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清華大学卒業生らが設立したVRスタートアップOwlii、3Dホログラム・テレプレゼンスでコミュニケーションのあり方を変える

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VR コンテンツの多くは、360度から撮影を行い、それを保存することによって生まれている。しかし、VR コンテンツを視聴する側からは、コンテクストがなく一貫性に欠ける360度ビューを見ていると戸惑う、という声も聞かれている。そこで、清華大学出身の博士号取得者たちによって設立されたスタートアップ Owlii は、人々の動きをできるだけリアルに仮想現実として保存することによって、その思い出の記録をサポ…

Image Credit: Owlii

VR コンテンツの多くは、360度から撮影を行い、それを保存することによって生まれている。しかし、VR コンテンツを視聴する側からは、コンテクストがなく一貫性に欠ける360度ビューを見ていると戸惑う、という声も聞かれている。そこで、清華大学出身の博士号取得者たちによって設立されたスタートアップ Owlii は、人々の動きをできるだけリアルに仮想現実として保存することによって、その思い出の記録をサポートしようとしている。

Owlii が作成するリアルなホログラムには体積キャプチャ技術や 3D 再構成技術が使用されており、VR または AR で視聴可能だ。北京を拠点に VR サービスを展開する同社は、Xiaomi(小米)の CEO 兼設立者 Lei Jun (雷軍)氏が共同設立したアーリーステージ向け投資会社、Shunwei Capital(順為資本)など複数の投資家から150万米ドルの資金を獲得している。Owlii が公開したデモ(下)では、モバイルARにおける同社のホログラムアプリケーションについて視聴することができる。

では、どのような仕組みで動いているのだろうか? チームオリジナルのプロトタイプである4個から20個のデプスカメラを通じて体の動きがスキャンされると、Owlii の体積キャプチャおよび 3D 再構成プロセスに送られ、3D ホログラムが現実に生み出される。ユーザはこうして記録されたものを VR または AR ヘッドセットを用いて視聴することができる。その根幹となる技術にはアメリカ PCT 特許出願中のものが1件、アメリカで仮出願している特許が2件あり、また他にも進行中のものがある。

CEOで共同設立者の Ziyu Wen 氏は現在市場には直接の競合相手となる存在はいないとしているが、エンターテイメント用の3Dホログラムを作成するアメリカ拠点の 8i や、Microsoft Research によるARヘッドセット HoloLens 用のバーチャル 3D テレプレゼンスのホロポーテーションなど、類似技術を所有する企業はいくつか存在する。韓国を拠点とする Reality Reflection は160個ものデジタル一眼レフカメラを使用して3Dを作り上げている。しかし、Ziyu 氏は、Owlii にはこうした競合をしのぐいくつかの理由があるという。

次世代のコミュニケーションに期待をかける

Owlii のビジョンはよりリアルな AR・VR 映像制作だけにとどまらない。それどころか、同社技術が市場で「ホログラフィック・テレプレゼンス」を実現すると予想しており、つまりホログラムによるビデオカンファレンスが可能になるとしている。テレプレゼンスをもっと分かりやすくイメージしたければ、ちょうど映画『スターウォーズ』での遠隔会議やメッセージ送受信が行われていたような感じに、ホログラムを通じたコミュニケーションが可能になると考えてみると良いだろう。

Ziyu 氏は、Owlii の技術が市場にもたらす影響力は数千億米ドル規模になり、コミュニケーションやエンターテイメントを変えるだけでなく、ビジネスのやり取りや現実世界にも影響を及ぼすだろうと確信している。

市場は非常に大きいにも関わらず、これを実現するトッププレイヤーは世界にほんの少ししかいません。Owlii では中国国内の競合との比較はせず、8i や Microsoft Holoportation など、世界最高のテクノロジー系企業を比較対象にするようにしています。巨大な可能性が各社に放たれている中、当社は技術的な強みと能力とをたったの1年、つまり他の企業よりもずっと速いスピードで示してきました。また、巨大な中国市場でも先手を打っています。これはグローバルな競合企業が簡単にはできないことです。(Ziyu 氏)

同社の技術を支えるのは、清華大学やスタンフォード大学、カーネギーメロン大学、コーネル大学でコンピュータビジョン、コンピュータグラフィクス、コミュニケーション、機械学習、電子工学、マルチメディアの博士号を取得したメンバーや研究者によるチームだ。

チームは北京市海淀区の清華大学正門近くにあるアパートを借りて研究開発を重ね、Owlii の 3D ホログラムのインタラクティブ技術に磨きをかけているところだ。Ziyu 氏によると、現在の研究開発の狙いは質の向上、プロセス速度の改善、セットアップの簡略化だという。具体的には、携帯電話やドローンを通じてユーザの動きを 3D ホログラムスキャンできるようにすることだ。

左から:技術責任者の Yikai Zhao 氏、CEO で共同創業者の Ziyu Wen 氏、CTO のYao Lu 氏
Image Credit: Owlii

私たちには技術・研究において強固なバックグラウンドがあり、加えて映像や写真撮影がずっと好きでした。そのため、皆でこれを始めるのも自然な流れでした。

また、AR と VR が市場からどれだけ注目されていて、2D がすべて 3D にどのように移行しているかも知っていました。そこでこれに取り組もうと決めたのです。(Ziyu 氏)

Owlii のビジョンは今でもホログラフィック・テレプレゼンスを市場にもたらすことにあるが、その基盤となる技術はウェディングフォトや卒業写真といった思い出を 3D ホログラムで残すといったことからモバイル AR ホログラムエクスペリエンスまで、さまざまなアプリへの応用が可能だ。

現在、近いうちにその技術を商業化できるような方法を模索中だという。試験プログラムの実施に向けてエンターテイメント企業やその他企業と現在協議中だそうだ。イノベーションを期待するテック愛好家や、オフラインの VR アーケードエンターテイメントなど最新テクノロジーが集まる国、中国は特に強い可能性を秘めている。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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