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#ICTSpring 2014 Day 1: ルクセンブルクで日本の新進気鋭スタートアップ12社がピッチ

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今年もルクセンブルクで ICT Spring が始まった。ドイツ・フランス・ベルギーに囲まれたこの小国に足を運ぶのは昨年に続き二度目だが、筆者は前日までパリの Japan Expo を見に行っていたので、イベント開催の前日夜、パリから特急列車の TGV で現地入りした。 <関連記事> ルクセンブルクのスタートアップ・シーンは今—名だたるテック企業の世界展開が、ヨーロッパの小国から始まる理由 基本的…

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今年もルクセンブルクで ICT Spring が始まった。ドイツ・フランス・ベルギーに囲まれたこの小国に足を運ぶのは昨年に続き二度目だが、筆者は前日までパリの Japan Expo を見に行っていたので、イベント開催の前日夜、パリから特急列車の TGV で現地入りした。

<関連記事> ルクセンブルクのスタートアップ・シーンは今—名だたるテック企業の世界展開が、ヨーロッパの小国から始まる理由

基本的にはヨーロッパのスタートアップが多く集まるイベントだが、数年前からは日本や韓国のスタートアップがヨーロッパ向けの市場展開をする機会として招聘されている。イベントの1日目、会場となったルクセンブルク市内のカンファレンスセンターには、日本から参加したスタートアップ12社の姿があった。

メイン会場のオーディトリウムでは、日経BPイノベーションICT研究所の菊池隆裕氏による、日本のスタートアップ・シーンの最新動向についてのプレゼンテーションの後、スタートアップ12社がピッチに凌ぎを削った。

例によって、彼らの雄姿をビデオで収録したので紹介したい。彼らのヨーロッパ市場でのビジネスの成功を、遠く日本から祈ってほしい。

Beatrobo

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アメリカの Linkin Park、日本の TM Network との提携と、着実に音楽界のトップ・アーティストとタグを組んでビジネスを前進させている Beatrobo だ。代表の浅枝大志氏はこれまでにフィンランドのスタートアップ・カンファレンス Slush や、アイルランドのスタートアップ・カンファレンス Web Summit Dublin などでも登壇しており、今後はヨーロッパへの展開にもアクセルを踏むようだ。

なお、浅枝氏はこのピッチ・セッション全体の MC も務めた。

ビズリーチ

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BIZREACH や LUXA で知られるビズリーチにとって、代表の南壮一郎氏がカナダで生まれ育ったということも影響して、ビジネスの海外展開はごく自然な流れである。ただ、転職サイトやラグジュアリーECで有名な同社が「なぜ学習アプリ?」というのは、筆者の率直な疑問だ。機会があれば、その背景について話を聞いてみたい。

クラウドキャスト

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クラウドキャスト代表の星川高志氏とは、これまでにも何度か話をしている。星川氏がロンドンに留学していたこともあり、「FinTech(Financial Technologies)ならロンドンでしょ〜」と、ヨーロッパ展開を図るならロンドンから攻めるつもりでいたようだが、ルクセンブルクに来てみて、星川氏はすっかりその考えが変わった印象。それはひとえに、この国のスタートアップを支援する環境にあるようだ。ルクセンブルクにおいても金融は一大産業、同社がヨーロッパ展開をどの都市から始めることになるのか楽しみだ。

ユークリッドラボ

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位置情報型ニュース&イベント配信・共有サービス「Spectee」を運営している。似たようなサービス(…と今のところ理解しているが)であり、Favlis や 先日の MOVIDA JAPAN のデモデイで披露された Live3 との違いがまだよくわからない。このサービスについては、筆者の理解をクリアにしてから、改めてお伝えしたい。

Gunosy

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おなじみ Gunosy だ。アメリカに続いてイギリスでもサービスをローンチしており、今後はヨーロッパでの成長動向が気になるところだ。直近の調達では、その資金の使途の一つに多国語展開を掲げており、マルチリンガルな環境があるルクセンブルク(フランス語、ドイツ語、ルクセンブルク語が公用語で、一般的に英語が通用する)は、同社がヨーロッパ展開をする上でも有利なロケーションと言えるだろう。

サンワハイテック

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サンワハイテックは熊本の会社で、文化施設や産業施設向けのモビリティ「STAVi(スタビィ)」を開発している。WHILL との棲み分けについては、これも詳しく話を聞いてみる必要はあるが、動作するスピードはゆっくり動くように設計されているようだ。

おそらく、その理由は、WHILL などが世代に関係なく足の悪い人々に受け入れられることを意図しているのに対し、STAVi は身体障害者よりもむしろ、足腰の弱くなった高齢者の機会損失のバックアップを主軸に考えているのではないかと思われる。

Emotinal Brains

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日本コンテンツが爆裂しそうな、3Dプリンティングによるフィギュアのクラウドファンディング・サイトだ。タイミング的にも、この ICT Spring の後に、パリの Japan Expo に行ってプロモーションをすれば、多くのファンが獲得できそうである。

マイカレッド

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複数のオンライン・ストレージに、スマートデバイスからシームレスにアクセスできるアプリケーション。客先などでプレゼンテーションをする際、ラップトップやデスクトップを用意する必要がなくなる。

