タグ Nature

Nature CEO 塩出氏に聞いた、電力スマート化・分散化への道のり 〜ヨットの上で感じた風をきっかけに、ESGスタートアップを起業〜

SHARE:

本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載 塩出晴海(Nature 創業者 兼 代表取締役 CEO) 北尾崇(サイバーエージェント・キャピタル シニア・ヴァイス・プレジデント) ESG ビジネスの中でも、環境への配慮や現状改善をテーマとしたスタートアップたちをクリーンテック、クライメートテックなどと呼び、一つの注目を集めるカテゴリを形成し…

本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載


塩出晴海(Nature 創業者 兼 代表取締役 CEO)
北尾崇(サイバーエージェント・キャピタル シニア・ヴァイス・プレジデント)

ESG ビジネスの中でも、環境への配慮や現状改善をテーマとしたスタートアップたちをクリーンテック、クライメートテックなどと呼び、一つの注目を集めるカテゴリを形成しています。我々の社会は今も化石燃料由来のエネルギーに依存していますが、需給双方のバランスが取れる仕組みができてきたことも追い風となって、よりサステイナブルな方向に向かっています。

Nature は2014年、三井物産出身でハーバード MBA を取得した塩出晴海氏(現 CEO)らがボストンで起業しました。電力消費をスマートなものにするというアプローチを、2016年に発表したエアコンをスマート化する IoT「Nature Remo」でスタートしました。Nature Remo は30万台以上を販売を達成、2021年には電力小売事業にも参入しました。

多くの起業家にとって、スタートアップを始める目的は自己実現の方法であり、投資を受けて企業を経営するかぎり利潤も追求する必要があります。そして、数多くある選択肢の中で、起業家がそのテーマをなぜ選んだのかは非常に興味があります。塩出氏がこのテーマを選んだ背景、エネルギー課題に一般消費者向けの IoT から挑んだ理由につい語っていただきました。

以下は、ディスカッションの要旨です。ディスカッションの全編は動画をご覧ください。

北尾:まず最初に、自己紹介と、どんな会社でどんな事業をされているのか伺えますか?

塩出:初めまして。Natureの塩出と申します。父親がハードやソフトウェアを自分の会社で作ってプロダクトを出すようなことをしていたので、僕は小さい頃からそういうのを見ながら興味を持って、プログラムを書き始めて、大学・大学院のうち3年間は海外でコンピュータサイエンスの勉強をして、その後事業開発を経験したくて三井物産に入りました。

最初は情報系のところにいたんですけど、結構キャリアの早いタイミングで、やっぱり自分の人生ベッドするのはピュアなITよりクリーンテックにかけたいなと思って、社内で手を挙げて電力の部署に異動させてもらいました。本当はクリーンテックがやりたかったんですけど、石炭火力とか結構重めの電力の世界に入っていきました。

そこでいろんな課題を感じる中で、やっぱりこれから必要なのは供給側をクリーンにするだけじゃなくて、再生可能エネルギーは、発電側は結構ブレるので、そのボラティリティを吸収するしくみを需要側で持つ必要があるということに気付いて、「Nature Remo」という家庭向けのスマートホームデバイスを作り始めました。

Nature Remo 3
Image credit: Nature

「Nature Remo」は便利なIoTデバイスとして今50万台弱ぐらい売れています。元々作った理由は、日本だと30%ぐらいが家庭の需要で、そのうちのピークの半分以上はエアコンなんですよね。なのでエアコンを制御できると結構大きな需要にアクセスできるというところがポイントで「Nature Remo」っていうスマートホームIoTデバイスを作り始めました。

これは家の外からエアコンをつけたり、スマートスピーカーと連携したりして声で家電を操作できます。ポイントは、普通に使ってるエアコンとかテレビとか照明が、「Nature Remo」がリモコンの代わりになってスマートスピーカーと連携できるので、その二つがあれば家の家電を普通に声で操作できるようになるのが特徴です。そういうスマートスピーカーのニーズ、波にも乗って今まで成長してきたところです。

スマートホームのアングルで言うと、家のスマートメーターとか蓄電池とか太陽光、最近、 EV ステーションとも連携できるエネルギーマネジメントのデバイスを発売しました。去年ぐらいから電力小売事業も始めて、IoTを切り口に電力のしくみを変えていこうとしている会社です。

北尾:特にクリーンテック、環境テックの方をしようと思われたきっかけは? 2〜3年ほど海外にもいらしたとのことですが、その時の経験などから、そういう価値観を持たれたのでしょうか?

