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成功と失敗を左右するもの、メイカーのためのデザインとは?〜第17回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 イベントの模様を撮影したビデオはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。 ハードウェアスタートアップが直面する最大の困難の一つがプロダクトデザインだ。デ…

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

イベントの模様を撮影したビデオはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。


ゲストとして Monozukuri Hub Meetup を訪れた、Global Digital Mojo の創業者でリードデジタルストラテジストの David M L Williams 氏(左)

ハードウェアスタートアップが直面する最大の困難の一つがプロダクトデザインだ。デザインの良いプロダクトは、あなたに名声をもたらすことができる。新しいプロダクトを設計するとき、スタートアップが考えるべきことは何だろうか?

Makers Boot Camp では、世界中の企業かを刺激し、教育し、つながってもらおうと努力している。そのために、我々は Monozukuri Hub Meetup の開催を続けているのだ。この春初のイベントでは、メイカーにとってのデザインと、その困難な点や重要性を取り上げた。デザインのプロ、専門家、初心者を集め、それぞれのデザイナプローチや洞察を話しあった。参加者は最後、登壇者と一対一の対話ができるネットワーキングセッションに参加した。

デザインアイデアからプロトタイプまで

卒業制作となったエレキギター「iuvo」を披露する高田碧起氏

最初に登壇したのは、京都造形芸術大学を卒業したばかりの高田碧起氏だ。彼は自身の卒業制作となったギターのプロトタイプを披露した。エレキギターのデザイナーは、演奏者が立った状態がギターが演奏されると考えるだろう、と高田氏は語った。自らもミュージシャンである高田氏は、席に座った状態で演奏できる楽器を作りたいと考えていた。彼の作品は、ストラップの無い座って演奏するには優れた、オールインワンソリューションのようだ。

三輪海斗氏「軽くて折り畳み可能な自転車「三角二輪」は、悲しい体験から生まれた。2年前、自転車を盗まれた。屋内に自転車を保管できれば、盗まれる可能性も下がるだろう。」

三輪海斗氏が紹介した次なる学生プロジェクトは、京都の信号機に不満を募らせるサイクリストにとって素晴らしい選択肢だ。「三角二輪」は、日常の通勤用にデザインされた、イノベーティブで、コンパクトで、折り畳み可能なキックボード型の自転車だ。ユーザは小さなカバンに入れられるよう折りたためるので、駐輪場を使うこともなくお金を節約することができる。

若いデザイナーが考えた、自転車の折りたたみ方に新しい一捻りを加えた方法は、既に知る人には知られていたものだ。プロトタイプが現在、京都のアートギャラリー「ARTZONE(アートゾーン)」で展示されている。

ロボットを抱擁しやすくしてくれるデザイン

星野裕之氏「私の目標は、愛らしいロボットを開発することを通じて、AI についての関心を喚起し、ロボットファンの人数を倍増させることだ。」

otuA のロボットデザイナー星野裕之氏は、ロボット、メカニカルデザイン、機械設計、そして、より包括的な世界の創造に情熱を持っている。彼の有能なチームは15年以上にわたって、医学研究、商業、コミュニケーションなどの目的で約30種類のロボットを設計してきた。彼らは、ロボットデザインへの伝統的なアプローチに挑戦を続け、ソフトロボティクスなどの新技術にも先駆けている。かわいいアニメキャラクターのように見えるロボット「SOFUMO」は、山形大学とのコラボレーションで作られた。

中国のプロダクトデザイン

清水耕助氏「中国政府は、人々にビジネスを始めることを強く奨励している。良いアイデアがあるなら、ベンチャーキャピストと話をし、工場ツアーに参加するよう勧められる。」

医療機器や分析機器をデザインしている島津製作所のプロダクト UX デザイナー清水耕助氏は、中国のプロダクトデザイン業界について洞察を共有してくれた。彼は2012年7月から12月まで、デザインチームのビルドアップと管理の責任を負って上海で仕事をしていた。「Made in China」というラベルは、多くの人々にとって低コストとコピーコートと同義語になった、と彼は言う。しかし、中国が貴重なユニコーンの数でアメリカを上回ったとき、人々は見方を変えた。

この業界のパズワードでもある「便利」「安い」「イノベーティブ」といった言葉とともに、中国のハードウェアスタートアップは世界的に急成長を続けている。清水氏は中国のスタートアップブームの背景には、巨大の中国国内市場と中国政府の支援があると説明した。

ネットワーキングセッションで
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Monozukuri Hardware Cupでファイナリスト8チームがピッチ登壇——ハチたま、チャレナジー、スマートショッピングが、米本家参加権を獲得

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京都のハードウェア特化スタートアップアクセラレータ Makers Boot Camp、ニューヨークの FabFoundry、東京の TechShop Japan で構成されるモノづくり起業推進協議会は27日、大阪で開催された Hack Osaka 2018 内で Monozukuri Hardware Cup 2018 を開催した。 このイベントは「世界を舞台に活躍する日本のモノづくりスタートアッ…

京都のハードウェア特化スタートアップアクセラレータ Makers Boot Camp、ニューヨークの FabFoundry、東京の TechShop Japan で構成されるモノづくり起業推進協議会は27日、大阪で開催された Hack Osaka 2018 内で Monozukuri Hardware Cup 2018 を開催した。

このイベントは「世界を舞台に活躍する日本のモノづくりスタートアップ企業の登竜門」と位置付けられるもので、上位3位入賞チームには、4月18日にアメリカ・ピッツバーグで開催される「AlphaLab Gear Hardware Cup Final 2018」への出場権または出展権が与えられ、北アメリカ・南アメリカ・カナダ・インド・イスラエル・韓国などから選出されたチームと共に、優勝賞金5万ドルを賭けてピッチで激戦を交わすことになる。

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Monozukuri Hardware Cup 2018 には日本国内27チームから応募が寄せられ、8チームがファイナリストに選出された。選考条件は、アメリカの Hardware Cup Final と同じく 1.事業化への情熱、2. 国際的な市場性、3. 潜在的な顧客ニーズもしくは大きな市場規模、4. 競合優位性 の4つに設定されている。

Monozukuri Hardware Cup 2018 で審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Allen Miner 氏(サンブリッジ グループ CEO)
  • 藤田修嗣氏(西部商工株式会社 代表取締役/EO大阪前期会長)
  • 松崎良太氏(きびだんご株式会社 代表取締役)
  • Paul Kim 氏(日本エア・リキード株式会社 Digital Transformation Project Manager)

【優勝(Hardware Cup Final 2018 日本代表権獲得)】ハチたま(東京)

ハチたまは、猫の泌尿器疾患を解決できる IoT トイレ「TOLETTA(トレッタ)」を開発している。自動でウンチを掃除し、画像認識で猫を見分け、体重・尿量・排尿・排便回数を測定し記録する。猫の健康異常が見つかれば、その情報をアプリに通知してくれるというものだ。デバイスやスマートフォンアプリ、認定オーガニックフードの定期購買、オンライン相談という3つの要素でマネタイズしている。

