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パンデミック後の働き方「ハイブリッドワーク」の課題とテクノロジー

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昨年4月の緊急事態宣言から1年以上が経過してワクチンの接種も徐々に進む中、ようやく次のステージに関心が向き始めているのではないかなと考えています。特に大きく変化した働き方については、そろそろ方針を決めなきゃいけない時期に来ているようです。 ワクチン接種が進んでいる北米ではAppleやFacebook、Googleなど大手がリモートと出社のハイブリッドモデルを採用し、そのグラデーションの両極端にTw…

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昨年4月の緊急事態宣言から1年以上が経過してワクチンの接種も徐々に進む中、ようやく次のステージに関心が向き始めているのではないかなと考えています。特に大きく変化した働き方については、そろそろ方針を決めなきゃいけない時期に来ているようです。

ワクチン接種が進んでいる北米ではAppleFacebookGoogleなど大手がリモートと出社のハイブリッドモデルを採用し、そのグラデーションの両極端にTwitterのような完全リモートとAmazonや Netflixのようなオフィス中心主義というケースがポジションすることになりました。

国内では早々にヤフーが昨年10月からリモートワークやフレックスのコアタイム廃止を決定するなど、働く場所よりも個人のパフォーマンスを重視した動きを見せています。サイバーエージェントは前述の区分けで言えばハイブリッド(現在は週2回のリモートワークと緊急事態宣言下での完全リモート推奨を交互に運用)で、同様の対応を採用している企業が多い印象です。特に国内ネット系でNetflixのように「オフィス宣言」を伝えているところは(実態は別として)あまり聞いたことがありません。

Appleで発生したアレルギー

というのも、リモートワークを経験した社員の高いリクエストがその背景にありそうです。パーソル総合研究所が数回に渡って実施しているテレワークに関する意識調査では、約8割近くの正社員がコロナ収束後についてもテレワーク継続を希望しているというデータも出ています。主に通勤時間の無駄が減らせる、自分のペースで仕事ができるなどのメリットを感じている人たちが多くなっているようです。

パーソル総合研究所「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」より

実際、Appleの例では9月から週3日もオフィス勤務に戻ることが発表されているのですが、これに対して一部の社員から不満の声が上がっていると報じられています。記事によると6月に従業員が実施したリモートワークに関する調査では、回答した約1,700人の内、37%が働き方への柔軟性が欠如することで職場を離れなければならない可能性を不安視していると答えているそうです。

私の知人にも遠方に住居を移した人もいますし、そこまで極端でないにしろ、家族との時間の使い方や通勤時間の無駄を体験して働き方が変わった人にとっては、完全に元に戻すというのは難しくなっていると感じます。

ハイブリッドワークの未来と「存在感」

では、このパラダイムの中で次に何が起こるのでしょうか。a16zが新たに始めたオウンドメディア「Future」にTandemの共同創業者、Rajiv Ayyangar氏が「Hybrid Anxiety and Hybrid Optimism: The Near Future of Work」と題した寄稿を投稿していました。彼らが提供するTandemはバーチャルオフィスを実現するコラボレーションツールで、リモートワークの推移と課題を次のように整理していました。

リモート1.0:Automaticなどのリモートファースト企業の第一波。Google DocsやSlackといった非同期コミュニケーションを中心に始まっており技術的にも不十分でインタラクティブ性は低い

リモート2.0:私たちが今いる地点。Zoomなどのリアルタイムコラボレーションツールが広まるが、Zoom疲れや孤立感、新入社員のオンボーディングなどの問題が表面化した

リモート3.0:ハイブリッドワークというこの次のフェーズ。オフィスで働く人たちとリモートで働く人たちの間に非対称性が発生し、企業の中核となる仕事や同僚との関係性構築に新たな課題(”second-class citizen”問題 )を生みだす可能性がある

これまでのオフィスワークは一定の時間と場所に人を集めることでコミュニケーションの問題を解決してきた一方、移動時間や家族との時間などこれによって犠牲になっているものがあるということも明らかになりました。例えばオフィスに近い人と遠方の人では見えない格差があった、ということです。ハイブリッドワークの世界ではこの課題が解決される一方、別の問題が出てくるというわけです。

Ayyangar氏は解決の重要なポイントとして「存在感(プレゼンス)」に関するテクノロジーを挙げていました。例えばオフィスで当たり前だった「そこにいる」という感覚を持たせるため、いくつかの企業はZoomを接続したままにする「常時オン」を採用しましたが、同時にそれはZoom疲れ(一度に大量の視線を浴びるとストレスにつながる)を引き起こしています。

そこでAyyangar氏は今後、同僚がアクティブであることをより軽い方法で実現できるようになるとしています。例えば彼らが提供するTandemでは、画面共有をした際、相手が動かしたマウスカーソルを他の人たちも見ることができるようになっていたり、ユーザーステータスのところにどのアプリを今動かしているのかが表示されるという工夫がされています。人の顔が目の前になくとも、その人が存在しているということが分かるテクノロジーです。また、その人ではなくアバターやアイコンの表情だけで存在感を伝えることもできるようになると指摘していました。

日本でも向こう数カ月でこのようなハイブリッドワークに移行するケースが増えてくると思います。企業側も優秀な人材を引き込むためにこの新しい働き方への対応は間違いなく必要になってくるはずです。まだしばらくは移行期ですが、このパラダイムシフトの間に各社がどのような準備をするか、数年後の答え合わせが非常に興味深いテーマになりつつあります。

オンラインプレゼンテーションアプリ「mmhmm」、シリーズBで1億米ドルを調達——ソフトバンクVF、WiL、Sequoiaらから

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<ピックアップ> A Company Called Mmhmm Just Raised $100 Million 文書管理共有ツール「Evernote」、そして、AI スタートアップスタジオ「All Turtles」などで知られる Phil Libin 氏が開発した​オンラインプレゼンテーションアプリ「mmhmm」が先週、シリーズ B ラウンドで1億米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンド…