塩出:まさにそうです。僕は父親ともうかれこれ20年ぐらいヨットをやってて、最近は横浜で乗ってるんですけど、僕、スウェーデンの大学院をみんなより3か月頑張って早く卒業して、その3か月、父親とヨットに乗って広島から沖縄へ行ったんですね。その時の原体験がきっかけになってるんです。

ヨットって本当に風だけで動くんですよ。で、本当に沖縄まで行けちゃうわけですよ。まぁ、エンジン回したりもしてたんですけど。一番印象に残っているのは、これはホームページとかにも書いてるんですけど、沖縄から奄美大島にオーバーナイトで行った時に、夕暮れ時で太陽が沈みかけてて、水面が赤くなって。父親は中で寝ていて僕一人、外でヨットを操船しながら風を感じてたんですね。そうすると風がフワーッと吹くじゃないですか。するとヨットがそれに呼応するようにヒュッと動いてくんです。

めちゃくちゃ気持ちよかったんですよ。たぶんそれが僕の人生の中で一番濃い自然の体験だったんです。そこで感じた高揚感の原因を自分なりに考えた時、人間って今は服着てこうやってビデオ会話してますけど、こんなのは最近やり始めただけで、人類の歴史を遡ってみると自然の中に生きてた訳です。人間ってDNAのレベルで自然の中にありたいっていう願望があるんだろうなというのが僕がその時感じたことなんです。

最近いろいろ勉強してて、エピジェネティクス(編注:DNA 配列変化によらない、遺伝子発現の研究分野のこと)という、遺伝子がそういう体験を継承するみたいなところも分かってきてて、「あの時の僕の感覚は間違ってなかったんだ」って気付いたんです。一方で今の世の中って、自然との共生とは真逆な方向に向かっちゃってるじゃないですか。

きっかけは産業革命だと僕は思うんですけど、そこで人類の大きな転換点が生まれて、大量にモノを作って大量に消費するっていう経済がどんどん膨らんで肥大化していってるのが今だと思うんですね。でもちょっと潮目が変わってるのが、UberとかAirbnbみたいに、モノをたくさん産むんじゃなくて、稼働率を上げることでビジネスにすると。

それって引いて見ると、産業革命以降の肥大化の経済のしくみをストップして反対側に動かすっていう意味ではすごく自然との共生になってると思うんです。そういうビジネスを立ち上げていきたいなっていう思いでNatureという会社を作り、自然との共生をドライブするっていうコーポレートミッションでやっています。

その中で、電力っていう課題感の大きい領域にターゲットを絞って、かつ、今再エネの流れがある中で、そこをIoTでちゃんとシームレスに導入をサポートしていくみたいなことをやろうとしています。

Nature スマート電気
Image credit: Nature

北尾:どういう起業家がESGの領域にチャレンジされるんだろうっていうのは、まだあまりまとまって表に出てない感じがしてたので、非常に貴重なお話をいただいたと思います。

最近、エネルギー事業(編注:電力供給事業の「Nature スマート電気」)に本格的に参入されました。しかし、事業はその前にホームデバイスIoTからスタートされましたが、ビジネス的な考慮から順番を決められたのでしょうか?

