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ブロックチェーンで世界の「偽造医薬品」問題に挑むナイジェリアのChekkit

ピックアップ:Nigerian blockchain startup, Chekkit, pilots its drug verification tech in Afghanistan ニュースサマリー:ナイジェリア発のスタートアップ「Chekkit Technologies」は9月、アフガニスタンにおける同社事業展開へのパートナーシップを当局保健省と締結したと発表した。同社はブロックチェーンを…

Image Credit:Checkit

ピックアップ:Nigerian blockchain startup, Chekkit, pilots its drug verification tech in Afghanistan

ニュースサマリー:ナイジェリア発のスタートアップ「Chekkit Technologies」は9月、アフガニスタンにおける同社事業展開へのパートナーシップを当局保健省と締結したと発表した。同社はブロックチェーンを利用した追跡可能なスマートラベルを使用し、新興国で毎年多くの死者を出している「偽造医薬品」問題の解決に取り組んでいるスタートアップ。2018年にナイジェリアで創業した同社は、現在同国ならびに米国にもオフィスを構えている。

重要なポイント:同社の技術は主に、サブサハラ(アフリカ全土のうち北アフリカを除いたサハラ砂漠より南の地域)全域を中心に新興国で毎年多くの死者を出している「偽食料品」・「偽造医薬品」問題の解決に取り組んでいることで知られている。

詳細な情報:新興国では毎年多数の死者が出ている偽造医薬品市場は推定で年間2,000億ドルにもなるといわれている。その多くは中国産とされる偽造医薬品だ。本物と見分けがつかないほど精巧なパッケージのものも多く、医薬品の輸入に関する規定や制度、検閲体制などが整わない国では国内への流入を防ぎきることが難しいため、深刻な被害が出ている国が多くありながらも、現在まで根本的な解決が難しい状態が続いている。

  • Chekkit Technologies はこの問題を解決するために、倉庫から流通業者、最終消費者に至るまで、製品の動きが追跡可能なブロックチェーンベースのプラットフォームを構築した。
  • Checkitが提供するスマートラベルは、パッケージに貼付されたQRコードもしくは数値コードによる一意のIDによって流通の過程を管理・記録していく。輸入されてきた医薬品には、輸入された段階でその情報とともにパッケージにラベルが貼付される
  • 消費者や販売者は、Checkitのアプリからスマートラベル上のQRコードをスキャンもしくはIDを入力することで、パッケージ単位での流通経路や実際に医薬品として認可されている製品であるかどうかの確認が可能。誤って偽造医薬品を販売したり購入・服用したりすることを防止する。
  • ナイジェリアを始め新興国ではスマートフォンの普及率もまだ低いため、フィーチャーフォンからでも当該IDを使用したUSSDコードによる情報取得が可能。
  • 2018年に設立されたChekkitは昨年2つの大きな成果をあげた。2019年11月、アフガニスタン保健省と偽造医薬品問題について既に協議を行っていたFantom Foundationがスポンサーを務めるAfricArena SummitのブロックチェーンピッチコンペティションでChekkitが1位を獲得した。その後、今回発表に至ったアフガニスタン保健省とパートナーシップの締結に至る。
  • 今後アフガニスタン市場において、実際に販売される8万点の医薬品にChekkitのスマートラベルを貼付し3ヶ月のパイロット運用が行なわれる。
  • ナイジェリアとガーナのDeep Tech企業向けアクセラレータープログラム FbStart Accelerator にも参加。CEOのOdumade氏によれば、参加後の同社収益は1200%増加し、10万件を超える製品の認証確認が行われたとのこと。「2025年までに、アフリカと世界の数百万人の人たちを(偽造薬・偽造品などから)守りたい」という同社の信念に向け、精力的に事業を拡大している。

背景:アフリカ大陸の中でも特にサブサハラ以南の地域での偽造医薬品問題は非常に深刻であり、偽の抗マラリア薬により毎年10万人以上の死者が出ているほか、5歳未満の子どもの12万人以上が何らかの偽造医薬品を摂取した事が原因で亡くなっている。WHOによれば2013年から2017年の間に報告された偽造医薬品の42%がアフリカで押収されたものであった。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

アフリカのIT拠点、ナイジェリア(ラゴス)で成長する新たなフィンテックインフラ

ピックアップ:TradeDepot adds $10 million to add financial services to its supply chain services for African SMBs ニュースサマリ:ナイジェリアでB2B eコマースを運営するTradeDepotは先月14日、プレシリーズBラウンドで1,000万米ドルの資金調達を発表している。同社はアフリカ最大の小売流…

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ピックアップTradeDepot adds $10 million to add financial services to its supply chain services for African SMBs

ニュースサマリ:ナイジェリアでB2B eコマースを運営するTradeDepotは先月14日、プレシリーズBラウンドで1,000万米ドルの資金調達を発表している。同社はアフリカ最大の小売流通ネットワークの構築を目指すとともに、ナイジェリア国内の零細小売業者向けにマイクロファイナンスサービスの提供などを行っている。

重要なポイント:ナイジェリアの多くの零細小売業者は銀行からの融資を受けるための要件を満たしていないため、TradeDepotでは、これまでの同社プラットフォーム上での取引実績などを元に審査し融資を可能とするマイクロファイナンスサービスの立ち上げと流通ネットワークの拡大を推進する。

詳細情報:2016年に設立したTradeDepotはナイジェリアにおけるB2B eコマースの先駆けとして知られる。同ラウンドは、PartechInternational Finance CorporationWomen Entrepreneurs Finance Initiative(We-Fi)、MSA Capitalが共同で主導。