筆者の場合はプレゼンを披露するギリギリのタイミングまで編集していることが多いので、スマートデバイスのみでプレゼンに臨むのは難しいが、営業マン等にとっては、定型的な営業資料や提案資料を共有するのであれば、このアプリの存在によって作業はかなり省力化できるだろう。WebDAV に対応しており、セキュリティの都合から DropBox や Google Drive などのサービスを使って情報を共有できない大企業においても、自社サービスにスマートデバイスから簡単にアクセスすることが可能になる。

Moff

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ウエアラブル・トイを開発するスタートアップ Moff は、海外向けにも Tokyo Otaku Mode Premium Shop で Moff Band の発売を開始したのは既報の通りだ。一昨日、Japan Expo の会場を覗いてきたところ、Tokyo Otaku Mode のブースはかなり人気を集めていたので、この周辺でも Moff Band が注目を集めることが期待される。

八楽

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過去の翻訳事例を蓄積し、そのデータベースを活用して、クラウドソーシング翻訳をさらに効率化するソリューション World Jumper を展開する八楽。翻訳のニーズの高いヨーロッパにおいては、同社のポテンシャルにも大きな期待が持てるだろう。

Chatwork

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昨年の ICT Spring 2013 への参加を契機に、ヨーロッパへの市場進出を図った Chatwork である。この一年間のヨーロッパ市場での成長がどうだったか、彼らの軌跡は、今後ヨーロッパに進出する後続の日本スタートアップにとっても大きな参考となるだろう。

Zencap

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Zencap はベルリンに拠点を置く、P2P個人金融サービスのスタートアップだ。借り手には直接金融よりも利率の低い資金を、貸し手にはリターンの大きな資金運用の機会を提供する。

日本では、この分野のスタートアップはクラウドファンディングの一翼を担うサービスへと変貌を遂げつつあるように思うが、ヨーロッパには依然として P2P の需要があるようだ。起業家に対して投資家が資金を提供するプラットフォームとして機能しており、リスクマネーのバリエーションを広げるサービスとして注目を集めている。

1日目に披露された、日本のスタートアップを中心としたピッチの模様は以下の通りだ。2日目にも数多くのアトラクションが用意されているので、追ってレポートしたい。

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高速データ転送技術スタートアップのSkeedが、ルクセンブルクにヨーロッパ支社を開設

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ICT Spring 2013 での Skeed のピッチ(八田斉明氏) ICT Spring 2013の開催にあわせ、ルクセンブルクを訪れてからはや3ヶ月。新たに日本のスタートアップが、ルクセンブルクにヨーロッパ拠点を開設することになった。 東京に本社を置く高速データ転送技術スタートアップの Skeed(スキード) は、10月11日ルクセンブルクに初の海外支社を開設したと発表した。筆者の把握する…


ICT Spring 2013 での Skeed のピッチ(八田斉明氏)

ICT Spring 2013の開催にあわせ、ルクセンブルクを訪れてからはや3ヶ月。新たに日本のスタートアップが、ルクセンブルクにヨーロッパ拠点を開設することになった。

東京に本社を置く高速データ転送技術スタートアップの Skeed(スキード) は、10月11日ルクセンブルクに初の海外支社を開設したと発表した。筆者の把握する限り、ICT Spring 2013 に参加した日本スタートアップのうち、これまでに同国への拠点開設を意思表明しているのは Conyac を運営するエニドアと、ビジネス情報共有ツールの Chatwork の2社だが、物理的にオフィスを構え、現地法人の登記を済ませたのは Skeed が初となる。

Skeed が独自開発したプロトコル SSBP(Skeed Silver Bullets Protocol)は、複数拠点間のファイル転送とデータ転送を効率化する技術だ。端末の処理負荷も大きくないため、ユーザへの導入展開が容易なのも特長の一つである。TCPの欠点を補い、FTPの数十倍に相当する転送効率を実現できるため、リッチメディアの普及で回線帯域の逼迫に苦しむモバイルキャリアやプロバイダにとっても救世主と言える。

Skeed S.A. 外観(ルクセンブルク)
Skeed S.A. 外観(ルクセンブルク)

Skeed のデータ転送技術は、P2P ファイル共有ソフト Winny の開発者で、7月に急逝した金子勇氏によって培われたものだ。金子氏はかつて Winny 事件で図らずも司法当局の追及を受けたが、彼の開発した技術は形を変えて、リッチメディア時代の根底を支えるソリューションとして、世界で活用されることになる。(ITMedia による、ビデオインタビュー

世を賑わす SupercellAngry Birds の動向からも明らかなように、ヨーロッパでは、モバイルゲーム分野のデベロッパ各社が急速に加勢しており、増加するユーザトラフィックを効率的に捌けるインフラ新技術に注目が集まっている。Skeed が提供する技術が、多くのモバイルゲームやプラットフォームに導入される日もそう遠くないだろう。

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ルクセンブルクのスタートアップ・シーンは今—名だたるテック企業の世界展開が、ヨーロッパの小国から始まる理由

