BRIDGE

タグ ニューヨーク

日米のテックシーンをつなぐ「If Conference」がNYで初開催——250名を集め、成功裏に閉幕【ゲスト寄稿】

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみ氏による寄稿である。ヌーラボ・ブログへの掲載記事を、ヌーラボと安部氏に許可をいただき、THE BRIDGE が再構成・転載するものである。 日本とアメリカのテックシーンを繋げるイベント「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してIf Con=イフコン)が、4月11日(月)、ニューヨークで開催されました。 約250…

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみによる寄稿である。ヌーラボ・ブログへの掲載記事を、ヌーラボと安部氏に許可をいただき、THE BRIDGE が再構成・転載するものである。


nyc-if-conference-2016-1

日本とアメリカのテックシーンを繋げるイベント「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してIf Con=イフコン)が、4月11日(月)、ニューヨークで開催されました。

約250名もの来場者が訪れ、会場は満員御礼。どの回のスピーチも参加者から質問が飛び交うなど、大変な盛り上がりをみせました。この日の様子をレポートします。

キーノート(1):日本企業がアメリカで成功するには

nyc-if-conference-2016-3

4月11日(月)午後12時30分よりスタートしたイフコン。会場はタイムズスクエアにある、Microsoftです。

まずは最初のキーノートスピーチとして、「Social Starts」ファウンダー/ジェネラルパートナー、「Pivot Conference」創業者/CEOなど数々の肩書きを持ち、日米のテックトレンド事情にくわしい投資家のウィリアム・ロース(William Lohse)さんが、日本のスタートアップがアメリカに進出して成功するコツなどについてスピーチしました。

nyc-if-conference-2016-4
日米両方のテックトレンドに詳しい投資家のウィリアムさんは注目度も高く、平日しかも月曜日の午後であるにも関わらず、冒頭から会場は満席!

nyc-if-conference-2016-5

日本とアメリカを行き来し、日本のテックシーンに精通しているということで、日本人アントレプレナーやアメリカ内での日本人テックコミュニティーなどについての質問が飛んだ。

ヌーラボCEOが登壇:テックシティー福岡について

nyc-if-conference-2016-6

午後2時よりヌーラボCEOの橋本が登壇し、本社がある福岡が日本で初めてスタートアップビザを発給開始したという新制度についてや、橋本らが主催するテックとクリエイティブの合体イベント「明星和楽」について紹介しました。

<関連記事>

nyc-if-conference-2016-7

ジョークも交えてのスピーチに会場からは時折笑顔がこぼれ、またスピーチ後にはQ&Aで質問が飛び交いました。本人は相当緊張したそうですが、ニューヨーカーに対してヌーラボと福岡のPRには貢献できたようで、本人もスタッフもホッ。

nyc-if-conference-2016-8
nyc-if-conference-2016-9

「明星和楽をニューヨークでもやらないんですか?」という質問に、「福岡以外で台湾とロンドンでできたのはそれぞれの市の協力があったから。ニューヨーク市も協力してくれるのならぜひ開催したい」と橋本。

nyc-if-conference-2016-10

「初めてニューヨークで講演しすごく緊張しましたが、福岡市の紹介でまずラーメンの話を始めたときに皆さんの反応が良かったので、それからはいつものペースで話ができました」とは後日談。

Microsoft内のヌーラボとは別の会場では、「ニューヨークで外国籍のスタートアップとうまく仕事をするコツ」などについての講演も行われ、こちらも盛り上がりをみせていました。

パネルディスカッション:「グローバルなマクロトレンドは?」「日本進出について」

午後3時から5時までは、2つの大きなパネルディスカッションが開かれました。 ニューヨークをベースにしたスタートアップの日米のCEOやアナリストらが「グローバルなマクロトレンド」について、また、日本に進出したスタートアップ のCEOらが「日本進出する際の心得」についてのパネルディスカッションを行いました。

nyc-if-conference-2016-11

「Adobe」 のアッシュ・ライアンさんをモデレーターに、「OKpanda」CEOアダム・グリースさん、「Noom」ディレクター宜保陽子さん、「Meetup」国際課ディレクターのオディル・ベニフラさんが参加した「日本に進出する際の心得」についてのパネルディスカッション

ちなみに別会場では、「イノベーションのためのメンタルゲーム」「スタートアップを成功するための構造作り」「日米のスタートアップのトレンド」などについての講演も行われました。

キーノート(2):パーソナルモビリティー産業を破壊する方法

nyc-if-conference-2016-12

イベントの締めとして最後のキーノートスピーチに、シリコンバレーに本社を置くWhill のCEO、杉江理(さとし)さんが登壇し、次世代型電動いすの開発やこれからの展開についてのスピーチがありました。こちらも会場は立ち見ができるほどの盛況ぶり!

nyc-if-conference-2016-13

nyc-if-conference-2016-14
2012年に設立したばかりの Whill の企業理念と次世代型電動いすの開発秘話をシェアした同社CEOの杉江さん。「私たちが作りたいのは電動車いすではなく、誰もが乗ってみたいと思える、新しいカテゴリーのパーソナルモビリティ」と本人談。

