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アフリカ金融をAPIでつなぐ「Flutterwave」ユニコーンに

ピックアップ:Nigerian payments startup Flutterwave achieves “unicorn” status after $170m funding round 重要なポイント:ナイジェリアに拠点を置きアフリカ数十カ国でサービスを展開する米国のフィンテックスタートアップFlutterwaveは、アフリカでサービスを展開するテック系スタートアッ…

ピックアップ:Nigerian payments startup Flutterwave achieves “unicorn” status after $170m funding round

重要なポイント:ナイジェリアに拠点を置きアフリカ数十カ国でサービスを展開する米国のフィンテックスタートアップFlutterwaveは、アフリカでサービスを展開するテック系スタートアップとしては最大規模となる1億7,000万米ドルの資金調達ラウンドを終了。企業価値は10億米ドルを超えユニコーン企業となった。

詳細な情報2016年に米国で設立されたFlutterwaveは、JD.comやFacebookへも出資するAvenir Growth CapitalとTiger Globalが主導するシリーズCラウンドで1億7,000万米ドルの資金調達を実施した。このラウンドには DST Global、Early Capital Berrywood、Green Visor Capital、Greycroft Capital、Insight Ventures、Salesforce Ventures、Tiger Management、WorldpayFIS 9yards Capitalといった新規および既存の投資家も参加している。

現在同社の主要なサービス提供国はアフリカの東部及び南部方面に集中しているが、今回調達した資金はアフリカ大陸全体へ市場拡大を行うために利用される。

  • Flutterwaveは、各国ごとに異なる決済事情を持つアフリカ全土を繋ぐ決済インフラストラクチャを構築している。銀行や加盟店といった同社の顧客は、アフリカ各国の異なる決済手段に対応した同社のAPIを使用してシームレスでカスタマイズ可能な決済アプリケーションを構築できる。
  • ナイジェリアに拠点を持ち、アフリカ大陸30か国以上での決済に対応、ナイジェリア、ガーナ、ケニア、南アフリカを含むアフリカ諸国10カ国以上の市場で大きな存在感を示している。現在は、29万を超える加盟店と50万を超える利用者にサービスを提供、これまでの総取引額は80億米ドルを超えている。
  • アフリカでも多くの国や地域で新型コロナウィルスの影響にりよるロックダウン政策が行われた昨年には、同社はインターネット上にFlutterwaveストアを開設し、企業がオンラインで商品を販売するのを促進したほか、クラウドファンディング形式で支援を必要とする人に寄付できるサービスの立ち上げや、総額500万ナイラ(1ナイラ=約0.3円弱)を中小企業基金に寄付するなど、財政的困難に直面する中小企業の支援に力を注いだ。
  • Flutterwaveはアフリカでフィンテック系サービスを提供する企業として、最も投資を受けている企業の1つであり、2017年8月にシリーズAラウンドで1,000万米ドル、2018年には延長ラウンド、昨年1月にはシリーズBラウンドで3,500万米ドルを調達した。今回1億7,000万米ドル相当のシリーズCラウンドを終了したことで企業価値は10億米ドルを超え、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。

背景:これまでアフリカ大陸を拠点とする企業では、2018年にJumia(ナイジェリア)、Promasidor(南アフリカ)、Cell C(南アフリカ)の3社がユニコーン企業となったのみで、それ以降は海外からの注目度が高まりスタートアップへの投資額が増加しているものの、企業評価額が10億米ドルを超えるまでとなる企業は登場していない。

※Jumiaは2019年に2億米ドルを超える損失を出し株価も急落、それ以降現在まで同社の企業価値は10億米ドルを下回る”元”ユニコーン企業である。

今回の資金調達完了後、同社CEO兼共同創設者のOlugbenga氏は、ニューヨークでの上場あるいはニューヨーク及びナイジェリア両国での上場を検討する可能性があると述べている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

アフリカの金融サービスをAPIで繋げる「OnePipe」、95万ドルを調達

ピックアップ:With $950k pre-seed, OnePipe is building a super aggregator for every financial service API in Nigeria 重要なポイント:ナイジェリアでフィンテックAPIサービスを提供するOnePipeは2020年12月にプレシードラウンドで95万ドルの資金調達を実施した。APIを提供するフィンテック…

ピックアップ:With $950k pre-seed, OnePipe is building a super aggregator for every financial service API in Nigeria

