THE BRIDGE

タグ Monozukuri Hub Meetup

Monozukuri Hardware Cupでファイナリスト8チームがピッチ登壇——ハチたま、チャレナジー、スマートショッピングが、米本家参加権を獲得

SHARE:

京都のハードウェア特化スタートアップアクセラレータ Makers Boot Camp、ニューヨークの FabFoundry、東京の TechShop Japan で構成されるモノづくり起業推進協議会は27日、大阪で開催された Hack Osaka 2018 内で Monozukuri Hardware Cup 2018 を開催した。 このイベントは「世界を舞台に活躍する日本のモノづくりスタートアッ…

京都のハードウェア特化スタートアップアクセラレータ Makers Boot Camp、ニューヨークの FabFoundry、東京の TechShop Japan で構成されるモノづくり起業推進協議会は27日、大阪で開催された Hack Osaka 2018 内で Monozukuri Hardware Cup 2018 を開催した。

このイベントは「世界を舞台に活躍する日本のモノづくりスタートアップ企業の登竜門」と位置付けられるもので、上位3位入賞チームには、4月18日にアメリカ・ピッツバーグで開催される「AlphaLab Gear Hardware Cup Final 2018」への出場権または出展権が与えられ、北アメリカ・南アメリカ・カナダ・インド・イスラエル・韓国などから選出されたチームと共に、優勝賞金5万ドルを賭けてピッチで激戦を交わすことになる。

<関連記事>

Monozukuri Hardware Cup 2018 には日本国内27チームから応募が寄せられ、8チームがファイナリストに選出された。選考条件は、アメリカの Hardware Cup Final と同じく 1.事業化への情熱、2. 国際的な市場性、3. 潜在的な顧客ニーズもしくは大きな市場規模、4. 競合優位性 の4つに設定されている。

Monozukuri Hardware Cup 2018 で審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Allen Miner 氏(サンブリッジ グループ CEO)
  • 藤田修嗣氏(西部商工株式会社 代表取締役/EO大阪前期会長)
  • 松崎良太氏(きびだんご株式会社 代表取締役)
  • Paul Kim 氏(日本エア・リキード株式会社 Digital Transformation Project Manager)

【優勝(Hardware Cup Final 2018 日本代表権獲得)】ハチたま(東京)

ハチたまは、猫の泌尿器疾患を解決できる IoT トイレ「TOLETTA(トレッタ)」を開発している。自動でウンチを掃除し、画像認識で猫を見分け、体重・尿量・排尿・排便回数を測定し記録する。猫の健康異常が見つかれば、その情報をアプリに通知してくれるというものだ。デバイスやスマートフォンアプリ、認定オーガニックフードの定期購買、オンライン相談という3つの要素でマネタイズしている。

ハチたまは2015年の設立(設立当時の社名は、ペットボードヘルスケア)。2016年に「GREEN FUNDING」でクラウドファンディングキャンペーンを成功させ、ゼロワンブースターが運営支援する森永アクセラレータ2016、TOKYO アクセラレータ(第一勧業信用組合)に採択された。2017年2月には、森永製菓、かんしん未来ファンド(運営は第一勧業信用組合)、アクトコール、ゼロワンブースターからの出資と、日本政策金融公庫から資本性ローン(挑戦支援資本強化特例制度)で合計4,000万円を調達したことを明らかにしている。

【2位】チャレナジー(東京)

チャレナジーは、台風のような強風状態でも安定して発電ができる風力発電機を開発するスタートアップだ。自然エネルギーを利用したサステイナブルな発電方法として注目を集める風力発電だが、一方で一般的なプロペラ型風力発電機は、強風や乱流に弱く、バードストライク、低周波騒音などの問題があり、また日本における年間故障率は40%〜60%と問題も大きい。これが原因で、日本の風力発電による潜在的年間発電能力は 1,900GW に上る中、実際には 3GW しか発電されていないのが現状だ。

チャレナジーはマグナス効果を活用した特殊形状の風力発電機を独自に開発。この発電機では、強風や乱流、風向きがどの方向に変化したとしても安定的に電力を発生させることができる。発電機としての安全性が担保されるため、人が住む街中に設置することが可能だ。同社は昨年、JR 東日本が実施した「JR EAST STARTUP PROGRAM」第1期デモデイで最優秀賞を受賞している。同社は2018年1月、初の外部資金調達ラウンドで、リアルテックファンド、三井住友海上キャピタル、THK から総額2.8億円を調達している。

【3位】スマートショッピング(東京)

スマートショッピングは、個人向けに日用品の価格比較サイト「スマートショッピング」、法人向けに IoT デバイスを用いた在庫管理・自動発注サービスを提供している。特に法人向けには、独自開発の IoT デバイス「スマートマット」を商品の下に敷くことで残量を自動計測、データに基づいて適切なタイミングで自動発注するしくみを作った。ついつい忘れがちな必要なアイテムを、常に確保しておく作業を自動化する。

スマートショピングは2018年2月、アドベンチャー、Makers Boot Camp の MBC 試作ファンド、NOS Ventures、丹下大氏を含むエンジェル投資家複数から約2億円を調達している。


惜しくも3位以内に入賞しなかったものの、ファイナリストとして選ばれたスタートアップは、次の通り。

  • 16Lab (神奈川)
    世界最小の IoT / Wearable 用モジュールによるプラットフォーム事業 <関連記事
  • 歯っぴ〜(熊本)
    人生100年時代に必要な歯磨きサービスの提供
  • iBot(東京)
    椅子を自動で運ぶロボットの開発
  • みまもーら(東京)
    世界最小サイズの LoRa + GPS 搭載デバイスを採用した見守りサービス
  • OTON GLASS(東京)
    知覚を拡張するIoTスマートグラス <関連記事
----------[AD]----------

京都の若手起業家ら、2018年の抱負を語る〜第16回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 オリジナルはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。 本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guenes 氏による撮影。 2…

Sasha Kaverina 氏

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

オリジナルはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。

本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guenes 氏による撮影。


A scene from Kyoto Makers Garage

2018年、次の個人的な挑戦はもう見つかっただろうか? Makers Boot Camp(MBC)は、学生起業家、プロトタイピングのプロフェッショナル、スタートアップらに、通年を通して役に立ちそうなティップスをシェアしてくれるようお願いした。

2018年の初め、今こそ、昨年やり終えたことを踏まえ、これからの数ヶ月の改善計画を練る時期だ。Makers Boot Camp にとって、昨年は MBC Shisaku Fund のローンチなど成功に満ちた年だったが、どんな事業にも改善すべき点は常に存在する。

2018年も引き続き、我々は若いメイカーの間で、起業の重要性を(就職ではない)オルタナティブなキャリア選択肢として広めていきたいと考えている。数多くの革新的な大学や先進的な研究機関がある京都は、研究を優れたビジネス機会と組み合わせる上で絶好の場所の一つだ。

Makers Boot Camp CEO の牧野成将氏は、次のように語った。

学生が起業キャリアを追求できるよう支援することは、日本のスタートアップシーンに寄与することになるだろう。

Makers Boot Camp CEO の牧野成将氏

若手起業家に行動を促すさまざまなアプローチには、ハードウェアツール、メンターのアドバイス、ワークショップへのアクセスなどがある。牧野氏は開演のスピーチで、学生たちに「Kyoto Makers Garage(KMG)」の無料設備を活用してほしい、と述べた。以前は乾燥海苔の倉庫として使われていたこのコワーキングスペースは、2017年9月のオープン以降、志を同じくする人々の集まる、賑わいのあるブルックリンのようなコミュニティエリアへと急速に変貌を遂げた。

富士製作所に勤務する山下氏は、2018年の挑戦として京都試作ネットの Monozokuri Club に参加すると発表した。香川生まれの山下氏は、ハードウェアへの情熱を持ちつつ新しいプロダクトを作ることが、成功する上での重要な戦略だと考えている。

京都学生起業部

京都学生起業部の中原良太氏と Shun Sakuma 氏

京都工業繊維大学の Ryota Nakahara 氏と Shun Sakuma 氏は、日本経済を加速する新世代の代表的存在だ。大阪イノベーションハブが主催した2年前のシリコンバレーツアーの後、二人は他の学生たちと組んでスタートアップクラブ「京都学生起業部」を設立し、スタートアップのビジネスアイデアを醸成しはじめた。メンバーらがいくつかの先進的なコンセプトを打ち出したことから、このイニシアティブは成功したと言えるだろう。このスタートアップクラブから生まれたコンセプトには、次のようなものがある。

  • AgriKeeper(アグリキーパー)……農家を鹿の侵入から救う、合理的で安全な忌避剤
  • Untilet(アンティレット)……トイレの臭い計測デバイス
  • ACBALL……野球選手のための IoT ボール

京都学生起業部は、ビジネスアイデアを醸成し、自らを大学新入生に宣伝することで、社会に価値をもたらすことを目指している。

Hoplite Power

Hoplite Power 共同創業者の Nikolas Schreiber 氏(右)と、本稿の写真撮影者でもある Tugi Guenes 氏(左)
Image credit: Sunbridge Venture Capital「Habitat Update Plus」から(Kyoto Makers Garage にて撮影)

スタートアップを立ち上げる上でビジネスを要領よくマネージするには、さまざまな役割を一人でこなす必要がある。ニューヨークを拠点とする Hoplite Power は、スマートフォンを街中で充電できるシェアリングネットワークを開発している。同社の Nikolas Schreiber 氏は、起業精神と技術力を組み合わせることの重要性を強調した。

あなたに世界で最も素晴らしいプロダクトを作り出せる可能性はある。しかし、それが実現不可能で売れないもなら無意味だ。他方で、あなたには世界で最高のセールスパーソンになれる可能性もある。しかしプロダクトを実現できばければ、営業活動は意味をなさない。