  • TradeDepotは2016年のサービス開始以降順調に成長を続けている。同社によると、過去12カ月で取引量は3倍に増加(取引額詳細は非公開)、現在4万を超える小売業者が利用するとしている。また、平均して3分に1店の割合で新規店舗が登録され、4秒に1回取引が行われているとのこと。
  • 利用する小売業者は、Androidアプリ、Whatsapp、フリーダイヤルから商品を注文。注文を受けた商品はTradeDepot独自で配送し、各店舗までダイレクトに届けられる。
  • TradeDepotを通じてサプライヤーと直接取引をすることで、小売業者はこれまでかかっていた中間業者へのマージンの支払いや、仕入れた商品の搬送にかかる手間や運賃を省き、安価で効率的に商品を手に入れられる点がメリットとなる。そのほか、オンラインでの在庫管理システムやCRMシステムなども利用可能。
  • ナイジェリア国内にとどまらず、オフラインの小売市場が1兆米ドルと推定されているアフリカ全体の小売流通のオンラインネットワーク構築を目指す
  • ナイジェリア国内における流通ネットワーク構築は、新型コロナウィルスの流行によりロックダウン措置が取られた旧首都のラゴスで、ナイジェリア政府主導の緊急食糧対応政策の一端を担い必要な物資の流通に協力するなど、既に政府機関との実績も持つ。
  • また、女性の地位が低いナイジェリアにおいてTradeDepotを利用する小売業者の75%は女性が占めている。今後はメンターシッププログラムなども提供し女性の社会進出の支援も強化していく。同ラウンドに参加した Women Entrepreneurs Finance Initiative(We-Fi:女性起業家資金イニシアティブ)は、「より強力なWSMEs(Woman-led Small and Medium Enterprises:女性主導の中小企業)による小売流通ネットワークの構築と女性コミュニティの経済的成長を支援する」と述べ、この取り組みを後押しする。

背景:ナイジェリアの小売業者(主に零細小売業者)の90%、約120万件が無許可・無認可など、正式な手続きを取らずに営業しているため、公的な融資や援助などを受けることが出来ない。ただしこれはナイジェリアや小売業者に限ったことではなく、ジュネーブのILO(国際労働機関)によれば、アフリカ大陸の労働市場全体の85.8%はインフォーマルなものとされている。

ナイジェリアは人口約2億人でアフリカ最大の人口大国。2014年にGDPが南アフリカを抜いて以降は経済規模でもアフリカ最大となり、携帯電話普及率も8割を超えている。GoogleとFacebookがそれぞれアフリカで初のDevelopers Spacecommunity hub spaceを設立するなど、ナイジェリア(ラゴス)はアフリカのIT拠点としても注目されている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

eコマースが発展するナイジェリアではじまる「シェアリングデリバリー」の理由

ピックアップ:Hybrid-delivery startup, WAeY Hailing, launches to help users get delivery on their own terms ニュースサマリー:ナイジェリアのWAeY Technologiesは7月15日、バイクによるハイブリッドデリバリーサービスWAeYをローンチした。WAeYのデリバリーサービスではUberなどのサービ…

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waeyウェブサイト

ピックアップ:Hybrid-delivery startup, WAeY Hailing, launches to help users get delivery on their own terms

ニュースサマリー:ナイジェリアのWAeY Technologiesは7月15日、バイクによるハイブリッドデリバリーサービスWAeYをローンチした。WAeYのデリバリーサービスではUberなどのサービス同様に、依頼者が荷物を取りに来てほしい場所を指定すると、近隣にいる最適なデリバリースタッフを割り当て指定の場所へ向かう。

指定場所で荷物をピックアップしたデリバリースタッフは、アプリ上の指示に従い配送先へ荷物を届ける仕組みとなっている。依頼者は配送が完了するまで、アプリ上から荷物の追跡(デリバリースタッフの位置確認)が可能。最大6つの配送を同時に依頼出来る。

詳細情報:配送はスピード優先かコスト節約か、都合に合わせて2種類のタイプが用意されている。

  • 専有デリバリー:近隣にいる手の空いているデリバリースタッフが荷物をピックアップし、そのまま配送先へと直行する。
  • シェアリングデリバリー:配送ボックス内に空きスペースのあるデリバリースタッフが近隣を通過する際に荷物をピックアップ。ピックアップ後は他の荷物の配送先と組み合わせて、アプリの指示する最適なルートに従いデリバリースタッフが順番に配送を行う。
  • 現在は、ナイジェリア経済の中心地であるラゴス州のみでサービスを提供しているが、将来的にはナイジェリア全土でのサービス展開を計画している。数カ月以内に他の州でもサービスの提供を開始し、8カ月以内にナイジェリア全州でのサービス提供を予定。
  • ラゴス以外の州では同プラットフォーム上からバイク配車サービスも提供する。なおラゴス州では、2020年の2月から物流関係車両を除き商用二輪車及び三輪車の主要地域への乗り入れを禁止したため、バイクを利用した配車サービスの提供が困難となった。
  • 1年以内で1,000人を超えるデリバリースタッフを獲得することが当面の目標。サービスの品質確保のため、デリバリースタッフ志望者には金融機関と同等のKYCや、接客トレーニングなどを含めた研修を実施する。
  • 新型コロナウイルスの影響によりeコマースの利用者が増加し物流サービスへの需要が高まる中、ラストマイルロジスティクスサービスを開始したWAeYには注目が集まる。また、新型コロナウイルスの影響で仕事を失った人や、商用二輪車乗り入れ禁止措置の影響で失職したラゴスのバイクドライバーの雇用の受け皿になり得るのではないかとの声もあがっている。