午後6時以降は軽食やドリンクを交えたネットワーキングイベントが行われ、参加者が登壇者に積極的に質問をしたり参加者同士で意見交換を行ったりする姿が見られました。

nyc-if-conference-2016-15
全体的に、来場者の職業はアントレプレナーや学生が多く、男女利率は同じぐらいだった

イフコン主催者の1人である奥西正人さんに、イベント終了後に感想を聞きました。

想像を超えるたくさんの方々に参加していただき、大成功のイベントになりました。今回のイベントを通して、ニューヨークにおいてもこのようなイベントやコミュニティーの存在意義や必要性があることを改めて認識できました。

来場者からはどういった感想や反響があったかについては、

『来てよかった』など、喜びの声をたくさんいただきました。まず、アメリカのテック関係者からは、このイベントが日本発や日本人のスタートアップなど、“初めて日本関連に触れた”ということに対しての評価が高かったです。こちらに住む日本人やその関係者からは、ニューヨークでこのような現地イベントに初めて参加できてよかったという声がありました。どちらも共通するところは、以前にはない新しいイベントだったというフィードバックでした。

また今後の抱負として、「より多くのニューヨーカーに日米のスタートアップを知っていただき、日本の方々にもニューヨークのテック事情を知っていただけるのが願いです。今後も「If Conference」や通常行っているミートアップ「Japan NYC Startups」のコミュニティーが、ニューヨークの日米スタートアップの発展のきっかけになればうれしいです」とのこと。

日本とニューヨークおよびアメリカ全体のテック系の繋がりが今後より深いものになることがさらに期待できそうです。

写真で振り返るIf Conference 2016

nyc-if-conference-2016-16
途中休憩で軽く体操して、頭とカラダをリフレッシュ
nyc-if-conference-2016-17
参加者は、イベントの協賛である「Itoen」のお茶、「Sapporo」の生ビール、「Baum’s Sho」のバウムクーヘンなどさまざまなドリンクや軽食を楽しんだ

nyc-if-conference-2016-18 nyc-if-conference-2016-19

----------[AD]----------

ニューヨーク市がタクシー業者向けアプリ導入に向けて動き始める

SHARE:

<ピックアップ記事>NYC Considers Taxi App to Compete with Uber and Lyft ニューヨーク市議であるBen Kallos氏が12月8日、タクシー業者向けアプリ導入のために法制定導入を提案したと報じられました。この法案は、一般のタクシー業者がUberやLyftなどの大手相乗りサービスと同様の競争力を保たせるためにアプリ導入を提案するためのも…

05B93447-A228-43DA-96CF-558CD36F8F22
Image by Anna

<ピックアップ記事>NYC Considers Taxi App to Compete with Uber and Lyft

ニューヨーク市議であるBen Kallos氏が12月8日、タクシー業者向けアプリ導入のために法制定導入を提案したと報じられました。この法案は、一般のタクシー業者がUberやLyftなどの大手相乗りサービスと同様の競争力を保たせるためにアプリ導入を提案するためのものだとのことです。

記事内でBen氏は、これからはUberやLyftなどの新興サービスを取り締まる方向はナンセンスであり、タクシー業者に同等の競争力を持たせるように促進するのがニューヨーク市としての役割である、という考えを示しています。また、予定ではニューヨーク市内で操業するイエロータクシーとグリーンタクシーのドライバー約2万人がこのアプリに登録されるらしいです。

この法案が通れば、ニューヨーク市を訪れる観光客はより多くの交通手段を持つことになるでしょう。

ちなみにこちらの資料によると、ニューヨーク市内のイエロータクシードライバーは5万人を超えているのだそう。また、一日で60万人の乗客を運び、年間では2億3600万人を運ぶ計算になるとのこと。このデータからも、ニューヨーク市内だけでもタクシーに関する需要が高いのがわかります。

仮に法案が通り、アプリが開発されたとしたら、UberとLyftが多大な労力を捧げて完成した秀逸なUXとどこまで競り合えるかが興味深い点となるでしょう。そして同資料では、ニューヨーク市のイエロータクシーの乗客のクレジットカード利用率のデータもありました。2011年では利用率が40%であったのが、2014では55%となり、60%に差し迫っていることから、クレジットカードを使った支払いのしやすさもUXとして重要な焦点となりそうです。

このようなタクシーアプリ導入の動きはニューヨーク市だけでなく、ワシントンDCでもあります。特にアメリカではUberとLyftが熱を帯びている一方で、一般タクシー業者を圧迫してるのが実情。以降、各市が同様にアプリ開発をするというのがある種のトレンドとなるかもしれません。

Via GOVERNMENT TECHNOLOGY

----------[AD]----------

健康保険から小規模事業者のローンマッチングサービスまで、ニューヨークで要注目のスタートアップたち

SHARE:

<Pick Up> 25 hot  NYC startups you need to watch 都市ニューヨークで注目のスタートアップ25社をまとめた記事があったので、一部をご紹介。かなり幅広いジャンルのスタートアップが選ばれている印象。 例えば、「Bowery’s」は、開発者が開発環境をものの30秒でセットアップできてしまうサービス。1人の開発環境をチームにリアルタイム…

The-city-of-new-york<Pick Up> 25 hot  NYC startups you need to watch

都市ニューヨークで注目のスタートアップ25社をまとめた記事があったので、一部をご紹介。かなり幅広いジャンルのスタートアップが選ばれている印象。

例えば、「Bowery’s」は、開発者が開発環境をものの30秒でセットアップできてしまうサービス。1人の開発環境をチームにリアルタイムで共有することができるんだって。また、保険にかかる人が「選べる」テクノロジーを活用した健康保険サービスの「Oscar」。

