、グリー、コロプラとはエンターテインメント領域でサービスを展開した。2012年にレコチョクと共同で開発した音楽サービス「LISMO」は、モバイルストリーミング音楽サービスの先駆け的存在となった。

異なる分野を拡大させることで事業成長を促すーー協業の可能性のある新興企業に出資して株式公開を支援するプログラム、本体で大きくシェアを取ってグループ化するプラン、そして多くの可能性を引き寄せるオープンな場所を作り出す、という「三段重ねの舞台装置」がそれだ。

遅れてやってきたKDDI Open Innovation Fund

「KDDI Open Innovation Fund(通称:KOIF)の組成は2012年ですね。評価額1億円のスタートアップに1000万円出資するため、年間で数千億円の利益を出す企業の役員たちがずらりと並んで、本格的なデューデリジェンスしてました。現場はすごい緊張感でしたよ(笑」。

当時をそう振り返るのはファンド組成を裏方として支えたグローバル・ブレインの熊倉次郎氏。KOIFが最初に立ち上がったのは2012年2月、KDDI∞Laboが開始された2011年8月から約半年遅れのスタートだった。グローバル・ブレインがKDDIと共同で企画したファンドで、記念すべき第一号出資案件はKDDI∞Laboの一期生ギフティだった(※正確にはタイミングが合わず、一時的にKDDI本体からの出資を後に株式交換している)。

シード期のインキュベーションに出資を一体化し、3カ月という極めて短期の期間にスタートアップさせるスタイルは当時のモデルケースとして多くのコピーが生まれた。ところがKDDIはやや違っていた。なんと、アクセラレーションプログラムに採択されても出資はしない、としたのだ。ではなぜファンドを作ったのか。ここに彼らのオープンイノベーション・プログラムの妙味というか、大企業ならではの理由が隠されている。

2つの取り組みに求められた「成果」

kddi-mugen-labo-6th-demoday-featuredimage
KDDI∞Labo第6期デモデイの発表会

協業を軸とした成長戦略を考えるにあたり、KDDI∞LaboとOpen Innovation Fundにはそれぞれ目的が設定されていた。2012年からKDDI∞Laboの責任者「ラボ長」として、プログラムの立ち上げを支えた江幡智広氏(現・mediba代表取締役)はこう振り返る。

「いわゆる目標設定をするわけなんですが、ほぼ毎年、同じように書いていたのが『ベンチャーから一番信頼される相談相手になる』という項目です。一方、ファンドはもう少しミッションが具体的で、『次世代のベンチャーと一緒に新しい事業創造する』と『ベンチャーとの関わりを通じて彼らの事業を加速成長させる』というものでした」。

オープンイノベーションを企業が掲げる場合、各社が最初に遭遇する課題が「窓口問題」だ。つまり「KDDI∞Labo」というプログラムはそれ自体がこの最初の課題をクリアするための答えでもあったのだ。当然ながら窓口の扉は叩きやすいことに越したことはない。江幡氏がラボ長のバトンを次に渡す最後の年、経済産業省が主催する調査ランキング「イノベーティブ大企業ランキング」でKDDIはトップを取ることになる。

一方、ファンドは「リターン」という唯一無二の結果が伴う。目標にあるベンチャーの成長を加速させる、という意味は「買った株価が上がること」に他ならない。窓口としてのKDDI∞Labo、結果としてのKOIF。一見すると補完性のあるこの2つの取り組みは、なぜ一体化されなかったのか。そこにはある、大企業ならではのコンフリクトが存在していた。

幅広い可能性とリターンという矛盾

当時、彼らがモデルにしたY Combinatorのスタイルは、おおよそ3カ月のプログラムで日本円にして数百万円を出資し、市場に受け入れられるかどうかギリギリのラインのプロダクトを世に問う、というスタイルだった。

Y Combinatorは多産多死の戦略で正解だった。決済のStripe、バケーションレンタルのAirbnb、オンデマンドデリバリのDoorDash。彼らが掲げるトップ100社の合計価値は1550億ドル、5万人以上の雇用を生み出した(※2019年時点)。しかしこれは逆に言えば「不確実性の塊」とも言える。

明日潰れるかもしれないし数年後大きく羽ばたくかもしれない。KDDI∞Laboで集めていた若き起業家たちもご多分にもれずそういった顔ぶれだった。当然だが、ここにファンドとしてのKOIFに求められる「リターン」とは完全には一致しない。

IMG_1709-640x480
mediba代表取締役の江幡智広氏(筆写撮影)

三段重ねの舞台装置

KDDIのオープンイノベーションを語る上で注目すべき出来事が3つほどある。ひとつはKOIFが出資したカジュアルギフトを提要する「ギフティ」の上場、もうひとつがIoTプラットフォーム「ソラコム」の本体買収、そして最後のひとつが前述した「イノベーティブ大企業ランキング」でトップを獲ったことだ。

一見するとバラバラのこれら活動、実はゆるく根底でつながっていた。熊倉氏はこう明かす。

「連携のシナリオは立ち上げ当初からありましたよ。(KOIFは)事業をつくるのを目的にしたファンドだったので、事業に寄与する独占的な買収、協業の可能性を残した上でのIPO。この組み合わせがいいよねって。実際、上場したギフティさんも恐らく、auからやってきたユーザーさんが多いはずです。協業連携がどこよりも強いファンドを作るぞと、こういう状況下で株式公開を支援するし、独占した方がよいケースであればファンドではなく、本体として買収を仕掛ける。一番広い窓口としてKDDI∞Laboがあって、ちょっと斜め上にKOIF、そして(当時の)企業戦略部での本体投資がある。そういう三段重ねの構造だったんです」。

面白いのはこの構造がキレイに三段重なっていない点だ。つまり、KDDI∞Laboを第一関門、その次にKOIFからの出資、最後はKDDIの買収、というようなファネルがあれば、当然、スタートアップ側は買収をゴール設定にしてしまう。

もちろん、そういう期待や結果がなかったわけではないが、KDDI∞LaboをKOIFと切り離すこと(出資を前提としない)ことで、ここの舞台には数多くのアイデアが集まることになった。

KDDI∞Laboにのしかかったプレッシャー

理想的な役割分担とシナリオが見えてきたKDDIのオープンイノベーション戦略。しかし一点、外から見ても大きくストレスがかかっているのではないかと心配する部分があった。それが「KDDI∞Laboとしての結果」だ。アクセラレーションプログラムは通常、育成した企業がその後成長してくれれば結果となる。なぜなら出資がセットになっているからだ。

しかしKDDIは前述した背景からそれを切り離してしまった。当時の苦悩と葛藤を江幡氏はこう振り返る。

「高橋(誠氏・現社長)とは結構やり合いましたね(笑。お前は流暢な理屈で意義のある活動だって言うけど、じゃあ実際いくら売上・利益をつくったんだってね。当然企業として最終的な垂れ流しはありえないわけで、立ち上げ当初の11年や12年はよりそれが強かった。ただ、彼は現場に来てくれるし、支援先とも直接話をしてくれる。絵空事、とは言わないまでも、大きなビジョンに向かうことと短期的な実際の利益は噛み合わないし、大企業の事業計画やIRとはワケが違う。この辺りは高橋も理解してくれていたのではないですかね。ゆるいというか足が長いことを。2015年あたりからかな、もう少し先を見通した投資でもいいよ、という雰囲気が徐々に作られていきました」。

確かに第一期生のギフティや、出資にまで繋がって、その後売却したソーシャルランチのように経済的な結果をもたらすケースもあったが、1兆円規模の利益を生み出すKDDIグループ全体から言えばやはりインパクトは薄い。

そんな状況を変えたのが日本全体における「オープンイノベーション」文脈の盛り上がりだった。大企業がスタートアップなど他の企業と手を組んで新たなイノベーションを興すこの仕組みは、経済産業省の「第4次産業革命」や、内閣府の「Society5.0」といったイノベーション指針を実現するための手法として注目を集めることになる。