Hoplite Power の3人の共同創業者は2014年、初めにプロダクトの実現可能性を証明すべく、ニューヨーク・クイーンズのオフィスでプロダクトを一からデザインし組み立てた。彼らはブートストラッピングのメソッドに従って小資本で会社を設立、レンタルのバッテリーデバイスを作り上げた。まもなく、彼らは投資家の目に止まることになる。2017年、Hoplite Power は MBC Shisaku Fund によりビジネスを加速、日本でビジネス開発を展開する計画を発表した。新しいプロトタイプには、入手が容易でスリムな、市中で購入可能なタイプに似たバッテリーが採用されている。この1年間にも似たようなプロダクトが世の中に現れたが、Hoplite Power のシステムは、人々がスマートフォンを充電できるサービスをユニークな方法で提供することになるだろう。

ニューヨーク市内には、Hoplite Power のハブが10カ所開設されている

Schreiber 氏からのティップスは次の通りだ。

  • チームとリソースを築き上げよう。自分のチームがどんな人材やアセットを持っていて、他チームとの違いを認識しよう。
  • コアコンピテンシーを認識しよう。自分で何ができて、外部にどんな助けを求められるかを考えよう。
  • 物事の変化や不確実なことに準備しておくよう心がけるべし。
  • 自分がわからないことがあるなら、追加で人を雇うか、コミュニティに支援を求めよう。
  • より深く入り込み、額に汗して、学ぶべし。時には市場の存在を証明するために、街に出る必要がある。
  • オープンマインドを保とう。さもなければ、失敗するかもしれない。つまり、前に進むか、ピボットするかだ。
  • 木製 IoT を使って、自然に回帰しよう。

mui

IoT 技術が進化を続けるにつれ、材料やコンセプトもまた進化を続けている。京都を拠点とする mui Lab は、タッチワイヤレスセンサーを内蔵し、天気予報、受信メッセージ、web 上で得られた情報を提供する木製デバイスを開発している。mui Lab のクリエイティブデザイナー廣部延安氏は、次のように語った。

妻に天気を聞くたび、彼女はスマートフォンに目をやっていた。

この状況を改善すべく廣部氏は新たな情報アクセス手段を考え、多くの消費者を魅了する上で、典型的なブラックのディスプレイがインテリアデザインの好例ではないことがわかった。そうして生まれたのが、mui のアイデアだ。木製パネルに話しかけると、mui は単なるスマート家具以上に、ハーモニーとバランスのセンスを作り出してくれる。mui はボストンにオフィスを構え、日本の木製デザイン品を自然由来製品が受け入れられる他の世界都市に輸出しようとしている。

あなたはどうだろう? 2018年の抱負をシェアして、まだ発見されていない道を歩みましょう。

Lab の廣部延安氏は「mui」を CES 2018 で出展した
----------[AD]----------

「世界を変えるスタートアップが目指す­未来」〜京都・第13回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 オリジナルはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。 本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guenes 氏による撮影。 ス…

Sasha Kaverina 氏

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

オリジナルはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。

本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guenes 氏による撮影。


スタートアップは、基本的な問題を解決し、新しい価値を作り出すことができる。これまでに Monozukuri Hub Meetup がもたらした前例のない成功を受け、我々はスポーツコーチングから感情のスキャンニングまで、未開拓の可能性について語らずにはいられないように感じた。Facebook 上での投稿が見逃した人のために、読んでほしい重要なポイントをここに書いておきたい。(過去の Monozukuri Hub Meetup に関する寄稿

イベントについて

11月に開催された Monozukuri Hub Meetup には、パワフルな話を聞きたいと願う、国際的なバックグラウンドを持った投資家、将来有望なスタートアップ、好奇心旺盛な聴衆が集まった。今回は現実問題の解決に取り組み、現代生活に新しいソリューションをもたらすスタートアップが果たすべき重要な役割に焦点を当てた。

東京のハードウェアスタートアップ OTON GLASS と Xenoma を紹介しよう。

OTON GLASS

OTON GLASS CTO の淺野義弘氏

最初のスピーカーを務めた OTON Glass CTO の淺野義弘氏は、視覚障害者や字を読むことに難がある人に向けたスマートグラスを紹介した。文字を認識し翻訳する IoT デバイスを作るというアイデアは、OTON GLASS CEO の父が脳手術を経て、字が読めなくなる失読症を患ったという苦い経験から生まれたものだ。

浅野氏が OTON GLASS を着用し説明を始めると、カメラが紙に印刷された言葉を文字認識しイアービースからテキストが読み上げられた。このデモは英語と日本語で行われた。将来、人々の感情を読む “Scan-and Say” メガネを生み出す可能性にもつながるだろう。

失読症は、正確かつ流暢に言葉が読めなくなる障害だ。OTON GLASS が説明した研究結果によれば、日本では約152万人が失読症に苦しんでいるという。

<関連記事>

Xenoma

さまざまなスポーツやアクティビティで動作を改善する Xenoma の「E-skin」

東京大学からスピンオフして設立された Xenoma の網盛一郎氏は、大画面でゲームを見せ聴衆を驚かせた。彼の動きの一つ一つが、走ったりジャンプしたり壁を叩いたりするなど、ゲームキャラクターの動きにリアルタイムで反映された。網盛氏がセーターを脱いで、銀色の電子回路が散りばめられたスマートアパレルを見せると、聴衆はそれに見入っていた。

E-skin の異名を持つこのスマートアパレルはモーションキャプチャーやトラッキングが可能で、人の身体を完璧な VR(仮想現実)コントローラにすることができる、網盛氏の説明によれば、E-skin はスポーツやゲームだけでなく、医療や介護にも活用できる可能性がある。ウエアラブルリストバンドと違って、自分でシャツを脱ぐことができない認知症患者を検知できるのが好例だ。

<関連記事>

 

2人の投資家、平強氏と Arnon Kohavi 氏からのアドバイス

短い休憩の後、イスラエル生まれのエンジェル投資家 Arnon Kohavi 氏と、国内外投資の専門家で Tazan International の平強氏によるパネルディスカッションが行われた。共に半導体業界のバックグラウンドを持つ2人のゲストは、以前と現在で、技術の観点から困難についてのインサイトをシェアしてくれた。

平強氏は現在、アナハイム大学でヒューマニティー分野の名誉教授を務める。

長きにわたり Sanyo Semiconductor Corporation(三洋電機の米国法人)に勤務した平氏は、これまでに起こった楽しい話で聴衆を沸かせた。平氏が、レストランのナプキンに書かれた素晴らしいアイデアが200万米ドルの価値を持ったとの話をすると、聴衆は大きな声で笑った。彼は、日本のエンジニアの賢明さを賞賛し、国内ベンチャーを支援する意欲を示した。しかし、彼はそんな日本の可能性をダメにしている点を指摘した。

日本政府の厳しい政策は、多くのスタートアップが競争の激しい市場に参入するのを阻んでいる。

Kohavi 氏は、1990年中頃、シリコンバレーで活躍した。

Arnon Kohavi 氏は、チリ、シンガポール、そして現在は日本で国際スタートアップ投資に特化しているが、以前にはシリコンバレー拠点のスタートアップを数社設立している。彼の見方では、会社を設立したい起業家は、新しいスキルやキャラクタを築くために、居心地のよい場所から外に出るべきだという。彼は日本のエンジニアに、発明の内容をシンプルにすべきだとアドバイスした。

カスタマが押す必要のあるボタンを減らせば、もっとよいものになります。

最後のセッションは、法律問題、日本の病院とのコラボレーション、生産価格にチャレンジする日本のスタートアップらが登壇した。2つ目のパネルディスカッションで出された質問には、ネットワーキングセッションで個別に登壇者と質問者の間と対話がなされた。

----------[AD]----------

「失敗から学ぶ新しいスタート」〜京都・第12回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏による寄稿を翻訳したものである。 オリジナルはこちら。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。 今回の記事は Monozukuri Hub Meetup の連載に戻るが…

Sabrina Sasaki 氏

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏による寄稿を翻訳したものである。

オリジナルはこちら

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。


今回の記事は Monozukuri Hub Meetup の連載に戻るが、今回は我々が新設した Kyoto Makers Garage のデビューとなる。この新しいハブで、すべての種類のメイカー達を祝福すべく、沈黙を破ってロボティクスの国での失敗談を共有してくれる、勇敢な日本のスタートアップを2社お招きした。

あらゆるコミュニティにおいて最も重要なことの一つは、レッスンや誤りを含む相互のコラボレーションだ。しかし、私が日本で働き始めてから気づいたのは、こと「F」で始まる言葉(failure=失敗)については、スタートアップエコシステムの中においてでさえ、タブーということだ。疑わしいというなら、スタートアップ関連イベントを主催し、失敗談を喜んで話してくれる起業家を見つけてみるとよいだろう。

日本文化を見てきた人の多くの見解では、日本では失敗は昔から悪いものとみなされ、リスクに対する欲求を制限する永続的な恥をしいられる。これにより、たとえ潜在的な利益を約束したとしても、失敗の可能性が増える選択肢は、日本人にとっては快適なものではない。(Peter S. Goodman 氏談、 ニューヨークタイムズ誌 から引用

驚くまでもなく、スタートアップの失敗談は、新しい物事を発明しようと一人で余裕のある時間を過ごす、好奇心旺盛なエンジニアやデザイナーを支援するためにあるのではない。

メイカー達にとっては、新しいハードウェアビジネスを作ろうとする人々に会える時間に他ならない。我々は日本のスタートアップについて話をするとき、いま話を聞くことができる成功談以外にも、沈黙モードを破って、さまざまな種類の物語の共有にもステージを提供する。