<ピックアップ> A Company Called Mmhmm Just Raised $100 Million

文書管理共有ツール「Evernote」、そして、AI スタートアップスタジオ「All Turtles」などで知られる Phil Libin 氏が開発した​オンラインプレゼンテーションアプリ「mmhmm」が先週、シリーズ B ラウンドで1億米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドはソフトバンク・ビジョン・ファンドがリードインベスターを務め、Sequoia Capital や WiL(World Innovation Lab)らが参加した。

mmhmm は、パソコンとスマートフォンのカメラ、ビデオサービスをつなぐ仲介役として、仮想のカメラを作り出すというものだ。例えば、プレゼンテーションを画面共有に頼ることなく、ニュースキャスターのようにスライドの前で話したり、アプリ内でテキストを作成したり、録音されたメッセージとライブのディスカッションを組み合わせたりできる。

mmhmm は、前出の All Turtles から生まれたプロジェクトで、昨年5月に開発を開始、6月に460万米ドルを調達した。10月には、Evernote や Zoom を支援したこともある Sequoia のリードで、3,100万米ドルの調達が続いた。今後の mmhmm については、さまざまな機能改善や追加が予定されていることを Libin 氏は5月に公開した mmhmm Summer の中で述べていた。

via Bloomberg

VISAで福利厚生「miive」に目から鱗、学生起業家だからできたそのワケ

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ニュースサマリ:プリペイド型の福利厚生サービス「miive(ミーブ)」は2月17日に第三者割当による増資を公表している。引受先になったのはサイバーエージェント・キャピタルとジェネシア・ベンチャーズの2社。調達した資金は5,000万円。資金は開発と人材採用に使われる。 miiveは福利厚生を一括管理するSaaS。企業側は従業員に対して付与したい福利厚生サービスを選び、自由にカスタマイズして提供するこ…

ニュースサマリ:プリペイド型の福利厚生サービス「miive(ミーブ)」は2月17日に第三者割当による増資を公表している。引受先になったのはサイバーエージェント・キャピタルとジェネシア・ベンチャーズの2社。調達した資金は5,000万円。資金は開発と人材採用に使われる。

miiveは福利厚生を一括管理するSaaS。企業側は従業員に対して付与したい福利厚生サービスを選び、自由にカスタマイズして提供することができる。メニューはVISA加盟店であれば全て利用可能で、社員は渡されたVISAプリペイドカードを使って提供される福利厚生を利用することができる。ポイントチャージ方式で、企業が従業員に対してポイントを付与し、食事など負担が求められる場合には従業員がセルフチャージとして自己負担分のポイントをチャージして利用する。ユーザーあたりの課金で1名利用するごとに880円が必要になる。

同社の創業は昨年7月。従来の福利厚生はサービス企業が提供する固定のものが多く、企業が自由に設計する場合には管理などが煩雑で課題があった。その点に注目した学生起業家の栗田廉氏が創業し、サービスは4月下旬に公開予定となっている。

話題のポイント:久しぶりのバックオフィス系でおもしろそうなサービスです。福利厚生は交通費や家賃補助、最近よく聞くようになったのはリモートワーク下での食事補助ですね。どれも一部を企業側が負担することで従業員の方々の労働環境を向上させるのが目的です。

福利厚生の面倒をクラウド+プリペイドで解決

サービスとしても、大きな冊子でおなじみベネフィットワンのような老舗から、OKANやKONPEITOが提供する補充型の社食サービス、Wantedlyが提供するPerkなどいろいろな形が出てきているようです。ちなみにWantedlyが決算書で出している福利厚生市場の試算は約1,000億円程度になります。

miiveの面白いところは、福利厚生の面倒な側面に着目した点です。企業が福利厚生を適用しようとした際、交通費などのありきたりなものは別として例えば社員の部活動を支援したいと思って補助を出そうとしても、その購入の費目や負担割合、購入したものの精算処理などを考えるとかなり手間がかかります。

一方、従来からあるクーポン型の福利厚生は一見、便利なように見えて実際はほとんど使われないようです。同社代表の栗原廉さんの調べによると3割ぐらいしか使われていないというお話ですが、過去、私も同様のパターンで確かにフィットネスを使おうかどうしようか迷って結局使ってなかったなと思い出しました。

miiveは企業が福利厚生を用意する際の面倒と、従業員の方が利用した後の処理の面倒をクラウドとプリペイドで解決しようとしています。ここでもうひとつ面白い点がVISAの加盟店を福利厚生の対象にしたところです。

福利厚生は健康保険料などの法定福利費を除いてかなり自由に設定が可能です。食事などのように負担割合が決まっているものはありますが、基本、企業が社員に対して平等に提供することができれば問題ありません。

開発中のクラウドサービスは、VISAに加盟している店舗から選べるメニューが用意されており、旅行や食事、健康などの項目からその企業独自の福利厚生をカスタマイズできるようになっています。従業員はそこから利用したいサービスを選んで後日精算すれば企業側も誰が何を使ったのか一元管理できます。

この精算管理で活躍するのがプリペイドカードです。VISA形式で、企業は所定のポイントをチャージして従業員に提供し、利用者は店舗でそのカードを使えばポイントが減る仕組みです。前述の通り、食事など自己負担が発生する場合は、自分で事前に自己負担分のポイントをチャージしておく必要があります。

ここで少し疑問が湧いてきます。例えばコンビニで食事以外のものを購入したらどうなるのでしょうか?栗田さんの説明では、VISA側ではあくまで加盟店IDでのみ管理されるので、企業側は何を購入したかはわからないそうです。ただ、現実的には領収書などの提出を別ルールで定めればそういうズルはできないようになります。

学生起業家だから思いついた福利厚生の穴

栗田さんはなぜ福利厚生という穴を狙ったのでしょうか。公開取材で投資したCACの北尾崇さんとジェネシアの水谷航己さんに話を伺いましたが、栗原さんは特に福利厚生のスペシャリストというわけではなく、最初の持ち込み時点では別のデリバリーサービスを考えていたそうです。

ただ、彼自身、就職活動で内定を貰った企業の福利厚生には違和感を感じており、そこから調べていく内にここに潜んでいる課題に気がつくようになったというお話でした。当初の持ち込みアイデアから福利厚生関連を調べなおして今回のアイデアにピボットするまで1.5カ月ほどということですのでさすが。若いっていいですね。

通常、こういった経費系のサービスを考えると海外でBrexの躍進にあるように、フィンテック寄りになることが多いです。ただここの分野はラクスやマネーフォワード、freeeなど群雄割拠の市場になっており、ある意味、新しいプレーヤーの必要性はそこまでありません。経費精算ではなく「福利厚生」という似て非なる市場に、従来とは異なるアプローチで挑んだのがmiiveです。これは企業の勤務経験がない人ならではの発想だなと思います。