結果、KDDI∞Laboは「共創」というキーワードの下、スタートアップだけでなく、他の大企業を含めた企業連合という考え方をスタートさせた。それまでの「スタートアップとKDDI」という構造を「スタートアップと企業、それを支えるKDDI」という図式に描き直したのだ。そしてこの流れは更に進み、KDDI∞Laboの上で企業同士がつながり、5Gという新たなインフラでビジネスを生み出そうというプラットフォームに進化している。

トップの覚悟

2011年の終わりに始まって、2020年の今もなお、成長を続けているKDDI∞LaboとKOIF。

オープンイノベーションの取り組みとしては理想的だ。これまで積み上げてきたネットワークもあるので、VC各社が投資する質の高いスタートアップや、ケースによってはマザーズ上場レベルの企業と手を組むこともあるだろう。

しかし、ここまで書いてきた通り、道のりは決して楽なものとは言えなかった。辞めようという選択肢はなかったのだろうか。この点について江幡氏、熊倉氏の二人とも口を揃えたことがある。それがリーダーシップ、トップの決意というものだった。

「(プログラムを辞める話は)なかったと思いますよ。やり切るというか、高橋もちゃんとこの事業を見てくれてるという安心感はありました。そんなにすぐ投げることはないだろうという。テスト的にピッチイベントやってすぐ終わる、そういう他社のケースも情報としては耳に入れていました。そういう話が増えれば参加するベンチャーも心配になるだろうし、時間はかかるけど長くやることに価値がある、とね」(江幡氏)。

一方、∞Laboと異なり確実な「リターン」という成果を求められるKOIF。ファンド組成にあたり、KDDIチームと密に連携していた熊倉氏は当時のリーダーシップをこう表現していた。

「(当時社長の)田中(孝司氏・現会長)さん、高橋さんラインがこのプロジェクトのオーナーシップだったのですが、圧倒的に高橋さんのコミット、リーダーシップが強かったですね。その他にも専務・役員クラスの方々がいらっしゃってそれぞれの役割においてチャンピオンが必ず決まってる。そしてそれらをしっかりと連携させているのが印象的でした。KDDI∞LaboもKOIFも舞台装置です。特にこの上で踊る人たちは本体事業と違ってボラティリティが遥かに大きい。だからこそ最初に決めたことをやり切る体制、全体を仕切るリーダーシップが重要だったんです」(熊倉氏)。

次回はKDDI∞Labo、KOIFと並んでKDDIオープンイノベーション戦略を語る上で重要なソラコム買収とグループ間連携について紐解く

ーーー

筆者:平野武士・・ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現・BRIDGE)を共同創業し、2018年4月に株式会社PR TIMESに事業譲渡。現在はBRIDGEにてシニアエディターとして取材・執筆を続ける傍ら、編集からPRを支援するOUTLINE(株)代表取締役も務める。

----------[AD]----------

未来を創るCVCーー5Gは「移動」の概念を変える・Synamonの挑戦とKDDI∞Labo

SHARE:

\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回・2回目・3回目・4回目・5回目・6回目) 2020年は間違いなく「5G元年」として振り返る年になるだろう。 各通信キャリアは高速大容量通信によって社会がどう変わるか、様々なケーススタディを交えた特設ページを揃って開設している。そ…

pexels-photo-3635300
Photo by TruShotz on Pexels.com

\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回2回目3回目4回目5回目6回目

2020年は間違いなく「5G元年」として振り返る年になるだろう。

各通信キャリアは高速大容量通信によって社会がどう変わるか、様々なケーススタディを交えた特設ページを揃って開設している。そしてコンテンツとしては最高の東京オリンピックがやってくる。ここまでお膳立てが揃っているタイミングもそう多くない。

一方で5Gの活用はややスッキリしない。確かに大容量のモバイルデータ通信は、映像のようなリッチコンテンツを数秒で配信するといった体験の向上には役立つ。ロボットの遠隔操作もビジネスを変えてくれそうだ。しかし、それはあくまで有線や4Gの延長線上でも「想像」できる。

スマートフォンで発生したパラダイム・シフトの価値は、単なる通話しかできなかった「電話」をあらゆる生活サービスにアクセスできる「コンシェルジュ」に変化させたことにある。できれば5Gがダイナミックに生活を変える変化に直結して欲しい、と思うのはいささか期待し過ぎだろうか?

私にはひとつ、注目している体験がある。それが「移動」だ。

XR空間とテレビ電話会議は何が違う

「XR空間では、狭い会議室の中に3キロメートル×3キロメートルの広大な屋外空間を展開できるので、ここで例えば実寸大の橋や建物を関係者集めて確認することもできるんです」(Synamon武井勇樹氏)。

東京五反田の一角、スタートアップが集積している商業施設がある。その一室にスタジオを構えるのがSynamon(シナモン)だ。「XRコミュニケーション」を手掛ける彼らの技術はまさに移動体験を変えるものになる。

NEUTRANS-BIZ_001.png
「NEUTRANS BIZ」実物大の仮想空間でのミーティングを可能にする

例えばイベントの会場レイアウトを確認するとしよう。ミーティングルームに図面を持ち込んで計画するより、実際の会場に足を運んでみたほうがイメージが湧く。当然だが、実際の見学は様々な調整が付きまとう。

先ごろ公開された新バージョンの「NEUTRANS BIZ」は、目の前のXR空間に、巨大な空間や展示ホール、会議室のようなミーティングルームを出現させる。人々はどこにいてもよい。現実世界の会議室、協業するパートナーのオフィス、時差のある外国。時空を超えて人が集まり、実際のサイズの展示ホールで次のイベントのレイアウトを確かめることができる。

彼らが目指す先に感じるのは、人の発想を刺激する仕掛けづくりだ。図面をデータで共有してテレビ電話会議したとしても、おそらく会場を「感じる」ことはできない。ステージの微妙な位置やサイズ感、人を入れた時の熱気。人はそこから感じる何かでアイデアを生み出すことができる。

空間の移動に必要な5Gと「何か」

4年前に鬼才、イーロン・マスク氏が発言した「私たちはビデオゲームの中で生活できる」という世界観を思い出す。現実と仮想が曖昧になる時代。

仮想空間に存在するために私たちが議論すべき最大のポイントはここなんだ:40年前、私たちは「Pong(※簡単なゲーム)」を手に入れた。2つの長方形とドットだ。そして今、40年後に私たちは仮想的に数百万人が遊んでいる写実的な3Dを手に入れている。仮に全てにおいてある一定の改善割合を想定したとしよう。たとえその割合が今の状況から1000以下に落ちたとしたとしても、おそらくゲームは現実と区別がつかないものになる。

人がそこに「それがある」と感じるためには、8Kほどの高精細映像が必要になるそうだ。有線は当然ながら、5G通信はモバイル環境での8Kデータ転送を可能にする。より広範囲の環境で仮想と現実の境界線は曖昧になっていく。

このパラダイムを現実にするには何が必要なのだろうか。2007年に登場したiPhoneによってもたらされた「タッチパネル」体験は、3G、4G回線を手にしてシェア・オンデマンド経済を生み出すことになる。5Gを「手触りある体験」にする技術は何か?

