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小規模薬局を「オンラインデリバリー」可能にするScriptDrop

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ピックアップ:ScriptDrop Raises $15M Series A For Pharmacy Delivery Platform ニュースサマリー:処方薬デリバリーサービス「ScriptDrop」はシリーズAにて1500万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはOhio Innovation Fundが参加している。同社は小規模の薬局向けにシームレスな処方薬デリバリー…

ピックアップ:ScriptDrop Raises $15M Series A For Pharmacy Delivery Platform

ニュースサマリー:処方薬デリバリーサービス「ScriptDrop」はシリーズAにて1500万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはOhio Innovation Fundが参加している。同社は小規模の薬局向けにシームレスな処方薬デリバリーソリューションを提供している。ユーザーは同社アプリを通して簡単にデリバリーの依頼をすることが可能になる。

話題のポイント:ScriptDropの薬局に向けたサービスは、薬剤師が普段使っているソフト上でオンライン処方箋の管理を可能とした点が優れています。薬局側としては既存フローを変更することなく、各種配達サービスを立ち上げることができるので導入に対する懸念材料はほぼありません。

また、配達員に関してはScriptDropの提携キャリアがピックアップからドロップオフまでを一貫して担当。そのため、見方を変えればScriptDropのビジネスモデルは薬局版Postmatesとも言えます。同社ウェブサイトによれば、ある都立保健所がScriptDropソリューションを導入したところ、処方薬の返品による売り上げ減少が大幅に改善したと示しています。

CrunchBase

Crunchbaseが公開しているデータによれば、グローバルにおける処方薬デリバリーの利用量(ドル換算)は毎年増減を繰り返していることが分かりますが、今年は投資を受けた企業数こそ例年より少数なものの、過去5年で最も取引量が多くなりそうな状況です(データは5月時点のもの)。

こうしたトレンドはCOVID-19によるオンラインビジネス全般な傾向で、ユーザー需要が増えた結果、薬局側もデリバリーサービスの導入を積極的に検討したことを示していると考えられます。

同市場には先日AmazonがAmazon Pharmacy立ち上げ、本格的に参入を発表しています。ユーザー視点で見れば、処方薬は繰り返し依頼するため究極的にはAmazonに落ち着いてしまうのではという懸念はありますが、Shopifyのように小規模事業者にフォーカスした戦略も拡大しているわけなので、小規模の薬局と個人を繋げる流れがどこまで通用するのか注目が集まります。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆

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Amazon薬局登場、処方箋デリバリ「PillPack」買収から約2年

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ピックアップ:Introducing Amazon Pharmacy: Prescription Medications Delivered ニュースサマリー:Amazonは先月17日より、オンライン薬局「Amazon Pharmacy」の立ち上げを発表している。これは、オンラインで医薬品の注文が行えるというもので、処方箋の管理・各種保険の登録などもプラットフォーム上でできるのが特徴。また、プライ…

Image Credit : Amazon

ピックアップ:Introducing Amazon Pharmacy: Prescription Medications Delivered
ニュースサマリー:Amazonは先月17日より、オンライン薬局「Amazon Pharmacy」の立ち上げを発表している。これは、オンラインで医薬品の注文が行えるというもので、処方箋の管理・各種保険の登録などもプラットフォーム上でできるのが特徴。また、プライム会員であれば2日以内の無料配送サービスが受けられる。

話題のポイント:Amazonが処方箋デリバリーサービス「PillPack」を7.5億ドルで買収をしてから約2年。米国の処方箋市場は5,000億ドルとも言われていますが、今回本格的にサービス「Amazon Pharmacy」が立ち上がりました。もともとPillPackがターゲットにしていたのは慢性疾患を持つ患者でした。そのため、PillPackは繰り返し毎日同じ薬を服用するユーザーを想定したサービス展開をしていました。アメリカの車社会という特性上、毎週・毎月繰り返し遠方の薬局まで行かなくても定期的に配送されてくるという利点があったのです。

また、薬の飲み忘れが起きないよう、処方箋パッケージデザインには世界的デザイン会社IDEOによるデザイン監修も入っており、患者ファーストのUXを目指しています。

Customers can now purchase prescription medications through Amazon Pharmacy – convenient and reliable access, without leaving home. (Photo: Business Wire)
Image Credit : Amazon

Amazonは、自社ECプラットフォームを繰り返し利用してくれる「リピート顧客」層の獲得を常に模索しており、PillPackの元々の顧客層と合致しているため、買収に至った経緯がありました。つまりAmazonは顧客のLTVを最大化させ、キャッシュフローを潤沢にする戦略を採用しているため、1回きりの利用ではなく何度もAmazon Pharmacyを利用するPillPackの既存顧客を真っ先に囲った形です。

オンラインでの診療がパンデミック以降、一般開放され始めており、診察・処方箋から薬局まで自宅を中心とした体験が実現しつつある状況です。特にアメリカのような薬局に行くまでの移動コストが高い国では、元々需要のあった体験であり、Amazonが載りだしたことで一気に景色が変化していく可能性を秘めています。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆

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処方箋配達を数行のコードだけで導入の「薬局版Stripe」日本の7兆円市場は誰が獲る?

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処方箋デリバリー市場が大きく変わろうとしています。 オンライン診察が主流になってきており、処方箋は薬局へネットで転送され、そのまま直接自宅へ薬が届く体験が浸透しつつあります。病院へ向かうこと自体がリスクになっている中、誰もが望む体験となりました。つい先日、Amazonが処方箋デリバリーサービス「Amazon Pharmacy」を立ち上げたことからも、今後は自宅で完結する診察体験が不可逆的なものとな…

Image Credit:Truepill

処方箋デリバリー市場が大きく変わろうとしています。

オンライン診察が主流になってきており、処方箋は薬局へネットで転送され、そのまま直接自宅へ薬が届く体験が浸透しつつあります。病院へ向かうこと自体がリスクになっている中、誰もが望む体験となりました。つい先日、Amazonが処方箋デリバリーサービス「Amazon Pharmacy」を立ち上げたことからも、今後は自宅で完結する診察体験が不可逆的なものとなるでしょう。