ハチたまは2015年の設立(設立当時の社名は、ペットボードヘルスケア)。2016年に「GREEN FUNDING」でクラウドファンディングキャンペーンを成功させ、ゼロワンブースターが運営支援する森永アクセラレータ2016、TOKYO アクセラレータ(第一勧業信用組合)に採択された。2017年2月には、森永製菓、かんしん未来ファンド(運営は第一勧業信用組合)、アクトコール、ゼロワンブースターからの出資と、日本政策金融公庫から資本性ローン(挑戦支援資本強化特例制度)で合計4,000万円を調達したことを明らかにしている。

【2位】チャレナジー(東京)

チャレナジーは、台風のような強風状態でも安定して発電ができる風力発電機を開発するスタートアップだ。自然エネルギーを利用したサステイナブルな発電方法として注目を集める風力発電だが、一方で一般的なプロペラ型風力発電機は、強風や乱流に弱く、バードストライク、低周波騒音などの問題があり、また日本における年間故障率は40%〜60%と問題も大きい。これが原因で、日本の風力発電による潜在的年間発電能力は 1,900GW に上る中、実際には 3GW しか発電されていないのが現状だ。

チャレナジーはマグナス効果を活用した特殊形状の風力発電機を独自に開発。この発電機では、強風や乱流、風向きがどの方向に変化したとしても安定的に電力を発生させることができる。発電機としての安全性が担保されるため、人が住む街中に設置することが可能だ。同社は昨年、JR 東日本が実施した「JR EAST STARTUP PROGRAM」第1期デモデイで最優秀賞を受賞している。同社は2018年1月、初の外部資金調達ラウンドで、リアルテックファンド、三井住友海上キャピタル、THK から総額2.8億円を調達している。

【3位】スマートショッピング(東京)

スマートショッピングは、個人向けに日用品の価格比較サイト「スマートショッピング」、法人向けに IoT デバイスを用いた在庫管理・自動発注サービスを提供している。特に法人向けには、独自開発の IoT デバイス「スマートマット」を商品の下に敷くことで残量を自動計測、データに基づいて適切なタイミングで自動発注するしくみを作った。ついつい忘れがちな必要なアイテムを、常に確保しておく作業を自動化する。

スマートショピングは2018年2月、アドベンチャー、Makers Boot Camp の MBC 試作ファンド、NOS Ventures、丹下大氏を含むエンジェル投資家複数から約2億円を調達している。


惜しくも3位以内に入賞しなかったものの、ファイナリストとして選ばれたスタートアップは、次の通り。

  • 16Lab (神奈川)
    世界最小の IoT / Wearable 用モジュールによるプラットフォーム事業 <関連記事
  • 歯っぴ〜(熊本)
    人生100年時代に必要な歯磨きサービスの提供
  • iBot(東京)
    椅子を自動で運ぶロボットの開発
  • みまもーら(東京)
    世界最小サイズの LoRa + GPS 搭載デバイスを採用した見守りサービス
  • OTON GLASS(東京)
    知覚を拡張するIoTスマートグラス <関連記事
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京都の若手起業家ら、2018年の抱負を語る〜第16回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 オリジナルはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。 本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guenes 氏による撮影。 2…

Sasha Kaverina 氏

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

オリジナルはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。

本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guenes 氏による撮影。


A scene from Kyoto Makers Garage

2018年、次の個人的な挑戦はもう見つかっただろうか? Makers Boot Camp(MBC)は、学生起業家、プロトタイピングのプロフェッショナル、スタートアップらに、通年を通して役に立ちそうなティップスをシェアしてくれるようお願いした。

2018年の初め、今こそ、昨年やり終えたことを踏まえ、これからの数ヶ月の改善計画を練る時期だ。Makers Boot Camp にとって、昨年は MBC Shisaku Fund のローンチなど成功に満ちた年だったが、どんな事業にも改善すべき点は常に存在する。

2018年も引き続き、我々は若いメイカーの間で、起業の重要性を(就職ではない)オルタナティブなキャリア選択肢として広めていきたいと考えている。数多くの革新的な大学や先進的な研究機関がある京都は、研究を優れたビジネス機会と組み合わせる上で絶好の場所の一つだ。

Makers Boot Camp CEO の牧野成将氏は、次のように語った。

学生が起業キャリアを追求できるよう支援することは、日本のスタートアップシーンに寄与することになるだろう。

Makers Boot Camp CEO の牧野成将氏

若手起業家に行動を促すさまざまなアプローチには、ハードウェアツール、メンターのアドバイス、ワークショップへのアクセスなどがある。牧野氏は開演のスピーチで、学生たちに「Kyoto Makers Garage(KMG)」の無料設備を活用してほしい、と述べた。以前は乾燥海苔の倉庫として使われていたこのコワーキングスペースは、2017年9月のオープン以降、志を同じくする人々の集まる、賑わいのあるブルックリンのようなコミュニティエリアへと急速に変貌を遂げた。

富士製作所に勤務する山下氏は、2018年の挑戦として京都試作ネットの Monozokuri Club に参加すると発表した。香川生まれの山下氏は、ハードウェアへの情熱を持ちつつ新しいプロダクトを作ることが、成功する上での重要な戦略だと考えている。

京都学生起業部

京都学生起業部の中原良太氏と Shun Sakuma 氏

京都工業繊維大学の Ryota Nakahara 氏と Shun Sakuma 氏は、日本経済を加速する新世代の代表的存在だ。大阪イノベーションハブが主催した2年前のシリコンバレーツアーの後、二人は他の学生たちと組んでスタートアップクラブ「京都学生起業部」を設立し、スタートアップのビジネスアイデアを醸成しはじめた。メンバーらがいくつかの先進的なコンセプトを打ち出したことから、このイニシアティブは成功したと言えるだろう。このスタートアップクラブから生まれたコンセプトには、次のようなものがある。

  • AgriKeeper(アグリキーパー)……農家を鹿の侵入から救う、合理的で安全な忌避剤
  • Untilet(アンティレット)……トイレの臭い計測デバイス
  • ACBALL……野球選手のための IoT ボール

京都学生起業部は、ビジネスアイデアを醸成し、自らを大学新入生に宣伝することで、社会に価値をもたらすことを目指している。

Hoplite Power

Hoplite Power 共同創業者の Nikolas Schreiber 氏(右)と、本稿の写真撮影者でもある Tugi Guenes 氏(左)
Image credit: Sunbridge Venture Capital「Habitat Update Plus」から(Kyoto Makers Garage にて撮影)

スタートアップを立ち上げる上でビジネスを要領よくマネージするには、さまざまな役割を一人でこなす必要がある。ニューヨークを拠点とする Hoplite Power は、スマートフォンを街中で充電できるシェアリングネットワークを開発している。同社の Nikolas Schreiber 氏は、起業精神と技術力を組み合わせることの重要性を強調した。

あなたに世界で最も素晴らしいプロダクトを作り出せる可能性はある。しかし、それが実現不可能で売れないもなら無意味だ。他方で、あなたには世界で最高のセールスパーソンになれる可能性もある。しかしプロダクトを実現できばければ、営業活動は意味をなさない。


