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すでに日本が世界のフィンテックリーダーになりつつある理由【ゲスト寄稿】

本稿は、Disrupting Japan に投稿された内容を、Disrupting Japan と著者である Tim Romero 氏の許可を得て転載するものです。 Tim Romero 氏は、東京を拠点とする起業家・ポッドキャスター・執筆者です。これまでに4つの企業を設立し、20年以上前に来日以降、他の企業の日本市場参入をリードしました。 彼はポッドキャスト「Disrupting Japan」を…

本稿は、Disrupting Japan に投稿された内容を、Disrupting Japan と著者である Tim Romero 氏の許可を得て転載するものです。

Tim Romero 氏は、東京を拠点とする起業家・ポッドキャスター・執筆者です。これまでに4つの企業を設立し、20年以上前に来日以降、他の企業の日本市場参入をリードしました。

彼はポッドキャスト「Disrupting Japan」を主宰し、日本のスタートアップ・コミュニティに投資家・起業家・メンターとして深く関与しています。


日本のフィンテックは多くの人が想像するより進化していて、さらに速いスピードで前進しつつある。

今日は、マネーフォワードの共同創業者であり、金融庁のアドバイザーである瀧俊雄氏を迎えた。マネーフォワードがどうやって設立され成長してきたかだけでなく、日本政府が全体として金融業界の整合性と安定性を維持しながら、金融イノベーションをどのように促進する計画かについても話を聞いた。

興味深い対話なので、お楽しみいただけると思う。

(本稿に含まれるユーザ数や金融機関数などは、原文が公開された2017年7月現在のものです。)

Tim:

マネーフォワードについて、少し教えてください。

瀧氏:

2つのビジネスラインがあります。消費者向けには、使いやすい個人会計プラットフォームを提供しています。大半の主要金融機関と連携したことで、我々の500万人いるユーザは自分がお金を貯めたり使ったりする習慣を把握し、ある種の個人の損益計算書を見ることができます。事業者向けには、中小企業を対象とした会計クラウドを運営しています。

Tim:

売上モデルはどうなっていますか?

瀧氏:

フリーミアムモデルです。無料ユーザは、最大10の金融機関まで接続できます。有料ユーザは、無制限に接続できます。

Tim:

マネーフォワードのようなサービスは、アメリカでだいぶ以前から存在していました。最大のものは、mint.com(Mint)ですね。日本でこの種のサービスが人気を得るのに時間がかかったのはなぜでしょうか?

瀧氏:

アメリカには、消費者クレジットスコアシステムがあるので、消費者に無理サービスを提供し、その金融情報をマーケッターに販売できます。そういうわけで、Mint は以前からサービスを無料で提供できたわけです。日本には統一されたクレジットスコアがなく、企業による個人情報の利用を規制する厳しいプライバシー法があります。したがって、アメリカのモデルは日本では機能しません。

Tim:

マネーフォワードのプロダクトについてはどうですか? 日本では、たいてい主婦が家計をつけています。このことは、プロダクト設計にも影響を及ぼしましたか?

瀧氏:

それは古くからのイメージで、我々が事業を始めたときにもそういう仮説を持ちましたが、間違っていたことがわかりました。自分の会計や家計に興味がある男性は多くいるのです。

Tim:

それは、プロダクト設計にどう影響しましたか?

瀧氏:

コアバリューにフォーカスするのに役立ちました。我々の競合には、現在の主婦の家計のつけ方をもとにデザインしたところもあります。彼らは、日記、手動データ入力、写真ストレージのような機能までつけています。我々は、現在行われているやり方を無視して、最も効果的にお金を管理する方法に特化しました。事実、女性ユーザよりも男性ユーザが多いです。

Tim:

それは興味深いです。きっと、昔からのやり方は手間がかかり複雑で、シンプルなインターフェイスによって、家の主人が参加できるようになったのでしょうか?

瀧氏:

それは可能性としてあります。しかし、実際はわれわれ共同創業者が全員男性で、我々が喜んで使いたいものを作りたかったのです。我々のプロダクトは特に男性的とか女性的とかいうわけでもありません。仕事をできるかぎり効率よくやる、というだけです。最終的には、すべての人に最も魅力的なものになるでしょう。

Tim:

今日、世界中でフィンテック企業に多くの投資が集まっていますが、金融業界は以前から変化が遅く、ディスラプトするのも困難です。それは日本も同じですか?

