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新興国への攻勢強めるStripe、パキスタンのSafepayに出資

ピックアップ:Pakistani fintech Safepay raises seed funding from Stripe, others 重要なポイント:パキスタンでBtoB向けにデジタル決済サービスを行うSafepayは米国Stripeが主導するシードラウンドで7桁ドルの資金調達を行った。Stripeは昨年ナイジェリアのフィンテック系スタートアップPayStackを約2億ドルで買収するな…

ピックアップ:Pakistani fintech Safepay raises seed funding from Stripe, others

重要なポイント:パキスタンでBtoB向けにデジタル決済サービスを行うSafepayは米国Stripeが主導するシードラウンドで7桁ドルの資金調達を行った。Stripeは昨年ナイジェリアのフィンテック系スタートアップPayStackを約2億ドルで買収するなど新興国も含めた市場拡大を推進しているため、同社が南アジア地域のフィンテック企業への投資を行ったことは注目に値する。

詳細な情報:パキスタンのカラチを拠点とするフィンテックスタートアップSafepayは、オンライン決済プラットフォームを世界数十カ国で展開するStripeの主導するシードラウンドで資金調達を実施した。具体的な金額は明かされていないが、米ドルで7桁の額であることは公表されている。同ラウンドにはベルリンを拠点とするGlobal Founders Capital、米国を拠点とするHOF Capital、Soma Capital、Mantis Venture Capitalのほか、パキスタンのVCであるFatima Gobi Venturesが参加した。

  • Safepayは同国国内の企業を対象に統合的なデジタル決済ソリューションを提供する企業。2019年にベータ版のサービスをローンチし、国内の300を超える加盟店を集めたが、その約1年後の昨年度にサービスは一時的に停止された。同社はこれをサービス拡充のために国内の金融パートナーや同国中央銀行との間での調整が必要なためであると説明しており、適切な取り決めが行われ次第サービスは再開される。
  • 今回調達した資金は、モバイルウォレットや銀行口座、クレジットカードなどの枠組みを超えた同社のデジタル決済インフラストラクチャ拡充へ向けたエンジニアリングチームの拡大と強化、そして法規制遵守のための取り組みに充てられる。
  • Stripeによる新興国のフィンテック系スタートアップへの投資は今回が初めてではなく、これまでにもフィリピンのPayMongoやナイジェリアのPayStackへ出資している。ナイジェリアのPayStackは最終的に昨年10月に約2億ドルでStripeが買収し、Stripeのアフリカ市場参入への足がかりともなっている。

背景:SafepayはY Combinatorによる2020年度夏季のアクセラレータープログラムに参加し、同プログラムを卒業したパキスタン初のフィンテックスタートアップとなった。パキスタンのテック系スタートアップはこれまで海外からほとんど注目されてこなかったが、昨年12月の終わりには同国のデジタル融資プラットフォームFinjaが900万ドルの資金調達を実施。

今年の1月には今回Safepayの資金調達ラウンドへも参加しているGlobal Founders Capital主導によるB2B向けeコマースサービスBazaarのシード資金650万ドル調達と、ここ数カ月の間に海外のVCや投資家が参加する大規模な資金調達が続いている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

アフリカ金融をAPIでつなぐ「Flutterwave」ユニコーンに

ピックアップ:Nigerian payments startup Flutterwave achieves “unicorn” status after $170m funding round 重要なポイント:ナイジェリアに拠点を置きアフリカ数十カ国でサービスを展開する米国のフィンテックスタートアップFlutterwaveは、アフリカでサービスを展開するテック系スタートアッ…

ピックアップ:Nigerian payments startup Flutterwave achieves “unicorn” status after $170m funding round

重要なポイント:ナイジェリアに拠点を置きアフリカ数十カ国でサービスを展開する米国のフィンテックスタートアップFlutterwaveは、アフリカでサービスを展開するテック系スタートアップとしては最大規模となる1億7,000万米ドルの資金調達ラウンドを終了。企業価値は10億米ドルを超えユニコーン企業となった。

詳細な情報2016年に米国で設立されたFlutterwaveは、JD.comやFacebookへも出資するAvenir Growth CapitalとTiger Globalが主導するシリーズCラウンドで1億7,000万米ドルの資金調達を実施した。このラウンドには DST Global、Early Capital Berrywood、Green Visor Capital、Greycroft Capital、Insight Ventures、Salesforce Ventures、Tiger Management、WorldpayFIS 9yards Capitalといった新規および既存の投資家も参加している。