塩出:クリーンテックの領域って、今までに何度か波が来てたと思うんです。事業ってタイミングがすごく重要じゃないですか。僕はクリーンテックがやりたくて会社を作ったんだけど、いきなり一丁目一番地ど真ん中を攻めると、タイミング的にも恐らくうまくいかないだろうなって思ったんですよね。というのは、まだ2014年のタイミングでマーケットがそこまでレディじゃなかったと思うんです。今はだいぶ状況が変わってきてるなって感じてるんですけど。

これから再生可能エネルギーがどんどん増えた時に、世界において何が大事になってくるかってことを想像してみたんです。僕はデマンドをコントロールするしくみが必要になってくると思ったんですね。それって一朝一夕では作れないじゃないですか。電力の世界ってソフトウェアだけでは成立しないから。ハードウェアのところから整理していく必要がある訳です。

そう考えていくと、電力以外の価値で先にハードウェアをインストールして普及させる必要があると思ったんです。僕はスマートリモコン、つまりネットに繋がるリモコンに着目しました。外から制御できたりスマートスピーカーと連携できたりするっていうお客さんのベネフィットに繋がるから、まずはそこでデバイスを普及することを考えてやり始めたんです。

Image credit: Nature

北尾:なるほど。新たに参入されたスマート電気の事業は、どのような構想を持っておられるのでしょうか?

塩出:この業界の重要な流れって言うと、僕らはコンシューマ向けにフォーカスしてるんでその逆になるんですが、太陽光がデフォルトで戸建てに入ってくるというマクロなトレンドがあります。アメリカの一部の地域では既に新築は太陽光導入がマストみたいになってるし、国内でも最近ようやく小池都知事がそういう発言をされてたりとか、経産省が出している2030年までのエネルギーミックスで見ると、現状のほぼ倍の再エネ比率を目指してて、そこでも一番注目されているのが太陽光なんですね。

普通に太陽光を入れようとしても、設置場所とか、設置するとなれば地域住民の理解とかっていろいろ課題があることを考えると、屋根に乗っけるっていうのはめちゃくちゃ効率的な訳じゃないですか。屋根に乗っける上でさらにいいのは、需要と供給が同じ場所に存在するので、送配電がいらないんです。送配電コスト分のメリットが確実にある訳です。その流れが今どんどん来てる。だから太陽光はもうほぼ全ての住宅に入ってくっていうのがトレンドとしてあると思います。

加えてEVが鮮明になってきて、トヨタが2兆円投資するとか日産がガソリン車を作らないというように、日本でもようやくその流れが起きてきた。日本の大体半分ぐらいの世帯が戸建てに住んでるんですけど、戸建ての世界でいうと太陽光とEVがあって、昼間のうちに太陽光で発電してそれをEVに蓄えて時間をずらして使う。そういうライフスタイルが普通になってくる。僕らは実際に今、スマートエナジーラボっていう湯河原にあるラボでそれをやったりしてるんですね。そうなった時に重要なのは、エネルギーマネジメントを家単位でやるのもそうだし、もう一歩引き上げて地域で効率良くエネルギーリソースを使うっていうことも必要になってくると思うんです。

僕らはIoTっていうハードから入ってるけど、そういうエネルギーマネジメントのプラットフォームを形作ってくのが僕らの目指しているところで、それができれば、たとえば離島で化石燃料の価格が輸送コストとかで高くなるから、再エネの方が圧倒的にいいよねみたいな時に、個人間で電気を売買させたりみたいなことだって近い将来可能だと思うんですよね。最終的にはエネルギーマネジメントのプラットフォームで勝負していきたいなと思います。

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度「BRIDGE Members」を運営しています。会員向けコミュニティ「BRIDGE Tokyo」ではテックニュースやトレンド情報のまとめ、Discord、イベントなどを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。登録は無料です。
  • テックニュース全文購読
  • 月次・テーマまとめ「Canvas」
  • コミュニティDiscord
  • イベント「BRIDGE Tokyo」
無料メンバー登録


エアコンスマート化と次世代HEMS開発のNature、環境エネルギー投資と大和企業投資から7.5億円を調達——電力小売にも参入

SHARE:

エアコンをスマート化する IoT プロダクト「Nature Remo」を開発する Nature は14日、環境エネルギー投資と大和企業投資から7.5億円を調達したと発表した。同社にとっては、2019年8月に調達した環境エネルギー投資と DeNA(その後。Delight Ventures に移管)からの5億円の調達(シリーズ B 相当と推定)、2018年2月に実施した大和企業投資からの1億円の調達に…