ただ、課題となるのは処方箋デリバリーのフルフィルメントを構築しなければいけない点です。遠隔医療サービスを整えたとしても、完全オンライン体験を提供するには、処方箋の承認から配達に至るまでの仕組みを作り上げなければなりません。こうした課題をAPIの概念を用いて解決するのが「Truepill」です。同社は9月に7,500万ドルの調達をしています。

Truepill はB2B向けの処方箋デリバリーサービスを提供します。オンライン医療プロバイダがTruepillを利用すると、同社が抱える専属薬剤師に処方箋の承認をもらい、そのまま全米6拠点のフルフィルメントセンターから直接顧客へ薬を届けられるようになります。Stripeが決済市場をAPI一つで繋いだように、数行のコードを入れ込むだけで処方箋デリバリーを導入することができます。オフラインからオンラインへと診察・診療体験が変わったからこそ生まれたソリューションと言えるでしょう。

Image Credit:Truepill

同社は2C向け医療サービスを作るのではなく、B2Bに焦点を当てた事業モデルを運営し、2016年から2019年にかけて100万件の処方箋を処理した実績を持ちます。また、2018年に4,800万ドルの収益を上げているといいます。

TruepillはForbesが選ぶ次のユニコーン企業に選出されていますが、コロナの影響でその提供価値が再認識されることでしょう。日本でオンライン診療・処方箋診断が導入され、一般的になるのには時間がかかるかもしれませんが、次の1、2年で当然のように議論されるはず。厚生労働省によると、2017年度の日本における調剤医療費は7兆6,664 億円と試算されています。いずれは処方箋配達サービスも当たり前になるかと考えれば、巨大な市場がTruepillの事業モデルの参入先となります。

処方箋デリバリー市場には、StripeのようなAPI・SaaSの考えを応用するスタートアップが活躍できる余白があるのです。こうした市場ポテンシャルをTruepillが示しています。日本のみならず、アジア市場でも十分あるでしょう。すでに処方箋デリバリーが認可されたアジア他国で、Truepillモデルをローカライズさせると面白いかもしれません。

今後、Truepillは数百のラボテストのAPI化も進めていくとのことです。テスト受入可能なネットワークを揃えることで、オンライン診療機関の顧客からの希望があれば、すぐにテストの注文と結果を自宅へ送付することができます。昨今、ヘルスケアIoTの精度も高まり、高機能キットを使った自宅内検査が可能となりましたが、新サービスが立ち上がればより検査が身近なものとなるでしょう。

医療機関のインフラとして機能するのがTruepill。とてつもない市場成長性を秘めていると感じます。日本ではこの座を誰が獲るのか、とても注目しています。

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オンライン薬局「ミナカラ」が3億円調達、PB医薬品開発も

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オンライン薬局事業「minacolor」を展開するミナカラは8月24日、既存株主のインキュベイトファンド、STRIVEおよび新規株主としてSpiral Innovation Partners、朝日メディアラボベンチャーズ、カイゲンファーマを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。調達した資金は3億円で、出資比率などの詳細は非公開。同社はこれまで上記の既存株主以外にAGキャピタル、グロービス…

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ミナカラ代表取締役の喜納信也氏

オンライン薬局事業「minacolor」を展開するミナカラは8月24日、既存株主のインキュベイトファンド、STRIVEおよび新規株主としてSpiral Innovation Partners、朝日メディアラボベンチャーズ、カイゲンファーマを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。調達した資金は3億円で、出資比率などの詳細は非公開。同社はこれまで上記の既存株主以外にAGキャピタル、グロービス経営大学院、ジャパンメディック、千葉道場、本田圭佑氏から出資を受けており、これまでの累計調達額は10億円となった。

ミナカラの創業は2013年11月。オフライン薬局と同様に、チャットなどを通じて薬剤師の持つ専門知識から自分の症状にあった薬を知り、インターネットから直接購入することができるオンライン薬局を展開している。服薬管理も可能で、提供している薬品点数は800SKU(※商品サイズなどを含めた商品点数の数え方)。2018年には製薬メーカーとの協業でプライベートブランドの医薬品開発なども手掛けた。

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ミナカラが展開するプライベートブランド医薬品

2014年に第一医薬品のインターネット販売が解禁になり、また、昨今の感染症拡大により医薬品のオンライン販売は注目を集めている。今回調達した資金を元に、セントラル薬局(集合調剤、物流施設)の開発、製薬メーカーとのPB医薬品の企画開発、製薬メーカーのデジタル化支援活動を推進する。

via PR TIMES

 

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家庭用採血キットのTassoが1,700万米ドル調達、拡大する遠隔医療市場

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ユーザが自分で採血できるキットを提供する遠隔医療企業のTassoはシリーズAラウンドで1,700万米ドルを調達した。 遠隔医療市場はソーシャルディスタンシングの必要性からここ数カ月間で需要が高まっている。コンサルティング会社のFrost and Sullivanによると、ロックダウンが行われた最初の1カ月だけでバーチャルヘルスコンサルティングは50%増加した。新型コロナ以前のオンライン診察の予想件…

Image credit: Tasso

ユーザが自分で採血できるキットを提供する遠隔医療企業のTassoはシリーズAラウンドで1,700万米ドルを調達した。

遠隔医療市場はソーシャルディスタンシングの必要性からここ数カ月間で需要が高まっている。コンサルティング会社のFrost and Sullivanによると、ロックダウンが行われた最初の1カ月だけでバーチャルヘルスコンサルティングは50%増加した。新型コロナ以前のオンライン診察の予想件数は年間3,600万件だったが、今年は現時点ですでに2億件に達している。

シアトル拠点のTassoは2011年設立。乾燥血液用の「Tasso-M20」と液体の血液用の「Tasso-SST」の2種類の採血デバイスを提供する。用途は疾病調査、診断、慢性疾患のモニタリング、スポーツにおけるドーピング検査など多岐にわたる。キットは製薬会社、保険会社、学術医療機関、政府機関、医療センターといったTassoの顧客から発送される。

Image credit: Tasso

キットはとても簡単に使えるようにできている。ユーザはTassoのデバイスを腕に付け、ボタンを押し、タイマーを5分にセットするだけで毛細血管から必要な量の血液を採取することができる。