現在同社の主要なサービス提供国はアフリカの東部及び南部方面に集中しているが、今回調達した資金はアフリカ大陸全体へ市場拡大を行うために利用される。

  • Flutterwaveは、各国ごとに異なる決済事情を持つアフリカ全土を繋ぐ決済インフラストラクチャを構築している。銀行や加盟店といった同社の顧客は、アフリカ各国の異なる決済手段に対応した同社のAPIを使用してシームレスでカスタマイズ可能な決済アプリケーションを構築できる。
  • ナイジェリアに拠点を持ち、アフリカ大陸30か国以上での決済に対応、ナイジェリア、ガーナ、ケニア、南アフリカを含むアフリカ諸国10カ国以上の市場で大きな存在感を示している。現在は、29万を超える加盟店と50万を超える利用者にサービスを提供、これまでの総取引額は80億米ドルを超えている。
  • アフリカでも多くの国や地域で新型コロナウィルスの影響にりよるロックダウン政策が行われた昨年には、同社はインターネット上にFlutterwaveストアを開設し、企業がオンラインで商品を販売するのを促進したほか、クラウドファンディング形式で支援を必要とする人に寄付できるサービスの立ち上げや、総額500万ナイラ(1ナイラ=約0.3円弱)を中小企業基金に寄付するなど、財政的困難に直面する中小企業の支援に力を注いだ。
  • Flutterwaveはアフリカでフィンテック系サービスを提供する企業として、最も投資を受けている企業の1つであり、2017年8月にシリーズAラウンドで1,000万米ドル、2018年には延長ラウンド、昨年1月にはシリーズBラウンドで3,500万米ドルを調達した。今回1億7,000万米ドル相当のシリーズCラウンドを終了したことで企業価値は10億米ドルを超え、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。

背景:これまでアフリカ大陸を拠点とする企業では、2018年にJumia(ナイジェリア)、Promasidor(南アフリカ)、Cell C(南アフリカ)の3社がユニコーン企業となったのみで、それ以降は海外からの注目度が高まりスタートアップへの投資額が増加しているものの、企業評価額が10億米ドルを超えるまでとなる企業は登場していない。

※Jumiaは2019年に2億米ドルを超える損失を出し株価も急落、それ以降現在まで同社の企業価値は10億米ドルを下回る”元”ユニコーン企業である。

今回の資金調達完了後、同社CEO兼共同創設者のOlugbenga氏は、ニューヨークでの上場あるいはニューヨーク及びナイジェリア両国での上場を検討する可能性があると述べている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

コートジボワール初のY Combinator選出「Djamo」が取り組む課題

ピックアップ:Djamo, the Ivorian startup offering financial services to the unbanked across West Africa – Tech In Africa 重要なポイント:金融系スーパーアプリをフランコフォンアフリカと呼ばれる旧フランス領西アフリカ地域で展開するは、同地域発のスタートアップとしては2社目、コートジボ…

ピックアップ:Djamo, the Ivorian startup offering financial services to the unbanked across West Africa – Tech In Africa

重要なポイント:金融系スーパーアプリをフランコフォンアフリカと呼ばれる旧フランス領西アフリカ地域で展開するは、同地域発のスタートアップとしては2社目、コートジボワールからは初めてY Combinatorのアクセラレータプログラムに選出された。

詳細な情報:コートジボワールを拠点とするDjamoはフランコフォンアフリカ圏の消費者を対象とする金融系スーパーアプリを提供している。2019年当時西アフリカで最大のラウンドとなった35万ドルのシードラウンドで資金を獲得し2020年11月にアプリをローンチ、Visa提携のカードも発行している。現在既に約9万人の登録ユーザーがおり、毎月5万件を超えるトランザクションを処理している。

  • Djamoは、フランコフォンアフリカ圏に住む何百万人ものアフリカ人が、手頃な価格でシームレに銀行へのアクセスが可能になる社会を目指している。 提供するサービスには、サービスのメインとなるモバイルバンキング以外にも投資・貯蓄関連のサービスがあるほか、銀行口座保有率が20%を下回る同地域の金融リテラシー向上に向けた教育コンテンツも提供している。
  • DjamoはY CombinatorのアクセラレータプログラムY Combinator Winter 2021に選出され、3月のデモデーには12万5,000ドルのシード資金とさらなる投資の機会を獲得する。Y Combinatorのアクセラレータプログラムには、Stripeに2億ドル以上で買収されたナイジェリアのPaystackや、Flutterwaveを始めこれまでに40のアフリカのスタートアップが参加しているが、フランコフォンアフリカ発のスタートアップとしては2社目、同地域のフィンテックスタートアップとしては初の参加となる。3か月のプログラム終了後にはVisaが主催するFintech Fast Trackプログラムへの参加も予定されている。
  • 世界銀行は2019年にフランコフォンアフリカは急速に経済成長しており、2021年までにアフリカ経済の62.5%を占めるようになるだろうと予測しており、現在同地域の成長には注目が集まり始めている。寺久保拓摩氏による新ファンド「UNCOVERED FUND」が出資を明らかにした5社のうちの1社Gozemもフランコフォンアフリカのスタートアップだ。