人材系では、IT業界の中の女性に特化した転職サイト「PowerToFly」。また、ニッチなようで意外と需要がありそうな「AirHelp」は、フライトが遅延したりキャンセルになった時に、搭乗者の変わりに損害賠償を請求してくれる。

「Fundera」は、小規模事業者と、その出資者になりうる人をマッチングしてくれてローンが組めるサービス。と、どちらかというと前半の方が面白い気がするけれど、一通り見る価値はありそうなので、残りはBusiness Insiderでご覧あれ。

via. Business Insider

----------[AD]----------

注目すべき31のニューヨーク・スタートアップたち

SHARE:

<ピックアップ> 31 Hot New York Startups You Need To Watch ソーシャルコマースのFancyにEtsy、医療予約のZocDocにY Combinator出身のRap Genius、クラウドファンディングのKickstarterに最近ピボット気味のFoursquare。ニューヨーク拠点のスタートアップ・シーンはシリコンバレー一辺倒だった頃に比べる…

foursquarelogo

<ピックアップ> 31 Hot New York Startups You Need To Watch

ソーシャルコマースのFancyにEtsy、医療予約のZocDocにY Combinator出身のRap Genius、クラウドファンディングのKickstarterに最近ピボット気味のFoursquare。ニューヨーク拠点のスタートアップ・シーンはシリコンバレー一辺倒だった頃に比べると徐々に存在感を増していると言われております。残念ながら私は日本にいるのでその雰囲気を体で感じることはできませんが。

ということで、その注目すべきNYスタートアップをBusiness Insiderが取材して31社にまとめてくれています。どういう傾向があるか、もしかしたら見えてくるかもしれません。リストはこちらのリンクからどうぞ。

via Tech 【G翻訳】

----------[AD]----------

出る杭が打たれない街ニューヨークで、無給インターンとしてローフードの世界に飛び込んだ羽田賀恵さん【前編】

SHARE:

マザーアース・プロジェクト株式会社/マザーアース・ソリューション株式会社の代表で、ローチョコレートや、新たにデトックス・クレイなどの製造・販売を行う羽田賀恵さん。ご本人とお会いするより一足先に、羽田さんが作る「NamaKiss」のローチョコレートをいただいた。スイーツを食べている感覚はあるのだけれど、新しい食感で、変な甘みが口に残らない。 ローフードの存在を初めて耳にしたのは、ニューヨークが舞台の…

kae_Hadaマザーアース・プロジェクト株式会社/マザーアース・ソリューション株式会社の代表で、ローチョコレートや、新たにデトックス・クレイなどの製造・販売を行う羽田賀恵さん。ご本人とお会いするより一足先に、羽田さんが作る「NamaKiss」のローチョコレートをいただいた。スイーツを食べている感覚はあるのだけれど、新しい食感で、変な甘みが口に残らない。

ローフードの存在を初めて耳にしたのは、ニューヨークが舞台の「Sex and the City」だった気がする。NYといえば、美容や食のトレンド発信地。羽田さんは、1999年から2005年までの6年間をNYで過ごした。こうしたトレンドが日本に到来するのは、だいたいアメリカの10年後と言われているそう。例えばローフードは今ようやく日本で波が来ていたり、マクロビオもNYでは20年前に流行っていたり。

健康オタクと自らが名乗る羽田さんは、子どもの頃からアレルギーがひどく、化学療法に頼った治療が難しいことがわかってからは、自ら専門学校に通うなどしてさまざまな自然療法を試してきた。

「症状や病気と、たたかわずに付き合っていくことが大事だということを学びました。自然の大きな流れに身体を横たえて、その流れに乗ることで身体が本当に健康になっていく。これを、ローチョコレートやデトックス・クレイなどを通して伝えたいと思っています」

NYに渡米して目覚めた「ほんとうの自分」

大学卒業後、野村証券の営業企画部に勤めていた羽田さん。7年の勤務期間を経て結婚し、当時の旦那さんの転勤でNYに渡米した。会社員だった頃は、独立なんて想いもしなかった羽田さんは、夢追い人が集まるNYの土地で新しい自分に出会うことに。

「NYにいる人たちって、みんなが何かで世界のトップに立とう、自分にしかできないことをやろうというエネルギーに満ちあふれていて。でもお互いの違いを尊重していて、背中を押してくれる。NYに行って、自分の中に潜んでいたものが目覚めた感じでした」

日本とは違う、出る杭が打たれない世界。自分も何かをしたい。そんな漠然とした想いを加速させたのが、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件だった。当時、同じアパートに住んでいた友人が旦那さんをテロで亡くした。彼女にはお子さんもいて、当時妊娠中。ワールドトレードセンターが崩れ落ちた瞬間に彼女の家にかけつけて、鳴らない電話を一緒に待ち続けた。

「電話がかかってきて、彼の無事が確認できることをずっと一緒に待っていました。でも電話は鳴らなかった。人の命が突然に奪われ、当たり前だった日常が終わってしまう。この体験から、やりたいことがあるならやらなきゃ、と強く思うようになりました」