「デバイスのポイントはデバイス、チップ、ネットワークと多様です。しかしそれ以上に必要なのがコンテンツを作るハードル。XR空間では2Dの情報を3Dに変換する必要があります。ここの商用化にはもう少し時間がかかる」(武井氏)。

デバイスの普及もまだ時間がかかる。ニールセンが公開した2018年の推計で本命と言われるFacebookのOculus Questは、2019年5月の発売後1年で173万台近くを出荷するとしていた。しかし、実際は2019年11月の決算で示された数字は40万台程度に留まる。

「特にビジネスでの利用は『なんちゃって』では普及しません。例えば昨年に実験した防衛医大との5G・VRを活用したトリアージ(救援重要度判定)などの取り組みでは、絶対に行けない場所でリアルタイムに作業ができる、といった確実なベネフィットが必要です。リアルでできないことができるようになってはじめて普及期が訪れる」(KDDIライフデザイン事業企画本部 ビジネスインキュベーション推進部長の中馬和彦氏)。

pexels-photo-196652
Photo by picjumbo.com on Pexels.com

2010年という転換点

スタートアップ乱立の今、国内の支援事例を振り返ると明らかに大きな転換点となるポイントがあった。2010年初頭、日本に「アクセラレーション・プログラム」のトレンドが流れ込み、独立系VCやCVCがこぞって「Y Combinatorモデル」を採用したあの時期のことだ。

デジタル・ガレージにサイバーエージェント、孫泰蔵氏率いるモビーダ、メルカリ投資で一斉を風びしたEastVenturesにインキュベイト・ファンド。この中にあって異色の顔ぶれがKDDIの「KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)」だった。投資ファンドでもなく、事業シナジーを成果とする事業投資ともやや異なる、純粋にスタートアップを育成する、言わば「独自の起業エコシステム」のような存在に当時、疑問符が多く付いたのを記憶している。

KDDIは1兆円の利益を稼ぎ出す日本有数のインフラ企業だ。スタートアップエコシステムが成熟してからの参入でも遅くはない。なぜ10年近くも前だったのか。

そこにはこの企業が辿ったオープンイノベーションに対する「歴の長さ」が関係していた。

通信企業における「非通信」事業への投資

KDDIの最新決算(2020年第3四半期)をみると注目すべきポイントが2つある。ひとつは非通信領域の躍進だ。ローソン・Pontaポイントとau Payの連携にみられる「非通信」領域の営業利益は年次で約26%増の1360億円となった。また、通信領域でもここ数年力を入れているIoT領域で契約回線数が1000万件を突破。利用領域もスマートメーターやテレマティクスなどの既定路線から、2017年にグループ入りしたソラコムのように、新たな利用シーンを提供するケースも積み上がっている。

本業(通信)が盤石な間に周辺領域を成長させる。ポートフォリオとして当たり前の戦略も体が大きくなればそう簡単なことではない。この布石はおよそ15年前に遡る。

「そもそも(現社長の高橋誠氏は)フィーチャーフォンの立ち上げからEzweb、グーグル検索の導入だったりLISMOのようなエンターテインメントコンテンツなど、非通信の領域を中心に手掛けていました。それが2003年とかその辺りですね。それを大企業や中小、ベンチャー問わず、パートナーシップによって成長させてきた、という経緯があるんです」(中馬氏)。

大きく状況が変わるのが2007年のiPhone登場、いわゆる「スマホシフト」だ。フィーチャーフォンアプリで独自の課金エコシステムを構築してきた国内通信キャリアは、その市場をAppleやGoogleといったグローバル・マーケットに奪われていくことになる。

「KDDI ∞ Laboって当初は『スマホのアプリを探そうプロジェクト』みたいな感じだったんです。ちょうど当時、高橋もネットベンチャーが生まれていく様相を見ながら、Y Combinatorみたいな仕組みがスマホの世界には必要なんじゃないかって考えていて」(中馬氏)。

こうしてKDDIのオープンイノベーションの取り組みは次のステージに向かうこととなる。

digitalgate_08
∞ Laboが拠点とする「KDDI DIGITAL GATE」(写真提供:KDDI)

手探りで積み上げた独自のエコシステム

∞ Laboが輩出した事業で大きく成長したのは、昨年上場を果たしたギフティだろう。第一期生としてプログラムに参加したソーシャルギフトのアイデアは、最終的にエンタープライズ向けのモデルが大きく成長し、IPOを果たすこととなった。プログラムも順調にスタートアップを集め、2014年には企業パートナーを取り込んだオープンイノベーションの形をつくることになった。

一方、2011年に開始したプログラムに迷いがなかったかというとそうとは言い切れない。筆者も現場で取材に当たっていたが、スタートアップ、連携する企業にそれぞれの温度感は異なっていたように記憶している。

「当初はやはり30代の若手社員が入って一緒に事業を作るような感じもありました。ただ、スタートアップ、事業会社共に成熟してきた結果、局面は変わってきたと感じてます。事業づくりのフェーズは引き続きやりますが、それ以上にやはりグロースです。私たちができることはこの成長局面を支援する」(中馬氏)。

きっかけはやはり2020年を元年とする5Gの開始だ。これまでのインターネットテクノロジーでは、書店や小売にしてもあくまでインターネットの中で完結してしまっていた。5G時代は大きくそこからシフトする。「ビルから信号機からクルマ、あらゆるモノがフルに通信する時代」(中馬氏)に大企業の存在は無視できなくなる。

スタートアップがアイデアを出し、面を押さえている企業と組み合わさることで大きな利益を生む。ちなみにここで言うスタートアップはアイデアだけの零細企業のことではない。この10年で大きく成長したネット企業も対象になりうる。

つまり次に重要な視点は「事業」になるかどうか、というわけだ。次回はKDDI∞ Laboを支えたもうひとつのエンジン、KDDI Open Innovation Fundについてその立ち上げの経緯をまとめる。

ーーー

筆者:平野武士・・ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現・BRIDGE)を共同創業し、2018年4月に株式会社PR TIMESに事業譲渡。現在はBRIDGEにてシニアエディターとして取材・執筆を続ける傍ら、編集からPRを支援するOUTLINE(株)代表取締役も務める。

----------[AD]----------

KDDI∞LaboがclusterでVRデモデイを開催、「5Gを接着剤に」大企業とスタートアップの協業を促す新体制を始動——協業4プロジェクトを披露

SHARE:

KDDI は24日、第13期目となる KDDI ∞ Labo のデモデイを開催した。新型コロナウイルス対策のため、今回のデモデイは VR イベントプラットフォームの「cluster」を通じて実施され、その模様は YouTube Live、Facebook Live、Periscope で中継された。すべてのプラットフォームを通じての視聴者は、数百名程度に達したとみられる。KDDI ∞ LABO が…

KDDI は24日、第13期目となる KDDI ∞ Labo のデモデイを開催した。新型コロナウイルス対策のため、今回のデモデイは VR イベントプラットフォームの「cluster」を通じて実施され、その模様は YouTube Live、Facebook Live、Periscope で中継された。すべてのプラットフォームを通じての視聴者は、数百名程度に達したとみられる。KDDI ∞ LABO が cluster を使ってピッチイベントをオンライン・バーチャル開催するのは今回で2回目。

KDDI はこの日、スタートアップ向けの事業支援プログラム「5G for Startups」と事業共創プログラム「∞ の翼」を発表した。KDDI は今日3月26日から日本国内主要都市で 5G サービスをスタートさせるが、「5G を接着剤に」として、「KDDI ∞ Labo パートナー連合」に参加する大企業46社とスタートアップの協業を促す。

5G for Startups は、予算がついている大企業の商用プロジェクトにスタートアップを参加させることで、スタートアップによる 5G サービス創出を狙う。5G による既存事業のアップデートや、5Gを活用した革新的なビジネスモデル創出を目指すスタートアップを対象に公募を受け付け、選考されたスタートアップには、パートナー連合から事業支援アセットを提供する。

∞ の翼は、大企業各社で進行中の新規事業プロジェクトを公開し、各プロジェクトごとにスタートアップとの事業化を推進する共創プログラム。∞ の翼の第1弾として、「5G × コミュニケーション」「5G × 商業施設」「5G × テレビ番組」「5G×スタジアム」の4つの事業共創プロジェクトと、それに参加する大企業とスタートアップが紹介された。

5G × コミュニケーション

  • テーマ: 新たなイベント観戦、コミュニケーション体験の創出
  • プロジェクトオーナー: ミクシィ、KDDI
  • 提供アセット:マーケットイン(ミクシィ)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • リアルなアバターにて、現実世界とバーチャル世界を溶け込ませる新しいエンターテインメント体験
  • 観客と主催者・演者とが、双方向でコミュニケーションし、皆で盛り上がることができる演出
  • 自宅やお店、パブリックビューイングなど、遠隔地からでも会場とインタラクション可能になる仕組み

