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日本のスタートアップは、アメリカで成功できるのか?〜Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 オリジナルはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。 日本に拠点を置くスタートアップにとって、リソースを海外とシェアしたり届けたりすることは新市場への進出…

sasha-kaverina本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

オリジナルはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。


日本に拠点を置くスタートアップにとって、リソースを海外とシェアしたり届けたりすることは新市場への進出に役立つ。しかし、ハードルの話になると、特に多くのスタートアップが目指す市場の一つであるアメリカは特に、日本の起業家が気づかない競合スタートアップにあふれている。

Monozukuri Hub Meetup では、困難についてオープンに話し合い、我々のエコシステムをより強くするのに役立つ、意味のある繋がりを作るため、カジュアルな機会を通じてスタートアップ創業者、起業家、投資家らと関係性を高めてきた。前回では、このミートアップのコアアジェンダは、どうやってアメリカ市場に打ち勝ち、日本のスタートアップの国際化に向けたアプローチを築くかというものだった。イベントには、さまざまな産業や異なる成熟ステージの起業家が、海外での PMF(プロダクトマーケットフィット)を見出すための実用的な学びを求めて集まった。

東海岸と西海岸の違い

イベントは、Makers Boot Camp の CEO 牧野成将氏のセッションで幕を開けた。牧野氏は、アメリカ市場への参入を期待する起業家に向けた、重要な学びを共有した。彼によれば、躍動するテックスタートアップ界で働くことを目指す多くの若い人材にとって、サンフランシスコは今でも最も有名な夢である一方、東海岸に定住し競合よりも事業を前進させることを選ぶ起業家は日に日に増えているという。牧野氏は、スタートアップハブを訪問したり、日本のスタートアップをアメリカのコミュニティに紹介した、最近の東海岸への出張を振り返った。

世界第二のスタートアップハブで、イノベーションのホットベッドでもあるニューヨークは、その賑やかなコミュニティや、資本と国際的な人材が集中していることが知られる。ERANYdesignsCELANUMA などのアクセラレータやインキュベータらのおかげで、新しいビジネスをローンチしたり、開発したりするのにも理想的な場所だ。

日本のコーポレートリーダーと共に、ピッツバーグのスタートアップシーンについて議論する AlphaLab Gear マネージングディレクター Ilana Diamond 氏(後ろ)、Makers Boot Camp マネージングディレクター 関信浩氏、Makers Boot Camp CEO 牧野成将氏

もう一つの東海岸の街ピッツバーグもまた、クラス最高のリソースにアクセスしたい、AI、ロボティクス、自動運転企業にとっての、新しいテクノロジーの地として頭角を現わしつつある。新しい活動の多くは、カーネギーメロン大学で開拓され、AlphaLab Gear のようなハードウェアアクセラレータによって後押しされた AI や機械学習技術から生み出されている。今年、ピッツバーグで開催された Hardware Cup Finals には、全米7地域と日本を含む4カ国から選ばれたファイナリストが終結した。日本からのファイナリストを選ぶ準決勝HackOsaka 2019 で開催され、イノベーティブなスタートアップ8社が国際的な顔ぶれの審査員の前で事業内容をピッチした。

あっと:容易に毛細血管の血流を観察できるデバイス「血管美人」を観察

あっと CEO 武野團氏

大阪を拠点とするヘルスケアスタートアップ あっと CEO 武野團氏は、数年間にわたり日本内外の医療クリニックや薬局向けのメドテックデバイスを製造販売している。彼が開発した革命的な顕微鏡「血管美人」は、簡単かつ痛みも無くユーザの血流を観察することができ、リアルタイムで血流の性質を表示することができる。

武野氏は、この新技術が血流の影響する広い分野に利益をもたらせると考えている。早期診断、特別な状態のモニタリング、病気療養などだ。彼はグローバルな健康・ヘルスケア領域にアクセスを持ちたいと考えており、世界中の大学や医療組織と協業している。

Scentee:アプリの操作で、香りが醸し出される技術

スマート香りディフューザーをプレゼンする Scentee の服部雄也氏(左)と竹本晃理氏(右)

東京を拠点とするスタートアップ Scentee の服部雄也氏と竹本晃理氏は、Scentee が人工知能を備えたディフューザーを使い、自宅にパーソナライズされた雰囲気を醸し出せる仕組みについて紹介した。彼らのプレゼンテーションによれば、ユーザが機能補完するモバイルアプリを操作すると、Scentee Machina という目に見える装置から香りが醸し出される。

Scentee Machina

2018年に成功した Kickstarter でのクラウドファンディングのおかげで、彼らは58,000米ドル超を調達することに成功し、ラスベガスに飛んで世界最大のコンシューマーショー CES に出展することができた。

国際的なトレードショーは、Scentee にとって、効果的なアウトバウンドマーケティング戦略であることが証明された。

彼はネットワーク拡大や露出増に関心のあるスタートアップは、グローバルなテックイベントに参加するチャンスを見逃すべきでないと考えている。

あっと、Scentee、HoloAsh、DOKI DOKI によるパネルディスカッション

左から:あっと CEO 武野團氏、HoloAsh CEO 岸慶紀氏、Scentee ビジネス開発担当 竹本晃理氏

あっと と Scentee の両社は、彼らのグローバル起業の旅路について語るパネルディスカッションを持ち、アメリカ市場における困難や事業機会が何であるのかを語ってくれた。このパネルには、サンフランシスコを拠点に、ネガティブな感情を克服するための AI アシスタントを開発する HoloAsh の CEO 岸慶紀氏も参加した。彼のチームはシリコンバレーのアクセラレータ TVLP への参加を認められた後、人々の違いこそが尊重される健康的な社会環境の構築を目指して、ブームに沸くヘルスケア市場への参入を始めている。

DOKI DOKI CEO の井口尊仁氏は長年にわたり、キャリアをサンフランシスコと京都で過ごしてきた。

DOKI DOKI の創業者で CEO の井口尊仁氏が、このパネルディスカッションのファシリテーターを務めた。井口氏は日本内外で優れたクリエイターと評価され、その経歴の多くを、テクノロジーを通じた人間関係の強化支援や、未来志向のアイデアを世界の聴衆に届けてのに費やしている。議論の方向性を定めるべく、井口氏は、テックユニコーンが作り出した波や、スタートアップがスケールアップする上で直面する数々の困難について話をした。この話がきっかけとなり、今回の登壇者と、登壇したスタートアップの背景にあるインスピレーション——エコシステムがスタートアップの発展をどのように支援してくれたか、何をもって国際市場で成功したと言えるか——について知りたい聴衆の間で、活発な議論が展開された。

パネルディスカッションの後、参加者はネットワーキングセッションに参加した。

この夜のイベントは、コミュニティの参加者無しには、露出が高まり参加者同士のつながりが深まる、このような成功とはならなかっただろう。IoT のスタートアップ創業者たちに、彼らの大きな困難の解決を支援できるよう、我々は価値ある機会を提供したいと考えている。今後のイベントにも期待してほしい。

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日本で最も国際色豊かなスタートアップサマースクールは、いかにして作られたのか?【ゲスト寄稿】

本稿は、京都スタートアップサマースクールの設立者でリードオーガナイザーを務める、スシ・スズキ氏による寄稿を翻訳したものだ。寄稿された原文は、THE BRIDGE 英語版に掲載している。 スズキ氏は、京都工芸繊維大学と KYOTO Design Lab の准教授で、デザイン思考、イノベーション、 アントレプレナーシップを教えている。また、スタンフォード大学で始まり世界的に拡大した9ヶ月のイノベーショ…

スシ・スズキ氏

本稿は、京都スタートアップサマースクールの設立者でリードオーガナイザーを務める、スシ・スズキ氏による寄稿を翻訳したものだ。寄稿された原文は、THE BRIDGE 英語版に掲載している。