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6月17日から約1週間にわたって、筆者はルクセンブルクを訪れていた。ルクセンブルクはフランス、ドイツ、ベルギーに囲まれた小国で、面積は神奈川県とほぼ同じだ。ヨーロッパのスタートアップ業界のハブの一つになりつつあるこの地で、毎年6月に政府主導で ICT Spring というカンファレンスが開催されている。(詳細はこの記事でカバーしている) 現在のルクセンブルクは、活動的なシード・スタートアップのコミ…

clausen-bus6月17日から約1週間にわたって、筆者はルクセンブルクを訪れていた。ルクセンブルクはフランス、ドイツ、ベルギーに囲まれた小国で、面積は神奈川県とほぼ同じだ。ヨーロッパのスタートアップ業界のハブの一つになりつつあるこの地で、毎年6月に政府主導で ICT Spring というカンファレンスが開催されている。(詳細はこの記事でカバーしている)

現在のルクセンブルクは、活動的なシード・スタートアップのコミュニティが存在するというよりは、一定のステップを経たスタートアップが、次なる活路を見出しにやってくる場となっている。バルト三国のエストニアで産声を上げた Skype が、資金調達を目指して本社をルクセンブルクに移転し、その後、eBay や Microsoft に買収されるに至ったのは有名な話だ。

ヨーロッパ全体の0.1%に満たない人口が、同地域の40%のGDPを稼ぎ出していることからも想像できるように、ルクセンブルクの人件費や物価は、まわりの国と比べてみても高い。実際、隣国のドイツやフランスに住居を構え、国境を越えて毎朝通勤している人が少なくない背景にはそんな実情がある。それにもかかわらず、世界の名だたるスタートアップやテック企業が、ロンドン(関連記事)やパリ(関連記事)やベルリン(関連記事)ではなく、ルクセンブルクにヨーロッパの拠点を開設するのはなぜだろうか。

今回のルクセンブルク滞在に際して、スタートアップを支援する組織やしくみを垣間みる機会を得た。日本で一定のステップを経て、次の進路をヨーロッパや世界に定めているスタートアップは、ぜひ参考にしていただきたい。

ルクセンブルクの ICT を牽引するテレコム企業「P&T Luxembourg」

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P&T という名前からも想像がつくように、ルクセンブルクの郵便と通信を司る企業だ。100%政府出資による会社で、同国の通信大臣の監督下にある。Jean-Marie Spaus 氏と、Micaël Weber 氏の説明によれば、ルクセンブルクはヨーロッパのほぼ中心に位置しているので、この国のデータセンタにサーバを配置すると、ヨーロッパ全域にサービスを提供する上でレイテンシー(データの伝送遅延)が少ない。これは NexonKabam といったゲーム企業が、ヨーロッパ拠点にルクセンブルクを選ぶ上で大きなファクターとなったようだ。実際、日本のサーバに、ルクセンブルクから traceroute してみると、概ね2〜3ホップで、近隣のフランクフルト(ドイツ)、アムステルダム(オランダ)、ロンドン(イギリス)などにルーティングされているのがわかる。

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P&T Luexembourg の国際ビジネス開発担当長 Micaël Weber氏

さらに、政府の戦略で、一般家庭に光ファイバーを引き込む Fiber-to-the-Home (FTTH) を急速に進めており、2015年までにすべての光ファイバーを 100Mbps 対応に、2020年までに 1Gbps 対応にすることを目標としているそうだ。

ところで最近、海外に行くと、ことネットワーク・インフラに関しては、スピードやレイテンシーの問題よりも、ルーティング制御について論じられているシーンに出くわすことが多い。これは、プライベート・クラウドの隆盛と関係している。数年前、メールサーバが国外にあるとの理由から、フランスの国会議員が公用で BlackBerry の利用を禁止されるというニュースが注目を集めたことがある。この問題と背景がやや似ているが、特にアメリカの企業などで、アメリカのデータセンタにあるプライベート・クラウドを利用しようとすると、一部の地域ではルーティングの都合で、

アメリカにある自社オフィス

カナダのネットワーク

アメリカのデータセンタにある自社のプライベート・クラウド

…とデータが流れてしまい、カナダ国内においてはカナダの法律が適用されるので、プライベート・クラウドの利用を敬遠するアメリカ企業が少なくないらしい。ヨーロッパでも同様の事象が生じるのは時間の問題だろうから、P&T Luxembourg などがどう取り組んで行くかに注目したい。ちなみに、日本の場合は IX(=Internet Exchange) が限定されているので、日本の企業が国内のクラウドにアクセスするとき、海外のネットワークを経由して接続されるケースは皆無である。

世界中からスタートアップ誘致を試みる「ルクセンブルク商工会議所」

chambercommerce_constructionルクセンブルクの空の玄関、フィデル空港から程遠くないエリアに Kirchberg という新市街が広がっている。その名も John F Kennedy と名付けられた広幅道路が街を縦貫しており、景観を守るため車両の進入が制限されている旧市街とは対照的に、EUの支部や政府機関、ビジネスセンターなどが密集していてアクセスしやすい。訪問したルクセンブルク商工会議所はガラス張りの近代的な建物だったが、もはや手狭になりつつあるようで、隣に新館を建設中だった。

