THE BRIDGE

タグ ニューヨーク

ニューヨークで電動スクーター合法化の動きーーシェアビジネス加速で

SHARE:

ピックアップ:The fightfor e-scooters in NYC rolls along ニュースサマリー:ニューヨークでついに電動スクーターの合法化に向けた動きが始まった。23日水曜日に行われた市議会で提出された4つの新法案は、電動スクーター利用の合法化を目指したもので、シェアリング型のスクーターの利用や、電動自転車に関する法案も提出されている。電動スクーターは15マイル以下での走行、…

adult bike biker daylight
Photo by Pixabay on Pexels.com

ピックアップ:The fightfor e-scooters in NYC rolls along

ニュースサマリー:ニューヨークでついに電動スクーターの合法化に向けた動きが始まった。23日水曜日に行われた市議会で提出された4つの新法案は、電動スクーター利用の合法化を目指したもので、シェアリング型のスクーターの利用や、電動自転車に関する法案も提出されている。電動スクーターは15マイル以下での走行、電動自転車は20マイル以下での走行が制限とされている。

現在、ニューヨークでは5つの行政区であるThe Bronx、Brooklyn、Manhattan、Queens、Staten Islandにてシェアスクーターの営業・利用は禁止されている。一方で、世界的にBirdやLimeのようなシェア事業は勢いを増している状況だ。

市議会議員であるYadnis Rodriguez氏は、同法案への思いをニューヨーク市民へ語るなどし、合法化へ非常に積極的な姿勢を見せている。

----------[AD]----------

2万人以上が来場、アメリカ最先端が集結するテックイベント「TechDay」が今年も開催【ゲスト寄稿】

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。昨年の TechDay に関する寄稿はこちら。一昨年の TechDay に関する寄稿はこちら。 すっかりニューヨークの春の風物詩となった、毎年恒例のテックイベント 「TechDay」。その年のアメリカのテック注目株が集結するイベントとして大変人気で、毎年会場は入場者であふれる。今年は例年の約1ヵ月遅れで、5月…

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。昨年の TechDay に関する寄稿はこちら。一昨年の TechDay に関する寄稿はこちら。


 width=

すっかりニューヨークの春の風物詩となった、毎年恒例のテックイベント 「TechDay」。その年のアメリカのテック注目株が集結するイベントとして大変人気で、毎年会場は入場者であふれる。今年は例年の約1ヵ月遅れで、5月10日(木)に開催した。

今年の出展企業数は計500。スタートアップ、アクセラレータ、スポンサーがそれぞれのブースを出展し、テックファンをはじめ、投資家、報道関係者、学生など約2万人が会場に足を運んだ(数字は主催者発表)。

会場は毎年こちら。マンハッタン区55th St. の最西端にある Pier 94

今年の TechDay に出展した企業は、13カテゴリに分けられ、カテゴリごとにブースが配置された。

カテゴリの内容は「B2B」「音楽&メディア」「健康&フィットネス」「Eコマース」「フィンテック」「ソーシャルメディア」「オンデマンド」「ソーシャルインパクト」「EdTech」「ハードウェア&IoT」「ファッション」「一般」、それらのスタートアップに加え、アクセラレータとスポンサーだ。

この日 PR ツールとしてトレーラーハウスを導入したのは、ソーシャルメディア Bestest

今年からの新たな試み、有料制と「TechDayTalks」

第7回目を数えた今年は、新たな試行がいくつか見られた。

有料制

その一つは有料制だ。昨年までは事前登録をするだけで無料で入場できたが、今年から有料になった(一般入場料は20ドルと30ドルの2種。会場内のすべての場所へのアクセスができる「フル・カンファレンスパス」は235ドル。ちなみに235ドルのチケットは売り切れとなった)。

有料制にしたからか、事前の主催者発表で、来場者数が例年より1.5万人も少なかったので「がらっとした印象になるのでは?」との私の予想は、杞憂に終わった。当日会場に到着したら、一般開場の15分前にも関わらず、昨年同様に入場を待つ人々で長蛇の列ができていた(午後1時ごろまで、行列は途切れることがなかった)。

また会場内は例年通り、正午過ぎから来場者で溢れ返った。

入場のために長い列を成す来場者。

「TechDayTalks」

新たな試みのもう一つは、「TechDayTalks(テックデー・トークス)」。これは毎年会場で行われている、スタートアップが自社サービスを紹介する「ピッチステージ」とは一線を画するもの。すでに成功している知名度のある企業の CEO や幹部が登壇し、それぞれの「成功への手引き」を紹介するのだ。「フル・カンファレンスパス」の来場者を対象に行われた。

マイクロソフトのテレザ・ネメサニ氏による「スタートアップにおける、ブロックチェーンの活用法」や、セールスフォースのキャサリーン・ヤン氏による「未来の働き方:AIがどのように人材を育てるか」など、どの職種においても興味深い講演が、全12社によって行われた。

出展企業による各社アピール合戦

TechDay では、各ブースを眺めるだけでニューヨークや全米におけるテックトレンドを1日で垣間見れる。だが会場はとにかく広く、狭い通路は来場者で大混雑し、各ブースをサッと見て歩くだけでもゆうに1時間以上はかかってしまう。

どのスタートアップも新しいアイデアに満ち溢れ興味深いのだが、その中でも特に来場者から注目を浴びていた今年の注目株をいくつか紹介したい。

今年の注目株たち

Citispoon の CEO のオラ・コラウォル夫妻。「自分の食体験を元に4年前からアイデアを練り、昨年ローンチして、2日前にiOSアプリをリリースしました」

Citispoon は、レストランの検索アプリ。

Google 検索や Yelp との相違点は、「自分の食の嗜好」に応じて最適なお店をアプリがあらかじめ選んでくれ、さらに「今すぐ入れる店」を探せること。特にニューヨークなどアメリカの大都市では、週末ともなると予約なしでは入れない店が多いので、事前に混み具合がわかるのは便利だ。

Citispoon のアプリ開発を手がけ同じく TechDay に出展した、Fusemachines のスタッフ(青のTシャツ)らと。

「何でも、どこでも、借りられる」がモットーのレンタル用アプリ Rentah。例えば自分が使っていないギターや自転車をリスト掲載でき、借りたいものでリストにないものはリクエストができる。ニューヨーク・ブルックリン発のスタートアップ。

Vertoe は、ニューヨーク市内で初めてできた、手荷物を保管できるサービス。

保管場所は現在市内に70ロケーション。劇場やスタジアムに大きな荷物を持ち込むことができない上に、日本のようなコインロッカーがないので、居住者&旅行者ともに、便利なサービスだ。

1アイテムごとの利用料は1日わずか5.95ドル。(「techday」コードで5%割引に)

ローカルのレストランやお店、バー、イベントなどの検索&SNS プラットフォーム、Go Nation のブース。コネチカット発のスタートアップ。

パーソナルロボットTemiを提供する Robotemi。創業者のヨシィ・ウォルフ氏が3年前、祖母を訪ねた際、手が震えてティーカップを持ったり携帯電話を自由に使うことができない様子を見て、Temi を考案したという。

「Hey Temi」と問いかけると、自分のために動いてくれたり、知りたいことを教えてくれたりする。Siri のロボット版と言ったところか。

iPad やスマートフォンをセットするだけでプロ並みの映像撮影を可能にするオールインワンのモバイルソリューション Padcaster

会場を歩いていると…!

毎年ドローンブースは大人気。レースに必要なパーツがすべて入った、FPV ドローンキットを提供をする Beagle Drones

IoT 関連製品の開発、販売をする京都の mui Lab(ムイラボ)も。(2回目の出展で、昨年は親会社の NISSHA として出展した)

代表の大木和典さん(写真上の左)は、「今夏キックスターターもします」と抱負を語った。

IoT のインターフェイスプロダクト、mui(ムイ)の説明に聞き入る来場者。mui はタッチセンサーを内蔵した木製のディバイスで、インターネットに接続することで多様なクラウドベースのサービスと連携できる。

機能面に加えシンプルでクールなプロダクトデザインも、来場者から注目を浴びていた。

<関連記事>

スマートフォンとスクリーンが連結できるプレゼンテーションのためのソフトウェア encaptiv

ファウンディング・パートナーのマット・ダニエルズ氏(右)は、「プレゼンテーションはビジネスの成功に欠かせないもの。encaptiv を使って、プレゼンテーションを楽に成功させてほしい」と語った。

インダストリー4.0時代の製造業者用手袋、Mark(by ProGlove)。作業をより早く安全にするために、フォークリフトやワゴンなどと連動させて自動スキャンなどに使う。Audi や BMW 社などがすでに導入済み。

セルフィーをクッキーやアイスコーヒーのフォーム(泡)などの表面に描ける Selffee。イベントやギフトなどで大活躍しそう。

当日は実演し、参加者も一緒に楽しんでいた。

「私たちそのものね!」と満足げの来場者たち。

子どもたちの将来の夢を叶えるためのEdTechアプリ Kids Break Ground

コーファウンダー、エンリッチ・リヴェイル氏(左)は、「夢を叶えるために、子どものうちから大きくなったら何になりたいかを考えるきっかけを作っていきたい」と語った。

子どもの想像力や好奇心を伸ばす STEM 教育の一環として、カスタマイズできるラジコンカーに注目する、RaceYa の創業者アビゲイル・エッジクリフ・ジョンソン氏。

