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2017年、アジアで注目すべきクリーンテクノロジーのスタートアップ13社

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アジアはクリーンテクノロジーを必要としている。というのも、アジアに居住する44億人のうち、7億人が電気を使用することができず、17億人近くが安全な飲み水を有していない。また、森林伐採は地球上のどこよりも早い速度で進んでいる上、ほとんどの国が自然災害の影響を大いに受けやすい地域に位置していることからも、アジアの環境問題は深刻だ。 問題は電気と水だけではない。アジア開発銀行による研究では、2030年ま…

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アジアはクリーンテクノロジーを必要としている。というのも、アジアに居住する44億人のうち、7億人が電気を使用することができず、17億人近くが安全な飲み水を有していない。また、森林伐採は地球上のどこよりも早い速度で進んでいる上、ほとんどの国が自然災害の影響を大いに受けやすい地域に位置していることからも、アジアの環境問題は深刻だ。

問題は電気と水だけではない。アジア開発銀行による研究では、2030年までに農業分野は、減少し続ける水資源を使いながら食料を100%増で生産する必要があり、10億台以上の車やバイクからアジア都市全体の大気汚染の80%を排出し、さらに2035年までに世界の二酸化炭素排出量の46%を排出することになると予測している。

しかし幸いなことに、アジアのスタートアップ企業が問題解決に向けて乗り出し始めている。以下、13社をご紹介しよう。

Husk Power Systems

電力を主力とした包括的な農村開発へのフォーカス

Husk Power Systems は、バイオマスガス化器で籾殻を処理して発電する特許技術を開発した。ビジネスモデルは農村地の電化であり、地域の資源や小型発電機を利用して、住民たちが充分に管理可能な分散型発電および送電をベースにしている。現在、Husk Power Systems は84箇所のローカル発電所を設置済みで、インドのビハール州全土における300以上の村で、20万人以上に電力を供給している。

Transkinetic

自動車の動きを利用し電力化および収益化

2013年に設立されたシンガポール拠点のスタートアップ Transkinetic は、Movnetic と呼ばれる特許技術の創案者および管理者である。この技術の中核をなしているのは、スマートスピード防止帯だ。これは、上を通る自動車の運動エネルギーを吸収してクリーン電力に変換するというもので、Movnetic システムによって送電および管理を行う。Transkinetic は主にシンガポール国立大学工学部などの研究パートナーと協力関係を結んでおり、複数の政府機関や国内ベンチャーキャピタルから出資を受けている。

HiGi Energy

より身近なクリーンエネルギーを創出

HiGi Energy はフィリピンを拠点とするスタートアップで、ホテイアオイ(別名ウォーターヒヤシンス)を、調理用の代替エネルギーとなる豆炭へと変換している。人口1億人のうち65%が未だ薪や木炭を使用しているフィリピンで、同社は繁殖力の強いホテイアオイを使って木々の伐採を削減すると共に、川や湖の浄化を目指している。同社はシリコンバレーで開催された2016 Global Entrepreneurship Summit にて表彰されている。

Karma Recycling

地球を救い、良いカルマを得よ

2013年に設立されたモバイル機器下取り再分配業者である Karma Recycling は、ガジェットや電子機器の再販、リサイクル、修理調整および適切な廃棄を通して、電子廃棄物による悪影響を最小限に留めることを目指している。現在、9億5,000万台以上のデバイスが使用されているインドを拠点とする同社は、クリーンエネルギーのベンチャーキャピタルである Infuse Ventures の出資を受けている。

EcoWorth Tech

革新的な水の浄化技術

EcoWorth Tech はシンガポールを拠点とするスタートアップで、Carbon Fiber Aerogel(CFA:炭素繊維エアロゲル)と呼ばれる物質を開発した。これは、様々な産業から排出される液状の産業廃棄物を浄化し、下水管へと流すことを可能にする物質である。同社はそのプロセスと商品が環境に優しいことを売りにしている。CFA は古紙などの自然素材から作られており、再利用可能な上、生ゴミの再生利用や工業用水の処理、石油流出時の汚染除去などに利用される。同社はシンガポールの南洋理工大学のスピンアウトとして2016年に設立された。

RAD Green Solutions

バイオメディカル廃棄物処分のための、革命的な非焼却システムを開発

フィリピン南部の都市ダバオに拠点を置く RAD Green Solutions は、数名のエンジニアからなるチームによって設立され、Pyroclave と呼ばれる環境に優しく低コストな廃棄物管理システムを開発した。このシステムは、Pyrolysis と呼ばれるプロセスにより、酸素を使わず極度の高温を用いて医療廃棄物を分解する。副産物が少なく、二酸化炭素を50%にまで抑えつつ効率的にすべての固形物質を炭素化するのが、焼却処理とは異なる点だ。同社はこの技術で多数の賞を受賞しており、直近ではフィリピンの科学技術省による2016 National Invention Contest and Exhibit にて次点者として表彰された。