実際にサービスがリリースされて企業のフィードバックが集まったところでまた機会あれば話を聞いてみたいと思います。

※本稿はClubhouseでの取材内容をご本人に同意いただいて記事化しています

APACを中心に成長するスマートロック市場とプレーヤーたち

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ピックアップ:KWIKSET’S NEW SC1 KEYWAY BRINGS SMARTKEY SECURITY, MORE KEYING OPTIONS TO USERS AND PROS ニュースサマリ:米国の一般住宅用の大手鍵メーカーであるKwiksetは昨年11月に独自のSmartKeyセキュリティ技術を搭載したSC1キー溝を発表している。これにより、ドアからロックを取り外すことなくキーの…

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ピックアップ:KWIKSET’S NEW SC1 KEYWAY BRINGS SMARTKEY SECURITY, MORE KEYING OPTIONS TO USERS AND PROS

ニュースサマリ:米国の一般住宅用の大手鍵メーカーであるKwiksetは昨年11月に独自のSmartKeyセキュリティ技術を搭載したSC1キー溝を発表している。これにより、ドアからロックを取り外すことなくキーの再設定が数秒で可能となる。時間とコストを節約できるようになるため、一般消費者はもちろんのこと、大量の機械式ロックを購入するような建築業者や不動産所有者のようなB2Bマーケットにもメリットをもたらす。

重要なポイント:他ブランドのロックを持ち、家全体でSC1 キー溝を使っている人は、SmartKeyセキュリティ技術を介して新しいKwiksetロックを既存のロックに再入力することでKwiksetロックを組み合わせることができるため、住宅所有者が必要とするロックの総数が減るだけでなく、現在使用中のロックブランドに関係なくKwiksetロックを容易に導入できるようになる。

詳細情報:KwiksetのSC1キー溝は、すべての標準的なSmartKeyドアロックで機能し、最大10万通りのキーの組み合わせが可能ゆえ、家の全てのドアで一つのロックを共有する事が可能になり消費者に利便性をもたらす。

  • 上記の1キーの利便性の提供に加え、搭載されているSmartKeyセキュリティ技術はピッキングや不正開錠といった一般的な侵入方法からもユーザーを守り、キーの再生成の技術により返却されていなかったり紛失したりしたキーの使用からユーザーを守ることが可能。
  • グローバルでは、上記のKwikset社のように老舗の鍵メーカーがスマートロックの開発にも着手したようなケースもあるが、2012年創業の米August社や2014年創業の米CANDY HOUSE社のような新興のスタートアップが市場のメインプレイヤー。
  • August社は、2017年にドア開閉ソリューションを提供する世界最大手のスウェーデン企業ASSA ABLOY社によって買収され、CANDY HOUSE社のSesameというスマートロックのプロダクトはKickstarterでのクラウドファンディングで10万米ドル目標のところ140万米ドル以上を集めるなど市場からの注目度は高い。Sesameに関しては、日本の住宅向けに合わせたSesame miniの開発のためのクラウドファンディングをMakuakeで行った際に、目標額の11,847%になる1億1,847万円を集めるなど、日本国内でも注目を集める。
  • 日本発のスマートロック関連のプレイヤーとしては、Qrio社、ビットキー社、Photosynth社、ライナフ社などが列挙されるがグローバル同様に設立間もないスタートアップが名を連ねる。
  • Qrio社は、米投資会社のWiLとソニーの合弁会社として2014年に設立されたが2017年にはソニーに完全子会社化されて今に至る企業で、Qlio Lockという一般家庭用のスマートロック製品を中心に不動産事業者向けのクラウドキーボックスなどのB2B向けのサービスも展開している。スマートスピーカーやApple Watch、Nature Remoといったスマートデバイスとの連携も積極的に進めている。
  • ビットキー社は、2019年12月末にシリーズAラウンドで39億円以上の資金調達を果たし、2018年8月創業から累計調達額が約50億円となったが、この背景には2019年4月に発売開始した初期費用なしで低費用のサブスクで国内シェアを急伸させたことはもちろんだが、同社のデジタルキー基盤「bitkey platform」をベースにした事業展開への期待感がある。
  • Photosynth社は、社員証や交通系ICカードで開錠できるオフィス向けの後付け型「Akerun入退室管理システム」を提供しており、ビットキー社と同様に「Akerun ID」のような世界観を目指す。2020年8月には、凸版印刷と協業をして単一IDで様々なサービスや場所を利用できるキーレス社会の実現に向けた新サービスの開発を目指すような動きがある。なお、2020年8月に新たに35億円の資金調達を実施し、累計調達額が50億円を突破している。
  • ライナフ社は、「Ninja Lock」という住宅向けスマートロック、物件確認や内覧の自動化を実現するリーシング業務にまつわるサービス、入居後の物件管理の一元化を実現するサービスを提供し、不動産のデジタルリノベーションをAIやIoTの技術を活用して実現する企業。直近では、2020年3月に内閣府設立のスーパーシティオープンラボに参画、同年6月にアットホームのサービスとのAPI連携を開始、12月に東急リバブルの賃貸マンションに検温機能付きAI顔認証エントランスシステムの導入開始、といった動きがある。同社も2019年8月に東急不動産ホールディングスから資金調達を果たし、累計調達額が10億円を突破している。

背景:上記の通り国内外のスマートロック製品の提供は近年活発になってきているが、Technavioの調査によると、2020年から2024年にかけてのスマートロック市場の平均成長率は9%で、その成長のうちの55%はAPACによりもたらされると見込まれており、APACを中心に成長していくことが予想されている。

執筆:國生啓佑/編集:岩切絹代

昼はテレワーク夜はホテル、TiNKが実現する「1.5回転ビジネス」への期待

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ニュースサマリ:コネクティッド・ロックと空室利用サービスを提供するtsumugは2月16日、1室1名利用とする完全個室の空間サービス「TiNK Desk Solo」の開始を伝えている。福岡地所グループのエフ・ジェイ ホテルズが運営するビジネスホテル「サンライフホテル 2・3(博多駅東)」の客室(開始時は3室から)を利用したもので、ユーザーは15分単位でホテルの一室を仕事などに利用できる。朝8時から…

ニュースサマリ:コネクティッド・ロックと空室利用サービスを提供するtsumugは2月16日、1室1名利用とする完全個室の空間サービス「TiNK Desk Solo」の開始を伝えている。福岡地所グループのエフ・ジェイ ホテルズが運営するビジネスホテル「サンライフホテル 2・3(博多駅東)」の客室(開始時は3室から)を利用したもので、ユーザーは15分単位でホテルの一室を仕事などに利用できる。朝8時から18時まで、最大10時間の利用が可能。料金は15分149円で1日利用は2,200円となる。通常の客室利用時にあるベットが取り払われており、代わりに4Kモニター、オフィスチェア、電源、インターネット、ホワイトボードが設置される。