重要なポイント:ナイジェリアでフィンテックAPIサービスを提供するOnePipeは2020年12月にプレシードラウンドで95万ドルの資金調達を実施した。APIを提供するフィンテックサービスが増加する同国で銀行や各種金融サービスと提携し、シームレスな取引が行えるようなAPIゲートウェイの構築を行う。同社CEOのAdeoye氏によるとこのラウンドは、米国のシードステージアクセラレーターであるTechstarsと、アフリカの影響に焦点を当てたVCファンドであるAtlanticaVenturesのチームが主導し、Future Perfect Ventures、Raba Capital、P1 Ventures、Ingressive Capital、Sherpa Ventures Africa、Zedcrest Capital、DFSLabなどの機関投資家も参加した。

詳細:同社は、ナイジェリア国内の銀行や各種フィンテックサービスの提供するAPIを標準化した仕様の下に統合し、シームレスに各サービス間での取引が出来るゲートウェイを構築している。APIの利用に対して料金を請求するが、これまでの異なる銀行やサービス間での煩雑な手続きとそこにかかる手数料と比べると、顧客は圧倒的な時間と費用の削減が可能になる。

  • OnePipeは2年前のサービスローンチ以来、Polaris Bank、SunTrust Bank、Fidelity Bank、Providus Bankといった銀行やMigo、Flutterwave、Paystack、Quicktellerなどのフィンテック企業からのサポートやパートナーシップを獲得してきた。同社CEOのAdeoye氏によるとさらに7つの銀行がまもなくパートナーとして加わる予定。同社は将来的にナイジェリアの金融サービス系APIのスーパーアグリゲーターになることを目指している。
  • 同社CEO Adeoye氏はアフリカ全土で事業を展開するフィンテックのユニコーン企業Interswitchに長年在籍した後、フィンテックサービスと銀行、大企業、エージェントネットワークの提携を容易にすることを目的としてOnePipeを立ち上げ、2018年11月にサービスを開始した。

背景:ナイジェリアではAPIを介したフィンテックサービスが増加しており、今年話題になった主要な企業だけでも、昨年1月にWorldPay初のアフリカのパートナーとなったFlutterwave、4月にプレシードラウンドで100万ドルの資金調達を実施したOkra、9月にプレシードラウンドで50万ドルの資金調達を実施したMono、11月に米国Stripeに買収されたPaystackなどがあり、注目が集まっている。ナイジェリアを始めキャッシュレス決済などのフィンテックサービスが普及する新興国では信頼性に欠ける新たなサービスなどもあるため、異なるサービス間でのシームレスな取引という点以外にも、安全・信頼性の担保という面でもOnePipeのような統合的なAPIサービスの需要が高まりつつある。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

アフリカの銀行口座をデジタル化する「Umba」、ケニアとナイジェリアで事業拡大

ピックアップ:Into Africa: Irish start-up wins funding to lend to emerging markets ニュースサマリ:サンフランシスコを本拠地として新興市場向けにデジタル銀行を運営しているフィンテックスタートアップUmbaは、現在サービスを提供しているケニアとナイジェリアで製品機能を拡充するために、200万ドルのシード資金を調達した。 このラウンド…

Image Credit : Umba

ピックアップ:Into Africa: Irish start-up wins funding to lend to emerging markets

ニュースサマリ:サンフランシスコを本拠地として新興市場向けにデジタル銀行を運営しているフィンテックスタートアップUmbaは、現在サービスを提供しているケニアとナイジェリアで製品機能を拡充するために、200万ドルのシード資金を調達した。

このラウンドは、Stripeの元発行責任者である Lachy Groom氏とLudlow Venturesがリードし、新たにFrontlineVenturesとActVenture Capitalが投資家として加わった。Ludlow Venturesにとっては初のアフリカ市場への投資となる。今回調達した資金で今後数カ月以内にこれら2つの市場で提供するサービスを拡大し、デビットカードの追加なども計画している。

詳細な情報:Umbaはアフリカのレガシー銀行に代わるデジタル金融サービスを提供。Umbaのモバイルアプリでは、アフリカの既存の銀行では高コストな金融サービスである当座預金口座やピアツーピア送金を無料で利用できるほか、貸付、預金、各種料金の支払い、キャッシュバックなどを提供する。