背景:ナイジェリアではここ数年eコマース産業が成長し、新型コロナウイルスの影響で利用者はさらに増加したため、物流ロジスティクスや配送サービスへの需要も高まっている。ナイジェリアは道路や鉄道などのインフラが貧弱で、世界銀行による2018年度のLPI(物流パフォーマンス指標)スコアは2.53で世界160ヵ国中110位と非常に低く、物流・ロジスティクス産業の成長の妨げとなっている(日本はLPIスコア 4.03で世界5位)。

その一方で携帯電話の普及率は8割を超えeコマース産業も普及し始めているため、物流の品質を向上し配送スピードをあげることは非常に重要な課題となっている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

サムライインキュベート、アフリカのスタートアップ向けに20億円規模の新ファンドを組成

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 【9日18時更新】赤字部分を追記、訂正線部を削除。 東京を拠点とする VC であるサムライインキュベートは9日、ケニア・南アフリカ・ナイジェリアのスタートアップ向けのファンドを組成したと発表した。ファンド名は「Samurai Africa Fund 2号」で、ファンド規模は最終的に20億円を目指す。対象となるスタート…

左から:久保浩成氏(サムライインキュベート シニアマネージャー ファンドコントローラ)、米山怜奈氏(サムライインキュベート シニアマネージャー 兼 サムライインキュベートアフリカ マネージングパートナー)、 榊原健太郎氏(サムライインキュベート代表取締役社長 兼 サムライインキュベートアフリカ 代表取締役社長)、 小池直氏(サムライインキュベート マネージャー)、本間良広氏(サムライインキュベート執行役員 コーポレートグループ)
Image credit: Samurai Incubate

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。

【9日18時更新】赤字部分を追記、訂正線部を削除。

東京を拠点とする VC であるサムライインキュベートは9日、ケニア・南アフリカ・ナイジェリアのスタートアップ向けのファンドを組成したと発表した。ファンド名は「Samurai Africa Fund 2号」で、ファンド規模は最終的に20億円を目指す。対象となるスタートアップのステージはシードからシリーズ A ラウンドで、ワンショットのチケットサイズは500〜5,000万円。投資対象領域は、金融・保険、物流、医療・ヘルスケア、小売・EC、エネルギー、農業、交通・モビリティ、エンターテインメントに設定されている。

Samurai Africa Fund 2号 と名乗るからには、同ファンドの1号はいつ組成されたのか気になる読者もいるだろうが、サムライインキュベートと共同出資で同社出身の寺久保拓摩氏が2018年5月に設立した Leapfrog Ventures のファンド(5億円)を指しているようだ。なお、サムライインキュベートの沿革によれば、2019年6月に Leapfrog Ventures はサムライインキュベートアフリカとして社名を変更している。

サムライインキュベートアフリカの代表は、2019年6月の段階では寺久保氏が務めていたことが確認できるが、現在は、サムライインキュベート代表の榊原健太郎氏に変更されている。事実上、サムライインキュベートの完全子会社(またはアフリカ向け投資ビークル)になったと理解できる。寺久保氏は独自にアフリカ向けファンドを組成する準備に入っているとの消息筋の情報もあり、氏の動向については機会を改めて詳報をお伝えしたい。

2号ファンドの運用にあたっては、日本政策投資銀行や国際協力銀行出身で、JICA(国際協力機構)モロッコ事務所で駐在員アシスタント企画調査員、TECHFUND のディレクターなどを務めた米山怜奈氏がマネージングパートナーとして就任する。なお、サムライインキュベートアフリカは JICA から起業促進やスタートアップエコシステム形成に関する調査を受託している。なお、サムライインキュベートアフリカでは、「JICA 当該調査の委託は、いかなる意味においても本ファンドの評価を示すものではない」としている。

1号ファンドではルワンダ、ケニア、タンザニア、ウガンダ、南アフリカを投資対象地域に設定していたが、2号ファンドではルワンダ、ウガンダ、タンザニアは外され、ナイジェリアが追加された(サムライインキュベートアフリカでは、ルワンダ、ウガンダ、タンザニアを表記から外しただけで、運用上の投資対象地域からは外していないとのこと)。サブサハラ地域(サハラ砂漠以南のアフリカ地域)最大の市場を誇るナイジェリアは成長が著しいため、サムライインキュベートアフリカでは経営資源の選択と集中を図ったものとみられる。なお、1号ファンドは組成時に80社程度への出資を目標に掲げていたが、これまでに約4分の1に相当する18社への出資が完了したことが明らかになった。

1号ファンドからのこれまでの投資先には、アフリカで製造・流通業向け営業管理 SaaS「SENRI」を提供する アフリカインキュベーター(Afri-inc)、ケニアのソーシャルコマース/販売管理SaaS「BiasharaBot」を運営する Biashara Viral Gains、 非銀行層向け与信インフラを提供する EXUUS などがある。1号ファンドには投資枠は残存していると見られ、今後の1号ファンドの投資対象地域が従来のものを踏襲するか、2号ファンドに準拠するかは現時点で定かではない。

(「Samurai Africa Fund 1号」は、Leapfrog Ventures の当初組成額5億円に加え、「Samurai Incubate Fund 6号」(組成額34.5億円)の10%をファンド・オブ・ファンズ形式で組み入れており、投資枠は既に終了しているとのこと。投資したスタートアップ数は当初想定数の4分の1だが、1社あたりのチケットサイズが当初想定より大型化したと見られる。)

この分野では、アフリカでのコーポレートアドバイザリーやスタートアップ支援を提供する日本企業として、東京に拠点を置く Double Feather Partners などが存在する。

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アフリカで製造・流通業向け営業管理SaaS「SENRI」運営、SBIインベストメントから2億円を調達——ケニア・ナイジェリアでの体制を強化