NYのレストランに無給インターンを直談判して深めたローフード

羽田さんの第二の人生が始まった。せっかくNYにいるのだから、とNYの街をひたすら歩いて、マンハッタンの情報を集めたウェブサイトを立ち上げた。当時はWordPressなどの便利なブログツールもなく、HTMLも自ら書いた。新しいお店やレストランを発見しては、自ら取材をしてサイトで紹介していった。

そんな時、たまたま隣に住んでいた雑誌編集者の日本人女性から取材の依頼を受けた。女性は妊娠中で具合が悪く、羽田さんがピンチヒッターに。雑誌の特集テーマは、「NYの野菜事情」で、その取材先の一つが当時NYで大人気だったローフードレストランだった。

「すごく話題の新しいタイプのローフードレストランでした。ファッション業界の人、モデルや女優さんにも人気で。面白いし、日本でもいつか流行るかもしれないと思って、勉強させてください!とシェフに直談判したんです」

それからの一年間、毎日キッチンに立って調理を教わり、ローフードのセミナー開催を手伝うこともあれば、食材の在庫管理も行う日々を過ごした。配偶者VISAで渡米していた羽田さんは、あくまで無給のインターン。でも、この一年間で学んだローフードや栄養にまつわる話が、今自身で開催するセミナーの題材にもなり役立っている。

NYで情熱的な人、新しい物や場所に出会い、自分でも認識していなかった新しい自分にも出会った。その一方、プライベートでは旦那さんと離婚。内に秘めた情熱に気がつくことなく駐在員の奥さんを続けていた羽田さんが開花していくなか、向かう方向が変わってきたから。離婚後、6年間のNY生活を終えて日本に帰国した。

後編につづく。

----------[AD]----------

シリコンバレー、ニューヨーク、ロンドンーーテック系スタートアップはどこで立ち上げるかのが最適か?[インフォグラフィック]

SHARE:

起業家にとってシリコンバレー、ニューヨーク、ロンドンのどこでテック系ビジネスを立ち上げるのが最適か、Bizbrainのメンバーが下のインフォグラフィックを作成した。 どこでビジネスを始めるかは、もちろんそのビジネスの内容やその対象とするマーケットに大きく関係してくるが、多くのテック系企業にとって中国もまた企業を立ち上げるには理想的な場所だ。 Image compliments of Biz Bra…

起業家にとってシリコンバレー、ニューヨーク、ロンドンのどこでテック系ビジネスを立ち上げるのが最適か、Bizbrainのメンバーが下のインフォグラフィックを作成した。

どこでビジネスを始めるかは、もちろんそのビジネスの内容やその対象とするマーケットに大きく関係してくるが、多くのテック系企業にとって中国もまた企業を立ち上げるには理想的な場所だ。

Where To Start a Tech Startup
Image compliments of Biz Brain

【via Technode】 @technodechina

【原文】

----------[AD]----------

NYの起業家たち11人に聞いた、「スタートアップを立ち上げて学んだわたしの最大の教訓」

SHARE:

今年の9月末、ニューヨークに行ってきたの。ちょうどFashion Weekが終わったタイミングだったこともあって、ファッション系のスタートアップに会ってきた。そこで彼らに聞いたのが、“What is your biggest lesson so far as an entrepreneur?”。起業家として、あなたがこれまでに学んだ最大の教訓は何ですか。 ニューヨークは、ブルームバーグ市長がTec…

今年の9月末、ニューヨークに行ってきたの。ちょうどFashion Weekが終わったタイミングだったこともあって、ファッション系のスタートアップに会ってきた。そこで彼らに聞いたのが、“What is your biggest lesson so far as an entrepreneur?”。起業家として、あなたがこれまでに学んだ最大の教訓は何ですか。

ニューヨークは、ブルームバーグ市長がTechやスタートアップの活性化に積極的なことでも知られてる街。そんなブルームバーグ市長が手掛けるのが、「Fashion NYC 2020 Initiative」。今後ニューヨークがよりいっそう繁栄するためにはファッション業界の繁栄が欠かせない。そんな考えのもと、業界の更なる発展に貢献する研究や取り組みを行ってる。

その一環が、NYCのChelsea(チェルシー)にあるPop-upショップ「STORY」。NYCのオンライン・オフラインのファッションリテーラーの発掘と支援を目的とするもの。今回会ったファウンダーの多くは、このイニシアチブで優勝した人たち。みんなはすごくハッスルしていて、がむしゃら。

ついつい、より歴史やエコシステムの整った西海岸に目がいってしまいがちだけれど、機会があったらぜひNYのスタートアップシーンもチェックしてみるといいと思う。個別サービスの詳細は、TechDoll(Day1Day2Day3)で紹介してるよ。NYCのスタートアップシーンについては、頓智の井口尊仁さんへのインタビュー記事を読んでみてくださいな。

スタートアップを立ち上げて学んだわたしの最大の教訓

ファウンダーたちの特徴として、スタートアップを始める前はみんな様々な分野や業界で働く経験の持ち主という点がある。その辺の面白さもあるかなと思って、Biggest Lessonを、彼らのプロフィールも一緒に紹介します。井口さんが、ニューヨークのスタートアップはマーケティング思考と感じたのも、こうしたビジネスのバックグラウンドがあるからなのかも。