エアコンをスマート化する IoT プロダクト「Nature Remo」を開発する Nature は14日、環境エネルギー投資と大和企業投資から7.5億円を調達したと発表した。同社にとっては、2019年8月に調達した環境エネルギー投資と DeNA(その後。Delight Ventures に移管)からの5億円の調達(シリーズ B 相当と推定)、2018年2月に実施した大和企業投資からの1億円の調達に続くものとなる。今回の調達ラウンドは不明。

Nature は今年3月に電力小売事業に参入し「Nature スマート電気」を開始しており、今回調達した資金を使って、家庭用太陽光の導入とエコキュート(給湯器)・蓄電池・EV等のエネルギーマネージメントをセットにした「Behind The Meter 事業」の拡販を図るとしている。また、今回の調達と合わせ、クックパッドのデザイン戦略本部長で UI デザイナーの宇野雄氏をアドバイザーに迎えたことも明らかにした。Nature では宇野氏の参画を受け、今後はより一層デザイン領域を強化する。

Nature は、三井物産出身でハーバード MBA を取得した塩出晴海氏(現 CEO)らがボストンで起業。NatureRemo は、出先から帰宅前にスマートフォンでエアコンをつけたり、Google Home や Amazon Echo から音声でテレビや照明を操作することができるほか、API を使ったサードパーティーによるサービス構築も可能だ。

Nature は 2016年に Nature Remo を発表し、その後、Kickstarter、Indiegogo、Makuake の3サイトでのクラウドファンディングで総額2,200万円以上を調達。2018年に全国家電量販店(ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機等)で販売を開始し、2019年4月にスマートホームスターターキットとして Google Home Mini と Nature Remo mini のバンドル商品を量販店で販売開始した。Nature Remo の累積販売台数は30万台以上。Nature は今年、「Google for Startups」に選出された。

via PR TIMES

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度「BRIDGE Members」を運営しています。会員向けコミュニティ「BRIDGE Tokyo」ではテックニュースやトレンド情報のまとめ、Discord、イベントなどを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。登録は無料です。
  • テックニュース全文購読
  • 月次・テーマまとめ「Canvas」
  • コミュニティDiscord
  • イベント「BRIDGE Tokyo」
無料メンバー登録


エアコンをスマート化する「Nature Remo」開発のNature、環境エネルギー投資とDeNAから5億円を資金調達

SHARE:

エアコンをスマート化する IoT プロダクト「Nature Remo」を開発する Nature は1日、環境エネルギー投資と DeNA から5億円を調達したことを明らかにした。DeNA からの出資は、先ごろ DeNA から発表された Delight Ventures に出資母体が移管される予定。同社にとっては昨年2月に実施した大和企業投資からの1億円の調達に続くものとなる。調達ラウンドは不明。 N…

Nature の皆さん
Image credit: Nature

エアコンをスマート化する IoT プロダクト「Nature Remo」を開発する Nature は1日、環境エネルギー投資と DeNA から5億円を調達したことを明らかにした。DeNA からの出資は、先ごろ DeNA から発表された Delight Ventures に出資母体が移管される予定。同社にとっては昨年2月に実施した大和企業投資からの1億円の調達に続くものとなる。調達ラウンドは不明。

Nature は、三井物産出身でハーバード MBA を取得した塩出晴海氏(現 CEO)らがボストンで起業。NatureRemo は、出先から帰宅前にスマートフォンでエアコンをつけたり、Google Home や Amazon Echo から音声でテレビや照明を操作することができるほか、API を使ったサードパーティーによるサービス構築も可能だ。

同社は2016年に Nature Remo を発表し、その後、Kickstarter、Indiegogo、Makuake の3サイトでのクラウドファンディングを通じ総額2,200万円以上を調達。2018年に全国家電量販店(ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機等)で販売開始、2019年4月にスマートホームスターターキットとして Google Home Mini と Nature Remo mini のバンドル商品を量販店で販売開始するなど着々と成長を続けている。Nature Remo のシリーズ累積販売台数は、10万台を突破している。