Image credit: Tasso

静脈から血液を採取する場合は、医療専門家が血管に注射針を刺さなければならない。だが多くの場合、静脈からの採血にさほどメリットがあるわけではないという。TassoのCEO、Ben Casavant氏はVentureBeatに対し次のように語った。

Tassoは、私たちが収集する毛細血管の血液が静脈血と同等であることの検証を行なっています。私たちはFDA(米国食品医薬品局)の承認を得ており、プラットフォームでのテスト数の拡大につながる臨床試験へのパイプラインを持っています。

ソーシャルディスタンシング以外にも、近くに医療センターがない患者や、なんらかの理由で健康診断に出向くことが難しい人々にとってTassoは最適だ。

私たちがサービスを提供したいのは、農村地域やサービスが行き届いていないコミュニティなど検査へのアクセスが不十分な人々、クリニックへ頻繁に出向かなければならない​​慢性疾患のある人々、そして注射針への恐怖や感染リスクを避けるために診察に行けない人々です(Casavant氏)。

現時点ではプロセスの大部分をデジタル化できておらず、手作業でデバイスを送付し、ユーザがCLIA認定を受けた機関へ返送している。だがCasavant氏は「デジタルパイプライン」なる計画を持っている。これは採血中にモバイルアプリで問診をしたり患者に重要なデータを提供したりするというものだ。

家庭での検査

家庭用診断キットが急速に広まったことで恩恵を受けているのはTassoだけではない。医師が患者の肺、心臓、喉、耳、皮膚、腹部および体温を遠隔診察できるソフトウェア・ハードウェアプラットフォームを提供するニューヨーク拠点のTyto Healthは5,000万米ドルを調達した。家庭用コロナウイルス検査キットのLetsGetCheckedは7,100万米ドルを確保している

遠隔医療サービスはオンライン薬局まで広がりを見せている。ここ数週間だけでも、MedlyTruepillが合わせて1億2,500万米ドルを調達している。

Techstars出身のTassoはこれまでに助成金とエクイティファンドを合わせておよそ1,900万米ドル調達している。さらに今回のラウンドで1,700万米ドルを確保し、同社は新型コロナウイルスによるTasso OnDemandデバイスへの需要の高まりに応えるため、「製造と運営のスケーリング」を計画している。

新型コロナウイルスにより、自宅での抗体検査の需要と、必要な検査を受けることが困難な患者をケアする医療機関からの依頼が急増しています。国防総省とも検査キットの大規模契約を結びました。増大するニーズに応えるべく拡大に取り組んでいます(Casavant氏)。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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薬局のディスラプトに対TikTokから始まる次の動画メディア、注目あつまる「世界の250社」まとめ(3/4)

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1編ではエンタープライズ、フード領域、2編ではフィンテック、教育、ギグ経済領域を見てきました。本編ではヘルスケア、メディア、トラベル市場で起きている変化を紹介していきます。 エンタープライズ(1編) フード(1編) フィンテック(2編) 教育(2編) ギグ経済(2編) ヘルスケア(本編) メディア(本編) トラベル(本編) 不動産(4編) 小売(4編) モビリティ(4編) 分野特化で登場する病院 …

architecture backlit buildings california
Photo by Pixabay on Pexels.com

1編ではエンタープライズ、フード領域、2編ではフィンテック、教育、ギグ経済領域を見てきました。本編ではヘルスケア、メディア、トラベル市場で起きている変化を紹介していきます。

  • エンタープライズ(1編)
  • フード(1編)
  • フィンテック(2編)
  • 教育(2編)
  • ギグ経済(2編)
  • ヘルスケア(本編)
  • メディア(本編)
  • トラベル(本編)
  • 不動産(4編)
  • 小売(4編)
  • モビリティ(4編)

分野特化で登場する病院

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Image Credit: Modern Animal
  • Brave Care」は小児科特化の救急病院を運営。2019年にポートランドで創業し、9月に500万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。Sesame Street、Greycroftらがラウンドに参加。
  • FirstVet」はオンライン診療ベースの動物病院を運営。2016年にストックホルムで創業し、11月に1,850万ユーロの資金調達をシリーズBラウンドで実施。OMERS Venturesがリードを務め、Creandumがラウンドに参加。
  • Modern Animal」はオンライン診療ベースの動物病院を運営。2019年にロサンゼルスで創業し、10月に1,350万ユーロの資金調達をシードラウンドで実施。Founders Fundがリードを務め、Wonder Ventures、Upfront Ventures、Susa Ventures、DCM Ventures、Box Group、BAM Venturesがラウンドに参加。
  • Parsley Health」は会員制の病院を運営。2016年にニューヨークで創業し、10月に2,600万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。White Star Capitalがリードを務め、FirstMark Capital、Amplo、Alpha Edison Partners、Arkitekt Ventures、Galaxy Digital、One Medical創業者のTom Lee氏、Flatiron Health共同創業者のNat Turner氏がラウンドに参加。
  • Two Chairs」はメンタルヘルス特化の精神病院を運営。2017年にサンフランシスコで創業し、8月に2,100万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Amploがリードを務め、GoldcrestとMaveronがラウンドに参加。
  • Tyto Care」は自宅で使える専用診療IoTを通じたオンライン診療サービスを提供。2012年にニューヨークで創業し、1月に900万ドルの資金調達をシリーズCラウンドで実施。Sanford Health、Itochu 、Shenzhen Capital Groupがラウンドに参加。

テクノロジーを使って病院体験を最適化する流れが10年前から来ています。たとえば、筆者も利用していた会員制の病院「One Medical」。同社のターゲット顧客は都市圏の忙しいビジネスパーソン。専用アプリかウェブサイトで手軽に診療予約手続きを完了できます。

医師とフォローアップのチャット機能も実装。基本的に直前の予約であってもすぐに受け入れ対応できるように、1都市に5〜6つほどの拠点を構えます。医師の性格や診療の質が高く、必ず専属の医師が付いてくれるため、毎回体調のキャッチアップをしてくれる点が高評価です。One MedicalはIPOの準備をしており、業界にとっては良い指標になっています。

オフライン事業を立ち上げるのは非常にコストがかかりますが、サービス領域を特化させて差別化を図り、次のOne Medicalを目指す動きが目立ちます。なかでも注目したいのは「Modern Animal」。動物病院版One Medicalといっても良いでしょう。米国では獣医サービスの市場規模は約500億ドルもあり、十分な成長余地があります。競合には「FirstVet」が挙げられますが、同社は欧州展開であるため直近で直接競合になることはありません。