・ ・ ・

Khoi Vinh(Mixel

起業家、ユーザーエクスペリエンスデザイナーで、最近Fast Companyの”The 50 Most Influential Designers in America” (アメリカで最も影響力のあるデザイナー)にも選ばれる。MixelをつくるLascaux Co., Incのファウンダー。その前は、NYTimes.comのデザインディレクターを5年間勤める。受賞歴のあるデザインスタジオBehavior, LLC. の共同ファウンダーでもある。

「プロダクトは、人ではなくチームの結果として生まれるもの。昔はアイディアこそ全てだと思っていた。そしてそのアイディアを形にするために人を採用するのだと。でも、今になって思うと、本当に素晴らしいプロダクトはそれを実現できる本当に素晴らしいチームがいて初めて可能になることに気づいた。もし適切に混ざり合った人材を見つけられず、起業家としてチームに加わってもらういい人材を見つけられなければ、そこから生まれる商品は失敗に終わる。そのアイディアがどれだけ優れていたとしても。」

・ ・ ・

Vik Venkatraman(Clothes Horse

生物医学の技術者からブランドマネージャー、さらに経営コンサルタントを経て起業家に。

「個人的に学んだことは、大事なのはアイディアの品質ではないということ。本当に重要なのは、予期せぬハードルを乗り越えるための粘り強さだと思う。」

・ ・ ・

Erica Cerulo(Of a Kind

シカゴ大学で学士号を取得。Conde Nast(DetailsとLucky)で編集者を5年間務める。編集とキュレーションの力に魅せられ、Of a Kindを立ち上げる。The New York Times、InStyleなどでも執筆。共同ファウンダーのClaire Mazurは、シカゴ大学の学士号とコロンビア大学の学位を取得。Of a Kindを立ち上げる前は、アートのコンサルタントとして活動。アーティストやアート団体、アートコレクションのマネージメントを行う。

「チームが大きくなってより多くを人に任せるにつれて、これはすごくエキサイティングなことだけれど、人をマネージメントする時間をつくらなくてはいけないということ。自分たちのTO DOリストから項目を消していくことと、一緒に働く人たちが自分が抱えるプロジェクトをやっつけるために必要なサポートを得ていることのバランスを見つけること。これはお互いに改善していきたいなと思っていることよ。」

・ ・ ・

Carla Holtze(Have to Have

メディアとファイナンス業界で働き、ニューヨークと香港のLehman Brothersに5年間勤める。コロンビアビジネススクールのMBAを取得。コロンビアジャーナリズムスクールの修士号を取得。 現在は、Have to Haveの共同ファウンダー。

「会社を始めることで柔軟性の大切さを知った。そして市場がそれを示したときに、ピボットする準備が必要だということ。ここ数年でコマース市場は進化を続けているけれど、それに伴って私たちのビジネスニーズも変化してる。だから、事業を継続するために必要かつ重要なピボットを何度かしてきてるの。大事なのは柔軟性、顧客の声に耳を傾けること、ポジティブでいること、そしてプロセスの中でユーモアのセンスを失わないこと。組織にとって変化はつきもので、それに慣れることでしかないと思う。」

・ ・ ・

Jamal Motlagh(Acustom

プリンストン大学を卒業後、ニューヨークでオンライン広告の営業を勤める。バルセロナスペインでセミプロフェッショナルの水球選手に。2009年からハーバードビジネススクールに通い、6月からacustomのCEO。

「イノベーションは、プロダクトや企業にゲームを大逆転させる勢いが必要だけれど、同時にその顧客を教育することが求められる。Acustomやその他のイノベーターは、プロダクトを利用した結果人々が何を受け取り、これまでの経験と何がどう違うのかの期待値を正しく伝えることが大事だと思う。顧客の期待値を定めて彼らに適切な情報提供をすること、これが最重要。」

・ ・ ・

Matt Wilkerson(AHAlife

MITを卒業した後、投資銀行やベンチャーキャピタルを経て、AHA Lifeの共同ファウンダー。

「本気の根気と集中力が必要。マラソンなんだ。カオスや、数えきれないほどの誤ちを犯すことに慣れなきゃいけない。大事なのは、何かが誤ちであったときにそれを探知し、そこから早く学ぶこと。」

・ ・ ・

Jill Meltz(Fashion GPS

Fashion GPSに参加する前は、12年間出版業界で活躍。業界での最後の仕事は、In Styleのラグジュアリー部門のセールスディレクター。CartierやTiffanyなどのソーシャルメディアを活用したブランド戦略の構築を支援する。

「わたしの何よりの学びは、これがそもそもスタートアップで仕事がしたいと思った理由なのだけど、そこがみんなで一緒に作り上げるコラボレティブな職場環境だから。大企業では、管理職や役員のビジョンがあって、賛同するかどうかは別にしてそれをスタッフが形にする。スタートアップは、これをしてと指示されて動くんじゃなく、チームが一眼となってプログラムを開発して導入していくから。」

・ ・ ・

Christina Wallace(Quincy Apparel

ミシガン州出身。ジョージア州のEmory Universityで数学と演劇を学ぶ。Metropolitan Operaでアートマネージメントを数年経験し、2010年にハーバードビジネススクールのMBAを取得。1年間Boston Consulting Groupに勤め、QuincyをHBSの同級生だったAlex Nelsonと共同創業。