背景:アフリカには公用語が英語の国も多く、サハラ以南の英語圏の国がアフリカ大陸全体のGDPの47%を占めているため、同割合が19%しかなく公用語がフランス語であるフランコフォンアフリカ圏は、海外の投資家からの目が集まりにくく過小評価されがちな傾向にある。West African Startup Decade Reportによれば、西アフリカには過去10年で100万ドル以上を資金調達したスタートアップが51社あるが、その中でフランコフォンアフリカを拠点とする企業は2社のみであった。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

食糧危機問題に取り組むケニア「Gro Intelligence」アフリカテック最大の資金調達に成功

ピックアップ:Kenyan data analytics company Gro Intelligence raises $85m Series B funding round 重要なポイント:食料安全保障や地球規模での気候変動に関する課題解決への貢献を目指すケニア発のデータ分析スタートアップGro Intelligenceは1月、アフリカのテック系スタートアップ全体で最大規模となる8,500万ド…

ピックアップ:Kenyan data analytics company Gro Intelligence raises $85m Series B funding round

重要なポイント:食料安全保障や地球規模での気候変動に関する課題解決への貢献を目指すケニア発のデータ分析スタートアップGro Intelligenceは1月、アフリカのテック系スタートアップ全体で最大規模となる8,500万ドルの資金調達を行った。今回の資金調達を受け、今後はAIを活用した同社プラットフォームのさらなる成長とグローバル展開に力を入れていく。

詳細な情報:本ラウンドはIntel CapitalAfrica Internet Ventures、Ronald Lauder氏とEric Zinterhofer氏のファミリーオフィスが共同で主導し、既存の投資家であるDCVC、GGVも参加したほか、食料安全保障イニシアチブに投資する米国拠点のRethink Foodなど新たな投資家も加わった。

  • エチオピア出身で元ウォールストリートのトレーダーである同社CEOのSara Menker氏は、各国間の農業に関連するデータの隔たりをなくすため、2014年にケニアのナイロビでGro Intelligenceを立ち上げた。同社は収穫量や土壌の質から気候要因に至るまで、世界中のさまざまな市場から収集された食料生産に影響を与えるデータを収集して膨大なデータセットを構築、農産物の需要、供給、価格設定を予測する。
  • AIを活用したGroのプラットフォームでは、4万を超えるデータセット、650兆を超えるデータの収集、正規化、モデル化を行い、食品、気候、貿易、農業、マクロ経済間の相互関係を明らかにし、食品、農業、気候、経済などのリスクに関する洞察や分析、意思決定ツール、ソリューションを提供する。
  • 現在はニューヨークにもオフィスを構えるGro Intelligenceは、各国や食品業界がバリューチェーン全体をどのように計画しているかを明確にし、地球規模での気候変動の課題解決に貢献したいと考えており、農業および気候のリスクをモデリングする世界初のビッグデータプラットフォームとなることを目指している。
  • 既存のクライアント及び潜在的なクライアントは政府から金融機関、農業投入企業、小売業者、食品および飲料企業、農業に必要な製品を生産する企業、その他さまざまな業界に及ぶ。New York Timesによれば、クライアントの1つであるユニリーバは、クノールブランドの食糧供給における持続可能な計画を立てるためにGroのデータを使用している。
  • 「Gro Intelligenceは最もエキサイティングなAI企業の1つであり、食料安全保障と気候リスクという世界最大の2つの課題に取り組んでいます。彼らのソフトウェアベースのプラットフォームは、コンピューティングを活用した国境を越えた知見によって意味あるインサイトの発見を促進し、農業領域においてより多くの情報に基づいた意思決定を可能にします」とIntel CapitalのシニアマネージングディレクターであるTrina Van Pelt氏は述べている。

背景:Groの前回の資金調達は2017年にTPG Growthが主導したシリーズAラウンドで、このラウンドはCellulant、LifeBank、Lori、およびEchoVCを通じて行われ1740万ドルを調達した。 今回の資金調達により同社の資金調達額総額は1億ドルを超えた。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

「保険を農家に直接販売しない」ケニアのインシュアテック、Pula

ピックアップ:Pula raises $6m Series A to provide insurance for smallholder farmers across Africa ニュースサマリ:ケニアのインシュアテックスタートアップPulaはシリーズAラウンドで600万ドルの資金調達を実施した。保険普及率が非常に低いアフリカで小規模農家を対象にした保険商品を提供する同社は、新型コロナウィルスの…

ピックアップ:Pula raises $6m Series A to provide insurance for smallholder farmers across Africa

ニュースサマリ:ケニアのインシュアテックスタートアップPulaはシリーズAラウンドで600万ドルの資金調達を実施した。保険普及率が非常に低いアフリカで小規模農家を対象にした保険商品を提供する同社は、新型コロナウィルスの流行が長引き、低所得者層の多い小規模農家がこれまで以上に保証を必要としている現在の状況をスケールアップの時とみている。