日本でもスマホからすぐにオンライン予約できる便利な機能を備えた病院を見受けられますが、未だに医療機関はモバイル時代に合わせた体験を提供できていません。One MedicalやModern Animalのように、大きなイノベーションを起こすというよりは、私たちが当たり前に持つ現代の価値観や利用シーンに最適化させた病院の登場が待望されます。

歯科体験の前進

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Image Credit: Tend
  • Candid」は自宅矯正歯科ブランドを開発。2017年にニューヨークで創業し、4月に6,340万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Greycroft、Bessemer、e.ventures、RiverPark Funds、blisce/、Redesign Health’s limited partners、Mousse Partnersがラウンドに参加。
  • Henry The Dentist」は移動車型の歯科病院を運営。2017年にトリニダード・トバゴで創業し、3月に1,000万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Forerunner Venturesがリードを務め、Brand FoundryとTrail Mix Venturesがラウンドに参加。
  • Uniform Teeth」は矯正歯科病院を運営。2015年にサンフランシスコで創業し、12月に1,000万ドルの資金調達をシリーズAラウンドに実施。Canaanがリードを務め、Lerer Hippeau、Refactor、Slow Venturesがラウンドに参加。
  • Tend」は歯科医療ブランドを運営。2018年にニューヨークで創業し、10月に3,600万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Redpoint Venturesがリードを務め、One MedicalからTom Lee氏、Neil Blumenthal氏、Warby ParkerからDave Gilboa氏、Flatiron HealthからZach Weinberg氏、 Tusk VenturesからBradley Tusk氏がラウンドに参加。

歯科医療分野にはブランドサービスが多数登場。自宅矯正歯科サービス「SmileDirectClub」がIPOをしたことから市場に勢いがあります。“自宅矯正”という言葉に注目が集まっていますが、顧客を来院させてケアをする、オフライン接点を持つ必要は各社とも感じているようです。専属スタッフが来院時にケアすることで、顧客満足度と継続率を上げる施策に取り組んでいます。

たとえば「Uniform Teeth」も来院を必須としています。また、「SmileDirectClub」も実店舗「SmileShop」を用意してチェックアップする機会を提供。さながら歯科医療版ジーニアスバーのサービスを提供しています。自宅のみで完結する矯正歯科医療が求められていますが、やはり顧客に任せているだけでは、ベストな矯正ソリューションを提供できないのかと思われます。この点、オンラインとオフラインのどちらのチャネルに顧客が訪問したとしても、最適なサービスを提供する小売市場で使われるオムニチャネル戦略が重要となりそうです。

動画が鍵を握る自宅ヘルスケア市場

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Image Credit: Mirror
  • Future」は無料配布されるApple Watchを通じたオンラインパーソナル・コーチングサービスを提供。2017年にサンフランシスコで創業し、5月に850万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Kleiner Perkinsがリードを務め、Mike Krieger、Khosla Ventures、Founders Fund、Caffeinated Capitalがラウンドに参加。
  • Hydrow」はボード式フィットネスIoTを開発。2017年にマサチューセッツ州で創業し、5月に700万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Rx3 Ventures、Wheelhouse、The Raptor Group 、The Yard Venturesがラウンドに参加。
  • Journey Meditation」はグループ瞑想動画サービスを提供。2015年にニューヨークで創業し、5月に240万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。Canaanがリード投資を務めた。
  • Livekick」は週32ドルからパーソナルトレーナーのコーチングを受けられる動画サービスを提供。2018年にニューヨークで創業し、5月に300万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。Firstime VCがリード投資を実施。
  • Meditation.live」はライブ瞑想コーチングサービスを提供。2018年にマイアミで創業し、9月に300万ドルの資金調達を実施。SoftBank Capital NYがラウンドに参加。
  • Mirror」は鏡を使った室内向けフィットネスマシーンを開発。2016年にニューヨークで創業し、10月に3,400万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Point72がリードを務め、Lululemonらがラウンドに参加。

フィットネス市場では室内エアロバイク「Peloton」がIPOを果たしました。バイク本体料金は2,000ドルもする高級価格帯であり、購入後はフィットネス動画コンテンツを視聴するために、月額39ドルの利用料金を支払う必要があります。筆者は何度か試乗したことがありますが、「自宅フィットネス体験」と「高い動画コンテンツ体験」の2つを軸に、高い提供価値を持ち合わせていると感じました。

Pelotonの登場により、体験クオリティが著しく高い製品であれば、高価格であっても自宅に置かれるという認識が市場に広まりました。そこで登場して大きく注目を集めているのが、ミラー型の動画フィットネスIoT「Mirror」や、ボート版Pelotonの「Hydrow」です。いずれも2,000ドル前後の価格帯商品。動画を視聴しながら毎日自宅でフィットネスをして、他のユーザーと競いながら、さながらグループレッスンを受けている体験を得られます。

こうした自宅でライブ感を得ながら楽しくフィットネスをする利用シーンが増えてきました。「Journey Meditation」や「Meditation.live」はモバイルアプリを通じたライブ動画サービスですが、Peloton、Mirror、Hudrowとサービス提供価値が共通しています。日本では自宅フィットネスや、動画を通じたソーシャルフィットネス志向がどこまで刺さるかわかりませんが、ユーザー体験のトレンドとして知っておいて損はないはずです。

薬局のディスラプト

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Image Credit: Truepill
  • Apostrophe」はオンライン皮膚科診療および処方箋配達サービスを提供。2014年にオークランドで創業し、12月に600万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。SignalFireがリードを務め、FJ Labsがラウンドに参加。
  • Medly」は処方箋の当日配達サービスを提供。2017年にニューヨーク・ブルックリンで創業し、シリーズAラウンドを実施。Greycroftがリード投資を実施。
  • Nurx」はオンデマンド避妊薬配達サービスを提供。2014年にサンフランシスコで創業し、8月に5,200万ドルの資金調達をシリーズCラウンドで実施。Kleiner Perkins Digital Growth Fund、Union Square Venturesが共同でリードを務め、Reproductive Health Investors Alliance、Dreamers VC、Lowercase Capital、Y Combinator、Triple Point Capitalがラウンドに参加。
  • Truepill」はオンライン薬局サービス向けの配達フルフィルメントを提供。2016年にサンマテオで創業し、3月に1,000万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Initialized Capitalがリードを務め、Y Combinator、Sound Ventures、Tuesday Capitalらがラウンドに参加。
  • The Pill Club」はオンデマンド避妊薬配達サービスを提供。2014年にレッドウッドシティで創業し、1月に5,100万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。VMGがリードを務め、GV、ACME Capital、Base10、Shasta Venturesがラウンドに参加。