瀧氏:

実際のところ、この2年ほどで規制環境はいい方向に変化してきています。ベンチャー企業向けに金融機関が API を作って公開するのを促すため、銀行法は2回改正されました。

Tim:

どのくらい、物事は速く変化しているのでしょう? マネーフォワードは、2,600 以上の金融機関と接続していますね。そのうちのどのくらいが API を持っているのですか?

瀧氏:

現在のところは銀行10行だけが API を持っており、これらの API はこの2年ほどで作成されました。残りの金融機関については、マネーフォワードでは画面をスクレイピングしてデータを取得しています。API を持つ10行という数字は小さく聞こえるかもしれませんが、世界では最大の数です。

Tim:

そうなんですか? アメリカの証券口座や銀行口座は、すべて相互に接続して情報共有できているように思います。

瀧氏:

そうですね。しかし、そのほとんどは大規模な金融機関だけが参加できたり、二者間で直接連携できたりする専用ネットワークを使っています。日本では、スタートアップと大企業の両方が使えるオープン API を開発しています。

Tim:

このような動きを進める金融庁のモチベーションは何でしょう? 銀行間のやりとりの効率を上げようとしているのでしょうか? それとも、スタートアップを支援しようとしているのでしょうか?

瀧氏:

金融庁は、金融サービスの品質全般を改善したいのです。PayPal のような金融イノベータを見てみると、最初は狭い市場セグメントに特化し、一つのことを大変うまくやっていく傾向があります。銀行はそうはできない。銀行はすべての人にサービスを提供する必要があります。彼らは良いサービスの提供に注力していますが、スマートフォン世代にとっては、ただ良いものというだけでは十分ではない。消費者は最良の体験を求めるのです。

Tim:

なるほど。おそらく銀行にイノベイティブであることを求めるのは不公平かもしれませんが、他方で、銀行 API をスタートアップに公開するのはセキュリティリスクを教えてしまうことになりませんか?

瀧氏:

それは、我々が明らかに注意しなければならない点ですね。この構造を考える上で最良の方法は、金融サービスのインフラレイヤーから、プレゼンテーションレイヤーとサービスレイヤーをアンバンドルしつつあるということです。スタートアップはイノベイティブで新しいプレゼンテーションやサービスを作ることができますが、今後も実際の銀行インフラは今日の大規模金融機関によって運営され続けるでしょう。


日本は、一度変わろうとする決断がなされると、実に素早く変化していくことに常々驚かされる。今から10年後、日本はフィンテックイノベーションで世界のリーダーの一つになっているだろう。

金融庁の立場も興味深いが、成功はリスクとイノベーションの間の微妙なバランスにかかっている。新しい銀行 API は、スタートアップなどの企業が意味のあるイノベーションを作り出せるよう、十分な金融の力と機能性を公開する必要がある。しかし、銀行インフラが安定かつ信頼を担保し続けられるよう、必要な規制と制御を API に講じておく必要もある。

最終的に銀行はおそらく API の後ろにいる存在となり、そして、その多くは、特定の消費者ニーズや市場セグメントに特化した、さまざまな新しい小規模企業と対話することになるだろう。

インドネシアのHR・会計管理SaaS「Sleekr」、マネーフォワードファンドから資金調達を実施

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インドネシアの HR および会計管理プラットフォーム Sleekr は、東京を拠点とするフィンテック企業マネーフォワードから、資金調達したことを明らかにした。同社によれば、マネーフォワードにとって日本国外への初出資としている。 この提携は、新世代の日本のテック企業が国外に成長の可能性を見出そうとする中で、東南アジアへの関心が増しつつあることを象徴している。東南アジアには大量の中国資本が流入する中で…

Sleekr
Image credit: Sleekr

インドネシアの HR および会計管理プラットフォーム Sleekr は、東京を拠点とするフィンテック企業マネーフォワードから、資金調達したことを明らかにした。同社によれば、マネーフォワードにとって日本国外への初出資としている。

この提携は、新世代の日本のテック企業が国外に成長の可能性を見出そうとする中で、東南アジアへの関心が増しつつあることを象徴している。東南アジアには大量の中国資本が流入する中で、この流れに変化を与えるかもしれない。

Sleekr は人事管理 SaaS の提供で事業を開始。2016年11月、インドネシアのスタートアップ Kiper をに買収し、会計サービスにも事業を拡大した。現在の従業員は約80人ほどだ。

Sleekr がこれまでの資金調達の中で開示しているものは、2014年12月に実施したシードラウンドでの35,000米ドルの調達のみ。

Sleekr
Image credit: Sleekr

今回の投資の規模については言及されていないが、マネーフォワードの CFO である金坂直哉氏は Tech in Asia に対し、両社の規模や提携の範囲から考えて、金額は相当なものであると語った。