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ケニア・ナイロビなどを拠点に、アフリカ現地の製造・流通業向け営業マネジメントシステム「SENRI」を提供するアフリカインキュベーター(Afri-inc)は28日、シリーズ A ラウンドで SBI インベストメントから2億円を調達したことを明らかにした。同社にとっては、昨年9月に実施した8,000万円の調達(プレシリーズ A ラウンド相当)、2015年に実施した4,000万円(シードラウンド相当)の…

アフリカインキュベーター/SENRI のナイジェリアオフィスの皆さん
Image credit: Afri-inc

ケニア・ナイロビなどを拠点に、アフリカ現地の製造・流通業向け営業マネジメントシステム「SENRI」を提供するアフリカインキュベーター(Afri-inc)は28日、シリーズ A ラウンドで SBI インベストメントから2億円を調達したことを明らかにした。同社にとっては、昨年9月に実施した8,000万円の調達(プレシリーズ A ラウンド相当)、2015年に実施した4,000万円(シードラウンド相当)の調達に続くもので、累積調達金額は3億2,000万円。

アフリカインキュベーターは、JICA でアフリカのプロジェクトの立ち上げや運営を経験した後、外資系戦略コンサルティングファームでマネージャーをしていた永井健太郎氏が2015年に設立。消費財などを中心に製造・物流業企業100社ほどに SENRI を提供している。有名企業では、ホンダ、森永製菓、ロレアル、味の素 (現地法人を含む)なども SENRI の顧客だ。アフリカでは伝統的な小売店を通しての流通が主流のため、流通にかかるコストが大きく、企業にとって流通網の効果的な拡大が困難だ。SENRI では受発注をはじめとする流通プロセスを SaaS 化することで業務を効率化、20%を上回る生産性向上を実現してきた。

永井氏に昨年9月からのアップデイトを聞いたところ、サブサハラアフリカ最大の市場であるナイジェリアに進出したことが大きいようだ。

ナイジェリアの市場は、当初想定していたよりも、ひたすらデカいことがわかった。(元々の SENRI の主戦場である)ケニアの5倍以上はあるように思う。製造業は最大都市のラゴスに集中しているが、そこに拠点がある企業が SENRI を採用し、ナイジェリア全土でサービスを提供できている。メーカー1社に100人程度の営業担当者がいて、その全員が SENRI を使っている、といった規模感。(永井氏)

SENRI のナイジェリアでの利用状況
Image credit: Afri-inc

SENRI には昨年来、決済機能が強化されているが、今回の SBI インベストメントからの出資は、SENRI が持つ決済機能を中心としたフィンテックの可能性に、中長期的な展望を踏まえた上でのものと言えそうだ。銀行利用率が高くないアフリカにおいては、B2C や C2C でフィンテックを取り入れたユニーク金融市場が出来上がりつつある。これは B2B にも波及するとみられ、特に物流を担う SENRI では、ファクタリング、ビリング代行、信用スコアリングを含む貸付などのサービス展開も期待できる。

ケニアとナイジェリアでは需要も似ている。営業担当者が出先でサボっていたりすることが多く、また、小売店からオーダーが来てから商品を届けるのに時間がかりミスも多い。そういう問題を少なくすることに、SENRI が役立っている。世界的な消費財メーカーの需要にも対応できるようにし、そういった企業を着実にユーザに取り込みつつある。(永井氏)

アフリカインキュベーターでは、ケニア・ナイロビのオフィスに加え、ナイジェリアへの本格進出を機に現地子会社を設立しラゴスに拠点を開設した。現在、事業企画メンバーの採用を強化しており、今回調達した資金を使って、ケニア・ナイジェリアを中心としたアフリカでの営業・マーケティング体制の強化と、決済機能を含むサービスの機能強化を目指すとしている。

SENRI(クリックして拡大)
Image credit: Afri-inc

アフリカ大陸がフィンテックに踊る理由

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ピックアップ:FairMoney raises $11 million for its challenger bank for emerging markets ニュースサマリー:フランス発、スマホを通じて手軽に借りられる少額ローン・サービスをナイジェリア市場で提供する「Fair Money」がシリーズAラウンドにて、DST GlobalのパートナーであるFlourrish Venturesをリー…

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ピックアップFairMoney raises $11 million for its challenger bank for emerging markets

ニュースサマリー:フランス発、スマホを通じて手軽に借りられる少額ローン・サービスをナイジェリア市場で提供する「Fair Money」がシリーズAラウンドにて、DST GlobalのパートナーであるFlourrish Venturesをリードに1,000万ユーロ(約1,200万円)を調達した。

Fair Moneyはナイジェリアのラゴスを拠点に、創業から2年という短い期間にも関わらず累計40万件以上の貸し出しを実施している。

ユーザーへの簡単な質問や財務状況、スマホアプリの利用情報、位置情報の取得を通して与信審査を行う。誰でも最初は33ドル(約3,500円)までしか借りることができないが、返済を完了する度に限度額が上昇し、最大で415ドル(約45,000円)まで借りることができるようになる。金利は個人により異なるが最大でも13%に設定されている。

ナイジェリアの首都ラゴスの通り
Image credit: Jordi Clave Garsot

話題のポイント:国連の統計によれば、現在12億人規模にまで膨らんでいるアフリカ大陸の人口は2050年までに倍増し25億人規模になるといいます。特にサハラ砂漠以南の人口成長は顕著。

特にケニアとナイジェリア2カ国のフィンテック市場は真逆の特徴を持っています。国の金融インフラの発展度合いによって、各国で活躍する金融スタートアップの戦略に大きな違いが生まれているのです。

既存金融が未発達なケニアのような国は、銀行から独立して自社サービスを成長させるスタンスが求められます。一方、ナイジェリアはある程度金融インフラが整っているため、既存金融機関と提携する方がスタートアップにとってメリットが大きいのです。ここからはケニアとナイジェリアのフィンテックスタートアップの事例に軽く触れたいと思います。