Hoplite Power の3人の共同創業者は2014年、初めにプロダクトの実現可能性を証明すべく、ニューヨーク・クイーンズのオフィスでプロダクトを一からデザインし組み立てた。彼らはブートストラッピングのメソッドに従って小資本で会社を設立、レンタルのバッテリーデバイスを作り上げた。まもなく、彼らは投資家の目に止まることになる。2017年、Hoplite Power は MBC Shisaku Fund によりビジネスを加速、日本でビジネス開発を展開する計画を発表した。新しいプロトタイプには、入手が容易でスリムな、市中で購入可能なタイプに似たバッテリーが採用されている。この1年間にも似たようなプロダクトが世の中に現れたが、Hoplite Power のシステムは、人々がスマートフォンを充電できるサービスをユニークな方法で提供することになるだろう。

ニューヨーク市内には、Hoplite Power のハブが10カ所開設されている

Schreiber 氏からのティップスは次の通りだ。

  • チームとリソースを築き上げよう。自分のチームがどんな人材やアセットを持っていて、他チームとの違いを認識しよう。
  • コアコンピテンシーを認識しよう。自分で何ができて、外部にどんな助けを求められるかを考えよう。
  • 物事の変化や不確実なことに準備しておくよう心がけるべし。
  • 自分がわからないことがあるなら、追加で人を雇うか、コミュニティに支援を求めよう。
  • より深く入り込み、額に汗して、学ぶべし。時には市場の存在を証明するために、街に出る必要がある。
  • オープンマインドを保とう。さもなければ、失敗するかもしれない。つまり、前に進むか、ピボットするかだ。
  • 木製 IoT を使って、自然に回帰しよう。

mui

IoT 技術が進化を続けるにつれ、材料やコンセプトもまた進化を続けている。京都を拠点とする mui Lab は、タッチワイヤレスセンサーを内蔵し、天気予報、受信メッセージ、web 上で得られた情報を提供する木製デバイスを開発している。mui Lab のクリエイティブデザイナー廣部延安氏は、次のように語った。

妻に天気を聞くたび、彼女はスマートフォンに目をやっていた。

この状況を改善すべく廣部氏は新たな情報アクセス手段を考え、多くの消費者を魅了する上で、典型的なブラックのディスプレイがインテリアデザインの好例ではないことがわかった。そうして生まれたのが、mui のアイデアだ。木製パネルに話しかけると、mui は単なるスマート家具以上に、ハーモニーとバランスのセンスを作り出してくれる。mui はボストンにオフィスを構え、日本の木製デザイン品を自然由来製品が受け入れられる他の世界都市に輸出しようとしている。

あなたはどうだろう? 2018年の抱負をシェアして、まだ発見されていない道を歩みましょう。

Lab の廣部延安氏は「mui」を CES 2018 で出展した
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シンガポールの投資家代表団が京都を訪問、関西のスタートアップを世界に紹介【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でビジネス開発とマーケティングを担当する Marie-Eve Menger 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。 本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の …

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でビジネス開発とマーケティングを担当する Marie-Eve Menger 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。

本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guenes 氏による撮影。


Makers Boot Camp の CEO 牧野成将氏が、SPRING シンガポール投資家代表団の来京を歓迎

京都を拠点とする Makers Boot Camp は、日本を代表するハードウェア・サポーターで、日本のメイカー達のものづくりコミュニティを構築に取り組んでいる。Makers Boot Camp はこれまで、Monozukuri Hub Meetup などものづくりをテーマとしたイベントを開催してきた。

ものづくりを世界にもたらす活動の一環として、Makers Boot Camp は世界中から来訪する代表団に対して、ミートアップやマッチングイベントを主催している。京都のローカルコミュニティの中で、Makers Boot Camp は 3D プリンター、CNC フライス、レーザーカッターなどのツールを備えたメイカーのためのスペース「Kyoto Makers Garage(KMG)」を開設している。この新しいスペースで開催する我々のイベントは、グローバルなマインドセットと、ローカルなスピリットを一つにするものだ。

10月13日、Makers Boot Camp は、15のシンガポールの投資ファンド、アクセラレータ、大学インキュベータを運営する投資家代表団に向け、半日間のイベントを開催した。この訪問はシンガポール貿易産業省傘下の機関である SPRING(規格・生産性・革新庁)が引率するもので、SPRING はシンガポール企業の成長を支援し、シンガポールの製品やサービスへの信頼構築を担っている。企業振興機関として、SPRING はパートナーと協業し、ファイナンス、能力開発や経営開発、技術やイノベーション、市場アクセスの分野で企業を支援している。

13日の午前中は、代表団を Makers Boot Camp や関西のものづくりエコシステムに紹介するスケジュールが詰まっていた。しかし、その朝のメインを占めた参加者それぞれを簡単に紹介するスタートアップピッチセッションに続き、一部の地元スタートアップとのマッチメイキングセッションが持たれた。

参加したスタートアップは代表団の希望に沿って、経験豊かな連続起業家から基本的な開発中のプロトタイプを持つ初めてのメイカーまで、異なる種類の IoT 技術や異なる製品開発ステージを代表する面々が選ばれた。参加したスタートアップはピッチプレゼンテーションを入念に準備するとともに、プロダクトやプロトタイプを代表団に紹介していた。

ピッチセッションとマッチメイキングセッション

Andeco の CEO 早川慶朗氏は、勇敢にもピッチラウンドのトップバッターを飾った。大阪を拠点とするスタートアップ Andeco は、ポータブルの電力/水供給チャージャーにつながるスマートカートなど、幅広いスマートシティ向けモビリティソリューションを開発している。

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B2B マッチメイキングセッションに臨む Andeco CEO の早川慶朗氏

CABOT を開発する飯尾英晃氏は、簡単な質問をした。「ロボットと演奏を楽しんだことはありますか?」彼はギターを持ち出し、ドラムロボットのプロトタイプと演奏を始めた。一同唖然とさせられた。興味のある方は、以下のビデオをご覧いただきたい。

井口尊仁氏は日本の起業家の中ではスターの存在で、これまでにシリコンバレーで2,000万ドル以上を資金調達し、拡張現実するアプリ「セカイカメラ」で周囲の風景をディスラプトし TechCrunch 50 にフィーチャーされた。彼は手がける最新ベンチャー Doki Doki を紹介した。Doki Doki は、音声のやりとりを元にしたソーシャルネットワークを構築し、ユーザが簡単に理解し合えるようにするアプリだ。

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Kyoto VR は、参加者に祇園祭の VR ツアー体験をデモ

Kyoto VR の Atticus Sims 氏は、投資家達を京都のバーチャルツアーへと連れ出した。Kyoto VR は京都から始め世界へと打ち出す、スマートシティ XR(VR/AR)によるバーチャル観光体験に取り組むスタートアップだ。彼らは、開発の拠点として京都を選び、地元のエコシステムとつながる国際スタートアップの代表事例だ。京都市や観光産業局と密接に協業し、彼らのコンテンツを開発したり改善したりしている。