Sleekr を含め、これまでに5つの企業に200〜300万米ドルを投資してきました。Sleekr への投資は、その中でも比較的大きな部類に入ります。

出資とは別に、マネーフォワードは Sleekr にノウハウも共有する。マネーフォワードの共同創業者で CEO の辻庸介氏は、Sleekr の取締役に就任する予定だ。

昨年10月、2,500万米ドルの IPO で東京市場に公開されたマネーフォワードは、フィンテックとエンタープライズソフトウェアの間でうまくバランスを取っている。クラウド会計、給与計算、請求、経費精算など、多岐にわたる金融管理プロダクトを提供している。

金坂氏によれば、マネーフォワードは60%の市場シェアを持ち、日本の会計事務所におけるソフトウェア選択肢としてナンバーワンの位置にあるという。

マネーフォワードと Sleeker の両社が提供するサービスには明らかに重複が見られるが、マネーフォワードは、この点にシナジーを見出し、潜在的に収益性の高い東南アジア市場に参入する道筋と見ているようだ。

金坂氏は、マネーフォワードが日本国内ですでに会計や給与計算プロダクトを提供していることを挙げ、Sleekr を日本企業に持ち込むことは期待していないとした。しかし、「プロダクト戦略やマーケティング戦略について、学べることは多くある」と指摘している。

マネーフォワードは地元企業との提携によって、東南アジア市場を理解しやすくなる。環境という点では東南アジアと日本の間には基本的な文化の違いがあるが、成功の仕方については、基本的な類似性があるとも金坂氏は述べている。

南へ進め

Sleekr のチーム(一部)
Image credit: e27

Sleekr への出資は、マネーフォワードが設立したプログラム「マネーフォワードファンド」の一環だ。その名前から受ける印象とは異なり、事業から分離された VC 的な投資ビークルというよりは、むしろ、M&A 活動を通じてマネーフォワードの提供サービス強化を狙った戦略的イニシアティブだ。

マネーフォワードファンドのもと、同社は(出資先に対し)株式取得の見返りとして、財務支援、ノウハウ共有、API などの技術援助、パートナー・投資家・サービスプロバイダとのネットワーク支援の提供を約束する。

Sleekr への初の海外投資に先立ち、マネーフォワードファンドは2015年12月に日本でロボアドバイザーを提供するお金のデザインを、昨年10月にクラウドファンディングプラットフォームの CAMPFIRELIFULL Social Funding を、今月初めには e コマースプラットフォームを開発する BASE を支援した。

金坂氏は、マネーフォワードがインドネシアや東南アジアでさらなる戦略的投資を実施すると期待していて、その市場展望を考慮すれば、1,000万ドル以上を投資する可能性があると述べた。

500 Startups の日本における代表の James Riney 氏は、日本のテック分野の投資家は、地理的・文化的に近接していることや、日本のソフトパワーに関心を持っていることなどを理由に、東南アジアに魅力を感じていると指摘する。

日本の VC や企業は、東南アジアのスタートアップに積極的に投資する最初のグループの一つでした。東南アジアは堅実な GDP 成長を経験しており、モバイル革命によって、より多くの人々がアクセス可能な顧客に変化しています。

さらに重要なファクターは、最近まで東南アジアは欧米の投資家に見過ごされてきたということだ。

東南アジアはシリコンバレーほど競争が激しくないため、日本の投資家は本質的に興味を持っている、と Riney 氏は見る。

日本の投資家は、他の人たちが目をつけていないところ、地元な資金供給源がオープンマインドでなかったり、競争するまでには洗練されていなかったりするところに可能性を見出しました。

日本のベンチャーエンタープライズセンターの調査によると、東南アジアは日本の VC 投資全体の少数しか占めておらず(2017年第3四半期で約2.9%)、北米向け投資の数字に匹敵するにはほど遠い状況だが、それでもインドや中東などアジアの他の地域への投資を上回っている。

しかし、この状況は、豊富な資金を持った中国のプレーヤーが東南アジア市場に参入してくる中で、急速に変化しつつある。

Riney 氏は次のように語った。

東南アジア地域は、かなり成熟してきました。地元の資金供給源も増え、私の印象ではこのところ、日本よりも中国が積極的です。日本の多くの企業が東南アジアに可能性を見出していますが、競争が激しくなっているため、以前に比べると、それをあまり表には出さなくなっています。

