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沖縄発の運転代行マッチングプラットフォーム運営Alpaca.Lab、シードラウンドで7,000万円を調達——XTech V、すこやかHD、琉球銀行らから

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沖縄を拠点に運転代行マッチングプラットフォーム「AIRCLE(エアクル)」を運営する Alpaca.Lab は、シードラウンドで7,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは XTech Ventures で、沖縄を拠点に薬局チェーンを展開するすこやかホールディングス、琉球銀行の「BORベンチャーファンド」が参加したほか、調達金額には沖縄振興開発金融公庫から資本性ロ…

「AIRCLE」
Image credit: Alpaca.Lab

沖縄を拠点に運転代行マッチングプラットフォーム「AIRCLE(エアクル)」を運営する Alpaca.Lab は、シードラウンドで7,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは XTech Ventures で、沖縄を拠点に薬局チェーンを展開するすこやかホールディングス、琉球銀行の「BORベンチャーファンド」が参加したほか、調達金額には沖縄振興開発金融公庫から資本性ローンが含まれる。

Alpaca.Lab は、北陸先端科学技術大学院大学で人工知能の研究に携わっていた棚原生磨氏により2018年創業。琉球大学との共同研究により、運転代行業界の最適化を図ろうとするスタートアップだ。

運転代行業者は全国には8,850存在するが、うち沖縄には737と国内最多の運転代行業者が存在する(各都道府県警察で認定を受けた業者数によるもの)。タクシーの利用が一般的な都市部とは対照的に、地方や沖縄などでは飲食後の手軽な移動手段として、運転代行業者は重宝されており、全国の推定市場規模は680億円以上。タクシーの分野にはテクノロジーの片鱗が見られるようになりつつある一方、運転代行業者の運用方法やモデルにはイノベーションの風は吹いていない。

お客は、運転代行業者を飲食店から電話で呼んでもらうことが多い。公共交通機関の少ない沖縄には終電の概念は無いものの、運転代行の呼び出しは、酒宴がひと段落した夜の11時から日が変わり1時頃までに集中する。この2時間に需要が集中するため、客に代わって電話する飲食店は忙しく、運転代行業者の電話はつながらず、スタッフ不足から運転代行の車はなかなか来ない、という状況が発生する。

Image credit: Alpaca.Lab

AIRCLE ではまず、この飲食店から運転代行業者への電話呼び出しをタブレットに置き換え効率化する。運転代行業者にはオペレータがいて電話で注文を受け付け、運転代行スタッフをアサインしてきた。読者の中には、飲食店からのタブレットによる呼び出しを、直接、運転代行スタッフにつなげばいい、と考える人もいるかもしれない。確かに、Uber や近年導入するタクシーアプリなども、客が呼び出した位置から近くを走る車を呼び出すロジックを採用していることが多い。

そうやって、これまでにも運転代行にイノベーションを持ち込もうとするスタートアップが失敗してきた。運転代行業者には運転代行業者の長年やってきたやり方があるので、それをいきなり変えようとしてもダメ。まずは、こちらから従来のやり方に合わせ、そこから徐々に新しくしていく。(棚原氏)

ある客が飲食店で運転代行の呼び出しを頼んだ時、店がどの運転代行業者を呼ぶか。そして、注文を受け取った運転代行業者のオペレータが、どのスタッフをアサインするか。これらは必ずしも運転代行スタッフの現在地と、客の居場所との距離関係だけにはよらない。飲食店がどの業者を呼ぶか、オペレータがどのスタッフをアサインするか、こうした、必ずしも条件が明文化されていないロジックのことを棚原氏は「運転代行における暗黙知」と呼んでいる。

Alpaca.Lab のチームメンバー。前列中央が代表の棚原氏。
Image credit: Alpaca.Lab

サービスを通じてデータを貯めつつ、この暗黙知をアルゴリズム化していけば、人工知能が最適な選択肢を提案し、人間が行ってきた作業の一部を自動化できるかもしれない。歴史が長く、また、業界全体として組織化や整理がされているわけではないため、運転代行にテクノロジーやイノベーションを持ち込むのは、タクシーや配車アプリ以上に難しい一面があったわけだ。ただ、それゆえ、これまで忘れられてきたニッチ——ある種のブルーオーシャン——であり、棚原氏はこの分野で「ファーストペンギンを目指す」と意気込む。

法律や業界慣習との擦り合わせが必要になるだろうが、例えば、料金体系にダイナミックプライシングの仕組みが導入できれば、深夜2時間のピークアワーに集中する需要を平準化でき、運転代行業者にとっての稼働時間や売上向上を見込めるかもしれない。ひいては、飲食店をはじめとするナイトエコノミーの活性化にも繋がる。棚原氏はそんな社会実験を運転代行業者国内最多の沖縄からはじめ、全国に広めていくことを模索している。

Alpaca.Lab は2018年、沖縄県産業振興公社のベンチャー企業スタートアップ支援事業「STARTUP OKINAWA」に、また、2019年、琉球銀行と沖縄タイムスが展開した「Okinawa Startup Program」第3期に採択。先月には「ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)」で、ResorTech Award のイノベーション部門グランプリを受賞した。

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沖縄を代表する大企業5社、「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催——日本・韓国・台湾からスタートアップ11チームが参加

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琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空(JTA)の5社は29日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは3年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、通算4回目となる今回から、沖縄…

Image credit: Okinawa Startup Program

琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空(JTA)の5社は29日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは3年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、通算4回目となる今回から、沖縄セルラー、沖縄電力、JTA が加わった

Image credit: Okinawa Startup Program

今回の4回目のバッチには合計11チームが参加、国内8チームに加え、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)傘下のスタートアップ支援組織 Taiwan Tech Arena(TTA)の推薦で台湾スタートアップ2社、韓国・済州(チェジュ)創造経済イノベーションセンターからの推薦で韓国スタートアップ1社も参加した。なお、今回のデモデイは、コロナウイルスの影響により、海外や沖縄県外のスタートアップはオンライン登壇、無観客での開催となった。

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以下に参加全チームの発表内容を紹介する。

Plazma(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

沖縄県糸満市に本拠を置くプラズマは、画像解析やセンサーを使ったIoT ソリューションを開発するスタートアップだ。これまでに、鶏舎やハウス栽培向け向けの環境値計測モニタリングシステム、豚舎向けの画像モニタリングシステムなどを開発している。豚舎向けの画像モニタリングシステムで使われている画像解析技術を応用し、同社では駐車場の不正利用を検知する仕組みを開発した。

Image credit: Okinawa Startup Program

許可されていない者の駐車があると、駐車場に設置されたカメラの画像をもとに検知する。逆に、許可したユーザに柔軟な利用機会を与えることも可能。例えば、営業時間以降の銀行駐車場、営業時間前の居酒屋駐車場の顧客以外への利用機会提供など。現在、沖縄県下2大学の学生組織と実験中。運転代行や宅配最適化サービスと連携し拡大を目指す。5年以内に3万台分の駐車場への提供が目標。

awoo/阿物(台湾)……台湾・工業技術研究院(ITRI)の推薦

Image credit: Okinawa Startup Program

awoo は、東京・台北・嘉義(台湾南部の都市)に拠点を置く、MarTech(Marketing Technology)スタートアップだ。リアルな商品購入シーンで店員が顧客が興味を持ちそうな商品を勧める行動を、e コマースで実現しようとしている。顧客に商品を勧めるには、顧客と商品双方の属性をマッチングする必要があるが、従来の MarTech は顧客理解に終始するものが多かった。

Image credit: Okinawa Startup Program

awoo が開発した AI カリスマ店員「nununi」は、商品説明文から AI がコンテキストを理解し、商品に対してさまざまなタグづけを行う。これを顧客属性とマッチングさせることで最適な商品をレコメンドし、e コマース販売者はアップセルを望める。これまでに台湾では、台湾版 LINE、台湾楽天、Jamshopping など約13,000社が導入。ランディングページや SEO の自動化も提供する。

FunLife(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

FunLife は、AR を使ったエクササイズプラットフォーム「LIFEcise」を開発。リアルなスポーツジムにさまざまな理由で通えない、通わないユーザを対象に、自分の生活動線の中で飽きないエクササイズ環境を提供。映画やゲームなどで用いられるモーションデータ(モーションキャプチャ)技術を応用し、ユーザの動きとインストラクターの動きを重ねて投影する「ARC Mirror」を使う。

Image credit: Okinawa Startup Program

LIFEcise は、ARC Mirror を通じて、バリエーション(エクササイズやインストラクションの種類)の豊富さ、ゲーミフィケーション、パーソナライゼーションにより、ユーザが身体を動かしたくなる思いを誘う。空手、ヨガ、ストレッチ、ミニゲームなどのインストラクションコンテンツは監修元との提携により提供。オフィス、老人ホーム、フィットネスなどへの設置を目論む。

沖縄セルラー電話とは、同社提供の健康アプリ「JOTO ホームドクター」とのデータ連携の可能性を協議中。

DiveBnB/다이브비앤비(韓国)

Image credit: DiveBnB

DiveBnB は、ダイバーのためのオンライン旅行代理店(OTA)。スキューバダイビングを楽しみたい人とっては、現地までの交通や宿は既存の OTA で手配できても、ダイバーショップなどの検索や予約は別手順を踏む必要があり煩雑だ。DiveBnB を使えば、宿泊先のダイビング施設情報を簡単に調べられ、一連の手順をワンストップで提供する。宿泊施設からの広告費と手数料でマネタイズ。