そして大事なことを一つ言い忘れていたが、PLEN Robotics が IoT イノベーションを紹介した。多数のプラットフォームと連携する、カラフルで正方形型の小さなパーソナルロボットアシスタントだ。PLEN Cube は、さまざまなデバイスと web サービスを連携できるポータブルロボットで、その操作を使いやすく自動化することができる。スマートカメラで瞬間を撮影することができ、手のひらにもおさまるサイズ。その開発過程については、PLEN Robotics は Kickstarter と Makuake で成功裏なクラウドファンディングを実施した。

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自社製品を投資家らに説明する PLEN Robotics
自社製品を投資家らに説明する PLEN Robotics

短く興味深いプレゼンテーションの後、このイベントのメインであるマッチングセッションとスピードデイティングセッションがスタートした。投資家達はそれぞれイベントの冒頭に興味のあるスタートアップを選び、10分ずつの対話を4回実施した。スタートアップに会いたいという関心は高く、投資家達は一団となって話を聞く形で、全員がすべてのスタートアップと話をする機会を持つことができた。

ディスカッションは大変盛り上がり、次のラウンドを知らせるベルは数回にわたって鳴らす必要があった。しかし、そのミーティングやネットワーキングには、よいエネルギーが流れていた。

この日、最高のひととき

裏方のチームは寿司のランチを用意していて、午前中の最後はフリーネットワーキング、実際には、さまざまな寿司や日本料理をゲストに楽しんでもらえるネットワークランチとなった。ネットワーキングの間、代表団の参加者たちは、京都市の重要な地元ものづくり関係者である ASTEM(京都高度技術研究所)や大阪を拠点とする VC サンブリッジにも会う機会を得た。

イベントも終盤を迎え、やりとりを交わす参加者たち

ランチの後、代表団は KMG を離れ次の訪問先へと向かった。代表団やスタートアップをはじめすべての人たちに対して、Makers Boot Camp は、ダイナミックで、ライブリーで、フレキシブルで、また代表団とスタートアップが求めた、双方のやりとり、対話、出会いの多くをもたらした身のあるスタートアップイベントに参加できたことにお礼を言いたい。

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Makers Boot Camp、京都高度技術研究所、京都リサーチパークら、国際的モノづくりスペース「Kyoto Makers Garage」を開設

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京都を拠点とし、ハードウェア・スタートアップ特化型アクセラレータ「Makers Boot Camp(MBC)」を運営する Darma Tech Labs(DTL)、京都高度技術研究所(ASTEM)、京都リサーチパーク(KRP)は1日、共同で国際的モノづくりスペース「Kyoto Makers Garage(KMG)」を開設した。1日夜には開設を記念して、京都市長の門川大作氏を招いてのオープニングパー…

Kyoto Makers Garage の内部
Image credit: Kyoto Makers Garage

京都を拠点とし、ハードウェア・スタートアップ特化型アクセラレータ「Makers Boot Camp(MBC)」を運営する Darma Tech Labs(DTL)、京都高度技術研究所(ASTEM)京都リサーチパーク(KRP)は1日、共同で国際的モノづくりスペース「Kyoto Makers Garage(KMG)」を開設した。1日夜には開設を記念して、京都市長の門川大作氏を招いてのオープニングパーティーが KMG で開催された。

KMG は、京都中央卸売市場第一市場横のガレージを改装して開設され、共有オフィスとして利用できる「コワーキングスペース」と、モノづくりができる「メイカースペース」「イベントスペース」「ギャラリースペース」の4つの要素で構成される。パリの Usine IO やニューヨークの Fab Foundry といったハードウェア・スタートアップ特化型アクセラレータらとも協力し、世界中の起業家やクリエーターが集まるハブとして、ハッカソンやミートアップを積極的に開催していく計画だ。

1日夜のオープニングパーティーでスピーチする、京都市長の門川大作氏
Image credit: Makers Boot Camp

KMG にはモノづくりのための設備として、熱溶融積層3Dプリンター、レーザーカッター、デスクトップ型 CNC フライスなどが設置されている。機械の利用には有料のトレーニングを事前に受ける必要があるとのこと。なお、国内のみならず海外から来訪するハードウェア・スタートアップや起業家を支援するため、英語でも対応が可能だ。

KMG は、京都市が運営する市民による市政参加事業「まちづくり・お宝バンク」に、DTL が提言した内容が受け入れられ実現されたものだ。KMG へのアクセスは、JR西日本 山陰本線の丹波口駅から徒歩10分、または、京都市バスの七条千本バス停から徒歩5分。月曜日から金曜日までの11時から18時まで営業している。

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京都「Makers Boot Camp」運営、ハードウェアスタートアップ向け新ファンドの第1号案件で、MITスピンオフのBoston Biomotionに出資

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京都を拠点とし、ハードウェア・スタートアップ特化型アクセラレータ「Makers Boot Camp(MBC)」を運営する Darma Tech Labs(DTL)は19日、同社がジェネラル・パートナー(GP)を務めるファンド「MBC Shisaku 1号投資事業有限責任組合(以降、「MBC Shisaku 1号」と略す)」の第1号案件として、ニューヨーク・ロングアイランドの Boston Biom…

Boston Biomotion のプロダクト(試作品)

京都を拠点とし、ハードウェア・スタートアップ特化型アクセラレータ「Makers Boot Camp(MBC)」を運営する Darma Tech Labs(DTL)は19日、同社がジェネラル・パートナー(GP)を務めるファンド「MBC Shisaku 1号投資事業有限責任組合(以降、「MBC Shisaku 1号」と略す)」の第1号案件として、ニューヨーク・ロングアイランドの Boston Biomotion(BB)に出資決定したことを発表した。MBC は出資金額や比率、時期については明らかにしていないが、BB によれば、ラウンドはシードラウンドで今年6月段階での出資参加とみられる。

BB はマサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンオフしたスタートアップで、データアナリティクスを活用し、人々のフィットネストレーニングやリハビリを最適化する技術を開発するロボティクススタートアップだ。今年3月には、骨格筋健康分野の権威であるニューヨークの Hospital for Special Surgery(人工関節の発祥の地といわれる)とともに、ケガ回復に関する提携関係を発表、4月には中国広州市政府がニューヨークで行なったピッチ大会で優勝している(このピッチ大会での優勝チームは5月に広州市に招待され、中国の投資家らに向けてピッチ披露する機会を与えられているはずだが、BB が渡中したかどうかは不明)。

MBC Shisaku 1号 の組成は今年3月、DTL が GP、京都銀行(東証:8369)をアンカー LP として組成を開始した、日米欧のアーリーステージのハードウェアスタートアップにフォーカスした20億円規模のスタートアップファンドだ。MBC Shisaku 1号の LP の顔ぶれについては、現時点で京都銀行以外の名前が明らかにされていないが、今回、名古屋を拠点とする精密機械大手の森精機(東証:6141)が LP に加わったことも明らかにされた。

MBC では、MBC が持つ人材やノウハウを活用し、京都試作ネットと協力して、BB が提供するハードウェアの試作や量産を推進する計画としている。

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「スタートアップのためのオンラインプラットフォームは、オープンであるべき」〜京都・第11回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でインターン勤務している石井拓実氏による寄稿を THE BRIDGE が編集したものである。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。 本稿における写真は、atelier 2du monto でウェディングドレスデザイナーを務める…

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でインターン勤務している石井拓実氏による寄稿を THE BRIDGE が編集したものである。