スズキ氏は、京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab の准教授で、デザイン思考、イノベーション、 アントレプレナーシップを教えている。また、スタンフォード大学で始まり世界的に拡大した9ヶ月のイノベーションプログラム「ME310 / SUGAR」を担当している。

スズキ氏は以前、École des Ponts ParisTech(フランス国立土木学校)でデザインイノベーションを教えつつ Paris Est d.school を共同設立、スタンフォード大学で「ME310」のエグゼクティブディレクターを務めた。また、パナソニックヨーロッパのイノベーションチームを立ち上げ、アンティークの着物やアクセサリーをオンラインで取り扱う日本のスタートアップ「i-kimono.com」の共同創設メンバーの一人でもある。

スズキ氏は京都で生まれ、その後、アメリカで15年以上、ヨーロッパで5年以上を過ごし、60カ国以上を旅行した。スタンフォード大学で機械工学の修士号、ライス大学で機械工学とスタジオアーツの学士号を取得。


京都スタートアップサマースクールは、京都工芸繊維大学の KYOTO Design Lab(D-Lab)が開催する、2週間の起業家プログラムである。すべて英語で行われるこのプログラムでは、世界中から60人以上の参加者、ワークショップのファシリテーター、講師が一堂に会する。

なぜスタートアップのサマースクールなのか?

京都サマースタートアップスクールの1シーン
Image credit: Sushi Suzuki

2014年当時、パーソナルなショッピングアシスタント用途のセマンティックな製品検索エンジンを作っていた Yocondo というドイツのスタートアップで、私は失業保険を受けつつ働いていた。チームは4人の素晴らしいエンジニアと、機械工学およびデザインシンキングの経歴を持つコンセプトデベロッパーの私だった。自己資金で何もないところから始め、私たちだけの技術と人々に役立つ製品を作ろうと頑張った。製品はどんどん向上していったが、起爆剤となるような使用例や、資金調達のための投資家との出会いを得ることはできなかった。幾人かのメンバーの失業手当が尽きると、チームは解散した。スタートアップの墓場に、変な名前の会社がまた1つ増えたということだ。

この経験の中で、私は2つの世界的なスタートアップのイベント、ダブリンの Web Summit とヘルシンキの Slush に参加することができた。私たちは投資家とコネを作りメディアの注目を集めようとしたが、すぐに自分たちはスタートアップの世界について知らないことが多すぎるということに気づいた。エンジニアやデザイナーが持つ勘違いは「良いものを作ればユーザはついて来る」というものだ。私たちはスタートアップについての本や記事を読んではいたが、本当の意味で分かってはいなかった。もの作りが上手いからといって、必ずしも良い起業家というわけではないということに、私は気づいた。

起業家精神やスタートアップという言葉は現在世界中で流行っており、会社を作りたいと考える若者は増えている。しかしながら、多くの大学で学べることよりも、はるかに多くのことを学ぶ必要がある。エンジニアリング、デザイン、ビジネスの学校に通うことで学べるのは、全体のほんの一部だ。そこで、起業について包括的概観を学ぶ京都スタートアップサマースクール(KS3)が作られた。

京都スタートアップサマースクールはどう組み立てられているのか?

ワークショップで議論する参加者
Image credit: Sushi Suzuki

世の中にはリーンローンチパッドをモデルにした多くの起業プログラムやコースがある。1日目に参加者はアイデアをまとめ、チームを組む。数週間から数か月の継続的なユーザインタビュー、メンタリングセッション、そしてピッチの後で、最終的にチームはしっかりしたプロダクト・マーケット・フィットのアイデアを生み出すというものだ。KS3は意図的にこのモデルを避け、起業家が会社を設立する前に知っておくべき幅広い内容に、より注力している。異なった長さのモジュールで編成されており、実際に活動している起業家やプロフェッショナル、大学の講師に教えてもらう。

KS3 の核心は、複数日の2回のデザインシンキングとリーンスタートアップのワークショップだ。デザインシンキングのモジュールは、イノベーション、協力的、ユーザ中心、速やかな試作を通じた実験的思考といったマインドセットに注力する。過去2年間、私たちは幸運なことにスタンフォード大学 d.school の講師 Anja Nabergoj 氏に教えてもらっている。リーンスタートアップのモジュールは、ごく小規模な実験を通じてアイデアを向上させていき、プロダクト・マーケット・フィットな良い製品を作るようにするものである。顧客が何を求めているのかを間違って捉え、良くない製品を作る起業家が非常に多いが、デザインシンキングとリーンスタートアップはこれを防ぐことができる。

2回の大きなワークショップの後、小さめの講義やワークショップも多数ある。これらのモジュールには、500 Startups Japan のトップによる投資家と起業家の関係、Kickstarter のデザインとテクノロジーのトップによるクラウドファンディング、Plug and Play Center Japan のマネージングディレクターによる「アクセラレータとの協力の仕方」といった内容のセッションが含まれることもある。2018年から人気があるセッションはスタートアップの企業文化に焦点を当てたもので、この分野で博士号を取った研究者によるものだ。私は Slush Tokyo のピッチコーチであった経験を活かして、スタートアップのピッチについてのセッションを教えている。

地元起業家とのミートアップ
Image credit: Sushi Suzuki

小さめのワークショップでは、Arduino を使ったメカトロニクスプロトタイピングのように、より技術をベースにしたトピックの紹介、ソフトウェア開発や CAD の紹介、マーケティングのためのストーリーテリングというようなことに注力している。これらのモジュールの目的は、参加者を何かの分野のエキスパートにすることではなく、スタートアップを立ち上げる上で重要な、さまざまな分野に通ずる根本的な知識を提供することだ。しっかりした紹介を経ることで、参加者はここで得たことを起業に取り入れる際に、成功するためには何を学ぶべきなのか分かるようになる。

その他にも、2週間を通じて、地元の起業家とのミートアップ、地域のスタートアップ訪問、朝のヨガや瞑想セッションといった楽しいイベントが多数ある。KS3 はスタートアップウィークエンドの54時間で終了し、そこで参加者は起業に向けた準備をし、学んだすべてのことを当てはめることができる。このセッションは SW Kyoto community が共催するもので、地元のメンバーも参加する。

京都スタートアップサマースクールに参加するのはどういった人か?

KS3 は2016年に2日間のベータテストとして、4つの講座と12名の参加者で始まった。プログラムに関する広告は1か月前からしか行っていなかったので、参加者の多くは地元の人間だった。2017年、プログラムを2週間に拡大させ、世界中に向けて広告を出した。私はこう考えていた。「起業についての2週間のプログラムのために、本当に日本に来る人がいるだろうか?」果たして、その年は51の国々から199件の申し込みがあり、その中から35名を私たちは選んだ。そして本当に世界中から人々はやって来た。2018年も同様に盛況だった。ブラジル、チリ、エジプトといった日本から遠く離れた場所から来た参加者もいた。イラクからも希望者がいたが、ビザを取ることができなかった。

一方で、日本の学生からの申し込みは多くはない。申し込みのうち40~50%は日本人になるのではないかと考えていたが、過去2年間は3~5%だった。言語的障壁のため多くの人が敬遠するとは分かっていたが、日本にはあまりサマースクール文化がないということに私たちは気づき始めた。さらに多くの日本人参加者を集めることが、間違いなく将来に向けた課題である。

KS3 にこれまで参加した人の出身地は世界中に
Image credit: Sushi Suzuki

2018年にはプログラムの最初の1週間を、企業参加者にも開放した。デザインシンキングとリーンスタートアップの2つの中核的なワークショップは、企業や社員が新たな製品、サービス、ビジネスを開発しようとする際に実際に適用できるものだ。複数の企業が社員を送って来てこれらの方法論でトレーニングを受けさせており、私たちも将来的にこれを拡大させたいと考えている。