Image credit: DiveBnB

ダイビング好きの人は、国から国へと移動しながら旅行する人が多くのも特徴で、朝早くにチェックインして潜り始め、夜になる前にはチェックアウトして次の目的地へ移動する、という人も少なくない。通常の宿ではアーリーチェックインとなるわけだが、ダイバー向けの宿では割引料金を適用することも多く、DiveBnB はそういったニーズにも対応する。

LUUP(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

LUUP は、マイクロモビリティを都市に実装しようとする MaaS スタートアップだ。街のあらゆる場所にモビリティ機器を借りたり返したりできるポートを配置し、高齢者も含め全ての人が安全かつ便利に利用できるモビリティのプラットフォーマーになることを目指している。インバウンド需要(日本人は人口減少、海外旅行客は増加)、買い物難民の解消、まちの中の回遊性向上を狙う。

Image credit: Masaru Ikeda

同社は Okinawa Startup Program への参加を通じ、名護市のカヌチャベイリゾートで実証実験に着手し、OIST Innovation Square(沖縄科学技術大学院大学のアクセラレーション施設)に入居。琉球銀行からアントレプレナーシップラボ沖縄(ESLO)の紹介を受けたほか、JTA の紹介で先月開催された ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)に出展を果たした。

また、沖縄タイムスの紹介により、北中城村の大型ショッピングモール「イオン沖縄ライカム」での協業を模索中。

琉球ミライ(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

琉球ミライの創業者である野中光氏は、浦添にある JICA 沖縄のカフェテリアで出会ったケニア人に、「滞在3ヶ月目にして、JICA 職員を除けば、あなたが初めて会った沖縄の人だ」と言われて驚いた。沖縄には120カ国ほどの国々の人が暮らしているが、沖縄現地の人と溶け込む機会が無い人もいる。一方、沖縄の人にとってはお金や時間をかけず、留学体験をしてみたいことへの関心がある。

Image credit: Okinawa Startup Program

そこで考えられたのが「まちなか留学 Hello World」だ。沖縄の人が短期的に海外出身のホスト宅を訪れることで、海外の文化・言葉・料理・習慣などを学ぶことができる。ホームステイの逆バージョンと捉えることもできるだろう。現在、20カ国30世帯ほどのホストファミリーがいて、ユーザは120名程度。ユーザは1回16,500円または年間8回参加で11万円を琉球ミライに支払う。

Sassor(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

Sassor は2010年に創業、AI と IoT を活用したエネルギーの最適制御を開発してきた。現在はセンサデータ等の分析やセンサーとクラウドサービスのパッケージなどを提供する。政府が太陽電池をはじめ再生エネルギーの普及を促進すべく導入した固定価格買取制度(FIT)は2019年11月以降、ユーザによって終了を迎え始めた。これにより、再生エネルギーの電力会社への売電価格は、平均1kwh42円前後から8円前後へ5分の1に下落してしまう。

Image credit: Okinawa Startup Program

一方、電力会社の買電価格は平均1kwh24円前後であることから、太陽電池保有者にとっては、FIT 終了後は発電した電力を自家使用することが最も経済的な選択肢となるが、太陽電池の発電量と自家使用の需要量に応じて、蓄電池での充放電、電力会社への売買電の量を最適化することが重要。同社の最適制御ソリューション「ENES」は、翌日の天気予報などをもとに充電量を制御し、蓄電池の経済効果を最大30%向上。今後はハウスメーカー数社の住宅への導入を予定しており、バーチャルパワープラントの開発にも着手。

KuKatsu(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

KuKatsu は、人口比飲食店数最多の沖縄県内で出前代行を提供するスタートアップ。UberEats に代表される飲食店と配達員をマッチングする登録制のプラットフォームとは異なり、KuKatsu では配達員を自社社員として雇用し、採用前面接やトレーニングを行うことでサービスの品質を担保する。

Image credit: Okinawa Startup Program

一般的に出前代行サービスに関わるトラブルは、宅配時間が遅い、届けられた商品が崩れていたなど宅配員に起因するものが少なくないが、顧客にとっては飲食店の商品を受け取っていることから、当該の飲食店に対するイメージダウンに繋がりやすい。KuKatsu では、注文を受けてから40分以内の配達を保証し、配達員が内容物に触れていないことを証明する食品保護シールを導入している。

Yajan Tech/雅匠科技(台湾)」……台南市政府の推薦

Image credit: Yajan Tech

Yajan Tech は、企業がさまざまな AR(拡張現実)アプリケーションを開発しやすくプラットフォームを提供している。製品としては、人の顔から表情検出をする SDK「AR Smile」、自動販売機向け表情検出、バーチャルショッピングの「Global AVR」、メイクアップせずに効果を擬似体験できる化粧品メーカーや店舗向けの「AR Cosmetics」など。

Image credit: Okinawa Startup Program

例えば、AR Smile は年齢、性別、特性、感情などを特定でき、店舗でのマーケティングに活用可能、Global AVR ではニューヨークでのショッピングを家にいながら疑似体験できる。ユーザには、NTT、GMO、資生堂、大学眼鏡、新光三越などがいる。

EF POLYMER(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

EF POLYMER は、OIST に在籍するインド人研究者が立ち上げたスタートアップで、ポリマー(高分子吸収体)を活用した水不足地域における農業生産性の向上を狙う。同社の EF POLYMER は植物の根の部分の土壌に混ぜることで、根の周辺に10〜20日間にわたり水を保持することが可能となる。砂漠や雨量の少ない地域でも、農作物を安定的に供給できるようになる。

Image credit: Okinawa Startup Program

しかも、EF POLYMER の原料は食品廃棄物であるためフードロス問題の解消に繋がる。土壌の中で使用すると、水を保持する機能を果たした後は植物にとって肥料となり、最終的にオーガニックに分解されるため環境負荷にもならない。同社では事業拡大に向け、協業できる企業を求めている。

RInnovation(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

RInnovation は、さとうきびの搾りカスであるバガスを活用したサーキュラーエコノミーの形成を狙う。沖縄県はさとうきび生産量国内第一位で、同県の基軸産業の一つとなっているが、一方で、砂糖製造時に大量に輩出されるバガスをどう処分するかが悩みの種となっている。これまでにも、バイオエタノール、バイオ発電、パルプ生成、焼却燃料などに使われているが、コストの問題もあり、多くは使いきれず廃棄されているものがほとんどだ。

Image credit: Okinawa Startup Program

RInnovation は、バガスに付加価値を持たせるべく衣料、染料、食品など新たな商品開発に取り組んでいる。環境問題の解決に役立つエシカルなビジネスモデルを生み出し、得られた利益をさとうきび産業(農家や製造会社)に還元、さとうきび産業全体の底上げを狙う。生産された新商品は年間1,000万人訪れる沖縄の観光客への販売を念頭に置いており、JTA などから支援を受ける見込みだ。

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沖縄で「リゾート×テック」をテーマに見本市&スタートアップカンファレンスが開催——日本内外から130社・8,800人が集結

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沖縄県宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターでは、2月5日と6日の2日間にわたり、ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)と Okinawa Startup Festa 2020 が開催された。沖縄での IT 企業やスタートアップに特化したイベントとしては過去最大のものだ。国内はもとより海外8カ国から130社が参加。スタートアップも沖縄県下や日本国内のみならず、隣接する台湾からも…

沖縄県宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターでは、2月5日と6日の2日間にわたり、ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)Okinawa Startup Festa 2020 が開催された。沖縄での IT 企業やスタートアップに特化したイベントとしては過去最大のものだ。国内はもとより海外8カ国から130社が参加。スタートアップも沖縄県下や日本国内のみならず、隣接する台湾からも数社が招かれ、約30チームがブース出展やピッチ登壇を行った。イベント全体における2日間の入場者数は、事務局発表の速報値で8,800人。

沖縄県は観光業が盛んであり、県境が周辺諸国と直接隣接していることもあって、リゾートとテクノロジーを掛け合わせた ResorTech を経済振興策の一つに掲げている。労働力低下対策、デジタルマーケティング、キャッシュレスといったテクノロジーを既存産業の柱と掛け合わせることで、社会全体のデジタルトランスフォーメーションを図ろうとする狙いも伺える。沖縄県は ResorTech への取り組みを施策の基盤にすることを明らかにしており、スタートアップに対し通年で実証実験などの機会を提供していく考えだ。

LUUP の展示ブースを訪れた玉城デニー沖縄県知事。同社は、宜野湾市や名護市カヌチャベイリゾートで実証実験を行なっている。
Image credit: Masaru Ikeda

ResorTech Award

ResorTech Okinawa では、参加した企業やスタートアップの中から、有益性・市場性・将来性などからイノベーション度が高い技術、製品、サービスを選び表彰する ResorTech Award が授与された。

【総合グランプリ】newme(ニューミー) by ANA ホールディングス

瞬間移動をテーマに ANA ホールディングスが開発したテレイグジスタンスのためのアバター。BRIDGE でも一昨年の NoMaps で展示された同機を紹介したが、その後、「newme(ニューミー)」と名前が付けられ、全社的な取り組みとなった模様。移動手段の提供という形で離れた場所にいる人同士を繋ぐ企業ながら、従来と違う形で繋ぐ手段を提供するというディスラプティブな姿勢が評価された。ANA はアバタープラットフォーム「avatar-in」を今年4月にローンチ、newme を2020年夏までに1,000体普及することを目指す。