大人気のあの企業も出展

Cheapair.com は、アメリカ・カリフォリニア発のオンライン・トラベルエージェンシー。1989年創立の老舗企業だ。

「よい人材を確保するために、今日はブースを出しています」と、エドさんとドリューさん。

2010年創業で、今や「2兆円企業」に大成長した、ニューヨーク初のコワーキングスペース、wework 。昨年日本にも進出を果たしたばかり。

2年前にマーケティングチームが新設されたため、今回スポンサーとして初出展を決めたそうだ。

2018年まとめ

今年も TechDay は、人々の生活をより便利にする新しく画期的なアイデアの宝庫だった。各ブースで実際に体験したり、スタッフらと直に話しをしたりすることで、より人生を豊かにするイノベーションのさまざまなカタチを肌で感じることができた。

有料制にしたことによる来場者減少の打撃は感じなかった。むしろ去年同様に多かった印象だ。一方で、出展企業数は昨年に比べて明らかに少なかったのは否めない。だが、出展企業側にとって良いように捉えれば、より多くの来場者に自社のサービスを目に留めてもらいやすくなったということでもある。

昨年まで2年連続で出展し、今年は出展を見合わせた在ニューヨーク某テック企業の代表者に話を聞いたところ、

「TechDay イベントに限って言えば、出展することでチームビルディング的な意味合いがあります。来場者にサービスを説明することで、リアクションを直に知ることができ、さらにその反応によってアイデアが出てきたりするので、それらを体験する場として捉えていました。しかし、来場者からオフィスを借りないかと逆営業されたり、就職活動の場として捉えている学生も多く、今年の出展は見合わせました。来年はまだ考えていません」とのことだった。

また今年は、マナーのない来場者が各ブースに大挙して押し寄せ、呆れられている様子も多く目にした。英語を話せない外国人集団がお礼も言わずに、企業がユーザーのために準備したノベルティグッズを根こそぎバッグに詰めているのを見ると、私もいい気がしなかった。

テクノロジーやイノベーションの紹介より無料グッズがもらえる場として捉える来場者が今後増えていけば、グッズをなくしたり、出展自体を控える企業も増えていくことにつながるだろう。

TechDay がニューヨークで始まって7年。あと数年で節目の10年を迎えようとしている。テックシーンを揺さぶるような新たな場になるようにするにはどうしたらよいのか、主催者、出展企業、来場者が一緒になって、イベントの意義をもう一度考え直す時期にあるのかもしれない。

See you next year!

----------[AD]----------

Walmart、ニューヨーク拠点の配送スタートアップParcelを買収——Amazonとの競争がさらに過熱

SHARE:

Walmart が、ブルックリンを拠点とする配送スタートアップの Parcel を買収した。小売大手の Walmart によるテック系スタートアップの買収は、この14か月で6件目となる(*注)。 取引条件は公表されていないが、買収手続きは9月29日に完了した。 2013年に設立された Parcel は、e コマース企業が注文された商品を宅配するサービスをサポートするよう設計された「ラストマイル」配…

parcel-van2
Parcel

Walmart が、ブルックリンを拠点とする配送スタートアップの Parcel買収した。小売大手の Walmart によるテック系スタートアップの買収は、この14か月で6件目となる(*注)。

取引条件は公表されていないが、買収手続きは9月29日に完了した。

2013年に設立された Parcel は、e コマース企業が注文された商品を宅配するサービスをサポートするよう設計された「ラストマイル」配送プラットフォーム。荷物の配達は24時間体制、予め決められた2時間単位で、注文翌日もしくは当日に行われる。

parcel-jessekaplan2
Parcel の設立者 Jesse Kaplan 氏と Parcel バン

ここ数年、オンライン・オフラインの小売店による競争は興味深い進展を見せている。Amazon は食品や日用品といった家庭用品へ進出した後、オーガニックスーパーマーケットチェーンの Whole Foods を137億米ドルで買収すると発表して、Walmart など従来型小売店との競争に挑むこととなった。

Walmart の方も、e コマースでの信頼性を強める動きを進めているが、ここでも買収が戦略の中核にある。同社は昨年8月、オンライン小売の Jet.com を30億米ドルで現金にて買収すると認めたのを皮切りに、オンラインアパレル小売の Shoebuy を7,000万米ドル、アウトドア小売の Moosejaw を5,100万米ドル、女性向けオンラインファッション小売の ModCloth を金額非公表で、さらには男性用アパレルブランドの Bonobos を3億1,000万米ドルで買収している。

Parcel がニューヨークで設立されたのは2014年だが、それ以降、他の地域へは進出していない。シードラウンドで200万米ドルを調達したにすぎないスタートアップのため、Walmart が Parcel に多額の資金を投じたとは考えにくい。実際、同社のコメントによると、買収金額は「今年実施した案件よりも少額」なもので、最大でも5,000万米ドル、実際はもっと少ないと思われる。

Walmart が Parcel を買収して手にしたものに関しては、Walmart と Jet から提供される「生鮮・冷凍食品」から「雑貨」に至るまでを対象に、ニューヨークでラストマイル配送を行うために Parcel のプラットフォームを活用することを同社が計画していることからすれば、特に驚く話ではないだろう。

しかしながら、Walmart はどうやら Parcel の既存顧客へのサービスも引き続き提供していきたいようだ。Walmart は次のようにブログに投稿している

Parcel は、複数の食材事業者、食料品店、e コマース企業と提携しており、この2年間で100万回以上も食事を配達してきました。そのため当面は、Parcel が既存顧客にサービスを引き続き提供し、顧客ベースを拡大してもらう計画です。

(注*)以前の投稿で Walmart は過去14か月に Parcel を含む5件の買収を実施と記載していたが、実際には Parcel は6件目だった。今回の更新では、同社が3月に実施した ModCloth の買収実績を追加している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

日米のテックシーンをつなぐ「If Conference」、昨年に続き第2回がNYで開催(後編)〜Material Worldの矢野莉恵氏らが登壇【ゲスト寄稿】

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。昨年の「If Conference」の模様はこちらから。 「もし日米のテックコミュニティが一堂に集まれば、そこからどんな繋がりが生まれるだろう?」———そんな素朴な疑問から、昨年ニューヨークで誕生した「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してイフコン)。 第2回目となる今年は5月18日(木)…

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。昨年の「If Conference」の模様はこちらから。


Image credit: Kasumi Abe

「もし日米のテックコミュニティが一堂に集まれば、そこからどんな繋がりが生まれるだろう?」———そんな素朴な疑問から、昨年ニューヨークで誕生した「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してイフコン)。

第2回目となる今年は5月18日(木)、昨年同様にタイムズスクエアにある Microsoft で行われた。「The destination for Japan Inspired Innovators」(日本に影響を受けたイノベーターたちの場所)というサブタイトル通り、今年も日米のアントレプレナー、投資家、会社員、学生ら約300名が来場した(人数は主催者発表)。

スピーカーとして、日米の起業家や会社役員ら14名が登壇し、講演やパネルディスカッションを行った。本誌では、その中から主要なスピーチをピックアップしてレポートする。

前編からの続き)

イブニングキーノート:経済を循環させるビジネス

矢野氏はハーバード大学ビジネススクールで知り合った Jie Zheng 氏と共に、2012年 Material World(創業時は「Material Wrld」)を立ち上げた。
Image credit: Kasumi Abe

約6時間にわたるイベントの締めくくりとして、イブニングキーノートで登壇したのは、高級ブランド品の下取りサービスをする Material World の共同創業者&CEO 矢野莉恵(Rie Yano)氏。矢野氏は「The Rise of The Circular Economy(循環経済の上昇)」と題して英語でスピーチを行った。

同社のウェブサイトでは、顧客が不要になったブランド品を売った下取り料を専用のデビットカードに換金し、顧客はそのカードでほかの商品とトレードしたり、提携先のデパートやブランド店で買い物をすることができる仕組み。古着を循環させることで、サステナビリティ(持続可能性)にも取り組むスタートアップとして注目が集まっている。

矢野氏のリサーチでは、過去20年間でアメリカ人のクローゼット内の洋服(購買量)は、年間700万トンから1,400万トンと2倍に膨れ上がっており、その要因は(1)ファストファッションの台頭(2)インスタント・グラティフィケーション(即可能な購買)が可能になったからだと分析。それらのバックグランドを踏まえた上で、女性特有の悩みを解決したいと考えた。

私もそうですが、女性はクローゼットにたくさん洋服があるのに、毎朝『着るものがない』と思うもの。シーズンごとに新しいアイテムをワードローブに加える方法はないか?

