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長距離量子暗号通信技術開発のLQUOM(ルクオム)、インキュベイトファンドからシード資金を調達

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長距離量子暗号通信を使った事業開発を行うスタートアップ LQUOM(ルクオム)は19日、シードラウンドでインキュベイトファンドから資金調達したと発表した。調達金額は明らかにされていない。同社では、長距離量子暗号通信の実現に必須となる量子中継器の開発及び事業化を進めるとしている。 LQUOM は、量子技術の研究で知られる横浜国立大学堀切研究室の新関和哉氏が2020年1月に設立したスタートアップ。同研…

通信波長とメモリ波長の変換
Image credit: Lquom

長距離量子暗号通信を使った事業開発を行うスタートアップ LQUOM(ルクオム)は19日、シードラウンドでインキュベイトファンドから資金調達したと発表した。調達金額は明らかにされていない。同社では、長距離量子暗号通信の実現に必須となる量子中継器の開発及び事業化を進めるとしている。

LQUOM は、量子技術の研究で知られる横浜国立大学堀切研究室の新関和哉氏が2020年1月に設立したスタートアップ。同研究室の准教授である堀切智之氏をテクニカルアドバイザーに迎え、絶対的な安全性を保証する長距離量子暗号通信の研究開発を行い、早期の社会実装を念頭に事業開発に傾注している。LQUOM の社名は、Long-distance Quantum Communications に由来する。

インターネットをはじめ既存のコンピュータ環境下では。RSA 暗号が多用されている。量子コンピュータが現実化しつつある中で、RSA 暗号を使ったセキュリティは将来、簡単に解けてしまう可能性がある。我々が現在使っているコンピュータと対照的に量子コンピュータでは0と1の量子力学的重ね合わせ状態を導入することで,超高速に計算を行えてしまうからだ。

量子コンピュータの利用が常態化した状態においても、セキュリティ確保のために注目される技術が長距離量子暗号通信だ。長距離量子暗号通信の実現には、その通信を中継する量子中継器が必要不可欠で、LQUOM ではそれに必要な量子光源、量子メモリ、インターフェース技術(波長変換)の開発が必須だ。

LQUOM では横浜国立大学と共同研究契約を締結、今後、堀切研究室の学生をエンジニアとして採用するほか、海外の著名研究者を招聘する予定。ハードウェアやソフトウェア面から技術実証に着手し、将来は、メーカー大手へのライセンスなどで、通信事業者、防衛産業、研究産業などに長距離量子暗号通信の広範な社会実装を目指す。

この分野では、通信各社の支援を受ける Quantum Xchange、韓国 SK テレコムが買収したジュネーブ大学発の ID Quantique などが存在する。前者はアメリカで量子暗号通信ネットワークを整備、または、後者はセキュリティ機器(量子暗号通信・乱数発生)や光学実験機器(バイオ・近赤外分光研究など)を開発している。

LQUOM は量子中継器の開発を目指す点で、既存のスタートアップとはアプローチが大きく異なるという。量子通信の通信距離は現時点で数十km程度にとどまっており、社会実装に必要な数百km以上の長距離通信が実現されるまでには至っていない。LQUOM では量子中継器の実現により、本格的な長距離量子暗号通信の実現を目指す。

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