BlueRen

プラスチック廃棄物を建設的に用いる最良案

旧社名 Karboneum として知られる BlueRen は、プラスチック製のボトルや袋などのゴミから、カーボンナノチューブを生み出す処理プロセスを開発した。鋼と比べ100%増の強度を持ち、優れた電気伝導体でもあるカーボンナノチューブは、光学機器、電子機器、エネルギー蓄積、そしてナノテクノロジーに利用可能だ。同社によると、プラスチックの再利用を除き、ナノチューブの生産プロセスでは事実上二酸化炭素は一切排出されず、有毒ガスを発生させることもない。同社は2016年9月にシンガポールで開催された CleanEnviro Summit にも参加している。

Zenatix

エネルギー消費を極限まで最適化

2013年に設立されたインド拠点のスタートアップである Zenatix は、エネルギーの監視および制御のための IoT 商品を提供している。同社はセンサーやスマートエネルギー計器を使ったシステムを開発しており、これを用いてデータ収集を行い、クラウドサーバを通して分析エンジンにフィードする。そして分析エンジンによって発せられたコマンドを元に、アラートを発したり電子機器を制御したりできる。同社は B2B での事業を行っており、エンジェル投資家や Blume Ventures によって出資されている。

Cleverheat

エネルギー消費を分析、コストを削減

Cleverheat は、太陽熱を利用した代替的冷却システムを開発している企業だ。同社が提供するサービスには、冷却のニーズを評価した上でコスト削減につながる代替案の提案や、冷却コスト削減のための再生可能エネルギーの融合、さらにはモニタリングやエネルギー最適化のためのデータ収集および分析などがある。フィリピンを拠点とする同社は最近、持続可能エネルギーソリューションに焦点を当てた Impact Hub によるフェローシッププログラムへの参加企業に選ばれた。

Avant Garde Innovations

電力を持たない10億人に電力を

2013年に設立された Avant Garde Innovations は、2015年になってようやく正式に事業を開始したばかりだ。同社は、代替エネルギーの提供を通して、インドの国家電力網への依存を減らすことを目標に掲げており、住居用、商業用、農業用などに使用可能な小型の風力タービンを手の届く価格で提供している。100%再生可能なエネルギーに特化する世界初のスタートアップだとする同社は国際的な知名度を得ており、国連のクリーンエネルギーリストにも記載されている。

Intraix

エネルギー消費データを理解する

2012年に設立された Intraix は、エネルギー効率を改善し消費コストを削減するためのソリューションを提案することに焦点を当てている。同社は大企業から飲食料品関連企業、さらには住宅まで様々なユーザのために幅広い商品を展開しており、エネルギー消費のモニターや報告などのサービスを提供している。2016年、同社は Wi-Fi ルーターをスマートホームのハブへと変える、スマートホーム技術を搭載した USB サイズの商品 KLUG を発表した。

BMB Solutions

持続可能かつ豊かな生活環境への道を切り拓く、インパクトある社会的革新を提供する

アテネオ・デ・マニラ大学の卒業生らによって設立された BMB Solutions はコミュニティ主導型の企業で、様々な工夫が凝らされた低コスト多機能組み立て式自転車、Big Mike Bike を開発した。この自転車は様々な部品を組み合わせることで、発電機、蓄電器、送水ポンプ、浄水システム、シュレッダー、フードプロセッサー、洗濯機など幅広い役割をこなす。現在同社は The Spark Project のスタートアップコミュニティの一部である。

Eco2 Green Data Center

不可能なデータセンターが現実に

マレーシアで設立された Eco2 Green Data Center は、グリーンデータセンター機器を製造している。同社は IT 機材を沈めることができる冷却材を開発することで、環境に悪影響を及ぼすデータセンター技術の問題に関して警鐘を鳴らしている。この冷却材の使用により、エネルギーコストを50%削減、二酸化炭素排出量を50%削減、そしてサーバーの信頼度および寿命を30%増加することが可能となる。同社は最近 Global ICT Excellence Awards 2016において Chairman’s Award を受賞したばかりで、現在 Eco2認定ハードウェアにポートフォリオを拡大中だ。

【via e27】 @E27co

【原文】

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Famo.usの失敗から学ぶべきことーーリーンスタートアップも失敗し得る中、本当に重要なこととは?