詳細な情報:調達のラウンドはTLcom Capitalが主導し、Women’s World Bankingも参加した。今回調達した資金は既存の市場拡大のために利用されるほか、アジアやラテンアメリカでの事業展開も視野に入れている。

  • 同社は機械学習やCCE(Crop-Cut Experiments)と呼ばれる収穫量の分析手法や気象パターンと農家の損失などをデータ化し、さまざまなリスクに対応する保険商品を提供する。従来の保険では実際に農場を訪問してリスク評価を行うが、Pulaは衛星画像やデータを使用して干ばつや豪雨の発生率などを予測している。
  • 50の保険会社・6つの再保険会社との提携、銀行や政府、農家向けの製品を販売する企業とのパートナーシップを通じてPulaは小規模農家に保険を提供するエコシステムを構築した。また、同社のクライアントは小規模模農家だけにはとどまらず、WFP(国連世界食糧計画)、ナイジェリア中央銀行、ザンビア政府、ケニア政府なども同社のクライアントとなっている。
  • Pulaの大きな特徴といえるのは保険を農家に対して直接販売しないスキームにあり、同社では代わりに銀行や種子の販売会社と提携し、銀行が農家へ融資をする際に保険への加入を義務付けたり、種子の販売をする際に企業が保険を付けた形で販売したりといった形で普及率が非常に低いアフリカ小規模農家の保険加入を促進する。実際にこの方法で同社はルワンダとケニアで18万5千人の保険加入者を獲得した。
  • 今回の資金調達に関してPulaのCEO Goslinga氏は、世界的な新型コロナウィルスの流行で農家がこれまで以上に保証を必要としている現在、サービス開始から5年が経つ同社にとってスケールアップの時がきたと述べており、今回の資金調達ラウンドを主導したTLcom CapitalのCaio氏はこのような状況下でのPulaの成長を確信している、とコメントしている。

背景:AIを活用して農家のコスト削減や生産性向上を支援するAeroboticsは昨年12月にシリーズBラウンドで1,700万ドルを調達、小規模農家に太陽光発電システムや灌漑システムを提供するSunCultureは同月にシリーズAラウンドで1,400万ドルを調達した。また、Pulaと同じく小規模農家の経済面を支援するApollo AgricultureもPulaと同じくシリーズAラウンドで同額の600万ドルの資金調達を実施するなど、アフリカの小規模農家を主な対象とするサービスを提供しているスタートアップの資金調達が相次いでいる。アフリカでは保険の普及率が低く、2017年のアフリカ大陸全体での保険普及率は2.8%と推定されており、その中でも農業分野における保険普及率はさらに低い傾向にある。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

投資額は過去5年で3倍、加熱するアフリカテック・スタートアップ投資

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ピックアップ:African tech startup funding passes $700m in record-breaking 2020 2020年は世界的に新型コロナウィルスの影響を受けた1年となったが、その状況下でもアフリカのテック系スタートアップ全体の年間資金調達額は7億ドルを超え、その額は過去5年で3倍以上に増加したとするレポートをDisrupt Africaが発表している。 詳細…

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ピックアップ:African tech startup funding passes $700m in record-breaking 2020

2020年は世界的に新型コロナウィルスの影響を受けた1年となったが、その状況下でもアフリカのテック系スタートアップ全体の年間資金調達額は7億ドルを超え、その額は過去5年で3倍以上に増加したとするレポートをDisrupt Africaが発表している。

詳細:Disrupt Afircaの発表したレポートによると、2020年はアフリカ全体で397のテック系スタートアップが資金調達を実施し、総額は7億146万565ドルとなった。2015年は125社が合計1億8,578万500ドルを調達しており、過去5年で3倍以上に増加している(前年比では企業数は27.7%、調達額は42.7%増)。

  • 調達額上位5ラウンドは、Vezeeta(エジプトのe-Health)が4,000万ドル、Flutterwave(ナイジェリアのフィンテック)が3,500万ドル、Skynamo(南アフリカの小売技術)が3,000万ドル、Twiga Foods(ケニアのアグリテック)が2,940万ドル、Komaza(ケニアの保全技術ソリューション)2,800万ドルとなっている。
  • アフリカ大陸の投資家の数も増加し、同レポートでは370人をアクティブな投資家としており、前年の261人から42.8%、2018年の155人から68.4%増としている。中でもアクティブな投資家はKepple Africa Venturesで、2020年の1年間で36のスタートアップへ出資した。
  • 依然として資金調達の多くはナイジェリア、ケニア、南アフリカの3国に集中している点はこれまでと変わらないが、ここ数年エジプトが存在感を増してきており、ナイジェリア、ケニア、南アフリカにエジプトを加えた4カ国における2020年の総調達額は307社・6億2,565万9,00ドルで、全体に占める割合は金額としては89.2%、企業数としては77.3%にも上る。