KS3 を運営していて最も大きな喜びの1つは、毎年築くことができているコミュニティだ。毎年全参加者で Facebook グループを作り、サマースクールの後も多くの参加者の交流が続いている。多くの人々はスタートアップの潮流がまだ初期段階の国々から来ており、世界中の志を同じくする情熱的な人々と繋がりを持つことは励みになる。また、ポジティブな意見も建設的な意見も両方とも、多くのフィードバックを受け取っている。KS3 のすべての面で改善を続けており、今年参加する人々に会えることを心待ちにしている。

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京都発のアグリテックスタートアップ・坂ノ途中、シリーズBで6億円を調達——有機農産物マーケットプレース、アジアの森林コーヒー事業を強化

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京都を拠点に、新規就農者の農業参入支援、対面や直販での野菜販売などを展開するスタートアップ・坂ノ途中は17日、シリーズ B ラウンドで6億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加した投資家は次の通り。 京都大学イノベーションキャピタル Impact and Innovation, LLC(アールテック・ウエノおよびスキャンポ・ファーマシューティカルズ社の共同創業者である久能祐子氏による会…

Image credit: On The Slope

京都を拠点に、新規就農者の農業参入支援、対面や直販での野菜販売などを展開するスタートアップ・坂ノ途中は17日、シリーズ B ラウンドで6億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加した投資家は次の通り。

  • 京都大学イノベーションキャピタル
  • Impact and Innovation, LLC(アールテック・ウエノおよびスキャンポ・ファーマシューティカルズ社の共同創業者である久能祐子氏による会社)
  • 価値共創ベンチャーファンド(NEC キャピタルソリューション、ベンチャーラボインベストメントが運営)
  • 京信イノベーション C ファンド(フューチャーベンチャーキャピタルが運営)
  • 京都市スタートアップ支援ファンド(フューチャーベンチャーキャピタルが運営)
  • セラク(東証:6199)
  • たぐち事務所(エス・エム・エスの共同創業者である田口茂樹氏による会社)
  • 中信ベンチャーキャピタル
  • ナント CVC(南都銀行、ベンチャーラボインベストメントが運営)
  • 農林漁業成長産業化支援機構
  • ハックベンチャーズ
  • みずほキャピタル
  • 三菱 UFJ キャピタル

これは坂ノ途中にとって、2014年に実施した関係者からの資金調達、2016年12月に実施したシリーズ A ラウンド調達(2億円)に続くものだ。フューチャーベンチャーキャピタル(東証:8462)、京都中央信用金庫傘下の中信ベンチャーキャピタルは、前回のシリーズ A ラウンドに続くフォローオンでの参加となる。

坂ノ途中では現在、新規就農者の農業参入支援と対面や直販での野菜販売、有機農産物の生産者とバイヤーのマッチングプラットフォーム「farmO(ファーモ)」、東南アジア各国の森林内におけるスペシャルティコーヒーの栽培・流通の3つを軸に事業を展開。特に farmO とコーヒー栽培については、以前からの農業参入支援・野菜販売による売上を下支えする新規事業として注目される。

坂ノ途中の仕組みで農業を営む新規就農者
Image credit: On The Slope

農業参入支援・野菜販売事業の内容については、シリーズ A ラウンドの際の記事に書いたので詳細は省略するが、年に売上が1.5〜1.6倍のペースで成長しているところを、今回ラウンドの投資家でもあるセラクの業務ソリューションを導入することで2倍以上の成長を目指すという。セラクは、農業に IoT 技術を融合した圃場環境モニタリングサービス「みどりクラウド」を提供している。また来年には、同社の農業参入支援・野菜販売事業の認知度向上を狙って、京都市内中心部に飲食店を、東京都内にグローサリー・ストアをオープンする計画。具体的な場所は定まっていないが、京都の飲食店については、四条烏丸や四条河原町のような繁華街への出店が想定される。

farmO のダッシュボード
Image credit: On The Slope

有機農産物の生産者とバイヤーのマッチングプラットフォーム farmO は、一般社団法人「次代の農と食をつくる会」と連携して運営している。2019年5月現在、424件の生産者と224件のバイヤーが登録しており、有機農業者データベースしては国内最大規模だという。現在のところはマッチング機能しかないが、坂ノ途中では今後、受発注・請求・決済機能を追加開発する予定。農産物の売買においては、顧客が注文した後の数量変更、顧客に農作物が届いた際の状態による価格変更など、通常の受発注システムではカバーできない仕様が備わる予定で、この種の機能を備えたシステムとしては新しい存在になるようだ。坂ノ途中ではプラットフォームを無料で提供し、受発注時の決済手数料でマネタイズする考え。

ラオスのコーヒー農家
Image credit: On The Slope

コーヒー栽培は、「アグロフォレストリー」という森林の中で栽培法を東南アジア各国で展開。スペシャルティコーヒーを生産できる上に、現地の農家の人々に持続的な収入源を提供できるため、森林伐採を防ぐ効果もあるという。同社ではラオス、ミャンマー、フィリピンで栽培事業展開しており、今年はタイ、イエメン、バリ、ネパール、中国に産地を拡大する計画。コーヒーの熟度の統一や発酵レベルの安定化など品質向上、栽培・収穫・発酵後の、日本の珈琲店・焙煎工場までの流通経路・販路拡大なども図る。

坂ノ途中の設立は2009年7月、創業者の小野邦彦氏が京都大学在学中に「環境×農業」分野での起業に興味を持ち、2006年のキャンパスベンチャーグランプリ大阪大会での特別賞受賞を経て事業を開始。小野氏が金融畑を経験していることもあり(坂ノ途中を立ち上げる前に、BNP Paribas で金融商品を開発していた)、今回の資金調達は自ら先頭に立って投資家らと交渉にあたってきた。今後は、事業のさらなる拡大に向けて、CFO やエンジニアの採用にも注力したいとしている。

坂ノ途中 Soil 京都・九条大宮店
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未来を変えられるか? CESから学ぼう!〜Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 オリジナルはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。 CES 2019 の後は、今年何が紹介されていたか、テクノロジーがどこに向かおうとしているかを話し…

sasha-kaverina

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

オリジナルはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。


CES 2019 の後は、今年何が紹介されていたか、テクノロジーがどこに向かおうとしているかを話し合うのに良い時期だ。我々は京都で開催された Monozukuri Hub Meetup に日本のスタートアップと投資家を招き、彼らがラスベガスから持ち帰ったものを共有し、その体験を話し合うセッションを開いた。

毎年あらゆる企業が CES に集まり、それまで取り組んできて消費者へのローンチを控えた素晴らしい製品を紹介している。150カ国から4,500社18万人が集まるこの巨大イベントは、世界のテクノロジー産業の中心地であり、そこでは新しい製品ビジョンや未来のコンセプトデザインが紹介され、新しいテクノロジーが直面する機会について、より深い議論が展開されている。今回、我々は日本の起業家や投資家に、最も有望なトレンドについての洞察を共有し、CES 2019 での体験をまとめてくれるようお願いした。

THE BRIDGE における CES 2019 関連記事一覧

グラフィックレコーダーの久保田麻美氏

満席となったミートアップは、Makers Boot Camp CEO の牧野成将氏の歓迎スピーチで幕を開けた。牧野氏は聴衆に挨拶し、ハードウェアスタートアップ育成の重要性を強調した。牧野氏はトークをまとめた後、イベントでライブでプレゼンテーションを描くグラフィックレコーダーの久保田麻美氏にマイクを渡した。グラフィックレコーディングは、ライブイベントでもたらされた主要なアイデアを把握する上でクリエイティブな方法であり、そうして生まれたアイデアを記憶に残るものへと変えてくれる。こうしたビジュアルレコーディングが一体となることで、最も魅力的かつ興味深い方法でストーリーを届けることができる。