Edith Harbaugh氏はLaunchDarklyの共同設立者兼CEO。彼女は、ソフトウェア業界に消費者・企業スタートアップの両側面から15年以上も関わってきた。彼女は継続デリバリーに関するポッドキャスト「To Be Continuous」の共同ホストである。彼女は2つのデプロイメント特許を保有している。 昨年2500万米ドルを調達したFamo.usは、総資金調達額が3000万米ドル超となっ…

Edith Harbaugh氏はLaunchDarklyの共同設立者兼CEO。彼女は、ソフトウェア業界に消費者・企業スタートアップの両側面から15年以上も関わってきた。彼女は継続デリバリーに関するポッドキャスト「To Be Continuous」の共同ホストである。彼女は2つのデプロイメント特許を保有している。

Above: Famo.us founder and chief executive Steve Newcomb at the startup's San Francisco office. Image Credit: Jordan Novet/VentureBeat
上:Famo.usのファウンダー兼CEOのSteve Newcomb氏(サンフランシスコのオフィスにて)
Image Credit: Jordan Novet/VentureBeat

昨年2500万米ドルを調達したFamo.usは、総資金調達額が3000万米ドル超となった。直近の資金調達はその15ヶ月後となるが、ここで同社は「技術担当VPやオープンソース担当責任者および多数のエンジニアを含む巨大なチームを一時解雇」し、3度にわたり方針転換を行った。Famo.usは、人々のランキングシステムBenchRankとしてスタート、その後HTML5開発用のオープンソースプラットフォームとなっている。

さらに、両アイデアを打ち出した後、独自スタイルの「マイクロアプリコンテンツ管理」システムへとピボットした。Famo.usの設立者兼CEOのSteve Newcomb氏がリーンアプローチをけなしていたのは有名な話だ。「リーンスタイルのスタートアップなんて、私は信用しません。」彼はそう宣言しつつ、その証拠にTechCrunchの記者が同社を視察している最中、自身の完璧主義に沿わないデスクを送り返してしまった。

大方の予想通り、Famo.usが失敗したのは浪費癖のあるスタートアップだったからだろうか? いや、違う。Famo.usは実質的に、活動面においてリーン側だったかもしれない。いずれにせよ、同社は2度も再生した上、さらにもう一度再生するほどの資金をもっている。

リーンスタートアップが飢餓状態にあり、コスト意識が高く、何事につけても金を出し渋る、というのは誤解である。全くの間違いだ。リーンスタートアップとは、「ビジネスモデルを追求する企業」のことであり、試行錯誤を繰り返しながら成長し、いったん製品と市場がマッチしたら一気に資金投入へと加速していくのだ。

リーンスタートアップは、当初のビジョンは改善されていくべきということを受け入れる謙虚な姿勢をもっている。弊社TripItメンターのGregg Brockway氏は、「いかなる戦術も、初めて眼前に現れた敵には無力です」と述べている。

何をすべきか知っているのは消費者であり、そしてチェックポイントを満たすまでは無駄(製品、マーケティング、オフィス、人件費など)を最小限にしたいということを熟知してこそのリーンだ。スタートアップをリーンかファットに分けるものは資金調達額などではなく、ビジネスアプローチなのだ。

リーンスタートアップの原則には、イテレーション、カスタマーバリデーション、重要なものに投資すること、必要であればピボットすることなどさまざまなものがあるが、Famo.usはこれらの原則を順守していた。

始動当初のアイデアから方向転換する必要性を認識したのだ。次なるアイデアとは、「美しいアプリ」を作り上げることだった。そして、そのためには、従業員をインスパイアするような美しいオフィスが必要だった。Steve Blank氏も賛同するだろう!

Famo.usはカスタマーバリデーションに重点的に取り組みつつ、アクセス版のウェイティングリストに5万7000人もの開発者が登録していると吹聴した。しかし、これは意味のない指標だということが明らかになった。

実質的なユーザ数を反映するものではないからだ。Famo.usはプロダクトの準備が間に合わなくなることを恐れて、ウェイティングリストの人々が実際にプロダクトを使えるように承認する過程を遅らせていた。どんなプロダクトについても言えることだが、最大のリスクは出来栄えではなく、顧客の真のニーズに合うかどうかだ。もっと迅速にウェイティングリストから移行させれば、Famo.usはプロダクトが真のニーズを満たしているかどうか確かめることができたのだ。