採択スタートアップ: VRC

SNS に始まり、現在はソーシャルゲームデベロッパとしてのポジションを色濃くするミクシィだが、ポストソーシャルゲーム時代の新たなキラーコンテンツ開発を加速すべく、スタートアップとの共創を狙った「CROSS ACCELERATOR」を先日公開した。同社では、このコンテンツ開発にリアルアバター、アバターを使ったデジタルとリアルを地続きにするデジタルツインが必須と考えているようだ。

VRC は、実在する人物の全身 3D モデリングを行い、わずか20秒でリアルアバターを作る技術を有する。実際に今回のデモデイで使われた登壇者のアバターも VRC の技術を使った作られた。コストパフォーマンスを重視しており、一度取得したアバターデータを複数アプリケーションで活用できる。バーチャルフィッティング、服装コーディネート、エンタメコンテンツなどへのの適用を狙う。

5G × 商業施設

  • テーマ: 商業施設の運営効率化や新たなお客さま体験の創出
  • プロジェクトオーナー: 三井不動産、KDDI
  • 提供アセット:ららぽーと他商業施設(三井不動産)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • 自律移動型ロボットを活用した、商業施設の新たな警備システムの開発
  • 5G 通信環境を活用したサービス・ビジネスモデルの開発
  • その他、商業施設の運用効率化や新たなお客さま体験の創出

採択スタートアップ: SEQSENSE

三井不動産は、ららぽーとに代表される商業施設運用部が中心となり、警備・清掃・設備保守点検などの運営コスト低減につながる事業共創案、快適なショッピング体験の創出、5G を生かしたイベントの催事向けエンターテイメントなどの提案を求めた。

2016年に設立されたロボティクススタートアップの SEQSENSE は、スターウォーズの R2-D2 のような機能性を持ったドロイドロボットを開発しており、自律移動型警備ロボット「SQ-2」は、オフィスビルのほか羽田空港にも導入された。周辺環境や自己位置の把握技術で群を抜いており、ソフトウェア、ハードウェア、アルゴリズムを一気通貫で提供できることを強みとする。

3社では、テクノロジーを駆使した安心快適な商業施設の創造を目指す。2020年度は、三井不動産所有商業施設で 5G 環境を使ったロボット警備システムを開発、2021年度以降、異常検知と連動した動作の実現、警備ロボットの屋外展開、清掃や運搬など警備以外の領域への活用を目指す。

<関連記事>

5G × テレビ番組

  • テーマ: テレビ番組と連動した新たなビジネスの創出
  • プロジェクトオーナー: テレビ東京
  • 提供アセット:シナぷしゅ(テレビ東京)

取り組み内容:

  • 放送番組内容と連動し、放送局としての新たな商品やコンテンツの開発に結び付く事業共創

採択スタートアップ: トラーナ、ピースオブケイク

テレビ東京は、乳幼児向け子供番組「シナぷしゅ」を制作している。子供向け番組としては、NHK の E テレ(旧・教育テレビ)が先行するが、赤ちゃん目線を徹底することでオルタナティブな位置づけを目指しており、実際に子供を持つ複数のテレビ東京社員がプロデューサーを手掛けている。テレビ東京系列の全国ネットで昨年末にパイロット版を放送、今年4月からは月〜金に本放送が開始される予定だ(午前7時35分〜午前8時、現在「朝の! さんぽ道」が放送されている時間枠)。

一方、スタートアップであるトラーナは、おもちゃのレンタルサブスクリプションサービス「トイサブ!」を提供している。月額3,340円(税抜)で、2ヶ月毎に古いおもちゃを返却し、新しいおもちゃが送られてくることが特徴。子供にどんなおもちゃを選べばいいかわからない親のために、子供の成長や2ヶ月毎の親からのフィードバックに応じて、最適なおもちゃが提案される。

テレビ東京では、シナぷしゅの視聴者で構成されたオンラインサロンをピースオブケイクの「note」を使って構築し、トラーナの協力の元、シナぷしゅ視聴者の意見を取り入れた「令和の時代の新たな知育玩具」の創出を目指す。

<関連記事>

5G × スタジアム

  • テーマ: スタジアムにおける新たなスポーツ観戦体験の創出
  • プロジェクトオーナー: KDDI、名古屋グランパスエイト
  • 提供アセット: 豊田スタジアム(名古屋グランパスエイト)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • 試合のスタッツや観客の盛り上がり具合などをリアルタイムに可視化
  • 会場外のスペースも使い、場内と同様の熱量で観戦できる仕組み
  • 試合前や試合中に、客席からでもスマホで操作できる、双方向型のイベント演出

採択スタートアップ: ENDROLL

プロサッカーグラブを運営する名古屋グランパスエイトは、一度のゲームでに数万人のファンが訪れるスタジアムで、これまでになかった興奮の提供を模索している。新たなスポーツ観戦体験の創出により、ファンエンゲージメントを高め、より多くの顧客により深くゲームを楽しんでもらうことを狙う。

このテーマに採択された AR スタートアップの ENDROLL は、イマーシブな(没入型の)AR エンターテイメントプラットフォームを開発している。世界最大の AR コミュニティ「AWE」の東京イベントのオーガナイザーを務めるほか、先月にはタイトーと協業し、新たな AR エンターテイメントを開発することを明らかにしている。

今回の協業で、ENDROLL は、ファンによる多人数同時参加型のイマーシブエンターテイメントを開発するとした。名古屋グランパスエイトのサッカー選手たちが、サッカー選手という道を選ばなかった時のストーリーをフィクション仕立ての AR 体験コンテンツの形で提供するようだ。観戦前コンテンツを充実さえ、豊田スタジアムをテーマパーク化したいと意気込む。

<関連記事>


----------[AD]----------

KDDI∞Laboが2年ぶりとなるデモデイを開催、5Gをテーマに7社が成果を披露ーーAI技術開発のアラヤが大賞、「食べチョク」が聴衆賞を獲得

SHARE:

KDDIは26日、ヒカリエで第12期を迎えた KDDI ∞ Labo のデモデイを開催した。2年ぶりの開催となったデモデイは「MUGENLABO DAY 2019」としてリニューアル、ピッチセッション、オープンイノベーションのセッション(協創パートナーやサポーターとの協業マッチング)、ブース展示とネットワーキングの3部構成で展開された。時節柄、今回のプログラムでは 5G 技術で可能性が広がるビジネ…

KDDIは26日、ヒカリエで第12期を迎えた KDDI ∞ Labo のデモデイを開催した。2年ぶりの開催となったデモデイは「MUGENLABO DAY 2019」としてリニューアル、ピッチセッション、オープンイノベーションのセッション(協創パートナーやサポーターとの協業マッチング)、ブース展示とネットワーキングの3部構成で展開された。時節柄、今回のプログラムでは 5G 技術で可能性が広がるビジネスやサービスが多く扱われた。

32社となったパートナーと協力してプログラムを終えたファイナリストのうち、オーディエンス賞は「食べチョク」のビビッドガーデンが獲得、最優秀賞に輝いたのは深層学習・機械学習のアルゴリズム開発、システム開発のアラヤとなった。以下に各社のプレゼンテーションをまとめる。

審査員は以下の方々が務めた。

  • 塚田俊文氏(KDDI 新規ビジネス推進本部長)
  • 百合本安彦氏(グローバル・ブレイン 代表取締役)
  • 伊藤洋一氏(ヤフーアカデミア学長、KDDI ∞ Labo 社外アドバイザー)
  • 江幡智広氏(Mediba 代表取締役)
  • 赤坂優氏(エウレカ ファウンダー、エンジェル投資家)

