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韓国のパパ2人が作った「メンプル」—1杯のコーヒーで人生は変わる

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【原文】 コーヒー1杯で人生を変えることができるか? コーヒーが人生を変えられなくても、私にアドバイスをしてくれるメンターは、明らかに私の人生に大きく影響を与える可能性だろう。今年5月から、もう一つの人生を進もうとしている、2人の男性を紹介したい。ノックオン・ピープル(노크온피플)のイ・スンホン(이승헌)代表と、イ・チャンフン(이창훈)企画チーム長は「メンプル(멘플)」というサービスを、24日ベー…

【原文】

コーヒー1杯で人生を変えることができるか? コーヒーが人生を変えられなくても、私にアドバイスをしてくれるメンターは、明らかに私の人生に大きく影響を与える可能性だろう。今年5月から、もう一つの人生を進もうとしている、2人の男性を紹介したい。ノックオン・ピープル(노크온피플)のイ・スンホン(이승헌)代表と、イ・チャンフン(이창훈)企画チーム長は「メンプル(멘플)」というサービスを、24日ベータ版で開始した。サービス紹介に先立ち、共同創業者二人が事業を始めることになった経緯について、率直な話を聞いてみた。

左から、キム・ジョンデ(デザイナー)、イ・ヨンシル(開発チーム長)、イ・スンホン(代表)、イ・チャンフン(企画チーム長)

 

青年起業家イ・チャンフン氏

4年前、青年イ・チャンフンは大学を卒業し、周囲の友人たちがそうであるよう大企業に就職した。ちゃんとしたS大企業(訳注:韓国語で、ソウル市内/近郊の大企業を指す)に通いながら、現在の妻とも結婚した。キャリアを積み評価も得て、日本への派遣勤務も経験した。日本の横浜での生活は、新婚夫婦には長い新婚旅行のようだった。幸せな日々は終わらず、2010年4月に第一子が生まれた。初めての子供を持った喜びも束の間、一ヶ月も経たないうち、日本列島が揺れた。大地震だった。

あの大地震が、本当に人生の転機になりました。「こういうことで死ぬかも」と思わずにはいられなかった。大事な家族はもういたし…。

イ・チャンフン氏は大地震を経験し、後の人生について深く考えることになる。大企業に入って日本で働いていたとき、自分の意志で決めたことはなかったそうだ。大学卒業前に、仕事に対してもっと考える必要があったと後悔したが、すぐに自身の人生の進路を変える勇気は出なかった。当時、勤務していた会社から抜け出したい一心で、勉強をすると決心した。国内外の大学6校にMBAの申し込みをした。一つ二つと不合格の通知が届いた。イ・チャンフン氏は、学業を継続すると決心したのは、現実逃避の選択肢の一つに過ぎなかったと、自分の心情を率直に打ち明けた。進路について、現実逃避したことを反省し、自分の人生を変える前に、まず、よりアグレッシブな人々に会ってみようという思いから、3ヶ月前にソウル大学で開かれたスタートアップ・ウィークエンドに参加することにした。

青年起業家イ・スンホン氏

イ・スンホン氏は、幼い頃から起業への熱意のある挑戦的な若者だった。しかし、そんな彼も、まわりの企業へ就職すべきという雰囲気から逃れることはできなかった。周囲の人々が話す成功した会社員の姿は、安定した職場に勤務するというもので、周辺の人々の意見に沿って、卒業後は公共機関で働くことになった。しかし、他人の基準で選んだ職業に本人は満足できなかった。何よりも自分の適性と合わなかった。

イ・スンホン氏は、ほどなく結婚し、子供も持った。起業の欲は強く持っていたので、2年前からは、起業の考えをもって、仕事の後、一人で毎日のようにコーヒーショップを訪れたという。夜遅く、喫茶店に一人で座り、何を起業できるか書き綴っていった。そんな生活が4ヶ月間続いた。可能性のある起業アイデアが複数生まれ、本格的に開始をしてみようと、職場に通いながら面識のない人々に連絡して会い始めた。未経験の分野に飛び込むには、その分野の人に会うことが最善の道だと思ったからだ。

面識のない人々に初めて会うのは実に難しいことでした。でも、一度会ってみると、助けを求めて来た私に、ほとんどの人が自分が持っているものを分け与えようとしてくれました。

起業したい一心で、人を見つけて会っていた期間が終わりにさしかかった頃、自分が人に会うのに、もっと効率的なプラットフォームが必要だと思うようになった。自分が必要であると切実に感じ、アイデアに確信を持ち、サービスを企画した。そのころ、二番目の子供が生まれた。これ以上遅らせられないと感じて、勤務していた職場をやめた。彼は自身の起業アイデアを伏せたまま、一緒に起業する人を探すため、スタートアップ・ウィークエンドに行くことになった。

2人の〝パパ〟の出会い – スタートアップ・ウィークエンド

スタートアップ・ウィークエンドは企画、開発、設計、営業、マーケティングなど各分野の情熱的な専門家たちが集まって、約54時間、新しい起業アイデアを発掘し実際に開発する。このような形式の集まりを、ハッカソン(Hackaton:Hacking + Marathon)と呼ぶ。第7回スタートアップ・ウィークエンドは、ソウル大学で行われた。