今や処方箋を自宅に届けてもらう体験は、日常の一部になりつつあります。実際、筆者がサンフランシスコに住んでいた際には「Alto Pharmacy」を利用して自宅配達を頼んでいました。今では避妊薬などの処方箋分野にも配達サービスが広がりを見せています。「Nurx」や「The Pill Club」の大型調達に、市場多角化の勢いが見て取れます。

欧米ではオンライン診療と配達サービスが合わさり、自宅で全ての病院体験が完結する時代になりました。これは前項で紹介したフィットネス市場の自宅体験にも共通する価値観です。医療機関は専門医に症状を相談するコンサルティングサービスの場へとなり、簡単な診察と処方箋注文・受け取りはオンラインを通じて自宅で終わらせるといった区分けが完成しています。リストで紹介している薬局スタートアップの大変が、この自宅診療体験を再現しています。

各医療機関は自宅体験のトレンドを掴み、配達サービスを実装しつつあります。そこで登場するのがAPIやSaaSの考えです。「Truepill」はオンライン診療や配達サービスなど、患者のジャーニーマップ上で必要となる各種サービスを、事業者が手軽に実装できる処方箋配達版AWSを提供します。必要な機能を実装して、フルフィルメントを簡単に構築できるサービスとなっています。これは1編で紹介した“API化が続く世界”や“ソフトウェアが飲み込む多領域”にも通じるコンセプトです。医療市場における顧客体験に対して、API市場の盛り上がりを掛け合わせることで大きな商機を得られる証拠です。薬局のディスラプトからは、自宅体験と他市場トレンドであるAPIやSaaSコンセプトを繋ぎ合わせて、新たな提供価値を確立できることがわかります。

対TikTokから始まる次の動画メディア

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Image Credit: Yubo
  • Brut」は短尺動画メディアを運営。2016年にパリで創業し、10月に4,000万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Red River Westがリードを務め、blisceがラウンドに参加。
  • Imgur」はミームコンテンツプラットフォームを運営。2009年にサンフランシスコで創業し、6月に2,000万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Coilがラウンドに参加。
  • OneDay」は高齢者の人生ストーリーを動画撮影し、トピックごとに地元の人が閲覧できる記録メディアを運営。2012年にダラスで創業し、12月に520万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Silverton Partnersがリードを務め、Spieker PartnersとGreen Park & Golf Venturesがラウンドに参加。
  • Triller」は誰もがプロ風動画を作れるソーシャル音楽動画プラットフォームを運営。2015年にニューヨークで創業し、10月に2,800万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Proxima Mediaがリード投資を実施。
  • Yubo」はライブストリーム特化の若者向けSNSを運営。2015年にフランスで創業し、12月に1,230万ドルの資金調達を実施。 Iris CapitalとIdinvest Partnersがリードを務め、 Alven、Sweet Capital 、Village Globalがラウンドに参加。

10月、Googleが30秒ほどの短尺動画をシェアできる「Firework」の買収を検討していたことが報道されました。同社は対TikTokアプリとしてユーザー数を伸ばして注目を集めています。

Googleにとって今回の買収検討は、長尺動画をYouTubeに投稿し、その他の動画をFireworkに投稿させる導線を確保することで、米国の動画コンテンツ市場で覇権を握ろうとした戦略の一環だったと考えられます。ユーザー投稿型サービスの動画プラットフォームを抑え、動画広告市場で幅広く広告出稿者の意向に応えたかったと想像できます。

Fireworkは音楽を使った動画コンテンツプラットフォームではありませんが、「Triller」は音楽PV風の動画を投稿できるサービスとして成長。TikTokとはまさに直接対峙する市場ポジションにいます。いずれのスタートアップもGAFA勢に買収される可能性の高い企業として注目でしょう。一方、最近ではMEMEコンテンツの人気に火が付き、「Imgur」のような新しいコンテンツプラットフォームが大型調達を果たしています。ただ、この分野では未だ広告ソリューションが確立しているわけではないため、大手に買収されるほど市場が成長するにはもう少し時間がかかる印象です。

さて、動画市場での注目動向の1つとして「共同体験/コラボレーション」が挙げられます。たとえば、リストにある「Yubo」はまさにZ世代向けのSNSとして好例。また、「Kast」は最大100名の友人と一緒に動画を楽しめるソーシャルプラットフォームを運営。同じ映像コンテンツを視聴しながらコメントをし合い、体験を共有できます。こうしたコラボを切り口にしたメディア体験は他分野でも起きており、音声SNS「TTYL」にも見られます。現在はTikTokが話題を独り占めするメディア市場ですが、おそらく今後はコラボ体験を制するメディアに大きな注目が集まると予想しています。

特化型新興メディア

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Image Credit: IRL
  • Academia.edu」は学術論文に特化したソーシャルシェアサービスを運営。2007年にサンフランシスコで創業し、3月に1,600万ドルの資金調達をシリーズCラウンドで実施。Tencentがリードを務め、 Social Discovery Venturesがラウンドに参加。
  • Cailu」はブロックチェーン特化の中国メディア。2018年に上海で創業し、7月に1,000万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。GBCI Venturesがリード投資を務めた。
  • Everdays」は故人情報特化のSNSを運営。2017年にミシガン州で創業し、1月に1,200万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Gordy Companiesがリード投資を務めた。
  • Holloway」は専門家監修のオンラインビジネス誌を刊行。2016年にサンフランシスコで創業し、8月に460万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。NEA、The New York Times、South Park Commonsがラウンドに参加。
  • IRL」はオフラインイベント特化のSNSを運営。2017年にサンフランシスコで創業し、6月に800万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Goodwater Capital、Founders Fund、Kleiner Perkinsがラウンドに参加。
  • Overtime」は中高生スポーツに特化したメディアを運営。2008年にニューヨークで創業し、2月に2,300万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Spark Capitalがリード投資を務めた。