【原文】

【via Tech in Asia】@TechinAsia

マネーフォワード、「MFブロックチェーン・仮想通貨ラボ」の設立を発表

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会計 SaaS 提供のマネーフォワード(東証:3994)は29日、ブロックチェーンや仮想通貨を活用した新サービスを開発する組織として、「MF ブロックチェーン・仮想通貨ラボ」を社内に新設すると発表した。同社執行役員 CTO の中出匠哉氏と、日銀・金融庁出身で今年9月に同社にジョインした渉外/事業開発担当執行役員の神田潤一氏が主となって、プロジェクトを推進する。 マネーフォワードでは、ブロックチェー…

左から:マネーフォワード 執行役員 CTO の中出匠哉氏と、執行役員・渉外/事業開発担当の神田潤一氏
Image credit: Money Forward

会計 SaaS 提供のマネーフォワード(東証:3994)は29日、ブロックチェーンや仮想通貨を活用した新サービスを開発する組織として、「MF ブロックチェーン・仮想通貨ラボ」を社内に新設すると発表した。同社執行役員 CTO の中出匠哉氏と、日銀・金融庁出身で今年9月に同社にジョインした渉外/事業開発担当執行役員の神田潤一氏が主となって、プロジェクトを推進する。

マネーフォワードでは、ブロックチェーンや仮想通貨を活用した事業を、既存事業であるマネーフォワードや MF クラウドに次ぐ、3本目の事業の柱にしたいと強調。社内メンバーと外部からの人材投入をあわせ、3年間で100名体制の組織構築を目指す。確定的ではないものの、かなり高い確率で金融庁への仮想通貨事業者登録も視野に入れているようだ。

ブロックチェーンや仮想通貨を使ったアプリケーションにはさまざまなものがあるが、差し当たって考えられるのは、諸外国と比較しても手数料が割高とされる送金分野(例えば、B2B 決済分野)だろう。日本の送金システムは、既存インフラに依存して、コスト高やしくみの革新化への課題があり、非中央集権型の送金システムが構築されることによるメリットは大きい。

マネーフォワードの既存事業は、現時点でその多くがキャッシュフロー改善に焦点を充てたサービスであるため、仮にブロックチェーンによる送金サービスが連携されれば利便性・親和性は高いものになるだろう。期待されるのは、マネーフォワードや MF クラウドからの、手数料無料や手数料安価での消込や突合処理を伴った送金サービスなどだ。

今年8月の上場以降、マネーフォワードは新事業の構築に積極的だ。9月にはモバイル貯金アプリの「しらたま」をリリース、11月にはクラウド型自動記帳サービス「STREAMED」を提供するクラビス買収している。またそれ以前にも、6月に企業間後払い決済サービス提供に向けた子会社「MF KESSAI」を設立している。

CAMPFIREとマネーフォワードが資本業務提携、拡大続ける国内クラウドファンディング市場で新サービス検討も

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クラウドファンディングを事業とするCAMPFIREは10月11日、金融サービスプラットフォームを提供するマネーフォワードと資本業務提携をすることを発表した。 矢野経済研究所が2017年に実施した国内クラウドファンディング市場の調査をもとに同社が算出したデータによれば、同市場は2013年度の約125億円から2017年度には約1,090億円と年率72%の割合で拡大している。 この市場拡大を背景にマネー…

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クラウドファンディングを事業とするCAMPFIREは10月11日、金融サービスプラットフォームを提供するマネーフォワードと資本業務提携をすることを発表した。

矢野経済研究所が2017年に実施した国内クラウドファンディング市場の調査をもとに同社が算出したデータによれば、同市場は2013年度の約125億円から2017年度には約1,090億円と年率72%の割合で拡大している。

この市場拡大を背景にマネーフォワードのユーザー基盤や同社が運営するくらしの経済メディア「MONEY PLUS」によって同社はクラウドファンディングやレンディングなどの各サービスを普及させる。また新サービスの共同開発も検討している。

Source:PRTIMES

マネーフォワード、しらずにお金がたまるモバイル貯金アプリ「しらたま」をローンチ——住信SBIネット銀行と連携し、更新系APIを活用

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本稿は、FIN/SUM 2017 の取材の一部である。 東京を拠点とする、SaaS 会計スタートアップのマネーフォワード(東証:3994)は19日、金融庁と日経が開催している FIN/SUM(フィンテック・サミット)で、銀行の更新系 API 機能を実装した自動貯金アプリ「しらたま」を公開した。アプリは iOS でのみ利用でき、iTunes AppStore からダウンロードできる。 マネーフォワー…