ルクセンブルクのスタートアップ誘致策を語る、経済貿易省・シニアアドバイザーのRomain Fouarge氏
ルクセンブルクのスタートアップ誘致策を語る、
経済通商省・シニアアドバイザーのRomain Fouarge氏(右)

小国のルクセンブルクは街と国がほぼ同義なので、商工会議所が国際的な企業招聘を振興する機能を持っている。会社をルクセンブルク国内に設置すれば、創業者や社員は必ずしもルクセンブルク国内に住んでいなくても、税優遇を始めとする政府支援を受けることができ、政府が非常に小さいことから、会社の登記手続に必要な日数もかなり短くて済むとのことだ。ルクセンブルクの多くの場所では英語が通用するものの、英語は公用語ではないため、公的な手続の多くはドイツ語、フランス語、または、ルクセンブルク語で進めることになる。ただ、実際の手続は、東京のルクセンブルク貿易投資事務所などが支援してくれるので、日本人にとっても、言葉は大きな問題にならないとのことだ。

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商工会議所の1Fには、非常に美味しい料理が提供できるカフェテリアがあり、通訳ブースを備えた本格的な国際会議にも対応できるカンファレンス・ルームが併設されている。フィデル空港からバスに乗ると、飛行機が着陸してから、このカンファレンス・ルームにたどりつくまで30分かからない。ロンドンのヒースローやパリのシャルル・ド・ゴールなら、着陸後30分後と言えば、バッゲージ・クレームでまだ荷物を探しているタイミングだろう。あなたのスタートアップがルクセンブルクにヨーロッパ拠点を作り、世界から客人を招いてカンファレンスを催す際には、このような施設が使えるのも魅力の一つだろう。

インキュベーションを展開する、欧州横断データセンタ会社「Data4」

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Data4 について説明する、 Chairman の Gary Kneip氏。
Data4 Chairman の Gary Kneip氏

Data4 は、ルクセンブルクに本拠地を置くデータセンタ・サービス会社だ。その本社は、ルクセンブルク市内から車で30分程の Bettembourg という街の広大な原野の真ん中に存在する。現在、ルクセンブルクに4つ、フランスに2つ、イギリス・イタリア・スイスにはそれぞれ1つずつデータセンタ施設を所有している。数ヶ月前までは SecureIT という旧称で活動していたが、ビジネスの幅が広がるに従って SecureIT という名前では事業の実態に似つかわしくなくなったので、Data4 に改称したそうだ。

 

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Europe4Startups 代表
Hélène Michel 女史

この Data4、それに世界的なコンサルファームでルクセンブルクでも存在感のある Ernst & Young、ルクセンブルク政府が三位一体となり、昨年から Europe4Startups というインキュベーション・プログラムを開始している。このインキュベーション・プログラムの参加スタートアップには12ヶ月間にわたり無償でクラウド・ストレージが提供され、期間終了後は(有償での)契約を延長する義務を課されることはない。プログラムに選出されてから3ヶ月以内にヨーロッパで(私の記録が正しければ、ルクセンブルクには限定していないと言っていた)オペレーションを立ち上げ、6ヶ月以内に実際のサービスを提供開始することが条件だ。

昨年のプログラムには100社以上から応募があり、これまでに、JeeniTreveriContentAir をはじめ11のスタートアップを輩出した。今年のプログラムでは日本からもスタートアップ2社を選抜し、10万ドル相当のサービスパッケージを提供する計画だ。Europe4Startups インキュベーション・プログラムへの申込はこちらから。締切は7月20日(土)となっている。

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また、7月25日(木)には、東京・広尾の駐日EU代表部で ICT Spring 2013 を振り返るイベントが開催されるが、この機会には前出の Europe4Startups 代表 Hélène Michel女史が来日し、インキュベーション・プログラムについてスピーチをする予定だ。ルクセンブルクのスタートアップ、インキュベーション事情について、生の声を聞いてみたい人は出向いてみるとよいだろう。

なお、諸事情によると思われるが、インキュベーション・プログラムへの申込締切は、このイベントの開催日よりも前のタイミングにスケジュールされている。したがって、イベントで話を聞いてから申込に臨むことはできないので、プログラムについて質問があれば、イベントを待たずに、info [at] europe4startups.com に問合せることをお勧めする(英語、ドイツ語、フランス語で質問可)。

スタートアップ・ハブとしての、ルクセンブルクのポテンシャル

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ルクセンブルク中央駅

いろんな国のスタートアップと会って来た立場から、ルクセンブルクのスタートアップやテック企業で働く人々を見て思うのは、見るからに心に余裕がある点だ。アメリカのスタートアップは一見ロジカルでストイック、アジアのスタートアップはラバータイム(または,インドネシア語で jam karet)・ベース、それに対して、ルクセンブルクをはじめとするヨーロッパのスタートアップはあくせくしていない。彼らは別に悠々自適に時間を過ごしているわけではないが、要するに「人生を楽しむのを犠牲にしてまで、スタートアップしてどうするの?」ということだろう。結果として、スタートアップすることが楽しみにつながっている。うらやましいのは、職場と息抜きの場、住居が近いことだ。