TiNK Deskを利用したいユーザーはLINEでサービスを友だち登録することで、施設の検索、予約、扉の開錠、決済までをトーク画面から利用でき、完全非対面で使用できる。リモートワークを意識した設備になっており、ウェブカメラやマイクなども備品として用意されている。

話題のポイント:LTEで自律通信が可能な「コネクテッドロック」を開発するのが福岡拠点のtsumugです。クラウド経由で鍵の受け渡しができるスマートロックの利点はやはり非対面でしょう。今回、ホテルをリモートワークに使えるようにしたtsumugのサービスもこのロックを使い、ユーザーはホテルの受付などで手続きすることなく、LINEからそのまま部屋の利用が可能になっています。

「サンライフホテル 2・3(博多駅東)」で使えるお部屋

詳しいお話を同社取締役の小笠原治さんにお聞きしました。

ビジネスホテルがコロナ禍で受けた打撃は語るまでもありませんが、一方でリモートワークを告げられた人々すべてが自宅に書斎を持っているはずもなく、自宅・オフィスに次ぐ「第三の場所」の必要性は言われ続けてきました。最近ではコンビニの一角にブースを設置するケースも出てきていますが、個人的にはコンビニの中で果たして仕事ができるのか、興味深いところでもあります。

さておき、TiNKが今回提供を開始した「Solo」サービスはその名の通り、1人で個室を使えるサービスになっています。これまでの通常版は複数人での利用が前提でしたが、4Kモニターやチェアなどの設備がよかったことからクリエイターの方が気分転換に使ったり、家庭教師が自習室として利用するケースがあったそうです。

今回はわかりやすいビジネスホテルのリモートワーク転用ですが、興味深かったのがホテル側の施錠をTiNK側のロックに付け替えているという点でした。空室のこういった転用は珍しいものではありません。ただ、今回は部屋を完全にTiNK側の利用としてオペレーションを任せているのが面白いです。やはりホテル側との交渉でネックになるのがオペレーションで、小笠原さん曰く、清掃をどちらがやるかがポイントになるそうです。

TiNKはLINEで予約してそのまま現地が使える

一方のホテル側のメリットはやはり空室率の改善です。今回は夜を貸さない前提でスタートしていますが、夜も稼働させれば「1.5回転が可能」(小笠原さん)になります。元々福岡は空港から中心市街地が近いこともあって、観光やビジネスイベントなどでの利用が盛んな地域です。私もたまに行きますが、市内のビジネスホテルが満室というケースも結構ありましたので、コロナ禍が去った後も、サードプレイス的な使い方が浸透すれば、ホテル側としては新しいビジネスチャンスになります。

なお、今後こういったサードプレイスが普及するにあたっての課題は価格だそうです。1時間あたりの利用料がスターバックスのコーヒー以下でないとダメで、これについては確かに先日取材した神戸市の例でも1時間100円を設定していたので、もしかしたら事情を知っている事業者の共通認識になっているのかもしれません。

ワクチンの話もようやく見えてきましたが、元々、働き方やライフスタイルの分散化については社会課題として大きな問題でもありました。アフターコロナが近づきつつある今、完全に元に戻そうとするのか、こういったチャンスでビジネスを先に進めようとするのか、経営者の方々の判断に興味が湧きます。

※本稿はClubhouseでの取材内容をご本人に同意いただいて記事化しています

品川からはじまる「くらし分散化」の波、JR東日本とKDDIが“空間自在”スマートシティで組んだワケ

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 昨年12月にJR東日本とKDDIは、品川を中心とする分散型まちづくりの共同事業化について基本合意したことを公表しました。コロナ禍によって一気に進んだデジタル化の波は人々のくらし、仕事を大きく変えようとしています。特に東京一極集中と言われ続けてきた都市集中型のライフスタイルは、これを機に「分散化」という…

写真左から:東日本旅客鉄道 表輝幸 執行役員、KDDI 藤井彰人 執行役員

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

昨年12月にJR東日本とKDDIは、品川を中心とする分散型まちづくりの共同事業化について基本合意したことを公表しました。コロナ禍によって一気に進んだデジタル化の波は人々のくらし、仕事を大きく変えようとしています。特に東京一極集中と言われ続けてきた都市集中型のライフスタイルは、これを機に「分散化」という選択肢を模索することとなりました。

しかし実際に社会はどのように変わるのでしょうか?

その大いなる転換点について、実際の街を舞台に様々な試みをしようというのが「空間自在プロジェクト」です。駅という「リアル」と、通信という「デジタル」のインフラを主力としてきた両社が手を組むことで、場所や時間に捉われない多様な働き方・くらしを実現するサービスや体験をここから生み出そうというのです。今後は品川を中心に、日本各地に分散拠点としての「サテライトシティ」を開発したり、品川の周辺におけるモビリティサービスの検討など幅広い分野での共同事業化を目指すとしています。

そしてこのプロジェクトでひとつのキーとなるのが「共創」です。

2社がタッグを組んだように、スタートアップのような新たなテクノロジーと大手のアセットを組み合わせたり、アーティストやクリエイター、エンジニアに研究者など、様々な分野における世界のトッププレーヤーたちを繋ぐ「ハブ」となる。このプロジェクトにはそのような構想があるそうです。こういった人々が集まり、共創することで新たなくらしや働き方を生み出す原動力となることが期待されています。

ではこの構想はどのように進み、どういったビジョンに向かうのか。本稿ではこのプロジェクトのキーマンとなるJR東日本 執行役員、事業創造本部 副本部長の表輝幸氏と、KDDI 執行役員でソリューション事業本部 サービス企画の藤井彰人本部長のお二人に話を聞きました。

コロナ禍が認識させた「空間自在」の必要性

空間自在プロジェクトの骨子となるのがコアシティ「品川開発プロジェクト」の共同推進です。「品川開発プロジェクト」は現在、JR東日本が「100年先を見据えた心豊かなくらしづくり」を目指し、2024年度に第Ⅰ期の開業を目指しています。表さんはまず、プロジェクト推進の背景として感染症拡大のインパクトを挙げられていました。

