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エルピクセル、元取締役が約30億円横領容疑で逮捕——事業継続に向けサイバーダインやジャフコらが追加支援、TomyK鎌田氏も代表取締役に

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フジテレビや共同通信の報道によれば、会社の口座からおよそ29億円を着服した疑いで、エルピクセル元取締役の志村宏明容疑者が逮捕された。逮捕容疑は2018年4月~2019年1月、会社の口座から複数回にわたり、自身の口座に計約29億4千万円を送金・横領した疑い。志村容疑者は当時、経理担当者として会社の資金を1人で管理しており、着服した金の大半を FX 取引に充てていたとされる。 着服金額は最終的に33億…

医療画像診断支援技術「EIRL(エイル)」
Image credit: Lpixel

フジテレビ共同通信の報道によれば、会社の口座からおよそ29億円を着服した疑いで、エルピクセル元取締役の志村宏明容疑者が逮捕された。逮捕容疑は2018年4月~2019年1月、会社の口座から複数回にわたり、自身の口座に計約29億4千万円を送金・横領した疑い。志村容疑者は当時、経理担当者として会社の資金を1人で管理しており、着服した金の大半を FX 取引に充てていたとされる。

着服金額は最終的に33億円余りに上るとみられ、警視庁は余罪を追及している。

エルピクセルは2014年3月、東京大学の研究室メンバー3名が設立した、ライフサイエンス領域の画像解析を手がけるスタートアップ。医療画像診断支援技術「EIRL(エイル)」の研究開発に注力し、東京大学や国立がん研究センターをはじめ複数の医療機関と連携。研究者を対象とした AI を活用したクラウド型画像解析プラットフォーム「IMACEL(イマセル)」、科学論文の不正画像自動検出システム 「ImaChek(イマチェック)」なども開発している。

エルピクセルは2018年10月、CYBERDYNE(東証:7779)、テクマトリックス(東証:3762)、富士フイルム(東証:4901)、SBI インベストメント、CEJ キャピタル(CYBERDINE の CVC)、ジャフコ(東証:8595)から約30億円を調達、2016年10月にジャフコ、Mistletoe、東レエンジニアリング、個人投資家から約7億円を調達していた。エルピクセルの売上高は不明だが、調達金額の大部分が横領された可能性がある。

なお、この事態を受けてエルピクセルはこれまでの対応を声明で明らかにしている。経営執行体制の強化に向け代表取締役を2名体制とし、創業者で従来からの代表取締役である島原佑基氏に加え、エルピクセル起業時のメンターだった TomyK の鎌田富久氏が代表取締役に就任。新任で常勤監査役を置いた。第三者割当とコンバーチブルノートにより、CYBERDYNE、ジャフコ、TomyK から約10億円調達したことも明らかになった。今後の事業継続に向けた資金不足を補うものとみられる。

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在タイ日本大使館とCPグループ、越境オープンイノベーションイベント「Rock Thailand」を共催——日本のスタートアップとタイ財閥が一堂に集結【ゲスト寄稿】

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本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx の古川桃子氏(Assistant to Executive / PR)による寄稿を、編集部で再構成したものである。 写真は、TalentEx 経営企画担当・上野智弘氏による撮影。 TalentEx に関する、これまでの記事はこちらから。 在タイ日本大使館と、タイのセブンイレブンや携帯通信大手 True を傘下…

本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx の古川桃子氏(Assistant to Executive / PR)による寄稿を、編集部で再構成したものである。

写真は、TalentEx 経営企画担当・上野智弘氏による撮影。

TalentEx に関する、これまでの記事はこちらから。


在タイ日本大使館と、タイのセブンイレブンや携帯通信大手 True を傘下に擁する CP グループ(チャルン・ポカパン・グループ)は3月14日、タイ・バンコクの True Tower でタイ財閥と日本のスタートアップによるデモデイ「Rock Thailand」を開催した。このイベントは、日本の革新的スタートアップとタイ財閥の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」という活動の一部だ。OIC 関連イベントとしては、昨年10月に在タイ日本大使館が主催した「DX Summit」に続くものとなる。