職場を辞めた二人の若いパパは、スタートアップ・ウィークエンドで出会った。2歳児を抱えながら、進路に対する真摯な悩み持ち始めたという点、起業のために通っていた会社を辞めたという点が通じたためか、2人は2泊3日の間、スタートアップ・ウィークエンドの一つのチームで、互いを知り合って行くことができた。スタートアップ・ウィークエンドが終わると、イ・スンホン氏はイ・チャンフン氏を喫茶店に呼んだ。これからどんな仕事をして、どう生きていくか、真剣に話が交わした。スンホン氏は、自分が長い間準備してきたアイデアを提示し、チャンフン氏の意見を聞いた。チャンフン氏は「これこそ、自分の生活の中でずっと必要としてきたサービスだ」と喜んだ。二人は翌日から、このサービスを一緒に準備することになった。(起業したイ・チャンフン氏は、ソウル大学のMBAコースに合格したというニュースを聞いた。おめでとうございます。)

1杯のコーヒーで人生を変える「メンプル」

現代、若者の離職率が高いのは、仕事の内容についてよく知らないまま就職しているからだ。

メンプルは、就活中の学生にに必要なサービスだ。今後選択する仕事の内容をまだ知らない学生に、既に仕事している人々に会う機会を斡旋する。就活中の学生だけでなく、離職に悩んでいる人にも役立つことができる。7月24日ベータ版サービスをオープンしたメンプルには、現在300人のメンターが登録されている。会いたいメンターが居れば、メンティは2人分のコーヒーの代金を前払いする。こうして出会うと、メンティは何かをお願いして受けようとする立場に、メンターはメンティに何かを与えなければならない立場に置かれることになる。そんな立場を考える人は多くないが、私達が知らず知らずに人に会うことが負担に感じるようになるのは、背景にそんな利害関係の計算が働くからではないだろうか。メンプルを通じて出会うと、そんな計算から開放される。お願いする立場であるメンティはメンターにコーヒーを買ってくれ、メンターには、30分という、事前に約束した時間があるので、自分の大切な時間を無駄にする心配もなくなる。天は自ら助くる者を助くと言ったのか。誰かにお願いする立場なら、コーヒ代5,000ウォン(約350円)くらいなら出せるだろう、というのがノックオンピープルの考えだ。出会いを通じて、メンターも自分の仕事について説明し、誇りを感じ、誰かに助けになることできたという気持ちで満たされる。メンティがメンターから何かを得るだけではないようだ。

「進路」というのは、本当に重いテーマですね。私は誰かに魅了されたり、驚くような人に出会う体験は、すべてオフラインで起きました。進路の悩みは、オフラインで解決されるべきだと思っています。

最近のオンライン・プラットフォームやバーティカル(職業別)SNSは、オフラインの活動をオンラインに移す傾向がある。このアイデアに対して、冷ややかな反応を示す人も多い。オフラインでできる活動を、あえてなぜオンラインにする必要があるのか、よくわからないというのがその理由だ。そのような観点から、メンプルの、オンラインを通じてオフラインの出会いを作り出すという方向性は、肯定的に見ることができる。

2人の共同創業者が退社を決心するまでに経験した多くの悩み、韓国のすべての就活生が持つ悩み、転職を検討している人々の悩みを、メンプルを通じて少しは解決することができないだろうか? メンプルを通じて作られる出会いは、単に仕事のアドバイスだけではなく、韓国の青年たちの情熱がどこへ向かうべきか、マイルストーンを示してくれているので、より貴重なことだと感じられる。

ノックオン・ピープルのエネルギーは、どこから来るのか

メンプルには、すでに子供が5人います。

これまでに紹介した2人のパパに加え、開発チーム長は赤ん坊の母親なので、会社では「昨日、うちの子供にあせもが出た」とか、「おむつを他のものに変えなきゃ」などと、子育て話を冗談まじりによく話している。結婚もしておらず、悲しんでもいないときに起業した方がよいとアドバイスされることが多い。これは起業が失敗したときのリスクのためで、育児や家庭に神経を使うには多くの負担を伴うからだ。しかし、イ・チャンフン氏は、よく言われるこの話には異議を唱えた。

もし、私が独身でスタートアップを始めたとしたら、今のような感じにはならないだろう。会社で大変なことがあると、若い頃なら周りの人とケンカしたり、お酒を飲んで自分を抑えたかもしれないが、今は家庭があり、子供がいて、外で大変なことがあっても、家で寝ている子供の顔を見るだけで、次の日に仕事に行く気力が生まれる。

幸いなことに、2人の共同創業者にとって、家族は重荷ではなく、エネルギーの源であった。筆者も2人の共同創業者の話を聞きながら、会社に務める生活をしていた人が自分のエネルギーを注げる場所を発見したことについて、非常にうれしく思えた。2人の創業者の輝く眼差しを見て、改めて「なぜ、私たちは起業すべきか」という問に対する答えを見つけることができた。

【via BeSuccess】 @beSUCCESSdotcom

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