【イノベーション部門グランプリ】AIRCLE by Alpaca.Lab

琉球大学との共同研究により運転代行業界の最適化を図る Alpaca.Lab。運転代行は、車で来訪した飲食店で呼んでもらうことが多い。この際、飲食店は運転代行業者への電話に時間を取られ、ユーザは呼び出してから運転代行が到着するまでに時間を要ることが課題。Alpaca. Lab はこの課題を、飲食店と運転代行をつなぐアプリ「AIRCLE(エアクル)」で解決。GPS データを元に、最寄りの運転代行とマッチングされるので待ち時間も短縮される。「Okinawa Startup Program」第3期から輩出。

【海外部門グランプリ】VM-Fi by Maxon Creative(麦成文創)

VM-Fi は、小型の送信機を持つことで、インターネット接続を持たないスマートフォンに対しても、半径50メートルの範囲で音声を届けることができるアプリケーションだ。屋外で歩きながら使えるため、グループのツアーガイドへの利用が期待されている。静粛を求められる場所においても、ガイドはマイクを使って大音量で説明を伝える必要がない。レシーバーに相当するデバイスを容易しなくていいので、サービス提供コストも下げることができる。インターネット接続を必要としないので、海外からの訪問客であってもローミングは不要だ。Maxon Creative(麦成文創)では、沖縄の各所にこのサービスが普及させたいとしている。

JSSA アワード

5日と6日の2日間にわたり、沖縄や台湾のスタートアップ、沖縄科学技術大学院大学(OIST)からのスピンオフしたスタートアップなど約30チームがピッチ登壇した。翌日7日に那覇市内でのミートアップに合わせ沖縄入りしていた日本スタートアップ支援協会(JSSA)代表理事の岡隆宏氏、ベクトル専務執行役員 CSO の中島謙一郎氏が審査員を務め、優秀チームに、JSSA が次回、東京や大阪で開催するミートアップへのファイナリスト参加と、そのための旅費を提供される賞が授与された。ミートアップでの優勝者は、JSSA が運営するファンドから2,000万円の出資を受ける権利が得られる。

AWA PASS by OKT Communications

OKT Communications は、泡盛のサブスクリプションサービス「AWA PASS」を考案した。ユーザは AWA PASS に月額600円を支払うことで、AWA PASS 参加飲食店で泡盛2杯までを無料提供してもらうことができる。お店は多額の集客コストをかけずに、新規顧客の開拓や常連顧客の活性化が可能になる。AWA PASS 提携店の登録料は無料。将来は、サービスを全国地域や泡盛以外の種類などにも広げ、地産地消プログラム、新商品のマーケティング、インバウンド集客などでマネタイズを図る。

FASTPICK by U&I

スモールビジネスにありがちなドンブリ勘定にあると感じた上間弁当天ぷら店の2代目敏腕経営者としても知られる上間喜壽氏は、日々の経営からデータを集め、どうすればビジネスが改善するかを、本業と並行して U&I を設立。同社が今回紹介したのは、事前に注文・決済、簡単受け取りができるプラットフォーム「FASTPICK」。テイクアウトフードコートとして飲食店へモバイルオーダーのサービスを提供する。

パネルセッション

パネルセッションもいくつ開かれた。

スタートアップの創出にアカデミアがどう関われるかをテーマにしたパネルでは、馬田隆明氏(東京大学 産学協創推進本部 本郷テックガレージ FoundX ディレクター)、Lauren Ha 氏(沖縄科学技術大学院大学=OIST 技術開発イノベーションセンター 准副学長)、大角玉樹 氏(琉球大学国際地域創造学部 教授)が登壇。自身も琉球大学で「ベンチャー起業講座」のメイン講師を務める和波俊久氏(リーンスタートアップジャパン 代表社員)がモデレータを務めた。いずれも、アカデミアで起業家育成の第一線で活躍する人たちだ。

起業は教育で学べるのか、という問いに対し、和波氏は自身が経験した3回の起業体験のうち、唯一失敗した1回の経験が教育にアドバイスを求めたものだったとして疑問を呈した。Ha 氏は起業は学べるが、その起業を成功させるのは何より実際にやってみることだと話した。馬田氏は起業を学ぶことはできるが、起業家に求められるメンタリティなどは非認知性が高いことが判明しており、若いうちの方が習得しやすいため学び始めるタイミングが重要だと主張した。大角氏は、教育機関で学べるのは現時点で明らかになっている知識を元にしており、不確定な将来のことは教育ではカバーできないとした。

日本で活躍するエンジェル投資家が彼らの目線から、沖縄のスタートアップエコシステムの現状と可能性を話し合うセッションには、砂川大氏(スマートラウンド 代表取締役、連続起業家・エンジェル投資家)、田中邦裕氏(さくらインターネット CEO、エンジェル投資家)、小原聖誉氏(StartPoint 代表取締役、エンジェル投資家)、小川真司氏(琉球銀行 法人事業部地方創生グループ調査役)、兼村光氏(沖縄ITイノベーション戦略センター=ISCO ストラテジスト)が登壇。嶋根秀幸氏(ファウストビート 代表取締役)がモデレータを務めた。

沖縄におけるスタートアップはまだ少ないものの、2016年から開始された「Okinawa Startup Program(当初は、琉球銀行のみが主催者であったため「Ryugin Startup Program」)が一つのターニングポイントとなったことが説明された。日本では、東京以外の地方自治体では、福岡市、神戸市、大阪市などが地元のスタートアップエコシステムの創出に一定の成功を見せていることが共有された。東京はリゾートとは言い難く、リゾートという呼称に沖縄は国内で最もふさわしい地域であることから、ResorTech を中心としたスタートアップが多く生まれることに期待が込められた。

日本のスタートアップシーンで活躍する沖縄出身の起業家と、その起業家のスタートアップに出資した投資家を〝相思相愛のカップル〟に見立て、有名テレビ番組「新婚さんいらっしゃい!」仕立ての構成で展開された最後のセッション。古田奎輔氏(Payke 代表取締役 CEO)×林龍平氏(ドーガン・ベータ代表取締役パートナー)、澤岻優紀(OLTA 代表取締役 CEO)×天日郁也氏(ジャフコ シニアアソシエイト)、松本 隆一(Cbcloud 代表取締役 CEO)×長野泰和氏(KVP 代表取締役社長 パートナー)の3組のカップルが登壇。

3人の起業家たちは、それぞれ自身が事業を立ち上げたきっかけを披露。古田氏は、沖縄が東京から離れている分、〝ある種の治外法権〟で東京流のルールや起業スタイルに囚われなくて良い点はメリットは大きいと強調。また、松本氏は沖縄独特の助け合い精神(ゆいまーる)から、切磋琢磨したり競合と戦ったりすることに慣れていない点は、起業においてはネガティブに働く側面があるかもしれないと説明。澤岻氏は、スタートアップは「新機会の追求型」と「生きるために起業する型」に大別されるが、沖縄には圧倒的に後者が多く、むしろ前者に属するスタートアップとなるダイヤの原石をどう見つけるかが課題、と話した。

主催者の声

左から:実行委員長の稲垣純一氏、事務局長の永井義人氏
Image credit: Masaru Ikeda

イベントの終盤、実行委員長を務めた稲垣純一氏(沖縄県情報産業協会会長代行)と、自身もスタートアップ経営者であり、事務局長を務めた永井義人氏(沖縄 ITイノベーション戦略センター(ISCO)専務理事)に、今回のイベントの開催までの経緯と振り返りを聞くことができた。

沖縄返還から48年。日本の他の地方自治体と同様、沖縄県も十年単位で振興開発計画を見直してきた。内地から離れている分、輸送コストがかかる商品やサービスでは競争力を発揮できないと判断、沖縄にはコールセンターをはじめとする情報産業の誘致がここ二十年ほどで進んだ。しかし、世界が前進する中、沖縄にも新たなコアになるコンテンツのあるビジネスの創生が求められるようになった。

昨年、入域観光客の数で、沖縄はハワイを超えた。依然として観光客一人当たりの消費額や滞在日数ではハワイに及ばないものの、観光業やリゾート産業と IT を掛け合わせることで新たな価値を創造できるのではないか、という仮説が ResorTech という言葉に込められた思いだ。そこにはアジアにおける物流ハブになりつつある沖縄が、ビジネスやスタートアップコミュニティのハブにもなりたい、という思惑が見え隠れする。

今まで使われていた同じ技術シーズが観光などで生かせれば、端末もコストダウンできるだろうし、業務効率もよくなる。そういったことに、皆に気づいてもらえるキッカケになれば・・・。

地理的な観点から大量生産などには不向きだが、観光業と情報通信産業は沖縄がもともと持っていたポテンシャルだけに重ね合わせやすい。そこには、次の20〜30年の可能性が見えてくると思う。(稲垣氏)

会場となった沖縄コンベンションセンター
Image credit: Masaru Ikeda

沖縄がスタートアップのハブとして成長するために必要なベンチャーエコシステムには、2つ足りないものがある。一つは地元大企業の支援。沖縄の大企業はスタートアップ支援は役所がやるものと考え、自分たちが直接応援するのを遠慮するきらいがある。そんな地元の有名企業には、スタートアップに対し、少額出資でもファーストユーザになるでもいいから、「信用のお裾分け」をしてほしいとお願いしている。

