先週来日していた、クラウドソーシング同時通訳サービス「Babelverse」の創業者 Josef Dunne と Mayel de Borniol からも少し話を聞いたのだが、ロンドンの Old Street を中心とした地域では、金融面でも独立性を持って地域経済の運営がなされているらしい。(いわゆる経済特区であり、地方自治体ではなく、株式会社による運営とか。株式会社化されているのは、Josef の話では、世界で唯一であるらしい。)
最初に紹介する Google Campus は、ロンドン地下鉄 Nothern Line の Old Street 駅から徒歩10分、地理的にも役割的にも、前出の Tech City の中心的存在である。
Google Campus (by Kei Shimada)
我々がロンドンに居たとき、ラッキーなことに連れが Google Campus から招待を受けた。我々は Google Campus の長を務める Eze Vidra 氏に会う事ができた。彼は、おそらく非常に多忙なスケジュールであろうにもかかわらず、時間を作り、我々にロンドンの最もホットなコワーキング・スペースの一つを見せてくれた。
Eze Vidra
Google Campus は多くのホットなスタートアップが入居する7階建ての建物で、スタートアップは WiFi や電源のみならず、スタートアップ・コミュニティが Google Campus にもたらす知見の恩恵に預かることができる。(私の記憶するかぎり)Eze は、ロンドンのスタートアップの数は、昨年の700社から今年は1200社程度にまで、ほぼ2倍になったと話していた。
数日前(原文掲載日11月9日)、ちょうどこの Google Campus で、Chinwag の Sam Michel と、韓国のテック・イノベーション・シーンを担う KISA(韓国インターネット振興院)が共同で主催した、Global K-Startup でピッチが行われていた。我々は少し遅れて到着したためピッチを見ることはできず、それは残念だったが重要なことではなかった。むしろ、重要だったのは、我々の近隣国が、政府の大きな支援を受けたテック・スタートアップ産業を有していて、ロンドンの人々の前で、韓国からのスタートアップ代表団がアイデアをピッチしていたということだ。
Springboard はもともとケンブリッジで設立されたアクセラレータだが、その後、本部機能がほぼ移転して Google Campus に入居しているのを記憶していたので、急遽連絡をとったところ、Springboard のコミュニティ・マネージャーを務める Jessica Williamson が会ってくれた。Springboard には、イギリス国外からも多くのスタートアップが来ていたが、アジアからは唯一、韓国の Flitto というスタートアップが参加していた。Flitto はクラウドソーシング翻訳により、外国人スターや海外のブランドのツイートを自国語で利用できるようにするというものだ。CEO の Simon Lee(韓国名:イ・ジョンス=이정수)を始め、開発チーム全員でロンドンに乗り込んでいて、プログラム終了までの数ヶ月は Springboard で開発を続けるとのことだ。
The Next Web による Springboard のインタビュービデオ、Flitto が登場する
Springboard が入居している Google Campus には宿泊施設は無いのだが(前出の Campus Head の Eze にも「宿泊場所は無いよ〜」とは言われたが、建物内にシャワールームとカフェがあるので問題なさそう)、Tech City と呼ばれるロンドン東部周辺は、中心部からは地下鉄で20分位離れているので、家賃はあまり高くなさそう(パブでたまたま立ち話した、ロンドンの住民談。)