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。

本稿における写真は、atelier 2du monto でウェディングドレスデザイナーを務める砂広今日子氏が撮影したものだ。


5月18日、サンフランシスコのハードウェア・スタートアップ向けコミュニティ・プラットフォーム Hardware Massive と共催したミートアップでは、多くのスタートアップが直面する「量産化」を始めとする問題を解消するために、オンラインプラットフォームをどのように利用していくかを中心に意見が交わされた。

ソフトウェアを扱うスタートアップと比べ、ハードウェアを扱うスタートアップならではの課題が議題にあがった。「競争ではなくパートナーシップ」は、このミートアップの大きなテーマの一つとも言える。また、ハードウェアスタートアップを運営する起業家が登壇し、よりリアリティのあるストーリーが多く語られるイベントとなった。

ハードウェアスタートアップにとっての「死の谷」である量産化の問題を解決するため、Makers Boot Camp は京都試作ネットと協力し、スタートアップが製品を量産化するプロセスの支援を行った事例を、Makers Boot Camp の Sabrina Sasaki 氏が紹介した。

ハードウェアスタートアップ・エコシステムを代表する3人によるプレゼンテーション

続いての Hardware Massive の Greg Fisher 氏によるプレゼンテーションは、「皆さんの中で量産化プロダクトを開発している方、企画している方はいますか?」という問いから始まった。

彼は、ハードウェアスタートアップの量産化には多くの問題があり、彼らが競争ではなくパートナーシップ、つまり連携することによってそれらの問題の解決を目指していることを強調した。具体的には、彼は、エンジニアリングの過程で必要となる莫大な費用を始めとする問題を上げ、スタートアップがそれらの問題を乗り越えていく環境を作るために、Hardware Massive が行なっている活動を紹介した。

Hardware Massive 創業者の Greg Fisher 氏

彼はハードウェアスタートアップを「物理的生産物をフルスケールの流通へとのせることが目的であるスタートアップ」と再定義した。

それを踏まえた上で、Hardware Massive は

  1. ネットワーキング
  2. 教育
  3. リソースへのアクセス

……をミッションとして掲げているとした。

Hardware Massive は世界中に支部を持ち、ウェブサイト上でそれぞれの支部、スタッフ、イベント等の情報を共有し、またニュースやイベントを始めとした種々のリソースを提供していることにも触れ、ハードウェアスタートアップがアクセスできるグローバルなプラットフォームが実現しつつあることを示した。

LifeChair の Karlos Ishac 氏

続いて登壇した LifeChair の Karlos Ishac 氏は筑波大学の大学院生でもある。Lifechair は彼が起業した二つ目のスタートアップであり、スマホやパソコンの長時間使用やデスクワークによってもたらされる身体的問題や生産性の低下などの問題などを解決するためのプロダクトを開発している。姿勢改善の機能や、使用者の姿勢をチェックし、バイブレーションによって正しい姿勢へと導くといったような機能も兼ね備えている。

彼は幼少期から発明に興味を持ち、14歳の時には非公式のビジネスを行っていたと語った。彼はシドニー大学卒業後に職を探したが、母国のオーストラリアでは農業や海上関係の仕事が多く、どうしても興味を持てなかった。そんなとき、彼は筑波大学の OMECHA に出会い、日本での進学を決意。その飽くなき探求心で今までに医療用ロボットなど、さまざまなプロダクトを発明してきた。

彼は現在のチームメンバーに、「一つのプロダクトに固執するな」と常々強調しているそうだ。数々の製品を発明してきた彼の柔軟な考え方は、ハードテックスタートアップが生き残る上での重要なポイントとなるだろうと感じた。

NAIN の山本健太郎氏

プログラム前半の最後に登壇したのは、日本のスタートアップである NAIN の山本健太郎氏。彼は北海道大学で複雑系工学などを学んだ後に、パイオニアでカーナビや関連機器の開発、企画担当に従事した経験を持つ。

彼は自分のことを「スマートフォンをいちいち手に取るのも嫌なほど面倒くさがり屋」だと言い、これを解決するためにアイズフリーの(目を使わないで済む)インターネットデバイス「APlay」を開発した。また彼らはさらにスマートフォンと連携可能なオーディオに目をつけ、ワイヤレスかつ音声認識可能なデバイスの開発を行い、その量産化を目指している。

スタートアップのためのプラットフォームは、常にオープンであるべき

この日のプログラムでは、2つのパネルディスカッションが行われた。

まずは、Hardware Massive 創業者の Greg Fisher 氏 と Makers Boot Camp CEO の牧野成将氏の二人が、ハードウェアスタートアップを支援する側の視点で議論した。ソフトウェアスタートアップと比べ、ハードウェアスタートアップが直面する資金やネットワークに関する難しさについて触れ、オンラインプラットフォームの重要性について互いの意見を述べた。

多くのピッチイベント等のイベントが行われているが、一度きりのイベントではなく、継続的なコミュニティを実現したかったので Hardware Massive を立ち上げた。競争ではなくコラボレーションを意識しており、オープンな姿勢を非常に大切にしている。(Greg 氏)

今日、さまざまなオンラインプラットフォームが乱立しているが、この Hardware Massive のオープンな姿勢はこれからのハードウェアスタートアップに欠かせない存在となり得るだろう。最後に Greg 氏は日本のスタートアップに向けて、次のようにメッセージを送った。

孤立化を避けオープンでありつつ、失敗を恐れずに世界へと挑戦するべきだ。

続いて、登壇者の一人である PLENGoer Robotics  の富田敦彦氏が、同社が開発した「PLEN Cube」についてのプレゼンテーションを行った。

私はテクノロジーが人間に取って代わるとは思いません、人間の生活を豊かにするものです。

彼はそのような思いから、手のひらサイズに収まり、我々の生活の中で記録し、共有したい重要な瞬間を逃さず捕えてくれるアシスタントロボット PLEN を開発したと述べた。彼のチームは、我々の生活をより楽しませてくれるプロダクトの開発を実現しようとしている。

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ハードウェアスタートアップにとっての困難と挑戦

そして、いよいよ最後のパネル「Challenges for Hardware Startups」を迎えた。大阪のコワーキングスペース The Deck の森澤友和氏をファシリテーターに迎え、 NAIN の山本健太郎氏、LifeChair の Karlos Ishac 氏、そして PLENGoer の富田敦彦氏の3人がそれぞれのスタートアップの取り組みや、今後の展望を語り合った。このセッションではオンライン上で質問を受け付けるサービス sli.do を用いてオーディエンス側からの質問を受け付けた。

森澤氏がクラウドファンディングに関しての質問を投げかけたところ、PLENGoerの富田氏は、

重要な取り組みではあるが、支援者が増えることでチームのメンバーが満足してしまい、今後の取組に支障が出てくる危険性がある。

と答え、彼の視点は斬新であり非常に興味深かった。

また、会場からは「学生時代に行うべき活動へのアドバイスを受けたい」との質問が上がり、現役の学生である Lifechair の Karlos 氏は、「できる限り早い段階でスタートアップのコミュニティに触れるべき」とアドバイスを将来の起業家へのエールとした。