受付チーム:ネームタグと Q&A セッションの資料を配布し、準備万端。

「F」で始まる話題を扱うイベントが関西では稀であることを考慮し、我々はイベントが始まる前に、すでに質問の書かれた Q&A セッション用の資料を受付デスクで配布した。

対話のウォーミングアップとして、最初のスピーカーは海外からのゲストである MakerTour のチームメンバー Lucas Graffan 氏と Marie Levraul 氏が務めた。彼らは、メイカーのムーブメントやコミュニティの重要性についての思いが人一倍だ。

MakerTour のチームメンバー、Lucas Graffan 氏と Marie Levraul 氏

彼らは前回のヨーロッパでの探検ツアーに続いて実施した、8ヶ月に及ぶアジアでの旅の概要を説明し、メイカースペースの世界的影響力の高め方について話をフォーカスした。世界中のあらゆる場所でメイカースペースの数は増加しており、MakerTour のチームは、イランから韓国まで、情報が整理されたアジアのメイカースペース30拠点のハイライトを紹介した。

最後に、彼らはメイカースペースの将来に対する困難や可能性について共有し、コラボレーションから生まれたスタートアッププロジェクトの実例を紹介した。Lucas と Marie は日本に到着したばかりで、この日を丸々、我々と共に Kyoto Makers Garage で過ごした(彼らの最新情報については、YouTube チャンネルを見てほしい)。

2番目のスピーカーは、みまもーら CEO 兼共同創業者の河合斎行氏が務めた。河合氏のスタートアップアイデアは、河合氏の68歳になる父が高齢者共通の問題である軽度の認知症と診断された際の、個人的な体験が元になっている。この種の病気への対処に限界があることを感じた河合氏は、直面するリスクが現実のものとなったとき、家族の問題を解決すべく、自らのソリューションに取り組むことを決めた。一人の強い日本人男性として、河合氏の父は野球を楽しみ、時には家から250キロメートルも離れたところへ出かけもしていた。

厚生労働省によれば、2025年までに700万人を超える高齢者が認知症に苦しむとされ、これは日本の高齢者人口の約20%に上る数字だ。2016年だけでも、2万人の高齢者が行方不明になり、200人以上がほぼ死亡状態で発見されている。認知症が悪化すれば、患者は徘徊をはじめ道に迷むようになり、思いだにしないほど遠くへ行ってしまう。

みまもーらは2016年7月に設立され、横浜市の EASEL との協業により新しいモニタリングサービスを開発している。高齢者やペットのモニタリング支援ソリューションとして、世界初のバンドタイプの LoRa + GPS デバイスをまもなくローンチする見込みだ。このデバイスは、可搬性、無線の信号強度、バッテリーの持続時間といった現在の選択肢を克服しようとしている。

今年7月、みまもーらは15メートルという限られた範囲だったがフィールドテスト(BLE デバイス)に失敗、製品のトラッキングシステム性能を保証するには十分な結果ではなかった。

そこで、河合氏はどのようにこの問題を解決したのだろう? 彼はすぐに、特別なメンターシップと認証を得るための支援を求め、業界の専門家に連絡をとると決めたのだ。現在河合氏のアドバイザーを務める松本氏に河合氏があったとき、松本氏は LoRaWAN を使う方法に切り替えるよう勧めたのだ。問題は解決したが、依然として多くの課題が残されていた。

河合氏のメイカー達に対する勧めは、自分が進もうとする分野の専門家に連絡をとるべきというものだ。そうすることで、学習の成長カーブがスタートアップに適したスピードになるかもしれない。

<関連記事>

Nature Japan の塩出晴海氏は、新鮮なニュースでスピーチの口火を切った。塩出氏の最初のプロダクトで、エアコン向けのユニバーサルスマートコントローラ「Nature Remo」がローンチしたばかりなのだ。成功するスタートアップにとっては大きな一歩に聞こえるかもしれないが、彼はすぐさま聴衆に対し、今回の功績を話す前に、常に経験した一通りの失敗のことを共有したいと語った。彼がキーノートスピーカーとして今回のミートアップに招待されたのも、まさにそういう理由からだ。

塩出氏は、かつて日本の大企業に勤め発電所の開発に携わっていたとき、システム的な問題があることに気づいた。発電所開発の現場で、塩出氏は多くの災害を目撃した。そこで、塩出氏は日常のムダづかいを手始めに、電源システムのサプライチェーン全体を考え直そうと決めた。

差別化を測るため、彼は自らプロジェクトをスタートすることを決めた。家の中でエネルギーのムダづかいの主な源の一つは、部屋の温度制御、もっと具体的に言えばエアコンで、全然スマートには動作していない。

Google Home や Amazon Echo のような新デバイスが世界的に人気を集める中、塩出氏は、機種にかかわらず、エアコンの遠隔制御を支援できる、より簡単なデバイスが存在すべきと悟った。これこそが、ルームエアコン用ユニバーサルスマートコントローラ「Nature Remo」の主なコンセプトだった。

<関連記事>

このようなプロダクトに確実な需要があることを知らしめ、また、生産の当初予算を確保するために、Nature Japan は KickstarterIndiegogo、そして国内の Makuake でクラウドファンディングを立ち上げた。Nature Remo の製造開始を待たずに、Nature Japan はすでにクラウドファンディングで2,250台を販売、予約注文で1,000台以上の追加販売を達成した。このようなイノベーティブな製品に、確かなニーズがあることが証明されたわけだ。成功裏なマイルストーンを達成しつつも、クラウドファンディングはその後始まる本当の仕事の前哨戦にすぎない。

世界中のメイカー達に向けた、塩出氏の失敗レッスンをチェックしてみよう。

  1. 使える工場を見つけるのは簡単ではない。協業できる一連の製造業者を紹介してくれる知人が居ても、時間を使って、すべてのサプライヤーを訪問し彼らの製造能力をチェックするのは手間のかかる仕事だ。もし事を簡単に運びたければ、そうすることが時間を節約することになる。塩出氏のケースでは、HWTrek のネットワーク(残念ながら11月の終わりまでしか利用できない)が役に立ったものの、それでも、中国や台湾のすべての場所を訪問する必要があったという。
  2. 我々はとても小規模だ。スタートアップの夢は大きくあるべきだが、大量の注文をこなし簡単に金を稼ぐことに慣れている製造業者にとっては、我々が依頼する小規模ロット生産は魅力的ではない。あなたのビジョンやスタートアップが直面する困難を理解してくれ、長期にわたる利益確保を優先してくれるパートナーを探そう。
  3. ハードウェアは物理だ。どんなにスタートアップが世界をディスラプトしたいと言っても、これは避けようのない事実である。1日の終わりには、自然の摂理に従わざるを得ない。我々のケースでは、よいデザインのものができるよう取り組んでいた。たいていの住居の壁に合う白色のデバイスだ。しかし、我々が理解していなかったのは、多くのリモコンが黒色か透明である理由だ。その方が、赤外線デバイスは屋内家電に接続しやすくなるのである。
  4. ものづくりは長い道のりだ(それは常に、起業家が望む以上に長いものである)。形あるプロダクトを作るには、パートナーやサポーターに加わってもらう必要がある。自らのチームがどんなに優秀でも、そこには一定のリスクと失敗がつきものである。

 

Nature Remo は自らの間違いから、業界の慣行には理由があることを学んだ。それは物理だ。

失敗についての塩出氏の注釈

  1. 失敗は避けようのないステップだ。それを乗り越えよう。
  2. 行動、行動、そして行動。失敗しても、それを最大限に活用し、次へ向けて進もう。
  3. 執念は、ソリューションを見出すカギである。いつも完璧に事が進むことを期待しているなら、目標を考え直した方がいい。私は現在のステージに至るまで、プロトタイプを20回作り直さねばならなかった。

休憩の後、招待ゲストを交えて2つのパネルディスカッションが持たれた。

最初のパネルでは、スタートアップとのコラボレーションの話題を取り上げ、ヨーロッパと日本のエコシステムプレーヤーには類似性があることについて、KVART のイノベーションコンサルタント Torsten Fischer 氏に私が話を聞いた。

ドイツ出身の Torsten 氏は、アジアの循環経済に特化し、日本やヨーロッパにおけるイノベーションの会話を橋渡ししてきた。

ヨーロッパの大企業とスタートアップ間の Win-Win となるコラボレーションは、まだ新しいもので開発初期の段階にあるそうだ。顧客志向のイノベーティブなソリューションを提供できる柔軟性を持った若い起業家に大企業が参加することで、日本はコラボレーションから多くのことを学べるだろうと Torsten 氏は考えている。一方で、スタートアップは自分たちが持っていないブランディングやインフラストラクチャーについて、大企業から利益を得ることができるだろう。

失敗という話題について、Torsten 氏はヨーロッパのハブの多くにおいても、それは前向きには受け止められていないと話したが、この話題を避けることはできないし、起業家のスキルを形成するために、我々は失敗から学ぶ方法をリードし、理解しようとすべきだろう。

2つ目のパネルは、我々の CEO である牧野がリードし、2つの日本のスタートアップが加わった。この最後のセッションでは、聴衆はさらに多くを学び、起業家に直接個人的な質問をすることができた。このセッションがイベントの主要な部分であり、参加者がより絆を深めたように見えるひと時だった。

ハードウェアの失敗について共有したい話があれば、sabrina @ makersboot.camp までメールしてほしい。スタートアップが直面する困難について、より多くのことを知りたければ、我々に思いを寄せてほしい。

----------[AD]----------

「スタートアップのためのオンラインプラットフォームは、オープンであるべき」〜京都・第11回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でインターン勤務している石井拓実氏による寄稿を THE BRIDGE が編集したものである。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。 本稿における写真は、atelier 2du monto でウェディングドレスデザイナーを務める…