例えば、イベントの合間を縫って、ルクセンブルク中央駅(Gare Centrale du Luxembourg)近くにある Nexon Europe のオフィスを表敬訪問してみたのだが、そこからルクセンブルク随一の繁華街・ダルム広場(Place d’Armes)にあるバー密集地まで徒歩で10分だ。街一帯に HotCity という公衆WiFiサービスが提供されており、スマートフォンは国際ローミングしなくても、飲食をしながら高速なネットサーフィンが楽しめる。ダルム広場からさらに10分も歩けば、風景はまるで奥多摩の山の中のようになり、ホテルにたどりつくことができた(下写真参照)。他のヨーロッパの都市と違って治安がいいので、深夜に酔っぱらいながら無防備に歩いても、強盗やひったくりに合う可能性は低い。雑多なことに気をとられないで済むので、一日の体力の多くをビジネスに注いでも、疲れ果てて家路につくことはまずないだろう。

近隣のヨーロッパ諸国に比べ、日本人にとって馴染みが薄い国ではあるが、ヨーロッパ展開を模索するスタートアップにとって、ルクセンブルクへの拠点開設は一考の価値がありそうだ。実際、今回の ICT Spring 2013 を機に、ChatWork や Conyac は、ルクセンブルクにヨーロッパ拠点を開設すると発表した。今後、さらに多くの日本のスタートアップが彼らに続くことを期待したい。

今回の訪問にあたっては、ルクセンブルク経済通商省・東京投資貿易事務所の松野百合子女史、長窪良恩子女史、Lux2Japan の古賀康代女史に多大な助力をいただいたので謝意を表する。

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宿泊していたホテルの窓から。オーベルジュを兼ねた施設なので、庭がとても美しい。
庭の向こうに見えるのはホスピス。さらに向こうの高台には、旧市街が広がっていた。
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ルクセンブルクで開催された #ICTSpring 2013 から、今年のヨーロッパを賑わすスタートアップを一挙紹介

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世界には起業家を率先して海外から集めている国がある。シンガポール、チリ、カナダ、オーストラリア、そして、ルクセンブルクだ。これらの国々の共通点は、20世紀にタックス・ヘイブン(租税回避地)や天然資源の採掘で世界の富を集めたのに代えて、今後は世界から前途有望なスタートアップを集約し、国の運命を託そうとしていることだ。 ヨーロッパのほぼ中央に位置する小国ルクセンブルクには、多くのインターネット企業(そ…

ict_spring_2013_logo世界には起業家を率先して海外から集めている国がある。シンガポール、チリ、カナダ、オーストラリア、そして、ルクセンブルクだ。これらの国々の共通点は、20世紀にタックス・ヘイブン(租税回避地)や天然資源の採掘で世界の富を集めたのに代えて、今後は世界から前途有望なスタートアップを集約し、国の運命を託そうとしていることだ。

ヨーロッパのほぼ中央に位置する小国ルクセンブルクには、多くのインターネット企業(その昔はスタートアップ)がヨーロッパ進出拠点を置いている。楽天、Nexon、Amazon、NetFlix、Skype(後に Microsoft に買収)など、彼らのヨーロッパ展開はここから始まっているのだ。今月中旬、世界中から投資家や起業家が一堂に会するイベント ICT Spring がルクセンブルクで開催された。年に一度開催される2日間に渡って開催されるこのイベントは、今年で4度目を数える。

イベントは、スタートアップやブース出展、投資家やスタートアップ・コミュニティの人々によるスピーチ、パネル・ディスカッション、ピッチで構成されている。世界で催される他のイベントと少し違うのは、ブース出展しているスタートアップのすべてがピッチできる点だ。この種のイベントにありがちな、ファイナリスト10社の中から優勝者を決める、というようなプロセスが存在しないため、すべてのスタートアップが公平に機会を得て、投資家や他の起業家に対してピッチすることが可能だ。

アジアやヨーロッパを中心に60〜70社程度のスタートアップが集まっていたと思うが、その中でも特に印象に残ったスタートアップを紹介してみたい。(順不同)

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Chatwork(日本)

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http://www.chatwork.com

2011年3月にスタートした、グループチャット、タスク管理、ファイル管理、ビデオ通話などが可能な法人向けのクラウド型ビジネスチャットツール。2013年6月時点でのユーザー数は200,000ユーザを超える。フリーミアム・モデルを採用しているが、有料ユーザ率は 4〜4.5% と高く、毎日5万ユーザー以上がログインする。Sunnyvale の Plug & Play Tech Center にオフィスを開設し、今年初めにはアメリカで営業展開を開始した。今回の ICT Spring 参加を機に、ルクセンブルクにヨーロッパ・オフィスを開設する予定だ。

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Ubook(アメリカ)

http://www.najmstore.com

najmtek_logoタブレット、ラップトップ、Windows 7 の要素を1台の実現したラップトップPC。キーボード部にはマルチタッチ・スクリーンを採用、指やスタイラスで操作が可能だ。筆者の場合、原稿は普段 MacBook Air で書いているが、大きめのシステムやアプリを組んだりするときは Windows のラップトップを使っている。タブレットは携帯に便利だが「さすがにコーディングには辛いよね」という開発者も多いだろう。Ubook はそれらのニーズを1台に集約してくれる。