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まずはケニアから。最初に紹介するのが同国で普及しているM-PESA。国民の70%以上が利用するモバイル・電子マネーサービスです。出稼ぎ労働者による家族への送金を簡易化する手段として開発されました。

ケニアでは多くの出稼ぎ労働者がいるものの、銀行サービスがローカル地域に及んでいなかったり、そもそも家族が銀行口座を持っていないという理由から、モバイルで簡単に送金できるM-PESAの需要が高まりました。

現在では決済・送金の他にも預金やマイクロレンディングなどのサービスも展開しており、今や銀行口座保有率の低いケニアの生活インフラとなっています。

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FarmDriveというケニアのスタートアップは、機械学習に基づいて農業データを収集・分析することで与信調査を行い、農家へマイクロファイナンスを提供。同社のようなスタートアップが誕生する理由は、アフリカ独特の産業構造と市場課題を背景としています。

アフリカ人口の60%は農村に住んでおり、農業従事者であるとされています。この点からアフリカ経済は農業に大きく依存していると言えます。しかし課題が2つ。1つは農家が銀行口座を持っていない点。もう1つは銀行が与信を的確に行う技術力がなく、レンディング事業を提供できない市場環境。

上記の理由から、ケニアの農業地域では必然的にFarmDriveのような、機械学習で信用調査を行い、ローンを提供するフィンテック・サービスへの需要が生まれているのです。

M-PESAやFarmDriveはいずれも既存金融機関が手の及ばない領域を開拓しています。それほどケニアは金融インフラが整っておらず、スタートアップが自ら開拓していく必要性があります。

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次にナイジェリア。本記事で紹介したFair Moneyがまさに当てはまります。

ナイジェリアは2018年時点で銀行口座保有率は約50%。その利用率の低さは否めませんが、他のアフリカ諸国に比べると銀行システムが整っている方です。そのためFair Moneyは銀行と提携することで、外部金融機関ユーザーの預金に流動性を与える少額ローンプラットホームとして機能しています。

2017年から2018年の間で、ナイジェリアの銀行口座保有率は7.5%ほど上昇しており、国は2020年内にその割合を80%まで引き上げることを目標としています。この割合が着実に成長すれば、Fair Moneyの利用者も増加することは間違いありません。一方で、同社は貸金業ライセンスを既に持っているため、今後銀行から独立する可能性もあります。

Fair Moneyの例から、ナイジェリアはケニアとは違い、自社サービスのみで成長を目指すより外部と連携した方が賢明な戦略である事が伺い知れます。

一方、2国間のフィンテック市場の共通も1点挙げられます。それは経済的な不安定さを理由に、銀行を代表とする金融インフラへとアクセスできない人たちを支援する「金融包摂(きんゆうほうせつ)」という理念を基にしたサービスが多い点です。

先述したように、ケニアでは銀行口座未保有・ローカル地域における銀行の少なさに悩むユーザーに対してスマホによる送金サービスが登場。ナイジェリアでは与信能力の低さに悩むユーザーに対して機械学習を通じてマイクロファナンスの提供を可能にした事例を紹介しました。

このように金融サービスへのアクセスビリティーを高める需要が増大していることがわかります。

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さて、上のグラフはアフリカのスタートアップの投資額を表したものです。2017に比べ、2018年の投資額は2倍を超えているのがわかります。全投資額の半分はフィンテックスタートアップ向けだとされています。(Partech Africa調べ)

スタートアップへの投資が増えるということは、今後数年以上、アフリカのフィンテック市場は間違いなく成長を続ける証左とも言えるでしょう。これからも「金融包摂」というキーワードを基にアフリカ市場は急成長を続けるのは必至。途上国支援やフィンテックに興味のある人にとっては、益々アフリカ大陸は目が離せない存在になりそうです。

Image Source & Credit: Fair MoneyGoogle Play, Pixaby, Farm Drive, M-Pesa

アフリカのeコマース・ユニコーンJumia、Alibaba(阿里巴巴)のバックヤードになる理由とは?

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早春の激しい雨にもかかわらず、深圳に高くそびえる Hilton へと国境を跨いで活動する100以上のベンダーが時間ちょうどに到着した。アフリカ大陸における重要な e コマースプレイヤー Jumia のためにやって来たのだ。 もしアフリカに賭けるなら、それは高い成長率に賭けるということです。未来に賭けるということです。 Jumia のグローバルユニット CEO である Eric Lauer 氏は部屋…

Jumia
Image credit: Jumia

早春の激しい雨にもかかわらず、深圳に高くそびえる Hilton へと国境を跨いで活動する100以上のベンダーが時間ちょうどに到着した。アフリカ大陸における重要な e コマースプレイヤー Jumia のためにやって来たのだ。

もしアフリカに賭けるなら、それは高い成長率に賭けるということです。未来に賭けるということです。

Jumia のグローバルユニット CEO である Eric Lauer 氏は部屋を埋め尽くす販売業者に語った。

Jumia は2012年にアフリカのベンダーと買い物客をつなぐオンラインマーケットプレイスとして始まり、2015年には世界最大の e コマース企業 Alibaba(阿里巴巴)の本拠地である中国に店を構え、中国の商品をアフリカへと持ち帰っている。

Jumia はアフリカ大陸で大きくなっている輸入品への強い興味を注視している。近年アフリカの消費力は、特にナイジェリアやエジプトのような最大の経済圏では飛躍的に伸びてきた。McKinsey の報告書によれば、2025年までにはアフリカの世帯収入は少なくとも年間5,000米ドルになるとされ、これは収入の一部を食費以外にも使い始めるレベルである。