また、洋服の廃棄処分について「捨てられるのは転売や寄付などに労力と時間がかかって面倒だから。それらも同時に簡単に解決できないか」と考えた。

そして辿り着いた答えは、「自分が不要でもほかの人が使い続けたいと思う価値のあるアイテムを、リーズナブルな料金で手間がかからないように提供できるシステム作り」だった。

創業時に問い続けたことは、「(購入時に発展途上国に寄付される靴メーカーの TOMS のように)我々も、顧客に見た目の良さと気持ち良さの両方を同時に感じてもらえるサービスであるか?」ということ。

Airbnb がホテル業界の脅威になっているように、何千ドルもするドレスを何百ドルで利用できるレンタル業は、服飾業界から脅威として見られている。でも私たちが提供しているのは、専用のデビットカードを発行することで、利用者がブランド店やデパートに戻って新しい商品を購入し、不要になったらまた販売してという循環を作り、双方が win-win になれるサービスなのです。

とは言え、創業からたった5年の若い会社なので誤解されることも多い。これからもっと多くの老舗ブランドに我々の取り組む循環経済のメリットを認識してもらうことが、今後のチャレンジです。

<関連記事>

ほかにも、さまざまなスピーカーが登壇

伊藤園USA のヴァイスプレジデント・コーポレートリレーションズ Rona Tison 氏と、島精機USA のビジネスディベロップメント Hayato Nishi 氏による「Made in Japan: Innovation for Social and Environmental Impact(メイドインジャパン:社会と環境のインパクトのイノベーション)」(モデレーターは Jiro Otsuka 氏)
Image credit: Kasumi Abe
Microsoft のテクニカルエバンジェリスト、Adina Shanholtz 氏による「Adapting Experiences for Virtual and Mixed Reality(仮想現実と複合現実を体験すること)
Image credit: Kasumi Abe
Microsoft HoloLens のデモンストレーション
Image credit: Kasumi Abe
New York City Economic Development Corporation のバイスプレジデント Karen Bhatia 氏による「H1B Visa x NY Tech: Surviving in an Uncertain Time (H1BビザとNYテック:不確定な時期をサバイブする)」(インタビュアーは、Daiki Nakajima 氏)
Image credit: Kasumi Abe
(左から) Morpholio の共同クリエーター Toru Hasegawa 氏、Microsoft のリードプロダクトデザイナー Han-Shen Chen 氏、PARTY のエグゼクティブ・クリエーティブディレクター&創業者 Masashi Kawamura 氏による、「Kakushin! A funny design happened on the way to innovation(革新! イノベーションの途中で起こる面白いデザイン)」
Image credit: Kasumi Abe
Community Solutions のプレジデント&CEO Rosanne Haggerty 氏による、「Designing Solutions for Complex Social Challenges(複雑な社会的課題のためのデザインソリューション)」(インタビュアーは、Alan Webber 氏)
Image credit: Kasumi Abe

主催者が振り返る If Conference 2017

If Conference のファウンダー&エグゼクティブディレクターで、Rising Startups の代表も務める奥西正人氏(中央)
Image credit: Kasumi Abe

イベント終了後、If Conference の主催者である奥西正人氏に感想を聞いた。

第2回目の開催となる本年はスタートアップ枠を超え、デザインとソーシャルイノベーションをテーマにたくさんの方に参加頂き、大成功のイベントとなりました。本年度の共同主催の Japan Society、後援の JETRO に加え、たくさんの団体や企業にサポートいただき大変感謝しております。

また今後の抱負として、次のように語った。

これからも日米のかけ橋になるイベントやコミュニティーを続けていきたいと思います。

日本とアメリカのテック系やそれに関わる人々の繋がりが、強固でより深いものになることが期待できそうだ。

写真で振り返る If Conference 2017

Microsoft のテクニカルエバンジェリスト Adina Shanholtz  氏
Image credit: Kasumi Abe
「Kakushin! A funny design happened on the way to innovation」のモデレーター、Ajay Revels 氏
Image credit: Kasumi Abe
スポンサーであるオンワードのオーダーメイドスーツが当たるラッフル抽選会も行われた。
Image credit: Kasumi Abe
イベントスポンサーの各社ブース:(左上)ユニクロ、(右上)伊藤園、(左下)日経アメリカ、(右下)キワミグリーンズ
Image credit: Kasumi Abe
イベントスポンサーの各社ブース:(左上)オンワード、(右上)サントリー、(左下)獺祭、(右下)隣の会議室で行われた、8社によるプロダクトショーケース
Image credit: Kasumi Abe
手巻き寿司やサッポロビール、ビアードパパのシュークリームなども振る舞われ、講演後は来場者同士で交流会も行われた。
Image credit: Kasumi Abe
Image credit: Kasumi Abe
Image credit: Kasumi Abe
プロジェクトメンバー(左から):マーケティングディレクター Jennifer Pei Lin 氏、クリエーティブディレクターの Jensin Wallace 氏、主催者の奥西正人氏、イベント& PR ディレクターの Mayuka Inaba 氏
Image credit: Kasumi Abe
----------[AD]----------

日米のテックシーンをつなぐ「If Conference」、昨年に続き第2回がNYで開催(前編)〜「Fast Company」編集長、レイ・イナモト氏らが登壇【ゲスト寄稿】

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。昨年の「If Conference」の模様はこちらから。 「もし日米のテックコミュニティが一堂に集まれば、そこからどんな繋がりが生まれるだろう?」———そんな素朴な疑問から、昨年ニューヨークで誕生した「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してイフコン)。 第2回目となる今年は5月18日(木)…

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。昨年の「If Conference」の模様はこちらから。


ニューヨークはつい数日前まで薄手のコートが必要なほどだったが、この日は摂氏30度を超え、半袖姿の来場者も目立った。
Image credit: Kasumi Abe

「もし日米のテックコミュニティが一堂に集まれば、そこからどんな繋がりが生まれるだろう?」———そんな素朴な疑問から、昨年ニューヨークで誕生した「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してイフコン)。

第2回目となる今年は5月18日(木)、昨年同様にタイムズスクエアにある Microsoft で行われた。「The destination for Japan Inspired Innovators」(日本に影響を受けたイノベーターたちの場所)というサブタイトル通り、今年も日米のアントレプレナー、投資家、会社員、学生ら約300名が来場した(人数は主催者発表)。

スピーカーとして、日米の起業家や会社役員ら14名が登壇し、講演やパネルディスカッションを行った。本誌では、その中から主要なスピーチをピックアップしてレポートする。

アフタヌーンキーノート:よいアイデアの源泉

ビジネス書『Rules of Thumb ー Truths for Winning at Business Without Losing Your Self 』の著者でもあるウェバー氏。日本では、『魂を売らずに成功するーーー伝説のビジネス誌編集長が選んだ飛躍のルール52』も販売されている。
Image credit: Kasumi Abe

まず「アフターヌーン・キーノート」として登壇したのは、ビジネス雑誌『Fast Company(ファストカンパニー)』の共同創刊者、および編集長である Alan Webber (アラン・ウェバー)氏。同氏は創業前の1980年代、『Harvard Business Review(ハーバード・ビジネス・レビュー)』のマネージングエディターをしていた経歴も持つ。

ウェバー氏は、「Where do Great Ideas Come From?」(よいアイデアはどこからやってくる?)をテーマに、アイデアを生み出すヒントについて語った。同氏は1989年、3ヵ月のフェローシップ・プログラムで来日しており、孫正義をはじめとする約300人の起業家やビジネスマンにインタビュー。「ちょうどバブル景気に湧いていた時代の日本を体験し、多くの成功者の声を聞けたことは、私のその後の人生を変え、雑誌創刊にも良い影響を与えた」と話した。

またこの日は、『Fast Company』や『Harvard Business Review』で学んだことを元に出版した『Rules of Thumb ー Truths for Winning at Business Without Losing Your Self』( ルールズ・オブ・サムー自分を見失わずにビジネスで勝つ52の真実)から、いくつか成功の秘訣をシェアした。一部をここで紹介する。

新鮮な目でビジュアルを見直す

行き詰まったら新鮮な思考で、そもそも自分のビジネスはどんな問題を解決するものなのかを問いかけ、ビジネスを開始したきっかけを思い出してみる。

よい質問はよい答えを導く

手のひらサイズのノートを常に携帯しており、興味深い話はすぐにメモをとるというウェバー氏。「たまたま乗った Uber の運転手との会話も、あなたのアイデアに影響を与えてくれるかもしれません」。
Image credit: Kasumi Abe

ポラロイドカメラ誕生の裏には、発明者の娘が撮影の際に「なぜ今、写真を見ることができないの?」と問いかけたことがきっかけになった。その逸話を引き合いに、「なぜできないんだ?」( Why not?)、「もしできたらどういうことができるか?」(What if)、「どのように?」(How?)と問いかけることが、アイデアやイノベーションには必要。

最後に聞く質問を最初にせよ

勝利の定義がわからなければ戦う意味がわからないのと同じように、成功の定義を知らずして成功はできない。成功とは? なぜこれをやっているのか? モチベーションを保つにはどのようなサポートやリソースが必要なのか? 立ち止まって、最後の質問を最初に問いかけられる余裕と時間を持つこと。