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SwingMail(日本)

swingmail_logohttp://swingmail.co

日本のスタートアップ BHI から7月にリリースされる予定の、スマートフォンで連絡を効率化してくれるアプリ。Gmail、Twitter、Facebook、かかってきた電話をこのアプリ上に集約、cc やスパム、連絡先に未登録の相手からのメッセージを取り除いて表示し、ユーザはそれらのメッセージに返信することができる。新規のメッセージ送信はできず返信機能に徹することで、優先順位の高い連絡を効率的に処理する機会を提供する。SwingMail で処理できない連絡需要、つまり、優先順位の高くない連絡については、ユーザがオフィスや自宅に戻った後、デスクトップやラップトップに処理するとの考えに基づいている。

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SalesClic(フランス)

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http://www.salesclic.com/

Google Apps、37signals の CRMツール Highrise、SalesForce.com などと連携して、売上見込を見える化し、売上分析、売上予測を可能にする SaaS アプリケーション。昨年末の SalesForce AppExchange Customer Choice Award では Analytics 部門賞を受賞。営業プロセスの管理をシンプルにし、最適化しやすくする。ベネルクス市場(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)では、現地ITベンダーの Eurosys との提携により提供されている。1ユーザ当たりの月額使用料は15ユーロだ。

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Kidoria(ルクセンブルク)

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http://www.kidoria.com

子供が居る両親向けに、子供の成長を記録し、家族で共有するためのサービス。写真、ビデオ、ポッドキャスト、医療記録、卒業証明書などを集約することができ、子供のそれまでの生い立ちを何度でも再生することができる。従来の写真アルバムの概念をデジタル化することで、子供の頃の記録を無くすリスクが無くなる。将来の自分にメッセージを送信することもできる。

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Dialective(オランダ)

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http://www.dialective.com/

インターネット上で紹介するプレゼンテーションに図や表を簡単に組み込めるようにしたプラットフォーム。Slideshare の図・表版と考えればよい。複数のスタイルが予め用意されており、ユーザは簡単にインタラクティヴな図や表を作成することができ、Slideshare と同様にウェブサイトなどに貼り込むことができる。現在の売上は月間1.5万ユーロで、10万ユーロを資金調達中。さらに今年の年末には30万ユーロの資金調達を目標としている。

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Twelixir(ルクセンブルク)

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http://www.twelixir.com/

Guy Kawasaki はこう言っている

実のところ、Twitter のユーザには2種類しか居ない。より多くのフォロワーを欲しがるユーザと、ウソをつくユーザだ。

Twelixir は、Twitter 体験を改善し、ツイートの影響力を強化するためのソリューションだ。つぶやきのインタラクション、インパクトを、リアルタイムと履歴の両方で分析し、どのような対応をとればよいか、アドバイスや戦略を教えてくれる。プライベート・ベータ版は1ヶ月後、パブリック・ベータ版は9月のリリースを予定。現在は Android 版のみを開発中である。

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Sprawk(スウェーデン)

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http://www.sprawk.com

機械翻訳はまともな翻訳結果が得られない。人による翻訳は信頼できる翻訳結果が得られるが、時間がかかり、費用が高価で、翻訳者によって表現の仕方が異なって来る。機械翻訳と人による翻訳の〝いいとこ取り〟をすることで、人による翻訳に要するコストの30%を削減する。あるウェブサイトを立ち上げたとき、同一の複数言語サイトを構築するのに利用されることを想定しており、ターゲットとなる顧客はEコマースサイトである。先日、SD Japan で紹介した World Jumper にコンセプトが似ている。

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MyScienceWork(ルクセンブルク)

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http://www.mysciencework.com

学術情報を誰もが自由にインターネット経由で閲覧できる状態にする「オープンアクセス」の精神に則り、科学者や学生が、データシート、プロフィール、履歴書、出版物、論文などを公開・共有できる科学者専門SNS。。このSNS上では、科学者同士がイベント情報や求人情報を共有することができる。2013年6月現在、1万人を超えるユーザが登録している。

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AirBoxLab(イギリス)

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http://www.airboxlab.com/

室内の空気品質をモニターするデバイス。空気汚染からはさまざまな身体の不調が誘発される。一酸化炭素、二酸化炭素、温度、湿度、室外の空気汚染状況等をクラウドと連携してモニターし、空気の状態を改善するためのアドバイスをしてくれる。家具がアレルギーに対して安全かどうかについてチェックする機能を持っており、その結果はクラウド上に集積され、他のユーザと共有することができる。

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Monaca(日本)

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http://monaca.mobi

クラウド上で Android や iOS 用のアプリ開発が可能な環境を提供。作成された画面遷移や動作は、コンパイルする前に画面上で確認することが可能。代表の田中氏によれば、世界を見てみても同様な環境を提供するサービスは皆無であり、日本の内外で学校でのアプリ開発授業などに多用されているとのことだ。6月には、スピナー機能、ページ背景や方向指定に対応した。