左から:吉本憲文氏(住信 SBI ネット銀行 FinTech 事業企画部長)、大橋瑞生氏(マネーフォワード 社長室 新規プロジェクト デザイナー)、伊藤徹郎氏(マネーフォワード 社長室 新規プロジェクト プロジェクトリーダー)、辻庸介氏(マネーフォワード 代表取締役)
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、FIN/SUM 2017 の取材の一部である。

東京を拠点とする、SaaS 会計スタートアップのマネーフォワード(東証:3994)は19日、金融庁と日経が開催している FIN/SUM(フィンテック・サミット)で、銀行の更新系 API 機能を実装した自動貯金アプリ「しらたま」を公開した。アプリは iOS でのみ利用でき、iTunes AppStore からダウンロードできる。

マネーフォワードにとって、銀行の更新系 API を使ったサービスとしては、今年3月にリリースした「MF クラウド経費」からのワンクリック振込依頼に次ぐもの(連携先は、住信 SBI ネット銀行、みずほ銀行、三井住友銀行)。銀行の更新系 API を使った C 向けサービスとしては初となる。

住信 SBI ネット銀行の口座と連携できる、更新系 API を使ったモバイルアプリとしては、ネストエッグの「finbee(フィンビー)」、ウェルスナビの「マメタス」に次ぐものとなる。折しも昨年の FinSum で公開された finbee からは約1年を経てのしらたま公開だ。

「しらたま」の名前は、「(しら)ずにお金が(たまる)自動貯金アプリ」に由来し、思うように貯金できない人の貯蓄力向上支援を意図している。「マネーフォワード(iOS 版)」か「マネーフォワード for 住信 SBI ネット銀行(iOS 版)に連携済のクレジットカード明細をもとに、設定した金額のおつりとなる相当金額(端数)を、住信 SBI ネット銀行口座の口座間振替(自分のメイン口座から、しらたま用貯金専用口座への振替)により貯金が可能になる。おつり貯金以外にも、毎日のつみたて貯金、貯金目的や目標金額の設定、目標到達時の出金(自分の貯金専用口座からメイン口座への振替)が可能だ。

自動貯金アプリとしては先行する finbee と基本的に同じコンセプトだが、しらたまは家計簿アプリの「マネーフォワード」と連携し、クレジットカード明細と自動連携が可能な点が大きく異なる。

一方、しらたまのマネタイズ方法については、まだ不透明なようだ。マネーフォワード代表取締役の辻庸介氏は、「貯金するユーザから料金をいただくのは本末転倒であるし、マイナス金利に苦しむ金融機関から料金をいただくのも現状難しい」と事情を説明した。前述のマメタスのように、貯金だけでなく投資ができるアプリに発展させれば、ロボアドバイザーや投資アドバイザリーなどの手数料収入でマネタイズできる可能性もあるが、しらたまは、そもそも思うように貯金できない人をターゲットにしているため、投資機能を追加することでターゲティングがぼやける可能性も高い。

辻氏は、今後新たに対応する連携金融機関から料金を徴収する可能性に含みをもたせたが、アプリおよびサービス単体での売上や利益追求というよりは、先月末の上場を受けてのフラッグシップ的なサービスの増強や、マネーフォワードのユーザ利便性向上の意味合いが大きいのかもしれない。

マネフォーワードでは今後、しらたまの Android 版についても開発予定としている。

「マネーフォワード」や「MFクラウドシリーズ」提供、SaaS会計スタートアップのマネーフォワードが東証マザーズ上場へ

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 東京を拠点とする、日本の代表的な SaaS 会計スタートアップのマネーフォワードは今日、東京証券取引所への IPO 申請が承認されたと発表した。上場予定日は9月29日で、上場に際し、161万7,700株の公募と93万1,000株の売出、オーバーアロットメントによる上限38万2,300株の売出を実施する。主幹事は、SM…

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

東京を拠点とする、日本の代表的な SaaS 会計スタートアップのマネーフォワードは今日、東京証券取引所への IPO 申請が承認されたと発表した。上場予定日は9月29日で、上場に際し、161万7,700株の公募と93万1,000株の売出、オーバーアロットメントによる上限38万2,300株の売出を実施する。主幹事は、SMBC 日興證券が務める。

