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Alphabetの気球によるインターネット網構築プロジェクト「Loon」、ケニア上空で商用サービスを開始

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Alphabet が長年取り組んできたプロジェクト「Loon」は4月21日、同社が正式に初の商用サービスを開始し、その気球がケニア上空を飛行したことで、大きな節目を迎えた。観測気球を使ってへき地にインターネット接続を提供する Loon は、Telkom Kenyaとの提携の一環として、ケニア上空に気球を打ち上げた。 このプロジェクトの実現は、ムーンショット育成についてしばしば大袈裟な言葉で語りなが…

ケニアで、気球を使ったインターネット接続の商用サービスを開始した「Loon」
Image Credit: Loon

Alphabet が長年取り組んできたプロジェクト「Loon」は4月21日、同社が正式に初の商用サービスを開始し、その気球がケニア上空を飛行したことで、大きな節目を迎えた。観測気球を使ってへき地にインターネット接続を提供する Loon は、Telkom Kenyaとの提携の一環として、ケニア上空に気球を打ち上げた。

このプロジェクトの実現は、ムーンショット育成についてしばしば大袈裟な言葉で語りながら、自動運転車のようなプロジェクトを商用サービスに転換するのに苦労している Alpha にとって注目すべき一歩だ。今回の場合、Loon の躍進は、気球やドローンを使って、へき地に住む人々にインターネット接続を提供しようとする Alphabet や Facebook の取り組みにとって、重要かつ象徴的な勝利だ。

Loon はもともと「Project Loon」と呼ばれていたが、2011年に Google での実験として始まり、徐々進化して独立した会社となった。2009年初頭、Loon は商業サービスの野望を加速すべく、通信関係者からなるアドバイザリーボードを設立した。

Loon は海上20km上空を移動する気球を使い、気球の動きと距離を追跡するアルゴリズムで複数の気球をネットワークしながら配置することで、インターネット接続を維持することができる。

同社は当初、商業サービスの昨年開始を念頭に2018年にケニアとの提携を発表していたが、さまざまな遅延により4月開始することとなった。ケニア政府は今年3月正式にサービスを承認したが、この遅延がサービス開始のために気球のレースを生み出すことになった。新型コロナウイルス流行の影響で(スタッフの移動に制約が出るなど)タスクが複雑化したためだ。

気球はプエルトリコとネバダのサイトから打ち上げられた。つまり、この日ののキックオフでは、Loon のチームは気球を空に打ち上げた後、約11,000km離れたケニアまで誘導する必要があったわけだ。

プエルトリコからケニアまでの気球ナビゲーションマップ
Image credit: Loon

Loon の CTOで Salvatore Candido 氏のブログ投稿によると、このシステムはソフトウェアを使用して自動的に地図を作成し、天気予報に基づいて飛行経路を最適化し、継続的に調整することが可能だ。それぞれの気球は、最終目的地まで独自のルートをたどる。

同社が昨年実施した飛行テストは100万時間以上を超え、このナビゲーションシステムを大幅に改善した。機械学習を利用して、目的地に向かってまっすぐ飛ぶよりも、ジグザグのパターンで飛ぶ方が効率的であることを発見した。また、円ではなく8の字型のパターンで飛行することで、気球がより長い時間指定された領域に留まることできる。

地上クルーがシステムを監視しているが、自動化と環境条件から迅速に学習できる Loon の能力は、商用サービスを展開する上で非常に重要であることが証明されている。

Loon チームは、これまでケニアではほとんど、あるいは全くインターネットに接続できなかった地域の人々にサービスを提供できることに興奮している。(中略)

私がしばしば言っていることだが、人々にはインターネットよりもはるかに必要なものがある。仲間に食料、きれいな水、医療品を届けられるなら、それを先にすべきだ。しかし、人類が新型コロナウイルス流行に対応し、友人・同僚・家族と物理的に距離を置いている今、情報を得ながら共につながっていることができるのは、オンラインで連絡を取り合うことができるという我々の力だ。(Candido 氏)