タイ財閥の多くは、その組織の大きさからデジタル化経済の恩恵を十分に得られていないことが多い。日本では大企業がスタートアップと協業することで(オープンイノベーション)、デジタルトランスフォーメーション(DX)を図ろうとする動きがみられる一方、タイにおいては、現地スタートアップが得意とするバーティカルの特性上、オープンイノベーションで DX が進むのは少し先のことになりそう。

そこで、OIC では DX に役立ちそうなバーティカル(AI、ロボティクス、IoT、物流)をリードする日本のスタートアップのうち、特にタイをはじめとする東南アジア市場への進出に関心が深いチーム10社を選びバンコクに招いた。日本のスタートアップの力を使ってタイ財閥を DX することに主眼に置いた、クロスボーダーのオープンイノベーションを狙った試みだ。

参加した日本のスタートアップ10社の代表らは、CP グループの CEO Suphachai Chearavanont 氏のほか、タイ石油公社(PTT)、ビールブランド「チャーン」で知られる流通小売大手の TCC、カシコン銀行、王室系の SCG(Siam Cement Group)、病院運営大手の BDMS(Bangkok Dusit Medical Service)など大手財閥の経営幹部を前にピッチ、PoC(実証実験)をベースとした協業関係の樹立に向け担当者との個別協議が行われた。

なお、第1回目となった今回の「Rock Thailand」に登壇したスタートアップは、タイを含む東南アジアのスタートアップシーンに造詣の深い、日本のベンチャーキャピタルやメディア関係者10名で構成された委員会によって選出された。

以下に、参加スタートアップの発表内容を紹介する。紹介順はピッチ登壇した順番。なお、具体的な協業内容については、参加したタイ財閥とスタートアップ間以外には原則非開示となっているため、参加スタートアップからコメントを得られたものについてのみ紹介する。

PKSHA Technology

PKSHA Technology で VP of Product を務める 瀧野諭吾氏

PKSHA Technology(東証:3993)は、自然言語処理、画像認識、機械学習、深層学習技術に関わるアルゴリズムソリューションを展開。機能特化型のアルゴリズムモジュールを開発し、それらをさまざまなソフトウエア/ハードウエアのコア機能/サブ機能として利用できるようサービスを提供している。アルゴリズム研究を行う技術者・研究者が設立した PKSHA では約70%のエンジニアが博士課程を卒業しており、アカデミックな専門知識を持った優秀な人材が集まっていることが特徴。PKSHA はそれらのリソースを用いて、天候や設備のメンテナンスなど業界ごとに適応したサービスが提供できると語った。

ABEJA

ABEJA Singapore マネージングディレクターの外木直樹氏

ABEJA は、コア技術である AI プラットフォーム「ABEJA Platform」を活用し、各種ソリューションをさまざまな業界に提供する AI スタートアップ。蓄積されたビックデータから、人間の手を介さずに、そのデータを適切に表現する特徴量を自動的に抽出するディープラーニングを活用しサービスを提供している。

ABEJA Singapore マネージングディレクターの外木直樹氏は、ABEJA の強みと3つ挙げた。

  1. ABEJA はあらゆる分野において、サービスが提供可能。
  2. 国際的にサービスを展開しており、特に東南アジアにおいてはすでに実績がある。
  3. AI によるソリューション提供サービスのみならず、自社プロダクトも提供している。

外木氏は  Rock Thailand への参加を受けての感想を、次のようにコメントしてくれた。

CP グループを含めて主要な財閥の経営陣とお話ができた。すでに会話をしていた財閥から一緒にやりたいと言っていただき、また他の財閥の方々には、それぞれの課題に合わせ AI を活用した取り組み——スマートファクトリー、スマートシティ、スマートストアなど——を提案した。日本政府のお墨付きをいただけたことで、財閥とは単純な受発注の関係ではなく、タイのイノベーションに向けた協業体制をつくることができそうだ。

シンガポール、タイにきて2年間ほどが経つが、この1年ほどの間に AI について企業の経営陣の興味関心がすごく増しており、我々はいくつかのプロジェクトを一緒させてもらう機会を得た。会社の中で大切にしている「ゆたかな世界を実装する」を元に、タイのすべての AI に関わる人たちに、タイに豊かな社会を実装していきたい。