「コロナ禍が起こって大きな変化が加速しました。集中から分散、マスからパーソナルへと生活中心に価値観の変化が起こり、いい意味で東京一極集中から地方分散の動きがでてきています。私たちも『変革2027』という経営ビジョンに掲げていたのでこれを加速させていこうと。私たちは様々な施設や鉄道・交通のインフラといったリアルのネットワークを持っているのが強みですが、その一方でデジタルは強くありません。そこでKDDIさんと手を取ることで新しいくらし、人々の生き方を作れるのではないかと考えたのです」(表さん)。

藤井本部長もまた、一気にデジタル化に振れたことで新たな「リアル」への気づきがあったと言います。例えばテレビ会議中心の生活に移行したことで移動時間が消えると、結果的に労働時間が長くなるといった課題も浮き彫りになりました。

「こういった課題が見えてきたことで『全部デジタル・全部リアル』ではなく、組み合わせがとっても大事なんだなと。タスクであれば(リモートでも)できるかもしれませんが、クリエイティブなところはどうやってハイブリッドに移行していくべきでしょうか。この点について『本社とサテライト』のような単純な分け方ではなく、本社自体がリアル・デジタル両面を融合させながら分散していく。そういう考え方のスマートシティが必要になると考えています。

またコロナ禍で認識しましたが、(リモートワークが始まったことで)子育て中で自分の部屋がないといった『ひとり一人の事情』が露呈しましたよね。同じように会社に行って一緒に働こうよ、というのが崩れた。多彩な選択肢をリアル・バーチャル両面で考えながらひとり一人の違いに寄り添う必要性が出てきたのです。空間が自在になればワークスタイルだけでなく、ライフスタイル、エンターテインメント、教育、色々なところに波及するはずです。このプロジェクトがそんなきっかけになればと考えています」(藤井本部長)。

空間自在プロジェクトでイメージしやすいのが、推進の第一弾にもなっている「分散型ワークプレイス」の開発です。お二人が語っているように、「同じ場所、決められた仕事」からよりパーソナルな環境を必要とする時代に移る中、それぞれの状況にあった場所作りの機運が高まりつつあるのです。

分散型のワークプレイスのイメージはさしずめ「繋がるオフィス」といったところでしょうか。都市部や地方都市に拠点を持つ法人ニーズに対応し、離れたオフィス空間が一体化する仮想プロジェクトルームや、入室と同時に社内イントラに接続できる機能、ID連携によって前回会議からの続きを再開できる「保存可能な会議室」など、働くリアル空間をデジタル・バーチャルの技術で融合させる、そんなワークプレイス開発を目指すそうです。

また、固定の拠点だけでなく移動中の空間も同様に分散型の一部とみなし、新幹線車内でのリモートワーク実証実験も実施します。これらの実証実験は今年、2021年春以降を目途に実験的に開設され、常時アップデートしながらプロトタイプの開発や実証実験を続けるとしました。

共創の中心:空間自在コンソーシアム

プロジェクトでは品川街区内の移動をサポートするモビリティサービスの開発も公表されていましたが、このようなスマートシティを常時アップデートし続ける原動力となるのが、新たなアイデアやスタートアップたちの存在です。

この実現に向けたプロジェクトでは、さまざまなパートナーと共に新たな価値やサービスを創出する「空間自在コンソーシアム」の創設も公表しています。参加の対象となるのは企業や自治体、スタートアップ、そしてこの街にユーザーとして参加する企業たちです。手始めとしてこれら企業と共に「ワークプレイスコミュニティ活動」を開始し、在宅ワークで明らかになった働き方の課題を語る意見交換や、解決に向けた実証実験などを実施するそうです。

表さんはこの品川の地が世界と日本、過去と未来、都市と地域、人や企業を繋ぐハブとなってさまざまな情報や技術、情熱が集まる、そんな共創のビジョンを示していました。そしてそのビジョンの先にあるのが社会課題の解決であり、新しい私たちのくらし、働き方になります。

「企業も個人も分散化の時代に入り、在宅勤務が進んで企業側も制度を整えたり、また副業を認める企業が増えるなど、社会のインフラが整いつつあります。そんな状況の中、品川は立地としても陸・海・空の中心地です。約13ヘクタールという広大な場所を『ゼロ』から作れるのは都心ではここしかありません。世界のハブとなって時空を超えて各国の主要都市を結び、リアルとバーチャルを融合させることでコミュニケーションはもっと自由自在になるはずです。

私たちは100年後の日本が心豊かに、そして夢と希望溢れる社会にしたいと願っています。だからこそ、そこに向かって夢を実現したい人たちがディスカッションし、技術や知恵、ノウハウ、エネルギーを持ち合って品川で掛け合わせをし、化学反応を起こして新しいビジネスや価値を生み続ける、そういう街を作りたいのです」(表さん)。

今回プロジェクトの中心となる場所はJR東日本の土地だそうです。例えば今回発表されているモビリティサービス構想には自動配送ドローンなどが含まれていますが、国内で公道を使う場合、さまざまな規制をクリアしなければなりません。その点、私有地であれば実証実験の自由度は上がります。また、住んだり働いたりしている人たちに参加頂くことも、実際のサービスや体験を作る上で重要なポイントになります。

コンソーシアムなどを通じてここに住む人たちや関連する企業のフィードバックをお願いできるのも、スマートシティ構想をアップデートしつづける上で強みになります。

さらに両社には力強い「データ」という武器もあります。駅や施設を利用する人々の行動やSuica・定期券・auなどのID情報は、このプロジェクトにおける基盤のひとつになるはずです。

同時に表さんはイスラエルや中国、インドなど国を挙げて進める新たな技術開発の状況に危機感を覚え、「100年後の未来の夢を叶えるための実験の場にしたい」とイノベーションへの期待を語られていました。

鉄道というイノベーション

取材の終わり、表さんはこの品川という場所にまつわるエピソードを教えてくれました。

2020年7月、品川開発プロジェクトの計画エリア内において鉄道開業当時に建設された「高輪築堤」の遺構が見つかりました。

これは1872年に新橋〜横浜間で開通した日本初の鉄道を敷設するため海上に構築された構造物です。表さんのお話によると、この遺構は当時、イギリスの技術を輸入して作られたそうなのですが、その後、日本にあったお城の石積み技術を融合させ、より強固なものに改良していったそうです。結果、150年の時を経て日本の鉄道は世界一を誇るネットワークに成長しています。