ケニア

2020年資金調達実績:59社・1億9,138万1,000ドル(全体に占める割合:27.3%、前年比28.3%増)

  • ケニアは4カ国の中で資金調達を実施したスタートアップの数は最も少ないが、資金調達額は最も高くなっており、平均チケットサイズは324万3,746ドルとアフリカで最も大きい。
  • 主要な実績としては上述のアグリテック企業、Twiga Foodsの2,940万ドルと環境保全を行うKomazaの2,800万ドルに加え、物流系スタートアップのSendyが2,000万ドル、RetailTechのSokowatchが1,400万ドル、再生可能エネルギー領域のSunCultureが1,400万ドル、Angazaが1,350万ドル、Solariseが1,000万ドルを調達している。
  • ケニアは他の国と比べてフィンテックスタートアップが占める割合が低く、セクター別では、エネルギー領域が4,100万ドル(ケニア全体の21.4%)、Agritechが3,570万ドル(18.7%)、物流領域 2,730万ドル(14.3%)、e-Commerce 2,370万ドル(12.4%)、Fintech 1,620万ドル(8.5%)となっている。

ナイジェリア

2020年資金調達実績:85社・1億5,035万8,000ドル(全体に占める割合:21.4%、前年比22.8%増)

  • ケニアとは対照的にナイジェリアはチケットサイズの小さい調達が目立ち、平均チケットサイズは176万8,918ドルで、過去6年間減少傾向にある。一方2020年には23のスタートアップが100万ドルを超える資金調達を実施し、同国全体の27.1%をこれらが占めている。
  • 主要な実績としてはフィンテックスタートアップのFlutterwaveが実施した3,500万ドルのシリーズBラウンドや、ブロックチェーンスタートアップBitfxtの1,500万ドル、e-Healthの54geneによる1,500万ドルなどがある。その他フィンテックのAella CreditKuda、e-HealthのHelium Healthはそれぞれ1,000万ドルを調達した。
  • ナイジェリアはフィンテックスタートアップによる資金調達が多く、37社8,934万2,000ドル(59.4%)がそれら企業によるもの。それ以外はe-Health領域が3,106万8,000ドル(20.7%)、eコマースが1,071万ドル(7.1%)、再生可能エネルギー領域が720万ドル(4.8%)と続く。

南アフリカ

2020年資金調達実績:81社・1億4,252万3,000ドル(全体に占める割合:20.3%、前年比95.2%増)

  • 資金調達を実施した企業数は81社と一昨年の79社からほぼ横ばいだが、チケットサイズは一昨年の平均92万4,296ドルから昨年で2倍近く増加し平均175万9,543ドルになった。
  • チケットサイズの増加の原因ともなるのは100万以上の資金調達を行った企業が26社あり、この数はアフリカで最も多い。主なラウンドには、RetailTech Skynamoの3,000万ドル、アグリテックAeroboticsの1,650万ドル、Planet42の1,240万ドル、WhereIsMyTransportの750万ドル、Valenture Institute700万ドル、DataProphet600万ドルなどがある。
  • 2020年の南アフリカでは、Skynamoの3,000万ドルの資金調達により、eコマース・小売テック領域の資金調達額が最も高く4,104万6,1000ドルで28.8%を占め、フィンテック領域が3,680万3,000ドル(25.8%)、アグリテック領域が1,852万5,000ドル(13%)、Ed-Techが1,071万5,000ドル、AI/IoTが985万ドル(6.9%)となっている。

エジプト

2020年資金調達実績:82社・1億4,139万7,000ドル(全体に占める割合:20.7%、前年比65%増)

  • 一昨年のエジプトのスタートアップの資金調達の多くはアクセラレータプログラムへの参加により調達したものが大半を占めていたが、2020年はVCからの資金調達が増加し、これによりチケットサイズも大きくなる傾向となった。チケットサイズは前年平均の97万2,886ドルから172万4,354ドルに増加した。
  • エジプトは、フィンテックが他国ほど投資家の注目を集めていないという点が特徴的。北アフリカの投資家にとっては、eコマース・小売テック領域が最も注目の領域であるほか、アフリカの他の国とは異なる市場への投資が活発に行われており、2020年の資金調達の34.1%は他国ではの主要な領域とはなっていないニッチな分野で行われている。
  • e-Health領域の資金調達総額が4,351万5,000ドルと大きく、同国で注目を集めている領域のように見えるが、これはVezeetaが今年初めに行ったシリーズDラウンドでの4,000万ドルの調達によるもので、資金調達総額が3,900万ドルの交通関連(Transport)領域も2つのラウンドによる調達でそのほとんどを占めている。これらを除いた同国の主要な領域はeコマース・小売テック領域の1,457万2,000ドル、フィンテック領域の317万9,000ドル、HR領域の456万2000ドル、物流領域の301万2,000ドルなどが挙げられる。