Empath CSO 山崎はずむ氏

Empath のチームが音声分析 AI の構築を始めたのは2017年、それから1年以内に Orange Fab Asia や Google のアクセラレーションプログラムに選ばれ、8つもの国際ピッチ大会で優勝するとは考えてもいなかった。東京拠点の同社は、人間が話すスピード、音程(トーンやピッチ)の分析を元に、音声からリアルタイムで人間の感情を認識できる感情認識プログラムを開発している。山崎氏はプレゼンテーションで、不安などの感情を AI 技術で検出可能であることを披露した。この技術は、すでに40カ国以上の顧客に届けられている。

Teplo の共同創業者である河野辺和典氏

Teplo の共同創業者である河野辺和典氏は CES 2019 を訪問し、ユーザがスマートフォンで茶を淹れる際のパラメータを設定できるスマートティーボトルの新バージョンを披露した。バブソン大学 MBA の卒業生が率いるこの東京拠点のスタートアップは、気分に合わせてお茶を淹れる温度や時間を自動化・制御・モニタできる新しい体験を提供する。

政府主導プログラム「J-Startup」のもと CES に参加した同社は、CES 2019 Innovation Awards を受賞した。河野辺氏は、今年最大のテックイベントでの価値の引き出し方についてティップスを共有し、CES に参加する際の費用について話してくれた。

スタートアップにとっては、相応のお金を支払う用意をする必要がある。トレードショー参加の見積予算としては、一人当たり5万円。そしてラスベガスには、少なくとも2人のチームメンバーで行く必要がある。

mui CEO の大木和典氏

木製スマートディスプレイの mui が CES 2019 Innovation Awards を受賞した理由はわかりやすい。この滑らかな木製品は、タッチセンサーやワイヤレスセンサーを内蔵した IoT デバイスで、温度、ボイスメールメッセージ、Google 検索結果を表示する。mui CEO の大木和典氏は、スタートアップが CES に参加する理由として、多くのネットワーキング機会とメディア取材を上げた。今年、mui は多くのメディア露出を獲得し、BBC、The Verge など主要メディアチャネルに取り上げられた。

Makers Boot Camp を主宰する Darma Tech Labs パートナーの木村美都氏

CES は消費者産業の売り手と買い手のためのイベントである、投資家などの将来トレンドを評価しようとする人々にとっては、その目印を提供する。木村美都氏は、イノベーティブな製品群を垣間見るため、また、Makers Boot Camp の投資先であるスマートショッピングと Teplo を支援すべく、はるばる日本から CES に参加した。

彼の観察によれば、CES 2019 のホットトレンドの一つとして、睡眠をモニタしたり拡張したりするテクノロジーが浮上しているようだ。参加者では、フランスのテックスタートアップが Eureka Park で他を圧倒していたと強調した。

Forbes によれば、Eureka Park にはフランスのスタートアップ315社が参加、その後、アメリカの293社、韓国の107社と続いた。

Hack Jpn の CEO 戸村光氏

最後のスピーカーは、インターンを希望する日本の学生をシリコンバレースタートアップとつなぐプラットフォーム Hack Jpn の CEO 戸村光氏が務めた。彼は、CES 2019 のトレンドについて、豊富なレポートの中で発見した内容を紹介し、聴衆に貴重な洞察を提供した。

今年はドローンがテック界を席巻し、ドローン技術における、より新しい先端イノベーションが多くの人々を驚嘆させた。CES 2019 の展示の多くが 5G に関するものだったことは驚くにあたらない。

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マネーフォワード、京都・三条河原町に開発拠点を設立——地元コミュニティの期待が膨らむ中、新風を吹き起こせるか?

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マネーフォワード(東証:3994)は7日、京都・三条河原町に新支社・開発拠点(以下、京都オフィス)を設立した。この日、京都オフィスで開かれた設立記念イベントには、マネーフォワード CEO の辻庸介氏、京都オフィスの代表に就任する村上勝俊氏(京都開発部部長)、エンジニアの谷口徹氏が出席。来賓として、京都市長の門川大作氏や京都大学教授の木谷哲夫氏らが招かれた。同社はこれまで京都・四条烏丸のコワーキング…

左から:京都大学教授 木谷哲夫氏、マネフォワード CEO 辻庸介氏、京都市長 門川大作氏
Image credit: Money Forward

マネーフォワード(東証:3994)は7日、京都・三条河原町に新支社・開発拠点(以下、京都オフィス)を設立した。この日、京都オフィスで開かれた設立記念イベントには、マネーフォワード CEO の辻庸介氏、京都オフィスの代表に就任する村上勝俊氏(京都開発部部長)、エンジニアの谷口徹氏が出席。来賓として、京都市長の門川大作氏や京都大学教授の木谷哲夫氏らが招かれた。同社はこれまで京都・四条烏丸のコワーキングスペースに営業拠点を設置していたが、今回、独立オフィスとして新拠点を構えたことで、さまざまな試みを始める見通しだ。

なぜ、京都なのかという疑問には、いくつかの可能性が考えられる。ベンチャーにとって東京でのエンジニア採用が難しくなる中、LINE が京都に開発拠点を設立したのは記憶に新しい。同じような文脈は少なからず存在するだろう。CEO の辻氏が京都大学農学部出身であることも理由の一つに考えられる。京都拠点の設立は今から約1年前、前出の村上氏(兵庫・三田出身)を中心として、社内 Slack に「そうだ、京都へ行こう」という一文で立ち上がったスレッドに端を発するそうだ。

京都に対する思いを語る辻氏
Image credit: Money Forward

SaaS の会社が開発拠点を設立することで、地元の大学生にとって有望ベンチャーのインターン先が近隣に生まれることも意義深い。京都オフィスの社員数は設立当初2名と小規模ながら、今日のイベントに市長が訪問したことに象徴されるように、地元コミュニティの期待は大きい。同社では、会社が大きく成長していく中で「東京本社ではできていないことを、京都オフィスで積極的に挑戦していってもらいたい(辻氏談)」としている(同社では、京都オフィスのコンセプトを「give it a try」と設定している)。

京都オフィスでは、グループ会社化したナレッジラボの開発支援に加え、ものづくり人材の創出拠点と位置づけ、京都発の新たな事業やサービス開発も推進する。決定事項ではないものの、積極的な外国人エンジニアの採用、オフィス公用語の英語化、休業日の平日への移動(平日に休み休日に働くことで、学生がインターンやアルバイトに来やすくなる)など、興味深いアイデアをいくつか抱えているようだ。マネーフォワードの本格進出によって、京都のスタートアップコミュニティがさらに活気続くことが期待される。

左から京都開発部部長の村上勝俊氏、エンジニアの谷口徹氏。京都オフィス自慢の畳部屋で。
Image credit: Money Forward
京都オフィスの玄関からのアプローチ
Image credit: Money Forward
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生物情報アプリ開発のバイオーム、シードラウンドで京都の複数VCなどから1億円を資金調達

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<7日18時30分更新> 本稿初出時、中信ベンチャーキャピタルを「京都信用金庫とジャフコが出資」としましたが、正しくは「京都中央信用金庫とジャフコが出資」でした。該当箇所を訂正し、関連部を削除しました。出資者名に京都中央信用金庫と京都リサーチパークを追加しました。 京都を拠点とするバイオームは、いきものコレクションアプリ「バイオーム」や生物情報可視化システムを提供しているスタートアップだ。同社は7…