  • Umbaは当初から複数の市場、通貨、決済インフラストラクチャにサービスを提供する前提でプラットフォームを構築している。たとえば、ナイジェリアは銀行とデビットカードの普及率が高いため、Umbaはこれらの支払い方法に対応しているが、ケニアと東アフリカではモバイルマネーの利用の方が圧倒的であるためこれらのサービスと密接に連携している。
  • 多様なニーズに柔軟に対応できることを当初から考慮にいれていることがUmbaがビジネスを迅速に拡大できる理由だと、同社UmbaのCEOであるTiernan Kennedy氏は説明している。
  • Umbaは2019年7月に、ACT Venture Capital、Frontline Ventures、Bloom Equityから非公開のエクイティファイナンスラウンドを実施し、アフリカ各国の銀行口座を持たない人々に向けてマイクロファイナンスサービスの提供を開始、2019年11月にはケニアのMYDAWAと提携し医療費支払いのための融資サービスなども行っている。

背景:Umbaがサービスを提供するケニアとナイジェリアはアフリカのフィンテックシーンをリードする国で、両国の人口は合計で2.5億人を超える。銀行口座保有率が20%を下回る国も珍しくないアフリカの中において、ナイジェリアの銀行口座保有率は半数以上と周辺諸国よりも高く利用者も多い一方、ケニアでは携帯電話を利用した送金サービスのM-PESAによる取引がGDPの4割を超えるほどにまでなっており、両国の金融サービスを取り巻く環境は全く異なっている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

ナイジェリアのチャレンジャーバンクKuda、SBI Investmentら出資

ピックアップ:After raising $1.6m pre-seed last year, Nigerian digital bank, Kuda bags a $10m seed investment ニュースサマリ:モバイルベースのチャレンジャーバンクをナイジェリアで展開するKudaは、2019年9月にナイジェリアのスタートアップのプレシードラウンドでは最高額といわれた160万ドルの資金調達…

Image Credit : Kuda

ピックアップ:After raising $1.6m pre-seed last year, Nigerian digital bank, Kuda bags a $10m seed investment

ニュースサマリ:モバイルベースのチャレンジャーバンクをナイジェリアで展開するKudaは、2019年9月にナイジェリアのスタートアップのプレシードラウンドでは最高額といわれた160万ドルの資金調達に続き、先月11月にシードラウンドで1,000万ドルの資金調達を実施した。これはシードラウンドでの調達額としてアフリカ最大といわれている。

このラウンドはベルリンを拠点とするVCのTarget Globalが主導し、Entrée CapitalSBI Investmentが参加、AuxmoneyのRaffael Johnen、HolviのJohan Lorenzen、Stashの創設者であるBrandon KriegとEd Robinsonや、Nubank、Revolut、Chimeなど、ブラジル、英国、米国などのモバイルチャレンジャーバンクにも投資しているOliver Jung氏・Lish Jung氏といった著名なエンジェル投資家らも参加した。

詳細な情報:Kudaは現在、個人消費者と中小企業の両方で30万人を超える顧客がプラットフォームを使用しており、毎月5億ドル以上のトランザクションを処理している。Kudaのデジタルバンクの特徴は、モバイルファースト、ゼロに近い低額な手数料、顧客目線でのサービス(需要がありながらレガシーな銀行が行ってこなかった類のサービス)や充実したオプションサービスなどにある。

  • Kudaはフルスタックのデジタルオンラインバンクで、全ての取引がKudaのプラットフォーム上で完結できるが、同国内での事情などを考慮し、西アフリカの3つの銀行、Guaranty Trust Bank(GTB)、Access Bank、ZenithBankと戦略的パートナーシップを結び、ユーザーはデビットカードを使用しこれらの銀行を介して現金の引き出しもできる。
  • これまではナイジェリア国内のみでサービス展開をしてきたKudaだが、今後はアフリカ全土や世界中に住むアフリカ人がどこにいても利用できる銀行にしていきたいと考えている
  • 2016年にBabs Ogundeyi氏とMustapha Musty氏によって創立されたKudaはKudimoneyという融資プラットフォームを提供していたが2019年6月にナイジェリア中央銀行から銀行免許を取得し、デジタルバンクへと事業を移行した。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

クラウドファンディングで金融包摂を目指すナイジェリアの「Owoafara」

重要なポイント:ナイジェリアで中小企業の持続的な成長と拡大を支援するフィンテックスタートアップOwoafaraは、これまで資金調達のために中小企業と金融機関をマッチングさせるサービスを展開していたが、中小企業の多くは金融サービスへのアクセスそのものが制限されているという問題点に着目し、既存のクレジットスコアリングを活用した資金調達のためのクラウドファンディングサービスを新たに開始。約半年で50億ナ…