フィンテック

  • 全体を通して最も資金調達が多かったのはフィンテック領域で、資金調達総額は99社 1億6,031万9,065ドル。内訳はナイジェリアが8,934万2,000ドルで全体の55.7%、南アフリカが26社3,680万3,000ドルで全体の23%、ケニアが13社1,623万ドルで10.1%、エジプトが12社1,317万9,000ドルと、トップ4カ国でその97%を占める結果となった。

e-Health

  • 新型コロナウィルスの影響により、e-Healthによる医療の様々な課題解決に焦点をあてたスタートアップが急成長し、41社が1億299万4,000ドルの資金調達を実施、資金調達総額の14.7%を占め前年比では257.5%増となった。今年1年のe-Health領域の資金調達総額は、過去5年間の総額よりも多くなっている。
  • e-Health領域の成長に関しては、新型コロナウィルスの流行が続く限りは継続的な成長が見込まれているが、その後はユーザーがこの期間中に利用したサービスを好んで利用するか否かが長期的な成長を左右する重要な要因であると見られている。

背景:アフリカではここ数年リープフロッグ現象により、新興国や各国特有の社会課題を解決するテック系スタートアップが急増している。以前から注目していたGoogleやFacebookにとどまらず、2020年はStripeがナイジェリアのフィンテック企業Paystackを2億円で買収したり、ジェフ・ベゾス氏のVCファンドがアフリカのテック系スタートアップへ初の投資を行ったりと、先進国の企業や投資家からの注目も徐々に高まりつつある。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

ベトナムで2,600万人が利用するキャッシュレス決済「MoMo」

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重要なポイント:ベトナムでモバイル決済サービスを提供するMoMoはWarburg PincusとGoodwater Capitalが共同で主導するシリーズDラウンドで資金調達を行ったと発表した。このラウンドには既存の株主であるAffirma CapitalとTybourne Capital Managementのほか、新たにKora ManagementとMacquarie Capitalも参加し…

MoMo

重要なポイント:ベトナムでモバイル決済サービスを提供するMoMoWarburg PincusGoodwater Capitalが共同で主導するシリーズDラウンドで資金調達を行ったと発表した。このラウンドには既存の株主であるAffirma CapitalとTybourne Capital Managementのほか、新たにKora ManagementとMacquarie Capitalも参加した。資金調達の具体的な額は発表されていないが、MoMo CEOのPham Thanh Duc氏はロイター通信に対して調達額は1億ドルよりやや大きい額であると明かしている。

今回の資金調達を受けて、同社はスーパーアプリ構想や国内のスタートアップを対象とした投資部門の立ち上げなど、同国内でのさらなる市場シェアを拡大するためのサービス強化を行っていく。

詳細な情報:どの証券取引所に上場するかについての議論は時期尚早であるとしながらも、2021年から2025年までの間(おそらく2025年)にIPOを実施する見通しであることも今回明らかとなった。

  • 人口約1億人に対して39のプロバイダーがシェアを奪い合うベトナムのキャッシュレス決済市場で既に2,300万人のユーザーを獲得しているMoMoは、今後2年間でユーザー数を約2倍の5,000万に増やす目標を掲げており、資金調達はこの目標達成に向けたサービス強化に使用される。
  • 2007年設立のMomoは、2010年にeウォレットサービスを開始し、現在iOS/Androidアプリによる送金サービス、携帯電話のリチャージ、個人ローン、オンラインゲームなど様々なサービスを提供。JCB、MasterCard、Visaなど、24の国内銀行および海外の決済ネットワークと提携している。
  • Momoはサービスのスーパーアプリ化構想を打ち出しており、調達した資金のうち25%は、「MoMoのアプリに統合できる国内のスタートアップを支援する」ためのMoMo Innovation Venturesと呼ばれる独自の投資部門の立ち上げに使用される。
  • MoMoには既に消費者金融、保険、送金、公共料金の支払い、エンターテインメント、eコマース、ショッピング、運輸、F&Bなど国内全体で1万を超えるパートナーがおり、中でもベトナム最大手のコンビニエンスストアやスーパーマーケット、コーヒーショップチェーンといったオフライン販売を行う大手事業者の囲い込みに成功していることが強みとなっている。

背景:ベトナムでは依然として現金による支払いが好まれているが、新型コロナウィルスの流行の影響で非接触型決済の利用が急増し驚異的な成長を遂げている。ベトナムのデジタル決済市場の総取引額は2021年に150億ドル、2025年までにはさらに15%増加し260億ドルになることが予測されている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

アフリカの金融サービスをAPIで繋げる「OnePipe」、95万ドルを調達

ピックアップ:With $950k pre-seed, OnePipe is building a super aggregator for every financial service API in Nigeria 重要なポイント:ナイジェリアでフィンテックAPIサービスを提供するOnePipeは2020年12月にプレシードラウンドで95万ドルの資金調達を実施した。APIを提供するフィンテック…