ウェバー氏は、「すばらしいアイデアが浮かび起業しようと思ったら、人々に話を聞き、ノートをとり、ブランドを作り、センスをディベロップし、自分にとって勝利とは何かという最後の質問を最初に問いかけることから始めよ」というメッセージで、この日のスピーチを締めくくった。

デザインキーノート:デザイナーとして学んだこと

日本の飛騨高山で育ち、スイスの高校を経て、アメリカのミシガン大学に留学。帰国後は日本で働き再渡米した稲本氏。
Image credit: Kasumi Abe

日本人クリエーティブディレクター、稲本零(Rei Inamoto)氏の登壇にも、大きな注目が集まった。稲本氏は Inamoto & Co.を1年半前に創業。『Forbes』誌の「広告業界で最もクリエーティブな25人」に選ばれ、世界で最も注目されている日本人の1人だ。

この日は、「Designers as Entrepreneurs(起業家としてのデザイナー)」と題して、留学やアメリカ企業で働いた経験と、そこからの学びを語った。

稲本氏は、ネイティブと見まごうほど大変流暢な英語を操る。この日のスピーチは全編英語であるばかりか、ジョークも交え何度も聴衆の笑いを誘っていた。今ではそんな彼も、20代前半ごろまで英語で数々の苦労をしたという。ここでは彼がそこから学んだ教えをいくつかシェアする。

サバイブするには強い信念が必要

土から作った「土スープ」という常識を打ち破る話題のメニューを開発した成澤由浩シェフの事例を上げ、その成功は「土にこそ豊富な栄養素が含まれており、顧客に届けたいという強い思いがあったからこそ」と分析。大切なことは、なぜ私たちはこのビジネスをしているかをクリアにすること、そして信念を曲げないこと。

弱みは強みである

25歳のとき、サッカーのプレー中に目をけがし、網膜はく離の手術も経験。「大変辛いリハビリだったが、この経験を通して楽観的であることの大切さを思い出す」とも。
Image credit: Kasumi Abe

アメリカのデザイン系企業に就職し、言葉の壁にぶつかった。当時の自分は英語が流暢ではなく、複雑なデザインコンセプトをクライアントに説明できずにいた。しかし、いかに込み入った内容でも、子供でもわかるぐらいのシンプルな言い方で説明すれば、どんな人にも理解してもらえると気づいた。当時の自分の弱点が今の強みになっているし、誰でも弱みを強みに変えることができる。

テクノロジーが人間の仕事を奪う?

また、テクノロジーが人間の仕事を奪うと懸念されていることについて、「実際にプログラマー、医者、ウェイター、調理師、経理などは10年後かなり少なくなるだろうと予想されている。しかし産業革命の時代も同じように言われていたが、雇用を生み続けた。物事には0から10まであり、人間が優れているのは0から1を生み出すことと、9から10への総仕上げ。その部分を大切にするべき」と持論を展開した。

真剣に聞く来場者。講演後のQ&Aもスピーカーごとに盛り上がりをみせた。
Image credit: Kasumi Abe

後編に続く)

----------[AD]----------

デザインの先端都市、ニューヨークの起業支援は今【ゲスト寄稿】

本稿は、大阪を拠点に活動するマーケティング PR プロデューサーの西山裕子氏による寄稿を THE BRIDGE が編集したものだ。 彼女は、モノづくり起業推進協議会(Tech Shop Japan、FabFoundry、Makers Boot Camp)が、2017年4月17日から4月20日まで開催された米国視察ツアーにライターとして同行した。本稿はその一部を記録したものである。 このツアーの活動…

本稿は、大阪を拠点に活動するマーケティング PR プロデューサーの西山裕子氏による寄稿を THE BRIDGE が編集したものだ。

彼女は、モノづくり起業推進協議会(Tech Shop JapanFabFoundryMakers Boot Camp)が、2017年4月17日から4月20日まで開催された米国視察ツアーにライターとして同行した。本稿はその一部を記録したものである。

このツアーの活動の一部として、アメリカ・ピッツバーグで4月19日に開催された International Hardware Cup 2017 に参加した模様については、ここから読むことができる。


東海岸のスタートアップ?

アメリカのスタートアップというと、西海岸のシリコンバレーが有名で、日本からも多数の団体が視察をしています。しかし最近は東海岸、特にニューヨークが産官学合わせて新産業の創出に力を入れ、成長しています。世界中の観光客をひきつける文化と芸術の街、ニューヨーク。ちょうどイースターの時期で、キリストの復活を祝うパレードやイベントが多数行われていました。

キリストの復活を祝うイースターのお祭りで、街は大賑わいです。

Day1:巨大な施設でワークショップとミートアップ

4月17日、ニューヨーク市のロングアイランドにある NYDesigns を訪問しました。2006年設立で、工場跡地を改装し、デザイン教育やモノづくり企業の活動支援として、3つの機能を提供しています。

  1. インキュベーション:起業家が最大3年間、オフィスを借り、メンターやアドバイザーに相談ができる
  2. モノづくりの場(FabLab):5000平方フィートに及ぶ、広く安全な場所で試作品を作ることができる
  3. コワーキング:年中無休で机や会議室、設備を使うことができる

外観はやや地味ですが、中に入るとアートの意匠が見られ、おしゃれで使いやすい空間が広がっていました。

デザインやモノづくりに必要な機器、場所、支援者とつながる環境が提供されます。

<関連記事>

入居企業とのワークショップ

夕刻より、交流会が始まりました。今回のツアーを企画運営した、モノづくり起業推進協議会の会長である牧野成将氏より、アメリカと日本のスタートアップ事情、日本のモノづくりの強みなどを説明しました。牧野氏は、世界中のスタートアップに向けて量産化試作をサポートする、京都の Makers Boot Camp の代表を務めています。スタートアップは試作品段階では良いものができても、市場に出すための量産化で躓くことがよくあるため、経験豊富な日本のメーカーとつなげて、革新を起こそうと試みています。

今回のツアーに同行した大阪市経済戦略局イノベーション担当課長の柳内忠彦氏からも、「大阪イノベーションハブ(OIH)」をはじめとした大阪市の紹介や、行政としての起業家支援の取り組み活動を説明しました。その後、 NYDesigns に入居するアメリカのスタートアップと、ツアーに参加した日本のスタートアップが、それぞれ自社のビジネスを発表し、ミートアップで情報交換を図りました。

ニューヨークのスタートアップコミュニティで、日本の事情や強みを紹介

入居企業・ゲストもビジネス発表。ミートアップには、ピザが必須。

Day2: 35,000人が集う、全米最大のスタートアップイベント「TECHDAY New York」

翌4月18日、スタートアップの展示会「TECHDAY New York」へ。500以上のスタートアップが出展し、VC・事業会社・メディア・学生などが計35,000人も来場します。日本から来た3社も参加しています。会場に入るまでに、セキュリティチェックで長い列が作られました。

出展企業は、ソフトウェア、ハードウエア、FinTech など様々な事業で成功を目指すスタートアップです。ニューヨークにある名門校、コロンビア大学もスポンサーとして参加し、起業家教育プログラムの説明をしていました。ニューヨーク市が提供する、女性向けIT教育プログラムの出展もあり、大学や行政の支援も多く見られました。

プレゼン発表会、ブース展示で各社とも工夫を凝らし、投資や事業提携のチャンスを探ります。日本のお菓子の詰め合わせをオンライン販売する会社は、アメリカ人が運営し、着物の青年たちは英語のみ対応可能。

<関連記事>

現地事情をヒアリング

東海岸のスタートアップをより理解するために、現地に住むお二人に詳しい話をお聞きしました。ニューヨークと日本のスタートアップをつなぐ Rising Startups の創業者である奥西正人氏は、20年以上アメリカに住み、東海岸で最大規模の日本人スタートアップコミュニティでイベントを開催しています。

奥西氏からは、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が、Made in NY というロゴを、決められた条件を満たすと(例:製品の75%以上がニューヨーク市で製造された等)使えるという仕組みを構築し、スタートアップもニューヨークブランドを活かせるようにしたことや、現市長のビル・デブラシオ氏が Digital.NYC という技術系の人材を採用できるサイトを作り、「.nyc」というドメインをブランド化していることなどをお聞きました。

コワーキングスペースも増え、スタートアップも大きな企業も気軽に使い、コラボレーションをしているそうです。こちらでは、スタートアップの初期段階でも、100万ドル(約1.1億円)程度の投資を得ることはよくあり、今後もニューヨークで IT 産業が盛り上がることが期待されています。

大阪市経済戦略局の柳内忠彦氏と大阪イノベーションハブの池田奈帆美氏が、奥西正人氏にヒアリング(左から池田氏、柳内氏、奥西氏)

次は、今回のツアーの企画運営者でもある、FabFoundry の関信浩氏です。関氏は、ピッツバーグにあるカーネギーメロン大学のビジネススクールを卒業し、シックス・アパート株式会社の CEO を務め、シリコンバレーやニューヨークのスタートアップ企業の役員になるなど、アメリカの起業事情に詳しい方です。

アメリカ人は創造性が高く画期的なものを作るのですが、製造過程では日本人がやるとうまくいきます。特にアメリカは経験者が少なく、経験豊富な技術者の人件費が非常に高いので、アイデアを製品化し、量産する際の生産管理をする役割を日本人が担えば、効率的に新産業の創出ができると思います。