スタートアップの立ち上げ初期に重要なのは、人間だ。そこにいる人々が幸せで、モチベーションをもっていて、生産的かということだ。Steve Blank氏はかつて、エンジニアのソフトドリンク代を削減するという誤った節約法についてエッセイを書いたが、その中で彼は企業の中で最も価値ある資産は従業員であると説いている。

John Kodumal氏(弊社共同設立者)と私がLaunchDarklyを開業した当時、資金は運転資本に回してしまい、貯金を切り崩して人件費を捻出していた。

John氏は前職で使っていたようなセカンドモニターを買いたかったのだが、500米ドルを払うのをためらっていた。私は言った。「500米ドルの一番有効な使い道は、君がもっと生産的になれるようにすることだよ」と。

Famo.usは、オフィススペースと役職手当に資金を使いすぎたように思われるかもしれないが、おそらく、その出費は欲しい人材を手に入れるために必要なものだったのだ。

意外にも、資金調達額が上がるほど直面する問題は増えてくる。Boundary(調達額4000万米ドル)の共同設立者Cliff Moon氏は次のように語っている。

「話がうまければ、それほど魅力がなくても驚くほどの額を調達できますが、いずれ職務遂行を求められるのですから、ハードルが余計に高くなるでしょう」

Heavybitの専務Tom Drummond氏は、「キャピタルというものには、投資家に対して成長目標の達成を約束しなさい、という圧力がつきものです。金額が高すぎると、スタートアップは自信過剰になり、過剰にモノを作る結果になります」と述べている。

Moon氏は、現在Opseeの共同設立者兼CEOとなっており、次のように語っている。

「前回のスタートアップでは、プロダクトローンチ前に400万米ドルを調達しましたが、今回は顧客開発とバリデーションに重点を置くため、計画的に調達額を減らしました」

さらに、過剰に高額な調達のリスクについて、「プロダクト・マーケットフィットができたと証明する前に、顧客獲得のために資金を使い始めるのは簡単なことです」と付け加えた。

リーンであることは、投資家をもつ企業にとって打撃となるだろうか? 必ずしもそうではない。500 StartupsのパートナーであるMatt Guthaus氏はこう言う。

「リーンとは、既存の強いビジョンを中心に最適化する良い方法です。」そしてBloomberg Betaのパートナー、James Cham氏はこう言う。「私は方法論を信奉していません。会社がリーンかどうかなんて、気にしません。私が重視するのはチーム、そして彼らの実行力です」

しかし、中には行き過ぎてリーン信奉主義者になってしまっている企業もある。

Cham氏は「リーンスタートアップアプローチは多くの場合有益なのですが、チームがリーン方法論の特定の条件について、細部に至るまで気にしすぎていたり、ただ進捗を作ることよりも、事業上の進捗についてどのように語るべきかということに執着して時間を費やしすぎてしまうことを懸念しています」と述べている。Guthaus氏も同様、「ただやみくもに反復だけしているような、いわゆるリーン企業は好きになれません」と語る。

おそらくこれが、Famo.usから学べる最大の教訓だ。同社のピボットは、完全な再起と言えるほどの方向転換ではなかった。

結局、スタートアップ企業はどうしたらよいのか? ビジョンを持つことだ。そして、ビジョンの妥当性を検証しよう。必要なだけの資金を調達しよう(多すぎず、少なすぎないように)。顧客を得よう。簡単でしょ?

[情報開示:Bloomberg Betaおよび500 Startupsは、LaunchDarklyの投資家。LaunchDarklyはHeavybitに参加している。私はSteve Newcomb氏が設立した会社、Powersetの資金調達パーティに参加したことがある。Cliff Moon氏と会食した折、彼のTwitterは面白いと思った]

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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「リーンスタートアップなんて実際は泥臭いもんです」ーーキヨのシリコンバレー探訪記・WHILL杉江氏インタビュー(後半)

キヨのシリコンバレー探訪記は連続起業家の小林清剛氏がシリコンバレーでみつけた「気になる」スタートアップをインタビューする不定期連載です。毎回おひとりずつ、小林氏がみつけたスタートアップのサービス紹介とファウンダーの素顔に迫ります。 初回は北米拠点でパーソナルモビリティの開発、販売を推進するスタートアップWHILL代表取締役の杉江理氏。500Startups(以下、会話中は500と表記)に採択された…

キヨのシリコンバレー探訪記は連続起業家の小林清剛氏がシリコンバレーでみつけた「気になる」スタートアップをインタビューする不定期連載です。毎回おひとりずつ、小林氏がみつけたスタートアップのサービス紹介とファウンダーの素顔に迫ります。

初回は北米拠点でパーソナルモビリティの開発、販売を推進するスタートアップWHILL代表取締役の杉江理氏。500Startups(以下、会話中は500と表記)に採択されたジャパニーズ・スタートアップの挑戦をキヨが聞いてきました。(本文中の敬称略)

前回からの続き

エンジェルリストはワークしてます

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小林:こちらで役立つサービスとかありましたか?