「Quincyを始めてからの最大の学びは、早くそして頻繁に顧客フィードバックを得ること。自分たちの壮大なビジョンに対して保守的になってしまいがちで、それが完璧になるまで誰にも見せたくないと思ったりする。でもそれをしてしまうと、素晴らしいけど誰も欲しくないものをつくってしまう可能性がある。見込み顧客に対して、早い段階で商品を見せてフィードバックをもらうことが大事。また友達(初期段階の欠点を多めに見てくれる)と、全く知らない人(友達じゃないから、気持を傷つけることを何とも思わない正直な人)を混ぜ合わせるといいと思う。一つの方向を突き進みすぎてお金や時間を無駄にしてしまうことながないから。」

・ ・ ・

Rie Yano(Material Wrld

日本、メキシコ、カナダ、アメリカ育ち。メキシコの高校卒業後、上智大学比較文化学部入学。三菱商事の広報部報道チームを経て、北米三菱商事ニューヨーク本社に駐在。ハーバードビジネススクールMBA留学。卒業後、コーチNY本社デジタルメディアマーケティングにてウェブプロジェクトマネージャーに。2012年にマテリアルワールド創業。

「何かが必要なとき、それを人に頼むことを学んだ。必要なサポートを得るためには、遠回しじゃなくストレートに聞く必要があるってことも。人はいつでも協力的だから(特にニューヨークのスタートアップコミュニティは最高)、聞くことを恐れずに。」

・ ・ ・

Cindy McLaughlinStyle for Hire

Style for Hireの共同ファウンダーでCEO。ファッション業界で10年以上の経験を持つ。リテール業界のテクノロジーの仕事をした後、ニューヨークを拠点とする独自ブランドAbaetéを立ち上げた。出産を経て家族でカリフォルニアへ。主婦として落ち着いていた頃、友達だったStacy London(著名なファッションコンサルタント)がクロゼットのメークオーバーをしてくれたことをきかっけに起業。MITのMBAを取得している。

「スタートアップの体験はアップ&ダウンの極限。成功が事業を生むし、失敗はそれを壊す。失敗すれば、すべてが実際に終わってしまう。起業家として走り続け成功するヒントは、大変なときもめげずに取り組み続けること。そして上手くいっているときは、それを認識しながらも有頂天にならないこと。自分のため、そしてチームのために、船を常にバランスをとれた状態にすること。」

・ ・ ・

Cyrena Lee(ReFashioner

Barnard Collegeで人類学を学んだ後、DailyCandyのフリーランスライターに。上海のOglivyで広告の仕事をし、ReFashionerに参加。ReFashionerのファウンダーのKate Sekulesは雑誌業界出身。Culture+Travelの編集長やNY TimesやGourmetなどのライター。イギリス出身で、元プロボクサー。

「スタートアップで仕事をして学んだ最大のレッスンは、企業としての主たるビジョンにフォーカスをしながら、同時に新しいアイディアに対してオープンであること、適応したり変化する柔軟性を持ち合わせること。狭い視野で成長を止めてしまわないこと。」

・ ・ ・

Jared Schiffman(Perch

MITを卒業後、インタラクションデザインを手掛けるPotionを立ち上げ現在パートナー。2012年1月にPerchを共同創設。

「スタートアップにとって、マーケティングはすごく難しい。いつだって、そのコストは?その効果や影響は?という質問がつきまとうから。マーケティング施策のインパクトを判断するのは不可能に近い。だから、マーケティング努力が時にはインパクトゼロかもしれないことを想定しておくべき。その上で、コストを再度算出し物事を実行にうつす。」



----------[AD]----------

【インタビュー】頓智の井口尊仁氏に聞くNYのスタートアップ環境と、iPadアプリ「tab」とNYの親和性

SHARE:

セカイカメラで知られる頓智ドット株式会社が、先月新たに「tab」というiPadアプリとウェブサイトをリリースした。近日中にiPhoneアプリをリリースし、また英語版のリリースも決定している。tabは“Interest to Action”を掲げるアプリケーション。ラテアートが可愛いカフェ、美術館の展示会など、キュレートされた情報をもとにユーザのアクションを生む。人々の興味が細分化し情報量が増えたた…

セカイカメラで知られる頓智ドット株式会社が、先月新たに「tab」というiPadアプリウェブサイトをリリースした。近日中にiPhoneアプリをリリースし、また英語版のリリースも決定している。tabは“Interest to Action”を掲げるアプリケーション。ラテアートが可愛いカフェ、美術館の展示会など、キュレートされた情報をもとにユーザのアクションを生む。人々の興味が細分化し情報量が増えたため、雑誌などの従来メディアだけでは情報を適切にカバーしきれない現状がある。そこで登場するのがtabだ。感度の高いユーザ自身がキュレーターとなり、受け手のアクションにつながる情報をまとめていく。

その性質上、tabは場所がひしめく「都市」での展開が最適だ。同アプリは最初から海外展開を予定しており、海外の反応を見るためにニューヨーク(NY)に出向いたのが頓智ドットの井口尊仁氏。国内外のTechイベントで数々のピッチ経験を持つ井口氏だが、驚くことにNYを訪問するのは今回が初めてだったという。ご存知の通り、ここ1、2年でNYにも数多くのスタートアップが生まれている。その代表格がロケーションサービスの「Foursquare」だ。西側に精通した井口氏が見た東側はいまどうなっているのか 。