もう一つはテックブランドだ。エストニアならブロックチェーン、香港ならフィンテックなど、そのスタートアップハブを象徴するブランドイメージが存在する。沖縄にそれはまだ無いが、ResorTech がそんなキッカケの一つになれるのでないか。(永井氏)

沖縄県の ResorTech に関する活動が興味深いのは、年間を通してそのイニシアティブが展開されることだ。イベントとしては年に1〜2回程度の開催となるが、ISCO 主導のもと、沖縄県・企業・スタートアップを巻き込んだ PoC が県下の随所で展開されている。次回の ResorTech Okinawa は10月29日〜11月1日、今回と同じ沖縄コンベンションセンターでツーリズム EXPO ジャパンと同時開催される予定だ。

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「Okinawa Startup Program 2019-2020」が発表、今期からはオール沖縄体制でスタートアップを支援へ

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沖縄発のスタートアップを支援する「Okinawa Startup Program」だが、19日、那覇市内で記者会見が開かれ、今年から来年にかけて運営・開催されるプログラムの要旨が明らかになった。 2016年に琉球銀行(東証:8399)が始めたこのプログラムは、2017年からは主催者に沖縄タイムスが加わり、そして、今回からは、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオ…

琉球銀行 取締役頭取 川上康氏、沖縄タイムス社 代表取締役社長 武富和彦氏、
沖縄セルラー電話 執行役員ビジネス開発部部長 國吉博樹氏、
沖縄電力 代表取締役副社長 島袋清人氏、
日本トランスオーシャン航空 代表取締役社長 青木紀将氏
Image credit: Okinawa Startup Program

沖縄発のスタートアップを支援する「Okinawa Startup Program」だが、19日、那覇市内で記者会見が開かれ、今年から来年にかけて運営・開催されるプログラムの要旨が明らかになった。

2016年に琉球銀行(東証:8399)が始めたこのプログラムは、2017年からは主催者に沖縄タイムスが加わり、そして、今回からは、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空が加わる。沖縄を代表する大企業5社が力を合わせることで、各社が持つリソースとネットワークを相互活用し、スタートアップの事業拡大に向けた支援を強化する。

このプログラムには例年、沖縄県内はもとより、近接する台湾から日本市場進出を試みするスタートアップが参加している。このプログラムに参加するソーシングにあたっては、STARTUP Lab LagoonFROGSアントレプレナーシップラボ沖縄の各起業家支援機関に加え、、台湾科技部(日本の旧科学技術庁に相当)が運営するスタートアップハブ Taiwan Tech Arena(台湾科技新創基地)の協力を得る。

このプログラムに参加するスタートアップの募集は、10月1日〜31日の間、Okinawa Startup Program の Web サイトで受け付けられる予定。プログラム期間中の成果を披露するデモデイは、来年2月または3月に、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)または那覇市内で開催される。

Okinawa Startup Program の過去のプログラムに参加したスタートアップのうち、人材管理クラウド開発のサイダス、ソーシャル EC プラットフォーム「temite(テミテ)」を運営する EC-GAIN、貨物車両と荷主をつなぐマッチングプラットフォーム「PickGo(ピックゴー)」を運営する CBcloud は、琉球銀行の「BOR ベンチャーファンド」から、それぞれ資金調達したことが明らかになっている。

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琉球銀行と沖縄タイムス、「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催——国内9チームに加え、台湾から4チームも参加

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琉球銀行と沖縄タイムスは23日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは2年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、今回で通算3回目を迎える。 今回の3回目のバッチには合計13チームが参加、国内9チームに加え、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)に昨年創設されたスター…

琉球銀行と沖縄タイムスは23日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは2年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、今回で通算3回目を迎える。

琉球銀行 取締役頭取 川上康氏

今回の3回目のバッチには合計13チームが参加、国内9チームに加え、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)に昨年創設されたスタートアップ支援組織 Taiwan Tech Arena(TTA)の協力を得て、台湾スタートアップ4チームも参加した。TTA は台湾の上位大学の教授らが中心となり、大学から生まれた研究成果を商品化へとつなげるプログラムだ。

Taiwan Tech Arena の Michael Ho 氏

今年は SLUSH TOKYO と日が重なったこともあって、東京から参加した投資家はあまり多くは無かったようだが、このプログラムも回を連ねるに従い、沖縄内外からまた新たな顔ぶれが参加者に増えつつあるようだ。特に、日本市場進出を狙う台湾スタートアップに対して、地理的にかなり近い沖縄をローンチパッドにしてもらおうというのは興味深い試みだ。

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以下に参加全チームの発表内容を紹介する。

PoliPoli(日本・鎌倉)

PoliPoli は、政治とまちづくりをテーマとしたオンラインコミュニティを運営する PoliTech スタートアップだ。。有権者から政治家へのワンクリック献金の仕組みの手数料、政治家が参加する際の月額課金、また、仮想通貨を発行するプロジェクトが立ち上がった際には、その通貨発行益でマネタイズする。

先月のアプリ正式版ローンチ以降、ダウンロード数は12,000件を突破しており、政治家も300名ほどが参加しているという。うち8割が地方議員、残りの2割を国会議員が占める。神奈川県とはプラスチックゴミ問題の解決に向けたアイデア募集についての連携、沖縄タイムスとは24日の県民投票に向けたキャンペーンで連携した。

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Micro Smart Grid by 3Egreen Technology/展緑科技(台湾)

3Egreen Technology(展緑科技)は、外部電源を必要としない IoT デバイスを使って電流の動きをモニタし、異常の予兆を検出することで電気事故を未然に防ぐ技術を開発している。現在では、この技術が節電に応用され、タイのセブンイレブンや Advantech のスマートビルなどに(PoC ではない)一般導入が進んでいるという。

日本では、大崎電気や日本システムウエアと共同で、高齢者の行動モニタリングのための PoC を実施中。高齢者施設のほか、高齢者住居のリビングルーム、キッチン、トイレなどに導入することで、高齢者に有事があった場合にそれを検出し関係者に通知することができる。デバイス販売、クラウドサービス、分析報告などでマネタイズ。台湾から東南アジア各国に展開中。

FunNow by Zoek/曙客(台湾)

FunNow は、飲食店、マッサージやスパ、温泉、美容サロンなどの直前予約アプリだ。近くにある店舗の最短15分先までの予約が可能で、クレジットカード、LINE Pay、Apple Pay で事前決済できる。ユーザは FunNow から発行されたクーポンコード6桁を店舗に提示するだけでサービスを受けられ、ユーザ心情に配慮し最低限の個人情報を入力するだけで使えるようになっていることも特徴。店舗には BossNow というアプリが提供されており、FunNow でユーザに提供する空席情報と価格調整(ダイナミックプライシング)ができる。セール情報を FunNow のユーザに告知拡散することも可能だ。

2016年に台湾で始まった FunNow には、台湾だけですでに50万人のユーザがいる。30日以内の利用リピート率も40%と高い。2017年に香港と沖縄、2018年にクアラルンプール。そして、今年に入り日本支社を設立しており、日本の都市各地に進出予定。ダウンロード件数は70万件、3,600店舗を超えている。台湾では LINE との提携により、LINE クーポン(LINE 酷券)経由の店舗予約が FunNow アプリのインストール如何に関わらず、FunNow 経由で実行される。昨年8月には Alibaba から500万ドルを資金調達しており、AliPay にも対応する計画だ。そのほか、台湾ミシュラン、UOB 銀行など多くの大企業との提携を実現している。

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オキマル by DIGILEAD(日本・沖縄)

沖縄を拠点にさまざまなアプリの受託開発を手がける DIGILEAD は、企業の自社チャットボットを開発しやすくするプラットフォーム「O-Chat」を有している。これをもとにリアル店舗ではまずまずの売上を確保しながら、E コマースでの売上が伸び悩んでいるコーヒー屋にチャットボットを導入して自動応対・多言語対応を実現したり、古民家を利用した宿泊施設でクラウドファンディングを利用した販売促進を実現したりしている。今回のプログラム参加を通じ、日本トランスオーシャン航空と沖縄タイムスと、それぞれ、採用支援アプリや新規メディアアプリを開発中だ。

また、同社は O-Chat をベースに台風災害ロボット「オキマル」を開発する。沖縄ならではの悩みとも言えるが、台風や地震などの災害関連情報は各所に分散しているため、それを一ヶ所に集約して配信、チャットボットにより自動応答する仕組みを想定。クラウドファンディングで初期開発コストを調達し、サービスは一般利用無料、非常時常備品の E コマースでマネタイズする。今年6月にβ版、10月に本格リリースを計画しており、台風が最も多い時期にβ運用することで、ユーザからの意見を積極的に募りサービスの改善につなげる。年内10万ユーザ、最終的に50万ユーザの確保が目標。当面はウェブスクレイピングで情報を集めるが、将来には地方自治体らの協力を得て、独自の情報入手ルート開拓にも務める。

AWA PASS by OKT Communications(日本・沖縄)