シリコンバレーでは、ハードウエアのスタートアップなど、私たちが知る段階ですでに大きな規模になっています。が、ニューヨークなら、小さいコミュニティなので、数人の創業者が会社を始めた時に見つけるのが簡単です。かつてニューヨークは製造業が盛んで、現在もプロダクトデザインやファッションに強い地域であり、モノづくりに強みがあります。

西海岸・東海岸それぞれで、人・モノ・金がどう動いているか、生々しい事情をお聞きしました。

<関連記事>

ホットでファッショナブルなコワーキング WeWork

その後、ブルックリンにあるコワーキングスペース、WeWork Dumbo Heights を訪問し、協議会が共催する Monozukuri Demo Day に参加しました。WeWorkは、スタートアップが働きやすいコワーキングスペースを提供する会社ですが、WeWork 自体が成長企業として注目されています。2017年3月には日本のソフトバンクが3億ドルを出資し、WeWork の企業価値は2兆円にも上るといわれています。ほぼ毎月のように新しいスペースをオープンさせ、既に上海や香港にも進出しています

<関連記事>

お洒落なオフィスには、個室・会議室・セミナールームなどが充実。

人々が交流する場所、飲み物やバーカウンターが豊富に提供されます。

Demo Dayでは、日本から来たスタートアップも、自社の製品を英語で披露。

ミートアップは、ここでもピザ。交流や情報交換が熱心に行われます。

ニューヨーク滞在中、勢いある多くのスタートアップ企業、その成長を応援する「場」や「人」のコラボレーションが見られました。日本でも起業促進の必要性が言われていますが、ここまでの場所があるでしょうか? スタートアップ500社、それに関心を持つ人が35,000人も集まるでしょうか。

アイデア段階、テスト販売、多額の資金調達で量産化など、アメリカのスタートアップの状況も様々ですが、新たな産業創出に賭け、企業、学校、行政が共同で取り組み、VC やエンジェル投資家が資金提供をする…。その環境には、圧倒されるものがありました。

----------[AD]----------

全米最大規模のテックイベント「TechDay」が今年もNYで開催——スタートアップ575社が出展、3.5万人が来場【ゲスト寄稿】

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。昨年の TechDay に関する寄稿はこちら。 4月18日、ニューヨークで全米最大規模のスタートアップイベント「TechDay」が今年も行われた。毎年春に開かれる恒例のイベントで、6回目となるもの。 今年は計575ものスタートアップやアクセレレーターがブースを出し、テックファンはもちろんのこと、投資家や就職活…

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。昨年の TechDay に関する寄稿はこちら。


4月18日、ニューヨークで全米最大規模のスタートアップイベント「TechDay」が今年も行われた。毎年春に開かれる恒例のイベントで、6回目となるもの。

今年は計575ものスタートアップやアクセレレーターがブースを出し、テックファンはもちろんのこと、投資家や就職活動の学生、報道関係者など約3万5000人が会場に足を運んだ(数字は主催者発表のもの)。

会場は、マンハッタン区ミッドタウンの西端にあるイベント会場「ピア94」。

来場者の入場は無料だが、事前登録が必要。受付で登録内容を見せ、会場に入る。

「TechDay」の大きな目玉は、出展ブースの多さだ。575社は14カテゴリーに分けられ、カテゴリーごとにブースが配置されている。

カテゴリーの内容は「B2B」「エンタープライズ」「音楽&メディア」「健康&フィットネス」「Eコマース」「フィンテック」「ソーシャルメディア」「オンデマンド」「ソーシャルインパクト」「EdTech」「ハードウェア」「ファッション」「IoT」「そのほか」(ファッションとIoTは、今年から新設)。

各ブースを眺めるだけでニューヨークや全米におけるその年のテックトレンドが感じられる。だが会場のピア94はとにかくだだっ広い。その上にブース間の狭い通路は来場者で大混雑しており、ブースをサッと見て歩くだけでもゆうに1時間以上はかかってしまう。

どのスタートアップも新しいアイデアに満ち溢れ興味深いが、その中でも来場者の注目を特に浴びていた今年の「注目株」をいくつか紹介したい。

575社の中で特に注目を集めていたもの

ブランドの映像を観ながら商品を購入できる、AVEプラットフォームを提供する「Clicktivated」。ファッションテックはここニューヨークで特に近年注目されており、この日も女性の来場者が、興味深く質問していた。

(出典:http://www.clicktivated.com/

ビデオを観ながら気に入った商品をクリックすると、右側に商品情報が出てくる。

そこから簡単に、詳細を見たり購入したりすることができる。

「パノラマよりダイナミック」が売り。スマホで撮影した2Dイメージを360度のイメージに変換してくれるアプリ「Showaround」。撮影後、スマホを動かす(もしくはスクリーンをスライドする)と、被写体を360度どの角度からでも見ることができる。特に、不動産やEコマース関連の顧客が興味を持っているようだった。

ボトル水を購入するかわりに月1.99ドルを支払うと、マンハッタンの給水ステーションで水を無制限に補給できる「Reefill」。財布にも環境にも優しいスタートアップ。

中古家具の売り買いをオンライン上でできる「Furnishare」。創業者&CEO、アルペイ・コラルタークさん(写真)は2年前に同社を創業。品質の良い中古家具だけを取り扱い、事業拡大と共に今年TechDayに初出展した。

ニューヨーカーは大の犬好きで知られるが、ブルックリンに数ヵ月前から出現し話題になっているのがこの「Dog Parker」。店先に設置され、飼い主が買い物や食事をしている間に犬を入れておけるもの。スマホでアンロックできる。

コファウンダーのチェルシー・ブラウンリッジさん(右から2人目)と、愛犬で同じくコファウンダーのウィンストンちゃん。「犬を同伴できない店が多いけど、ウィンストンを連れてもっと外出したいと思い発案しました」とチェルシーさん。

室内はUVライトを使って除菌されているため、常に清潔で犬にとっても快適で安全な場所に保たれている。

ここにも大きな人垣ができていた。着物を着たチームは、日本のスナックを箱詰めにして毎月届ける「BOKKSU(箱)」。

アメリカの飲食業界では、ラーメンや抹茶に代表されるようにここ10年ほど日本食ブームが続いている。そこに着目したのが創業者のダニー・タインさん(左から2人目)。ダニーさんは日本に4年住み、日本のスィーツの大ファンになったそうだ。

桜をテーマにしたお菓子の箱詰め(月19ドル〜)。

こちらは大阪をテーマにしたもの(月19ドル〜)。

オフィス内に設置するための可動式の防音ボックス「Framery」。2人用もあり、ミーティングはもちろん、電話やビデオ会議などで使える。

企業と人材を繋ぐ検索エンジン「Humans」による、イラストレーターのデモンストレーション。

ご存知、あのスタートアップも出展

お馴染み「uber」。2009年に創業し、今や世界570都市にサービスを拡大するなど急成長を見せている。

ニューヨーク発のスタートアップとして地元で知名度の高い「via」。コンセプトはUberに似ているが、viaはカープール(相乗り)専門なのが売り。今やワシントンDCやシカゴにもサービスを広げる勢い。

おなじみの動画共有サイト「Vimeo」も、実はニューヨーク発。

「Shark Tank」&デモステージ、大企業担当者と会えるチャンスも

昨年からの試み、ABC局の人気リアリティー番組『Shark Tank』は今年も引き続き特設ブースを構えた。番組プロデューサーに直接プレゼンできるとあって長蛇の列ができ、参加者から白熱したプレゼンが繰り広げられた。

『Shark Tank』プレゼンのための列。

また、こちらも昨年からの試みだが、今年も会場内に2箇所のデモステージが設けられ、各社(要事前登録)それぞれ3〜5分程度のピッチの機会が与えられた。

暇だけど今晩どこに行ってよいかわからない。そんなときに友人が集まっているスポットを簡単に探せるアプリ「clusters」のデモ。

デーティングアプリの「Avec」のデモ。ルックスではなく、「映画」や「ワイン」など、共通の趣味を持つ相手に出会えるのが特徴だ。

また、今年の試みとして、企業担当者に何でも質問できる「アクセスコンファレンス」が新たに設けられた。チケットは235ドルで販売され、参加企業は「Yahoo!」「wework」「vimeo」「mongoDB」「Foursquare」など37社が参加。こちらも好評だったようだ。

2017年「TechDay」まとめ

会場をぐるりと周って毎年驚かされるのは、出展した575社のどのスタートアップもアイデアが個性的で唯一無二ということ。企業として大成功をおさめるのは狭き門だが、どのスタートアップも夢と希望を頼りに切磋琢磨し生み出した努力の結晶が満ち溢れていた。

そして日本人として思ったのは、「BOKKSU(箱)」の例のように、ダニーさんのアイデア自体は「Birchbox」などと何ら変わらないが、日本の菓子というアメリカ人には見慣れない内容だからこそユニークに映っていた。この事例を見ると、私たちが気づいていないだけで実は身の回りに、海外でウケそうなものやビジネスのアイデアになりそうなものがまだたくさん眠っているんだろうなと思わされる。

そのほかの写真で振り返る「TechDay2017」

See you next year!