重要なポイント:ナイジェリアで中小企業の持続的な成長と拡大を支援するフィンテックスタートアップOwoafaraは、これまで資金調達のために中小企業と金融機関をマッチングさせるサービスを展開していたが、中小企業の多くは金融サービスへのアクセスそのものが制限されているという問題点に着目し、既存のクレジットスコアリングを活用した資金調達のためのクラウドファンディングサービスを新たに開始。約半年で50億ナイラ(約1,300万ドル)を上回る取引が行われている。

詳細な情報:Owoafaraの設立は2019年1月。サービスの行き届いていない5,000万を超える中小企業の金融サービスへのアクセスをサポートすることを目的として立ち上げられた。中小企業と金融サービスを結び付けることで、中小企業の持続的な成長と拡大を支援することをミッションとしている。

  • Owoafaraは当初、中小企業にクレジットスコアを付与し、それを元に金融機関や信用機関の金融サービスを提案するクレジットスコアリングとファンドマッチングのプラットフォームを提供していた。15を超える金融機関の登録と10万ドルを超える取引が発生したが、ナイジェリアではほとんどの中小企業が、既存の金融機関のサービスを受ける基準を満たしていないため、この事業では同社のミッションである中小企業の持続的な成長と拡大の支援にはならないということが判明した。
  • ナイジェリアでは、中小企業は金融機関や信用機関から非常にリスクが高いと認識されているため、融資には非常に消極的でそもそも中小企業やスタートアップ向けの金融商品を持っていない金融機関も多い。一方ナイジェリアの中小企業の約79%は事業成長の主な制約として、資金不足と資金調達へのアクセスを挙げている(ナイジェリアでは雇用者が200人以下の企業を中小企業と定義する)。
  • 今年5月、Owoafaraは新たにRouzoというサービスをローンチ。これは、Owoafaraのクレジットスコアリングアルゴリズムを使用して中小企業の信用情報を検証し、個人や企業がプラットフォーム上に投資した資金から融資を受ける、中小企業の資金調達を目的とするクラウドファンディングプラットフォームだ。また、併せてSuppotrという資金調達の前段階にある企業を支援するサービスも展開している。
  • 同社HPによるとRouzoプラットフォーム上では既に24カ国15万回以上の取引によって、50億ナイラ(約1,300万ドル)を上回る資金が取引されている。
  • 同社はナイジェリアのラゴスでサービスを展開しているが、今後12カ月以内にナイジェリア内の5つの主要都市にサービス提供範囲を拡大する予定で、その後はアフリカ他国への展開も視野に入れている。また、創業者の性別によって資金調達の額や難易度に大きな差があるという問題は東南アジア同様ナイジェリアを含む西アフリカにもあり、Rouzoでは女性起業家の資金調達の支援も積極的にサポートしている。

背景:ナイジェリアの中小企業の金融サービスへのアクセスに関する問題点は、Owoafara共同創業者の一人Sally Ann氏自身が、運営していた消費者向けファッションブランドの生産と流通を拡大するための融資が受けられずに事業を失ったことがきっかけ。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

家賃問題を解決する「Kwaba」にみる、アフリカの“意外な商習慣”とは

重要なポイント:中低所得者層をターゲットに賃料の分割払いサービスを開始したKwabaは、今年2度目となる資金調達を実施している。同社がサービスを提供するナイジェリアでは、賃貸物件の支払いを長期間分一括前払いする慣例があり、新型コロナウィルスの影響で賃料の支払いが困難になった人により多く利用してもらえるよう、獲得した資金でサービスを拡大する狙いだ。 Kwabaは今年1月の設立。ナイジェリア拠点のAR…

Image Credit : Kwaba

重要なポイント:中低所得者層をターゲットに賃料の分割払いサービスを開始したKwabaは、今年2度目となる資金調達を実施している。同社がサービスを提供するナイジェリアでは、賃貸物件の支払いを長期間分一括前払いする慣例があり、新型コロナウィルスの影響で賃料の支払いが困難になった人により多く利用してもらえるよう、獲得した資金でサービスを拡大する狙いだ。