だが地元で買い物ができる人は多くはない。

アフリカ大陸ではまだ製造業が盛んではありません。

Lauer 氏は述べる。スマートウォッチや家具、服や低価格で高品質なおむつまで無数にある中国製品にとってはそれが好機である。中国は既にアフリカにとって最大の取引相手となっており、2017年には二者間の取引量は1,700億米ドルに達した。

同時に、オフラインでの買い物の選択肢は乏しい。Jumia によると、アメリカでは400人に対してモールが1つである一方、アフリカではこの比率が1:60000となる。

アフリカにおける消費は実店舗を飛び越して直接オンラインへと向かうリープフロッグ型発展であり、地域全体に浸透し成長を続けるインターネットがこの趨勢に拍車をかけている。2025年までにアフリカ人の半数はインターネットにアクセスするようになり、アフリカ最大の経済圏ではeコマースが小売の10%に上るだろうとMcKinsey報告書は述べている。

その次には、実店舗を持つ小売業者と地元の製造業者の格差が国境を越えるeコマースの余地を作り、ある時点でそれは「アフリカのeコマース全体の40から50%」になるだろうと、Lauer 氏は Tech in Asia とのインタビューで述べた。

私たちは品揃えがもっとも良いところ、つまり中国から調達します。(Lauer 氏)

Jumia にとって今もっとも差し迫った仕事は、より多くの中国人ベンダーを巻き込むことである。そのために、同社は自身を旧来の中国アフリカ間の取引に替わる、より良い選択肢として売り込んでいる。

仲介取引

長年にわたって中国の小規模な販売業者はあまりに遠く不案内な未踏のフロンティアであるアフリカでの販売を仲介業者に頼ってきた。中国南部の工場に囲まれた大都市広州や、世界最大の卸売市場を持つ中国東部の小都市義烏には、大量のアフリカ人貿易業者が殺到し、地元の販売業者と交渉し、国に持ち帰るための安く製造された品物を捜し歩いている。

大陸間の輸送を自分で手配し、現地の代理人に製品を直接届けることを選ぶ中国人ベンダーもいる。いずれにせよ、取引から得る中国人販売業者のマージンは低い。

アフリカにモノを売る際の問題は、手数料等々でマージンを食い潰す多くの仲介業者がいることです。

商品が顧客に届くまでにおそらく4人か5人は仲介業者がいます。中国の工場から出たときには100人民元(16米ドル)だった値段は、アフリカでは400~500人民元(63~80米ドル)になってしまうものなのです。(Lauer 氏)

中国の輸出業者にとってはロジスティクスが別の障害として立ちはだかる。通関の際の保留や変わりやすい国境規制のために、輸送の遅れは日常茶飯事である。船便は航空便よりも安価ではあるが、到着までに数週間かかることもある。やっと小包がアフリカに到着しても、物流インフラの格差によって、現地での配達が厄介になることもある。

アフリカ人バイヤーからの支払いを回収するのも困難なポイントだ。世界銀行によると、2014年時点でサハラ以南のアフリカでは成人の65%以上が銀行口座を持っていない。そして SMS やモバイルアプリを通したデジタル決済が参入したものの、新しく作られたキャッシュレスのソリューションには多くの地方が懐疑的なままである。

これらの困難がはるか彼方にいる中国人輸出業者を悩ませている一方で、e コマースプレイヤーには機会を提供している。彼らは世界中の商品に対するアフリカの欲求に応えるために必要なロジスティクスや決済のインフラを構築し始めている。

リープフロッグ型発展をする e コマース

Jumia
Image credit: Jumia

これらの登場しつつあるプレイヤーの一つが、2012年に設立された Jumia である。

アフリカの Amazon とも呼ばれる同社は、東南アジアの Lazada の支援もしているドイツのスタートアップビルダー Rocket Internet から支援を受けている。2013年から Jumia は平均して前年比80%の成長を続けており、2017年には総取引量が6億1,900万米ドルに達した。

Jumiaは現在運営している12の国のうち、ナイジェリア、エジプト、コートジボワール、モロッコ、そしてケニアの5つに中国の商品を持ち込んでいる。同社は正確な量を明らかにしなかったが、既に中国の製品は国境を越えた売り上げの「非常に大きな」部分を占めているという。ヨーロッパやアメリカも Jumia の将来の調達先として計画中だ。

中国人ベンダーを引きつけるために、Jumia はより大きなマージンを約束している。手数料は商品のカテゴリーによって5~10%であり、これは一連の仲介業者を通して行うよりもかなり低い割合である。

Jumia の主要な中国人ベンダーである Sailvan 氏が販売プロセスを言い表す言葉は「簡単」である。ベンダーは注文を受けると、中国に5ヶ所ある Jumia の倉庫のいずれかに荷物を回す。Amazon のアセットヘビーマネジメントと同様に、Jumia はその後のすべてを処理する。国際輸送、通関、倉庫のフルフィルメント、そして玄関までのラストマイル配達、現在はこのプロセスに航空便を使って10日から15日程度かかる。

しかし顧客はスピードを求めると Lauer 氏は強調する。その目的のために、Jumia は現地の倉庫にあらかじめ海外の商品を預けておくことで可能となる即日輸入配達に賭けている。この案は Jumia と同社の販売業者にとってコストカットにもなる。返品された商品は大陸を横断して帰路につく必要がなく、折り返し現地の最寄りの倉庫に戻されるからだ。

Alipay(支付宝)や WeChat(微信)が中国のeコマースを促進した方法と同じように、Jumia はアフリカの買い物客向けに独自のモバイル決済を構築している。また e コマースに懐疑的な人に対しては代金引換も提供している。中国に向けては、ベンダーへの支払いは基本的に隔週となっているが、支払いの遅れは今でも起こっていると Sailvan 氏は Tech in Asia に語った。