ピックアップ:With $950k pre-seed, OnePipe is building a super aggregator for every financial service API in Nigeria

重要なポイント:ナイジェリアでフィンテックAPIサービスを提供するOnePipeは2020年12月にプレシードラウンドで95万ドルの資金調達を実施した。APIを提供するフィンテックサービスが増加する同国で銀行や各種金融サービスと提携し、シームレスな取引が行えるようなAPIゲートウェイの構築を行う。同社CEOのAdeoye氏によるとこのラウンドは、米国のシードステージアクセラレーターであるTechstarsと、アフリカの影響に焦点を当てたVCファンドであるAtlanticaVenturesのチームが主導し、Future Perfect Ventures、Raba Capital、P1 Ventures、Ingressive Capital、Sherpa Ventures Africa、Zedcrest Capital、DFSLabなどの機関投資家も参加した。

詳細:同社は、ナイジェリア国内の銀行や各種フィンテックサービスの提供するAPIを標準化した仕様の下に統合し、シームレスに各サービス間での取引が出来るゲートウェイを構築している。APIの利用に対して料金を請求するが、これまでの異なる銀行やサービス間での煩雑な手続きとそこにかかる手数料と比べると、顧客は圧倒的な時間と費用の削減が可能になる。

  • OnePipeは2年前のサービスローンチ以来、Polaris Bank、SunTrust Bank、Fidelity Bank、Providus Bankといった銀行やMigo、Flutterwave、Paystack、Quicktellerなどのフィンテック企業からのサポートやパートナーシップを獲得してきた。同社CEOのAdeoye氏によるとさらに7つの銀行がまもなくパートナーとして加わる予定。同社は将来的にナイジェリアの金融サービス系APIのスーパーアグリゲーターになることを目指している。
  • 同社CEO Adeoye氏はアフリカ全土で事業を展開するフィンテックのユニコーン企業Interswitchに長年在籍した後、フィンテックサービスと銀行、大企業、エージェントネットワークの提携を容易にすることを目的としてOnePipeを立ち上げ、2018年11月にサービスを開始した。

背景:ナイジェリアではAPIを介したフィンテックサービスが増加しており、今年話題になった主要な企業だけでも、昨年1月にWorldPay初のアフリカのパートナーとなったFlutterwave、4月にプレシードラウンドで100万ドルの資金調達を実施したOkra、9月にプレシードラウンドで50万ドルの資金調達を実施したMono、11月に米国Stripeに買収されたPaystackなどがあり、注目が集まっている。ナイジェリアを始めキャッシュレス決済などのフィンテックサービスが普及する新興国では信頼性に欠ける新たなサービスなどもあるため、異なるサービス間でのシームレスな取引という点以外にも、安全・信頼性の担保という面でもOnePipeのような統合的なAPIサービスの需要が高まりつつある。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

アフリカの銀行口座をデジタル化する「Umba」、ケニアとナイジェリアで事業拡大

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ピックアップ:Into Africa: Irish start-up wins funding to lend to emerging markets ニュースサマリ:サンフランシスコを本拠地として新興市場向けにデジタル銀行を運営しているフィンテックスタートアップUmbaは、現在サービスを提供しているケニアとナイジェリアで製品機能を拡充するために、200万ドルのシード資金を調達した。 このラウンド…

Image Credit : Umba

ピックアップ:Into Africa: Irish start-up wins funding to lend to emerging markets

ニュースサマリ:サンフランシスコを本拠地として新興市場向けにデジタル銀行を運営しているフィンテックスタートアップUmbaは、現在サービスを提供しているケニアとナイジェリアで製品機能を拡充するために、200万ドルのシード資金を調達した。

このラウンドは、Stripeの元発行責任者である Lachy Groom氏とLudlow Venturesがリードし、新たにFrontlineVenturesとActVenture Capitalが投資家として加わった。Ludlow Venturesにとっては初のアフリカ市場への投資となる。今回調達した資金で今後数カ月以内にこれら2つの市場で提供するサービスを拡大し、デビットカードの追加なども計画している。

詳細な情報:Umbaはアフリカのレガシー銀行に代わるデジタル金融サービスを提供。Umbaのモバイルアプリでは、アフリカの既存の銀行では高コストな金融サービスである当座預金口座やピアツーピア送金を無料で利用できるほか、貸付、預金、各種料金の支払い、キャッシュバックなどを提供する。