杉江:エンジェルリストはワークしてますね。資金調達もそうだし、ハイアリングは強いです。インターンの応募は毎週5,6人は来ます。

小林:どういうスペックの人が多いです?

杉江:やっぱりスタートアップしたい人、スタンフォードとかの学生が多いですね。

小林:ハイアリングするならお金のことよりもビジョンがある人がいいって言われてましたよね。

杉江:ビジョンとスキルですね。アプライがきたら、まずレジメとカバーレターをくれというんですね。カバーレターというのはどうして応募したかの動機とかそういうのです。

それで、そのカバーレターにコピペする人がいるんです。文章の内容にWHILLの名前がなかったり、明らかなものはそこでスクリーニングして、そっからスカイプミーティングですね。

例えば、今いるクリスとかは前から車いすはどうして格好悪いんだ、と思っていたっていうんです。なぜなら、自分の父親が車いすで苦労してたから。彼には、車いすというのは家族にも影響を与えるプロダクトなんだという新しい視点をもらいましたね。

でもそれですぐに雇ったりせず実際に作業してもらいます。展示会に来てもらったり、2カ月ぐらいかけて(採用を)徐々にやっていく。

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小林:ほうほう。

杉江:ジュリアは4番目ぐらいのカスタマーです。事故をして、実際の利用者としてこの遠近感が違うねとかそういう意見をくれるんです。彼がプレゼンするとやっぱり説得力が違うんです。

そういう人たちってパッションがあるから能動的にアイデアを出してくれる。ミッションが同じなのでまだチームが小さい内はカルチャーを作るという意味で最初はそういうメンバーがいいですね。

ミーティングも全部WHILLに乗って行ってます

小林:そういうお話を聞いてると、最初に設定した購入者像が気になります。どういうターゲット設定だったのですか?

杉江:最初のターゲットユーザー像ってセルフコンシャスな方なんです。お洒落をしている人。でそういう人あんま太った人はいない(笑。

あとfacebookの写真等を拝見してみると健常者と一緒の写真が多かったり、健常者の社会で仕事をしているような、意識が高い層をイメージしてます。そのフォロワーとして子供や両親のために購入を検討するような比較的富裕層の方々。

こういった方に最初のユーザーになってもらうことで、人目に出る機会が増え、一般的な方々にも影響が大きくなってくる。マスへの認知が広がった未来に、プロダクトコストも下げられ廉価版などの検討もできるようになるでしょう。

小林:なるほど、おもしろいですね。

杉江:まあ、それでも試行錯誤ですよ。ぶっちゃけ、最初はなにがなんだかわかんない。300人ぐらいのユーザーにヒアリングして回るわけなんですよ。けど、最終的にしっかりと意見を聞いたのは5人ですね。実際に150万でも買うっていって契約書にサインしてくれた購入意志がある方々です。

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小林:たくさん聞いてもぼやけてしまう。

杉江:全く関係のなさそうなスタートアップ向けのミートアップも行ってましたね(笑。これで通勤したり、ミーティングも全部これに乗っていってます(笑。日々の路上でもいつチャンスが訪れるか分からないですから。出来る事考えつく事は全部やります。

小林:あの手この手は試さないとだめですよね。僕らも今はそれがモットーです。

杉江:「たくさんの手を試せ」なんて一般的に言われてることなんですけど、実際やろうとすると泥臭い。

小林:そうですね。「リーンスタートアップ」なんて実際は泥臭いですもんね(笑。

杉江:だからWHILL のmissionに対してパッションないとできないんですよ。500でも崩壊してるチーム、いっぱいみてきましたから。スキルとかのバックグラウンドは大切なんですが、その前にパッションや想いがないと。

小林:そういうパッションのすり合わせってどうしてます?