OKT Communications は、泡盛のサブスクリプションサービス「AWA PASS」を考案した。ユーザは AWA PASS に月額600円を支払うことで、AWA PASS 参加飲食店で泡盛2杯までを無料提供してもらうことができる。お店は多額の集客コストをかけずに、新規顧客の開拓や常連顧客の活性化が可能になる。AWA PASS 提携店の登録料は無料。

2019年5月にまず沖縄県からスタートし泡盛市場の活性化を狙う。ローンチ初年度20万ダウンロード、無料会員数10万人、有料会員数2万人が目標。将来は、サービスを全国地域や泡盛以外の種類などにも広げ、地産地消プログラム、新商品のマーケティング、インバウンド集客などでマネタイズを図る。

カイコ無細胞タンパク質合成系と新規高分子セリシンの実用化 by Silk Renaissance(日本・沖縄)

Silk Renaissance は以前、島津製作所で昆虫培養無細胞タンパク質合成技術に関わっていた伊東昌章氏が、沖縄高専発ベンチャーとして新たに誕生させた創薬支援系のスタートアップだ。カイコの絹糸腺を抽出し、試験管の中で迅速に目的タンパク質を作り出す技術の開発に成功。さらに、絹糸腺細胞から再生医療分野で有用な高い細胞増殖促進能を持った高分子セリシンの開発に成功した。

新薬開発に必要な疾患関連タンパク質を迅速に作れるため、創薬支援を想定して製薬会社への販売でマネタイズを考えている。また、再生医療においても基礎研究から臨床研究へと発展してきているため、再生医療を扱う期間に対し、細胞培養増殖促進剤や細胞培養足場を販売する計画。長期的には、創薬支援だけでなく、自らもインフルエンザワクチンの製造など創薬事業への進出を目指す。

Tadoru by Re:Build

Re:Build は、知り合いを〝たどって〟システム開発を依頼できるサービス「Tadoru」を提供。中小企業にとっては、エンジニアを雇うための募集コストがあまりかけられない、フリーランスや副業エンジニアにとっては、従来のエージェンシー経由で仕事を得ると紹介料を多く取られる、などの課題がある。一方で、同社の調査によれば、フリーランスや副業エンジニアの43%は、知り合い経由で仕事を得ていたことが判明。これらのことをもとに、エンジニアに縁の無い企業に対して、信頼できる人経由で知り合いのエンジニアを紹介してもらえる機会創出の仕組みを考案した。

Tadoru では、システム開発を依頼したい企業が、自社が頼れそうなエージェント(インフルエンス力がある、フリーランスエンジニアやエンジニア出身者)をプラットフォーム上で選び、そのエージェントに依頼して開発を依頼できるフリーランスや副業エンジニアを探し出す。こうすることで、依頼企業は社内にエンジニアのレベルを判断できる人材がいなくても、一定の信頼度で優秀なエンジニアを見つけることができる。成約1件あたり5万円〜15万円の手数料を企業から徴収し、7割をエージェント、3割を Re:Build で受け取る。サービス初期段階での登録見込エージェントは100人程度、登録見込企業は20社程度を確保している。

Air Drive Thru by Vintage(日本・沖縄)

Vintage は、飲食店を経営する4人で結成されたスタートアップだ。飲食店の来店客に尋ねたところ、彼らの持つ不満の多くが来店時の駐車に関するものだった。小規模店舗では駐車場が少ないため、すぐに満車になっしまう。また、店内がすでに満席になる、レジに並ぶ必要が生じるなどの不満もあった。そこで Vintage が考案したのが、設備や追加人員を必要とせず、店舗に仮想的にドライブスルーの販売機能を作り出すことができるサービス「Air Drive Thru」だ。

ユーザは地図上から近くにある加盟店舗を検索。アプリから事前決済により注文を完了し店舗へと向かう。GPS 連携によりユーザの車が店舗に近づくと、店員が商品を持って店頭に出てきて渡してくれる。ユーザが渋滞に巻き込まれ到着が遅れても、店舗はその状態をリアルタイムで把握できるため、調理の開始タイミングを調整して対応することもできる。ApplyPay、クレジットカード、デビットカード、専用マネーアプリ「カウリー」で決済可能。カウリーには単価の低い飲食の決済などに最適化された独自プライベートブロックチェーン「島チェーン」が採用されており、カウリーで決済した注文は、島チェーン上の店舗毎のブロックに全て記録される。

Ageshio Japan(日本・沖縄)

Ageshio Japan は、空手発祥の地である沖縄で、空手道場にやってくる外国人向けの旅行会社だ。インバウンド空手ツーリズムの活性化を狙う。空手の競技人口は全世界で1.3億人で、武道の中では最も人数が多いスポーツだ。2020年の東京オリンピックからは正式種目化されるため、この値はさらに上昇基調にある。一方、それとは対照的に沖縄県下にある400以上ある空手道場のうち専業は6.4%に過ぎず、空手道場主の6割以上が60歳以上であるため、ウェブでの情報発信、多言語対応などが難しいという課題がある。

Ageshio Japan では、空手道場と連携した英語版ウェブサイト、Facebook ページの開設、合宿イベントの運営などを通じて大きな潜在ニーズがあることを確信。聖地巡礼ツアー、観光主目的来日客の空手体験、座禅など他の旅行体験、沖縄以外の地域への観光希望など、ユーザからはさまざまな要望が寄せられたという。将来は、空手家だけでなく旅行者全体をターゲットに、日本全土や空手以外の武道にも事業拡大を目指す。商品開発の連携先、行政との連携施策、商品開発のための資金調達を模索している。

Umbo Computer Vision/盾心科技(台湾)

Umbo Computer Vision(盾心科技) は、ビデオカメラを使ったセキュリティ監視のための AI を開発している。従来、ビデオカメラを使ったセキュリティ監視では警備センターなどで人が行なっていたが、見落とし問題や人手不足などの理由から自動化されつつある。一方、セキュリティ監視の対象となる環境は多岐にわたるため、映像から異常な状態を検知し警報を出すのに一般的なディープラーニングを採用するのでは不都合が生じる。天気の状態、車のヘッドライトの映り込み、動物の侵入などが原因で誤報が頻発するからだ。

Umbo のシステムでは、ビデオカメラからの映像をクラウドに送信し、クラウド側での異常判定に独自のデータセットを採用しているため、あらゆる環境において90%以上の精度で正しく警報を発することができるという。フェンスを越えての侵入、不審者のうろつき、立ち入り禁止エリアへの侵入などの検知に利用可能。Umbo のカメラだけでなく、従来導入済みの他社カメラも使えるのが特徴だ。現在、32カ国で導入され、Fortune 500 の350社以上と取引実績がある。Nvidia GTC 2016 ECS で最優秀賞など受賞歴多数。日本市場参入にあたり、日本でパートナーシップを組める企業を求めている。

Sligrid(台湾)

Sligrid は、チーム生産性を向上させる SaaS だ。利便性の高いテンプレートを提供することで属人性を排除し、アイデアや知識の共有の効率化を図る。チーム内におけるコミュニケーションのやりとりなら Slack、タスク管理なら Trello ならば、コード共有なら GitHub が使われるように、知識の共有なら Sligrid と言われるような存在を目指している。

知識が整理されて中央に集められた Wiki とは対象的に、ブレーンストーミングなどチームの知識を総動員してアイデアを練るようなプロセスに非常に向いているという。約30カ国からアーリーアダプター5,000社以上の利用があり、50%超に1週間以内の再利用が確認できているそうだ。

自転車創業(日本・東京)

電車やバスといった一次交通だけではたどり着けない目的地に、ラストワンモビリティに自転車を持ち込むことで観光体験を最大化しようとするスタートアップが自転車創業だ。同社が運営するメディア「FRAME」には毎月70〜80万のユーザが訪問し、半年ほど前に立ち上げた、サイクリングスポットに特化したコミュニティアプリ「RoadQuest」は、保険提供を強化し今年にもマネタイズを始める考えだ。

Okinawa Startup Program を通じて、沖縄の人々向けには、沖縄タイムスと共同で自転車インフルエンサーによるファンミーティングや、沖縄で事業展開している自転車企業との協業したイベントなどを計画。また、沖縄以外の人々向けには、JAL が開発した自転車輸送プロダクトで連携する。自転車 YouTuber けんたさんを起用した久米島ツアーの動画を近日 FRAME で公開予定で、宮古島や石垣島など他の島への展開も計画している。

運転代行プラットフォーム by Alpaca.Lab(日本・沖縄)

Alpaca.Lab は、琉球大学との共同研究により運転代行業界の最適化を図ろうとするスタートアップだ。運転代行を営む業者は全国に8,850あり、なかでも交通事情から沖縄が国内最多の数を誇る県だ。一方で、運転代行は料金が不明瞭だったり、飲食店などで呼び出してから到着するまでに30分から2時間程度を擁したり、違反行為の前歴のある業者を見つけるのが難しかったりするなど、多くの課題がある。

Alpaca.Lab が構想するサービスでは、ユーザが自分の車の特徴をアプリに入力しておくことで、その車の運転に適した最適なドライバーを付近からマッチング。運転代行業者に対しては、いつどこでどのように運転代行が実施されているか、どのように売上が立っているかをもとに AI で最適なドライバー配置を提案できる仕組みを開発する。運転代行業者からマッチング成立時に料金の10%程度を手数料として受け取りマネタイズする計画。行政、警察、運転代行業者などと連携し、社会的摩擦を生まないモデルを目指す。