----------[AD]----------

Makers Boot CampとFabFoundry、ものづくり系スタートアップの資金調達トレンドを情報交換するイベントを京都で開催【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp  のコミュニティマネージャーの二神麻里氏と、同じく Makers Boot Camp でインターン中の Chi chia Huang(黃麒珈)氏による寄稿である。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。 京都でハードウェアの開発…

mari_futagami chichia-huang本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp  のコミュニティマネージャーの二神麻里氏と、同じく Makers Boot Camp でインターン中の Chi chia Huang(黃麒珈)氏による寄稿である。

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。


monozukuri-hub-meetup-20160801-broaderview-1
Makers Boot Camp 共同創立者 兼 代表取締役 牧野 成将氏

京都でハードウェアの開発支援を行う Makers Boot Camp は1日、京都市内のクリエイター向けコワーキング施設 MTRL Kyoto(マテリアル京都)で、起業家向けの月例イベント「Monozukuri Hub Meetup」を、ニューヨークのハードウェアアクセラレータ FabFoundry と共同で開催した。今回は世界における資金調達とクラウドファンディングについて、講演・パネルディスカッション・懇親会などのプログラムが用意され、来場者は新しいテクノロジートレンドへの理解を深めた。

FabFoundry 関 信浩氏「ハードウェアスタートアップに投資することは、現在のトレンド」

monozukuri-hub-meetup-20160801-fabfoundry-nobuhiro-seki-1
FabFoundry 関 信浩氏

関信浩氏は、ブログCMSの草分け的存在である「Movable Type」開発元の日本法人であるシックス・アパートを設立し、同社や2013年6月に新設した Six Apart, Inc. の代表を務めてきたが、新たに FabFoundry を設立し、ニューヨークを中心に活動を始めた。FabFoundry はハードウェアを開発・販売するスタートアップ企業を生み出し、国際的に事業展開できる企業に育てることを目的としている。7月からは Makers Boot Camp と連携し、ニューヨークの IoT スタートアップ2社をサポートする、約6週間のハードウェア・プロトタイピング支援プログラムを開始した。

関氏は、ハードウェアのスタートアップへの投資とクラウドファンディングのリスクをテーマに講演した。講演の中で、彼が特に言及したのは「ハードウェアスタートアップの未来性」についてだった。

ソフトウェアのスタートアップを立ち上げることは現在、2003年当時と比べ、はるかに簡単になりました。どこにでもWi-Fiに接続することができますし、ほとんどの人がスマートフォンを持っています。(このことから)ハードウェアのスタートアップが今直面している問題は、将来的に解決できると予測できます。

ハードウェアスタートアップに投資することは、まさに現在のトレンドです。デジタル製作や共有リソース、オープンソースハードウェアの普及によって、ハードウェアの起業はより簡単になるからです。

monozukuri-hub-meetup-20160801-fabfoundry-nobuhiro-seki-2
FabFoundry 関 信浩氏

一方、ハードウェア起業家はクラウドファンディングのリスクに注意すべきであると指摘した。クラウドファンディングは、バッカーの観点から見れば、製品を事前予約することに等しいからなのだそうだ。

クラウドファンディングから受けた資金はまさにローンのようなものです。スタートアップの資金支援者(バッカー)に資金を借りているわけで、起業家は、量産化プロトタイピングの壁/Design for Manufacturing(製造性を考慮した設計技術)に非常に注意する必要があります。

Kickstarter Julio Terra 氏「Kickstarter はコミュニティを構築するための場所」

monozukuri-hub-meetup-20160801-kicksarter-julio-terra
Kickstarter Julio Terra 氏

Julio Terra 氏は、ニューヨークを拠点に建築やプランニングデザインを手がけるデザイン企業 Rockwell Group のイノベーションスタジオ LAB で、IBM、Microsoft、Sprintといった企業向けにデジタルマーケティングプログラムを管理していた人物だ。その後、ニューヨークの Kickstarter のデザイン&テクノロジー部門ディレクターとして、この3年間で Nebia、Pebble、Cubetto、Prynt といったスタートアップのキャンペーンを成功に導いた。

Terra 氏は「クラウドファンディングプラットフォームの活用」をテーマに話を進めた。Kickstarter は2009年に設立され、クリエイティブなプロジェクトに対して、クラウドファンディングによる資金調達を可能にしたプラットフォームである。ハードウェアスタートアップにとっても非常に重要なツールだ。

monozukuri-hub-meetup-20160801-broaderview-2

Terra 氏は、世界のテクノロジーイノベーションに貢献できるスタートアップになるためのポイントを3つ挙げた。

1. グローバルな視点を持つ

Kickstarter は、グローバルなプラットフォームである。支援者(バッカー)もクリエーターも、さまざまな国から参加している。よって、国内市場にのみ焦点を当てるべきではない。日本のスタートアップであっても、グローバルな視点を持つ必要がある。

2. クラウドファンディングキャンペーンの目的を知る

Kickstarter でキャンペーンを立ち上げた人達が、本当にキャンペーン実行のために資金を使うか、キャンペーンから生まれたプロダクトが支援者の期待に沿うものになるかの保証は無い。また製作者が克服すべき技術的困難や必要な総コストを甘く見積もっていた場合は、資金調達が成功してもキャンペーン自体が失敗に終わる可能性もある。スタートアップは失敗のリスクを避けるためにキャンペーンの目的を知るべきだ。

3. プロトタイプやコミュニティの重要性

スタートアップが魅力的なユーザー体験を提供できない場合は、そのスタートアップはまだ準備ができているとは言えない。そのうえで、スタートアップは、自らの製品の最もパッションを注いでくれる支持者に、設計プロセスを共有するべきだ。同時に、プロトタイプの設計プロセスやストーリーのシェアも大切だ。スタートアップは「Kickstarter が、コミュニティを構築するための場所」であると考える必要がある。

Hardware Club Jerry Yang 氏「スタートアップが成功できるかどうかは、防御力で決まる」

monozukuri-hub-meetup-20160801-hardware-club-jerry-yang-2
Hardware Club Jerry Yang 氏

Jerry Yang 氏は、27カ国から180社ものスタートアップが集まるコミュニティをサポートする Hardware Club のジェネラルパートナーだ。Hardware Club はスタートアップへ投資とあわせ、製品化やプロトタイピングのサポートも行うベンチャー企業である。Yang 氏は台湾国立大学で電子工学の学士と修士、HEC Paris で MBA を取得後、台湾やシリコンバレーでエンジニアとしての勤務した。

彼は「スタートアップのプロダクトは、それを届けるまでに何が必要か?」という問いから講演を始めた。彼は、自身の豊かなハードウェアへの投資経験から「Scaling to Dominance(スケールから寡占へ)」というテーマで話を続けた。

ハードウェアは〝ハード〟です。大手企業にもベンチャーにも、同じ課題が起こりえます。それは、果たして、そのハードウェア製品が売れるかどうか、ということです

Yang 氏によると、少し前に話題になったスマートウォッチのブームの中で、重要だったのは「大手企業もスタートアップも、オリジナルの製品を生産できる」点だったと言う。そして、ここで最も重要なポイントは、拡張性:scalability (どうやって利益を得るのか)と防御力:defensibility (どうやって自分のビジネスを守るのか)である。

スタートアップの scalability は、(どの社も)ほぼ同じです、だからスタートアップが成功できるかどうかは、そのスタートアップ自身の defensibility によります。

monozukuri-hub-meetup-20160801-hardware-club-jerry-yang-1
Hardware Club Jerry Yang 氏

Yang 氏は、スタートアップを守る4つの方法を挙げた。

1. スイッチング・コスト

顧客がサービスを変更するときに必要となる、大きなコスト(金銭的な費用に限らず、切り替えに伴って必要となる習熟や慣れに要する時間や心理的費用なども含まれる)を作り上げる方法がある。髙いスイッチング・コストが生じることは、他サービスへの乗り換えを阻害するための囲い込みとなり得る。有名な例としては、Nest に買収された防犯カメラスタートアップDropcam がある。

2. ユーザーエクスペリエンス

製品がストレスなく使える、やりたかったことが簡単に実現できる、さらには製品を使って業務が楽しくおこなえる、といったような感性的な「満足感」や「感動」を、消費者は製品の価値として評価をする。

3. ネットワーク効果

ネットワーク効果とは、同じ製品やサービスを利用するユーザが増えると、それ自体の効用や価値が高まる効果のことをいう。人々は、同じコミュニティ内の同じ製品を使用したいと考えている。例を挙げるならば、若者に人気ある Snapchat を挙げることができる。

4. ブランディング

ブランディングは企業価値向上に直接関わってくる。ここでいう企業価値とは、金銭や数値では簡単には表しにくい、模倣不可能なものだ。例えば、探検で撮影するヘルメットカメラといえば、GoPro が一番始めに思い浮かぶようなこと。こうした目に見えない、消費者の心にイメージとして蓄積されていくもの、心理的な企業価値がブランドそのものであり、企業イメージやプロダクトに付加価値を加えることで、消費者に対してその認識を高めることがブランディングの役割となる。