杉江:基本的にメンバー全員に会ってもらって、本当にいいね、という人でないとゴーしないです。特に日本人じゃないのでよくわからないことも多いんですよね。

100人中100人が『僕が今までやってきた事はWHILLの事業にベストフィットする。僕はWHILLにとって最高の人材だ!!』って言い切ってきますから(笑。ハイアリングに関するアドバイスは多方面から聞いてます。

小林:そういうのって大事ですよね。今日は時間どうもありがとうございました。がんばってください。

インタビュワー紹介

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小林 清剛

1981年生まれ。2004年、大学在学中に会社を設立。食料品の輸入事業で大手通販会社・メディア等の販路開拓に成功。2005年、株式会社イン・ザ・カップを設立して代表取締役就任。珈琲豆や器具を販売するコーヒー通販サイトを運営。2009年、株式会社ノボットを設立して代表取締役社長就任。2011年8月ノボットをKDDI子会社の株式会社medibaに売却。2013年12月よりChanoma Inc.を設立し、米国でスタートアップ中。数社のVCやスタートアップのアドバイザーをしている。

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Lean Startup Machineがいよいよ東京に上陸、リーン・スタートアップの手法を本場さながら3日間で学ぶ

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リーン・スタートアップという言葉が初めて生み出されたのは、2008年アメリカの起業家 Eric Ries の手によるものだ。この言葉が日本に紹介された当初は、(バズワードにありがちなことだが)やや違った意味でコンセプトが伝播したこともあったが、その後、Steve Blank の「アントレプレナーの教科書(原題:Four Steps to Epiphany)」の訳書が広く紹介され、リーン・スタートア…

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リーン・スタートアップという言葉が初めて生み出されたのは、2008年アメリカの起業家 Eric Ries の手によるものだ。この言葉が日本に紹介された当初は、(バズワードにありがちなことだが)やや違った意味でコンセプトが伝播したこともあったが、その後、Steve Blank の「アントレプレナーの教科書(原題:Four Steps to Epiphany)」の訳書が広く紹介され、リーン・スタートアップの概念を深く理解している人々が起業家の啓蒙に努めてくれたおかげで、本来の意味が浸透していったように思える。(「リーン・スタートアップ」については、この記事で細かく言及されている。)

先日、ベトナムのスタートアップ・シーンを紹介したこの記事にもあったように、リーンの考えは、トヨタ自動車の「かんばん方式」などにも由来するなど、もともと日本の産業システムともゆかりが深い。ある意味でリーン・スタートアップはスタートアップ手法の逆輸入版であり、その生い立ちを考えれば、日本のスタートアップにも馴染めるシステムのはずだ。

lsm-singaporeリーン・スタートアップを具体的にどのように始めるか、世界中で起業家に手ほどきをしている団体がある。ニューヨークに本拠を置く「Lean Startup Machine」だ。ホワイトハウスの Innovation Fellow Program でコーチなどを務める、起業家の Trevor Owens 氏が昨年立ち上げ、これまでに6大陸40都市で102回にわたって、3日間集中講義型のワークショップを開催してきた。

当初、私はこのイベントのイメージがつかめなかったので、Lean Startup Machine で広報を務める Ariba Jahan に「Startup Weekend のように、3日間で何かしらアイデアかプロダクトを創り出すことを目的としてるのか」と尋ねてみたところ、彼女によれば、成果物を出すことを期待しているのではなく、あくまで「起業家が自らリーン・スタートアップできる手法を体験してもらうこと」に主眼を置いているとのことだ。

世界各地で開催されてきた Lean Startup Machine だが、来月いよいよ日本にも上陸し、5月17日〜19日に東京・渋谷周辺で開催される。イベントでは、以下の人々がメンターとして、リーン・スタートアップのハンズオン・ワークショップに協力する予定だ。(順不同)

  • Ian McFarland氏(デジタルガレージ グループCTO)
  • 前田紘典氏(Open Network Lab マネージング・パートナー)
  • 和波俊久氏(Lean Startup Japan 代表)
  • 及川喜之氏(セールスフォース・ドットコム CTO)
  • Jason Winder氏(Makeleaps CEO)
  • 清川忠康氏(Oh My Glasses CEO)
  • Chris Palmieri氏(AQ CEO)
  • Eugene Fabian氏(Microsoft Singapore)
  • 林千晶氏(ロフトワーク 代表取締役)
  • Pieter Franken氏(マネックス証券CTO)
  • 有安伸宏氏(ダックダイブ 取締役 / Cyta.jp / Meetrip)
  • 角征典氏(ワイクル 取締役)
  • 高橋雄介氏(一人企業 代表取締役 / AppSocially)
  • 倉貫義人氏(ソニックガーデン 代表取締役)
  • 山本郁也氏(SprayPaint CEO、ネコメシ UXデザインエンジニア)