<7日18時30分更新>

本稿初出時、中信ベンチャーキャピタルを「京都信用金庫とジャフコが出資」としましたが、正しくは「京都中央信用金庫とジャフコが出資」でした。該当箇所を訂正し、関連部を削除しました。出資者名に京都中央信用金庫と京都リサーチパークを追加しました。

京都を拠点とするバイオームは、いきものコレクションアプリ「バイオーム」や生物情報可視化システムを提供しているスタートアップだ。同社は7日、シードラウンドで1億円を資金調達したと発表した。

このラウンドに参加したのは、同じく京都を拠点とする VC であるフューチャーベンチャーキャピタル(東証:8462)、Kips、大阪を拠点とするハックベンチャーズ、中信ベンチャーキャピタル(京都中央信用金庫ジャフコが出資)、みずほキャピタル、京都中央信用金庫、京都リサーチパーク。これに先立ち、昨年末には、京都信用金庫とフューチャーベンチャーキャピタルが運営する「京信イノベーション C ファンド」がバイオームに出資したことが明らかになっているため、京都信用金庫は、同ファンドと中信ベンチャーキャピタルの2つのチャネルを通じてバイオームに出資したことになる

今回の資金調達を受けて、バイオームは Android 向けアプリ「バイオーム」β版の機能拡張と、iOS 向けアプリの開発を加速するとしている。

バイオームは京都大学からスピンオフする形で2017年5月に設立。世界中の生物・環境をビッグデータ化、「生物多様性市場」の創出を目指し、2017年に京都大学技術イノベーション事業化コース最優秀賞を受賞した。SDGs の社会的ニーズを背景に、生物の分布データを取り扱う生物情報プラットフォームを構築している。京都信用金庫が主催した「第5回 京信・地域の起業家大賞」で最優秀賞を獲得、また、2018年6月に経済産業省が92社を選定した「J-Startup」の1つにも選ばれた。

<参考文献>

via Biome

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関西の起業家たちが語った、スタートアップの始め方〜第19回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 イベントの模様を撮影したビデオはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。   自分のアイデアを本格的なビジネスにしようと考えているときは、どん…

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本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

イベントの模様を撮影したビデオはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。


 

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Image credit: Tugi Guenes

自分のアイデアを本格的なビジネスにしようと考えているときは、どんなアドバイスも貴重だ。Makers Boot Camp と Kyoto Startup Summer School(KS3)は、自分のビジネスを作るのに必要な要素の中から、このミステリーを取り上げるべく3人のスタートアップ創業者を招いた。自身のベンチャーのために、レッスンのノートをとってほしい。

京都にスタートアップエコシステムを築こうとする挑戦に、これまで素晴らしいスピーカーを数多く招いてこれたのは幸運だった。大きな夢を持ったテック起業家は世界を変えるアイデアを市場に出す方法を教えてくれたし、投資家は資金調達の成功に必要な秘訣を教えてくれたし、ビジネスコーチはビジネスの前進に必要な自信を、我々の異文化チームに満たしてくれた。

これらすべての知見を使って、何から始めてみるべきか?

言うまでもなく、コミュニティにおける最も重要なタスクの一つは、経験豊富な起業家から集めた知識を、意欲のある起業家へと引き継ぐことだ。我々は常に、世界中の起業家の才能と学生のイノベーティブな精神を奨励するよう常に努力している。今回、Kyoto Startup Summer School 2018 の一部として、Makers Boot Camp と KYOTO Design Lab(D-lab)が Monozokuri Hub Meetup を共催した。17カ国から来日したパッション溢れる学生たちは、起業家精神を学びながら京都の地元スタートコミュニティに没頭した。

京都工芸繊維大学の KYOTO Design Lab 特任准教授で、 Kyoto Startup Summer School のチーフオーガナイザーである Sushi Suzuki(鈴木篤史)氏は、世界中から学生、ワークショップのファシリテイター、講義を集めた。京都のスタートアップエコシステムを披露するには絶好の機会だったと思う。シリコンバレーについては多くのことが書かれてきたが、小さいながらも成長するスタートアップシーンについての記述を目にする人はほとんどいない。日本では特にそうだ。今回はミートアップとパネルディスカッション形式にしたことで、いつもの講義形式を抜け出し、イベントに来訪した地元の意欲のある起業家をより多く巻き込むことができた。

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2018年3月、Monozukuri Hardware Cup でピッチするスマートショッピング代表取締役の林英俊氏
Image credit: Masaru Ikeda

今回の Monozukuri Hub Meet-up は、Makers Boot Camp のマーケティング責任者である Sabrina Sasaki 氏のオープニングスピーチで始まり、彼女はスタートアップが直面する困難について焦点を当てた。

我々のタスクは、不足している必要リソースをスタートアップが手に入れられやすいようにし、プロトタイピングや大量生産を支援することだ。

我々のポートフォリオの一つであるスマートショッピングのスケールアップに要したのは、わずか1年だった。来月には、ハードウェア製品1万台の初期ロットをもうローンチしようとしている。

いかなるスタートアップコミュニティのメンバーも、互いに助け合い、そのハードワークを賞賛しあわないといけない。スタートアップの功績は、私に大きな喜びを与えてくれる。彼らが毎日のように積み重ねてきたハードワークの集大成を具体的な成果として目にすることになるからだ。(Sasaki 氏)

シルバーエッグ・テクノロジー(大阪):レコメンドエンジンの大家(たいか)

 

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シルバーエッグ・テクノロジー CEO の Thomas Foley 氏。彼は人工知能技術のスペシャリストだ。
Image credit: Tugi Guenes

最初のキーノートスピーカーは、人工知能(AI)を使ったレコメンド機能を提供するシルバーエッグ・テクノロジーの Thomas Foley 氏だ。同社のミッションは、個々の顧客が欲するものを予測する技術を、社内に持たない中小企業にサービス提供することだ。1998年のインターネット時代の初期に設立され、2016年には東京証券取引所に上場した。同社の AI 技術は現在、日本のトップの数百ものウェブサイトでレコメンデーション体験を提供している。シルバーエッグを始めるまでの道のりは、同社の創業者たちにとって大変なだったに違いない。

Foley 氏は、次のように振り返った。

日本で仕事し始めて結婚した頃、働いていた子会社が失敗し行き場を失ってしまった。妻が事業を始めたがっていたので、私は幸運だった。我々は妻が営業を、私がソフトウェアを担当することに決めた。

シルバーエッグ・テクノロジーが公開され、世界最大の金融新聞の一つである日経に取り上げると、何千人というユーザが初日からウェブサイトを訪れ、同社のサーバはクラッシュした。

忘れられない体験だった。

Foley 氏は笑った。

Foley 氏からのアドバイス:成功への秘訣がもしあるとしれば、それはリスクと苦悩への準備をするべきということだ。心の底から自分を信じなければならない。

NOTA(京都):資金不足のカリフォルニア生活から日本での成功

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洛西一周氏は、高校生の頃からユーザフレンドリーなソフトウェアを開発してきた
Image credit: Tugi Guenes

成功した創業者たちの多くは、倒産の危機に直面したことがあるものの、それをうまく切り抜けて、より堅固な財務基盤を再び見つけている。NOTA の洛西一周氏は、好きなことをしてお金を稼いでいる幸運な人々の一人だ。彼は高校2年生のときスクラップブックソフトウェア「紙copi」をデザインし、合計250万ドルを売り上げた。

2007年、彼は意欲に満ちた起業家としてカリフォルニア州パロアルトに移転。彼は新たなベンチャーを始めることを決心するも、まもなくして、そこには友人も銀行口座も住む家も無いことを知った。洛西氏のスタートアップは彼がアメリカでの学びを得て日本に戻った後、2010年にしばらく活動を休止した。NOTA の現在の基幹プロダクトは、URL をコピーするだけでユーザのクリップボードにスクリーンショットを共有できるクラウドアプリ「Gyazo」だ。