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Conyac(日本)

conyac_logo.gifhttp://conyac.cc

先頃、サンフランシスコへの進出を果たした Conyac であるが、現在、シンガポールとルクセンブルクへの進出を準備中だ。シンガポールもルクセンブルクのいずれの国もマルチリンガルな国なので、Conyac の翻訳者の確保にはもってこいの環境なのだと言う(山田氏)。スロベニア出身で、普段はサンフランシスコ・オフィス駐在の Una Softic がピッチを担当した。

conyac_at_booth

Uplike(フランス)

uplike_logohttp://www.uplike.com

個人の関心事をリアルとネット上の両方でブックマークできる。例えば、気に入ったレストランをブックマークしようとすると、リアルでは GPS 上でチェックインと紐付け、写真をブックマークすることで、ありがちなショップカードの紛失等の問題も解消できる。友人がブックマークしたショップ、レストラン、ホテル等を参照することができ、キーワード検索できる。友人が Uplike を使っていなくても、Facebook、Twitter、LinkedIn 等から過去の投稿を検索し、キーワードに合致する情報を表示する。

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TeeBee(ルクセンブルク)

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http://www.teebee.me/

スマートフォンのカメラを投影することで、マーカーの上に購入しようとする商品の画像を合成。例えば、Eコマースで購入しようとしている家具を、実際に部屋に置いたときにどのような見栄え、配置になるかを事前に確認することができる。Eコマースの販売促進につなげるソリューション。

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ここに紹介したのは、ICT Spring で話を聞くことができたスタートアップのごく一部であることをお断りしておく。他にも面白いスタートアップがいくつかあったが、サービス内容がステルスであったり、彼らのマーケティング戦略の都合で紹介できないものがあったりするので、時期を見て改めて紹介したいと思う。

会場で印象的だったのは、多くのブース出展企業がオードブルやビール、シャンパン、ワイン等を振る舞っていたことだ。意外に費用もかかるので、出展者が無尽蔵に食べ物やアルコール類が無料提供されることはどんなカンファレンスでも皆無だが、ルクセンブルクのもてなしの精神の賜物というべきか。

japanese_coolingfans会場に居たスタートアップの多くは、近隣のイギリス、フランス、ベルギー等から来ていたが、参加者全体の10〜20%を日本のスタートアップが占めていたので、日本のプレゼンスは小さいものではなかった。イベント当日となった6月中旬は、ヨーロッパのこの時期に珍しく夏日で、起業家達の熱気も手伝って場内は非常に暑かったのだが、日本の Conyac やネコジャラシがプロモーション用に持ち込んだ、ウチワや扇子が参加者に配られ、非常に重宝していた。会場の随所では、参加者の多くがこのウチワや扇子で暑さをしのいでいて、ヨーロッパの真ん中の国で開催されているイベントに、和の雰囲気を演出しているのが面白かった。

ICT Spring の開催にあわせて、今回、ルクセンブルク国内の複数のスタートアップやインキュベータを巡ることができた。それらについては、近日中に改めてお伝えしたい。

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ICT Spring 2013参加の日本スタートアップ10社が発表、ルクセンブルクでヨーロッパ市場へプロダクトをアピール

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6月19日〜20日の2日間、ヨーロッパのほぼ中心に位置するルクセンブルクでは、年に一度、テックやスタートアップのビッグイベント「ICT Spring 2013」が開催される。ルクセンブルクという地が、テックや起業の分野でどのくらい認知されているかについては、以前この記事で詳細に触れているので、参考にしてほしい。 さて、ICT Spring 2013 のスタートアップ・コンテストには世界から120社…

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6月19日〜20日の2日間、ヨーロッパのほぼ中心に位置するルクセンブルクでは、年に一度、テックやスタートアップのビッグイベント「ICT Spring 2013」が開催される。ルクセンブルクという地が、テックや起業の分野でどのくらい認知されているかについては、以前この記事で詳細に触れているので、参考にしてほしい。

さて、ICT Spring 2013 のスタートアップ・コンテストには世界から120社が参加するが、日本から参加するスタートアップ10社の顔ぶれが発表された。SD Japan のサイト上でも、おなじみのスタートアップが何社か含まれるので、この機会に紹介したい。

  1. Monaca/アシアル株式会社(クロスプラットフォーム・モバイルアプリ開発)
  2. 株式会社AddQuality(モバイル広告会社)
  3. 株式会社エニドア(クラウドソーシング翻訳サービス)
  4. 株式会社ガルチ(ゲームソフトウェア開発・グラフィックデザイン・ゲームソフトウェアデザイン)
  5. 株式会社Skeed(インターネットコンテンツ配信・共有技術)
  6. SnapDish /ヴァズ株式会社 (食品写真・レシピ共有アプリ)
  7. 株式会社supernova (ゲーム・モバイルアプリ開発)
  8. 株式会社ねこじゃらし (クラウドサービスビジネス)
  9. BHI株式会社 (スマートフォンアプリ開発)
  10. NTTアドバンステクノロジ株式会社(通信関連技術・機器)

※ NTTアドバンステクノロジ はスタートアップではないが、ラボ発の新技術を製品化しており、昨年出展した内容の1年後の経過を披露する「One Year After」というカテゴリに出展するとのこと。