「東京駅も当時の世界最高の技術を集め、そして赤煉瓦などには日本の匠の技を施しました。これも約100年前の先人が作ったものです。私は書物などでこれらの話を紐解きつつ、まさに身震いするような感動を覚えたのですね。志、挑戦心、努力。100年経った今でも、私たちにその感動を与えてくれたのです。我々も次の100年後の人たちにそういう気持ちを伝え、さらに次の100年を作るぞという気持ちを起こさせる、そういう仕事をしなければなりません。この気持ちを繋ぐこと、それがこのプロジェクトに込められた私たちの使命であると考えています」(表さん)。

リアルな駅・街という場所と、5Gをはじめとする新たな通信インフラが揃うことで、空間自在プロジェクトは魅力的な実験の場となるはずです。一方、その中に真のイノベーションを起こすのは人であり企業です。この場所に集う人々や企業の熱量がスマートシティの構想に魅力をもたらし、二人が語る「アップデートし続ける都市」へと変貌する鍵となるのは間違いありません。

KDDIとJR東日本はモーニングピッチ主催の大企業イノベーションアワードでも上位に評価されるなど、両社共に「共創」という理念で国内イノベーションのあり方を模索してきました。これからの分散化した社会に必要なサービスや体験を生み出す担い手はどのようにしてこの地に集まってくるのでしょうか。

次の100年に続く志を持った人々との出会いに期待が集まります。

ホテルにもなる住宅の衝撃、NOT A HOTELとは何者か【濱渦氏インタビュー】

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ニュースサマリ:ホテルブランドの開発・運営を手がけるNOT A HOTELは2月10日、ホテルとして利用可能な住宅を夏に販売開始すると発表した。NOT A HOTELはオーナーが自宅(別荘)として利用するか、ホテルとして貸し出すかを使い分けることができる「ホテル兼住宅」物件。オーナーは物件の使い分けをアプリで選択するだけで、ホテルとしてのオペレーションや清掃などは全てNOT A HOTELがサポー…

Image Credit : NOT A HOTEL

ニュースサマリ:ホテルブランドの開発・運営を手がけるNOT A HOTELは2月10日、ホテルとして利用可能な住宅を夏に販売開始すると発表した。NOT A HOTELはオーナーが自宅(別荘)として利用するか、ホテルとして貸し出すかを使い分けることができる「ホテル兼住宅」物件。オーナーは物件の使い分けをアプリで選択するだけで、ホテルとしてのオペレーションや清掃などは全てNOT A HOTELがサポートする。第一弾となる物件はSUPPOSE DESIGN OFFICEがデザインを手がける9棟が今年夏からオンライン販売開始となる。

NOT A HOTEL創業者の濵渦伸次氏は2007年にSaaS型コマースプラットフォーム「アラタナ」を創業した人物。2015年にZOZOに企業売却しグループ入りした後、ZOZOテクノロジーズの取締役として活躍し、昨年3月に退任、2020年4月にNOT A HOTELを創業した。同社には濵渦氏と個人投資家のほか、ANRI、GMO Venture Partners、SMBCベンチャーキャピタルが出資している。

話題のポイント:面白いライフスタイルサービスがようやくお披露目されました。連続起業家としての濱渦さんのチャレンジということで昨年話題にはなりましたが、内容はめちゃくちゃ面白かったです。公開取材でご本人にいろいろお聞きしました。

ホテル転用ができる別荘のメリット

Image Credit : NOT A HOTEL/アプリでホテルと自宅を切り替え

このアイデアの原点は、濱渦さんの周辺で別荘を保有する人たちに見られる「買ったんだけど使わない」という無駄がきっかけだったそうです。現役の経営者層が資産運用兼ねて別荘を購入し、余暇やオフサイトのビジネスミーティングに利用するというケースがあります。ただ、当然ですが「別荘」なので使わない日の方が長くなりますし、それを他人に貸すという運用は面倒です。ここに「面倒なく貸すこともできる別荘」という着想が生まれます。

オーナーはNOT A HOTELの物件を購入し、住宅・別荘として利用することもできますし、アプリから使わない日を設定して貸し出すことも可能です。ホテル運用になったタイミングからここの集客や清掃、価格や決済などのオペレーションは全てNOT A HOTELに委ねられることになります。ちなみに私邸として利用する場合の管理も濱渦さんたちに有料委託することもできるというお話でした。

こういったケースにはAirbnbの利用も考えられますが、ブランドを統一した方が利用するユーザーにとっても安心感があります。濱渦さんはAirbnbはどちらかというと宿泊者寄りのサービスで、NOT A HOTELではオーナー寄りのサービスにしたかったと語っていました。

そして資産を持っている人にとって、NOT A HOTELの購入体験はちょっとしたゲーム感覚があるかもしれません。

いわゆるサブリースのモデルなのですが、単に利回りだけを求めるのであれば株式投資など他の方法があります。NOT A HOTELは資産運用の側面も持ちつつ、例えばオーナーは自分で購入した物件はもちろん、ネットワークの物件を私邸と同様に利用することができたりします。濱渦さんは「エモさ」と表現していましたが、オーナーが増えることで自分のホテルチェーンが拡大するような体験はなんとも楽しそうです。

今回発表されたのは栃木県にある9棟の物件の内、1棟がパースとして提示されただけでしたが、現在すでに全国7箇所での提供が決まっているそうです。価格帯は数千万円から数億円のレンジで開始し、ゆくゆくは1,000万円台の物件にまで広げるというお話です。基本的に全ての物件はデザインが異なり、パースの段階で販売されて売買後に着工する流れになるということでした。現在夏に販売される物件に宿泊できるのは来年春頃になります。

ブランドとしては現在の高級物件の路線で立ち上げて、低価格帯に拡大した際も「ユニークであること」(濱渦さん)を基準に作っていきたいそうで、例えばキャンプの体験ができるであるだとか、単なるサブリースの住宅のような体験とは全く異なるものになります。既存にあるリゾート物件などの利活用については「オフレコで」という回答でした。

全ての住宅をNOT A HOTELにする

Image Credit : NOT A HOTEL

昨日の発表以降、濱渦さんの元には「買いたい」と言う声が多く届いているそうです。コロナ禍もあってライフスタイル自体が変化し、オフィスや住宅という境界線が曖昧になりました。NOT A HOTELはこのトレンドニーズにタイミングよく仕掛けてきたことになります。「ターゲットは自分自身」と語るように、30代から40代の現役ミレニアル経営者層が最初の購入層になると思います。ちなみにホテルの運用で現金は一切使えないエッジの効いた仕様にしたそうです。この辺りの割り切りは令和を感じます。

