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ダンスやスポーツの自己トレーニング支援アプリ「ウゴトル」、MIRAISEから1,000万円を調達——指導者、スポーツ施設向け機能を強化へ

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ダンスやスポーツなど、身体の動きやフォームの改善など自己トレーニングを支援するアプリ「ウゴトル( iOS / Android )」を開発・運営するウゴトルは26日、MIRAISE からアーリーラウンドで1,000万円を調達したことを明らかにした。 ウゴトルは、学生時代から手書き作図インターフェイスの開発に注力、2008年上半期には未踏スーパークリエータに認定された西川玲(あきら)氏により2010年…

左から:MIRAISE CTO  布田隆介氏、ウゴトル CEO  西川玲氏、MIRAISE パートナー 岩田真一氏
Image credit: Ugotoru

ダンスやスポーツなど、身体の動きやフォームの改善など自己トレーニングを支援するアプリ「ウゴトル( iOS / Android )」を開発・運営するウゴトルは26日、MIRAISE からアーリーラウンドで1,000万円を調達したことを明らかにした。

ウゴトルは、学生時代から手書き作図インターフェイスの開発に注力、2008年上半期には未踏スーパークリエータに認定された西川玲(あきら)氏により2010年に設立(当時の社名は、アウン・インターフェース)。設立当時は、現在に比べるとインターフェイスデバイスにも限りがあったため、ファジー理論や幾何学曲線を取り入れた、手書きでも美しい作画が描けるソフトウェアを開発していたのだそうだ。

ただ、当時はデバイスの普及率や市場の需要も少なかったこともあり、このソフトウェアは鳴かず飛ばずに終わる。その後、ソフトウェアの受託開発を続けながら、オリジナルのアプリやサービス開発でスタートアップするタイミングを伺っていたが、そんなチャンスが思わぬところから西川氏のもとに現れることとなった。彼が長年のライフワークとしてきたサルサだ。

社会人になってからサルサを習っているが、熱心な生徒さんは、先生の動きをスマホの動画で撮って、一コマ一コマスロー再生しながら前送りしたり巻き戻したりして、動きを確かめていた。非言語でも、動きで文化を教えられるものがあるんだ、と思った。(西川氏)

「ウゴトル」

西川氏によれば、統計データを総合すると、日本にはダンススポーツの習い事を受講している人は450万人ほどいて、さらに学校を中心に運動部やサークルに属する人たちが470万人ほどいるという。ザックリみて900万人の市場があることがわかり、ビジネスの可能性を感じた西川氏は、ウゴトルの本格的な開発に着手した。その目論見は的中し、現在、iTunes AppStore では85万ダウンロード、MAU 5万ユーザを超えるアプリに成長、日本国内「スポーツ」カテゴリで20位にランクインしている。

ウゴトルで現在できることは、デバイスをなぞる操作だけで手本となる先生の動きや自分の動きを録画し、コマ送りで自由に再生できること、そして、その先生の動きと自分の動きをオーバーラップさせ、その差分を見極めて、フォームの改善を支援するというものだ。パーソナルジム、少年野球、芸能、ゴルフはもちろん、最近では、学校の授業で使ってみたという事例の声が多数寄せられているという。

遠隔と非同期という2つのことに対応できるのが、今後、重要になってくると思う。ダンスでもスポーツでも、教えてもらう生徒さんは昼間仕事していて、先生が教えられる時間は限られてしまう。ウゴトルでは将来、先生と生徒を繋ぐような機能も備えていきたい。身体の動きを学ぶ上では言葉もいらないし、サルサをメキシコから遠隔で教えてもらうこともできるかもしれない。(西川氏)

「ウゴトル」

今回調達した資金を元に、ウゴトルは今後、ダンスやスポーツの練習支援サービスとしての機能を強化し、2019年秋には指導機能の追加や施設プランの展開(インストラクターが生徒支援に活用、スポーツ施設などでの導入を想定)、来年には、インストラクターとの動画を通じたコミュニティ形成を展望する。

既に生徒がいるインストラクターにとっては、生徒へのアフターケアをより綿密にできるという意味で、サービスの差別化が図れる。生徒には動画を見ながら練習してもらうことで、対面していない時の上達スピードが速くなる。スポーツ施設は、例えば、ボウリング場などでプロのワンポイントアドバイスのようなものが提供できないか、と考えている。(西川氏)

将来は、料理のレシピ動画よろしく、ダンスやスポーツ練習動画のマーケットプレイスも創出できるかもしれない。同じアプリのカテゴリに属する YAMAP のように、スポーツ用品市場などにもマネタイズ手段を拡大できる可能性もある。少しバーティカルは異なるものの、オーディオフィットネスアプリの「BeatFit」はスポーツクラブ大手ルネサンス(東証:2378)と提携、腰痛対策アプリ「ポケットセラピスト」はジェクサーと提携したのも記憶に新しい。

ウゴトルの今後にも注目だ。

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ソフトウェア系特化ファンドのMIRAISEに、学生向け教育サービス「TRUNK」CTOの布田隆介氏がジョイン——5社への投資実行も明らかに