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LPixel

LPixel CEO & Founder の島原佑基氏

LPixel はライフサイエンス領域の画像解析に強みを持つ東京大学発のスタートアップ。医療・製薬・農業などのライフサイエンス領域における画像解析に AI 技術を最適化しソフトウェアを開発している。国立がん研究センターをはじめ複数の医療機関と連携し、人工知能を活用した医療画像診断支援の研究開発を進めている。グローバルにサービスを展開しており、アメリカのケンブリッジへ進出している

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スカイディスク

スカイディスク 海外戦略室長 末永善彦氏

スカイディスクは、IoT のセンサデバイス開発から、集まったデータを AI で解析するサービスを提供。製造業への導入実績が多く、機械の異常診断、歩留まり率の向上、検品の精度向上などを実現することで、スマートファクトリー化推進に貢献している。

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ウミトロン

ウミトロン 共同創業者 兼 マネージングディレクターの山田雅彦氏

ウミトロンは水産養殖にテクノロジーを用いて、食料問題と環境問題の解決に取り組むスタートアップ。シンガポールと日本に拠点を持ち、IoT、衛星リモートセンシング、機械学習をはじめとした技術を用いサービスを提供している。同社が最近発表したスマート給餌機「UMITRON CELL」を使えば、養殖している魚にタイムリーにエサを与えることができ、魚の様子を自律的または遠隔でモニタすることも可能になる。

ウミトロン 共同創業者でマネージングディレクターの山田雅彦氏は、Rock Thailand への参加を受けての感想を、次のようにコメントしてくれた。

今までも多くのマッチングイベントに参加してきたが、こんなに満足度の高いイベントはなかった。国のトップの財閥のトップクラスの方々が集まっていること、面談も用意されていて、会いたい人に会えるというのは非常に良かった。

(参加していた)ほぼ全ての財閥と話ができたが、まず彼らの現場課題を理解するために議論を始めたい。タイにおける事業パートナーとして、協業できる可能性が十分にあるのではないかと期待している。

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スマートドライブ

スマートドライブ代表取締役の北川烈氏

スマートドライブは車などから走行データを収集し、それらを可視化・解析するサービスを提供するモビリティ IoT スタートアップ。SmartDrive Fleet(法人向けリアルタイム車両管理)、SmartDrive Cars(個人向け定額制コネクテッドカー)、SmartDrive Families(個人向け高齢者見守り)、Public Service(危険エリアのマッピングや交通状況共有)など複数のサービスを提供している。ドライブレコーダーを含むセンサーを開発し、独自のデータ入手ルート開拓にも注力。

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スマートショッピング

スマートショッピング 執行役員兼BtoB事業本部長 下原良輔氏

スマートショッピングは、ユーザ40万人を超える日用品・食品の価格比較サイトを展開。昨年10月に、重量センサーを搭載した消耗品の自動発注・在庫補充ができる IoT デバイス「スマートマット」をリリースしている。主に法人向けに、ついつい発注し忘れがちな必要なアイテムを、常に必要量確保しておく作業を自動化するサービスを提供する。スマートショッピングでは、同社の商品データベース上に商品の消費前の重量を保持しており、定期的な重量計測により、残量が少なくなった時点でユーザに購入許可を求める。

スマートショッピング 執行役員兼 BtoB 事業本部長 下原良輔氏は、Rock Thailand への参加を受けての感想を、次のようにコメントしてくれた。

タイの工業団地・賃貸倉庫大手 WHA とは、物流施設の高付加価値化、工場系顧客へのソリューション提案、スマートマットを活用したサプライチェーンの最適化、CP グループ、(ビールの)Singha、(タイ版コストコの)Siam Makro には、スマートマットを活用した小売店舗への自動発注ソリューション導入が提案できた。

タイでの事業展開時の大口顧客の獲得、タイを含む東南アジアでのパートナーシップ締結につながることを期待したい。

GROUND

GROUND の Chief Data Officer で Global Innovation 担当の小林孝嗣氏

「Intelligent Logistics(インテリジェント・ロジスティクス)」をコーポレートスローガンに掲げ、物流領域におけるソリューションを提供する GROUND。倉庫におけるピッキング作業を始め、物流オペレーションの最適化のために、ロボットや AI ソフトウェアを組み合わせたプラットフォームを構築している。