Kwabaは今年1月の設立。ナイジェリア拠点のARMが実施する、金融業界の問題を解決するスタートアップを対象としたアクセラレータープログラムLABS by ARMに選出され、2万ドルの資金調達を含む事業支援を受けた。今月にはアフリカ・サブサハラ地域のスタートアップを対象とするVCファンドIngressive Capitalから2回目となる資金調達を実施した。金額は非公開。

詳細な情報:ナイジェリアのラゴスで賃貸物件を借りる際には、エージェントを通して手続きを実施し、半年や1年、場合によっては2年分もの家賃を一括で前払いする慣例がある。加えて物件の持ち主やエージェントによっては更に同期間分の光熱費や頭金、手数料など更なる費用を前払いで求めてくるケースもあり、中低所得者層が家を借りるハードルが非常に高い。

  • 今年の8月にサービスを開始したKwabaでは、不要な支払いは排除した上で、一括で払う必要のある高額な費用を分割支払いできるソリューションを提供する。Kwabaプラットフォーム上にある物件には費用内訳が明記され、賃貸期間と支払いサイクルを毎日、毎週、毎月、四半期、毎年、といった単位で指定して借りる。
  • 同国には既にオンラインでの仲介サービスを始めとするPropTech(不動産テック)サービス自体は復数存在しているが、貸し手・借り手のマッチングや物件の使用に際しての費用から収益を上げているためサービスのほとんどが富裕層向けで、中低所得者層をターゲットにしたサービス及び高額な前払い一括支払いの負担軽減にフォーカスしているサービスはないに等しい。
  • Kwabaのサービスは同社が顧客に代わりに一括で家賃の前払いをし、その費用を低金利で顧客から回収するスキームのため、高額な一括払いの慣例をなくす類のものではない。

背景:ナイジェリアでは現在既に1,700〜2,200万戸の住宅不足に直面しており、政府は約1億800万人がホームレス状態で暮らしていると推定している。現在推定では60%の借り主が賃料の支払いが困難な状態に陥っているといわれており、この問題解決に向けて不動産開発は進んでいるものの、富裕層向け不動産の開発ばかりが進んで高級物件が供給過剰になる一方、多くの貧困層を取り巻く環境は改善されていない。

同国の人口は現在増加の一途をたどり、2047年までに人口が現在の約2倍、3億9千万人になると予想されているため、このままでは住宅不足問題はより一層深刻化する可能性が高いとみられている。長期間の家賃を前払い一括で支払うこの慣例は、ベナン共和国、ケニアなどナイジェリア以外の国でも行われている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

アフリカ最大の暗号資産市場ナイジェリア、海外送金にビットコインが使われる理由

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ピックアップ:New Crypto startup, Cryptofully launches its global remittance product for the Nigerian Market. ニュースサマリー:ナイジェリア発のフィンテックスタートアップCriptofully は、国内銀行へビットコインを介した国際送金が可能なプラットフォームのβ版を9月に公開している。ナイジェリアはア…

ピックアップ:New Crypto startup, Cryptofully launches its global remittance product for the Nigerian Market.

ニュースサマリー:ナイジェリア発のフィンテックスタートアップCriptofully は、国内銀行へビットコインを介した国際送金が可能なプラットフォームのβ版を9月に公開している。ナイジェリアはアフリカ最大の暗号資産市場であり、海外在住の国民によるナイジェリア国内への国際送金額も世界上位に位置している。

同社プラットフォームの利用方法は至ってシンプル。現地通貨ナイラで送金したい金額を入力し、自動計算で表示されるビットコインにて金額を確認後、送金先の口座情報を入力する。その後、指定されるビットコインウォレットアドレスに対し送金をすることで銀行口座へ即座に反映される仕組みだ。

詳細な情報:ナイジェリアは海外在住の国民や移民からの国内への送金が非常に多く行われ、海外から自国への送金総額がGDPに占める割合の高い国のフィリピン、インド、中国、メキシコと並び世界の上位5カ国に挙げられる。