【KDDI ∞ LABO 賞】アラヤ

アラヤは、深層学習・機械学習のアルゴリズム開発、アルゴリズムを応用したシステム開発を行なっている。現在は、産業界への AI 導入、エッジデバイスの開発、デバイス自律化の開発にフォーカス。

KDDI ∞ Labo では、エッジデバイスの開発で全身 VTuber カメラの開発(ディープラーニングを使っていても、スムーズに動作できるようにする技術)、デバイス自律化の開発では、巡回ドローンが不審者を捕捉しながら自動追尾する実験を行った。

【オーディエンス賞】食べチョク by ビビッドガーデン

ビビッドガーデンの「食べチョク」は、オンラインで農家から朝採り野菜を直接販売してもらえるサービス。既存の農業流通ルートでは、中間業者の介在によ利益が圧迫される上、こだわった野菜であれ、量産され野菜であれ、価格が一律化されてしまう短所がある。食べチョクでは農家からの直販により、農家の野菜部門の利益が3倍になるケースもあったという。

既存の農作物直販サービスでは集荷場を介すため収穫から配達まで数日間かかってしまうが、食べチョクでは畑から直接発送されるため、収穫から1日以内に届けられるという。農家とユーザが直接コミュニケーションできることも特徴。現在、全国300農家が登録している。KDDI ∞ Labo を通じて、農家データベースを大丸松坂屋と連携、社内販売やライブコマースアプリ「CHECK」を使った農作物販売などを実施した。

<関連記事>

Palette IoT by momo

あらゆる産業分野においては、IoT の導入により、業務が効率化できたり、事故を予防できたりする効果が期待できる。momo は、センサー、開発、量産までを一気通貫で提供できる汎用プラットフォーム「Palette IoT」を開発している。今回は、1ヶ月をかけて JA と農業用 IoT ソリューションの開発に成功、JA が現在使用しているソリューションを10分の1に置き換えることができたという。

JA とは今後、取得したデータをもとに融資や保険サービスの開発を模索。また、KDDI とは国際物流をトラッキングするプロジェクトが進行しているなど、中小企業などと20を超えるプロジェクトが進行しているという。

e-Pod Digital by TAAS

TAAS は、オフィスなどで不要になったチラシや紙を回収、返戻品としてノート、メモ帳、トイレットペーパーなどがもらえるサービス「e-Pod(イーポッド)」を提供している。デジタルサイネージを2枚入れた機密回収ボックス「e-Pod Digital」を開発し、企業に設置。広告モデルにより不要紙の回収を無料で提供するサービスを始めた。サイネージには企業の社内情報も表示できる。

複数社と提携しているが、特に今回は、電通とはフィロソフィーのブランティングとマーケティングツール・販促ツールで支援を得たほか、アマナとは広告の空き枠を活用したビジュアルコンテンツの配給を受けた。直近の2ヶ月間で121社から利用申込があったという。今後1年間で、1,000社に導入していきたいとしている。

<関連記事>

YAMAP by ヤマップ

ヤマップは、携帯電話の電波が届かない山奥でも、現在地がわかる山登りのためのアプリ「YAMAP」を開発。山登りはもとより、スキー、釣り、キャンプなど、アウトドア全般のフリークに、遭難を防止できる安全な登山環境を提供する。

KDDI とは、LPWA(Low-Power Wide Area)を使って登山状況をトラッキングする実証実験を行った。また、KDDI、ウェザーニューズ、御殿場市とは、富士山でドローンを使った山岳救助の実証実験を実施。山岳救助サービスについては、今年の夏に運用を開始できるよう調整中とのこと。

ヤマップ関連記事一覧

Telexistence

Telexistence は、遠隔存在技術を活用したロボティクス・AIの開発とサービス提供している。現在は、遠距離で移動コストが高い分野(例えば、旅行や宇宙空間での単純動作や労働作業)、労働集約的で不定形な業務を代行する分野(例えば、コンビニなどで商品を陳列する動作など。多品種であるためロボット完全自動化が難しい)など。

KDDI および JTB とは、東京から離れた小笠原諸島にロボットを置いての、遠隔操作ロボットの実証実験を実施。また、KDDI とは、49関節(手だけで13関節)備えたテレイグジスタンスのロボットの動作柔軟性を生かし、モノを掴むなど身体を拡張する実証実験を実施した。

<関連記事>

Neutrans Biz by Synamon

Synamon が提供する VR サービス「Neutrans Biz」は、ビジネスに特化して VR でしかできないコミュニケーション環境を提供する。具体的には、なかなか会えない人に会える機会を作ったり、過去の空間を再現したりできるメリットがあるという。

KDDI など KDDI ∞ Labo に参加する事業共創パートナーとサポーターの29社327人がサービスを体験し、その95%がビジネスに使えると回答したという。クロスマーケティングはグループインタビュー、三井不動産はコワーキング、KDDI は社員研修に応用できると回答。4月には新バージョンをローンチ予定。また、KDDI Open Innovation Fund 3号(KDDI とグローバル・ブレインが運営)と三井不動産の 31 Ventures のファンドから出資を受けたことも明らかになった。

----------[AD]----------

6年目を迎えた11期KDDI ∞ Labo、最優秀は心疾患の自動診断アシストデバイス「超聴診器」ーー継続支援先には初となる支援期間中出資も

SHARE:

KDDIは5月18日、KDDI ∞ LaboのDemoDayを開催した。新たに採択された4社の内、3カ月のプログラムを経てKDDI ∞ Labo賞を獲得したのが超聴診器を開発中のAMI、オーディエンス賞を獲得したのが「warrantee」に決定した。以下に11期から採択された4社のプレゼンテーションをまとめる。※見出しはサービス名(社名が違う場合はカッコ内)と代表者名 WATCHA/代表・朴台訓(…

IMGP3966

KDDIは5月18日、KDDI ∞ LaboのDemoDayを開催した。新たに採択された4社の内、3カ月のプログラムを経てKDDI ∞ Labo賞を獲得したのが超聴診器を開発中のAMI、オーディエンス賞を獲得したのが「warrantee」に決定した。以下に11期から採択された4社のプレゼンテーションをまとめる。※見出しはサービス名(社名が違う場合はカッコ内)と代表者名

WATCHA/代表・朴台訓(パク・テフン)氏

IMGP3905

凸版印刷とKDDIが支援した韓国発のスタートアップがWatcha(왓챠)。エンタメコンテンツの検索課題に挑戦している。

<参考記事>

韓国発の映画レビューアプリ「Watcha」が、装いを新たに日本市場向けにサービスを正式リリース

既存の検索方法ではエンタメコンテンツはオススメ情報か広告、レビュー、クエリ検索がメインになっている。これに対してWATCHAでは機械学習とタグ分析を活用してレコメンドを提供する。ユーザーのレーティング(評価)データで好みの程度を分析し、機械学習用のパターンを作成。コンテンツのあらすじからタグを抽出してこれと合わせることで高い精度でのレコメンドを実現した。

プログラムに入ることで重要なレーティング投稿が6倍になるなどの成果もあった。6月1日からKDDIの提供するビデオパスにレーティングデータを導入することが決まっている。

超聴診器(AMI)/代表・小川晋平氏

IMGP3913

KDDI ∞ Labo賞を獲得したのが超聴診器を開発中のAMIだ。凸版印刷とKDDIが支援した。代表の小川氏は熊本県出身の現役医者。同社では自動診断アシスト機能のついた聴診器を開発中。心音をデジタル化して解析し、心電図と組み合わせることで特定の心疾患について判断できるデバイスを目指している。

震災現場や遠隔医療では高度な医療機器はない。こういう場合に役立つのがどこにでもある聴診器で、フランスで200年前に生まれてから大きな進化をしていない。ここに注目して在宅医療や遠隔医療、予防医療に役立つデバイス連動の医療サービス構築を目指している。現在は実証実験を重ね、各種医療関連と協議中。