企業が抱える課題は、消費者にとっての選択肢が多すぎること、消費者が飽きやすいこと、消費者の行動が事前に察知できないこと(キャンセル等)などだ。同社では、消費者の行動を把握できる顧客データベースを元に機械学習を用い、需要予測に基づいて製造数・販売数を予測し、物流業務全体の業務効率の改善を図る。

GROUND の Chief Data Officer で Global Innovation 担当の小林孝嗣氏は、Rock Thailand への参加を受けての感想を、次のようにコメントしてくれた。

複数の財閥と話をしたが、特に CP グループ、カシコン銀行、WHA などには、具体的にソリューションを提供できないか検討中。当社の AI 物流ソフトウェア「DyAS(ディアス)」開発のスピードアップや、早期のタイへのマーケットインが目指せると考えている。

我々のようなハードとソフトを両方提供するようなスタートアップにとっては、通常のスタートアップ以上にスピードとスケールの両軸が求められる。事業展開する上で、PoV > PoC > PoBと大きく3ステップ踏まないと事業展開が難しい。そういう意味で成熟市場での事業展開は説明コストや導入コストが高くなる傾向があり、資本力が弱いスタートアップでは苦戦を強いられる可能性は高い。

しかし、財閥の方々と話をする中で、そういった懸念は低く、(タイへの)マーケットインを早めて対日本へのリバースイノベーションで対応しないと海外(とくにアマゾンとアリババ)とは戦えない時代になっていると感じた。

souco

souco の創業者で CEO の中原久根人氏

souco は、オンライン上に倉庫のデータベースを構築し、倉庫を貸したい企業と借りたい企業の引き合わせを可能にした物流のシェアリングプラットフォーム。利用開始までの必要手続を大幅簡素化し、申込から最短3日間で〝小ロット〟〝短期間〟で簡単に倉庫が利用開始できるようにした。サービスローンチ以降ユーザ成長は順調に推移し、登録ユーザも300社以上に達している。

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Hacobu

Hacobu 取締役 COO 坂田優氏

Hacobu は、シェアリングロジスティクスプラットフォーム「MOVO」を提供。動体管理ができる IoT デバイスなどのハードウェアとクラウドによって、求車(統合的な物流管理ソリューションとして、トラックが手配しにくい問題)、運行管理(トラックの位置情報を把握できない問題)、バース管理(待機時間でトラックを効率的に稼働させられない問題)を解決する。

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左から:Polapatr Suvarnazorn 氏(SVP, Thai Beverage)、小林孝嗣氏(GROUND Chief Data Officer 兼 Global Innovation 担当)、外木直樹氏(ABEJA Singapore マネージングディレクター)

一連のピッチ終了後には、懇親会が開かれ、タイ財閥企業と日本のスタートアップ間でのコラボレーションなどの話で活気に溢れた。Rock Thailand に参加したタイ財閥幹部からも前向きなコメントが得られた。

タイは長きにわたって日本や日本の企業と良い関係を築いており、日本を「いい友」だと思っている。この信頼を糧に、私たちは他に何かもっと新しいものを生み出せるのではないだろうか。

(今日紹介されたような)テクノロジーを私たちの会社にも取り入れることが重要だと感じた。(PTT で Robotics AI & Intelligent Solution 担当 ディレクターを務める Pichairat Jiranunrat 氏)

TalentEX CEO 越陽二郎氏(写真中央)らもネットワーキングに参加

東大発、医療画像診断支援技術のエルピクセルが総額約30億円の資金調達を実施

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AIを活用した医療画像診断支援技術を提供するエルピクセルは10月29日、オリンパス、富士フイルム、 CYBERDYNE等を引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。調達した資金は総額約30億円。人工知能を活用した医療画像診断支援技術「EIRL(エイル)」を中心とする画像診断支援・画像解析ソフトウェア開発推進、国内外マーケティング、組織体制の強化を進める。 同社はライフサイエンス領域の画像解析…