  • しかし銀行などを経由して同国へ国際送金を行なう場合にかかる手数料の相場は世界平均よりも数%高いため、低コストかつ送金に時間もかからない暗号通貨による国際送金サービスには注目が集まっている。
  • 現在ナイジェリアはアフリカ最大の暗号資産市場となっており、国内の総取引額は月額2億ドルをはるかに超えるともいわれている
  • UsefulTulipsの統計によれば暗号通貨によるP2Pレンディング市場も非常に活況で、この分野だけで毎週800万ドルの資金移動が行われ、同市場で2位・3位を争う南アフリカとケニアの毎週200万ドルという数字を大きく上回っている。
  • そのため、同国の暗号資産市場には既に暗号資産に関するサービスを提供するスタートアップが数多く存在するが、海外からナイジェリアの銀行口座への送金サービスは国内初となる。※暗号通貨関連のサービスを提供している主要なFintechスタートアップとしてはBuyCoinsBitkoin AfricaTriplejExchangeSleekarenaCoinSwapNGCoinQusCoinexlinksCowrie ExchangeBMCToken などがある。

背景:ナイジェリアは為替管理制度 や外貨規制などを行ってきており、海外との取引を行なう際に外貨による支払いで困難に直面することが多い。そのため、海外への支払いに暗号通貨による決済が好まれるのは自然であり、暗号通貨市場拡大の大きなきっかけとなった。現在、海外在住のナイジェリア人からの国内送金は年間250億ドル程度で、これは国の年間予算の80%以上にあたり国内総生産(GDP)に占める割合は約6%。海外からの送金額は年々増加傾向にあり、PwCのレポートによると、2021年には298億ドル、2023年には348億ドルになると予想されている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

ブロックチェーンで世界の「偽造医薬品」問題に挑むナイジェリアのChekkit

ピックアップ:Nigerian blockchain startup, Chekkit, pilots its drug verification tech in Afghanistan ニュースサマリー:ナイジェリア発のスタートアップ「Chekkit Technologies」は9月、アフガニスタンにおける同社事業展開へのパートナーシップを当局保健省と締結したと発表した。同社はブロックチェーンを…

Image Credit:Checkit

ピックアップ:Nigerian blockchain startup, Chekkit, pilots its drug verification tech in Afghanistan

ニュースサマリー:ナイジェリア発のスタートアップ「Chekkit Technologies」は9月、アフガニスタンにおける同社事業展開へのパートナーシップを当局保健省と締結したと発表した。同社はブロックチェーンを利用した追跡可能なスマートラベルを使用し、新興国で毎年多くの死者を出している「偽造医薬品」問題の解決に取り組んでいるスタートアップ。2018年にナイジェリアで創業した同社は、現在同国ならびに米国にもオフィスを構えている。

重要なポイント:同社の技術は主に、サブサハラ(アフリカ全土のうち北アフリカを除いたサハラ砂漠より南の地域)全域を中心に新興国で毎年多くの死者を出している「偽食料品」・「偽造医薬品」問題の解決に取り組んでいることで知られている。

詳細な情報:新興国では毎年多数の死者が出ている偽造医薬品市場は推定で年間2,000億ドルにもなるといわれている。その多くは中国産とされる偽造医薬品だ。本物と見分けがつかないほど精巧なパッケージのものも多く、医薬品の輸入に関する規定や制度、検閲体制などが整わない国では国内への流入を防ぎきることが難しいため、深刻な被害が出ている国が多くありながらも、現在まで根本的な解決が難しい状態が続いている。

  • Chekkit Technologies はこの問題を解決するために、倉庫から流通業者、最終消費者に至るまで、製品の動きが追跡可能なブロックチェーンベースのプラットフォームを構築した。
  • Checkitが提供するスマートラベルは、パッケージに貼付されたQRコードもしくは数値コードによる一意のIDによって流通の過程を管理・記録していく。輸入されてきた医薬品には、輸入された段階でその情報とともにパッケージにラベルが貼付される
  • 消費者や販売者は、Checkitのアプリからスマートラベル上のQRコードをスキャンもしくはIDを入力することで、パッケージ単位での流通経路や実際に医薬品として認可されている製品であるかどうかの確認が可能。誤って偽造医薬品を販売したり購入・服用したりすることを防止する。
  • ナイジェリアを始め新興国ではスマートフォンの普及率もまだ低いため、フィーチャーフォンからでも当該IDを使用したUSSDコードによる情報取得が可能。
  • 2018年に設立されたChekkitは昨年2つの大きな成果をあげた。2019年11月、アフガニスタン保健省と偽造医薬品問題について既に協議を行っていたFantom Foundationがスポンサーを務めるAfricArena SummitのブロックチェーンピッチコンペティションでChekkitが1位を獲得した。その後、今回発表に至ったアフガニスタン保健省とパートナーシップの締結に至る。
  • 今後アフガニスタン市場において、実際に販売される8万点の医薬品にChekkitのスマートラベルを貼付し3ヶ月のパイロット運用が行なわれる。
  • ナイジェリアとガーナのDeep Tech企業向けアクセラレータープログラム FbStart Accelerator にも参加。CEOのOdumade氏によれば、参加後の同社収益は1200%増加し、10万件を超える製品の認証確認が行われたとのこと。「2025年までに、アフリカと世界の数百万人の人たちを(偽造薬・偽造品などから)守りたい」という同社の信念に向け、精力的に事業を拡大している。