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でインターン勤務している石井拓実氏による寄稿を THE BRIDGE が編集したものである。

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。

本稿における写真は、atelier 2du monto でウェディングドレスデザイナーを務める砂広今日子氏が撮影したものだ。


5月18日、サンフランシスコのハードウェア・スタートアップ向けコミュニティ・プラットフォーム Hardware Massive と共催したミートアップでは、多くのスタートアップが直面する「量産化」を始めとする問題を解消するために、オンラインプラットフォームをどのように利用していくかを中心に意見が交わされた。

ソフトウェアを扱うスタートアップと比べ、ハードウェアを扱うスタートアップならではの課題が議題にあがった。「競争ではなくパートナーシップ」は、このミートアップの大きなテーマの一つとも言える。また、ハードウェアスタートアップを運営する起業家が登壇し、よりリアリティのあるストーリーが多く語られるイベントとなった。

ハードウェアスタートアップにとっての「死の谷」である量産化の問題を解決するため、Makers Boot Camp は京都試作ネットと協力し、スタートアップが製品を量産化するプロセスの支援を行った事例を、Makers Boot Camp の Sabrina Sasaki 氏が紹介した。

ハードウェアスタートアップ・エコシステムを代表する3人によるプレゼンテーション

続いての Hardware Massive の Greg Fisher 氏によるプレゼンテーションは、「皆さんの中で量産化プロダクトを開発している方、企画している方はいますか?」という問いから始まった。

彼は、ハードウェアスタートアップの量産化には多くの問題があり、彼らが競争ではなくパートナーシップ、つまり連携することによってそれらの問題の解決を目指していることを強調した。具体的には、彼は、エンジニアリングの過程で必要となる莫大な費用を始めとする問題を上げ、スタートアップがそれらの問題を乗り越えていく環境を作るために、Hardware Massive が行なっている活動を紹介した。

Hardware Massive 創業者の Greg Fisher 氏

彼はハードウェアスタートアップを「物理的生産物をフルスケールの流通へとのせることが目的であるスタートアップ」と再定義した。

それを踏まえた上で、Hardware Massive は

  1. ネットワーキング
  2. 教育
  3. リソースへのアクセス

……をミッションとして掲げているとした。

Hardware Massive は世界中に支部を持ち、ウェブサイト上でそれぞれの支部、スタッフ、イベント等の情報を共有し、またニュースやイベントを始めとした種々のリソースを提供していることにも触れ、ハードウェアスタートアップがアクセスできるグローバルなプラットフォームが実現しつつあることを示した。

LifeChair の Karlos Ishac 氏

続いて登壇した LifeChair の Karlos Ishac 氏は筑波大学の大学院生でもある。Lifechair は彼が起業した二つ目のスタートアップであり、スマホやパソコンの長時間使用やデスクワークによってもたらされる身体的問題や生産性の低下などの問題などを解決するためのプロダクトを開発している。姿勢改善の機能や、使用者の姿勢をチェックし、バイブレーションによって正しい姿勢へと導くといったような機能も兼ね備えている。

彼は幼少期から発明に興味を持ち、14歳の時には非公式のビジネスを行っていたと語った。彼はシドニー大学卒業後に職を探したが、母国のオーストラリアでは農業や海上関係の仕事が多く、どうしても興味を持てなかった。そんなとき、彼は筑波大学の OMECHA に出会い、日本での進学を決意。その飽くなき探求心で今までに医療用ロボットなど、さまざまなプロダクトを発明してきた。

彼は現在のチームメンバーに、「一つのプロダクトに固執するな」と常々強調しているそうだ。数々の製品を発明してきた彼の柔軟な考え方は、ハードテックスタートアップが生き残る上での重要なポイントとなるだろうと感じた。

NAIN の山本健太郎氏

プログラム前半の最後に登壇したのは、日本のスタートアップである NAIN の山本健太郎氏。彼は北海道大学で複雑系工学などを学んだ後に、パイオニアでカーナビや関連機器の開発、企画担当に従事した経験を持つ。

彼は自分のことを「スマートフォンをいちいち手に取るのも嫌なほど面倒くさがり屋」だと言い、これを解決するためにアイズフリーの(目を使わないで済む)インターネットデバイス「APlay」を開発した。また彼らはさらにスマートフォンと連携可能なオーディオに目をつけ、ワイヤレスかつ音声認識可能なデバイスの開発を行い、その量産化を目指している。

スタートアップのためのプラットフォームは、常にオープンであるべき

この日のプログラムでは、2つのパネルディスカッションが行われた。

まずは、Hardware Massive 創業者の Greg Fisher 氏 と Makers Boot Camp CEO の牧野成将氏の二人が、ハードウェアスタートアップを支援する側の視点で議論した。ソフトウェアスタートアップと比べ、ハードウェアスタートアップが直面する資金やネットワークに関する難しさについて触れ、オンラインプラットフォームの重要性について互いの意見を述べた。

多くのピッチイベント等のイベントが行われているが、一度きりのイベントではなく、継続的なコミュニティを実現したかったので Hardware Massive を立ち上げた。競争ではなくコラボレーションを意識しており、オープンな姿勢を非常に大切にしている。(Greg 氏)

今日、さまざまなオンラインプラットフォームが乱立しているが、この Hardware Massive のオープンな姿勢はこれからのハードウェアスタートアップに欠かせない存在となり得るだろう。最後に Greg 氏は日本のスタートアップに向けて、次のようにメッセージを送った。

孤立化を避けオープンでありつつ、失敗を恐れずに世界へと挑戦するべきだ。

続いて、登壇者の一人である PLENGoer Robotics  の富田敦彦氏が、同社が開発した「PLEN Cube」についてのプレゼンテーションを行った。

私はテクノロジーが人間に取って代わるとは思いません、人間の生活を豊かにするものです。

彼はそのような思いから、手のひらサイズに収まり、我々の生活の中で記録し、共有したい重要な瞬間を逃さず捕えてくれるアシスタントロボット PLEN を開発したと述べた。彼のチームは、我々の生活をより楽しませてくれるプロダクトの開発を実現しようとしている。

<関連記事>

ハードウェアスタートアップにとっての困難と挑戦

そして、いよいよ最後のパネル「Challenges for Hardware Startups」を迎えた。大阪のコワーキングスペース The Deck の森澤友和氏をファシリテーターに迎え、 NAIN の山本健太郎氏、LifeChair の Karlos Ishac 氏、そして PLENGoer の富田敦彦氏の3人がそれぞれのスタートアップの取り組みや、今後の展望を語り合った。このセッションではオンライン上で質問を受け付けるサービス sli.do を用いてオーディエンス側からの質問を受け付けた。

森澤氏がクラウドファンディングに関しての質問を投げかけたところ、PLENGoerの富田氏は、

重要な取り組みではあるが、支援者が増えることでチームのメンバーが満足してしまい、今後の取組に支障が出てくる危険性がある。

と答え、彼の視点は斬新であり非常に興味深かった。

また、会場からは「学生時代に行うべき活動へのアドバイスを受けたい」との質問が上がり、現役の学生である Lifechair の Karlos 氏は、「できる限り早い段階でスタートアップのコミュニティに触れるべき」とアドバイスを将来の起業家へのエールとした。

「チームをモチベートするためにどうしているか?」といった質問に関しては、NAIN の山本氏は

私を始めとしてチームの皆も怠け者であり、だからこそ便利なプロダクトの開発を行いたいと思った。

とユニークな回答をし、各社の特色が際立つセッションとなった。

3人の起業家は、それぞれのスタートアップが次のステップに向かうために、資金調達およびクラウドファンディングの達成、そして最終的なプロダクトの完成などが必要であると述べ、このセッションを締めくくった。

----------[AD]----------

若手と学生のための起業家精神の育て方〜京都で開催された第10回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。 本稿における写真は、プロの写真家で田村寫眞館のオーナーでもある田村泰雅氏が…

Sabrina Sasaki 氏

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。

本稿における写真は、プロの写真家で田村寫眞館のオーナーでもある田村泰雅氏が撮影したものだ。


2月は Makers Boot Camp にとって忙しい月となった。HackOsaka のすぐ翌日に、日本初となるハードウェアスタートアップのためのピッチコンテスト「Monozukuri Hardware Cup 2017」を私たちがサポートした際、3つの海外ハブにスペシャルゲストスピーカーとして招待を打診することができた。彼らのうちの何名かは、大阪で非常にタイトなスケジュールをこなした後にもかかわらず、京都の Monozukuri Hub Meetup にお越しくださり、ご自身のインサイトをお話し頂いた。

私の役割は、ミートアップのトピックとそれに関連したテーマを学生に紹介することで、彼らにはスタートアップコミュニティに参加してもらい、アイデアを共有したり経験や現状を学んでもらった。京都には多くの学生がおり、日本一の学生密度を誇っている。今回のミートアップは次の人生の選択を考える若者に焦点を当てるという狙いがあり、初めて来たという観客も多かった。

「なぜ京都なのか?」イベントで私が最初に投げかけた質問だ。京都という都市にはユニークなものが多く、その産業を簡潔に定義するのは難しい。特にアート、デザイン、建築分野における多様性の話となると尚更だ。京都とは、あらゆる産業が革新性と創造性を内包したダイナミックな都市であり、そこで生まれる挑戦的な試みが日常生活にまで影響を与えており、その恩恵を受けることができる私たちは幸運だと言える。