 

NOTA がどうやって成功できたかを尋ねると、洛西氏は「ドッグフーディングだ」と語った。ドッグフーディングとは、ある組織が自社のプロダクトを持つ状況を示すのに使われるスラングだ。

大変厳しい時期を送っていたが、必要性を確信できる、そして、自分たちにとっても欲しいと思えるモノを作ることができた。

もう一つのキーポイントとして、スタートアップはこれを考えるべきだと洛西氏は語る。

素晴らしいエンジェル投資家を見つけたとしたら、その人はお金と経験の両方を提供してくれるだろう。

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アトモフ(京都):クレイジーなアイデアをソリューションにする

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4K 画像を表示できるデジタル窓を制作する京都のアトモフ
Image credit: Tugi Guenes

最後に、アトモフ CEO の姜京日氏が世界初のスマートなデジタル窓「Atmoph Window」の秘話を共有してくれた。Atmoth Window は数百もの世界中の美しい景色を届けてくれる。2004年、ロサンゼルスでロボット工学の学生だった姜氏は、住んでいた部屋から見える限られた光景にストレスを感じていた。

毎日、ブラインドを下げて部屋を暗くしていたものだ。

10年後、姜氏はパートナーで共同創業者の中野恭兵氏に加わり、ユーザが旅をしてインドアから自然とつながれる方法を再発明した。

Kickstarter でクラウドファンディングをローンチ後、アトモフは簡単に製造コストを賄う10万ドルの目標を達成することができた。彼の Kickstarter での経験は楽しいものだったが、日米間の時差に阻まれて大変骨の折れるものだったという。調達金額は十分ではなかったが、アトモフは最近の Makers Boot Camp からの調達をはじめ(2018年)、複数の投資家からの資金調達に成功している。

姜氏は微笑みながら、こう語った。

Kickstarter でクラウドファンディングを実施する前は、アトモフこそ、このプロダクトを必要とする唯一の存在だと言ってくれる VC と話をしていた。現在は世界中にデジタル窓を出荷しており、他業界とも提携関係を構築しつつある。

彼がくれたアドバイスは、とにかく始めてみようというものだ。

どんなにコンセプトがクレイジーであれ、プロトタイプを見せて、パッションを持って投資家を口説いてみよう。

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京都工芸繊維大学の KYOTO Design Lab 特任准教授で、 Kyoto Startup Summer School のチーフオーガナイザーである Sushi Suzuki(鈴木篤史)氏とのパネルディスカッション
Image credit: Tugi Guenes

ゲストスピーカーのプレゼンテーションの後、Suzuki 氏のモデレートによる実り多いパネルディスカッションへと続いた。パネリストたちは、お金の集め方、コピーキャットとの対峙の仕方、投資家の口説き方、興味津々の聴衆からの質問に答えた。

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多国籍メンバー・文化を超えたチームビルディングの方法とは?〜第18回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 イベントの模様を撮影したビデオはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。 Eメールのやりとりから会社のパーティーまで、異文化チームの中で仕事をすることは…

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

イベントの模様を撮影したビデオはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。


Eメールのやりとりから会社のパーティーまで、異文化チームの中で仕事をすることは、国籍が違ったり母国語が違ったりするだけでなく、さまざまな困難を伴う。もう経験済みですね。

モノカルチャー(単一文化)のチームは過去のものだ。イノベーティブなスタートアップは、異文化の才能を集めた強力なチームをつくり、多様性の恩恵を享受する傾向がある。しかし、異なるバックグラウンドやマインドセットを持つ人々の集団に、シームレスかつ一緒に仕事してもらうことは難しい。

彼らが世界に散らばって仕事するなら、なおさらだ。Makers Boot Camp は、文化的に多様なチームで構成されるスタートアップと、ビジネスエキスパートを招いて、これが実現可能であることを証明してみた。

Image credit: Tugi Guenes

ブラジルのサンパウロで育ち、現在は日本の国際チームで仕事する人物として、Makers Boot Camp のセールスマーケティング責任者 Sabrina Sasaki 氏は、ビジネススタイル文化に存在しうる深刻な相違点を完全に理解している。彼女は例外ではないが、最初のフルタイム従業員として外国人を雇用したスタートアップの話を聞くことはほぼ無い。

彼女の場合は、まさにそうだった。日本語は話せないものの、スカンジナビア、フランス、アメリカ、フランスで過ごした経験を持つ彼女は、文化的な違いがどれほど仕事に影響を与えるか、ここ(Makers Boot Camp)で知ることとなった。

Makers Boot Camp では、多様なスキルやバックグラウンドを持った多国籍チームを作りました。そう言うと聞こえはいいですが、現実的には決して簡単なことでありません。(Sabrina Suzuki 氏)

京都大学でのブースで、Makers Boot Camp のチームと共に活動するインターンの Abby、Danielle、Suzie(以上、アメリカ)、Amanda(ブラジル)、Takumi(日本)
Image credit: Tugi Guenes

Makers Boot Camp のチームは日本、アメリカ、ドイツ、ブラジル、ウクライナなど多国籍で、スタートアップから大企業まで、PR およびメディア、金融と投資、エンジニアリングと製造、ソフトウェアとデジタルエージェンシー、ビジネスコンサルタンシーなど、多岐にわたる分野で勤務経験のある人員で構成されている。

加えて、Makers Boot Camp は今夏、テキサス大学オースティン校から3人のインターンを受け入れている。彼らはオースティンから遥々上洛し、多様な知識と国際的なビジネス環境をもたらした。

VEDLT:世界進出への挑戦

VELDT CEO 兼創業者の野々上仁氏
Image credit: Tugi Guenes

成功したスタートアップ事例の一社として、VELDT の CEO 兼創業者の野々上仁氏は、このイベントの最初のゲストスピーカーに招かれた。野々上氏はイベントのテーマについて知り、自分の課題をシェアすることを決めた。彼の会社は、ハイエンド顧客の生活を変化させる次世代高級スマートウォッチを開発している。

現在は、事業を新市場へと拡大中だ。2012年以来 VELDT は拡大を続け、現在は日本とシリコンバレーにオフィスを構える。チームの成長につれ、野々上氏は異文化環境で仕事をするには、多くの調整が必要であることを確信した。

今年5月に海外オフィスを開設したことから学んだ需要な教訓の一つは、プロダクトを新しい都市に紹介するときには、その地域の文化とユニークな社会における課題を理解しなければならないということ。(野々上氏)

VELDT のチームは新しいプロダクトと重要な提携の発表を数ヶ月後に控えており、そのキャプテンである野々上氏は、文化拡大の荒波の中でどう進むべきかの用意はできつつあるようだ。

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DouZen:多様な職場環境は自然なこと

DouZen CEO 三浦謙太郎氏
Image credit: Tugi Guenes

2人目のスピーカーとして登壇した DouZen の三浦謙太郎氏は、文化的に多様なチームを長年にわたりマネージメントしてきた。日本とアメリカのテック業界で専門知識を持った起業家として長年にわたり活躍する三浦氏は、次のように語った。

二つの文化を理解し、二つの言語を理解できることは、大きなアドバンテージだ。

2015年に設立され、サンフランシスコとボストンにオフィスを構える DouZen は、家族が写真や動画をアップロードし、シェアし、大画面で鑑賞し楽しめるテニスボールサイズのワイヤレスデバイス「Halē Orb」を開発している。アーリーアダプターやテックサビーな人たちだけでなく、家族が相互に会話をしやすいようにデザインされている。

三浦氏は、Halē Orb を Enchanted Object(魅惑的なモノ)と位置付けた。Enchanted Object とは、IoT がバズワードとなる前、数々の表彰を受けているプロダクトデザイナー David Rose 氏(MIT メディアラボ)が作った造語で、インターネットの恩恵を受けながらも、その複雑さはエンドユーザからは見えないようになっているものを指す。