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Image Credit : 同社サイトから

AIを活用した医療画像診断支援技術を提供するエルピクセルは10月29日、オリンパス、富士フイルム、 CYBERDYNE等を引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。調達した資金は総額約30億円。人工知能を活用した医療画像診断支援技術「EIRL(エイル)」を中心とする画像診断支援・画像解析ソフトウェア開発推進、国内外マーケティング、組織体制の強化を進める。

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Image Credit : 同社サイトから

同社はライフサイエンス領域の画像解析を手がける東京大学発のベンチャー企業。医療画像診断支援技術の研究開発に注力しており、現在、東京大学や国立がん研究センターをはじめ複数の医療機関と連携し、人工知能を活用した医療画像診断支援の研究開発を進めている。今回増資を引き受けた企業とは業務提携も進めるとしている。

via PR TIMES

シンガポールで開催されたピッチコンペテイション「Slingshot@Switch」で、優勝・準優勝に選ばれた5社を紹介

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シンガポールの起業支援組織 Spring Singapore は本日(9月20日)、Singapore Week of Innovation and Technology(SWICH)期間中に開催されたスタートアップコンペ「Slingshot@Switch」の受賞者を発表した。 今年のコンペティションには、世界30か国超から900以上の応募があった。 優勝したスタートアップの賞金は14万9,000…

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シンガポール貿易産業相 S Iswaran 氏から 優勝賞金を受け取る Sophie’s Kitchen 設立者兼 CEO Eugene Wang 氏(左)
Photo credit: Spring Singapore

シンガポールの起業支援組織 Spring Singapore は本日(9月20日)、Singapore Week of Innovation and Technology(SWICH)期間中に開催されたスタートアップコンペ「Slingshot@Switch」の受賞者を発表した。

今年のコンペティションには、世界30か国超から900以上の応募があった。

優勝したスタートアップの賞金は14万9,000米ドル、残りの受賞4社にはそれぞれ7万4,000米ドルが支給される。全ての賞金は、Spring による統合スタートアップ支援スキーム「Startup SG プログラム」から提供され、JTC Launchpad のワーキングスペースを1年間無料で利用できるほか、B Capital Group、Golden Gate Ventures、KK Fund、Mistletoe といった投資家の審査パネルから追加的な資金提供を受けられる可能性もある。

それでは30社のファイナリストから選ばれたスタートアップを紹介しよう。

優勝

Sophie’s Kitchen

Sophie’s Kitchen は、特許申請中のテクノロジーを活用して、植物性の海産物代替品を製造している。米国を拠点とする同社は、より健康的な食生活を促進し、米国だけで50億米ドル相当の市場規模をもつ植物性食品という成長市場をターゲットとしている。同社製品は現在、米国、カナダ、フランスで利用できるが、早急に世界展開したいという。

準優勝

Blitab Technology

オーストリアを拠点とする Blitab は、目の不自由な人および視覚障碍者向けのタブレットを開発している。このデバイスを使って点字の読み書きや文書の変換が可能。点字による記述をシミュレートするために、同社がスマートドットと呼ぶ「ティクセル」を生み出した。

LPixel

LPixel は、医療、製薬、農業セクター向けに画像分析を行っている。東京大学からのスピンオフである同社は日本の国立がん研究センターと協力して、癌を対象とする医療診断ソフトウェア等の製品強化に向け人工知能に取り組んでいる。

Lucence Diagnostics

Lucence が対象としているのも癌診断だ。シンガポールを拠点とする同社はマテリアルデザインとソフトウェア分析を組み合わせ、アジアで一般的な病気になりつつある癌に特化した自社ラボにて独自の血液検査ができるようにしている。

Smart Animal Husbandry Care

シンガポール拠点の SmartAHC は、養豚場が家畜をタグで管理・モニターできるスマートデバイスを開発している。同社の製品には、育成雌豚の健康状態をモニターし、人工受精に最適な時期を正確に予想するものがある。他にも、豚の耳につける RFID タグがあり、家畜の群れをモニター・管理することができる。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

DeNA、武田薬品や第一三共と共同でデジタルヘルス・スタートアップのピッチイベント「D2T」を開催

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら。 (文中写真は、いずれも DeNA 提供) 今日、デジタルヘルスは、健康管理、予防医療、創薬などに応用できることから注目を集めている。ゲーム業界大手の DeNA(東証:2432)は7月24日、製薬大手の第一三共(東証:4568)や武田薬品工業(東証:4502)…