世界の縮図「ニューヨーク」とコワーキングスペース

東京は大都市といえど、住む人のほとんどは日本人でそこには秩序がある。一方、人種や文化のバリエーションなどから良い意味でよりカオスなのがNYだ。NYは「世界の縮図」だと話す井口氏。ユダヤの僧侶しかいないエリアがあるかと思えば、少し先のブロックには若い黒人のDJたちがたむろしている。ニューヨークの主要交通網である地下鉄では、一駅ごとに住む人種が違う。

西海岸とは全然違いますね。人間がメチャ多くて多様性もある。密集しているんだけど、でもお互いにリスペクトし合っていて良い意味で距離を保っている感じがある。西海岸のノリで行ってみたら、そこはSTAR WARSの酒場の世界でした。宇宙酒場に色んなやつがいる感じ(笑)。グチャグチャなんだけど、距離感をとって上手くやっているというか。

NYのスタートアップが集まる地域は、Chelsee、Sohoといったエリア。東京より若干規模が大きいものの、地下鉄や自転車で移動でき、感覚的には渋谷、青山、六本木くらいの距離感にそれぞれコミュニティがあるイメージだ。またNYにはコワーキングスペースも多い。TheNextWebによる「NYで最もクールなコワーキングスペース」には、「General Assembly」、「New Work City」、「We Work Labs」、「Projective Space」、「Dogpatch Labs」が挙げられている。今回井口氏が訪問したのは、「General Assembly」、「New Work City」、「We Work Labs」の3つ。これらのコワーキングスペースには種類、歴史、キャパなどそれぞれに特徴があるという。

We Work Labsは規模が大きく、マンハッタンに複数のスペースを持つ。New Work Cityは規模こそ小さいものの、オープンから5年と歴史が長い。中でも井口氏が特に惹かれたのがGeneral Assembly。このコワーキングスペースは、2011年10月頃に始まった政治運動“Occupy Wall Street”(ウオールストリートを占拠)の活動を支援している。アメリカの根本的な問題である貧困の差をなくすことを目的とするムーヴメントだ。Wall Streetで座り込みや寝泊まりしてデモ運動をしたり、ノウハウ共有のために自由大学を開催したり。またUSTやTwitterなど先端のITサービスもフルに活用しているという。NYではITサービスが政治活動に一役買い、彼らの活動をサポートしているのだ。

その場にいた僕もOccupy Wall Streetのデモに参加しました。アメリカは持ってる者と持たない者の差が大きい。この活動に参加するのは国民の99%に入るマジョリティーな人たち。残り1%がWall Streetで大きいお金を動かしインテリジェンスを握っている一部の人間。それは本来みんなでシェアすべきだ、という考え方のもと活動をしています。そして活動のツールとして使われたのが、Tumblr、Twitter、Facebookといったサービスだったそうです。

Occupy Wall Streetの根本にある考えは、アメリカという国そのものが象徴である「自由」。従来の決められた働き方ではなく、個々人が選んだ形で自由に働くことを可能にするコワーキングスペースの目的にも共通するものがある。コワーキングスペース、そしてそこに入るスタートアップがOWSのような政治活動を支援することは自然なことなのかもしれない、と井口氏はいう。

マーケティング思考など、NYのスタートアップにみられる特徴

NYは、メディアやファッションブランドなどが多いことで知られる街。そして何より多様多種な人種が密集している。密度が高いのは人だけに限らず、レストランやクラブなどのお店もひしめき、毎夜のようにイベントが繰り広げられる。そんなNYという街の特徴は、そこで生まれるスタートアップの種類にどのように影響しているのか。

モジュール型のサンフランシスコ、NYは入り口から出口まで
サンフランシスコのスタートアップはモジュール型だと話す井口氏。決済だけやる、集客だけやる、女の子に美味しいカカオを届けるといった具合に細かくセグメントされている。それぞれの領域に鬼のようにプレーヤーが存在し、モジュール同士がつながることでスタートアップの塊ができていく。一方のNYは、ひとつのスタートアップが入り口から出口まで全てまとめてやることが多い。

デザイン雑貨やインテリアを販売するコマースの「Fab.com」がいい例。コマースのAからZまで全て自分たちでやってますよね。キュレーション兼コマースの「Fancy」だってそう。また「Tumblr」もコンテンツ流通から課金まで自分たちでやって一つの生態系をつくろうとしている。ロケーションサービスの「Foursquare」も、ショップへのサポートからPRツールまで全て自分たちでつくって提供しています。

これは恐らく金融やメディアなど確固としたインダストリーが確立しており、それらのプレイヤーたちとのアライアンスやビジネスアセットをフル活用できるというNYの地政学的な強さが寄与しているのではないか?と井口氏は分析する。

マーケティング思考なNYのスタートアップ
こんなのがあったらいいね、という発想でテクノロジーをベースに考えるシリコンバレーのスタートアップ。一方NYではマーケティング思考が強いという。イケていたり目立っているサービスは、NYの強みであるメディア的要素を何かしら持っていて、さらにデザイン力もある。そして何よりマーケティング思考であるため、しっかりしたビジネスプランを持っている。

こんな風にマーケティングを行うことでこういう結果を出す。それを踏まえて、いつまでにこれくらいでエグジットするという具体的なプランが描かれている。これはもしかすると、NYのスタートアップの人材の多くが、一度は別の企業で働いた社会経験やキャリアを持つ人たちだからかもしれません。