  • Umbaは当初から複数の市場、通貨、決済インフラストラクチャにサービスを提供する前提でプラットフォームを構築している。たとえば、ナイジェリアは銀行とデビットカードの普及率が高いため、Umbaはこれらの支払い方法に対応しているが、ケニアと東アフリカではモバイルマネーの利用の方が圧倒的であるためこれらのサービスと密接に連携している。
  • 多様なニーズに柔軟に対応できることを当初から考慮にいれていることがUmbaがビジネスを迅速に拡大できる理由だと、同社UmbaのCEOであるTiernan Kennedy氏は説明している。
  • Umbaは2019年7月に、ACT Venture Capital、Frontline Ventures、Bloom Equityから非公開のエクイティファイナンスラウンドを実施し、アフリカ各国の銀行口座を持たない人々に向けてマイクロファイナンスサービスの提供を開始、2019年11月にはケニアのMYDAWAと提携し医療費支払いのための融資サービスなども行っている。

背景:Umbaがサービスを提供するケニアとナイジェリアはアフリカのフィンテックシーンをリードする国で、両国の人口は合計で2.5億人を超える。銀行口座保有率が20%を下回る国も珍しくないアフリカの中において、ナイジェリアの銀行口座保有率は半数以上と周辺諸国よりも高く利用者も多い一方、ケニアでは携帯電話を利用した送金サービスのM-PESAによる取引がGDPの4割を超えるほどにまでなっており、両国の金融サービスを取り巻く環境は全く異なっている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

ケニアで深刻化する血液問題に取り組む、デジタルヘルスプラットフォーム「Damu-Sasa」

ピックアップ:Kenyan e-health startup Damu-Sasa secures $20k from Villgro Africa to enhance COVID-19 capabilities – Disrupt Africa 重要なポイント:献血に対する理解不足から国内での協力者が少なく、以前から慢性的に医療用の血液不足が問題視されていたケニアでは、新型コロナウィ…

Photo by cottonbro from Pexels

ピックアップ:Kenyan e-health startup Damu-Sasa secures $20k from Villgro Africa to enhance COVID-19 capabilities – Disrupt Africa

重要なポイント:献血に対する理解不足から国内での協力者が少なく、以前から慢性的に医療用の血液不足が問題視されていたケニアでは、新型コロナウィルスの流行で事態はより深刻となった。そんな中、同国で献血バリューチェーン向けにプラットフォームを提供しているDamu-Sasaが、献血者の増加や効率的な血液管理に貢献している。

詳細な情報:ケニアのナイロビを拠点にするデジタルヘルス・スタートアップDamu-Sasaは、採血、在庫管理、輸血管理、など、エンドツーエンドの医療用血液バリューチェーンを統合的に管理するプラットフォームを同国内向けに提供している。

  • Damu-Sasaのプラットフォームはクラウドベースで、バリューチェーンに関与する全ての人々に関連するアクティビティを一括で情報提供することが可能なため、 データによる意思決定の強化や効率的な血液の管理を支援し、 関連するコストを削減する。
  • 病院が献血協力者や病院間で必要な血液を調達するのを支援し同時に、血液製剤のスクリーニング、準備、在庫管理、輸血管理もサポートするなど、バリューチェーン全体で同プラットフォームは機能する。また、必要に応じた登録者への献血協力の要請や血液のトラッキング、献血履歴の管理もプラットフォーム上で行える。
  • 同社は病院やその他関連する多くの機関やパートナーと協力し、安全な血液を十分に供給することを目的としてプラットフォームの改善を行いながら、国民からの自発的な献血量の増加を増やす取り組みをしている。
  • 現在までにケニア全体の132の病院で同社プラットフォームは利用されるようになり、9,000回を超える献血を促し、プラットフォーム上には7万2,000人を超える登録者がいる。同社は新たにリリースされたAndroidアプリを通じてこの数をさらに大幅に増やすことを目指す。今年の7月に同国内で献血用血液の不足が深刻になった際には、保健省とFacebookが提携して行った献血キャンペーンにも協力するなど、既に同国内では一定の知名度と信頼を得ている。
  • この取り組みを後押しし、また新型コロナウィルスの感染拡大防止への貢献を強化するために、ヘルスケアおよびライフサイエンスセクターのインパクト投資家でもあるVillgro Africaから2万ドルの助成金を確保した。またVillgro Africaは助成金に加え、Damu-Sasaプラットフォーム上の新型コロナウィルスに関連した血液管理機能の強化や、継続的な資金調達活動をサポートするための支援も実施する。

背景:ケニア国内では年間100万ユニット程度の輸血用血液が必要とされているが、献血の重要性に対する理解不足などから積極的に献血を行う人は少なく、国内の献血量は20万ユニットにも満たない状態にあり、医療用の血液は慢性的に不足状態にあった。これまで海外からの支援(輸入)に頼っている状況であったが、その最たるものであった米国からのエイズ救済のための血液提供プログラムが昨年後半の資金削減によって停止状態となり、今年初め頃からケニア国内の医療用血液不足は深刻化していた。新型コロナウィルスの影響により、ロックダウンや外出自粛といった行動の制限により献血センターなどに足を運び献血をする人が激減し、現在世界的に医療用の血液の安定的な確保が難しくなっている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代