一連のピッチ終了後には、眺めの良い OIST のボールルームで懇親会が開かれた。上間弁当天ぷら店の「CATER4U」が用意したケータリングに舌鼓を打ちながら、参加者一同はスタートアップが披露した新たなサービスを中心に、企業間のコラボレーションの可能性などで話に花が咲いた。

これまでに Okinawa Startup Program から輩出されたチームには、プログラム修了を機にシードラウンドの資金調達を完了し、次のフェイズへとステップを進めたスタートアップがいくつかみられる。今回発表されたアイデアの多くは、2019年中のプロダクトやサービスのローンチを目指しており、その機会に改めて成果を披露することができるだろう。

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沖縄県特化型成果報酬求人サイト「ジョブカロリ」運営のびねつ、県内の学生インフルエンサーをアンバサダーに任命しマーケティングを強化

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沖縄県特化型成果報酬求人サイト「ジョブカロリ」を運営するびねつは20日、沖縄県内大学の学生を対象にした実践型インターンシップを企画し、学生インフルエンサーをアンバサダーに任命することにより、SNS を通じたマーケティング活動を強化すると発表した。この活動に参加するのは、琉球大学、沖縄県立芸術大学、名桜大学、沖縄国際大学、沖縄大学、沖縄女子短期大学に通う14名の学生で、20日には沖縄県庁でアンバサダ…

「ジョブカロリ」学生アンバサダーの皆さん(一部)と、びねつのメンバー(20日、沖縄県庁記者会見室にて)
Image credit: Be-Netz

沖縄県特化型成果報酬求人サイト「ジョブカロリ」を運営するびねつは20日、沖縄県内大学の学生を対象にした実践型インターンシップを企画し、学生インフルエンサーをアンバサダーに任命することにより、SNS を通じたマーケティング活動を強化すると発表した。この活動に参加するのは、琉球大学、沖縄県立芸術大学、名桜大学、沖縄国際大学、沖縄大学、沖縄女子短期大学に通う14名の学生で、20日には沖縄県庁でアンバサダー就任式が開催された。

今回のマーケティング企画では、ジョブカロリの認知度と信頼度向上を目的として、プロモーションを実施するメディア選定、コンテンツ企画、拡散手段に至るすべての工程を、ジョブカロリとアンバサダーが協働する。学生インフルエンサーの起用により、学生目線での多様な動画コンテンツが制作できることから、ジョブカロリの潜在的ユーザである若年層への効果的なリーチが期待できる。

びねつは2015年7月にジョブカロリをローンチし、3年あまりが経過した8月20日現在、約2,280件の求人情報が掲載されている。2015年には沖縄県産業振興公社が実施する「沖縄県ベンチャー企業スタートアップ支援事業」のハンズオン支援企業に採択され、2016〜2017年にかけて琉球銀行が実施した「Ryugin Startup Program 2016-2017」に参加。2017年8月には、沖縄タイムスらからシード資金を調達した。同社は2017年にも、沖縄県のスタートアップ支援事業に採択されている

<参考文献>

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沖縄発ソーシャルECプラットフォーム「temite(テミテ)」運営のEC-GAIN、「BORベンチャーファンド」などから約3,000万円をシード調達

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ファンとのつながりで売上を伸ばすことを目指すソーシャル EC プラットフォーム「temite(テミテ)」を運営する EC-GAIN は、琉球銀行子会社のりゅうぎん総合研究所が運営する「BOR ベンチャーファンド」からの資金調達と、琉球銀行からの借入により約3,000万円を調達したと発表した。BOR ベンチャーファンドは2億円規模で今年2月に組成され、4月には HR テック企業のサイダスに出資したこ…

temite
Image credit: EC-GAIN

ファンとのつながりで売上を伸ばすことを目指すソーシャル EC プラットフォーム「temite(テミテ)」を運営する EC-GAIN は、琉球銀行子会社のりゅうぎん総合研究所が運営する「BOR ベンチャーファンド」からの資金調達と、琉球銀行からの借入により約3,000万円を調達したと発表した。BOR ベンチャーファンドは2億円規模で今年2月に組成され、4月には HR テック企業のサイダスに出資したことを明らかにしている。

EC-GAIN は、かつて楽天で EC コンサルタントとして在籍し、EC 店舗支援の成果から3度にわたり社長賞の表彰を受けたことのある村田薫氏により創業。E ストアやスタートトゥデイなど、E コマースプラットフォーマーで勤務経験のある人々を含め、7名でチームを構成する創業2年目のスタートアップだ。同社は2017年から2018年にかけて実施された「Okinawa Startup Program」に採択され、これが今回の資金調達にきっかけとなった。

Okinawa Startup Program のデモデイでピッチする村田薫氏(2018年3月)
Image credit: Masaru Ikeda

temite は、SNS や個人メディアを利用して成果報酬型の紹介サービスを誰でも利用できるように設計した EC プラットフォーム。サプライヤーが応援者であるアンバサダーを募り、商品を広めてもらう上でのアプローチと報酬を設定。
アンバサダーの提案に応じてユーザーが商品やサービスを購入するとサプライヤーからアンバサダーに報酬が支払われる。誰かのおすすめによって購入を決める消費ニーズを活かして事業者が簡単に販路拡大でき、紹介者が成果報酬で稼ぐことが可能になるサービスだ。

EC-GAIN では temite のプレオープンを8月に予定しており、それに向けて13日からは、temite サプライヤーの事前申込の受付を開始している。先着100名のサプライヤーには、プレオープン期間中の利用料金が無料、またカード決済手数料も無料になる特典が付与される。

temite のビジネスモデル
Image credit: EC-GAIN

ソーシャルコマースソーシャル EC といったコンセプトは、THE BRIDGE 上でもかなり多くの記事が見つかることからもわかるように、特段目新しいものではない。ただ、プラットフォーマー側がキープレーヤーになりがちなソーシャル EC の業界において、サプライヤーがイニシアティブを取りやすいようにしている点について、temite は少しこれまでのプラットフォームとは異なるかもしれない。スマートフォンだけで運用できる点については、サプライヤーの参入ハードルを引き下げることに貢献するだろう。

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琉球銀行と沖縄タイムス、「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催——11チームが参加、ファンドからの出資も視野に

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琉球銀行と沖縄タイムスは3日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは前回までは琉球銀行が単独で運営してきたが、アーリーステージのスタートアップにとって露出が必要との観点から、今回から主催者に沖縄タイムスが加わり、プログラム名称も改められることとなった。 また、琉球銀行は先ごろ、スタートアップへの出資…

琉球銀行と沖縄タイムスは3日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは前回までは琉球銀行が単独で運営してきたが、アーリーステージのスタートアップにとって露出が必要との観点から、今回から主催者に沖縄タイムスが加わり、プログラム名称も改められることとなった。

また、琉球銀行は先ごろ、スタートアップへの出資を目的としたファンド「BOR(=Bank of Ryukyus)ベンチャーファンド」を創設しており、Okinawa Startup Program の中から将来有望と認められるチームには、同ファンドから出資も実施されることとなっている。

このイベントは、沖縄市が共催しスタートアップカフェコザが協力するなど、沖縄県内のスタートアップエコシステムに関わる、ほぼすべての組織が関与する形となっており、ピッチに続いて行われた懇親会では、参加スタートアップと現地企業とのネットワーキングにも力が入れられていた。会場では Spiral Ventures 代表の堀口雄二氏や F Ventures 代表の両角将太氏らの顔も見られ、主催者に沖縄県外からの VC 出資も積極的に募りたい意向がある様子が感じ取れた。

11チームの構成は、現地チームが8社、沖縄県外チームが3社で、沖縄県から全国や世界展開を見据えるチームだけでなく、東京から沖縄県に照準を合わせたサービスを開発したり、沖縄県をテストベッドと捉え参加したりするチームが増えたように思える。

Befy by RambleOn

カーネギーメロン大学出身の屋冨祖和弥氏は、AI、ブロックチェーン、IoT など革新的な技術を使って、既存産業をアップデイトしたいと考えている。屋冨祖氏の率いる RambleOn がロールモデルに掲げるのは、Google か2014年に買収した AlphaGo の開発などで知られる DeepMind だ。教育業、卸売業、小売業、製造業、機械最適化など、新技術導入によりインパクトが大きい分野に取り組んでいる。

直近では化粧品メーカーや美容メーカーが、意外にも労働集約型産業であることに着目。美容をターゲットにしたアプリ「Befy」を開発した。日本だけでなく、中国やカナダなどにもユーザが抱える。美容会社や化粧品会社は総じて、顧客に商品を紹介する美容部員の人数が圧倒的に多く、RambleOn はBefy を通じて、美容会社や化粧品会社にコスト構造の改善やオペレーションの効率化を提供したいと考えている。

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間葉系細胞の不織布を使った大量培養 by フルステム

再生医療に使われる細胞は主に IPS 細胞と体性幹細胞に大別されるが、体性幹細胞の中でも間葉系細胞が重宝され、脳梗塞などの疾患を持つ患者に投与することで、症状が劇的に改善されることが確認されている。しかし、これに必要な間葉系細胞は手作業で培養されるため、技術の壁や費用の壁(多くの量を簡単に作れない)、品質の壁(作業者によりムラが出る)が生じる。これらの壁が原因となり、有効な治療法でありながら、すべての患者には適用できないのが現状だ。