「チームをモチベートするためにどうしているか?」といった質問に関しては、NAIN の山本氏は

私を始めとしてチームの皆も怠け者であり、だからこそ便利なプロダクトの開発を行いたいと思った。

とユニークな回答をし、各社の特色が際立つセッションとなった。

3人の起業家は、それぞれのスタートアップが次のステップに向かうために、資金調達およびクラウドファンディングの達成、そして最終的なプロダクトの完成などが必要であると述べ、このセッションを締めくくった。

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ハードウェア・スタートアップ特化型アクセラレータ「Makers Boot Camp」運営、京都銀行をアンカーLPとして20億円規模のファンドを組成

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京都を拠点とし、ハードウェア・スタートアップ特化型アクセラレータ「Makers Boot Camp」を運営する Darma Tech Labs は7日、京都市内で記者会見を開き、京都銀行(東証:8369)をアンカー LP として20億円規模の投資ファンドを組成することを発表した。GP は Darma Tech Labs が務める。この記者会見には、Darma Tech Labs 代表取締役の牧野成…

左から:名高新悟氏(京都試作ネット副代表理事)、竹田正俊氏(Darma Tech Labs 取締役/京都試作ネット理事)、牧野成将氏(Darma Tech Labs 代表取締役)、仲雅彦氏(京都銀行常務取締役)
Image credit: Darma Tech Labs

京都を拠点とし、ハードウェア・スタートアップ特化型アクセラレータ「Makers Boot Camp」を運営する Darma Tech Labs は7日、京都市内で記者会見を開き、京都銀行(東証:8369)をアンカー LP として20億円規模の投資ファンドを組成することを発表した。GP は Darma Tech Labs が務める。この記者会見には、Darma Tech Labs 代表取締役の牧野成将氏のほか、地元の製造業団体である京都試作ネット副代表理事の名高新悟氏、同理事の竹田正俊氏(Darma Tech Labs 取締役を兼任)、京都銀行常務取締役の仲雅彦氏らが同席した。

ファンド名は「MBC Shisaku 1号投資事業有限責任組合」で、運用期間は10年間。日本、北米、欧州のアーリーステージのハードウェアスタートアップに集中的に投資する。重点投資領域は、IoT、ロボティクス、センシング、ネットワーク、ビッグデータ解析、メディカルデバイス、介護、ライフスタイル、環境・エネルギー。

今回のファンド組成に伴い、Darma Tech Labs には フューチャーベンチャーキャピタルの元最高投資責任者の木村美都氏、公認会計士の桑原学氏がマネージング・ディレクターとして参画、ニューヨークを拠点とする FabFoundry との提携分野を拡大し、FabFoundry CEO の関信浩氏が Darma Tech Labs の取締役に就任する。

Makers Boot Camp を運営する Darma Tech Labs では、京都市内のコワーキング・スペース「MTRL Kyoto(マテリアル京都)」を会場に「Monozukuri Hub Meetup」を定期的に開催し、ハードウェア・スタートアップのコミュニティ形成に注力している。2月に大阪で初開催された「Monozukuri Hardware Cup」では8チームの日本のハードウェア・スタートアップが登壇し、QDレーザ、PLENGoer、VAQSOの3チームが、ピッツバーグのハードウェア専門アクセラレータ「AlphaLab Gear」が開催する、ハードウェア・スタートアップ・ピッチコンペティション「National Hardware Cup」に招かれることが決定している。

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Monozukuri Hardware Cupでファイナリスト8チームがピッチ登壇——QDレーザ、PLENGoer、VAQSOは米本家イベントへの出場・出展権を獲得【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp  のコミュニティマネージャーの二神麻里氏とよる寄稿を再構成したものである。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、tumiki photo の松浦未希氏による撮影。 Monozukuri Hardware C…

mari_futagami 本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp  のコミュニティマネージャーの二神麻里氏とよる寄稿を再構成したものである。

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、tumiki photo の松浦未希氏による撮影。


Monozukuri Hardware Cup 2017 が、2017年2月9日に Hack Osaka 2017 の共催で初開催されました。Monozukuri Hardware Cupは、「世界を舞台に活躍する日本のモノづくりスタートアップ企業」の登竜門となるべく、モノづくり起業推進協議会が主催するピッチコンテストです。

モノづくり起業推進協議会は Darma Tech Labs(京都)、FabFoundry(ニューヨーク)、TechShop Japan(東京・港区)の3社により立ち上げられています。このコンテストは2015年から米国で開催されている「National Hardware Cup」の日本地区予選という位置づけになっています。さまざまなな全国大会と言うのは東京で行われる場合が多いですが、今年を含めた今後3年間は関西で Monozukuri Hardware Cup を開催することが決定しています。

Hardware Cup Final は米国ピッツバーグで2015年より開かれていますが、地方都市であるピッツバーグで開かれるのには理由があるのです。もともと鉄鋼の街として栄えたピッツバーグですが、1970年代に安価な輸入鉄鋼により、地方経済は致命的なダメージを受けました。カーネギーメロン大学を始め優れた大学を有する学術都市としての一面もあるピッツバーグは、産業基盤をハイテク産業をはじめ、保健、教育、金融へと転換し、1980年から徐々に新しい都市に変貌を遂げました。

Google、Apple、Facebook などのイノベーション部門が集まり、さらに創造的な環境へと発展を続けています。そんなピッツバーグを本拠地とし、Seed Accelerator Rankings Project で全米Top 20にも選出されたハードウェア専門のアクセラレータ AlphaLab Gear が Hardware Cup Final を主催しています。AlphaLab Gearはキープレイヤーとして学術界、産業界、VC などとピッツバーグに有機的なエコシステムを作り上げています。

AlphaLab Gearの Ilana Diamond 所長は、Hardware Cup を開催する理由を次のように語っています。

米国では、ハードウェア・スタートアップは、ウェブやアプリ・スタートアップと比べて、出資を受けるのに苦労している。投資家やメディアの理解が得られていない。

ピッチとブース出展

今回参加したスタートアップ8社の開発製品を直接体験してもらえるブースを用意して、来場者にも体験してもらいました。実際に手に触れて、体験してもらうことでハードウェア開発への理解がより深まり、同時にスタートアップ同士の交流も進んでいたようです。

1社4分間の持ち時間でプレゼンし、5分間の審査員からの質疑にすべて英語で対応しつつ、米ピッツバーグで開催される決勝大会の切符を争うことになります。これは米国ファイナルと同じ形式で、本選を見据えた戦いとなりました。

アトモフ

アトモフ共同創業者兼CEO 姜京日氏

最初の登壇者は京都のアトモフです。アトモフは世界初のスマートなデジタル窓「Atmoph Window」を開発し、家庭に新たな旅行体験を広げることを目指しています。創業者兼CEOの姜氏が米国で窓のない環境を変えたいと思った経験からアトモフを開発したそうです。

液晶ディスプレイに世界中の風景動画と音が流れ、ハワイやニュー ジーランド、スイスやパタゴニアなど、まるでそこにいるような気分が味わえるそうです。窓専用の映像はすべて独自に提携カメラマンらによって4Kで撮影され、アプリ上から購入することが可能です。世界30カ国から500以上の画像が現在アップされているそうです。また天気予報や時間など日常生活で必要な情報も表示が可能となっています。