この都市では、任天堂、京セラ、オムロンのような近代的な有名企業が集中的かつ伝統的な職人的な活動と共存しており、陶器、織物、料理などの分野ではベストプラクティスとして他の先進工業国の見本となっている。京都は毎年数多くの観光客や交換留学生を招き入れている。彼らの中には、創造性と革新性を持つ地元のエコシステムからインスピレーションを得ようとする者や、ビジネスパートナーを探す者もいる。その意味では、様々な大学の学生を外の世界とつなげることで、私たちが設けた意見交換の場がスムーズに回り、今までにないモノを作る新しい方法を推進することができる。

Yushan Ventures の台湾拠点マネージングディレクター Sam Lai 氏が、特別ゲストとして聴衆に加わった。

私たちの街は素晴らしい環境だったのだ! Makers Boot Campは日本の世界的なノウハウを、そのバックグラウンドから生まれたベストプラクティス企業と共有している。かくいう私たちの共同設立者もこうしたエコシステムを介して出会うことができたのだ。メンターや職人とのつながりを持つ私たちは、新たなビジネスの基盤を構築するために必要なサポートをスタートアップに提供している。また、私たちのネットワークには若いプロフェッショナルもいるので、学生プロジェクトについてさらに深く知りたいと考えている方や、新商品の開発を検討している方に対しては、基本的なアドバイスを提供することもできる。

しかし、要件ということになると、職人に「向いている」人、またはスタートアップへの参加に「向いている」人というのをどういう風に決めればよいのだろうか?どの時点からでもスキルを磨くことはできるのだから、スタートアップに参加するために必要な「適性」や特定の専門知識のようなものは無い。第一に、職人とは、新たなモノを発見して、それを試したり、情熱を傾けることができるモノを見つけた人のことだ。結局のところ、違いを生み出すのは個々のスキルではなくチームワークの結果なので、共有することがスタートアップとしての私たちのルーチンの一部でもある。

ハードウェアスタートアップの歩みを見てみると、例えばゲームにもいろんなステージがあるように、次のステージに進むためには現在のステージで一定レベルに到達する必要がある。この意味で言うと、「ゲームを続ける」ことに大部分の職人が苦労するのは、プロとしてプロトタイプを作らなければならないステージにいる時なのだ。そのステージは「Design for Manufacturing(DFM)」と呼ばれている。そこで、私たちはプロトタイプの専門家と共にスタートアップのサポートを行っており、様々な学生をハブに招いて新しいモノを試してもらいたいと考えている。

Polite Machines の Ajay Revels 氏

最初のゲストスピーカーは、ニューヨークに本社を置く Polite MachinesAjay Revels氏。デザイン思考を専門とする研究者として現在取り組んでいる仕事を紹介してくださった。彼女は人々に愛されるであろう商品・サービスを発見して開発を行うチームを数多くサポートしている。彼女はビジネス分野における人類学者みたいなもので、起こり得る問題を理解して検証するために、大学や家庭、オフィス、病院などのシステムを日々分析し、人々の観察やインタビューも行っている。そして、全ての問題をマッピングし(地下鉄の路線図のように)、一つの例として特定の問題の全体像が見えるように、全てのチームにインサイトを提供している。新たなプロジェクトのアイデアを持っているときに、最初に考えるべき3つの重要な質問を彼女は提起した:

  • 解決すべき現実の問題が私にはあるだろうか?
  • この問題を解決する商品を作ることはできるか?
  • もしできるなら、私の商品はどのような価値を付加することができる?(命題)

Ajay 氏はスタートアップと共に、現実の問題を解決する商品があるかどうか、そして人々がその商品に対してお金を払ってくれるかどうかを確かめる実験を行っている。京都で互いに交流する人々を観察した彼女は、最近のいくつかの事例に当てはめてみた。

スタートアップには、問題の解決のみを目指して収益を求めない、従来型の慈善活動を行っているものもある。それ以外のスタートアップはプロのビジネスであり、投資家にリターンを提供するために利益を生み出す必要がある。さらに、その2つのちょうど真ん中を取った社会起業家精神という領域も存在する。その中心となる目標は、収益を上げることとコミュニティを支えることの両方だ。

スタートアップの成果を測るために使用されるモデルには様々なものがある。なぜなら、利害関係者によって定義される特定の目的によって、成功の概念は如何様にも変化し得るからだ。

Innovation Works の Jeffrey McDaniel 氏

2人目のスピーカーは Innovation WorksJeffrey McDaniel 氏。Monozukuri Hardware Cup には審査員長として、米ペンシルバニア州ピッツバーグからお越し頂いた。彼は世界有数のハードウェアスタートアップエコシステムの一つで代表を務め、Alphalab Gear Hardware Cup にも参加している。EIR(エグゼクティブ・イン・レジデンス)としての彼の役割は、設立者や起業家のためのメンターとしてアーリーステージの企業と多くの時間を費やすことにある。

Ajay 氏と同様に、Jeffrey 氏は起業する上で必要となる基本的な事柄を2つ挙げた。問題を解決することができる優れたアイデアを発見することと、それにお金を払ってくれる人を探し出すことだ。

かつてピッツバーグは「鉄の町」として知られていた。昔は米国で使用される金属全体の80%がピッツバーグ産だったが、現在ではわずか5%にすぎない。この地域は米国の産業にとって重要なハブであり、ピッツバーグは自ら革新を行うことにより、なんとか生き残った。天然資源と人々の才能や技術を組み合わせたトライアングルを完成させることで、ピッツバーグは成功という概念を独自に再定義した。地方は経済の変化に適応し、利用可能な資源を使った革新的なスキルを育てる方法、つまりサバイバルスキルを学ぶ必要があったのだ。これは日本で起きたこととも類似している。

かつての繁栄のおかげでピッツバーグには多くの大学が存在する。そして、そこには潤沢な資金があり、新たな起業家たちは支援を受け、リスクを冒して新しいプロジェクトを始めることができる。この意味で、地方のエコシステムは革新的な独創性の発展に重要な役割を果たした。そして、ピッツバーグでは現在、Google や Uber のようなハイテク企業が戦略的ハブを置き、自動運転車のテストを行っている。

Timescope の Adrien Sedaka 氏

私たちのイベントの主な目的は常に、スタートアップを知ってもらうことにあり、今回はさらに、IoT スタートアップの主要なグローバルハブから多様性を体現する2人のフランス人起業家にもお越し頂いた。

パリからいらした TimescopeAdrien Sedaka 氏は ESCP Europe でビジネスを学んだ後、コンサルティングの分野に進んだ。マーケティングなどのビジネスの問題について、中小企業から大グループ企業まで経営幹部を相手にコンサルティングを5年間行った。

2010年、彼は子供の頃からの友人 Basile Segalen 氏とポンペイを訪れた。旅行シーズンだったこともあって、その歴史的な場所には観光客がごった返し、彼らは期待していたような経験をすることができなかった。不満が溜まるばかりで、歴史的な場所が持つ魔力があるとはいえ、そんな状況では心から楽しむことができないことに気付いた。こうした不満の中から、屋外の公共の場で使うように設計された没入感をもたらすツールを開発しようというアイデアが生まれたのだ。

すでにVR技術が新たな進歩を遂げていた2014年、彼らは最初の個人用VR端末 Timescope を開発することにした。開発開始から1年後には、フランス史で最も強烈な歴史を持つ場所であるバスティーユで、そのタイムマシンのテストを行った。Adrien 氏と彼のチームは現在会社の規模拡大を図っており、2017年には新たな設備を設け、さらに、日本の歴史的な場所にこの新しいサービスを導入する方法も検討している。

Adrian 氏はスタートアップへの参加に興味を示す学生が共有すべき心構えをいくつか教えてくださった。

  • パートナーシップは結婚のようなもので、誰と一緒に仕事をしたいかを慎重に選ぶ。
  • 本当にやる気のある人と一緒に働き、彼らのケアは怠らない。
  • できるだけ早くアイデアを実行するようにする。
  • 自分が持っていないスキルを過小評価しない。そうしたスキルに挑戦するか、もしくはあなたが必要とすることに手助けしてくれる人と協力する。
Parkisseo の Régis Duhot 氏

Parkisseo の設立者兼 CEO であるRégis Duhot 氏は、自らを「50歳の若手スタートアッパー」と称する。主に電子機器業界の多国籍企業をいくつか渡り歩き、財務・経理分野で25年の経験を積んだ後、会社を設立した。

世界中のほとんどの大都市生活者と同様に、Régis 氏は駐車場を探すことに人生の大部分を無駄に費やしているという。そこで彼は、新たなソリューションによってこの問題に取り組む決意をした。そのソリューションとは、ドライバーが無駄な時間を使わずに、利用可能な駐車場を簡単に見つけることができるスマートなカーシステムだ。

Parkisseo は都市をスマート化して、市民の日常生活を容易にするコネクテッドデバイスを利用した包括的なソリューションを提供している。ワイヤレスなので設置が楽で簡単に利用でき、ドライバーと駐車場オーナーの双方に利点がある。

京都 D-Lab の特任准教授で、Makers Boot Camp のアドバイザーも務める鈴木篤史氏

京都 D-Lab の特任准教授で Makers Boot Camp のアドバイザーも務める鈴木篤史氏は、学生とスタートアップを Kyoto Startup Summer School に招待した。

Eiji Takahashi 氏に彼の学生スタートアッププロジェクト「Untilet」についてお話頂いた。

Takahashi 氏は京都工芸繊維大学で高分子ガラス転移を研究しており、同時にデータサイエンスにも興味を持っている。彼は初期段階から IoT デバイス開発チームの CTO として開発をリードし、最近では大学内の起業家部門の創設に協力している。

彼の最初のプロジェクトである Untiled は、例えば、不快な臭いを認識し、鼻づまりに苦しむユーザに毎日の習慣を変えるよう勧めるデバイスだ。モバイルアプリに接続すれば、センサーが空気中の特定の物質を捕捉することができる。