拡大のイメージとして濱渦さんにお聞きしたところ、全ての住宅をNOT A HOTELにしたいとコメントされていました。このエコシステム全体の運用には物件だけでなく、ホテル運用とそれに伴うシステムが必要です。場合によって管理・清掃などのオペレーションにはギグワークのような考え方も出てくるかもしれません。

濱渦さんはこういった仕組みを構築し、他の住宅でもホテル・ハイブリッド化できる、そういう世界観をお話されていました。

確かに住宅を35年ローンで購入して人生をそこの場所に縛るという考え方は、どう考えても破綻しています。それであればNOT A HOTELのような資産を持って、ライフステージに合わせて自由に移動できる方が理想的です。実際のサービスイン(ホテルとして宿泊できる時期)はもう少し先なので、この間、どういう話題を提供してくれるのかそちらも楽しみになってきました。

※本稿はClubhouseでの公開取材を元に、ご本人の合意を得て記事化しています。

人と組織のミスマッチ可視化サービス「ミツカリ」、コロナ禍のテレワーク増に対応し「コミュニケーションシート機能」を追加

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人と組織のミスマッチ可視化サービス「ミツカリ」を提供するミツカリは8日、上司と部下の組み合わせごとに適したコミュニケーション方法が分かる「コミュニケーションシート機能」の提供を開始した。現場管理職などの上司と部下による1対1面談時の利用を想定しており、上司と部下の性格特徴や人物像、相互の相性を考慮した「好まれるコミュニケーション方法」や「嫌われるコミュニケーション方法」を具体的な行動例として提示す…

「ミツカリ」に追加された「コミュニケーションシート機能」。エンタープライズプランでのみ利用できる。
(クリックして拡大。
Image credit: Mitsucari

人と組織のミスマッチ可視化サービス「ミツカリ」を提供するミツカリは8日、上司と部下の組み合わせごとに適したコミュニケーション方法が分かる「コミュニケーションシート機能」の提供を開始した。現場管理職などの上司と部下による1対1面談時の利用を想定しており、上司と部下の性格特徴や人物像、相互の相性を考慮した「好まれるコミュニケーション方法」や「嫌われるコミュニケーション方法」を具体的な行動例として提示する。

ミツカリは2015年5月、東京の Morgan Stanley でヴァイスプレジデントを務めていた表孝憲氏(現 CEO)と、元 Googler の井上真大氏(現 CTO)により設立(設立当時の社名は、ミライセルフ)。約6年前から、性格や価値観などの人柄が企業の社風に合うかを判定する。適性検査を用いて求職者の人柄を見極めるだけでなく、企業の社員にも同じ検査を受検してもらうことで社風を見極め、機械学習によって常に精度を向上し続けながら、相性の良し悪しを判定するサービスを提供している。

昨年3月の取材時点では2,750社だったユーザは3,250社までに増加。採用活動のみならず、人のマネジメントまでフル機能が使える「エンタープライズプラン」のユーザは約2,600社に達し、そのうち、3分の1以上にあたる800社程度はここ1年間ほどで急増したそうだ。その背景には、コロナ禍のリモートワークの増加により、オフィスで互いに顔を合わせてのコミュニケーション機会が減る中、上司と部下のコミュニケーションを円滑化し(中には同僚同士もある)、常に環境を改善していきたいという企業の狙いがある。

パーソル総合研究所が昨年3回にわたってテレワーク実施者に対し実施した意識調査によると、「非対面のやりとりは相手の気持ちがわかりにくく不安」「上司から公平・公正に評価してもらえるか不安」「上司や同僚から仕事をサボっていると思われていないか不安」「相談しにくいと思われていないか不安」といったコミュニケーションに端を発する不安感が、上司及び部下の両方の立場から課題として多くの部分を占めた。コミュニケーションシートでは、コミュニケーション方法の提案により、これらの課題の解決を狙う。

Zoomが「ハイブリッド会議室」に向けて新ソフト・ハードウェア統合を発表

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Zoomは本日(2月3日)、ソフトウェアとハードウェアを統合した新機能をZoom Roomsに追加することを発表した。これには、リアルタイムの人数データのダッシュボード表示や、ハイブリッド勤務への移行を容易にする非接触のバーチャル受付モードが含まれる。Zoom Roomsはサブスクリプションサービスを介して提供され、対面会議室やAVシステムを管理する機能が追加されている。 VentureBeatと…

Image Credit: Zoom Media Kit

Zoomは本日(2月3日)、ソフトウェアとハードウェアを統合した新機能をZoom Roomsに追加することを発表した。これには、リアルタイムの人数データのダッシュボード表示や、ハイブリッド勤務への移行を容易にする非接触のバーチャル受付モードが含まれる。Zoom Roomsはサブスクリプションサービスを介して提供され、対面会議室やAVシステムを管理する機能が追加されている。

VentureBeatとのインタビューで、Zoom Roomsの製品責任者のJeff Smith氏は、新たに追加された混雑トラッキング機能や換気モニタリング機能、コミュニケーションを容易にする機能について説明した。プラットフォームで室内にいる人数を把握できるようになったため、パンデミック中には特に役立つはずだ。

「カメラを活用して、画像のコンピュータビジョンセグメンテーションによって室内の人数を特定しています」。(Smith氏)

Smith氏の解説によると、このテクノロジーは人間の形態から室内の人数を数えるという。データはITチームに送られ、会議室外にスケジュールを表示できるそうだ。また、会議参加者向けとしては、「Neat Bar Pros」と呼ばれるデバイスに埋め込まれたセンサーで空気の質データを収集し、Zoomに表示できる。さらに、訪問者を接触せずに迎え入れることのできるバーチャル受付モードも提供する。

「私たちはコンピュータビジョンに焦点を当てた多くの技術革新を行っています。プラットフォームの観点から画素レベルで人であることを特定したり、その人の背景が何であるかを理解したりします」。(Smith氏)

彼はZoomのバーチャル背景や、新しく追加された背景ぼかし機能、より没入感のある背景のトレンドについて説明した。

Zoomはコンピュータビジョンの強化だけでなく、大量のライブデータに対応するためにアーキテクチャを拡張することにも重点を置いている。昨年の3月、Zoomは会議参加者の月間平均がそれまでの記録の1,000万人を大きく上回り、2億人に達したと報告した。Smith氏はこのスケーラビリティについて「エッジコンピューティングを使用することです。Zoom会議で発生する多くの困難について確認することです」と説明した。加えて、Zoom Roomsも例外ではないと述べた。