FacebookやTwitterの手の届かない、特化型メディアの成長が印象的な1年でした。注目のスタートアップは「IRL」。“in real life”の省略語であるIRLは、カレンダーSNSを提供。友人や気になるイベントをフォローして、地元で飲み会やミートアップが開催されると通知が来る“ソーシャル・カレンダー”という新たな分野を開拓しました。

従来、カレンダーは単なるリマインドツールでしかありませんでしたが、SNSの切り口で提供価値を再定義したのがIRLです。近くにいる人気のイベント開催者をフォローする体験は、普段Google Calendarを通じて感じる価値と違いはないため、ユーザーにとってはしっくりと来る導線なはずです。コミュニティを活性化させる新たなカレンダーメディアといえます。

また、「Holloway」も面白い事例です。同社は専門家がキュレートしたPDF雑誌を刊行するニッチメディアを運営します。たとえば、資金調達のノウハウが詰まったPDF資料を100ドルで販売しています。内容は随時更新されることから、常に最新の情報をキャッチアップすることができます。Hollowayがディスラプトするのは業界雑誌といえます。専門性の高いニッチ情報を発信することで、通の人に親しまれるメディアを目指していることが伺えます。

投資家にはNew York Timesも名を連ねていることから、新しいメディア収益源として注目されていることがわかります。New York Timesは専門家がキュレートした製品レビューメディア「Wirecutter」を買収していることから、バーティカル特化メディアの買収に積極的だと予想がつきます。あと2-3年ほどしてHollowayが実績を積み重ねれば、New York Times傘下になることも夢ではないでしょう。日本の大手メディアもこうしたニッチメディア買収トレンドに迎合する可能性があるかもしれません。

“専門化”するコミュニティ

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Image Credit: Winnie
  • Brainly」はP2Pラーニング型の質問サイトを運営。2009年にポーランドで創業し、7月に3,000万ドルの資金調達をシリーズCラウンドで実施。Naspersがリードを務め、Runa Capital、Manta Rayがラウンドに参加。
  • Chief」は女性特化のコミュニティを運営。2018年にニューヨークで創業し、6月に2,200万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。General CatalystとInspired Capitalが共同でリード投資を務めた。
  • Cocoon」は親族や近しい友達に特化したSNSを運営。2018年にサンフランシスコで創業し、6月に300万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。Lerer Hippeauがリードを務め、Y Combinator、Susa Ventures、Norwest Venture Partners、Advancit Capital、Foundation Capital、iNovia、Shrug Capital、SV Angelがラウンドに参加。
  • DEV」はソフトウェアエンジニア特化のSNSを運営。11月に1,150万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Mayfieldがリードを務め、OSS CapitalとCharge VCがラウンドに参加。
  • Freeda」は女性特化メディアを運営。2016年にミラノで創業し、9月に1,300万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Alvenがリードを務め、Endeavor Catalystらがラウンドに参加。
  • Glitch」はピアコーディング・プラットフォームを運営。2000年にニューヨークで創業し、7月に3,000万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Tiger Global Managementがラウンドに参加。
  • Homie」は外国生まれおよび海外駐在者向けオンラインコミュニティを運営。2014年にソルトレイクシティーで創業し、1月に2,254万ドルの資金調達を実施。Canaan PartnersとSpark Capitalが共同でリード投資を務めた。
  • Mawdoo3」はアラブ語特化のWikipediaを運営。2010年にジョーダンで創業し、5月に1,000万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Kingsway Capital、Endure Capital、Endeavor Catalyst、Equitrust、AdamTech Venturesがラウンドに参加。
  • NewtonX」は世界中の専門家に繋がるQ&Aマーケットプレイスを運営。2016年にニューヨークで創業し、6月に1,200万ドルの資金調達を実施。Two Sigma Venturesがリードを務め、Third Prime Capital and Xfundがラウンドに参加。
  • Part&Parcel」はプラスサイズ女性服特化のコミュニティコマースを運営。2016年にサンフランシスコで創業し、5月に400万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。Lightspeed Venture Partnersがリードを務め、Peterson Ventures、Village Global、Poshmarkの創業者Manish Chandra氏がラウンドに参加。
  • Peanut」は母親向けSNSを運営。2016年にロンドンで創業し、11月に500万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Index Venturesがリード投資を務めた。
  • SurvivorNet」はガン研究者と患者を繋ぐメディアプラットフォームを運営。ニューヨークで創業し、350万ドルの資金調達を実施。Gatemore Venturesらがラウンドに参加。
  • Tempest」はアルコール依存症改善オンラインプログラムおよびコミュニティを運営。2014年にニューヨークで創業し、10月に1,000万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Slow Ventures、Female Founders Fund、AlleyCorp、Refactor、Green D Venturesがラウンドに参加。
  • Valence」は黒人特化のコミュニティを運営。2019年にロサンゼルスで創業し、11月に250万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。Upfront Venturesがリードを務め、Sinai Ventures、Human Ventures、High Alphaがラウンドに参加。
  • Winnie」は母親向けYelpを運営。2016年にサンフランシスコで創業し、10月に900万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Rethink Impactがリード投資を務めた。

コンテンツにエッジを持たせて、特化型のコミュニティを作るメディア戦略が市場の主流になってきています。様々な角度でメディア運営が行われていますが、特徴的なのが2つ。1つはデモグラフィック特化型メディアの台頭。「Chief」や「Freeda」などの女性特化メディアが急成長を遂げています。女性の権利尊重やダイバーシティの機運を追い風に、様々な人たちが力強いコミュニティを作り上げている印象です。黒人特化のコミュニティ「Valence」のように、女性向けから他分野へと、ダイバーシティ・メディアの考えが広まりつつあります。

もう1つは母親向けメディア。「Winnie」は好例です。同社は母親版食べログのようなサービスを展開。母親ユーザーが投稿した詳細なコメントを参考にして近場の子連れに優しい遊び場やレストランを検索できます。熱量の高いコメントが多く、特化型市場を押さえることでコアファンの獲得に成功しています。元々は子供連れに優しい場所情報を提供する地図アプリとして始まり、領域特化型Google Mapとして立ち上がりました。今では口コミ情報サイトにまでサービスの多角化を果たしていますが、地図メディアとしても面白い事業展開が今後見込めるかもしれません。