Yang 氏のプレゼンテーションは非常に具体的で、スタートアップがすぐにでも応用できそうな貴重なノウハウが共有される時間となった。


monozukuri-hub-meetup-20160801-panel-1

プログラム後半は、ファッションにウエアラブルを融合した〝Smart Apparel〟を開発する The Crated の Meisha Brooks 氏(Chief Product Officer)と Gian Chui 氏、スマートクロス「Bobouton」を開発する Flextrapower の Thuy Pham 氏(Chief Design Officer)らを迎えてのパネルディスカッションが行われた。

The Crated と Flextrapower はともに、前述した FabFoundry の約6週間のハードウェア・プロトタイピング支援プログラムに参加するスタートアップだ。このパネルのモデレータは、京都工芸繊維大学の准教授 Sushi Suzuki 氏が務めた。

monozukuri-hub-meetup-20160801-the-crated-meisha-brooks
The Crated の Meisha Brooks 氏

The Crated のMeisha Brooks 氏:

〝Smart Apparel〟では、通常の洋服のようでありながら、センサーを使って体の状態をデータ化することが可能となります。私たちのゴールは、〝Smart Apparel〟産業を作ることです。

Flextrapower の Thuy Pham 氏:

さまざまななファッションブランドと協力して、現在開発中のスマートクロス「Bonbouton」を世に広める仕組みを作ることに注力しています。

両スタートアップの自己紹介に続き、モデレータの Suzuki 氏からは、今回のテーマである資金調達やクラウドファンディングに理解を深めるべく、これまでどのように資金調達を行ってきたか、また、今後のプランについての質問が投げかけられた。

monozukuri-hub-meetup-20160801-the-crated-gian-chui
The Crated の Gian Chui 氏

The Crated のMeisha Brooks 氏:

ファッションとテクノロジーを組み合わせるというアイデアに対して、VC とアクセラレータからの投資を受けています。ニューヨークではファッション関連の企業とのコラボレーションを進めてきました。通常、大企業とのミーティングを設定することは不可能に近いですが、Makers Boot Camp の助けを得て、日本のテクノロジー系の大企業と話を進めることができています。私たちの体験から、アメリカはクリエーションの点で優れ、日本は適応力に優れていると言えると思います。

monozukuri-hub-meetup-20160801-flextrapower-thuy-pham
Flextrapower の Thuy Pham 氏

Flextrapower の Thuy Pham 氏:

創業者の Linh Le は大学の研究者なので、私たちは政府機関からの資金を得ています。デザイナーとして発言させていただくと、アメリカでは大きなアパレル会社と協業することはコントロールを失うことになります。なので小さいけれども優れたデザイナーとコラボレーションしたいと思っています。また、Bonbouton のターゲットとしては、医療関係や安全に関する分野を考えています。

monozukuri-hub-meetup-20160801-panel-2

パネルディスカッションの後、登壇者や参加者がネットワーキングを行い、今後の製品開発やものづくりに関する意見を交換しあった。

次回の「Monozukuri Hub Meetup」の開催は8月23日で、テーマは「ファッション&テクノロジー」。今回パネルディスカッションに登壇した、The Crated とFlextrapower は、日本滞在中の成果を発表予定である。

monozukuri-hub-meetup-20160801-networking

----------[AD]----------

NYで全米最大規模のテックイベント「TechDay」が開催——スタートアップ550社が出展、3万人が集結【ゲスト寄稿】

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。 4月21日、ニューヨークで全米最大規模のスタートアップイベント 「TechDay」が開催した。毎年春に開かれる恒例のイベントで、今年で5年目を数えるもの。 今年は計550ものスタートアップ、30のアクセレレーターがそれぞれのブースを出し、テック好きはもちろんのこと、投資家や就職活動の学生、報道関係者など3万…

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみによる寄稿である。


techday-nyc-2016_featuredimage

4月21日、ニューヨークで全米最大規模のスタートアップイベント 「TechDay」が開催した。毎年春に開かれる恒例のイベントで、今年で5年目を数えるもの。

今年は計550ものスタートアップ、30のアクセレレーターがそれぞれのブースを出し、テック好きはもちろんのこと、投資家や就職活動の学生、報道関係者など3万人以上が会場に足を運んだ。昨年の出展は400社、来場者数は1万人強という数字を比べても毎年驚くほどスケールアップをしており、今回から導入された新たな試みもいくつか目を引いた。

午前10時からスタート。入場無料とあり多くの参加者が訪れ、入場のための長蛇の列ができた。

techday-nyc-2016-long-queue

今年の新しい試みとしては、会場内に2箇所のデモステージが設けられ、ピッチの機会が与えられたことだ。また、ABC局の人気リアリティー番組『Shark Tank』も特設ブースを構えるなど、例年にも増して異様な活気や盛り上がりに包まれた。

550社の中で目立つための各社アピール合戦

techday-nyc-2016-venue-broaderview

「TechDay」の大きな特徴は、その出展ブースの多さだ(550社が12カテゴリーに分けられている。テゴリーは「B2B」「エンタープライズ」「音楽&メディア」「健康&フィットネス」「Eコマース」「フィンテック」「ソーシャルメディア」「オンデマンド」「ソーシャルインパクト」「EdTech」「ハードウェア」「そのほか」)。

つまり、ここを訪れ各ブースを眺めるだけでニューヨークや全米におけるその年のテックトレンドが感じられるのだ。しかし何せ数が数だから、美術館と同じでまずは目的を決めそれをめがけて行かないと、かなり疲労困憊してしまうことになる。

もしくは会場内をブラリと歩きながら、ふと目に飛び込んできたものや食指が動くブースでサービスについて説明を受けたり、彼らのアイデアを体験するという楽しみ方もある。よって、1人でも多くの人に注目してもらうために、スタートアップは各社さまざまな趣向を凝らす。

私は今年の特徴を見るため、まずは会場を一周した。そこで感じた今年の傾向を書いておこう。

出展ブースは「体験もの」が特に人気

歩きながら各ブースを見て感じたことは、そのサービスを体験できるものに、来場者は興味を示しているということだった。体験型としては、例えば以下のスタートアップが特に人々の注目を浴びていた。

techday-nyc-2016-squire

自分の希望するヘアカットに応じたサロンを簡単に探せ、予約や支払いができる無料IOSアプリ「SQUIRE」。会場では無料で散髪サービスも。

techday-nyc-2016-the-economist

ロンドン発の雑誌『The Economist』のブース。同誌では最近の特集記事で博物館とバーチャルリアルを取り上げたことで、「ZenoLive」と共同でバーチャルリアルの世界で架空の博物館体験(約5分)を提供した。

そのほか、毎年各社競って魅力的なノベルティーグッズや菓子、ドリンク(ウィスキー含む)が用意されるが、生花や実用的なトートバッグなども人気を集めていた。

techday-nyc-2016-urbanstems

UrbanStems」はフラワーギフトの急なオーダーにも対応。ニューヨークとワシントンD.C.で展開しており、1時間以内で届けるのが売り。この日は無料で生花を配布、母の日も近いとあって関心を寄せる参加者が多かった。

techday-nyc-2016-nulab

ニューヨーク支社を持つ日本発の「Nulab」。ツイートするとTシャツやトートバッグ、お菓子のうまい棒などをもらえるとあり、人垣ができるほどだった。

techday-nyc-2016-loki

自分の住む街で、また旅先で、その道の専門家と繋いでくれ、新しい体験を提供する「LoKi」。なんとこの日にこの場でローンチ!

今年は「Shark Tank」「デモステージ」も新設

今年新設された『Shark Tank』のスペースでは、番組プロデューサーに直接プレゼンできるとあって、異様な盛り上がりをみせた。開場から2時間でプレゼン待ちは200人! 1人(1社)に与えられた時間は1分ほどにも関わらず、それぞれが持参したプレゼン資料をもとに5分越え、10分越えの白熱したプレゼンが繰り広げられていた。

techday-nyc-2016-shark-tank

また、今年から会場内2箇所でデモステージが設けられたのだが、事前登録したスタートアップが前述のカテゴリーごとに登壇し、それぞれ3~5分程度のピッチを行った。この試みは今年が初めてなので去年と比べることはできないが、実生活にリンクしているサービスほど、参加者の興味をそそる傾向にあった。

例えば、記憶に残ったものとして、地下鉄アプリの「Dash! Transit」や、SNSアプリ「Valor Connect」のCEOのピッチだ。

地下鉄やバスなど公共交通機関を賢く乗る(乗り継ぐ)アプリは有料無料を含めて山のようにあるが、多くは時刻表に関するものや駅の構内でうまく乗り継ぎするためのもの。しかし、ニューヨークを例にとると、地下鉄やバスは時刻表通りに来たためしがないと言っても過言ではないほど時間にルーズで有名だ。この場合1本乗り遅れるといつ来るともわからない次の電車を〝永遠に〟待たなければならない。「Dash! Transit」はそんな乗客の不満を解決するサービスとして、昨年ローンチされた。