マネーフォワードの主要株主は(カッコ内は株主比率)、同社 CEO の辻庸介氏(19.95%)、ジャフコ(東証:8595、14.90%)、CTO 取締役執行役員の浅野千尋氏(9.47%)、CISO の市川貴志氏(6.60%)、マネックスベンチャーズ(4.78%)、クレディセゾン(東証:8253、4.11%)、マネーフォワード取締役執行役員の瀧俊雄氏(3.36%)など。

同社の2016年11月期の売上高は15億4,217万円、経常損失が8億8,259万円、純損失が8億8,897万円と報告されている。

マネーフォワードは2012年5月に、旧社名マネーブックとして設立。2012年12月以来、マネーフォワードの名称で個人向けのオンライン会計サービスを提供し、銀行のオンライン通帳機能やクレジットカードの購買記録と連携することにより、ユーザが簡単に毎日の出費を管理できるようにしてきた。マネーフォワードはデスクトップのほか、iOSAndroid でも利用できる。

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マネーフォワード、企業間後払い決済サービス提供に向けた子会社「MF KESSAI」を設立——請求業務の9割をアウトソース、売掛金を入金保証

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マネーフォワードは20日、都内で会見を開き、企業間後払い決済サービスに特化した専門子会社「MF KESSAI」を設立したことを明らかにした。MF KESSAI では、マネーフォワードがこれまでに培ってきたデータドリブンなアプローチのノウハウを取り入れ、企業間における買掛金売掛金回収のサイト短期化と与信リスクの最小化を行う。会見に臨んだ、マネーフォワード代表取締役の辻庸介氏は、新会社および新サービス…

マネーフォワード代表取締役の辻庸介氏(右)と、MF KESSAI 代表取締役の冨山直道氏(左)

マネーフォワードは20日、都内で会見を開き、企業間後払い決済サービスに特化した専門子会社「MF KESSAI」を設立したことを明らかにした。MF KESSAI では、マネーフォワードがこれまでに培ってきたデータドリブンなアプローチのノウハウを取り入れ、企業間における買掛金売掛金回収のサイト短期化と与信リスクの最小化を行う。会見に臨んだ、マネーフォワード代表取締役の辻庸介氏は、新会社および新サービスの目的として、「経営に関するお金の不安を解消し、企業の取引拡大を支援すること」だと述べた。

MF KESSAI のメンバーを紹介する辻氏

新会社 MF KESSAI の代表には、マネーフォワードに2014年に入社し、全国の会計事務所や中小企業に行脚して「MF クラウド」の普及を図ってきた若手である冨山直道氏が就任する。また、マネーフォワードとはサービス業態が異なることや、「大きな成長を望むには、業務分野へのフォーカスが必要(辻氏)」との考えから、MF KESSAI のオフィスは、マネーフォワードの本社のある東京・田町ではなく、大手町のフィンテック・スタートアップハブ FINOLAB 内に開設される。

冨山氏は、企業間取引において、売り手が買い手に商品やサービスを販売する場合、与信審査・請求内容入力・請求書発行と送付・入金管理・入金催促という5つの請求業務が発生すると説明。新サービス「MF KESSAI」では、このうち、与信審査・請求書発行と送付・入金管理・入金催促という4つの業務(請求業務全体の90%)をクラウド上にアウトソース自動化できることで、月末月初に集中しがちな請求業務を大幅に軽減できるとした。

また、最近のあらゆるビジネスの傾向として、インターネットの普及に伴う、サービスのクラウド化やサービスの直販化が挙げられる。サービスのクラウド化においては、一顧客あたりの価格は減少することが多く、売り手は同じ売上を確保するには、より多くの顧客にサービスを販売する必要がある。サービスの直販化においては、例えば、それまで小売をしたことが無かった企業が、顔を合わせたこともない末端の顧客に対する与信や入金管理をするという不慣れな業務を強いられる。MF KESSAI では、これらのシーンにおいて請求業務を肩代わりすることで、売り手がより本業に集中できる環境を提供する。

MF KESSAI の機能の中でも、特筆すべきは、請求データができた時点での債権の移動(早期入金)と売掛金回収の保証だろう。売り手が MF KESSAI を利用したとき、MF KESSAI は買い手(請求先)に対して自動で与信審査を実施する。このプロセスの詳細は明らかになっていないが、外部情報機関の情報やマネーフォワードがこれまでに蓄積した情報に基づくビッグデータが利用され、最短で1分以内で取引が実施可能となる(テスト運用中の実績ベースで、98%の買い手がこの審査をパスしているとのこと)。