蒼々たる顔ぶれが集まるようなので、ワークショップはもとより、この人たちに会いに行くだけにでも面白そうだ。

参加にあたっては、事前に Eventbrite のこのページからチケットの購入が必要。イベントの詳細について知りたければ、Lean Startup Machine の Ariba Jahan(Ariba [at] LeanStartupMachine.com)にメールするか、Facebook のグループから問い合わせてほしい。

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リーン・スタートアップが機能しないワケ

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【原文】 このゲスト記事は Lobangclub の共同創業者であるGuyi Shenによるもので、Guyi は insidestartup.sg に彼の経験を綴っている。(池田注:Guyi Shen は、昨秋、シンガポールで行った Asiajin の 読者ミートアップ にも足を運んでくれていた。) 訳注:文中に頻出する、network effects を「ネットワーク効果」と訳した。ネットワーク…

【原文】

このゲスト記事は Lobangclub の共同創業者であるGuyi Shenによるもので、Guyi は insidestartup.sg に彼の経験を綴っている。(池田注:Guyi Shen は、昨秋、シンガポールで行った Asiajin の 読者ミートアップ にも足を運んでくれていた。)


訳注:文中に頻出する、network effects を「ネットワーク効果」と訳した。ネットワーク効果(またはネットワーク外部性)とは、同じサービスを使うユーザが多ければ多いほど、そのサービスから得られるメリットが高まることを言う。例えば、世界に電話が1台しか存在しなければ、その電話は機能しない。電話のユーザが多いほど、電話のユーザが得られるメリットは高まる。本稿では、ユーザが多いほど価値が高まるサービスを、「ネットワーク効果型スタートアップ(原文:network effects start-up)」と訳した。


Echelon 2011のサイトに載っている52の出展者に目を通すと、多くのスタートアップがプロダクトの成長をネットワーク効果に頼っていることに気付くだろう。

現在のスタートアップ・コミュニティ(少なくともシンガポールでは)のミームでは、「リーン(贅肉の無い、転じて、必要以上のコストをかけない)」のスタートアップというコンセプトだ。不幸にも現在の「リーン」アプローチはネットワーク効果に頼るスタートアップにはうまく機能していない。

リーンは、完成したプロダクト(サービス)を世に出す前にマーケットにフィットするかを検証するため、ビジネスアイデアの仮定と仮説を繰り返すテスト手法である。この手法が人気なのは、プロダクト開発とマーケティングのリスク回避を約束し、ビジネスがスケールするために十分な資金を集められるからだ。

リーンする

Eric Ries, Credit: Bootstrappedstartups

リーンの哲学は素晴らしい。しかしながら、実際にはネットワーク効果型スタートアップにおいては、それが大いに欠けている。

多くの場合、ユーザ獲得のフェーズ(例えば、スケーリング)は、プロダクトがマーケットにフィットした後に見られるからである。私の意見では、スケーリングはプロダクトをマーケットにフィットさせる前になされるべきだ。

Eric Ries(コンサルタント兼作家) がリーンという表現を作り出したが、リーンの生みの親は Steve Blank(シリコンバレーで、スタートアップ8社を手がけた起業家)であり、「リーン」のマニフェストは彼の著作「アントレプレナーの教科書(原題:Four Steps to Epiphany)」である。

リーンの哲学は、科学的手法である仮説生成(クリエイティブな手法)と、仮定を排除する実験(ロジカルな手法)を用いて説明される。プロダクトの開発のためのリーンの多くは、非ネットワーク効果型のソフトウェアに従事する起業家によって実践されてきた。

現在のリーンの方法論における思想的指導者は、Steve Blank、 Ash Maurya(テキサス州・オースティンで、ビデオ・写真共有スタートアップ WiredReach を経営する起業家)、37 Signals(シカゴのプロジェクト管理ASP)とEric Riesである。しかし、現在の多くのリーン・スタートアップに関する議論は、ネットワーク効果型のプロダクトに特有のチャレンジ手法を、明らかに無視したものとなっている。

ネットワーク効果型スタートアップ 対 非ネットワーク効果型スタートアップ

ネットワーク効果型のスタートアップと、そうでないスタートアップの間には根本的な違いがあるのに、わざわざ説明するまでもなく、企業向けのソフトウェアに役立つ知恵を、個人向けサービスを提供するネットワーク効果型スタートアップにあてはめようとする傾向が見受けられる。皮肉にも、この分野における革新的先駆者 Eric Ries 自身、ネットワーク効果型スタートアップIMVU(アバター・コミュニティ)のCTOだったのだ。

さらに具体的に、話をリーンの重要な部分である、ユーザ開拓にフォーカスしてみよう。まず、客が抱える問題について潜在する仮説を検証し、ソリューション、ビジネスモデル、あるいは、あなた自身は、人が使ってくれそうなプロダクトを作り上げることを前提とする。