このアプリの特徴は、スマホのプッシュ通知機能によりアプリを立ち上げることなくリアルタイムの時刻、つまり次の電車が何分後に到着するのかを教えてくれるというもの。地下鉄サービスに不満を持つ多くの人々にとって魅力的なアプリに映った。

techday-nyc-2016-dash-transit
「Dash! Transit」のデモの様子

「Valor Connect」は新しいタイプのSNSアプリだ。アメリカではビジネスの成功の鍵として「It’s not what you know but who you know」(何を知っているかではなく、誰を知っているか)ということわざが有名。つまりこの国では、スキルや経験よりも大切なことはネットワークやコネクションだということだ。しかしネットワークイベントに精を出しても、労力を使うだけで重要な人とうまく繋がれなかった、コミュニケーションできなかったというケースはざら。

「Valor Connect」はアプリ上で、自分の興味や関心に応じて相手を選別し、スワイプするだけでビジネスの鍵となるであろう人物と繋いでくれるというもの。すでに世界中に進出中で、市場ターゲットとして未上陸の日本にも数年以内に進出することは充分考えられる。

techday-nyc-2016-valor-connect
「Valor Connect」のデモの様子

これら特に印象に残った2つのデモは共通点として、それぞれ「あなたは今の交通アプリに満足していますか?」「SNSがたくさんあり過ぎると思いませんか? それぞれをビジネスに有効に活用できていますか?」という疑問をオーディエンスに投げかける形でピッチがスタートした。

人は満たされないものや改善の余地があるものに対して不満を抱えている。生活を便利に豊かにしようと不満なポイントを改善した努力の結晶が、このTechDayに集結したアイデアなのだ。それぞれの新しいサービスが、(できれば無料もしくは低価格で)簡単に使え、便利で多くの消費者に必要とされれば、大ヒットは間違いないだろう。

「ここには近い将来、FacebookやDropboxにとって替わるスタートアップがいるのかもしれない」。世界中から集まった550もの夢や希望に満ちあふれる会場を歩きながら、そう思った。

techday-nyc-2016-plate-on-hand

----------[AD]----------

日米のテックシーンをつなぐ「If Conference」がNYで初開催——250名を集め、成功裏に閉幕【ゲスト寄稿】

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。ヌーラボ・ブログへの掲載記事を、ヌーラボと安部氏に許可をいただき、THE BRIDGE が再構成・転載するものである。 日本とアメリカのテックシーンを繋げるイベント「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してIf Con=イフコン)が、4月11日(月)、ニューヨークで開催されました。 約250…

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみによる寄稿である。ヌーラボ・ブログへの掲載記事を、ヌーラボと安部氏に許可をいただき、THE BRIDGE が再構成・転載するものである。


nyc-if-conference-2016-1

日本とアメリカのテックシーンを繋げるイベント「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してIf Con=イフコン)が、4月11日(月)、ニューヨークで開催されました。

約250名もの来場者が訪れ、会場は満員御礼。どの回のスピーチも参加者から質問が飛び交うなど、大変な盛り上がりをみせました。この日の様子をレポートします。

キーノート(1):日本企業がアメリカで成功するには

nyc-if-conference-2016-3

4月11日(月)午後12時30分よりスタートしたイフコン。会場はタイムズスクエアにある、Microsoftです。

まずは最初のキーノートスピーチとして、「Social Starts」ファウンダー/ジェネラルパートナー、「Pivot Conference」創業者/CEOなど数々の肩書きを持ち、日米のテックトレンド事情にくわしい投資家のウィリアム・ロース(William Lohse)さんが、日本のスタートアップがアメリカに進出して成功するコツなどについてスピーチしました。

nyc-if-conference-2016-4
日米両方のテックトレンドに詳しい投資家のウィリアムさんは注目度も高く、平日しかも月曜日の午後であるにも関わらず、冒頭から会場は満席!

nyc-if-conference-2016-5

日本とアメリカを行き来し、日本のテックシーンに精通しているということで、日本人アントレプレナーやアメリカ内での日本人テックコミュニティーなどについての質問が飛んだ。

ヌーラボCEOが登壇:テックシティー福岡について

nyc-if-conference-2016-6

午後2時よりヌーラボCEOの橋本が登壇し、本社がある福岡が日本で初めてスタートアップビザを発給開始したという新制度についてや、橋本らが主催するテックとクリエイティブの合体イベント「明星和楽」について紹介しました。

<関連記事>

nyc-if-conference-2016-7

ジョークも交えてのスピーチに会場からは時折笑顔がこぼれ、またスピーチ後にはQ&Aで質問が飛び交いました。本人は相当緊張したそうですが、ニューヨーカーに対してヌーラボと福岡のPRには貢献できたようで、本人もスタッフもホッ。

nyc-if-conference-2016-8
nyc-if-conference-2016-9

「明星和楽をニューヨークでもやらないんですか?」という質問に、「福岡以外で台湾とロンドンでできたのはそれぞれの市の協力があったから。ニューヨーク市も協力してくれるのならぜひ開催したい」と橋本。

nyc-if-conference-2016-10

「初めてニューヨークで講演しすごく緊張しましたが、福岡市の紹介でまずラーメンの話を始めたときに皆さんの反応が良かったので、それからはいつものペースで話ができました」とは後日談。

Microsoft内のヌーラボとは別の会場では、「ニューヨークで外国籍のスタートアップとうまく仕事をするコツ」などについての講演も行われ、こちらも盛り上がりをみせていました。

パネルディスカッション:「グローバルなマクロトレンドは?」「日本進出について」

午後3時から5時までは、2つの大きなパネルディスカッションが開かれました。 ニューヨークをベースにしたスタートアップの日米のCEOやアナリストらが「グローバルなマクロトレンド」について、また、日本に進出したスタートアップ のCEOらが「日本進出する際の心得」についてのパネルディスカッションを行いました。

nyc-if-conference-2016-11

「Adobe」 のアッシュ・ライアンさんをモデレーターに、「OKpanda」CEOアダム・グリースさん、「Noom」ディレクター宜保陽子さん、「Meetup」国際課ディレクターのオディル・ベニフラさんが参加した「日本に進出する際の心得」についてのパネルディスカッション

ちなみに別会場では、「イノベーションのためのメンタルゲーム」「スタートアップを成功するための構造作り」「日米のスタートアップのトレンド」などについての講演も行われました。

キーノート(2):パーソナルモビリティー産業を破壊する方法

nyc-if-conference-2016-12

イベントの締めとして最後のキーノートスピーチに、シリコンバレーに本社を置くWhill のCEO、杉江理(さとし)さんが登壇し、次世代型電動いすの開発やこれからの展開についてのスピーチがありました。こちらも会場は立ち見ができるほどの盛況ぶり!

nyc-if-conference-2016-13

nyc-if-conference-2016-14
2012年に設立したばかりの Whill の企業理念と次世代型電動いすの開発秘話をシェアした同社CEOの杉江さん。「私たちが作りたいのは電動車いすではなく、誰もが乗ってみたいと思える、新しいカテゴリーのパーソナルモビリティ」と本人談。

午後6時以降は軽食やドリンクを交えたネットワーキングイベントが行われ、参加者が登壇者に積極的に質問をしたり参加者同士で意見交換を行ったりする姿が見られました。

nyc-if-conference-2016-15
全体的に、来場者の職業はアントレプレナーや学生が多く、男女利率は同じぐらいだった

イフコン主催者の1人である奥西正人さんに、イベント終了後に感想を聞きました。

想像を超えるたくさんの方々に参加していただき、大成功のイベントになりました。今回のイベントを通して、ニューヨークにおいてもこのようなイベントやコミュニティーの存在意義や必要性があることを改めて認識できました。

来場者からはどういった感想や反響があったかについては、

『来てよかった』など、喜びの声をたくさんいただきました。まず、アメリカのテック関係者からは、このイベントが日本発や日本人のスタートアップなど、“初めて日本関連に触れた”ということに対しての評価が高かったです。こちらに住む日本人やその関係者からは、ニューヨークでこのような現地イベントに初めて参加できてよかったという声がありました。どちらも共通するところは、以前にはない新しいイベントだったというフィードバックでした。

また今後の抱負として、「より多くのニューヨーカーに日米のスタートアップを知っていただき、日本の方々にもニューヨークのテック事情を知っていただけるのが願いです。今後も「If Conference」や通常行っているミートアップ「Japan NYC Startups」のコミュニティーが、ニューヨークの日米スタートアップの発展のきっかけになればうれしいです」とのこと。

日本とニューヨークおよびアメリカ全体のテック系の繋がりが今後より深いものになることがさらに期待できそうです。

写真で振り返るIf Conference 2016

nyc-if-conference-2016-16
途中休憩で軽く体操して、頭とカラダをリフレッシュ
nyc-if-conference-2016-17
参加者は、イベントの協賛である「Itoen」のお茶、「Sapporo」の生ビール、「Baum’s Sho」のバウムクーヘンなどさまざまなドリンクや軽食を楽しんだ

nyc-if-conference-2016-18 nyc-if-conference-2016-19

----------[AD]----------