Takahashi 氏は開発中のデバイスのデモンストレーションを行った。

最後に、彼には、大学生としてスタートアッププロジェクトを開発する上での課題について説明する教授や他の学生とのパネルディスカッションに参加して頂いた。

また、Ajay 氏は、次のステップとインサイトについてのパネルディスカッションに、海外ゲストとしていくつかのスタートアップと Jeffrey 氏を招いた。

観客が学生やスタートアップ、専門家に質問をすることができる Q&A セッションを設けた。

閉会の前に、私たちの最初のサポーターであり、サンブリッジの会長兼グループ CEO でもある Allen Minner 氏から締めの挨拶を頂いた。彼はシリアルアントレプレナーで、 Makers Boot Camp など日本のスタートアップに投資を行うエンジェルやメンターとして知られている。

Makers Boot Camp の牧野成将氏(左)と、サンブリッジの Allen Minner 氏(右)

Allen氏は地域社会が持つ可能性を強調し、私たちのCEOである牧野成将氏のような新世代の起業家たちがリードする Monozukuri Hub Meetup の現在の功績に触れ、より多くの学生に英語を学んで新しいプロジェクトに挑戦するよう呼びかけた。

ConnectFree の帝都久利寿氏(前列左)と、FabFoundry の関信浩氏(前列右)

参加者とスピーカーが交流したり、スタートアップのデバイスを使ってみることができる懇親会も行った。

左から:鈴木篤史氏、津吹達也氏、中村昌平氏

京都工芸繊維大学の鈴木篤史准教授と津吹達也准教授が、大阪大学の中村昌平研究員と交流を行っていた。

----------[AD]----------

スタートアップに求められるストーリーテリングの力〜京都・Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp のボランティア・サポーターで、シンガポール国立大学(国際学部)の学生である Joey Ho Nihei 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。 本稿における写真は、写真家の…

joey-ho-nihei-150x150
Joey Ho Nihei 氏

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp のボランティア・サポーターで、シンガポール国立大学(国際学部)の学生である Joey Ho Nihei 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。

本稿における写真は、写真家の逢坂憲吾氏による撮影。


monozukuri-hub-meetup-20161214-panel-2

Makers Bootcamp は、日本を代表するハードウェア・アクセラレータで、大成功している Monozukuri Hub Meetup のオーガナイザーでもある。このミートアップは、国境を超えたコラボレーションや情報交換のプラットフォームとして機能することで、maker のコミュニティを構築し、支援し、鼓舞することを目的としている。

「The Power of Storytelling(ストーリーテリングの力)」と題された、2016年の Monozukuri Hub Meetup の直近の回では、Makers Bootcamp はテック業界で最も旬なストーリーテラー、投資家、スタートアップの起業家を集め、スタートアップにとって説得力のあるストーリーの築き方や生かし方について洞察を共有した。

今回のミートアップでは、スタートアップにとって、投資家の最初の関心の惹き方からスタートアップの価値の消費者への伝え方まで、それぞれの方法において、どれだけパワフルで効果的なストリーテリングが典型的かというテーマが取り上げられた。端的に言えば、ストリーテリングは、スタートアップが投資を勝ち取るだけでなく生き残る上で、必ず持っていなければならないパワフルなツールだ。

この夜のプレゼンテーションでは、ストーリーコンサルタント、投資家、スタートアップの3つの主な視点が披露された。互いに近い関係ながらも異なる視点からストリーテリングの進め方を見られたのは素晴らしかった。

Makers Bootcamp の Sabrina Sasaki 氏によって、この夜のセッションが開始された。彼女は、ストーリーテリングの技術とスタートアップの成長にとっての重要性を紹介し、その後のプレゼンテーションで起こるであろうマジックに向けて、参加者達をウォームアップした。彼女は(筆者を含め)ストーリーテリングの技術に慣れていない人たちに、簡単なプレゼンテーションをしてくれた。彼女がプレゼンテーションで伝えた重要なメッセージの一つは、スタートアップのマーケティングにおいてストーリーが重要な役割を果たし、革新的な製品を作るのと同じくらい重要ではないかということだった。

monozukuri-hub-meetup-20161214-panel-6
Storymaker のマネージングパートナー Björn Eichstädt 氏

最初に登壇した Storymaker の Björn Eichstädt 氏は、ストーリー指向のコミュニケーションコンサルティング、PR、デジタルコミュニケーション会社の経営を通じた膨大な経験から得たエピソードを共有し、コンサルタントとしての視点を提示した。 彼は、多くの情報が絶えず押し寄せてくる世界において、企業のアイデンティティと価値や伝えるパワフルなストーリーが重要視されていること、また(トレンドを追うのではなく)独創性こそが唯一の真の方法であると語った。

聴衆に特別な印象を与えた言葉は、彼がストーリーを日本の出汁になぞらえたものだった。

ストーリーは出汁のようなものだ。出汁は適切な食材でのみ作ることができるが、それは実にさまざまな形で表現できる。もし顧客やメディアがそれを好きになれば、それを再び思い出してくれるだろう。

<関連記事>

monozukuri-hub-meetup-20161214-panel-3
500 Startups Japan 代表 James Riney 氏

Eichstädt 氏に続いて登壇した 500 Startups Japan 代表の James Riney 氏は、ストーリーテリングに対する投資家の視点を共有してくれた。投資家が起業家のピッチを聞くとき、何を見ているかというものだ。

彼が常に重視してきた主なテーマは、投資家にプレゼンテーションするわずかな時間の中で、起業家のアイデアや価値観、そして信頼と自信を得る必要を示す際に、表現をシンプルにするということだ。これを行う最善の方法は、トラクション、チーム、ターゲット市場、メディアによる報道、または、投資家や資金を切望していることのいずれかについて、そのスタートアップの強みを強調することだ、と彼はアドバイスした。

簡単に言えば、起業家に求められるのは「なぜこれなのか? なぜ今なのか? そして、なぜあなたなのか?」を単純簡潔に話すこと。彼はまた、スタートアップが資金調達を求めるときに、いくら必要か、何に使うのか、その金額でどのくらいもちそうかなど、物事をシンプルに伝えることの重要性を強調した。

<関連記事>

プレゼンテーションの後半では、中西敦士氏と高瀬昇太氏がそれぞれ、DFree と Blincam のストーリーを共有してくれた。彼らのストーリーは、スタートアップを前進させる上でパワフルなストーリーを効果的に活用する方法の、生きた証と言えるだろう。

monozukuri-hub-meetup-20161214-panel-5
DFree CEO 中西敦士氏

DFree CEO の中西敦士氏は、以前、パンツを履いたままウンコを漏らしたことがある。彼は世界中にこの話をするのを恥ずかしがらない。この事実こそ、超音波を使って身体の変化を検知しトイレのタイミングを予測することで、人間の尊厳を守る世界初のウエアラブルデバイスの開発につながったことに他ならないからだ。「誰もパンツを汚さなくていい世界を作る」という彼のプロダクトのビジョンは、そのストーリーを披露する方法と同じく革新的だった。

彼は、聴衆に次の質問をすることから話を始めた。「パンツにウンコを漏らしたことのある人はいますか?」会場は、間違いなく大きな笑いに包まれる。

このような、恥ずかしいながらも個人的で親しみやすい話は、独創性や驚きの要素を重視するストーリーテリングで重要な要素であることが証明されている。プレゼンテーションを終えるにあたり、彼は DFree の将来像を共有した。それは、トイレのタイミング、食欲、生理周期、老化、そして人の寿命まで、すべてを予測することで、誰もが将来、生き方を大きく変えるというものだ。

<関連記事>

monozukuri-hub-meetup-20161214-panel-1
Blincam CEO 兼創業者 高瀬昇太氏

最後のプレゼンテーションに登壇したのは、Blincam のCEO 兼創業者の高瀬昇太氏だ。Blincam のストーリーは、Startup Weekend のセッションで偶然に始まり、高瀬氏の、家族の自然で美しい写真を撮りたいという強い欲望からから始まった。 Blincam の背後にある重要なインスピレーションは、高瀬氏の娘が写真を撮られていることを知ったときに、カメラでいつも面白い顔をするため、高瀬氏が自然な娘の写真を撮ることができないことだった。

多くの人々とビジョンから生まれた Blincam とが共有した、自分の子供たちの魅力的で美しい写真を撮りたいという願いこそ、Blincam が大事にしていたものだ。瞬きするだけで、自然な写真が撮影できるウエアラブルのハンズフリーカメラ。高瀬氏は、事業をガレージで事業を始めてから、Makuake で目標額の2,640%、さらに最近 Indiegogo で目標額の150% を達成するまでに至った道のりを一つずつ共有してくれた。

<関連記事>

monozukuri-hub-meetup-20161214-panel_featuredimage

このイベントでは役立つ知識に富んだストーリーが紹介され、テック業界の最も旬なストーリーテラーや聴衆(投資家)が参加していた。Makers Bootcamp は、参加者一人一人に改めて謝意を表したい。このミートアップが我々同様、皆さんにも役立つことを願って。近いうちに再びお会いしましょう。

すべてのスピーカーのプレゼンテーション・デッキや詳細な情報は、ここから参照することができる。

----------[AD]----------

量産設計・プロトタイピングの識者と考える、スタートアップのものづくり〜第7回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏とボランティアの照山貴子氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。 本稿における写真は、写真家の逢坂憲吾氏による撮影…

sabrina-sasaki-150x150
Sabrina Sasaki 氏

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏とボランティアの照山貴子氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。

本稿における写真は、写真家の逢坂憲吾氏による撮影。


monozukuri-hub-meetup-20161016-panel-1

Makers Boot Camp の月例イベント「Monozukuri Hub Meet up」の7回目が10月16日(水)MTRL 京都で開催された。今回の題目は「スタートアップのための量産化設計」だ。