制作集団・ツール

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Image Credit: Superplastic
  • Brud」はバーチャルインフルエンサーLil Miquelaを制作。2,000万ドルの資金調達を実施。Spark Capital、Sequoia Capitalらがラウンドに参加。
  • Frame.io」は動画編集ツールを提供。2014年にニューヨークで創業し、11月に5,000万ドルの資金調達をシリーズCラウンドで実施。Insight Partnersがリードを務め、Accel、FirstMark、SignalFire、Shasta Venturesがラウンドに参加。
  • Kapwing」はミームコンテンツ作成ツールを提供。2017年にサンフランシスコで創業し、9月に1,100万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。CRVがリード投資を務めた。
  • Superplastic」はSNS向けのCGマスコットキャラを制作。2017年にバーリントンで創業し、7月に1,000万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Craft Venturesがリードを務め、Global Village、Betaworks、Canaan Partners、Shrug Capital、Cyan Bannister氏、Scott Belsky氏、Scooter Braun氏がラウンドに参加。

筆者がサンフランシスコで動画メディア企業にいた際から使っていたのが「Frame.io」。当時は創業から1年ほどしか経っていませんでしたが、すでに美大生の間でも使われていました。Adobeが手を出せていない機能を備えた領域特化の制作ツールには、成長可能性が大いにあると感じさせられました。今では5,000万ドルもの資金調達をして、動画コラボ編集ツールとして不動の地位を得ています。

同じ流れがMEME市場でも起きています。「Kapwing」はその代表格になりつつあると言えるかもしれません。また、WebAR作成プラットフォーム「8th Wall」など、時代によって多様化するメディア編集の分野で活躍するスタートアップが多数登場しています。

また、バーチャルインフルエンサーが台頭した年でもありました。代表的なものが「Brud」と「Superplastic」。どちらもInstagramで大人気ですが、クリエティブ要素が非常に高く、同じようなサービスを立ち上げるには非常に難易度の高くて再現性の低い印象です。参入障壁の高い領域だからこそ、Sequioa Capitalなども投資する大型スタートアップにまで成長しています。

旅行体験に新たな価値を

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Image Credit: Remote Year

 

  • AmazingCo」はマニアック体験旅行サービスを提供。2016年にオーストラリアで創業し、9月に510万ドルの資金調達をシリーズAラウンドで実施。Rampersand VCがリードを務め、Artesian and Macdoch Venturesがラウンドに参加。
  • Atlas Obscura」は体験型メディアおよび旅行サービスを運営。2009年にニューヨークで創業し、9月に2,000万ドルの資金調達をシリーズBラウンドで実施。Airbnbがリードを務め、A+E Networks とNew Atlantic Venturesがラウンドに参加。
  • GetYourGuide」はローカル旅行ガイドのニッチな旅行サービスマーケットプレイスを運営。2009年にベルリンで創業し、5月に4,840万ドルをシリーズEラウンドで実施。SoftBank Vision Fundがリードを務め、Temasek、Lakestar、Korelya Capital、Heartcore Capital、Swisscanto Investがラウンドに参加。
  • Leavy.co」は旅行中に空き部屋を貸し出せば定額収入を得られる民泊サービス。2017年にパリで創業し、11月に1,400万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。Prime Venturesがリードを務め、Dominique Vidal、Index Venturesがラウンドに参加。
  • Nowaday」はシティツアーサービスを提供。ニューヨークで創業し、11月に350万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。Greycroft、Pritzker Group VC、Raine Groupがラウンドに参加。
  • Remote Year」は月2,000ドルから始めるリモートワーカー同士のグループ旅行サービスを提供。2014年にイリノイ州で創業し、10月に500万ドルの資金調達をシリーズBラウンドを実施。Lightbankがリード投資を務めた。
  • Stride」は専門家が選ぶツアー旅行体験マーケットプレイスを運営。2014年にサンフランシスコで創業し、6月に250万ドルの資金調達をシードラウンドで実施。JetBlue VenturesとNFXがラウンドに参加。

旅行市場の業態が変わろうとしています。簡単に2つほど事例を紹介します。1つは「Leavy.co」。同社はミレニアル世代のホスト向け民泊プラットフォームを提供。ホストは旅行期間中に部屋を貸し出すだけで収益を上げられます。地元でローカルマネージャーとして働くユーザーが物件を管理してくれるため、最低限の収益が担保された形で旅行に手軽に出掛けられるプラットフォームとなっています。

Leavy.co側は又貸しモデルでマージンから収益を得るため、民泊市場版WeWorkビジネスモデルと言えるでしょう。ホストにとっては旅行コストをある程度カバーできる収入源を得られるため、旅行ハードルを下げられるようになりました。これは2編で話した“金回りの改善”にも繋がる考えです。売上が必ず発生するのかわからない、自宅にいないと民泊を運営できない面倒くささがあるといった課題点を解決し、自由に旅行できるサービスを確立したのがLeavy.coです。

もう1つのは「Remote Year」。リモートワークで働く人の中には、世界中を旅しながら仕事をしたいといった需要を持っている人が多数いるはずです。そこでRemote Yearは4か月の期間から、リモートワーカー同士で旅をしながら仕事ができる旅行パッケージを提供。日本で10年ほど前に登場した旅行マッチングサービス「トリッピース」にも通じる体験性を提供しているのがRemote Yearと感じます。見知らぬ人と世界を旅する提供価値には、世界共通でニーズがあるように思えます。

上記のリストには登場していませんが、いずれパッションエコノミー文脈から、ローカル案内人が自分の旅行プランを売り出せるプラットフォームも登場するかと思います。旅行代理店免許を取得する必要性がありそうですが、この点をハックするスタートアップが訪れる予感がしています。たとえば「Evaneos」などは最も近しい事例として当てはまります。

3編はここまでです。最終4編では不動産や小売を中心に見ていきます。

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Amazonが変革する医療サービス

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ピックアップ:Amazon acquires start-up Health Navigator, its first health-related purchase since PillPack ニュースサマリ:10月24日、Amazonがオンライン医療診断サービスと患者の重篤度選別ツールを開発する「Health Navigator」を買収したことを発表した。買収額は非公開である。 Health…