三浦氏は、テクノロジーによって、スタートアップは世界各地に散らばるチームメンバーを束ね仕事することが容易になったと語る。サンフランシスコ、ボストン、ニューヨーク、日本に従業員がいても、彼が問題を感じることは無いという。

しかし、ホワイトボードを使って進むべき道を探し出すブレインストーミングを図るような、一緒に何かをして協働する必要が生じた時、全員が同じ部屋にいる機会があった方がいいかもしれないと感じることはあるだろう。

グロービス経営大学院 Darren Menabney 氏が教える、企業文化の作り方

グロービス経営大学院講師の Darren Menabney 氏
Image credit: Tugi Guenes

熱烈な語り手で、グロービス経営大学院講師の Darren Menabney 氏は、次のように語った。

どんなにビジネスプランやサービスが良いものでも、文化が悪ければ、それを殺してしまうだろう。

経営の神様と言われる Peter Drucker 氏の「どんな緻密な戦略を立てるよりも、優れた企業文化を構築することが重要(Culture Eats Strategy for Breakfast)」という言葉に影響を受け、Menabney 氏は、あらゆるビジネスで成功したい創業者は、企業内の文化を作り育てるべきだと主張した。

企業文化を意図的に作り出すには?

  1. 儀式を作ろう。定期的に運動をしたり、昼食を共にしたり、職場に犬を連れてきたりすることで、社内に文化を浸透させ、チーム内に信頼感をもたらす。
  2. 創業時の話を考えよう。素晴らしい話は、同僚たちに誇りを感じさせるとともに、投資家やステイクホルダーたちにも、あなたと共に仕事したいと感じさせるだろう。事業が大きくなれば、それは伝説となる。
  3. 会社が分かち合いたい目的を明確にすること。ほとんどの企業は「何」で始まる。あなたのサービスは何か? あなたのプロダクトは何か? あなたが売っているのは何か? しかし、「なぜ」という動機から話を始めれば、そこから生まれる会社の文化をより強いものにできるだろう。

企業文化は、トラッキングが不可能なソフトな基準と考えるビジネスマネージャーは多いかもしれない。しかし、それは計測できるものであし、また計測されるべきものだと Menabney 氏は語った。

パリを拠点に活動するアメリカ人作家で INSEAD 客員教授の Erin Meyer 氏の著書「カルチャー・マップ:世界を8つの指標で理解する(ダイヤモンド社刊、高橋ゆかり訳)」には、文化を計測する次元について書かれ、強い異文化チームを作るためのアドバイスが盛り込まれている。Menabney 氏は、これを参考に作成した Makers Boot Camp のカルチャー・マップを披露し、微妙な文化的手がかりを見つけるための実用的なヒントに聴衆は感銘を受けた。

カルチャー・マップは、自分の会社にいる従業員の幅を視覚化してくれる。そこには人々の違い、近似、類似点などが現れ、我々はすべてをひっくるめて多様性と呼んでいる。あなたのチームの文化は、自分の今いる国の文化よりも、より重要になってくる。

Image credit: Tugi Guenes
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スタートアップのためのマーケティング〜第17回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 イベントの模様を撮影したビデオはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。 スタートアップにとって、コンセプトからマーケットリーダーになるまでの道のりは風…

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

イベントの模様を撮影したビデオはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。


スタートアップにとって、コンセプトからマーケットリーダーになるまでの道のりは風当たりの強いものだ。そのため、Makers Boot Camp は、スタートアップのマーケティングに関するミートアップを開催することに決めた。このイベントは、新鮮で効果的なアイデアを見つけバリューポジションを示すことができる起業家に、インサイトをもたらすことができるだろう。

このイベントでは、マーケティング費用の削減、効率の向上、新規顧客獲得の方法について、厳しい質問が投げかけられた。

Makers Boot Camp の Sabrina Sasaki 氏が自身の経験を紹介
Image credit: Tugi Guenes

動きながら音楽を作りだす

Makers Boot Camp のマーケティング責任者 Sabrina Sasaki 氏は、イベントの冒頭で日本人の聴衆が関心をを持ちやすいであろうマグロを例に挙げて、アカウントベースのマーケティング手法のコンセプトを紹介した。

彼女の簡単な説明の後、Dmet Products の CEO で、起業家・ダンサー・テックエンジニアでもある楠ダイゴ氏がピッチした。彼の最初のイノベーションである SoundMoovz は、身体の動きでアクティベーションされる電子デバイスで、ダンスしながら音楽をブレンドできる。アプリとは、Bluetooth で接続する。

動作方法:まず、手首と足首に、2つの調節可能なシリコンバンドを装着する必要がある。身体を動かすと、ワイヤレススピーカーと連動して、スマートデバイスがユニークなビートやリズムを刻み出す。

氏は、ダンス愛好家からスタートアップを創業した成功者になるまでの、楽しく躍動に満ちた経験から多くのレッスンをシェアしてくれた。彼は全くマーケティング経験は無かったが、2年間のうちに17カ国で40万台を製造・販売することができた。これぞ、奇跡ではないだろうか? 氏は、そう考えていない。

音楽を作り出すのにウエアラブルのモーションセンサーを使うことを思いついたとき、特定の潜在市場やターゲットとするグループを選ぶ必要があった。ダンサーと子供のどちらかを選ぶ必要があったとき、私は製品をアメリカに持って行き、ユーザから価値あるフィードバックが得られることを期待した。子供達は皆興奮していて、狙いが的中したことがすぐにわかった。

多くのフィードバックに自信を得た氏は、彼の製品を多くのオモチャ会社に見せてまわった。それは大きな成功だった。記録的な速さで、マジメでビジネスパーソンがキックしたり、パンチしたり、プレゼンテーションルームの中を回り出したりし始めた。ちょうど、氏の〝小さなお客(訳注:子供たち)〟が楽しんだのと同じように。氏は、ビートに合わせて踊らずにはいられなかった、子供たちや大人たちの話を共有してくれた。

大阪生まれ、東京に拠点を置く楠ダイゴ氏は、Dmet Products の製品をデモしながらダンスした
Image credit: Tugi Guenes

楠氏が SoundMoovz を作った理由とは……

  1. 真に新しい製品コンセプトだったこと
  2. プランニングに多くの時間を費やさず、プロトタイプを最初に作った
  3. マインドをオープンに持ち、製品を多くの人々に見せ、フィードバックをもらう

よりよい生活のためのデザイン

2人目のスピーカーは、デザイナーの Christopher Flechtner 氏だ。彼は、イノベイティブな自転車をピッチエリアに持ち出し、聴衆を魅了した。新しくデザインされた自転車には、後方と前方に2つの同じバスケットがあり、あらゆる硬い面にはブロックが取り付けられている。

Flechtner 氏が覚えている限り、彼は常に自転車にパッションを抱いていて、軽くて速く走る都市生活に適した新しい自転車をデザインしたいと考えていた。

Flechtner 氏 の自転車
Image credit: Tugi Guenes

Christopher Flechtner 氏:Flechtner 氏はデザインの世界に25年以上いて、米欧日の現地職人の手作業による製作から、アメリカやアジアでの大量生産まで、さまざまなスケールで仕事に取り組んできた。工業デザインに対するパッションから、彼は妻の Uchiyama Junko 氏と共にクリエイティブデザインスタジオを経営している。

Flechtner 氏は、彼の起業家人生の最初の頃の話をした後、かつて住んでいた東京で自転車を観察していたところから製品に対する多くのインスピレーションを得たと説明した。また、自身のマーケティング戦略やデジタルへの挑戦を考える上で疑念があることも事実で、会社が今もブートストラップモードで、よりよい方向性を検討しているとも述べた。