TeNKYU/代表・菅英規氏

IMGP3914

ソフトフロントホールディングス、電通、日立製作所、KDDIが支援した。

電球型デバイスで天気などのオンライン情報を電球を光らせることで自動的に教えてくれる。人感センサーとカラーLEDで雨がこれから降るかどうかを色で光って教えてくれる。天気以外にも花粉や為替、ゴミの日、ラッキーカラーなどをアプリで切り替えて教えてくれるので、スマートフォンなどの汎用デバイスで情報を検索して知る、という行為が必要なくなる。

VRize/代表・正田英之氏

IMGP3926

Supership、大日本印刷、日本マイクロソフト、KDDIが支援したのがVRize。VRプラットフォーム対応のアプリケーションを開発するためのCMS(コンテンツマネジメントシステム)で、360°動画や2D動画の再生ができるVRアプリを配信できる。通常3カ月かかる工程を10分の1程度に効率化してくれる。

<参考記事>

VR空間広告の「VRize」がB Dash VとSpeeeから資金調達、VR動画アプリ支援サービスを開始へ

プログラム期間中に航空会社のラウンジでVRビデオのテスト導入を実施したところ、9割以上の利用客が今後も試したいと回答したそうだ。6月には代理店販売を開始し、同じく提供予定の広告プラットフォームと併せて事業展開していく。

10期からの継続企業には出資も

IMGP3936

10期生のアクセルスペース、XSHELL、笑農和、MAMORIOについては継続支援ということでパートナー連合企業との実証実験などが半年間に渡り実施された。

衛星画像を提供するアクセルスペースでは、KDDIと共同で衛星画像に対してディープラーニングなどを導入し、ビジネス活用可能な「意味のあるデータ」にすべくビジネス実証実験を続けた。例えば三井不動産とは衛星から撮影した駐車場の画像を分析し、駐車場料金の設定に必要なリサーチデータとして活用する実験を実施している。

IoTデバイス開発・運用をウェブのように取り扱うことができるプラットフォーム「XSHELL」については出資も決定した。同プログラム実施期間中の出資は初めてとなる。

IMGP3954

このようにスタートアップと連携して事業開発を進めるパートナー連合企業は次のプログラムとなる12期からTDKと西武鉄道が加わり36社の規模になる。第12期は今年の8月から2018年7月末までの1年間で、エントリー募集(一次)は5月18日から6月19日。それ以降も通年応募が可能だが支援期間が短くなる場合もある。

----------[AD]----------

10期を迎えたKDDI ∞ Labo、最優秀は小口運送を改革する「軽town」に決定

SHARE:

KDDIは9月26日、ヒカリエにて第10期となるKDDI ∞ LaboのDemoDayを開催した。前回発表された通り、プログラムの内容をややアーリーステージ寄りの内容に移行し、より事業性やパートナー連合企業との連携を強化した支援内容に変更した。 30社となったパートナー企業と協力して3カ月のプログラムを終え、オーディエンス賞は「MAMORIO」、最優秀賞に輝いたのは小口運送のマーケットプレース「軽…

imgp1522

KDDIは9月26日、ヒカリエにて第10期となるKDDI ∞ LaboのDemoDayを開催した。前回発表された通り、プログラムの内容をややアーリーステージ寄りの内容に移行し、より事業性やパートナー連合企業との連携を強化した支援内容に変更した。

30社となったパートナー企業と協力して3カ月のプログラムを終え、オーディエンス賞は「MAMORIO」、最優秀賞に輝いたのは小口運送のマーケットプレース「軽town」となった。以下に各社のプレゼンテーションをまとめる。(見出しはサービス名(社名が違う場合はカッコ内)と代表者名)

軽town(CBcloud)/代表者:松本隆一氏

imgp1481

小口配送には非効率の課題が多く、ドライバーとのやりとりはファックスで、電話のやりとりは30回に及ぶ。また他の運送会社に依頼することでピラミッド構造が形成され、結果として労働力不足や賃金低下が進んでしまう。こういった小口配送のニーズを担うためのマーケットプレースが軽town。荷主と配送ドライバーを直接つなぎ、設定された依頼に対してドライバーが希望の価格を設定してその仕事にエントリーができる。作業内容はレビューで監視されるので質も担保されるようになっている。Googleが支援した。

about_shikumi2

Runtrip(ラントリップ)/代表者:大森英一郎氏

runtrip

ランナー向けにランニングのコースを提案するサービス。現地ランナーとの出会いや交流までできるコミュニティを目指している。また自分のお気に入りのコースも投稿が可能で、コースを通じたコミュニケーションを可能にしている。走りたい道をストックできたり、一緒に走る仲間を見つけることができる。

imgp1484

また、ランに必要な温泉やKDDIのRunPitと連携したり、近畿日本ツーリストと提携して温泉宿をランピットとして楽しめるツアーなどを企画した。支援はKDDIが務めた。

Spoch(SPLYZA)/代表者:土井寛之氏

Spochはプロやアマチュアのスポーツを動画で撮影し、そこにコメントをつけることで改善点等を指摘しあえるクローズドのチーム強化サービス。創業者の土井氏はウィンドサーフィンにハマり、プロを目指すべく会社を辞めてオーストラリアに渡って練習したが楽しくなかった。お互いのアドバイスが上手くなる源だと気がつき、これがサービス開発のきっかけとなった。

imgp1437

動画はコマ送りできる他、動画の上にコメントを付けたり、動画のシーンにタグ付けができるので、どのシーンを改善すべきか検索が素早くできるのも特徴。支援はTOPPAN、SOFTFRONT、Microsoftの3社が務め、支援プログラム期間中に100組近くの申し込みを獲得している。本日リリース。

isaax(XSHELL)/代表者:瀬戸山七海氏

isaax

Internet of Thingsは今後の成長市場。一方で開発には大きなコストと人員不足が課題になっている。IoTの標準化団体では19項目に渡る技術力を要求しているが、それを実現できる開発者は非常に少ない。isaaxではこのソフトウェア開発、デバイスのファームウェアアップデートなどの管理までを一括で管理できるプラットフォームになっている。また、基本的なプログラム言語を扱えればこのプラットフォームを利用できるので、開発者の課題も解消しやすい。支援はKDDIが担当した。

Voicy/代表者:緒方憲太郎

voicy

Voicy は提携する複数のニュースソースからの記事をクラウドソースされた複数のパーソナリティが読み上げ楽しむことができる新感覚のニュースアプリ。リスナーは好きなパーソナリティをフォローすることで、自分の耳に合ったパーソナリティによる番組を楽しむことができる。

imgp1432

KDDIのプログラムでは5月に採択された際にはコンセプトしかなく、このプログラムでサービスを完成させた。支援はSupershipおよびMicrosoftの両者が務めた。詳細についてはこちらの記事を参照されたい。

ニュースは読む時代から聴く時代へ——さまざまな分野の話題を、声で選んで聴けるラジオアプリ「Voicy(ボイシー)」が登場

AXELGLOBE(アクセルスペース)/代表者:中村友哉氏

アクセルスペースはJAXAから小型衛星の受託を受けた企業で1500万以上の衛星写真の撮影に成功している。50基の衛星を活用することで、世界中のあらゆる場所を観測できる。この膨大なデータを人工知能などで解析し、あらゆるビジネスに活用しようというのがAXELGLOBE。

imgp1503

データプラットフォームとして提供し、例えば農業向けの保険サービスでは保険会社に今年の収穫情報を提供、農家には刈り取り時期の提示などを可能とする。パートナー企業との提携ではアマナとは衛星画像の販売、プロモーション映像の提供、アマゾンウェブサービスとはビッグデータの管理手法についての検討を開始、三井不動産とはリゾート施設の管理サービス、三井物産とは森林管理の実証実験を開始している。