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【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Googleの気球を利用したインターネット網構築「Loon」がケニアにて商用試験開始へ、長時間の飛行課題をクリア

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ピックアップ:Google internet balloon spinoff Loon still looking for its wings ニュースサマリー:Googleが進める気球を利用したインターネット網プロジェクト「Loon」がケニアにて商用試験を開始する段階にあるそうだ。2日にロイターが報じたもの。同プロジェクトは、発展途上国や山岳地帯などのインターネットサービスが安定していないエリア…

Capture

ピックアップ:Google internet balloon spinoff Loon still looking for its wings

ニュースサマリー:Googleが進める気球を利用したインターネット網プロジェクト「Loon」がケニアにて商用試験を開始する段階にあるそうだ。2日にロイターが報じたもの。同プロジェクトは、発展途上国や山岳地帯などのインターネットサービスが安定していないエリアに対し空から安定的なインターネット網を構築させるといったもの。

ケニアにおける商用試験では、現地で三番手のキャリアとなるTelkom Kenyaとパートナシップを組む。同国における山岳地帯の農村に対し、市場と同額の値段層にて4Gインターネットサービス提供を実施する。

ロイターによれば、同プロジェクトは現在ケニア政府による許可待ちで、早ければ今月末には申請許可が下りる予定だとされている。

話題のポイント:インターネットの再構築を目指すGoogleのプロジェクトがLoonです。今回のケニアにおける実験は「商用」を目的としたものですが、今までにも災害時などに緊急でインターネットを届けるためにバルーンを通したインターネット提供を同プロジェクトは実施してきています。

直近の例として、ペルーやプエルトリコで発生した自然災害によるインターネット網不安の解消があります。現地キャリアと組んで無償にてインターネットを届けることに成功しています。2011年から始まった全世界にインターネットを届ける同プロジェクトが、今回ようやくマーケットエントリーしようというわけです。

Capture.PNGこれまでと違った方法でインターネットを世界中に届けようというプロジェクトを進めているのはGoogleのみではありません。複数の人工衛星を通して、全世界に低額な高速インターネットの提供を目指すOneWebやSpaceX、FacebookのDronesなどがそれです。

この画像には代替テキストの説明がありません
Loon Official Linkedin

あまり宇宙産業に着目していないと同業界のアップデートは耳に入ってこないかもしれませんが、Loonが数日前に興味深い投稿をLinkedInにてしていたのでご紹介します。上図は、Loonがペルー/プエルトリコで実際に使用した、またケニアでも利用予定の気球と同様技術が利用されている気球「P-496」の軌跡をマッピングしたものです。

プエルトリコを飛び立った気球は、東へ進みアフリカ大陸を通過。オーストラリア大陸を越え、ペルーへの帰還に成功しています。同投稿によれば、昨年11月に出発し223日後に着陸したとしており、安定的な飛行が実証されていることが伺えます。

Loonの気球は長時間飛行を実施するために太陽光を利用していますが、今までこれが弱みであると指摘され続けてきました。太陽を遮る悪天候や、その他強風時など断続的・安定的な利用が空の上で可能なのか、と。その面での改善は着実に進んでそうですし、それを保証する数値的成果や結果は時間の問題といえるでしょう。

さて、Loon公式が昨年9月に公開した「1 connection, 7 balloons, 1,000 kilometers」と名のついたブログでは米国ネバダ州・カリフォルニア州にて7台の気球を打ち上げ1000kmのインターネット通信に成功したことを公表しています。

ネバダ、カリフォルニアといえばネットワーク環境が安定しない山岳や砂漠が存在するエリア。まさに、空の上を通したインターネット網の実験に相応しい環境だったのでしょう。

同ブログの最後にも、今回ケニアで決まった商用実験の重要性を指摘していました。これらの実験を通して、断続的・安定的な気球の打ち上げを世界中で増やしインターネットの再構築を目指すそうです。数年後、日本上空で気球を見る日がやってくるかもしれませんね。

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