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


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(文中写真は、いずれも DeNA 提供)

今日、デジタルヘルスは、健康管理、予防医療、創薬などに応用できることから注目を集めている。ゲーム業界大手の DeNA(東証:2432)は7月24日、製薬大手の第一三共(東証:4568)や武田薬品工業(東証:4502)と共同で、デジタルヘルスに特化したミートアップ・イベント「D2T」を開催した。このミートアップの目的は、デジタルヘルスの分野で将来有望なスタートアップの発掘に関わるだけでなく、この業界のさらなる活性化のために、さまざまな企業間での協業や提携を促進しようというものだ。

D2T にはスタートアップ10社が登壇し、渋谷の DeNA 本社の会場に集まった、医療機器メーカーや製薬関連企業から ICT / eデータスタートアップまでさまざまな企業からの参加者に、サービス内容をアピールした。ベンチャーキャピタリストや通信会社の社員など聴衆の数は総勢100人を超え、プレゼンテーションルームは満員だった。DeNA 会長の南場智子氏は、D2T が、参加するスタートアップだけでなく、デジタルヘルス業界における人脈形成や活性化に大いに貢献できるかもしれないと述べた。

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DeNA 会長 南場智子氏

プレゼンテーションを行ったスタートアップのうち、以下にいくつかを挙げる。

  • iCARE……健康アドバイザリーサービス「carely」を提供
  • クオリア…栄養情報サービス「カロナビ」を提供
  • Kids Public…小児科関連のアドバイスをオンラインで提供
  • メドケア…予防医療サービスを提供
  • リーズンホワイ…医療従事者特化型のプロフェッショナルネットワーキングサービス「Whytlink」を提供
  • キュアアップ…健康を改善する治療促進アプリを提供
  • H2L…セルフケアを実現する電気治療器「PossessedHand」を提供
  • ウンログ…腸内フローラ最適化サービスを提供
  • エルピクセル…医療画像分析を提供
  • PREVENT…名古屋大学からスピンオフしたスタートアップで、インターネットを使った生活習慣の改善を提案

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ピッチ登壇社の中には、日本や世界の医療の現状に疑問を感じ、自ら事業を始めた医師によるスタートアップもいた。このような意見は、幸運にも最近、多くの非医療企業が参入してきているヘルスケア業界に関わる多くの人々に受け入れられやすくなっている。デジタルネットワークがもたらした社会変化は、健康に関連する供給システムから問題を取り除くのに必要な変化をもたらすだけでなく、確実に新しいビジネス機会へのドアを開き始めているのだ。

安全性やセキュリティに細心の注意が払われるべきことも事実だが、武田薬品(世界的な展望を持つことの表れとして、ドイツ人 CEO が経営の指揮をとっている)や、将来を見越した合併から誕生した第一三共など、先進的な考えを持つ大企業が参加しているのは良い兆候だ。本業のゲーム関連事業に加え、個人向けの遺伝子検査キット「MYCODE」や健康レコメンデーションメディア「KenCoM」をグループ企業が提供する DeNA とあわせ、今回参加した新しいプレーヤーの活動は注目に値するだろう。

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興味深いことに、現在会長を務める南場氏が創業した DeNA は、創業当初 DNA 検査などに関与していたわけではないが、その社名は DNA に由来する。以前は経営コンサルタントをしていた南場氏は、社長として DeNA を成功に導いたのち、ヘルスケアの世界にビジネス的関心を持つようになった。DeNA は近年、ヘルスケア業界に進出しただけでなく、旅行サービスなどで経営を多角化するとともに、横浜のプロ野球チームも保有している。

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今年のMicrosoft Innovation Awardをにぎわせた、入賞7チームをご紹介 #InnovationDay

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本稿は、4月23日に東京で開催された Microsoft Innovation Day の取材の一部である。 「ソフトウェアによるイノベーション」をキーワードに、革新的なアイデアをカタチにしたソフトウェア、サービスを表彰するマイクロソフトのアワードプログラム「Microsoft Innovation Award」。これまでに、導電性インクで電子回路をプリントできる AgIC、手術室の画像閲覧操作を…