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credits : Amazon HP

ピックアップ:Amazon acquires start-up Health Navigator, its first health-related purchase since PillPack

ニュースサマリ:10月24日、Amazonがオンライン医療診断サービスと患者の重篤度選別ツールを開発する「Health Navigator」を買収したことを発表した。買収額は非公開である。

Health Navigatorは2014年に設立され、臨床医や看護師が患者を症状に合わせて適切な施設に案内できるサービスとして立ち上がった。Health Navigatorはオンライン医療企業向けサービスであり、顧客企業のプラットフォームに統合することを前提に開発されている。

買収後はAmazonが9月に立ち上げた「Amazon Care」に参加し、従業員向けにサービスが継続提供される。これまでの外部顧客に対しては段階的に提供を停止する。

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credits : Health Navigator HP

話題のポイント:今回の買収はAmazonが目指す“ヘルスケア・ポートフォリオ”の実現に向けた確かな一歩となります。昨年、Amazonは「Berkshire Hathawa」と「JPMorgan Chase」と提携して非営利団体「Haven」を立ち上げました。また、オンライン薬局「PillPack」を7億5,300万ドルで買収しています。今回の「Health Navigator」の買収も、Amazonが目指す一大ヘルスケア・ポートフォリオ確立を達成する上で重要なマイルストーンになったことは間違いないでしょう。

こうした買収企業サービスとAmazonが持つ物流インフラと組み合わさった際、医療サービスの利便性が向上される点は容易く想像できます。病院へは必要最低限行けばよく、軽度な症状の治療に必要な物は自宅に届くようになるでしょう。風邪薬と安心感を貰うためにスケジュールを割いて病院へ通う時間を消耗する必要がなくなるはずです。

ここまで聞くとサービスの恩恵を受けるのは消費者だけだと感じるかもしれませんが、むしろ一番喜んでいるのは雇用主である企業です。

米国の医療費が世界で最も高いことは知られています。日本と違い米国では公的医療制度は高齢者および障害者を対象としたものしか用意されていないため、企業が保険料を負担して従業員を民間保険に加入させるのが一般的です。企業にとって年々高騰する医療費に合わせて高くなる保険料が大きな負担になっているのです。

そのためAmazonの業界参入を称賛し、最適化したリソースで予防医療に挑む試みに期待が寄せられています。

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credits : Amazon Care HP

しかしAmazonはとても慎重なプロセスを選んでいます。今年9月に自社従業員向けサービス「Amazon Care」を発表。Amazonの従業員であればオンライン医療サービスを通じていつでも受けられます。つまり、市場需要は把握しつつも、自社内で完結するサービスに留まる決定しかしていません。

大きな理由として、ヘルスケア業界はステークホルダーが複雑であることが挙げられます。一貫したシステムを構築するには提携が困難になることが予想でき、時間とお金を無駄に消費する可能性が高いため大きな失敗の原因になると判断したのでしょう。

実際、2008年にGoogleは「Google Health」という処方箋や投薬履歴、通院記録の管理ができるサービスを立ち上げましたが、病院や保険企業などと提携に苦戦した結果、2011年に閉鎖しています。

現在60万人を超える従業員数を抱えるAmazonでは、従業員向けだとしてもサービス展開規模としては十分なもの。ここで培われるノウハウとサービス完成度を武器に、ヘルスケア業界に乗り込む戦略をじっくり取れる点は一つの強みといえるでしょう。

現状、米国にある医療に関する社会問題を解決できる環境が整いつつあるのはAmazonだけのように思えます。Amazonが生み出す結果がこれからの社会の流れを大きく変えることになるかもしれません。果たして救世主になれるのか、今後の動向に注目が集まります。

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簡単なQ&Aでオンデマンドに避妊薬を配達、「Nurx」が5200万ドルを調達

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ピックアップ:Birth control delivery startup Nurx approaches $300M valuation ニュースサマリー:8月15日、避妊薬のオンデマンド配達サービスを展開する「Nurx」がシリーズCラウンドのエクイティー及びデット・ファイナンス調達にて計5200万ドルの資金調達を実施した。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題…

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ピックアップBirth control delivery startup Nurx approaches $300M valuation

ニュースサマリー:8月15日、避妊薬のオンデマンド配達サービスを展開する「Nurx」がシリーズCラウンドのエクイティー及びデット・ファイナンス調達にて計5200万ドルの資金調達を実施した。

内訳としてはエクイティーでUnion Square Venturesと既存投資家のKleiner Perkinsを含む計5つの投資家から3,200万ドルを調達。デットファイナンスで2000万ドルを調達している。

Nurxは現在20万人の患者を抱え、月間平均20%の成長を達成している。同社は避妊薬デリバリーに加えて緊急避妊薬、STI及びHPVテスト及びスクリーニングキット、HIV感染リスクを減少させるピルPrEPなどの医薬品提供も行っている。

Screenshot 2019-08-24 at 8.17.46 AM.png

話題のポイント:Nurxの医薬品は顧客への簡単なQ&Aクイズをもとに処方箋が決められ、顧客の在住地域のドクターから承認を受けてから無料で配達される仕組みです。製品は患者の体調やライフスタイルをもとにパーソナライズされ、50以上のプロダクトの中から適切なものがピックアップされます。

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また予期せぬ副作用や保険加入など、不明点はいつでもNurxのメディカル・チームにスマホから相談できるようになっています。TechCrunchのインタビューに対してNurxCEOの Varsha Rao氏は避妊という場合によっては一刻を争う問題に対して次のようなコメントをしていました。

効率化されたプラットフォームを提供することにより、深刻な判断を伴う問題を抱えている人々を支援できると考えています。避妊薬へ迅速かつ安価にアクセスできる医療プラットフォームの構築を手がていることにワクワクしています。

同社の評価額は本調達ラウンドで3億ドル規模まで上昇しています。現在Nurxのサービスは米国26州とワシントンD.Cにおいて提供されていて、今年の終わりまでに米国人口90%をサービス提供可能地域とすることを目標とするそうです。

Image Credit: Nurx

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