この後、最短ケースでは、売り手側で請求書データが作成された時点で、MF KESSAI が買い手に対する債権を肩代わりし、代金を売り手に支払うことができる。いわゆるファクタリングに近い機能だが、「MF KESSAI の手数料としてはせいぜい数パーセント程度になるだろう(冨山氏)」とのことだった。MF KESSAI の料金体系は明らかになっておらず、この早期入金サービスが標準的に提供されるのか、追加手数料が発生するのかなどは現時点で不明だ。

請求から入金までの期間が短縮されることで、物販を営む製造業などにとっては、材料の仕入などに必要な資金を外部に依存する必要が軽減されるほか、前払いを前提として営まれる農業生産法人などにとっても、顔を合わせたこともない全国の潜在顧客との取引の可能性が生まれるようになるという。早期入金サービスを提供するにあたり、MF KESSAI は資金を必要とすることになるが、辻氏は、すでに提供している企業向け融資サービス「MF クラウドファイナンス」でのスキームを例を挙げ、

我々はテクノロジーの会社なので、(サービスの提供に必要な資金は)MF KESSAI のバランスシートに依存するよりも、外部の金融機関と連携して提供していくことになるだろう。

…として、金融機関からの資金調達の可能性を示唆した。MF KESSAI は、マネーフォワードから切り離された子会社という形態を取っていることもあり、エクイティベースであれ、デットベースであれ、あるいは、潜在顧客の紹介という取引関係であれ、金融機関との連携するスキームは想定しやすい。

馬刺しのインターネット通販「熊本馬刺しドットコム」などを運営する、利他フーズ代表取締役の倉崎好太郎氏がオンライン出演。MF KESSAI 利用者の立場から感じたメリットを説明した

MF KESSAI の売りは API 連携であり、売り手の請求・売掛管理システムとの連携、銀行システムとの連携で、より多くの情報を集めることにより、業務を圧倒的に効率化することにある。MF KESSAI は本日からサービス開始されるが、この API 連携のリリースが今秋あたりとのことなので、MF KESSAI が本格的な運用フェーズに入るのは今秋以降と考えられる。

データドリブンなアプローチによる中小企業や個人事業者向けの与信や融資というコンテキストでは、すでにローンチしているクレジットエンジンの「LENDY(レンディー)」のほか、会計ソフト大手の弥生や d.a.t が立ち上げた ALT なども年内のサービス開始を予定している。

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マネーフォワードが「MFクラウド給与」のAPIを公開、「Connected HR」で各社の労務・税務・人材管理プラットフォームと連携

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金融サービスプラットフォームを提供するマネーフォワードは28日、「MFクラウド給与」の API 公開を発表した。これは同時に公表している新コンセプト「Connected HR」の取り組みの一環。 同コンセプトは勤怠管理、給与計算、労務管理などのサービスを API で連携し、労務領域における業務を同サービス内で完結させる取り組み。MFクラウドはこれまでにも計6社の勤怠管理・労務管理ソフトと API …

金融サービスプラットフォームを提供するマネーフォワードは28日、「MFクラウド給与」の API 公開を発表した。これは同時に公表している新コンセプト「Connected HR」の取り組みの一環。

同コンセプトは勤怠管理、給与計算、労務管理などのサービスを API で連携し、労務領域における業務を同サービス内で完結させる取り組み。MFクラウドはこれまでにも計6社の勤怠管理・労務管理ソフトと API 連携を実施しており、今後の連携増加でユーザーニーズへの最適化を目指す。

最初の取り組みとして、エフアンドエムが提供する労務手続きシステム「労務ステーション」と連携を拡大し、MF クラウド給与内で確定した給与・賞与データを労務ステーション内に反映する仕組みを実装する。

Source:マネーフォワード

マネーフォワードがみずほFG、三越伊勢丹HDと資本業務提携、11億円を新たに調達

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個人・法人向けに金融サービスプラットフォームを提供するマネーフォワードは10月5日、みずほキャピタル、三越伊勢丹イノベーションズを引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。同ラウンドには既存株主であるFenox Venture Capital、東邦銀行と、業務提携先であった 北洋銀行、群馬銀行、福井銀行、滋賀銀行等も参加し、金融機関からの借入金を含めて総額約11億円を調達している。 本件に…

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マネーフォワード代表取締役社長の辻庸介氏

個人・法人向けに金融サービスプラットフォームを提供するマネーフォワードは10月5日、みずほキャピタル、三越伊勢丹イノベーションズを引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。同ラウンドには既存株主であるFenox Venture Capital、東邦銀行と、業務提携先であった 北洋銀行、群馬銀行、福井銀行、滋賀銀行等も参加し、金融機関からの借入金を含めて総額約11億円を調達している。