背景:アフリカ大陸の中でも特にサブサハラ以南の地域での偽造医薬品問題は非常に深刻であり、偽の抗マラリア薬により毎年10万人以上の死者が出ているほか、5歳未満の子どもの12万人以上が何らかの偽造医薬品を摂取した事が原因で亡くなっている。WHOによれば2013年から2017年の間に報告された偽造医薬品の42%がアフリカで押収されたものであった。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

アフリカのIT拠点、ナイジェリア(ラゴス)で成長する新たなフィンテックインフラ

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ピックアップ:TradeDepot adds $10 million to add financial services to its supply chain services for African SMBs ニュースサマリ:ナイジェリアでB2B eコマースを運営するTradeDepotは先月14日、プレシリーズBラウンドで1,000万米ドルの資金調達を発表している。同社はアフリカ最大の小売流…

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ピックアップTradeDepot adds $10 million to add financial services to its supply chain services for African SMBs

ニュースサマリ:ナイジェリアでB2B eコマースを運営するTradeDepotは先月14日、プレシリーズBラウンドで1,000万米ドルの資金調達を発表している。同社はアフリカ最大の小売流通ネットワークの構築を目指すとともに、ナイジェリア国内の零細小売業者向けにマイクロファイナンスサービスの提供などを行っている。

重要なポイント:ナイジェリアの多くの零細小売業者は銀行からの融資を受けるための要件を満たしていないため、TradeDepotでは、これまでの同社プラットフォーム上での取引実績などを元に審査し融資を可能とするマイクロファイナンスサービスの立ち上げと流通ネットワークの拡大を推進する。

詳細情報:2016年に設立したTradeDepotはナイジェリアにおけるB2B eコマースの先駆けとして知られる。同ラウンドは、PartechInternational Finance CorporationWomen Entrepreneurs Finance Initiative(We-Fi)、MSA Capitalが共同で主導。

  • TradeDepotは2016年のサービス開始以降順調に成長を続けている。同社によると、過去12カ月で取引量は3倍に増加(取引額詳細は非公開)、現在4万を超える小売業者が利用するとしている。また、平均して3分に1店の割合で新規店舗が登録され、4秒に1回取引が行われているとのこと。
  • 利用する小売業者は、Androidアプリ、Whatsapp、フリーダイヤルから商品を注文。注文を受けた商品はTradeDepot独自で配送し、各店舗までダイレクトに届けられる。
  • TradeDepotを通じてサプライヤーと直接取引をすることで、小売業者はこれまでかかっていた中間業者へのマージンの支払いや、仕入れた商品の搬送にかかる手間や運賃を省き、安価で効率的に商品を手に入れられる点がメリットとなる。そのほか、オンラインでの在庫管理システムやCRMシステムなども利用可能。
  • ナイジェリア国内にとどまらず、オフラインの小売市場が1兆米ドルと推定されているアフリカ全体の小売流通のオンラインネットワーク構築を目指す
  • ナイジェリア国内における流通ネットワーク構築は、新型コロナウィルスの流行によりロックダウン措置が取られた旧首都のラゴスで、ナイジェリア政府主導の緊急食糧対応政策の一端を担い必要な物資の流通に協力するなど、既に政府機関との実績も持つ。
  • また、女性の地位が低いナイジェリアにおいてTradeDepotを利用する小売業者の75%は女性が占めている。今後はメンターシッププログラムなども提供し女性の社会進出の支援も強化していく。同ラウンドに参加した Women Entrepreneurs Finance Initiative(We-Fi:女性起業家資金イニシアティブ)は、「より強力なWSMEs(Woman-led Small and Medium Enterprises:女性主導の中小企業)による小売流通ネットワークの構築と女性コミュニティの経済的成長を支援する」と述べ、この取り組みを後押しする。