これは素晴らしい前提だが、すべてのリーン・コミュニティで、流行となっている研究、方法、実践は、強いネットワーク効果を必要としない企業向け/個人向けプロダクトを対象にしたものだ。基本的に異なるのは、ネットワーク効果型スタートアップでは、ネットワーク効果が得られてから、ユーザがその価値の多くを享受できるということだ。だから、プロダクト価値の重要部分は、ユーザのクリティカル・マスを獲得した後でなければ、検証できない。

ネットワーク効果型プロダクトの価値

基本的には、ネットワーク効果型スタートアップのユーザ価値は、クリティカル・マスの獲得によって効果は何倍にもなる(Facebook 上にユーザがあなたしかいなければ、それはどれほど役に立つだろうか)。これらの指摘からもわかるように、ネットワーク効果型スタートアップにとって、リーンのあらゆる局面でクリティカル・マスのことを強く意識する必要がある。

何よりも、まずは「リーン・スケーリング(リーン・スタートアップにあたり、ユーザを獲得すること)」を解決する必要があるわけだ。

実用的なプロダクトを作る前に、ユーザを獲得するのが先決だ。このことに関して、Sean Ellis(みんなで、おすすめアプリやサービスの情報を共有するサイト CatchFree の創業者) はリーン・スタートアップ L.A.(ロサンゼルスのリーン・スタートアップ・イベント)で、初めて言及した人物だ。プロダクトをマーケットにフィットさせてからスケーリングするのではなく、スケーリングしてからプロダクトをマーケットにフィットさせるべきなのだ。

PayPal はこの手法を取った典型であり、初年度に何千万ドルもの予算を使って、プロダクトをマーケットにフィットさせる前にユーザを獲得した。Airbnb(宿泊先お薦めサイト)は巨大化をめざし、Craigslistからスパムを排除した。MySpace は、メール、広告、パーティーに巨額を投じ、YouTube では多数の賞を出して、ビデオアップローダーを増やした。Facebook だけは例外で、彼らがやってしまった些細な悪だくみ(データ収集やスパムメール)はともかくとして、多額の資金を使わずにユーザ獲得し、成長することができた。

では、あなたのスタートアップが Facebook でもなく、ユーザ獲得のためのお金も無い場合、プロダクトがマーケットにフィットするかどうかを検証する前に、何をすべきだろうか?

問題

シンガポール発のネットワーク効果型スタートアップを作る上での問題へようこそ。リーンを実践する前に、もっと基本的な問題を解決する必要がある。資金もなく、マーケットへのフィットも不十分な状態でのスケーリング、仮にこれを「リーン・スケーリング」と呼ぼう。自らの仮説を検証するために、どうやってビジネスをスケールさせればよいのだろうか。(無料、もしくは、コストをかけずに)

我々が現在実験している事例を、いくつか紹介する。

なるべく絞り込んだセグメンテーションを行う。顧客獲得のために資金を使うのは仕方ないことだが、セグメンテーションを絞り込むことで、かなりターゲットされたセグメントに対して顧客獲得に要する費用をコントロールすることができる。地理的セグメンテーションとは、シンガポールだけを対象とするようなことを言う。

統計的セグメンテーションとは、特定のユーザ層を対象とすることを言う。セグメンテーションを絞り込むことによるもう一つの効用は、仮説の検証によって特定のセグメントを排除できれば、次に新しいセグメントに対しての検証が始められること。これはもちろん、すべてをリーンの状態にして進められるだけのリソースがある場合の話だが。

2つの橋を同時につくり、願わくば、それを真ん中でうまくつなげる。我々のケースで言えば、マーケットの一方について仮定を検証するために、そのマーケットの他方でもシミュレーションをどのように行うかを書いたことがある。それについては、ここに詳細がある。

バズ効果を生む。顧客獲得にはお金がかかるが、バズ効果を生むことで安く済ませることができる。私はゲスト投稿して、その文中には iPhone アプリのベータ版への登録を促すように書いた。これまで、かなり絞り込んだセグメントに対して、小さなバズを生む実験をしてきた。

私はプロダクトを開発する上で、リーン的なアプローチを心底評価している。しかし、現在の議論の多くは、強いネットワーク効果を必要としないプロダクトのケーススタディに集中している。プロダクトを楽しんでもらう前に、多人数のユーザベースを必要とするスタートアップにとって、リーン・スタートアップのコンセプトは、うまく機能しないかもしれない。

【via PennOlson】(@pennolson)

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