今回NYで話をしたスタートアップの中でも、日本人女性起業家のRie Yanoさんと彼女のBabyである「Material Wrld」は特に素晴らしかったと話す井口氏。以前にTechDollでも紹介したMaterial Wrldは、セレブを含む人のクロゼットをマーケットプレイスにしようというもの。テイストメーカー、キュレーターの巻き込み方が戦略的できちんと考え抜かれている印象を受けたという。ちなみにMaterial Wlrdは女性2人がファウンダーだ。

仮説の立て方と、反応や数字を踏まえた組み立て方がクレバーだなと感じました。話を聞けば聞くほど納得感があるというか。

ニューヨークで注目のロケーション系サービス

人やお店が密集し、パーティなどのイベントが多いNYでは位置情報サービスが当たり前のように使われている。日本も渋谷駅などIT企業が集まるエリアではFoursuareの駅チェックインが多いなどと言われているが、NYでは普通のOLなどが日常的にロケーションサービスを使っている。

もし彼女たちにFoursquareの使い方を教えてって聞いたら、なんで知らないの?って驚かれるくらいに普及しています。むかし僕たちも、なんで人がTwitterやFacebookをやるのかな?って首を傾げていた時代があったと思うんですが、どちらのサービスも今では当たり前になっていますよね。きっとNYではFoursquareも同じ感じなんだと思います。

—「Zaarly」
ロケーションを使ったサービスで一目置かれているスタートアップが「Zaarly」。仕事をしてほしい人と、仕事がほしい人をモバイルアプリでマッチングする。例えば、ゲームのテスター募集、ハンガーの片付け、コーヒーを買ってくるなど。ロゴをつくるというようなオンラインだけで完結する手伝いではなく、リアルに会ったり場所に出向く手伝いが特徴だ。Zaarlyを使うことで人がリアルにつながり、さらには仕事が生まれることで人々の生活が変わる。中にはこのサービスだけで生計を立てているような人もいるそうで、雇用主がいてオフィスに通うという従来の働き方を流動化している。

「Airbnb」
Airbnb」も生活を変えるという意味で画期的だと話す井口氏。今回のNY滞在はずっとAirbnbを使ったという。NY滞在最終日に泊まったのは、アーティストで大学講師、シングルマザーでゲイの旦那が2人いるという女性の家のロフト。多くの人が密集するNYだからこそ、マッチングの成功体験が早くに生まれ、それが継続利用につながるのかもしれない。

1日数千円とはいえ、空いたスペースを有効活用することで新たな収入が生まれ、普段出会えないような人たちと交流する機会も生まれる。Airbnbを立ち上げると、位置情報で現在地付近で泊まれる場所がスグわかってすごく便利です。

「Square」
また決済系で普及し、期待を集めているのが「Square」だ。ものの10分で、個人が簡単にカード決済のストア口座を持ててしまう。任天堂好きの若者が、古いゲームを売るために使うこともできるし、フリーマーケットなどで活用することも可能だ。Squareを使うことで色々なところで売買、ビジネスチャンスが生まれる。

Squareのアプリを立ち上げると、店舗などを含むSquareで決済できる場所がわかるようになっています。レシートにも位置情報が印字されますし。生活を大きく変えるという意味で、Squareもかなり期待されているスタートアップという印象を受けました。

ニューヨークを選ぶ理由

NYといえば、マイケル・ブルームバーグ市長の存在は外せない。彼がITとエコロジーに注力していることは有名だ。これらの分野に予算を割くことはもちろんのこと、NY市がガチのハッカソンを主催していたり、時には一緒に記者会見を開くなど広報的支援も行う。スタートアップにとってNYがいかに素晴らしい場所かをアピールする動画なども用意されている。

Made in New York from NASDAQ on Vimeo.

インキュベーションはすごく盛んです。それぞれに売りがあってバラエティもある。ファンドの規模が違うから統計的には西海岸からお金が入っているところが多いみたいですが、非常に活発なのでシードラウンドで頑張る分にはNYはありだと思います。でもエコシステムは出来上がっているしNYだけでも成立するでしょう。メディアもすごくあるしね。

そして都市そのものが壮大なベータテスターの街でしょ。人種も文化もバラエティがあるからテストに向いてるんです。それにロケーションベースがあそこまで触れる都市って他にない。AirbnbやSquareなんかがガンガン使われていて、そうするとその上にビジネスが生まれていく。

tabの海外での手応えを確認するために訪れたNY。今回のインタビューで井口氏に語ってもらった内容からも、tabとNYという街の親和性が高いことは容易に想像がつく。文化、言語、人種が豊富で、かつメディアも多い。

東京に10年住んでいたって全部わかりきった気にはならないですよね。もっと混沌としているNYなら尚更そうで、だからこそ、そこを補完するメディアが必要。また、感度が高くロケーションメディアに慣れていて、さらにはセンスが良いというキュレーションに最適な人間もたくさんいる。

遠からず英語版がリリースされるtabだが、リリース後のNYでの反響は気になるところ。ロケーションサービス、メディア、飲食系などを展開する日本のスタートアップは、数年先の東京を下見する感覚でNYを訪れてみると良いかもしれない。

----------[AD]----------