「画像処理と音声処理の大部分は、エッジとZoomクライアントで行います。エッジコンピューティングを備えた分散アーキテクチャと非常に高速なスイッチングインフラストラクチャについては、企業秘密です」。(Smith氏)

このアーキテクチャ内でZoomをひとつのプラットフォームとして構築し、アプリ間の内部・外部接続ポイント、ワークフローの統合、ユーザーエクスペリエンスを導入することを検討しているとSmith氏は付け加えた。

Zoom Roomsは現在、いくつかの接続ポイントを取り入れている。ユーザーがモバイルデバイスをペアリングして、接触することなく会議の対面オプションを管理できる新機能も搭載された。また、ユーザーは自身のデバイスから共有デスクトップを制御したり、会議で使ったホワイトボードをチャットやeメールで保存したりすることもできる。

「私たちは、会議中だけでなく、会議前や会議後も含めて情報の流れを作り出そうとしています」。(Smith氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

1時間100円で居酒屋をリモートワーク利用可、神戸市とスペースマーケットが協力

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ニュースサマリ:スペースシェアプラットフォームを提供する「スペースマーケット」と神戸市は2月4日、事業連携協定を締結し、市内飲食店を対象とした空きスペースをワークスペースに利活用できる支援策「KOBE  Work  Space  Share」を開始した。 感染症拡大によって飲食店への来客が激減する中、空いたテーブルを一席単位でリモートワーク目的の就労者に対して貸し出すためのマッチングを実施してくれ…

「KOBE  Work  Space  Share」で利用できる店舗の例

ニュースサマリ:スペースシェアプラットフォームを提供する「スペースマーケット」と神戸市は2月4日、事業連携協定を締結し、市内飲食店を対象とした空きスペースをワークスペースに利活用できる支援策「KOBE  Work  Space  Share」を開始した。

感染症拡大によって飲食店への来客が激減する中、空いたテーブルを一席単位でリモートワーク目的の就労者に対して貸し出すためのマッチングを実施してくれる。リモートワークを指示されているにも関わらず、家庭の事情で自宅での勤務が難しいようなケースに対し、一律1時間100円でスペースを貸し出す。

一方の店舗は神戸市における中小規模(※)の飲食店が対象となる。インターネット環境を提供できることが条件で、サービスの利用時間は20時まで。2月4日から3月31日までを期間としている。期間中にスペースを提供してくれる店舗に対しては、利用料にかかる手数料(30%)の半分を市とスペースマーケットが補助という形で負担してくれるほか、スペースマーケット内に設置された登録飲食店の一覧ページに自店舗の紹介情報を無料で掲載する。なお、ページへの情報登録は各店舗で実施する必要がある。(※中小企業基本法第2条に規定する中小飲食店)

リモートワークに店舗を使いたいユーザーは専用ページから神戸市の店舗と日時を選んで事前に予約・決済を済ませ、当日に来店すれば利用できる。お茶とお水のみ持ち込みが可能で、複数人での会議のような利用方法については感染症拡大防止の観点から不可となっている。スペースマーケットはリモートワーカーと空きスペースをマッチングする「スペースマーケットWORK」を昨年8月から提供しており、今回の神戸市との取り組みはその一環となる。

話題のポイント:感染症拡大・緊急事態宣言下という前提はありつつも、いろいろな可能性が感じられる取り組みではないでしょうか。特に気になったのは「1時間100円」という価格設定です。リモートワークや普段からカフェなどでお仕事をしている人にとっては気兼ねなく使えるありがたい設定ですが、当然ながら店舗側には売上的なメリットはほぼありません。また、既存でコワーキングスペースなどを運営している事業者にとっては厄介な企画になるかもしれません。ということでどのような狙いがあるのか、スペースマーケットの重松大輔さんと神戸市でこの企画を担当された企画調整局つなぐラボ・長井伸晃さんにお話を伺ってきました。

飲み会を忘れて欲しくない

取材に先立って実施された神戸市の広報会見

居酒屋の空き時間をこういったリモートワーカーに提供するというアイデアはこれまでにもあったそうです。ただ、小さな飲食店が単体でやるには集客や周知に課題が残ります。元々がカフェやお昼の営業をやっていればまだ想像はつきますが、さすがに夜を中心に営業していた居酒屋にお客側もリモートワークしに来店するというのはなんらかの交通整理してあげないと難しいでしょう。

そういう意味でも神戸市という行政が仕組みとしてこういう活動を先導することに価値はあります。また、今回の会見で飲食店の方が「今、売上が落ちていることよりも、忘れられてしまうことの方が怖い」とお話されていたのが印象に残ります。確かに筆者も飲み会・外食がめっきりと減って、対面で会うことの意味というのをさらに考えるようになりました。

ということで今回の施策は直接的な売上支援というよりは、今後に向けての集・送客支援が期待値の中心になりそうです。

しかも単に集めるだけでなく、事前の予約決済など、仕組みの部分で交通整理してくれるのはメリットです。例えば現時点でもお昼時に来店のあるお店であれば、そこをリモートワーカーに占領されてしまうと逆に痛手になってしまいます。今回の取り組みでは時間を分けて予約を受け付けることができるので店舗側である程度のコントロールが可能です。

実行にあたっての課題はやはり店舗側がどれぐらい集まるかという点になると思います。現時点ではまだ数店舗しか利用できず、これから行政における各飲食店との連絡網を使って説明会などを開催し、順次拡大するというお話でした。下手に店を開けるぐらいなら休業してしまったほうが人件費などの面で被害が少ないとなるのか、それともこうやって仕組みに乗ってお店を開けて、少しでも利用の機会を増やそうとするのか、各店舗の反応は気になるところです。

また、リモートワークをする側への周知も重要です。実際に店舗側で用意をしてみたが誰も利用しなかった、ではやはり期待外れになってしまいます。今回、行政側の補助として店舗側が支払う利用手数料の一部負担が挙げられていましたが、それ以上に利用側への告知と力強い送客は誰もが期待するところではないでしょうか。

さておき、施策が上手くいくかどうかも重要ですが、こういう時期に官民が互助の精神でなんとかよい仕組みを探し出そうという動きはさらに広がって欲しいと思います。

※この記事はClubhouseで公開取材した内容を元に、お二人の合意を得て記事化しております。