フルステムが開発したのは、不織布を使うことで通常2次元で行われる細胞培養を3次元で行い、細胞培養のパフォーマンスを圧倒的に(コストを5分の1、処理速度を10倍以上に)向上させる技術だ。不織布を使った培養では細胞が不織布の中に埋没してしまったが、フルステム独自の方法により、培養した細胞の回収率90%、そのうちの回収された細胞の生存率95%を実現した。培養廃液のモニタにより、培養中の細胞の育成状況も把握することができる。3月22日の再生医療学会ランチョンセミナーで発表予定、町のクリニックでも安価な環境で細胞培養が行えるようにし、再生医療がより身近になる環境づくりを目指す。

temite by EC-GAIN

現在、日本における EC 店舗は189万軒に上り、新規参入者にとっては、バナー広告はほぼクリックされず、CPA は上昇し、SEO などを活用したオーガニック流入を望むのは難しいのが現状だ。実際のところ、日本では EC 店舗の上位300社(全店舗の0.1%)が EC 全体の70%を売り上げており、アメリカに至っては、Amazon 1社が EC 全体の 70%を売り上げるなど、圧倒的な寡占状態にある。EC-GAIN は、そのような状況でも EC 店舗が顧客開拓ができるよう、アンバサダーを使ったリファラルマーケティングができるプラットフォーム「temite」を開発・提供する。

サプライヤーがアンバサダーに対して、商品を広めてもらう上でのアプローチとそれに対する報酬を設定し、temite 上の Webページで募集。コンシューマがアンバサダーの提案に応じて商品やサービスを購入すれば、サプライヤーからアンバサダーに報酬が支払われる。店舗側が EC やオンラインマーケティングの知識をあまり持たなくても運用でき、一方でアンバサダーにエバンジェリスト的な能力を求める、形を変えたアフィリエイトモデルとも言える。

カタリスト

病院を訪れてから診察してもらうまでの時間が長いことは、多くの患者に不満をもたらす。近年は飲食店などでも、さまざまなしくみを使って入店までの待ち時間がわかるしくみを実現しているが、カタリストはスマートフォンを使い、病院で患者に事前に待ち時間がわかるしくみを実現することにした。スマートフォンを使うことや、待ち時間が長いという不評が多いことから、病院の中でも当初は産婦人科にフォーカスする。

カタリストでは、Felica と IC カードリーダーを、受付カウンタ、診療室、処置室に配置。これにより各患者の状態をシステムが把握し、それに応じて、患者のスマートフォンには、受診時に自分の順番までの待ち人数や、自分の診断に要する推定時間が通知される。この通知をもとに、患者はカフェに行って時間をつぶしたり、他の要件をこなしたりできるので、時間を有効に使える。将来的には、病院のホームページ上にも待ち人数や待ち時間を表示することで、初診患者の呼び込みにも有用な効果をもたらす。

カタリストは、沖縄産業振興公社の平成29年ベンチャー企業スタートアップ支援事業に採択された。

沖縄起点のシェアオフィス事業 by マッシグラ

電通出身の金子智一氏が、不動産については、サービスの差別化やブランディングの事例が少なかったことから、それを自らやってみようと考え創業したのがマッシグラだ。ブランディング施策の一環としてシェアオフィスを考え、魅力的な共有空間をシェアオフィス内に設けることで、オーナーにとっては空室率をコントロールできるメリット、入居者にはアイデアやつながり、他には無い沖縄の地理的優位性を活用したユーザ体験を提供する。

シェアオフィスの複数拠点をネットワークすることで地域を越える、入居者同士の事業分野や上下関係を越える、など、「越える」という言葉が、マッシグラが作り出すシェアオフィスのコンセプトになるようだ。Okinawa Startup Program への参加を契機に、沖縄タイムスとの業務提携が決まり、那覇市中心部にシェアオフィスの一店舗目を出展することが決まった。現在、詳細を詰めているところのようだ。

SmartPlate by プルアラウンド

近年、沖縄の観光収入は上昇傾向にあるものの、一人当たりの消費額は落ちている。プルアラウンドは、NFC と QR コード読み取りにより、スマートフォンのブラウザを特定 URL へと誘導する SmartPlate を、宿泊先やレンタカーなどに設置し、お土産の購入やアクティビティの体験を促すなどして観光消費の向上を試みようというものだ。沖縄でしか売っていなアイスクリームの販売サイトに誘導する SmartPlate を観光客に配り、それを自宅の冷蔵庫に貼ってもらって、沖縄旅行から戻った日常生活の中でも、アイスクリームを想起してもらい購入してもらう、といった体験も可能になる。

現在、沖縄県物産公社とも交渉しており、事業に参加してくれるホテルに SmartPlate を配置して、宿泊客に沖縄土産を販売する体験の提供を計画中だ。プルアラウンド創業者の杉浦哲郎氏は以前、フリーセルの子会社アザナで代表取締役を務めた人物で、中小企業向けのマーケティング支援事業を行なっていたことから、沖縄の中小企業経営者には並々ならぬネットワークを持つようだ。SmartPlate は THE BRIDGE でもアクアビットスパイラルズの製品として何度か紹介しているが、プルアラウンドでは同じ技術を使って、沖縄での観光収入向上に特化して事業を運営するもの思われる。

ジョブマネ

ジョブマネは、ベンチャー企業の業務において紙を使った情報整理や情報共有を排除することを主眼においており、一般的に、営業・総務・経理・売上管理などで分かれている情報を集約し、クライアント単位で情報を閲覧・検索できるサービスを提供している。

ジョブマネの創業者である小林康裕氏は、これまでに18年間マーケティング会社を経営していた。会社の変遷とともに、紙伝票 → Excel → パッケージソフト → クラウドと情報管理ツールが変遷してきたのにあわせ、自社内でクラウドシステムの必要性を感じ、ジョブマネの開発に至ったという。同社は技術者を中心とする4人のメンバーで構成されており、現在、営業代理店や出資者を募集している。

PickGo by CBCloud

日本の物流は数多くの零細物流会社に支えられており、彼らが扱う物流の総量は運送大手のそれの約5倍に上るという。零細物流会社に、運送を必要とする荷物や荷主を紹介するのが水屋業であるが、CBCloud はデジタルの力を使って、荷主と零細物流会社をオンデマンドでマッチングするサービスを提供する。軽Town の名前でローンチした同サービスは2017年8月に「PickGo」に改称。現在3,500名程度のドライバーが登録し、毎月150〜200名のペースで新規登録ドライバーの数を伸ばしているという。

沖縄は他都道府県に比べ車の保有率が高いため、ドライバーの確保という点では期待できる市場だという。きめの細かい物流サービスによって、余剰供給から生まれる廃棄野菜と、貧困問題を解決しようとする子ども食堂をつなぎ、社会問題の解決にも寄与できる可能性を展望している。仮に、沖縄県で国家戦略特区指定により貨客混載が可能になれば、個人事業主やタクシー、運転代行事業者なども PicGo に取り込めるのではないか、と将来に意気込む。KDDI ∞ LABO 第10期から輩出、デモデイで優勝した

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Shoreditch

Shoreditch は、Nutrition Tech(栄養テック)をテーマとしたスタートアップだ。例えば、サプリメントの代表であるプロテインは、一般的に粉末状で大きな缶や袋の形で提供され、特に携帯する上では取扱が面倒だ。Shoredich はこの分野の権威でメンバーが構成され、サプリメントの摂取方法において、「SEEDS」と「SKINS」という新たな形状での提供方法を開発した。

SEEDS はサプリメントを圧縮して小さなボール状に固形化したもので、成分密度が高いため携帯しても場所をとらず、飛散することなく簡単に水に溶かして摂取することができる。SKINS は、マイクロニードルに似た技術を採用しており、皮膚表面からサプリメント成分を時間をかけて吸収させるものだ。

サイダス

HR テック企業のサイダスは、人材をマネージメントするクラウドソリューションを開発している。属人的に実施されることが多い人事評価をデータ分析で定量的に行える環境を提供し、Salesforce、オービック、OBC、富士通など ERP や各種業務クラウドを扱うベンダーと提携。2017年時点で、のべ100万人に上るユーザデータを保有するという。

サイダスではこれまで人材視点でデータを集めてきたが、今後はこれに事業視点を加え、人材×事業視点で得られる洞察を API 経由で、さまざまな企業内システムと連携できるようにしていきたいという。こうすることで、例えば、企業内で残業を少なくするには、何を改善すればいいのかが如実にわかるようになるという。Office 365、Alexa とも連携し、人のデータがより活用できるようになってきたという。4月には琉球ワークスペースをオープンする。

Mango by U&I

沖縄では、上間喜壽氏は家業である上間弁当天ぷら店の2代目敏腕経営者としても知られるが、彼が事業を先代から継いだ時には負債が2億円もあったという。負債の原因はスモールビジネスにありがちなドンブリ勘定にあると感じた上間氏は、日々の経営からデータを集め、どうすればビジネスが改善するかを、本業と並行して U&I を設立し、セミナーやコンサルティングを通じて地元の経営者と共有するようになった。

そのような機会を通じて、沖縄には経営ができる中小企業がまだ少ないと考えた上間氏は、経営の仕組みの構築を支援するクラウドサービス「Mango」を開発した。月額1万円からと POS レジよりも安価で導入できるのが特徴。全国の各都道府県中、人口あたり店舗数がもっとも多いという飲食店数をターゲットにオーダー管理・収益管理・固定費管理・POS レジ・商品管理などの機能を提供する。会計クラウドの freee とも連携可能だ。


一連のプログラム終了後には、眺めの良い OIST のボールルームで懇親会が開かれた。上間弁当天ぷら店の新サービス「CATER4U」が用意したケータリングに舌鼓を打ちながら、参加者一同はスタートアップが披露した新たなサービスを中心に、企業間のコラボレーションの可能性などで話に花が咲いた。

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起業支援拠点「スタートアップカフェコザ」開設から1年、沖縄は東アジアのエストニアになり得るか?