Paditch(笑農和)/代表者:下村豪徳氏

imgp1469

富山の笑農和が提供するPaditchは米農業の生産過程でもっとも重要となる水の調整を可能にするネット接続型の水門サービス。水管理は毎日実施しなければならず、100箇所あればそれだけ実施しなければならない。深夜・早朝関わらず、車で田んぼにいき、板を抜いたり入れたりすることが必要。また小動物が板に穴をあけて問題になることもある。

imgp1472

Paditchはネット接続型の水門で、田んぼの水を入れる箇所に設置することで、6時間かかっていた水の管理が0時間となり、小動物による穴あけ問題も解消できる。56万枚の田んぼに対して提供が可能で、富山県で1000箇所へのテスト導入を開始する。スマート水田化することで今後やってくる大規模農業の省力化を実現できるとしている。XactiとTOPPANの両者が支援を担当した。

RoomCoリビングスタイル)/井上俊宏氏

imgp1444

家具の問題は部屋との相性とサイズにある。RoomCoはスマートフォンアプリで実際に住んでいる実際の家具を並べてみてシミュレーションすることができるアプリ。スマホのカメラを通じて自宅の部屋を写しながら、AR(拡張現実)的に家具を仮想的に配置ができる。運営するリビングスタイルは無印良品などの3D家具データを20ブランド、90万点持っており、それを活用してインテリアのレイアウトを自由に試すことができる。

roomco

また、部屋の図面に合わせてサイズを最適化する機能もあり、新居など入居できない場合にも実際のサイズで家具の配置をシミュレーションすることが可能となる。支援はKDDIが担当した。

MaMORIO/代表者:増木大己氏

imgp1452

MAMORIOは短距離無線通信、Bluetoothを使った小さなタグで、クラウドネットワークも活用した落し物防止のタグ。他のユーザーがすれ違うとその場所を特定できる仕組みが特許を持っている。ネットワークも広がっており、23区でのネットワークも拡大している。今回の支援プログラムで年間1000円支払うことで保障が受けられる保険プランを提供開始する。クレディセゾンとSOFTFRONTの両者が支援を担当した。

traveltech(トラベルテックラボ)/芝先 恵介氏

訪日外国人はSIMカードの利用が強いニーズになっており、またインバウンドの訪日旅行者の政府目標は4000万人とチャンスが大きい。traveltechはSORACOMと提携してSIMカードを提供し、専用アプリで追加の容量を購入できたり、利用状況を確認することができるサービス。

また、観光スポットを巡ることで追加の通信量をもらえるtraveltech Spotというサービスも提供する。観光などの事業者側はtraveltech ADという広告提供サービスを通じてマーケティング施策を提供することが可能となる。将来的にはSIMカードの無料化も検討している。

----------[AD]----------

KDDI ∞ Labo第9期デモデイでオーディエンス賞を受賞したけん玉IoT「電玉」がクラウドファンディングを開始

SHARE:

欧米を中心に新たな若者のストリートカルチャーとして注目を浴び、日本の若者の間に逆輸入された遊びが「けん玉」だ。 先日開催された「KDDI ∞ Labo第9期デモデイ」では、このけん玉のIoT化に着手しているチームが、会場の投票によるオーディエンス賞に選ばれた 関連記事 KDDI∞Labo第9期Demo Day、最優秀賞はインテリアアートのマーケットプレイス「UUSIA」が獲得——プログラムはアーリ…

欧米を中心に新たな若者のストリートカルチャーとして注目を浴び、日本の若者の間に逆輸入された遊びが「けん玉」だ。

先日開催された「KDDI ∞ Labo第9期デモデイ」では、このけん玉のIoT化に着手しているチームが、会場の投票によるオーディエンス賞に選ばれた

関連記事

IoTけん玉「電玉」を開発するのは、au未来ハッカソンで出会った6人によるチーム。

既存のけん玉市場は20億円ほどだが、IoT化することにより、体感ゲーム市場127億円、ダーツ市場1,190億円などを取り込み、グローバルな市場展開を行うことで、これらの市場総和の5倍の市場規模をターゲットにしているという。

「電玉」は各部位にセンサーを搭載しており、けん玉の技を繰り出すことで相手に振動などの形でダメージを伝える対戦機能や、専用アプリで自身のスキルやステータスを見ながら練習する機能も搭載されている。



「電玉」は本日、Makuakeを通じてクラウドファンディングをスタート。先行販売を開始している。

先日のデモデイでの内容によれば、クラウドファンディング展開後の販路拡大のためau ショップでの店頭体験機会の提供も検討しているという。

dendama

電玉は今後、APIを公開して様々なデベロッパーがアプリを開発できる環境を整えていく予定だ。ストリートでけん玉を楽しむユーザにリーチすることができれば、あちこちで「電玉」のデバイスとアプリを使ってプレイするユーザを目にすることができるようになるかもしれない。

----------[AD]----------

KDDI∞Labo第9期Demo Day、最優秀賞はインテリアアートのマーケットプレイス「UUSIA」が獲得——プログラムはアーリー対象のアクセラレータに移行へ

SHARE:

今日、KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)が、第9回インキュベーション・プログラムに参加したスタートアップのデモデイを開催した。デモデイでは、渋谷のヒカリエにあるイベントホールでオリジナルプログラム参加4チーム、ハードウェアプログラム参加2チームがピッチし、この数ヶ月に成し遂げた進歩を聴衆に披露した。 アーティストがインテリアアートを販売できるマーケットプレイス「UUSIA(ウーシア)」と、購入し…

kddi-mugen-labo-9th-demoday-featuredimage

今日、KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)が、第9回インキュベーション・プログラムに参加したスタートアップのデモデイを開催した。デモデイでは、渋谷のヒカリエにあるイベントホールでオリジナルプログラム参加4チーム、ハードウェアプログラム参加2チームがピッチし、この数ヶ月に成し遂げた進歩を聴衆に披露した。

アーティストがインテリアアートを販売できるマーケットプレイス「UUSIA(ウーシア)」と、購入したアートを部屋に飾れる電子ペーパー IoT フォトフレーム「UUSIA PICTURE」を開発した CAMELORS が優勝した。

UUSIA by CAMELORS【最優秀賞】

副賞:Monoco 提供:おしゃれ小物セット

kddi-mugen-labo-9th-demoday-uusia-winner

街中にはおしゃれなカフェが増え、次第にリビングルームでもインテリアアートを楽しむ文化が浸透してきた。一方で、以前としてアートは手軽に買えない、楽しめないなどの問題を抱える。アートを提供する側のアーティストにヒアリングしてみると、彼らは自身の作品をお披露目する機会が不足していることに不満を感じている。

kddi-mugen-labo-9th-demoday-uusia-1

UUSIA は、アーティストがインテリアアートを販売できるマーケットプレイスだ。ユーザは LINE のスタンプを購入する感覚でアートを購入できる。プラットフォームは未ローンチだが、これまでに1日で539名のアーティストに賛同を得ることができた。2016年3月にはベータ版をリリースする予定で、購入したアートを表示する電子ペーパー IoT フォトフレーム「UUSIA PICTURE」を5月にアメリカでクラウドファンディング開始する予定だ。電子ペーパーを使っているため、表示のためには常時給電が不要である。

kddi-mugen-labo-9th-demoday-uusia-2

メンタリングを担当した KDDI では、コンセプト・サービスを具現化するために、消費電力の測定、電子パーツの技術調査、販路開拓などの支援を提供した。

電玉 by 電玉【オーディエンス賞】

副賞:Monoco 提供:気になるガジェット3種

kddi-mugen-labo-9th-demoday-dendama-winner

au 未来ハッカソンで出会った6人によるチーム。けん玉が世界的なゲームとして認知される中(けん玉2.0)、IoT によってけん玉を進化させ、新プロダクト「電玉」でけん玉3.0 を実現しようとする試み。けん玉内部にセンサー、スマートフォンとの通信機能、アクチュエイターを内蔵しており、2人やチームで対戦し、玉が入ったかどうかを競うことで相手にダメージを与え体感させることができる。

kddi-mugen-labo-9th-demoday-dendama-1

既存のけん玉市場は20億円だが、けん玉を IoT 化することにより、体感ゲーム市場127億円、ダーツ市場1,190億円などを取り込み、グローバルな市場展開を行うことで、これらの市場総和の5倍の市場規模をターゲットにしている。2月29日から Makuake でクラウドファンディングを開始予定。B2C では、Makuake や Kickstarter を使った販売、B2B2C ではダーツバー、遊戯施設、老人ホームなどへの進出を模索している。

kddi-mugen-labo-9th-demoday-dendama-2

メンタリングを担当した KDDI では、ユカイ工学、Jenesis、クレアらの協力を得て、部品選定、認証取得、量産体制の確立などを支援、また、クラウドファンディング展開後の販路拡大のため au ショップでの店頭体験機会の提供を検討している。