今回調達した資金を使って、同社はチームを現在の体制から倍増させ、開発・販売・サポート体制を強化する予定。また、年内に発売を予定している家庭向けエネルギーマネージメントソリューション「Nature Remo E」を切り口にエネルギー事業に参入するとしている。また、本社機能を全て日本に移管し、日本から海外市場に進出する体制を確立するとしている。

<関連記事>

via PR TIMES

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度「BRIDGE Members」を運営しています。会員向けコミュニティ「BRIDGE Tokyo」ではテックニュースやトレンド情報のまとめ、Discord、イベントなどを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。登録は無料です。
  • テックニュース全文購読
  • 月次・テーマまとめ「Canvas」
  • コミュニティDiscord
  • イベント「BRIDGE Tokyo」
無料メンバー登録


エアコンをスマート化する「Nature Remo」開発のNature、大和企業投資から1億円を資金調達——ビックカメラ、コジマ、Amazonで販売開始

SHARE:

エアコンをスマート化する IoT プロダクト「Nature Remo」を開発する Nature は19日、大和企業投資から1億円を調達したことを明らかにした。Nature は Nature Remo を2016年に発表、その後、Kickstarter、Indiegogo、Makuake の3サイトでのクラウドファンディングを通じ、総額2,200万円以上を調達している。最近では、神戸市と500 St…

2017年10月、「500 Kobe Accelerator」デモデイでピッチ登壇する Nature CEO 塩出晴海氏
Image credit: Masaru Ikeda

エアコンをスマート化する IoT プロダクト「Nature Remo」を開発する Nature は19日、大和企業投資から1億円を調達したことを明らかにした。Nature は Nature Remo を2016年に発表、その後、Kickstarter、Indiegogo、Makuake の3サイトでのクラウドファンディングを通じ、総額2,200万円以上を調達している。最近では、神戸市と500 Startups が開催した、アクセラレーションプログラム「500 Kobe Accelerator」に採択されている。

Nature は、三井物産出身でハーバード MBA を取得した塩出晴海氏(現 CEO)らがボストンで起業。開発・製造体制が安定したこともあり、ビックカメラ、コジマ、Amazon での販売も開始している。外出先から帰宅前にスマートフォンでエアコンをつけたり、Google Home やAmazon Echoから音声でテレビや照明を操作することができるほか、API を使ったサードパーティーによるサービス構築も可能だ。

同社では昨年に続き、関西電力とのバーチャルパワープラントの実証事業に参画し、電力関連事業でのアライアンスの実現に向けて取り組んでいる。このプロジェクトではインターネットとセンサー技術を活用し、分散型電源を普及させ、ピーク時に活用できる電力供給源の代替としてエネルギーを自給自足出来る未来を創造することを意図している。現在 Nature をはじめ13社が参加中だ。

この分野では、ドイツ・ミュンヘンに拠点を置く Tado° が総額5,000万ユーロ(約66億円)を調達、イスラエル・テルアビブを拠点とする Sensibo(Sensibo Sky を開発)が総額340万ドル(約3.6億円)を調達しているほか、ECHELON 2014 で聴衆賞や RISE 2015 のピッチコンペティションで優勝した香港の Ambi Labs(Ambi Climate を開発)などの競合が見られる。

<関連記事>

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度「BRIDGE Members」を運営しています。会員向けコミュニティ「BRIDGE Tokyo」ではテックニュースやトレンド情報のまとめ、Discord、イベントなどを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。登録は無料です。
  • テックニュース全文購読
  • 月次・テーマまとめ「Canvas」
  • コミュニティDiscord
  • イベント「BRIDGE Tokyo」
無料メンバー登録


上海でハードウェア・スタートアップの祭典「Asia Hardware Battle」が開催——8カ国300社超の応募から、海中ロボット「Fifish P4」が優勝

SHARE:

2017年の Asia Hardware Battle の優勝作品は、ダイビングに情熱を燃やす女性 CEO によって開発された海中ドローンの Fifish P4だった。Asia Hardware Battle は上海で9月16日に開催された。主催者は TechNode で上海の楊浦区人民政府が協賛した。 成都市で開催された前回の Asia Hardware Battle ではファイナリストは10社…

AsiaHardwareBattle2017.jpg

2017年の Asia Hardware Battle の優勝作品は、ダイビングに情熱を燃やす女性 CEO によって開発された海中ドローンの Fifish P4だった。Asia Hardware Battle は上海で9月16日に開催された。主催者は TechNode で上海の楊浦区人民政府が協賛した。

成都市で開催された前回の Asia Hardware Battle ではファイナリストは10社だったが、今回は300を超えるハードウェアのチームの応募が8か国10都市からあり、都市をあげると中国本土からは北京、上海、深圳、他にも香港と台湾、そして海外からは韓国、日本、シンガポール、タイからの参加があった。今年の戦いは計15社のファイナリストがステージに上がり、国内の主要ベンチャーキャピタルやメディア、そして国内外のゲストの参加もあった。

サイバーエージェント・ベンチャーズのマネージングディレクター北川伸明氏は TechNode にこう話す。

昨日(9月17日)はとても楽しむことができました。良かった点はファイナリストのスタートアップ各社がとても国際的だったことです。審査員が優勝者を選ぶ際、3社の優勝者と僅差の2位の各社はみな異なる地域からのスタートアップで、とても興味深く感じました。

中国市場に特化した韓国メディアである China Lab の CEO、Woody Han 氏は TechNode にこう話した。

全般的にスタートアップ各社はとても実用的な問題の解決に取り組んでいました。そのいくつかは近い将来商業化されるでしょう。そしてスタートアップの技術全般が IoT とビッグデータに向かっていると感じました。中国のスタートアップ各社はロジスティクスや VR などのスケールが大きい分野に集中している一方、韓国のスタートアップは美容や環境といったニッチ分野に集中していました。韓国スタートアップの3社はランキング外という結果ではありましたが、スキルや細かい点、そしてデザインの観点でとても優れていました。

それでは Asia Startup Battle の受賞スタートアップ3社を紹介しよう。

1. Fifish / 深圳

1_FifishP4.jpg

Fifish P4はダイバーが海中で簡単に写真やビデオを撮れるようにしている。ユーザは装置が海中で撮ったビデオをリアルタイムで見ることができ、装置は、自動的にダイバーに追従させたり、ユーザがリモート制御で自由に動かしたりすることができる。Fifish P4の最もユニークな特徴は有線・無線コントロールの両方に対応できることだ。

この装置には高精度の深度センサーと姿勢センサーが組み込まれており、ボタンを1回クリックするだけで、どんな深さや場所でも高い精度で非常に安定して位置を保つことができる。また、インタフェースがいくつかあり、ユーザは簡単に複数のセンサーを取り付け、装置の機能を拡張できる。

2_FifishCEO.jpg
Fifish CEO Zhang Chong 氏
Image Credit: TechNode

Fifish の CEO を務める Zhang Chong 氏は PADI(ダイビングインストラクターのプロ協会)会員でもあり、同社のカメラは現在市場にある他の海中ロボットよりも優れていると話す。このプロ級カメラは162 FOV の超広角、4K ハイデフィニションビデオ、そして20MP の設計で、4000ルーメンのライトも備えており、安定したビデオ撮影を保証する。同チームは2017年の CES イノベーションアワードも受賞している。

2. Youibot / 深圳

3_Youibot.jpeg
Youibot
Image Credit: Youyibot

Youibot は安全性を確保する屋内外ロボットナビゲーションシステムを備えた自律型検査モバイルロボットだ。最新世代レーザーレーダーとリアルタイム式ビジュアル SLAM マップ作成ナビゲーション技術に基づき、同社は独自に自律型モバイルロボットプラットフォームを研究・開発してきた。

Youibot の CEO を務める Zhang Zhaohui 氏は、同社によるバスのタイヤ検査ロボットは高頻度の夜間パトロール検査を実現可能だと話す。駐車場で自律型位置ナビゲーションを使用することで、車両の特定や自律型検査の実行および問題車両の報告が可能だ。