支払いの遅れの主な理由は、販売業者の一部は私たちの国際決済システムの Payoneer を使っておらず、そのため資金の移動を一つひとつ手動で行っているためです。Payoneer を使っている業者に関しては、アフリカにある私たちの地元金融チームが必要とする調整時間のためです。

支払いの遅れを解決することが私たちが今積極的に取り組んでいる課題です。(Lauer 氏)

他にもeコマースが解決できない、受け継がれている問題がある。Tech in Asia が話をした中国のベテラン輸出業者は、アフリカ大陸の不安定な為替相場と生まれたての金融システムが Jumia にとってのリスクとなり得ると考えている。オンラインの小売業者はベンダーとの間で1週間分の為替レートをあらかじめ固定しておく。つまり現地の通貨が下落したらその損害を負わねばならないということである。代金引換もまた、より高い人件費や、時には現地の安全面での事情による致命的な事故につながりかねない。

ユニコーン企業への課題

Jumia のドライバー
Image credit: Jumia

2016年、後に Africa Internet Group として知られることとなる Jumia は、同社の価値を10億米ドルにまで引き上げる資金を掴んで、アフリカ大陸で最初のユニコーン企業となった。それでもまだこの巨人は内と外の両面からの難問に囲まれている。

Jumia と同様に Alibaba も成長中のアフリカeコマースの果実を求めて競争している。Alibaba はまだ足を踏み入れてはいないが、既に同社の世界的なサービス AliExpress(全球速売通)は第三者の配送サービスを通じてアフリカ大陸に商品を輸送している。Jack Ma(馬雲)氏は昨年ケニアを訪れた際に、Alibaba は現地にロジスティクスセンターを建てる計画があることを明らかにした。

2014年に Huawei Africa(華為非洲)の元社員が設立したアフリカのeコマース Kilimallもまた、地元および国際的な販売業者から調達しており、その中には中国の業者も含まれている。Jumia と似た独自の決済およびロジスティクスサービスを持ち、Kilimall は現在アフリカの3ヶ国で営業している。

最後に、自前のロジスティクスは配達サービスやスピードを大きく向上させるが、収益性へのコストにもなる。

はい、短期的には、ラストマイルのロジティクスを100%自前で持つことは私たちのマージンに影響を与えます。ですが長期的にはカスタマーエクスペリエンスをコントロールし、世界中で唯一このカスタマーエクスペリエンスだけが重要なことなのです。

Lauer 氏はそう強調し、Jumia はラストマイルの配送料金を買い物客に求めるつもりであると付け加えた。

Jeff Bezos 氏はときどき Amazon は小売業者というより物流業者であるというふうに言うじゃないですか。私たちも同じように考えています。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

中国の配車アプリ大手Didi Chuxing(滴滴出行)、Taxifyと提携しヨーロッパとアフリカに事業を拡大

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中国の配車企業大手 Didi Chuxing(滴滴出行)は本日(原文掲載日:8月1日)、ヨーロッパとアフリカでサービスを提供している配車大手 Taxify と戦略的提携を行ったと発表した。 声明によれば、この提携の下、Didi は Taxify に出資した上で協力していくという。しかし、具体的な出資金額については明らかにされなかった。Taxify は今回調達した資金をヨーロッパとアフリカのコア市場…

中国の配車企業大手 Didi Chuxing(滴滴出行)は本日(原文掲載日:8月1日)、ヨーロッパとアフリカでサービスを提供している配車大手 Taxify と戦略的提携を行ったと発表した。

声明によれば、この提携の下、Didi は Taxify に出資した上で協力していくという。しかし、具体的な出資金額については明らかにされなかった。Taxify は今回調達した資金をヨーロッパとアフリカのコア市場でのプレゼンス拡大に活用していくという。

2013年にエストニアでローンチされた Taxify は、ヨーロッパとアフリカにおいて最も急速に成長している配車企業の一つで、18ヶ国(ハンガリー、ルーマニア、バルト諸国、南アフリカ、ナイジェリア、ケニアなど)の主要ハブ地域に住む250万人のユーザにタクシーおよび個人の配車サービスを提供している。

今回の提携は、世界的な展開の取り組みに加えて、Didiの反Uber連合形成にとって新たな意味を持つ。新たな提携により、アフリカとヨーロッパの新規市場にも地理的な意味でUberに対するライバル関係が広がるからだ。

Didi Chuxing の社長である Jean Liu(柳青)氏は、かつてインタビューで次のように語っていた

私たちは間違いなくグローバルに展開していきます。

そして同社はその方向へ急速に向かっており、同時に各地域で提携を行っている。Didi は2015年9月、アメリカで Uber と競合している Lyft に1億米ドルを投資した。両社の争いは、Ola と Grabへの投資により東南アジアに拡大したほか、ブラジルの配車大手 99 に投資したことで南米にも広がった。

Didi Chuxing の設立者兼 CEO の Cheng Wei(程維)氏は、次のようにコメントしている。

Taxify は、イノベーティブで高品質のモビリティサービスを多様な市場で提供しています。私たちは強い決意をもって、モバイルテクノロジーの力を育み、急速に進化する顧客需要を満たし、既存の運輸業界に活力を与えていきます。今回の提携は、アジア、ヨーロッパ、アフリカの各市場を結ぶスマートな輸送リンケージの形成につながると信じています。

会社データによると、Didi は400を超える都市で4億ものユーザにサービスを提供している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

残された未開拓市場——アフリカのテック・スタートアップシーンが動き始めている

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<ピックアップ>African tech news roundup: Essential updates from the past month 世界の他の地域に比べれば、まだまだ動きが小さいアフリカだが、徐々にそのテック・スタートアップシーンは盛り上がりを見せている。ナイジェリアとケニアがアフリカンのスタートアップシーンを牽引しているという記事を先日お届けしたが、それ以外にも確実に前向きな動きが…