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写真のドレッドヘアの人物に見覚えがある読者は少なくないだろう。学生向け教育サービス「TRUNK」の CTO 布田隆介氏だ。3月に人材大手のディップ(東証:2379)が TRUNK を関連会社化したことが発表されたが、節目を経て、今月からソフトウェア系特化ファンドの MIRAISE に CTO として参画することが明らかになった。MIRAISE と TRUNK には事業的なシナジーが期待できるため、…

左から:MIRAISE パートナーの岩田真一氏、CTO に就任した布田隆介氏
Image credit: Masaru Ikeda

写真のドレッドヘアの人物に見覚えがある読者は少なくないだろう。学生向け教育サービス「TRUNK」の CTO 布田隆介氏だ。3月に人材大手のディップ(東証:2379)が TRUNK を関連会社化したことが発表されたが、節目を経て、今月からソフトウェア系特化ファンドの MIRAISE に CTO として参画することが明らかになった。MIRAISE と TRUNK には事業的なシナジーが期待できるため、布田氏は TRUNK の CTO も兼任し、二足の草鞋を履くことになる。

布田氏の経歴は多彩だ。大学在学時には法曹界を目指していたが、2011年に発生した東日本大震災で、布田氏の出身地でもある東北地方が大きな被害を受け、ボランティア活動を経験。これをきっかけに、布田氏は IT の世界へと進むことになる。以降、ACCESSPORT、カヤックなどでエンジニアを務めた後、2015年7月設立の TRUNK に加わる。TRUNK は職業スキルを獲得したい学生に、エンジニアやデザイナーなど12職種の養成コースを提供していて、卒業後の学生を社員として迎えることに関心のある企業と提携、5,200名ほどからなる学生のコミュニティを運営している。

MIRAISE にやってくる起業家はソフトウェア志向であるため、経営知識やビズデブ力が強くないケースもある。一方で、TRUNK にやってくる学生の中には、「起業の実際」を肌で体感したい人も多い。MIRAISE と TRUNK が手を組むことで、双方に所属するコミュニティメンバーが相互補完的に利益を享受できる可能性が生まれる。

5月8日、EDGEof で開かれた Autify の近澤良氏を招いての勉強会「MIRAISE Class Vol.2」
Image credit: Masaru Ikeda

岩田氏(MIRAISE パートナーの岩田真一氏)と布田氏という、共にエンジニアとしてのバックグラウンドを持ちながら、世代の異なる二人が交わることで生まれるシナジーにも注目したい。岩田氏は、MIRAISE の投資先のスタートアップに TRUNK の学生がインターンで参加したり、共にアプリケーションを開発したり、また、自身が以前 Kauffman Fellows のプログラムで体験した「Peer Learning」のような仕組みも取り入れていきたいと抱負を語ってくれた。

先日、インタビューで東京・渋谷の EDGEof を訪ねた際にも、日本人起業家とした初めて Alchemist Accelerator に参加した Autify の近澤良氏を招いての勉強会が開かれていた。こういった勉強会も MIRAISE と TRUNK が共同で運営していく活動の一部だ。TRUNK もまた、これまで学生を中心にサービスを提供してきたが、今後社会人などにもアプローチしていくとしており、双方のコミュニティが交わることで、集まる人々の層が厚くなることが期待できる。これからの動向に注目したい。

なお、MIRAISE がこれまでに投資実行したスタートアップ5社が明らかになった。2月のファンド組成時には、「GPU Eater」を開発する Pegara、店舗横断 CRM を開発する「いまチカ」への出資が明らかになっていたが、最近までステルスとされていた AI 活用の交通安全スタートアップ Supervaisor(先月、エストニア国家 CIO を務めた Taavi Kotka 氏らから120万ユーロを調達)、昨年ローンチしたサブスク型サービス向け予実管理分析ツール「KINCHAKU」運営の SETE MARESリリース)、そして、昨日発表となった〝エンジニア版 NewsPicks〟の「AnyPicks(エニーピックス)」運営のロケッタがポートフォリオに加わった。

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Atomicoパートナーの岩田真一氏、プログラマー起業家/ソフトウェアスタートアップのためのファンド「MIRAISE(ミレイズ)」をローンチ

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自らもエンジニア、起業家出身で、これまでに Skype Japan 代表取締役を務め、現在は Atomico のパートナーを務める岩田真一氏が新ファンド「MIRAISE(ミレイズ)」を立ち上げる。特にソフトウェアセントリックな、プログラマーやエンジニア自らが立ち上げたスタートアップに積極的にシード投資を行う。 現時点での出資者は、東京理科大学インベストメント・マネジメント、TransferWise…

MIRAISE を立ち上げた岩田真一氏(中央)と、同ファンド初の投資先となった、いまチカ の CPO Lifu Yi(伊利夫)氏(左)、Pegara CEO の市原俊亮氏(右)
Image credit: Masaru Ikeda