Makers Boot Camp のマーケティング担当 Sabrina Sasaki はイベントの冒頭、量産化設計について簡単な紹介をした。彼女は、コンセプト作りに始まり、スタートアップがたどり着こうとする小売販売まで、製造プロセスの各ステージについて紐解き、Over Wall Manufacturing(一つのステージを終えてから、次のステージへ進む方法)という従来の製造方法について説明した。この方法では、各ステージの専門家は分かれて仕事しているため、どんなに素晴らしいプロダクトのアイデアを思いついても、次のステージに進むには、各プロセスに対応できる適任者を探し出す必要があり効率的でなく時間がかかってしまう。

文字通りステージとステージの間には壁が存在し、その各ステージの専門家の間には直接的な関係も生まれない。資金面でも人材面でも、リソースに限りのあるスタートアップにとって、これらの壁は妨げにになる。スタートアップは常に一から始めなければならないが、彼らは限られたリソースを最大限に生かすために、これらの壁をどのようにすれば乗り越えられるだろうか? そして、状況が難しい場合でも、一定の成果を得るまで、どうすればプロトタイピングを続けるられるだろうか? パリと京都をつなぎ、フランスのプロトタイピングの専門家チームとゲストスピーカーが、maker たちに洞察を共有してくれた。

monozukuri-hub-meetup-20161016-panel-3
プレンプロジェクト CEO 赤澤夏郎氏

最初のスピーカーは、二足歩行ロボット「PLEN」を開発するプレンプロジェクトの CEO 赤澤夏郎氏だった。同社の「PLEN2」は、オープンソースで印刷可能なロボットとして、Kickstarter でクラウドファンディングを実施した。PLEN2 では、同社の 3D オープンソースデータを参照することで、世界中の誰もが自分のロボットを作ることができる。同社のビジネスモデルに話を移すと、PLEN2 はオープンソースであるため売上を生み出さないが、公開データを使ってロボットを組み立てた人々は、そのロボットを SNS でシェアしてくれるので、広告よりも効果的に認知を広めることができる。

お金を得ることはできないが、プレンプロジェクトは、ヒューマノイドの共創プラットフォームになることができた。そして最後に、赤沢氏は、中国の EMS(受託製造企業)である Goertek(歌尔)との合弁で昨年設立した新会社 PLENGoer Robotics について紹介した。プレンプロジェクトと Goertek は共同で、来年1月にお目見えする予定の新しいロボットを開発中だ。小さな町工場に生まれた赤澤氏だが、彼は今、これまでに経験したことがないほど大きな製造規模を擁する、巨大な国際プロジェクトに参加している。

<関連記事>

monozukuri-hub-meetup-20161016-panel-4
La French Tech Tokyo の Jean-Dominique Francois 氏

2番目のスピーカーを務めた La French Tech TokyoJean-Dominique Francois 氏は、フランス政府が設立した特別な機関について説明した。彼は、フランスと日本のスタートアップの橋渡しをすべく仕事している。我々は皆、その食べ物・ワイン・チーズ・美術でフランスのことが好きだが、Pepper にラテンダンスの動きを与えるソフトウェアのデベロッパに代表されるように、非常に評価の高い IoT のスタートアップが生まれる国でもある。

ヨーロッパと(日本を中心とする)アジアでの20年に及ぶ国際ビジネス開発の経験を通じて、Francois 氏はスタートアップやスタートアップ・エコシステムに関する、包括的な理解を深めることができた。ここ数年は、フランスの経済外交を担うメンバーの一人として、日本市場において、フランスのハイテクスタートアップや中小企業の発展を支援している。

<関連記事>

monozukuri-hub-meetup-20161016-panel-5
ダッソー・システムズ 田中昭彦氏

ダッソー・システムズのアカデミックプログラムのディレクターを務める田中昭彦氏は、よりよいプロジェクト管理に求められる、CAD システムやシステム管理ツールに関連した、同社の 3D Experience Lab でインキュベーション中のスタートアップについて話をした。これらはすべてクラウド上で動くサービスだ。トヨタやホンダなどが、スタートアップも利用できるこのプラットフォームを既に利用している。クライアントからもたらされる素晴らしい話とともに、バーチャルワールドを使って実現できる未来を想像してみよう。

同社のスタートアップ・インキュベーション・プロジェクトには、世界中からスタートアップが集められている。スタートアップは、都市、生活、ライフスタイル、IoT、アイディエーション、FabLabs の6つのカテゴリに応募することができる。選考にあたっての条件は、コラボレイティブ(共創的)か、プロダクトやサービスに破壊的なイノベーションがあるか、社会にとってポジティブなインパクトが与えられるかだ。

monozukuri-hub-meetup-20161016-panel-6
crossEffect の Benjamin Davoult 氏

休憩の後、パネルディスカッションに先立ち、量産化設計の専門家らが、自らの会社や作品を紹介する機会を得た。

最初のパネリストは crossEffect のプロジェクトマネージャー Benjamin Davoult 氏で、彼は自らをフランス人ナードだとして紹介した。彼は工業デザインの修士課程を終えた後、crossEffect に就職して来日した。彼のプロダクトデザイナーとしての仕事には、真空成形やプロトタイプ・トライアルモデルを作るクリエイターのための、シリコーン型デザイナーなども含まれる。

彼は、ラピッドプロトタイピングの手順について説明した。クライアントから 3D データを受け取り、新たなプロジェクト要望に基づいて、デザインの詳細をチェックし、それが物理的に作成可能であることを確認する。そして、3D プリンターや、液体樹脂の中に入れた金属プレートをレーザで軟化させるステレオリソグラフという巨大なデーザーマシンを使い、レーザを当て物体の新しい層を作ることを繰り返す。このプロセスは一晩(8〜10時間)かかるので、チームがモデルの作成にかかれるのは次の日からだ。3D モデルがクライアントから提供されることもあるが、いずれにせよ、マスターモデルを仕上げる必要がある。次に取り掛かるのは、シリコーンを内部に入れた型決め、そこから1日おいて、マスターモデルに樹脂を入れて行う真空成形の準備が整う。最終工程のために、ペインティングルームで真空成形機を開けると、プロトタイプは量産製品とほぼ同じ見栄えにまで仕上がっている。プロトタイプと量産製品を並べてみれば、どちらがプロトタイプかわからないだろう。

crossEffect は工業デザインを専門とする新しい部門を立ち上げており、その事業アイデアは、コンセプトづくりから 3D モデリング、3D プリンティング、真空成形へと広がりを見せている。

crossEffect のチームは、いかなるプロジェクトもコンセプトや手で描いた絵、プリント基盤のハードウェアからスタートすることができる。スピードが売りなので、一週間で多くの提案を出すことができる。提供する領域によって価格は異なるが、複数のサービスを提供することが可能だ。

彼はパナソニック、ローム、三洋電機、オムロンのようなブランド向けに crossEffect が最近作成した IoT 製品を見せてくれた。

Davoult 氏は、ものづくり、なかでも役に立つ新しい発明が好きで、家にいる間も 3D プリンタを使って、あらゆるデバイスやマシンを作ることに余暇の時間を充てている。

monozukuri-hub-meetup-20161016-panel-7
最上インクスの Emery Delmotte 氏

1950年創業の最上インクスで販売スペシャリストを務める Emery Delmotte 氏はフランス生まれだ。彼は最上インクスで海外販売を担当し、同社のビジネス展開を支援してきた。現在、同社の主要顧客は、京セラ、オムロン、村田製作所、富士通、デンソー、日本電産などの日本の大企業で、薄い金属板やプラスチック樹脂からプロトタイプを作成、プレス加工・曲げ・切断・ダイセット作成などのサービスを提供している。

最上インクスの生産スピードは小さい物体に特化しており、誤差は0.03㎜で、大きさ2mm²以下の大きさ・薄さ0.05㎜のプロトタイプを作成することができる。生産に必要な時間は7日間。量産が同社売上の約45%を占めるのに対し、プロトタイプ作成は売上の46%、その他の売上を成型や引き伸ばし作業が占める。月に400以上のプロジェクトを扱っており、依頼を受ける分野も、医療製品、自動車、車載リレーやコネクター、工業製品、通信モジュール、電子部品、スイッチ、バッテリー、燃料電池、放熱器までさまざまだ。

最上インクスは京都試作ネットと協力して、開発からプロトタイピング、量産、迅速な商品の具現化、量産体制へのスムーズな移行、早期の市場投入、追加修正などを完璧なサポートを提供している。

monozukuri-hub-meetup-20161016-panel-8
HILLTOP の Antoine Andrieu 氏

Antoine Andrieu 氏は、HILLTOP の開発部門で働いている。

Andrieu 氏が HILLTOP を紹介するにあたって見せてくれた工場内の写真には、作業者があまり多くは映っていなかった。新しくカスタマイズしたソフトウェアで、マシン制御の自動化に着手したからだ。Andrieu 氏は、HILLTOP でスマート工場プロジェクトのリーダーを務めており、IoT ・インダストリー4.0のコンセプトや技術を活用して、同社をファースト・プロトタイピングの新しい時代に対応させようとしている。

Andrieu 氏のチームワークは自動化に注力しており、同社には現在、IoT デバイスと家電製品の流行が訪れている。Andrieu 氏は、テストデバイス、自転車の安全灯、アロマディフューザー、運送ロボットなど、アイデア出しから顧客向けの開発ステップまで、彼の開発チームが社内で作成した B2B ソリューションの事例をいくつか見せてくれた。