HRDatabank by HRDatabank

kddi-mugen-labo-9th-demoday-hrdatabank-1

HRDatabank は、韓国人とチュニジア人の起業家によるスタートアップだ。もともと外国人留学生向けのサポートサービス「Study in Japan」を運営していたが、メンバーだった50カ国600人以上のメンバーにヒアリングしたところ、留学生らは留学そのものよりも、そのあとの就職活動に興味があることがわかった。そこで、発展途上国の人材調達モデルを確立し、HRDatabank を開発した。

kddi-mugen-labo-9th-demoday-hrdatabank-2

発展途上国からのエンジニア採用に特化し、履歴書を24個の条件フィルターで絞り込みできるようにすることで、通常なら100分かかる履歴書のレビューを10秒で済ませられるとのこと。テキストチャット、面接日時設定、ビデオチャットができ、必要に応じて、履歴書情報をもとに入国管理局に提出する労働ビザの申請フォームを作成したり、行政書士にビザ申請を依頼したりすることができる。

Google と KDDI がメンタリングを提供し、Google は主に海外進出に向けたマーケティング手法や、各技術分野におけるマンツーマンサポートを提供した。

AppMotor by Revode

kddi-mugen-labo-9th-demoday-appmotor-1

プログラミングにおいては、開発中のバグやエラーが起きたときには、まわりの知見のある人やインターネットを通じて調べて解決を試みることが一般的だ。しかし、これからプログラミングを始めようとする人には、知見者は近くにいないし、インターネットで情報を調べるにも要点を得ていないと多大な時間がかかってしまう。

AppMotor は現役プログラマや、プログラマを目指す人のためのバグ修正支援プラットフォームだ。ユーザは自身が抱える問題を投稿することで、プラットフォーム上にいるその問題を解決できそうな技術者とつながることができ、ユーザのパソコンの画面やキーボードの入力、マウスの動作を共有し、ユーザは指導してくれる技術者から問題点について教えを乞うことができる。音声動画通話もサポートしている。

kddi-mugen-labo-9th-demoday-appmotor-2

TECH::CAMP での試験運用を予定しており、本日、クローズドでのユーザ募集を開始した。メンタリングを担当する住友不動産は、ビジネスモデルの検討、クライアントの紹介、タッチアンドトライ機会の提供を実施した。

ViC by AG

kddi-mugen-labo-9th-demoday-vic-1

Eコマースにおける課題点は、商品のサイズや質感などが写真だけでは伝わりにくいことだ。このため、特にファッションやインテリア用品を扱うEコマースにおいては、顧客が一度購入した商品を試した後、返品するケースは少なくない。質感、着心地、風合いなど、文章や写真では商品に関する情報が十分に伝わっていないためだ。

ViC は動画を使ったEコマース向けの商品紹介ソリューションで、商品そのもののみならずユースケースを動画にし、動画の上からクリックすることで商品を選択、後に購入することができる。画面上をポインタでスライドすることで、より細かい質感をクローズアップして参照することもできる。

kddi-mugen-labo-9th-demoday-vic-2

メンタリングを提供した三菱UFJニコスが AG をパルコに紹介し、現在パルコの EC サイト「Meetscal ストア」上に ViC が導入されている。動画作成に要する制作コストが業界最安値水準であることが売りで、今後は、映画やドラマ、料理番組からの、プロダクト・リプレイスメントによるEコマースへの販売誘導などにも導入する進める模様だ。

Buildy by クロードテック

kddi-mugen-labo-9th-demoday-buildy-2

日本では、飲食や小売業の中小店舗の24%は2年半で廃業に追い込まれているという統計がある。これらの店舗にとって、事業の継続性を占うのはリピート客の確保だ。しかし、チラシ、クーポン、ウェブサイトなどを作っても、情報飽和により見てもらえなかったり、持ってきてもらえなかったりする。大手チェーン店舗は、プッシュ通知ができる、オウンドメディアが使える、スマホの中に入るなどのメリットから、こぞってモバイルアプリを作り始めたが、開発コストが高いため個人経営の中小店舗には手の届かない代物だ。

Buildy は中小店舗向けのモバイルアプリ作成プラットフォームで、基本機能は無料で使え、アプリも最短3分間で作れるのが特徴だ。アプリが作れると同時に、ウェブサイトも作ることができる。現在、美容院、アパレルショップ、飲食店舗などを中心に導入を進めている。将来的には、日本全国200万軒の中小店舗が、モバイルアプリを通じてリピート客を確保できるようにしたいとのこと。現在は、店舗とリピート客間のコミュニケーション機能が中心だが、今後、予約ポイント機能、決済EC機能などを追加していく予定。

kddi-mugen-labo-9th-demoday-buildy-1

メンタリングを担当した大日本印刷は、O2Oビジネスモデルのブラッシュアップ、顧客候補や協業候補とのコンタクトを支援した。クロードテックはこれまでに PayPal が主催した東京でのハッカソン・イベントで優勝(サービス名:Talk’nPick)しており、本日ベータ版をリリースした。

第10期を前に、KDDI∞Laboはインキュベータからアクセラレータへ

kddi-mugen-labo-9th-demoday-takahashi-presentation-deck-1

第9期から卒業スタートアップによるピッチの終了後、KDDI 代表取締役執行役員専務の高橋誠氏が登壇し、2011年からの5年間で KDDI∞Labo から輩出されたスタートアップの総数が45チームに上っていることを強調。次回第10期を迎えるにあたり、プログラムをシードステージを対象としたインキュベータから、アーリーステージを対象としたアクセラレータに転換を図ることを明らかにした。

具体的には、応募するチームがプロダクト未リリースであることが応募条件から削除され、プロダクトのローンチよりも事業性や KDDI∞Labo パートナー連合各社との事業連携に軸足を移すことになる。また、これまで18社だったパートナー連合各社に加えて、アクセラレーションを支援する企業として新たに12社が加わり、KDDI∞Labo と何らかの形で連携する企業は30社となった。関係会社も加えると、結果として NHK や在京の民放全社が参加しているのは興味深い。

kddi-mugen-labo-9th-demoday-takahashi-presentation-deck-2

最近では、パートナー連合各社にスタートアップとの連携を深めてもらうことを意図して、クレディセゾン、凸版印刷、三井不動産、大日本印刷へは、各社の社員を対象とした出張ピッチを実施、大阪市・石巻市・広島県・福岡市の各地方自治体とも連携し、地方出身スタートアップの発掘にも力を入れている。

第9期のデモデイ終了と同時に、KDDI∞Labo では今日から第10期への参加スタートアップの募集を開始した。第9期と同じくオリジナルプログラムとハードウェアプログラムが用意されており、金融・決済、ヘルスケア、メディア・広告、エンタメ、ライフイベント、ビジネスソリューション、観光・農業、ロボット・移動、VR/AR/AI など、多岐にわたる分野が募集対象となる。

締切は3月22日まででプログラムは4月下旬から開始されるが、3月22日までに募集予定件数に達した場合、締切日を待たずに募集が締め切られる可能性があるとのことなので、応募を検討しているスタートアップには早めのエントリをお勧めしたい。KDDI では、3月1日、2日、9日、10日の18時〜20時に、渋谷ヒカリエにある KDDI∞Labo スペースでの対面か、 Skype での説明会の実施を予定している。

----------[AD]----------