ICT Spring は、ヨーロッパのIT/起業先進国を標榜するルクセンブルクが、政府主導の鳴り物入りで4年前からスタート。ヨーロッパでは、Le Web や The Next Web と肩を並べる有名テックイベントに成長し、昨年は60カ国から3,500名に上る起業家、投資家、メディアらが参加したとのことだ。

今年のイベントには、Twitter の共同創業者、EAの創業者、SugerSync のCEO、PayPal のヨーロッパ中東担当CEO等に加え、日本からはALEX社長で前グーグル株式会社社長の辻野晃一郎氏のスピーチが予定されている。日頃からアジアやアメリカでよく姿を見る日本スタートアップが、遥かヨーロッパの地でどのような評価を得られるか、今から楽しみだ。

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ヨーロッパを目指す起業家に朗報、ルクセンブルク政府がICT Springへの招待スタートアップを募集中

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日本以外の国でスタートアップがビジネスを営むとき、まず直面する問題が創業者や社員のビザの取得だが、ルクセンブルク、チリ、カナダ、シンガポール、オーストラリアなどは、起業家へのビザ発給に政府が積極的だ(参考記事)。中でも、ルクセンブルクは、スタートアップがヨーロッパに向けてビジネスを展開する上で、さまざまな便宜が図られていることを昨年のインタビューで同国の通信・メディア大臣が述べていた。 そのルクセ…

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日本以外の国でスタートアップがビジネスを営むとき、まず直面する問題が創業者や社員のビザの取得だが、ルクセンブルク、チリ、カナダ、シンガポール、オーストラリアなどは、起業家へのビザ発給に政府が積極的だ(参考記事)。中でも、ルクセンブルクは、スタートアップがヨーロッパに向けてビジネスを展開する上で、さまざまな便宜が図られていることを昨年のインタビューで同国の通信・メディア大臣が述べていた

そのルクセンブルクで、毎年恒例となったテックやスタートアップの祭典「ICT Spring」が6月に開催される。実質的にはルクセンブルク政府による主催で、世界中から出展者150社、スタートアップ120社が招かれ、2日間にわたってセッション、プレゼンテーション、ピッチ・コンペティションなどが繰り広げられるのだ。

東京にあるルクセンブルクの貿易投資事務所では、現在このイベントに参加を希望する日本のスタートアップを募集している。営利目的のイベントではないため、一定の条件審査をクリアすれば、最大10社にイベントの入場はもとより、出展ブースも無料で提供される。Amazon、楽天、PayPal そして、最近、大型ファンドを作ったことで世間を賑わせている Kabam など、多くのテック企業がルクセンブルクにヨーロッパ本社を設置しているので、このようなオフィスを訪問するツアーも計画しているそうだ。

おそらく、ルクセンブルク政府からの資金援助の恩恵だと思われるが、4泊5日のこのツアー全体にエア&アコモ込で700ユーロ(約9万円)で参加できるのは破格だ。興味のある人は、この機会に申し込んでみるとよいだろう。締切は4月30日まで。

※ 当初の記述で700ユーロにエア(航空運賃)が含まれるとしていましたが、誤りでしたので訂正します。700ユーロに含まれるのは、現地の宿泊、移動、セミナー参加費、懇親会参加費でした。

上記の資料に加え、イベントの Facebook ファンページにも有用な情報がアップされている。

昨年はこのプログラムに、日本からカディンチェ洛洛.com;Dcloud、NTTアドバンステクノロジー、ブライツコンサルティングの5社が参加したとのことだ。以下にそのときのビデオがあるので、あわせて参考にされたい。

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小国ゆえに国外から学んできた–ルクセンブルクが日本のスタートアップに熱視線

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日本のスタートアップが海外展開をする際、アジアであればまずシンガポールに拠点を置くというケースが少なくない。米国でのサービス展開や資金調達を目指すのなら、なんとなくシリコンバレーと相場が決まっている。 では、ヨーロッパに進出すると考えたとき、どこにオフィスを構えるのがよいのだろう。ヨーロッパのシリコンバレー「TechCity」に取り組むロンドンか、「シリコン・サンティエ」が形成されつつあるパリか、…

日本のスタートアップが海外展開をする際、アジアであればまずシンガポールに拠点を置くというケースが少なくない。米国でのサービス展開や資金調達を目指すのなら、なんとなくシリコンバレーと相場が決まっている。

では、ヨーロッパに進出すると考えたとき、どこにオフィスを構えるのがよいのだろう。ヨーロッパのシリコンバレー「TechCity」に取り組むロンドンか、「シリコン・サンティエ」が形成されつつあるパリか、皆目見当がつかない。

10月上旬、東京では46年ぶりに世界銀行の年次総会が開かれ、世界各国からVIPが訪れていたが、その中にヨーロッパのルクセンブルクで、通信・メディア大臣を務めるフランソワ・ビルチェン氏の姿があった。同氏にルクセンブルクのICTやスタートアップ環境について聞いた。

この記事はCNETJAPANへの投稿記事です。続きはこちらからお読みください。

 

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