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本稿は、4月23日に東京で開催された Microsoft Innovation Day の取材の一部である。

「ソフトウェアによるイノベーション」をキーワードに、革新的なアイデアをカタチにしたソフトウェア、サービスを表彰するマイクロソフトのアワードプログラム「Microsoft Innovation Award」。これまでに、導電性インクで電子回路をプリントできる AgIC、手術室の画像閲覧操作をジェスチャーコントロールできる Opect、新世代楽器KAGURAを開発したしくみデザイン、テレビの視聴の質を測定する TVI-Identifier を開発するTVISION INSIGHTS などが受賞をしてきた。

今年は、ハードウェア、人工知能、IoT などのスタートアップ16社がファイナリストとして登壇し、人と人をつないで筋電の変化を共有できる、筑波大学/人工知能研究室の bioSync が最優秀賞/日本航空アントレプレナー賞を受賞した。審査員を務めたのは、

  • 経済産業省 新規事業調整官  石井芳明氏
  • マイクロソフト デベロッパー エバンジェリズム統括本部長  伊藤かつら氏
  • 電通 CDC 部長事業開発ディレクター 中嶋 文彦氏
  • TechCrunch Japan 編集長  西村賢氏
  • アーキタイプ プリンシパル  福井俊平氏
  • ウフル 上級執行役員 兼 IoTイノベーションセンター所長 八子知礼氏

最優秀賞および各スポンサー賞を受賞した7つのスタートアップを以下に紹介する。なお、ここに掲出したスポンサー賞以外に、ファイナリスト各チームには弥生とマイクロソフトから各社提供の賞が贈呈された。

【最優秀賞/日本航空アントレプレナー賞】bioSync by 筑波大学/人工知能研究室

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bioSync は、身体をハッキングすることで次世代のリハビリにつなげるデバイス。筋電変化を読み取るセンサーデバイスと、その信号を受け取って、電位変化として伝えるデバイスからなり、双方のデバイスをイヤホンケーブルと同等のケーブルで接続することで、身体の動きに障害がある患者の感覚的特性の理解に活用したり、健常者の筋活動の感覚を障害のある人に伝えて効果的なリハビリを実現したりする。ユースケースとしては、例えば、身体に不自由のあるパーキンソン病患者に使い易いスプーンの開発などに成功している。

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【審査員特別賞】【The BRIDGE 賞】The VOICE by Hmcomm

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Hmcomm は産総研の技術移転ベンチャーで、クラウドプラットフォームによる日本語音声エンジン「The VOICE」を開発している。長年にわたり、音声認識は開発・研究が続けられる中で、完全実用レベルまでには程遠い。一方、2010年に入りハードウェアやネットワークが著しい進化を遂げたことで音声認識の処理性能を飛躍的に向上させる素地が整い、コミュニケーション・ロボットの台頭により市場がふくらんでいる。同社は、クロストークやノイズがある場所での認識ができないなど、既存の音声認識技術の課題解決も目指している。

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【審査員特別賞】科学を加速させるAI〜クラウドを活用したライフサイエンス研究画像解析〜 by エルピクセル

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近年発表される論文の約9割には画像がつくようになっているが、一方で論文を執筆する研究者のほとんどは、画像処理を学んだことがない。エルピクセルが提供する LPixel では、小学生でも使える簡単な操作により、短時間で大量のデータを高精度に解析し、画像出力し、そのアウトアプットを論文に貼ることができる。人工知能を研究アシスタントにできるのがコンセプト。3つの特許を有しており、LPixel ImageJ Plugins はダウンロード数3万件を突破している。

【オーディエンス賞】【PR TIMES 賞】Secual by Secual

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Secual は、インターネットにつながるスマートホームセキュリティ。Wi-Fi 接続可能な人の侵入センサーとクラウドサービスを安価で提供し、ユーザはスマートフォンにより、出先にいても自宅の異常を知ることができる。2015年6月にウィルグループインキュベートファンドからシード資金を調達、2015年12月に賃貸住宅事業を展開するAMBITIONと民泊事業を展開するアドベンチャーから約6,000万円を調達、2016年3月にはインベスターズクラウドと戦略的資本提携した。