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via Flickr by “South African Tourism“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

ピックアップAfrican tech news roundup: Essential updates from the past month

世界の他の地域に比べれば、まだまだ動きが小さいアフリカだが、徐々にそのテック・スタートアップシーンは盛り上がりを見せている。ナイジェリアとケニアがアフリカンのスタートアップシーンを牽引しているという記事を先日お届けしたが、それ以外にも確実に前向きな動きが続いている。

The Next Webは、アフリカのテック・スタートアップシーンの最近の動きを紹介している。9月にアフリカで販売を開始するらしい中国のスマホメーカーXiaomiや公共交通機関のルートプラナー「Transit」をケニアでローンチするGoogleといった大手の動きだけでなく、スタートアップの調達ニュースもアフリカ大陸各地から聞こえてくる。

たとえば、ウガンダのフィンテックスタートアップAwamo はマイクロファイナンスの機関に生体認証とモバイルによるソリューションを提供する。同社は最近55万ドルを調達している。また、エジプトのジョブサイトWUZZUFは170万ドルを米国とエジプトの投資家から調達し、事業の拡大を狙う。

位置情報をベースにして仲間同士で写真を共有しあうことができるガーナの写真アプリSubaは、有名ラッパーのReggie Rockstone氏から資金を調達。有名スターのバックアップを受けて、地元での拡大を狙う。その他、ユーザーとコンテンツをつなげるアプリ、南アフリカのJottrは100万ドルを調達と、勢いを感じさせるニュースが多い。

ある調査では、アフリカでは今後5年間でモバイル端末上のネット利用が20倍に増えるとも予測されており、世界のどこよりも大きな潜在力を秘めているともいえる。このまだ「未開拓マーケット」の最新トレンドに今のうちに注目しておくと面白いかもしれない。

via The Next Web

東南アジアのモバイル報酬プラットフォームを開発するYOYOが、フィリピンの大手通信キャリア系企業と提携しユーザリーチを拡大へ

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インドネシア・ベトナム・フィリピンでスマートフォン・ユーザ向けの報酬プラットフォーム「PopSlide」を提供する YOYO ホールディングスは、フィリピンの通信大手 PLDT/Smart 傘下のデジタルサービス子会社 Voyager Innovations(以下、Voyager と略す)と提携し、Voyager が提供する無料インターネット・サービス SafeZone のユーザ向けに、PopSl…

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インドネシア・ベトナム・フィリピンでスマートフォン・ユーザ向けの報酬プラットフォーム「PopSlide」を提供する YOYO ホールディングスは、フィリピンの通信大手 PLDT/Smart 傘下のデジタルサービス子会社 Voyager Innovations(以下、Voyager と略す)と提携し、Voyager が提供する無料インターネット・サービス SafeZone のユーザ向けに、PopSlide サービスの提供を開始した。

SafeZone は、Zalora、Skyscanner、フィリピン航空など主要ブランド19社と提携しており、ユーザはこれらのブランドのオンラインサービスの利用と引き換えに、無料のモバイル・インターネット・サービスを利用できる。フィリピン・インドネシア・ナイジェリアなどでは、Facebook や Google などのサービス・プロモーションの一環で、無料のモバイル・インターネット接続サービスが提供されているが、SafeZone はこれらのコンセプトを踏襲し、キャリア主導の共通プラットフォーム上で複数のブランドが無料接続サービスを提供できるようにしたものだ。

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PopSlide の SafeZone への参加により、フィリピンの SafeZone のユーザは、スマートフォンのロック画面に広告が表示される「PopSlide」 の報酬プラットフォームで得たポイントを使って、容易に無料でモバイル・インターネットを楽しめるようになる。東南アジアにおける PopSlide のユーザ数は80万人だが、今回の提携を受けて、SafeZone のフィリピン国内ユーザ200万人の中から一定数が PopSlide サービスに流入することが期待できるだろう。

YOYO ホールディングスの共同創業者でCEO の深田洋輔氏は、今回の SafeZone との提携について、次のようにコメントしている。

PopSlide を提供する YOYO ホールディングスと、SafeZone を提供する Voyager は、プロダクトやパートナーを通じて、無料のインターネット接続サービスを接続することで、社会に進展をもたらしたいという共通のビジョンを持っている。今回の提携は、ビジネスと技術の融合を通じて、より影響力のあるコラボレーションをもたらすだろう。

SafeZone との提携を通じて、フィリピンに大きな機会をもたらせることを嬉しく思う。しかし、これはまだ始まりに過ぎない。東南アジアに、ユーザ・エクスペリエンスの破壊的なイノベーションをもたらす上での第一歩だと考えている。

一方、Voyager の COO である Benje Fernandez 氏は、次のようにコメントしている。

SafeZone によって、ブランドはユーザが常に持ち歩くデバイスを通じて、彼らの生活の中で常に露出する機会を得られる。PopSlide との提携は、フィリピン人に無料で完璧なデジタル・ライフスタイルを提供しようとする、グローバルスタートアップと協業を進めている Voyager のビジョンに沿ったものだ。PopSlide のユーザは、データチャージ無しで特典を使えるようになる。

YOYO ホールディングスにとって、地元の最大手通信キャリアのグループ企業との提携は、サービスの認知度を高める上でプラスに働くだろう。5月に深田氏に行ったインタビューでは、アンケートに回答することで電話通信料に変換できるポイントが得られる Candy と PopSlide をあわせて、東南アジア全体で100万人のユーザが居て、年内にはインドにも進出することを明らかにしている。