自らもエンジニア、起業家出身で、これまでに Skype Japan 代表取締役を務め、現在は Atomico のパートナーを務める岩田真一氏が新ファンド「MIRAISE(ミレイズ)」を立ち上げる。特にソフトウェアセントリックな、プログラマーやエンジニア自らが立ち上げたスタートアップに積極的にシード投資を行う。

現時点での出資者は、東京理科大学インベストメント・マネジメント、TransferWise 共同創業者の Taavet Hinrikus 氏など。資金払込日や出資契約の関係で全出資者の名前はまだ明らかになっていないが、錚々たる面々が名を連ねているようだ。また、ファンドには珍しく、多数のメンター陣がスタートアップや起業家の育成に協力する。

MIRAISE のメンターに就任するのは、

  • 坂本孝治氏(TBM 取締役 COO)
  • Zach Tan 氏(PROWLER.io、元  Infocomm)
  • 三島健氏(JTB Web 販売部戦略統括部長、元 Expedia 北アジア CEO)
  • 松村映子氏(連続起業家)
  • 首藤一幸氏(東京工業大学 准教授)
  • 海野弘成氏(Increments ファウンダー CEO)
  • 尾下順治氏(AXEL MARK CEO)
  • 佐々木康弘氏(Takram ディレクター、ビジネスデザイナー)  など

起業家が考え出した素晴らしいテクノロジーは、常に多くの投資家にポジティブに受け入れてもらえるとは限らない。時として投資家には投資家の事情があるだろうし、そのテクノロジーを投資家が理解できない場合だってあるだろうし、テクノロジーは素晴らしくてもビジネスモデルに難がある場合もあるだろう。シリコンバレーは投資家の層が日本より厚いためか、例えば、日本で資金調達に難航したテクノロジーセントリックなスタートアップを運営する起業家が、シリコンバレーでピッチしたところ二つ返事でタームシートにサインした、というような話も時に耳にする。

この傾向を語るには、Alphabet 傘下の X のプロジェクトとなった、東大発のロボティクススタートアップ SCHAFT のストーリーが好例だろう。アーリーステージで TomyK と常石パートナーズから資金を獲得した SCHAFT は、その後、Andy Rubin 氏に支援を求め Google に買収されることとなった。5年以上前のことで時代背景や資金調達環境は現在と異なるものの、長期的な展望が必要となるテクノロジーへの投資が軽視されがちなのは、現在でも助成金の減少など政府の姿勢変化などにさえ見え隠れする。加えて、テクノロジーの中でも、ことさらソフトウェアへの評価は見落とされがちだ。

<関連記事>

MIRAISE は、ソフトウェア起業家の発掘とシード投資を積極的に行う。これは、自身もプログラマで Skype を立ち上げた Niklas Zennström 氏が後に Atomico を立ち上げた思想にも合致するかもしれない(現在では、Atomico はミドル、レイターステージ
以降の出資に参画することが多い)。千葉功太郎氏がドローンスタートアップに特化したファンドを立ち上げ、ユーグレナ・SMBC 日興証券・リバネスが足の長い投資が必要となるリアルテックに特化したファンドを立ち上げたように、ソフトウェアスタートアップに特化したファンドも有ってもいいのではないか、と岩田氏は MIRAISE に賭ける思いを語ってくれた。

今回、スタートアップ3社への出資も明らかになった。「GPU Eater」を開発する Pegara、店舗横断 CRM を開発する「いまチカ」、そして、エストニアにあるステルススタートアップ1社だ。Pegara は 500 Startups KobeTech in Asia Tokyo 2018 の Arena に採択されている。これらのスタートアップは目下追加の資金調達や PMF(Product Market Fit)を実施しており、現ラウンドがクロージングする際に改めてサービスの詳細をお伝えしたいと思う。

MIRAISE では今後、ファンドとしての資金調達を進めながら、毎月数社のペースで、国内外のソフトウェアスタートアップへの出資を展開していく。ソフトウェアに特化したファンドは日本国内はもとより世界的にも数が多くなく、アーリーステージのファンドが増えつつある領域においてもブルーオーシャンの状態を堅持できるだろう、と岩田氏の見通しは楽観的だ。Sergey Brin と Larry Page という2人のコンピュータサイエンティストが創った Google を、後に Eric Schmitt というビジネスのプロがスケールさせたことはあまりに有名だが、岩田氏は次代の Sergey や Larry の発掘を夢見ているようだ。

前述した岩田氏の長年の盟友である Niklas Zennström 氏は、MIRAISE のローンチに次のようなコメントを寄せている。

世界で最も大きな成功を遂げている企業のいくつかは若きエンジニアによって創立されました。一方で投資家サイドは彼らをサポートできるほど大胆であるかということには疑問を持ちます。

MIRAISE を創業した岩田は自身もエンジニア出身でテクノロジーに精通しており、スカイプジャパンの代表としてビジネス経験も豊富、そして投資家として Atomico で6年以上パートナーを努めています。

彼はこれらの経験を生かして、今の状況を変えようとしており、その姿勢に共感しています。

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