【展示オーディエンス賞】ロボットハンド/筋電義手 by メルティンMMI

電気通信大学インキュベーション施設から輩出されたスタートアップであるメルティンMMIは、ロボットハンド/筋電義手を展示した。同社は今年1月、ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタルとグローカリンクから資金を調達、3月にはリバネス主催のリアルテックベンチャー・オブ・ザ・イヤー 2016 スタートアップ部門賞を受賞している。

【サムライインキュベート賞】KAGURA by しくみデザイン

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KAGURA は、距離認識やジェスチャー認識などをベースに、身体を動かすだけで楽器演奏が行えるプラットフォーム。Intel®RealSense™3Dを採用しており、Windows 版に続き、昨年7月には Mac 版をリリースしている。KAGURA を開発元のしくみデザインは、Intel® Perceptual Computing Challenge 2013 でグランプリを獲得

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【Tech in Asia 賞】Milbox Touch by WHITE

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安価なバーチャルリアリティ(VR)ゴーグルとして、スマートフォンを段ボールなどでできたケースに入れ、没入感を味わうことのできる商品がいくつか紹介されているが、これらの欠点は、スマートフォンそのものを触ることができないため、スクリーン上でのスワイプ・スクロール・タップなどの操作ができない点。Milbox Touch は微弱電流をつたえられる電極シールを開発し、その部分を指で操作することで、電流変化をスマートフォンに伝え操作が可能になる。

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このシールは特許出願しており、Google Cardboard など、他のVRゴーグル向けにも OEM 供給したい考え。現在、VR で楽しめるパックマンを開発しており、ゲームへの組み込みが可能な SDK も無償で提供する。SDK は Unity、Xamarin、iOS、Android に対応。シールのOEM供給、SDK、PacMan VR は2016年4月末のリリースを予定している。

エルピクセルとズカンドットコム、研究者向け論文紹介スライドまとめサービス「ゼミログ」をリリース

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エルピクセルは、ズカンドットコムとの共同開発で研究者向けの論文紹介スライドを共有するプラットフォーム「ゼミログ」をリリースした。 エルピクセルは、東京大学の研究者たちが集まって2014年3月に立ち上げたベンチャーだ。以前には、研究室で研究した画像処理技術を応用し、不自然な画像処理を検出するソフトウェアの開発に取り組み、クラウドファンディングでプロジェクトを掲載したこともある。パートナーであるズカン…

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エルピクセルは、ズカンドットコムとの共同開発で研究者向けの論文紹介スライドを共有するプラットフォーム「ゼミログ」をリリースした。

エルピクセルは、東京大学の研究者たちが集まって2014年3月に立ち上げたベンチャーだ。以前には、研究室で研究した画像処理技術を応用し、不自然な画像処理を検出するソフトウェアの開発に取り組み、クラウドファンディングでプロジェクトを掲載したこともある。パートナーであるズカンドットコムは、2012年度にIPAの「未踏」に採択されたプロジェクトをもとに設立し、2013年9月にはKDDI∞Laboの第5期に採択されたベンチャーでもある。

ゼミログでは、論文紹介スライドを共有したり、ユーザ同士がコメント投稿したりすることができる。論文は分野ごとに分類されており、キーワード検索や研究者個人での検索などが可能だ。

研究者たちは、自身の研究領域の最新の情報を知ることができ、また、大学や研究室にとっても情報発信のプラットフォームにもなる。高校生によっても研究内容を知るひとつのきっかけとしても利用することができる。まずはライフサイエンスの分野から展開するが、今後は他の領域に横展開していくという。

近年、大学の研究開発をもとに起業する人たちや、企業と大学の研究室が連携して技術開発を行う事例が増えてきた。大学発のベンチャーキャピタリストたちも、研究室がもっている最先端の技術を社会に活かすために立ち上げられたものでもある。

最先端の研究領域を知り、ソフトウェアやハードウエアへの技術転用をいかし、産学連携がさらに加速することによって、新しいスタートアップが生まれる環境になってくるかもしれない。