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ヨーロッパから見た、LINE Creators Marketの可能性【ゲスト寄稿】

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。フランスのスタートアップ・ブログ Rude Baguette への寄稿を、同ブログおよび著者 Mark Bivens からの許諾を得て、翻訳転載した。 The Bridge has reproduced this from its original post …

mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。フランスのスタートアップ・ブログ Rude Baguette への寄稿を、同ブログおよび著者 Mark Bivens からの許諾を得て、翻訳転載した。

The Bridge has reproduced this from its original post on Rude Baguette under the approval from the blog and the story’s author Mark Bivens.


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LINE Creators Market が先週ついにオープンした。これはサードパーティーや個人イラストレータが、自分のスタンプ・コレクションを LINE 上で配信できるものだ。この話を聞いたことがない人のために言うなら、今まさにスタンプ革命が起こっているのだ。

フランス紙 Le Figaro は、これをまだ大きなビジネスになるとは認識していないようで、むしろ起業家の方がよく理解している。Le Figaro への敬意を込めて言うなら、彼らはこれまで、世界で起きていることを極めて狭い視野でフランス的な解釈をしてきた。世界の多くの場所で、スタンプは既に大きなビジネスになっているのだ。筆者が個人的にも気に入っているメッセージアプリ LINE は、スタンプだけで昨年6,500万ドルもの売上を上げている。

アジアで伸びるスタンプ市場

エモーティコンの進化形とも言えるスタンプは、技術と文化の両方の理由から、まずアジアから脚光を浴び始めた。

アジア文化の中で自己表現するには、当地のコミュニケーションの手順に則って、親密さを表現する必要があるからだ。例えば、日本人を例に挙げてみよう。仕草や敬語は、会話する相手のステイタスやその人との人間関係によって決定される(幸いにも私のような外国人は、このような習慣に不案内と思ってもらえるので、このようなルールは適用されない)。つまり、文字によるコミュニケーションなど視覚表現を伴わないやりとりにおいては、(人間関係や上下関係などの)文脈の表現度合は、文章の書き手によって決定される。

短文で無愛想なメールでも、アメリカやオランダでは十分に受け入れられるが、日本語の場合、たとえ非公式なメールであっても、正しいトーンで意思を伝えるため、適度な文脈と文章の明確化が求められる。そこで、SMS やチャットなど文字量が限られたメディアでは、エモーティコンやスタンプが書き手を助けるツールとなる。例えば、たった一つのアイコンで、私が二日酔いに苦しんでいると伝えることができるし、目上の人に敬意を払いつつも仕事で多忙だと伝えることができる。

もちろん、私はベンチャーキャピタリストなので、スタンプが起こしている現在の状況が、投資の側面からも可能性があることを認識している。LINE が毎月スタンプだけで1,000万ドル稼ぎ出すようになれば、それ単体で実用的なビジネスモデルと言えるようになる。そして、スタンプの原価は限りなくゼロに近い。

しかし、金銭的な側面以外でも、スタンプの可能性は魅力的だ。イノベーションがグローバルに起きている、この互いにつながりあった世界において、文化の違いを超えたコミュニケーションを可能にしてくれるからだ。

欧米における、スタンプ市場の可能性

おそらく、カワイイことは時として男らしくないと見なされるアメリカでは、このスタンプブームの現象が十分に定着することはないだろう。

しかし、ここフランスでは、パステルカラーの Lacoste のシャツを来て、首にセーターを巻き付けているのは気にされないし、イギリスで最も人気のあるドレスシャツの店は「Pink」という名前だ。

私は、外部のデザイナーにもスタンプの流通を開放した LINE の決定は英断だと思う。この動きだけで、LINE は、チャットアプリ上のコンテンツを充実させるために、優秀で情熱のあるデザイナーを確保できることになり、売上を稼ぎ出す柱にすることができ(スタンプパックの売上は、LINE とデザイナーで 50/50 のレベニューシェアとなる)、しかも、ユーザの定着率向上にも有効に働く。スタンプデザイナー達を、LINE のアンバサダーにさえ変えてしまうだろう。

LINE Creators Market がローンチした日、私はたまたま東京に居て、このとき LINE はローンチから24時間経たない間に、2,000件を超えるスタンプの申し込みを受け付けた(ちょうど2,000番に近い待ちにあった、イラストレータの友人による)。

ここでちょっと無茶なアイデアだが。Twitter も、つぶやきの中でスタンプを使えるようにすべきではないだろうか。

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