HILLTOP は IoT 向けに、プロトタイピング、メカニカルデザイン、組立、量産までのサービスを提供している。

monozukuri-hub-meetup-20161016-panel-9

これら専門家を交えた最後のセッションでは、京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab 特任准教授 Sushi Suzuki(鈴木篤史)氏がモデレーターを務めた。Suzuki 氏とパリとのつながりは、彼がフランス国立土木学校(École des Ponts ParisTech)Paris Est d.school を共同設立し、デザインイノベーションを教えていたことにさかのぼる。

パネルディスカッションでは、maker が抱える問題や、Makers Boot Camp の主な活動でもあるハードウェアスタートアップの支援を、京都試作ネットのメンバーをどのように実現できるかが議論された。

すべてのスピーカーのプレゼンテーション・デッキや詳細な情報は、ここから参照することができる。

----------[AD]----------

ABBALab、Makers Boot Camp、HWTrekが、IoTエコシステムの新トレンドを語る〜次世代ものづくり会議から【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guene…

sabrina-sasaki-150x150本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guenes 氏による撮影。


jisedai-monozukuri-kaigi-20161004-2
左から:モデレータの 多賀谷 元氏(大阪産業創造館)、小笠原治氏(ABBALab)、牧野成将氏(Makers Boot Camp)、Roger Wu/巫荣展氏(HWTrek)、Alan Jung 氏(HWTrek)

10月4日、Makers Boot Camp は、大阪市が大阪イノベーションハブで開催した「次世代ものづくり会議」に参加し、ハードウェア・エコシステムのキープレーヤーとともに、新世代の起業家に新しいトレンドを紹介した。

メインの講演は、東京を拠点とするハードウェアインキュベータ ABBALab の CEO 小笠原治氏が行った。台湾 HWTrek のチームメンバーで、サブライチェーン担当 VP の Roger Wu(巫荣展)氏、日本市場ビジネス開発担当の Alan Jung 氏は、中国や台湾での製造に関する国際的な専門知識を、また、我々の CEO 牧野成将は Makers Boot Camp の京都試作ネットとのパートナーシップについてプレゼンテーションした。京都試作ネットは、プロトタイプの専門知識(量産化設計)に特化して、日常的な産業における困難に対峙すべく、ビジネスにおける強みを掛け合わせる、100社以上の地元製造業者の集まりだ。

jisedai-monozukuri-kaigi-20161004-5
左から:モデレータの 多賀谷 元氏(大阪産業創造館)、小笠原治氏(ABBALab)、牧野成将氏(Makers Boot Camp)、Roger Wu/巫荣展氏(HWTrek)、Alan Jung 氏(HWTrek)

このパネルディスカッションの目的は、ハードウェアにおける協業が、中小企業がメリットを享受できる win-win のビジネス環境の創造につながるという、新しい方法に関するものだった。メインの話題として、小笠原氏から、最近の日本における IoT のトレンドを牽引していることや、ABBALabDMM.Makeさくらインターネットに至るまで、彼のシリアルアントレプレナーとしての経験が紹介された。

<関連記事>

DMM.make AKIBA

小笠原氏は、中小企業の産業や彼らのニーズに特化して、新しい市場の常識を変える上での困難について話した。インターネットが情報産業に革命を起こしたように、製造業もデジタル世代を追っており、市場の新しい要求に対してより早く開発を進め適応できる中小企業にとっては、現在の産業構造において大きな事業機会が存在することになる。

この動きに加えて、製造を伴う起業家が深圳に集まっている中国の動きなど、自動化の進化や 3D プリンタを使う工場は、より規模も拡大し成長を続け、小ロットやコネクティッドデバイス向けのターゲットがカスタマイズされた製品など、新しい製造方法に着手している。

hwtrek-expert-lists

コネクティッドデバイスや IoT(Internet of Things)は、我々が現在抱える問題の多くを解決する、新しい機会をもたらしてくえる。大企業はその構造が堅牢で、我々が待てるよりも長い時間を変化に要するため、コネクティッドデバイスや IoT を扱うことができない。スタートアップはアクティブかつ絶え間なく活動を続けており、イノベイティブな役割を担い、新しいことを試すことに自由な中小企業には、このソリューションの機会が残されることになる。

jisedai-monozukuri-kaigi-20161004-3
HWTrek 日本市場ビジネス開発担当の Alan Jung 氏

Roger 氏は起業家に対して、自分の作ったプロダクトや技術に別の活用方法を見出すために、〝新しいクリエイターたち〟と話すことに時間とエネルギーを投資するよう促した。世界中の多くのハブから新しいプロダクトが生み出される中で、HWTrek のプラットフォームは、クリエイターと専門家のパートナーシップが、新しいアプローチや別のソリューションの創造につながることを証明している。

聴講に訪れた百社ほどの中小企業担当者らは、常識をどう変え、新しい IoT 市場をどう捉えるか、つまり、製造業の新しいビジネスモデルについて、自分たちの洞察の共有に関心を持っていた。ネットワーキングセッションでは、IoT における新ビジネスのイノベーティブな事例が HWTrek から紹介された。これは、日本の地元企業とつながることを目的として、11月に来日するクリエイターを紹介するものだ。

<関連記事>

jisedai-monozukuri-kaigi-20161004-4
HWTrek サブライチェーン担当 VP の Roger Wu(巫荣展)氏

Makers Boot Camp は、次回の Asia Innovation Tour 2016 を HWTrek と共催する。このツアーは11月2日に深圳で始まり、日本には11月7日に到着する。日本では以下の2つのイベントが公開で行われる。

量産化設計についてより深く知りたければ、10月12日に MTRL 京都で開催される我々の次回のミートアップに参加してほしい。この回では、パリと京都をつなぎ、日本とフランスの maker の人たちを招いて、製造に必要な心得について語ってもらう予定だ。

<関連記事>

----------[AD]----------

アクセラレータとインキュベータ、どちらに参加すべきか?〜京都で開催された第6回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でインターン中の Chi Chia Huang(黃麒珈)氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、写真家の逢坂憲吾氏による撮影。 天気に恵まれた9月12日、…

chichia-huang本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でインターン中の Chi Chia Huang(黃麒珈)氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、写真家の逢坂憲吾氏による撮影。


monozukuri-hub-meetup-20160912-panel-1

天気に恵まれた9月12日、MTRL Kyoto では参加者がビールで喉を潤しながら、Kpnetworks の CEO 山本直延氏のプレゼンテーションで Monozukuri Hub Meetup が幕を開けた。アクセンチュアのオープンイノベーション・イニシアチブのシニア・プリンシパルで、このミートアップの司会を務めた坂井田大悟氏のプレゼンテーションに引き続き、イギリス政府国際貿易省のテクノロジースペシャリストの John Kat 氏は、政府がスタートアップやエコシステム支援に何ができるかについての考えをシェアした。最後のスピーカーを務めた徳田貴司氏はこの日、自身が創業し CEO を務める KEIGAN の創業記念日だった。

monozukuri-hub-meetup-20160912-kpnetworks
Kpnetworks CEO 山本直延氏

山本氏は Kpnetworks のビジネスモデルについてプレゼンテーションし、スタートアップ・エコシステムにおけるアクセラレータ・プログラムの重要性について語った。彼は、複数のアクセラレータでの自身の経験について語った。

monozukuri-hub-meetup-20160912-accenture-2
アクセンチュア オープンイノベーション・イニシアチブ シニア・プリンシパル 坂井田大悟氏

坂井田氏は、アクセラレータとインキュベータの違いについて語った。我々はこの2つのプログラムのコンセプトを、非常に明確な説明で理解することができた。アクセラレータは数ヶ月程度の短期間のプログラムであることが多く、インキュベータは1年〜3年にわたる長期間のプログラムとなるケースが多い。彼は、シードステージにあるスタートアップも(長期間の)インキュベータに参加し、また、アーリーステージにあるスタートアップも(短期間の)アクセラレータに参加することを考えてみるよう提案した。彼は、日本のスタートアップ・エコシステムに見せる最新の数字を披露し、そこには成長機会がまだ存在することを指摘した。

monozukuri-hub-meetup-20160912-british-investment-trade
イギリス政府国際貿易省 テクノロジースペシャリスト John Kat 氏

Kat 氏は、ネットワーキング、資金調達、経営、マーケティングなど、スタートアップが抱える共通の困難を克服するためのアイデアを共有してくれた。彼は、スタートアップやイノベーションを支援するために、イギリス政府が学術界の研究者と業界エキスパートをつなぐ素晴らしいプログラムを始めていることを強調した。

monozukuri-hub-meetup-20160912-keigan-2
KEIGAN 創業者兼 CEO 徳田貴司氏

徳田氏は、彼のビジネス経験からスタートアップにいくつかのアドバイスをし、政府との協業機会を模索するよう提言した。

このパネルディスカッションでは、プレゼンターたちは、調達した資金の管理方法や、投資家に投資してもらえるよう説得する方法については、それぞれ異なる意見を披露した。

monozukuri-hub-meetup-20160912-panel-2

Kat 氏が興味深いコメントをした。

複数のベンチャーキャピタリストや投資家と会った後、彼らの話によって、あなたは襟を正されることになるだろう。投資家を説得しようとする前に、まず、投資から断られた理由を理解するべきだ。つまり、あなたのビジネスモデルが未完成だということだ。間違いを見つけ、それを正し、そして再び投資家を探せばいい。

この素晴らしいミートアップを開催してくれた、Makers Boot Camp と京都市役所に感謝したい。次回開かれる、10月12日の Monozukuri Hub Meetup が待ち遠しい。次回イベントは、ハードウェアスタートアップの失敗談を共有する「スタートアップのものづくり」がテーマだ。

monozukuri-hub-meetup-20160912-broaderview

----------[AD]----------