本件に関する評価額、払込日、株式比率などの詳細は非公開となっている。また、これに伴い、同社はみずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)および三越伊勢丹ホールディングス(以下、三越伊勢丹HD)と業務提携の検討も開始するとしている。

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みずほFGと同社は2015年から複数サービスで連携を開始しており、今回の資本業務提携を通じて更なる新サービスの共同開発を推進するとしている。また、三越伊勢丹HDとは同グループが展開するカード事業「エムアイカード」とマネーフォワードの個人向け資産管理(PFM)サービスとの連携、例えば相互の送客などから検討を開始するそうだ。

また、増資戦略について今後の方向性を尋ねたところこのような回答をくれた。

「昨年8月と10月に実施した資金調達では、資本提携と業務提携が同時でしたが、今回は、それ以降に協業や業務提携を開始させているみずほFG・群馬・滋賀・北洋・福井の各行からご出資、東邦銀行から追加出資頂いています。これは提携させていただいている金融機関様との協業が順調に進んでいることを表していると考えています。

例えば福井銀行とは6月に業務提携を発表し、共同開発したPFMアプリが9月にリリースされるなど、非常に早いスピードで順調に進んでおり、今後は、今回出資いただいた金融機関との協業を法人領域も含めて更に促進させていただくのはもちろん、より多くのユーザーにサービスを届けられるよう、まだ提携していない金融機関様との協業についても加速していきたいと思っています」(同社広報)。

ヤマト運輸とマネーフォワードが提携して請求業務支援サービスを提供開始

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ヤマト運輸とマネーフォワードが業務提携を発表した。本日、9月1日よりヤマト運輸が運営するビジネス向け業務支援ポータルサイト「ヤマトビジネスメンバーズ」に、新たに請求業務支援サービス「請求業務クラウドサポート」の提供を開始する。 ヤマト運輸の「ヤマトビジネスメンバーズ」は、法人や個人事業主の業務支援を目的としたポータルサイト。これまでに、荷物の送り状を簡単に発行する機能や利用運賃の履歴確認など様々な…

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ヤマト運輸とマネーフォワードが業務提携を発表した。本日、9月1日よりヤマト運輸が運営するビジネス向け業務支援ポータルサイト「ヤマトビジネスメンバーズ」に、新たに請求業務支援サービス「請求業務クラウドサポート」の提供を開始する。

ヤマト運輸の「ヤマトビジネスメンバーズ」は、法人や個人事業主の業務支援を目的としたポータルサイト。これまでに、荷物の送り状を簡単に発行する機能や利用運賃の履歴確認など様々なサービスをクラウドで提供してきた。会員数は、現在75万を超えているという。

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「ヤマトビジネスメンバーズ」に新たな機能として追加されたのが、請求業務支援サービス「請求業務クラウドサポート」だ。同サービスは、はマネーフォワードの「MF クラウド請求書」のサービスをベースに開発され、「ヤマトビジネスメンバーズ」の会員向けに請求業務支援を行う。

「ヤマトビジネスメンバーズ」には、配送等のサービスを利用するユーザも多いため、「請求業務クラウドサポート」には「MF クラウド請求書」にはない機能も追加開発されている。

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ひとつは、請求書をFAXで送信する機能だ。メールや郵送ができる機能は既存のクラウド請求サービスにもあるが、小売などを行う業者ではFAXが用いられることも多い。

納品書合算請求も「ヤマトビジネスメンバーズ」の会員向けに開発された機能だ。これまでは納品するごとに納品書を作成し、月末に合算して請求書を発行していたが、この作業を効率化する機能となる。

「請求業務クラウドサポート」は、一部の機能が限定されている無料のライトプランから利用でき、FAX送信や納品書合算請求機能が利用可能な月額980円のスタンダードプランも用意されている。

「請求業務クラウドサポート」を提供する上で、ヤマト運輸の人々はユーザに業務に関するヒアリングを重ねた。表計算ソフトを用いていたり、FAX送信を用いているユーザの多さを感じ、同サービスを提供することのニーズを感じたという。

クラウド請求サービスはこれまでにも存在していたが、ヤマト運輸というブランドと会員ネットワークを活かすことで、届いていなかった人々もクラウド請求サービスを利用することになるのではないだろうか。

今後、ヤマト運輸としては「ポータルサイトとして会員のバックオフィスを効率化していくことを検討している」とコメントした。