たとえ製品を作っても、それで簡単に売れるというわけではない。市場に出すまでにはやるべきことが多くあり、工業デザイナーとして私はそれに気づいた。製品を繰り返し使って、多くのショップやユーザに我々の自転車を試してもらい、貴重なフィードバックをもらうことができた。

Flechtner 氏のもう一つの製品である Beezerker モーターバイクは、シアトルで2011年に開催された Ultimate Builder Customer Bike Show で複数の賞を獲得している。
Image credit: Tugi Guenes

人々が欲しがる製品を作れ

サンフランシスコを拠点とする Jeffrey Goldsmith 氏は、マーケティングを次のレベルに引き上げる秘技を持つことで知られるトップクリエイティブマインドだ。彼は売上を上げるためにデジタルツールを活用する方法について、シンプルなヒントを元ににした参加者向けワークショップを1時間にわたって開いた。

Goldsmith 氏は、魅力的なマーケティングファンネルの構築、分割された顧客クラスタへのさまざまなメッセージのテスト方法、Facebook や Google Ads などのシンプルなデジタルツールを使った、より多くのリードの作り方について秘密を公開した。自らの体験から得た信じられないようなケーススタディを使って、彼はスタートアップがより積極的かつ体系的なメッセージ戦略を適用すれば、潜在的顧客や投資家の心を勝ち取ることができるだろうと語った。

Jeffrey Goldsmith 氏
Image credit: Tugi Guenes

Goldsmith 氏のアドバイスから学べること:

  • 最初にやるべきことは、自身が発するメッセージをはっきりさせること。顧客獲得コストを下げ、オンラインキャンペーンを最適化するために、いくつかの選択肢をテストしてみよう。
  • 製品ごとに、ランディングページを作り、広告をカスタマイズしよう。
  • 潜在顧客と交わり、トレードショーに参加し製品をデモしよう。
  • パートナーと協業し、ネットワークを広げよう。
  • 顧客とはデジタルに付き合い、彼らの関心を引き出す手法を使おう。バイラルでの拡大、ソーシャルメディアを使ったキャンペーンを展開しよう。

Jeffrey Goldsmith 氏:シードスタートアップから Fotrune 500 企業まで、さまざまなグローバルブランドの広告やマーケティングキャンペーンを25年以上にわたって製作してきた。WIRED、Details など多くの出版物に寄稿しており、アクセラレータ、スタートアップ、企業顧客向けにワークショップを開催している。

Jeffrey Goldsmith 氏
Image credit: Tugi Guenes

Goldsmith 氏はプレゼンテーションの後、参加者に事業課題について質問し、マーケティングシステムを開発するための新しい方法を提案した。彼の無料のコンサルティングを受けた人々には VR Plugin for Maya MARUI VR の CEO Max Krichenbauer 氏もいた。

Krichenbauer 氏は  Get In The Ring Japan 2018 で優勝し、ポルトガルで開催される同イベントのグローバルミートアップに参加する予定。そのほかに、ミュージシャンや日本のファンをターゲットに Kickstarter のキャンペーンを立ち上げたカホン(訳注:Cajón、ペルー発祥の打楽器)ロボット「CABOT」も参加していた。

ネットワーキングセッションを通じ、スピーカーと参加者が身近に交流
Image credit: Tugi Guenes
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成功と失敗を左右するもの、メイカーのためのデザインとは?〜第17回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 イベントの模様を撮影したビデオはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。 ハードウェアスタートアップが直面する最大の困難の一つがプロダクトデザインだ。デ…

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

イベントの模様を撮影したビデオはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。


ゲストとして Monozukuri Hub Meetup を訪れた、Global Digital Mojo の創業者でリードデジタルストラテジストの David M L Williams 氏(左)

ハードウェアスタートアップが直面する最大の困難の一つがプロダクトデザインだ。デザインの良いプロダクトは、あなたに名声をもたらすことができる。新しいプロダクトを設計するとき、スタートアップが考えるべきことは何だろうか?

Makers Boot Camp では、世界中の企業かを刺激し、教育し、つながってもらおうと努力している。そのために、我々は Monozukuri Hub Meetup の開催を続けているのだ。この春初のイベントでは、メイカーにとってのデザインと、その困難な点や重要性を取り上げた。デザインのプロ、専門家、初心者を集め、それぞれのデザイナプローチや洞察を話しあった。参加者は最後、登壇者と一対一の対話ができるネットワーキングセッションに参加した。

デザインアイデアからプロトタイプまで

卒業制作となったエレキギター「iuvo」を披露する高田碧起氏

最初に登壇したのは、京都造形芸術大学を卒業したばかりの高田碧起氏だ。彼は自身の卒業制作となったギターのプロトタイプを披露した。エレキギターのデザイナーは、演奏者が立った状態がギターが演奏されると考えるだろう、と高田氏は語った。自らもミュージシャンである高田氏は、席に座った状態で演奏できる楽器を作りたいと考えていた。彼の作品は、ストラップの無い座って演奏するには優れた、オールインワンソリューションのようだ。

三輪海斗氏「軽くて折り畳み可能な自転車「三角二輪」は、悲しい体験から生まれた。2年前、自転車を盗まれた。屋内に自転車を保管できれば、盗まれる可能性も下がるだろう。」

三輪海斗氏が紹介した次なる学生プロジェクトは、京都の信号機に不満を募らせるサイクリストにとって素晴らしい選択肢だ。「三角二輪」は、日常の通勤用にデザインされた、イノベーティブで、コンパクトで、折り畳み可能なキックボード型の自転車だ。ユーザは小さなカバンに入れられるよう折りたためるので、駐輪場を使うこともなくお金を節約することができる。

若いデザイナーが考えた、自転車の折りたたみ方に新しい一捻りを加えた方法は、既に知る人には知られていたものだ。プロトタイプが現在、京都のアートギャラリー「ARTZONE(アートゾーン)」で展示されている。

ロボットを抱擁しやすくしてくれるデザイン

星野裕之氏「私の目標は、愛らしいロボットを開発することを通じて、AI についての関心を喚起し、ロボットファンの人数を倍増させることだ。」

otuA のロボットデザイナー星野裕之氏は、ロボット、メカニカルデザイン、機械設計、そして、より包括的な世界の創造に情熱を持っている。彼の有能なチームは15年以上にわたって、医学研究、商業、コミュニケーションなどの目的で約30種類のロボットを設計してきた。彼らは、ロボットデザインへの伝統的なアプローチに挑戦を続け、ソフトロボティクスなどの新技術にも先駆けている。かわいいアニメキャラクターのように見えるロボット「SOFUMO」は、山形大学とのコラボレーションで作られた。

中国のプロダクトデザイン

清水耕助氏「中国政府は、人々にビジネスを始めることを強く奨励している。良いアイデアがあるなら、ベンチャーキャピストと話をし、工場ツアーに参加するよう勧められる。」

医療機器や分析機器をデザインしている島津製作所のプロダクト UX デザイナー清水耕助氏は、中国のプロダクトデザイン業界について洞察を共有してくれた。彼は2012年7月から12月まで、デザインチームのビルドアップと管理の責任を負って上海で仕事をしていた。「Made in China」というラベルは、多くの人々にとって低コストとコピーコートと同義語になった、と彼は言う。しかし、中国が貴重なユニコーンの数でアメリカを上回ったとき、人々は見方を変えた。

この業界のパズワードでもある「便利」「安い」「イノベーティブ」といった言葉とともに、中国のハードウェアスタートアップは世界的に急成長を続けている。清水氏は中国のスタートアップブームの背景には、巨大の中国国内市場と中国政府の支援があると説明した。

ネットワーキングセッションで
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