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スタートアップカフェは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が2014年、福岡・天神の TSUTAYA 店舗内で立ち上げたのを皮切りに(現在は、大名の Fukuoka Growth Next 内に移転)、昨年8月にオープンしたスタートアップカフェコザ(沖縄県沖縄市)、昨年10月にオープンした関西大学梅田キャンパスのスタートアップカフェ大阪とあわせ、日本国内に3つ存在する。それぞれ運営体制や…

スタートアップカフェは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が2014年、福岡・天神の TSUTAYA 店舗内で立ち上げたのを皮切りに(現在は、大名の Fukuoka Growth Next 内に移転)、昨年8月にオープンしたスタートアップカフェコザ(沖縄県沖縄市)、昨年10月にオープンした関西大学梅田キャンパスのスタートアップカフェ大阪とあわせ、日本国内に3つ存在する。それぞれ運営体制やビジネスモデルはそれぞれ異なるが、スタートアップカフェコザは、沖縄市が始めた創業・起業支援事業の一環として、現地のまちづくり NPO コザまち社中、ソフト開発のハナハナワークスなどが運営している。

グローバルスタートアップハブとしての沖縄の可能性を考えるセッション:中国での長年の生活経験があり、コザから起業を準備中の豊里健一郎氏のほか、スパイラルベンチャーズの岡洋氏、ベンチャーユナイテッドの丸山聡氏、ミスルトウの嶋根秀幸氏らが参加

スタートアップカフェは、那覇中心部から車で約30分、米軍嘉手納基地が目と鼻の先にある沖縄市中心部コザに存在する。創業相談、人材育成、ものづくり支援などを提供しており、最近では THE BRIDGE でも紹介した琉球銀行のスタートアップ・プログラム「Ryugin Startup Program 2016-2017」の運営協力をしていたことが記憶に新しい。クラウドファンディングサイトの CAMPFIRE とは、沖縄の地域活性化をや起業支援を念頭に、エリアに特化したプログラムなども展開している。

今月5日、沖縄県の起業支援拠点「スタートアップカフェコザ」は、開設から1年を迎え沖縄市中心部のコザ地域周辺で1周年記念イベント「Me Look You/弥勒世果報(みるくゆがふ)」を開催し、沖縄市コザ周辺の6会場でのべ1,000人超の市民・起業家・投資家らが参加した。

マイクロソフト・テクニカルエヴァンジェリストの大田昌幸氏、元プロレスラーの小橋建太氏、沖縄市副市長の上田紘嗣氏、クックパッド広告事業部本部長 兼 パートナーアライアンス本部長の小川淳氏

イベントの冒頭を飾ったのは、元プロレスラーの小橋建太氏を招いての「テクノロジーによるスポーツ科学とスポーツコンベンションシティ」と題したセッション。沖縄市は、沖縄本島随一となる規模の多目的アリーナの建設を構想している。このセッションでは、 ソーシャルグラフなども駆使し、例えば、あるスポーツ選手のファンに対し、次のスポーツイベントの告知をしたり、グッズ販売への誘導をしたりなどといった、スタートアップによるサービスの構想も紹介された。自身の現役時代には、リング周りの観客の声援でしかファンの反応を感じ取れなかったという小橋氏は、ファンの動きが可視化され、スポーツ興行の成功を高められる可能性に強い期待感を示していた。

別会場では、沖縄発の5人の起業家によるピッチも繰り広げられた。

  • 大宜味朝文氏……国内外から多くの人を受け入れる楽しめるゲストハウス「【宿】ネクストテイメント」運営
  • 鈴木孝之氏………農業体験マッチングサービス「FarmStay」運営」
  • 平良美奈子氏……県内最大級の海外留学フェスタ「RYU × RYU フェスタ」運営
  • 三上蒼太氏………ベトナムや ASEAN の日本語教師向け、教育コンテンツのオープンプラットフォーム構想
  • 津嘉山遼氏………シェアリングサービスに活用できる、チップを使ったモノの所有権の可視化や利用権の制御など

「RYU × RYU フェスタ」を運営し、7月に世界で活躍できる人材を育成するスタートアップ「Umore(ユーモア)」を設立した平良美奈子氏が晴れて優勝の座を獲得した。

「ラボドリブンビジネスと沖縄の可能性」と題されたセッション:(左から)沖縄市経済文化部長の上里幸俊氏、IT ジャーナリストの林信行氏、川崎市副市長の三浦淳氏、デジネル/デジタルアルティザン CEO の原雄司氏

これら以外にも複数のセッションが持たれたのだが、その多くがテーマに掲げていたのが、沖縄をいかにしてグローバルなスタートアップハブに育て上げるかという命題だ。それを論じる上で、沖縄が持つ地理的特性を避けて通ることはできない。改めて地図を見るまでもなく、沖縄は東京から遠く離れていて台北や香港や上海に近い。つまり言語の壁を超えることを前提にするなら、見るべき市場機会は沖縄の東や南に広がる中華圏や東南アジアということになる。

また、偶然ではあるが、沖縄県の人口と、Skype や Funderbeam などを生み出していることで名高いエストニアの人口は、ほぼ同じく130〜140万人。エストニアが一大スタートアップハブになり得た背景には、小国であるというディスアトバンテージとロシアの脅威があるわけだが、沖縄の人口規模や大都市圏から離れているデメリットを考えたとき、これらを強みとして新たなイノベーションハブを生み出せる可能性を期待してもよいのではないだろうか。

<参考文献>

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沖縄県特化型成果報酬求人サイト「ジョブカロリ」運営のびねつ、シードラウンドで沖縄タイムスらから資金を調達

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沖縄県特化型成果報酬求人サイト「ジョブカロリ」を運営するびねつは17日、沖縄タイムスなどからシードラウンドで資金を調達したことを発表した。調達金額や沖縄タイムス以外の出資者については情報開示されていない。びねつでは、調達した資金を使って、組織体制の強化、サービスの改善、管理システムの機能拡充を図るほか、沖縄県で需要が高まるネパール人材の獲得に向け、サイトの多言語化に注力する。沖縄タイムスとの合意内…

左から:びねつ代表取締役の高嶺克也氏、沖縄タイムス総合メディア企画長の瑞慶山秀彦(ずけやま・ひでひこ)氏
Image credit: 沖縄タイムス

沖縄県特化型成果報酬求人サイト「ジョブカロリ」を運営するびねつは17日、沖縄タイムスなどからシードラウンドで資金を調達したことを発表した。調達金額や沖縄タイムス以外の出資者については情報開示されていない。びねつでは、調達した資金を使って、組織体制の強化、サービスの改善、管理システムの機能拡充を図るほか、沖縄県で需要が高まるネパール人材の獲得に向け、サイトの多言語化に注力する。沖縄タイムスとの合意内容には業務提携も含まれており、求人情報を出稿する企業に対して、新たなソリューションの開発や協業展開を実施するほか、沖縄タイムスグループ傘下のタイムスアド企画が求人情報の取扱に協力する。

沖縄は全国平均に比較して失業率が高いのにもかかわず、企業や店舗などでは恒常的に人手が不足している。その一方で求人手段は限られており、沖縄県内には求人誌が5誌あるものの、すべて紙ベースのみの情報提供で、料金体系も広告料金ベースのもののみだ。びねつが立ち上げたジョブカロリは完全成功報酬型による求職者と求人企業のマッチングサービスで、企業は成功報酬ベースで料金1万円から利用でき、求職者は採用が決まると5,000円以上の採用お祝い金を受け取ることができる。

「Ryugin Startup Program 2016-2017」のデモデイでピッチする高嶺氏
Image credit: Masaru Ikeda

びねつ代表の高嶺氏は広告代理店の出身で、以前は東京で有名メディアサイトやブライダルサイトの営業業務に従事。その後、出身地の沖縄県に戻り、2015年に糸満市でびねつを設立。2015年7月31日にジョブカロリをローンチし、開始から2年目を迎えた2017年8月1日現在、約1,800件の求人情報が掲載されている。2015年には沖縄県産業振興公社が実施する「沖縄県ベンチャー企業スタートアップ支援事業」のハンズオン支援企業に採択され、昨年から今年にかけて琉球銀行が実施した「Ryugin Startup Program 2016-2017」に参加した。

なお、今回の沖縄タイムスとの資本業務提携は、Ryugin Startup Program への参加がきかっけになったとのことだ。びねつでは今後、新興形態の求人メディアにとってホワイトスペースである九州や四国など日本の他地域へのサービス延伸を図り、2017年中に求人情報の件数ベースでジョブカロリ上に3,000件の掲載を目指すとしている。

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