今後はヘルスケアやホームハブとしても応用利用も視野に入れているそうです。

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Dendama

Dendama CEO 大谷宜央氏(右)

Dendama は、対戦できるけん玉「電玉」として世界展開を目指しています。けん玉の競技人口は、日本だけで300万人とも言われており、世界中でブームとなっています。Dendama は、アプリと連結した複雑な技の判別も可能なセンサーを搭載したけん玉で、世界中のプレイヤーと対戦することが可能となります。

今後は Kickstarter や SXSW への出展を計画しており、ARとの連携も視野において活動を行っていく予定だそうです。

Lightflyer

Lightflyer CEO 柿沼薫氏

東京大学発のスタートアップで、13年間に及ぶ「マイクロ波ロケット」のノウハウを活かしたテクノロジーを利用した超小型衛星打ち上げサービスを行っていく計画です。Lightflyer のロケット打ち上げ装置は、既存装置による場合のコストの1/100、具体的には超小型衛星1機に対して、数百万円程度にまで抑えることが可能です。

超小型衛星を低軌道投入出来る装置の完成に向けて、東京大学や Carnegie Mellon University と連携し研究開発の体制を整えるそうです。

mille-feuille

mille-feuille の河吉成氏

誰でも回路図が自動で作れる自動回路図生成ツール「mille-feuille(ミルフィーユ)」を使い、プログラマやアーティストが自由に自動でカスタム回路を作れるようにサポートします。mille-feuille はベース基板、モジュール基板、デバイス基板で構成されており、デバイス基板部分はオープンハードウェアとし、回路設計者も自由に参加し販売できます。

基本的には基板の販売が同社の最初の利益となりますが、回路図(及びそのファームウェア)生成ツールは Web ツールなので、個別にカスタマイズし企業にライセンス販売することも計画しています。また、デバイス基板のマーケットプレイスを用意して、Google Play のようなサービスへも応用できるそうです。

PLENGoer Robotics

PLENGoer Roboticsの富田敦彦氏

オリジナルなパーソナルアシスタントロボットを開発している PlenGoer Robotics。CES でも出展した、カメラ機能や家電をコントロールしてスマートホームに変換できるパーソナルアシスタントロボットを今回ピッチで紹介してくれました。

これまでのカメラは、自分でシャッターを押すものでしたが、PlenGoer Robotics のカメラはシャッターチャンスを認識するため、自動で自然な写真を撮影することができます。

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QD レーザ

QDレーザ 視覚情報デバイス事業部 事業開発マネジャー 宮内洋宜氏

QD レーザはフレームの内側に内蔵したレーザープロジェクタから、装着者の網膜に直接映像を投影する網膜走査型レーザアイウェアを開発しています。全盲ではないものの、ぼやけた世界の中で暮らしている視覚障害者(ロービジョン)は日本国内に約150万人、途上国も含めれば世界で2億5千万人いるといわれており、QD レーザの開発は彼らの生活の質を上げる可能性を秘めています。

特別に設計された光学系により、視力やピント位置など目の調節機能に関係なく、鮮明な映像を投影でき、この特性を用いて主に前眼部(角膜や水晶体)に起因する視覚障害者が、視覚を取り戻すための医療機器、福祉用具としての開発を進めているそうです。さらに、AR(拡張現実)やスマートグラスといった今後の拡大が期待される用途への応用も可能であるとのことです。

Secual

Secual COO 西田直樹氏

Secual(セキュアル)」は、IoT を活用した新しいホームセキュリティの実現を目指し、2015年6月に設立されたスタートアップです。Secualのデバイスは簡単に設置可能で、窓やドア等の振動をセンサーが検知し、ゲートウェイ経由で弊社システムに情報を送信・解析し、スマートフォン・アプリに通知してくれます。

デバイスは1万円台から購入可能、配線工事不要で簡単に設置可能なため、価格の高さや賃貸住宅暮らしで設置工事が出来ない等の理由でホームセキュリティの導入をあきらめていた潜在ユーザ層へアプローチし、月額使用料(税抜980円~)での収益化を狙っています。

Secual と連携した新しいデバイスも開発中で、外部組織との連携を深めて養護施設での活用等のビジネス展開を目指していくそうです。

VAQSO

VAQSO CEO 川口健太郎氏(右)

VAQSO が開発しているのは VR(バーチャルリアリティ)から匂いを出すデバイスで、HMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)に装着して使用します。VR のコンテンツと連動して複数のリアルな香りを表現することが可能となり、よりリアリティのあるVR体験が可能になります。市販品のすべてのヘッドセットに、取付可能だそうです。

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アワードセレモニー

優勝を勝ち取った QDレーザ

ピッチコンテストはカジュアルな雰囲気のコミュニケーションエリアで開催されましたが、表彰式はメインアリーナへ移動して行われました。

3位はVRにアタッチできる香りのデバイス VAQSO が、2位はパーソナルアシスタントロボット P LENGoer Robotics が勝ち取りました。そして栄えある優勝は網膜走査型レーザアイウェアの QD レーザに決まりました。

(左から)審査員の Jeffrey McDaniel 氏、高橋ひかり氏、 藤田修嗣氏

審査員長を務めた Jeffrey McDaniel 氏(米 AlphaLab Gear のアクセラレータ「Innovation Works」の Executive -in-Residence)からは「英語での発表は海外の投資家などに訴える大きな一歩だ。日本のモノづくりの土壌を活用して成長を」と日本のハードウェアスタートアップにとって励みとなるコメントをいただきました。

審査員の藤田修嗣氏(EO Osaka 会長)と高橋ひかり氏(BRAIN PORTAL 共同ファウンダー)からは、参加8社がビジネス発展していくための助言をコンペティション終了後にいただくなど、日本の起業文化を支えるべく素晴らしい支援を提供いただきました。

副賞

トラベルスポンサーを務めた、全日空 デジタルデザインラボ チーフディレクター 津田佳明氏

日本予選の優勝者 QD レーザには、4月19日〜20日にピッツバーグで開催される Hardware Cup Final へのピッチ出場権、トラベルスポンサーの全日空から日本→ニューヨークの往復チケット、旅費補助として30万円が贈られました。

2位入賞の PLENGoer Robotics と3位入賞の VAQSO には、Hardware Cup Final のデモエリアでの展示と旅費補助(2位20万円、3位10万円)が送られました。さらに上位入賞者にはニューヨークやピッツバーグでの、Hardware Cup Demo Day への参加権利なども授与されます。

今回初めての開催となった Monozukuri Hardware Cup 2017 ですが、24社の応募から書類選考を経て8社がファイナリストとして登壇を許され、独自技術を持つ製品とビジネスプランで、 Hardware Cup Final への挑戦権を得るべく激しい戦いを繰り広げました。

Monozukuri Hardware Cup の関西での継続的な開催が、日本のハードウェアスタートアップの更なる発展に寄与するとともに、モノづくりエコシステムを作り上げていくための足がかりとなることを祈るばかりです。