背景:ナイジェリアの小売業者(主に零細小売業者)の90%、約120万件が無許可・無認可など、正式な手続きを取らずに営業しているため、公的な融資や援助などを受けることが出来ない。ただしこれはナイジェリアや小売業者に限ったことではなく、ジュネーブのILO(国際労働機関)によれば、アフリカ大陸の労働市場全体の85.8%はインフォーマルなものとされている。

ナイジェリアは人口約2億人でアフリカ最大の人口大国。2014年にGDPが南アフリカを抜いて以降は経済規模でもアフリカ最大となり、携帯電話普及率も8割を超えている。GoogleとFacebookがそれぞれアフリカで初のDevelopers Spacecommunity hub spaceを設立するなど、ナイジェリア(ラゴス)はアフリカのIT拠点としても注目されている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

eコマースが発展するナイジェリアではじまる「シェアリングデリバリー」の理由

ピックアップ:Hybrid-delivery startup, WAeY Hailing, launches to help users get delivery on their own terms ニュースサマリー:ナイジェリアのWAeY Technologiesは7月15日、バイクによるハイブリッドデリバリーサービスWAeYをローンチした。WAeYのデリバリーサービスではUberなどのサービ…

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waeyウェブサイト

ピックアップ:Hybrid-delivery startup, WAeY Hailing, launches to help users get delivery on their own terms

ニュースサマリー:ナイジェリアのWAeY Technologiesは7月15日、バイクによるハイブリッドデリバリーサービスWAeYをローンチした。WAeYのデリバリーサービスではUberなどのサービス同様に、依頼者が荷物を取りに来てほしい場所を指定すると、近隣にいる最適なデリバリースタッフを割り当て指定の場所へ向かう。

指定場所で荷物をピックアップしたデリバリースタッフは、アプリ上の指示に従い配送先へ荷物を届ける仕組みとなっている。依頼者は配送が完了するまで、アプリ上から荷物の追跡(デリバリースタッフの位置確認)が可能。最大6つの配送を同時に依頼出来る。

詳細情報:配送はスピード優先かコスト節約か、都合に合わせて2種類のタイプが用意されている。

  • 専有デリバリー:近隣にいる手の空いているデリバリースタッフが荷物をピックアップし、そのまま配送先へと直行する。
  • シェアリングデリバリー:配送ボックス内に空きスペースのあるデリバリースタッフが近隣を通過する際に荷物をピックアップ。ピックアップ後は他の荷物の配送先と組み合わせて、アプリの指示する最適なルートに従いデリバリースタッフが順番に配送を行う。
  • 現在は、ナイジェリア経済の中心地であるラゴス州のみでサービスを提供しているが、将来的にはナイジェリア全土でのサービス展開を計画している。数カ月以内に他の州でもサービスの提供を開始し、8カ月以内にナイジェリア全州でのサービス提供を予定。
  • ラゴス以外の州では同プラットフォーム上からバイク配車サービスも提供する。なおラゴス州では、2020年の2月から物流関係車両を除き商用二輪車及び三輪車の主要地域への乗り入れを禁止したため、バイクを利用した配車サービスの提供が困難となった。
  • 1年以内で1,000人を超えるデリバリースタッフを獲得することが当面の目標。サービスの品質確保のため、デリバリースタッフ志望者には金融機関と同等のKYCや、接客トレーニングなどを含めた研修を実施する。
  • 新型コロナウイルスの影響によりeコマースの利用者が増加し物流サービスへの需要が高まる中、ラストマイルロジスティクスサービスを開始したWAeYには注目が集まる。また、新型コロナウイルスの影響で仕事を失った人や、商用二輪車乗り入れ禁止措置の影響で失職したラゴスのバイクドライバーの雇用の受け皿になり得るのではないかとの声もあがっている。

背景:ナイジェリアではここ数年eコマース産業が成長し、新型コロナウイルスの影響で利用者はさらに増加したため、物流ロジスティクスや配送サービスへの需要も高まっている。ナイジェリアは道路や鉄道などのインフラが貧弱で、世界銀行による2018年度のLPI(物流パフォーマンス指標)スコアは2.53で世界160ヵ国中110位と非常に低く、物流・ロジスティクス産業の成長の妨げとなっている(日本はLPIスコア 4.03で世界5位)。

その一方で携帯電話の普及率は8割を超えeコマース産業も普及し始めているため、物流の品質を向上し配送スピードをあげることは非常に重要な課題となっている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志