同ロボットは、6 DOF と自由に伸びるモジュールを備えたコラボレーションロボティックアームを通じて検査要件を満たす。インテリジェントバックグラウンド監視システムを通じて、画像分析による監視レポートの作成もできる。

3. QT Medical / 台湾

4_QTMedical.jpeg
QTMedical のプロダクト
Image Credit: QTMedical

WHO によると心血管疾患(CVD)は世界的に1番多い死因であり、全世界の死亡数の31%を占める。このうち推定740万人が冠動脈心疾患で、670万人が脳卒中だ。心血管疾患のより良いケアと高齢者や患者の遠隔モニタリングをめざし、QT Medical は医療機器水準の12誘導心電図 (ECG)デバイスおよび家庭での利用に向けたサービスを開発している。

12誘導心電図をいつでもどこでも誰にでも利用可能とするため、同チームは2018年に QT ECG、QT Pro、QT Mini の3製品をローンチ予定だ。QT ECG は患者が自宅で利用するためのコンパクトな12誘導心電図で、QT Pro は病院で利用する12誘導心電図、QT Mini は消費者市場向けの医療機器グレードのウェアラブル ECG。同社は2013年に設立、台湾と LA 事務所に16名の従業員を擁しており、設立者であり心臓専門医で UCLA 教授でもある Chang 博士が率いている。

その他ファイナル進出12社

Renogy / 中国・蘇州: RENOGY はソーラーエネルギー製品を開発している。製品にはソーラーパネルや家庭用ソーラーキットなどがある。

Pium / 韓国: Piumはユーザが質の良い睡眠や休息がとれるよう、そして集中力を高められるアロマテラピーを提供するスマートセントディフューザーだ。ユーザの日常ルーチンに従って自動的に適切な香りを発生させ、それぞれの香りを楽しませてくれる。

Artificial Anything / タイ: Rinn は一日を通してどれだけ水を飲んだかを確認できるスマートカップ。

Nature / 日本: Nature の Remo は室内空調のスマートコントローラーで、壁掛けエアコンの使用を自動化し、消費エネルギーや電気代を節約できる。

uHoo / 香港: uHoo の屋内用空気汚染センサーはビルの温度や OM2.5、TVOCS を監視分析し、ユーザ向けにパーソナライズされたインサイトを提供する。

Clef Technologies / シンガポール: Clef Technologies は水漏れを検知するデバイスを開発している。同デバイスは98%の精度を誇り、簡単に設置が可能で、汚染を避けることができるという。

Zhen Robotics(真机智能)/ 北京: Zhen Robotics は小包を配達するロボットを開発している。4時間の充電で8時間動作できる。

Aira Lab / マレーシア: Aira Lab はユーザが外出先からプログラムできるプラットフォームを通じてロボットをつなぎ、アプリを通じてロボットの制御や他の人との共有ができる。

Line Dock / 深圳: Line Dock は、外出先でもユーザのデバイスに接続するだけで USB-C により最大100W の充電を提供する。

Shado / シンガポール: Shado は海運・空輸双方の貨物便やロジスティクス産業の非効率性を解消する自律的車両運用フリートを構築している。

Lululab / 韓国: Lumini はユーザの肌を分析し、最適なスキンケア製品とサービスを各ユーザに提案するパーソナル美容 IoT デバイス。

Ecubelabs / 韓国: Ecube labs はソーラー電源のゴミ箱「Clean Cube」を提供している。Clean Cube はゴミを圧縮することで通常の8倍のゴミを収容でき、ゴミ回収車の運用コストを削減している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度「BRIDGE Members」を運営しています。会員向けコミュニティ「BRIDGE Tokyo」ではテックニュースやトレンド情報のまとめ、Discord、イベントなどを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。登録は無料です。
  • テックニュース全文購読
  • 月次・テーマまとめ「Canvas」
  • コミュニティDiscord
  • イベント「BRIDGE Tokyo」
無料メンバー登録