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スタートアップに求められるストーリーテリングの力〜京都・Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp のボランティア・サポーターで、シンガポール国立大学(国際学部)の学生である Joey Ho Nihei 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。 本稿における写真は、写真家の…

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Joey Ho Nihei 氏

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp のボランティア・サポーターで、シンガポール国立大学(国際学部)の学生である Joey Ho Nihei 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。

本稿における写真は、写真家の逢坂憲吾氏による撮影。


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Makers Bootcamp は、日本を代表するハードウェア・アクセラレータで、大成功している Monozukuri Hub Meetup のオーガナイザーでもある。このミートアップは、国境を超えたコラボレーションや情報交換のプラットフォームとして機能することで、maker のコミュニティを構築し、支援し、鼓舞することを目的としている。

「The Power of Storytelling(ストーリーテリングの力)」と題された、2016年の Monozukuri Hub Meetup の直近の回では、Makers Bootcamp はテック業界で最も旬なストーリーテラー、投資家、スタートアップの起業家を集め、スタートアップにとって説得力のあるストーリーの築き方や生かし方について洞察を共有した。

今回のミートアップでは、スタートアップにとって、投資家の最初の関心の惹き方からスタートアップの価値の消費者への伝え方まで、それぞれの方法において、どれだけパワフルで効果的なストリーテリングが典型的かというテーマが取り上げられた。端的に言えば、ストリーテリングは、スタートアップが投資を勝ち取るだけでなく生き残る上で、必ず持っていなければならないパワフルなツールだ。

この夜のプレゼンテーションでは、ストーリーコンサルタント、投資家、スタートアップの3つの主な視点が披露された。互いに近い関係ながらも異なる視点からストリーテリングの進め方を見られたのは素晴らしかった。

Makers Bootcamp の Sabrina Sasaki 氏によって、この夜のセッションが開始された。彼女は、ストーリーテリングの技術とスタートアップの成長にとっての重要性を紹介し、その後のプレゼンテーションで起こるであろうマジックに向けて、参加者達をウォームアップした。彼女は(筆者を含め)ストーリーテリングの技術に慣れていない人たちに、簡単なプレゼンテーションをしてくれた。彼女がプレゼンテーションで伝えた重要なメッセージの一つは、スタートアップのマーケティングにおいてストーリーが重要な役割を果たし、革新的な製品を作るのと同じくらい重要ではないかということだった。

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Storymaker のマネージングパートナー Björn Eichstädt 氏

最初に登壇した Storymaker の Björn Eichstädt 氏は、ストーリー指向のコミュニケーションコンサルティング、PR、デジタルコミュニケーション会社の経営を通じた膨大な経験から得たエピソードを共有し、コンサルタントとしての視点を提示した。 彼は、多くの情報が絶えず押し寄せてくる世界において、企業のアイデンティティと価値や伝えるパワフルなストーリーが重要視されていること、また(トレンドを追うのではなく)独創性こそが唯一の真の方法であると語った。

聴衆に特別な印象を与えた言葉は、彼がストーリーを日本の出汁になぞらえたものだった。

ストーリーは出汁のようなものだ。出汁は適切な食材でのみ作ることができるが、それは実にさまざまな形で表現できる。もし顧客やメディアがそれを好きになれば、それを再び思い出してくれるだろう。

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500 Startups Japan 代表 James Riney 氏

Eichstädt 氏に続いて登壇した 500 Startups Japan 代表の James Riney 氏は、ストーリーテリングに対する投資家の視点を共有してくれた。投資家が起業家のピッチを聞くとき、何を見ているかというものだ。

彼が常に重視してきた主なテーマは、投資家にプレゼンテーションするわずかな時間の中で、起業家のアイデアや価値観、そして信頼と自信を得る必要を示す際に、表現をシンプルにするということだ。これを行う最善の方法は、トラクション、チーム、ターゲット市場、メディアによる報道、または、投資家や資金を切望していることのいずれかについて、そのスタートアップの強みを強調することだ、と彼はアドバイスした。

簡単に言えば、起業家に求められるのは「なぜこれなのか? なぜ今なのか? そして、なぜあなたなのか?」を単純簡潔に話すこと。彼はまた、スタートアップが資金調達を求めるときに、いくら必要か、何に使うのか、その金額でどのくらいもちそうかなど、物事をシンプルに伝えることの重要性を強調した。

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プレゼンテーションの後半では、中西敦士氏と高瀬昇太氏がそれぞれ、DFree と Blincam のストーリーを共有してくれた。彼らのストーリーは、スタートアップを前進させる上でパワフルなストーリーを効果的に活用する方法の、生きた証と言えるだろう。

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DFree CEO 中西敦士氏

DFree CEO の中西敦士氏は、以前、パンツを履いたままウンコを漏らしたことがある。彼は世界中にこの話をするのを恥ずかしがらない。この事実こそ、超音波を使って身体の変化を検知しトイレのタイミングを予測することで、人間の尊厳を守る世界初のウエアラブルデバイスの開発につながったことに他ならないからだ。「誰もパンツを汚さなくていい世界を作る」という彼のプロダクトのビジョンは、そのストーリーを披露する方法と同じく革新的だった。

彼は、聴衆に次の質問をすることから話を始めた。「パンツにウンコを漏らしたことのある人はいますか?」会場は、間違いなく大きな笑いに包まれる。

このような、恥ずかしいながらも個人的で親しみやすい話は、独創性や驚きの要素を重視するストーリーテリングで重要な要素であることが証明されている。プレゼンテーションを終えるにあたり、彼は DFree の将来像を共有した。それは、トイレのタイミング、食欲、生理周期、老化、そして人の寿命まで、すべてを予測することで、誰もが将来、生き方を大きく変えるというものだ。

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Blincam CEO 兼創業者 高瀬昇太氏

最後のプレゼンテーションに登壇したのは、Blincam のCEO 兼創業者の高瀬昇太氏だ。Blincam のストーリーは、Startup Weekend のセッションで偶然に始まり、高瀬氏の、家族の自然で美しい写真を撮りたいという強い欲望からから始まった。 Blincam の背後にある重要なインスピレーションは、高瀬氏の娘が写真を撮られていることを知ったときに、カメラでいつも面白い顔をするため、高瀬氏が自然な娘の写真を撮ることができないことだった。

多くの人々とビジョンから生まれた Blincam とが共有した、自分の子供たちの魅力的で美しい写真を撮りたいという願いこそ、Blincam が大事にしていたものだ。瞬きするだけで、自然な写真が撮影できるウエアラブルのハンズフリーカメラ。高瀬氏は、事業をガレージで事業を始めてから、Makuake で目標額の2,640%、さらに最近 Indiegogo で目標額の150% を達成するまでに至った道のりを一つずつ共有してくれた。

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このイベントでは役立つ知識に富んだストーリーが紹介され、テック業界の最も旬なストーリーテラーや聴衆(投資家)が参加していた。Makers Bootcamp は、参加者一人一人に改めて謝意を表したい。このミートアップが我々同様、皆さんにも役立つことを願って。近いうちに再びお会いしましょう。

すべてのスピーカーのプレゼンテーション・デッキや詳細な情報は、ここから参照することができる。

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