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理系学生人材DB「LabBase(ラボベース)」運営のPOL(ポル)、シリーズAラウンドで10億円を調達——スパイラルベンチャーズなどから

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理系学生の人材データベース「LabBase(ラボベース)」などを運営する POL(ポル)は17日、シリーズ A ラウンドで10億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは Spiral Ventures Japan が務め、サイバーエージェント(藤田ファンド)、Beyond Next Ventures、BEENEXT、PKSHA Technology(東証:3993)が参加した。 …

左:POL 吉田氏、BEENEXT 前田氏、Spiral Ventures Japan 髙本氏・千葉氏、POL 加茂氏、Beyond Next Ventures 伊藤氏・中岡氏、サイバーエージェント 関口氏・北尾氏
Image credit: POL

理系学生の人材データベース「LabBase(ラボベース)」などを運営する POL(ポル)は17日、シリーズ A ラウンドで10億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは Spiral Ventures Japan が務め、サイバーエージェント(藤田ファンド)、Beyond Next Ventures、BEENEXT、PKSHA Technology(東証:3993)が参加した。

PKSHA Technology は昨年11月のプレシリーズ A ラウンドにも参加、BEENEXT は2017年4月のシードラウンドにも参加している。サイバーエージェントは今回初の出資参加となるが、サイバーエージェント・ベンチャーズ(現在のサイバーエージェント・キャピタル)がシードラウンドに参加していた。創業以来の累計調達総額は11〜12億円程度とみられる。

POL は2016年9月、東京大学理科二類3年生(現在休学中)の加茂倫明氏らが設立。加茂氏は以前、エス・エム・エス創業者の諸藤周平氏率いる、シンガポールの REAPRA グループ傘下の HealthBank で、オンラインダイエットサービス「BIVIE」の立ち上げに携わったシリアルアントレプレナーだ。また、元ガリバーインターナショナル(現在の IDOM)専務取締役で、FiNC の社外取締役でもある吉田行宏氏が共同創業者として参画している。

POL のコアサービスは、理系学生の就職/採用市場の需給不均衡是正を念頭に置いた人材データベース「LabBase(ラボベース)」と、企業と大学の研究室間の産学連携を促す研究データベース「LabBase X(ラボベース・クロス、旧称:LabBase R&D)」だ。LabBase の登録学生数は1.5万人で、利用企業数は140社を超えた。

加茂氏によれば、今回の資金調達の目的は主に2つだという。

LabBase の運営開始から2年半が経過し、ユニットエコノミクスも見えてきて、ここで(アクセスを)踏んでいいのが見えてきた。LabBase を大きくするため向けに B 向けのマーケティングを強化していく。そして、もう一つはエンジニア、セールス、カスタマーサクセスの人材を増やす。

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POL には現在、45名ほどの社員がいるが、エンジニアの採用を強化し、LabBase の UI/UX の改善や、企業と理系学生のマッチングアルゴリズムのブラッシュアップに注力する。また、機能を追加していくことで、「就職を考え始めた時に限らず、非連続的に研究室の中で普段使いしてもらえるプラットフォームにしていきたい。研究室のインフラになるような機能を提供していきたい(加茂氏)」とした。具体的なサービス内容については明らかにされなかったが、今後、HR に特化したサービスも準備中だという。

POL では、新サービスの開発や現行サービスの改善に向けて、3ヶ月に一度の割合で、投資家らとの壁打ちの機会を持っている。特に興味深いのは、経営層やマネジメント層のみならず、社員のほぼ全員がこの機会に参加している点だ。

同社では今後、ユーザエンゲージメントを高めるため、研究者を招いたり学生を招いたりして、オフラインイベントなども積極的に行っていきたいとしている。

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死んだ後も価値を永続的に生み出し続ける会社を作るーーU25起業家に聞く「起業・新基準」/研究者と企業をつなぐ「LabBase」POL代表取締役、加茂さん

本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。若手起業家向けの勉強会を定期的に開催中 20代起業家を対象に、彼らが考える新しいスタートアップのあり方を聞き出すインタビューシリーズ、前回登場のZIZAI代表取締役、塚本大地さんに続いて登場いただくのは理系学生のキャリアプラットフォーム「LabBase」を展開するPOL代表取締役の加茂倫明さん。 今回も…

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本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。若手起業家向けの勉強会を定期的に開催中

20代起業家を対象に、彼らが考える新しいスタートアップのあり方を聞き出すインタビューシリーズ、前回登場のZIZAI代表取締役、塚本大地さんに続いて登場いただくのは理系学生のキャリアプラットフォーム「LabBase」を展開するPOL代表取締役の加茂倫明さん。

今回もUpstart Ventures、上杉修平さんにインタビュワーとして参加してもらい、お話をうかがってきました(太字の質問は全て上杉氏。執筆・編集:平野武士)。

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加茂倫明さん:1994年生まれ。東京大学在学中にスタートアップのインターン経験を経て、2016年にPOLを創業。翌年に研究内容をもとに優秀な理系学生をスカウトできる新卒採用サービス「LabBase」を公開し事業拡大中。2019年3月には新規事業として、産学連携を加速するプラットフォーム「LabBase X」をリリース

POLは研究者の採用やマッチングなど、研究に関わる人たちを通じたビジネスを展開されてますが、全体像としてはどのような事業を考えているんですか

加茂:今後の展開にもなるんですが、全体構想としては大きく3つあります。まずはプラットフォーム化で、現行のLabBaseとLabBase Xに加え、研究者や学生が日々の研究生活で使える機能をどんどん増やしていきます。研究室のインフラとなる「LabTech事業群」の構築です。研究関連市場は約3.5兆円とかなり大きく、そこでNo.1となる事業群を創ろうと。

次が「科学技術版のY Combinator」構想です。既存の2事業やプラットフォーム化を進める中で、POLには研究に関する膨大な情報が集まってきます。それぞれの研究者の最近の発明、保有技術、応用可能性、パートナーシップを組みたい企業といった具合で、あらゆる情報が集積される中、研究室発の事業シーズを、どこよりも早く認知できるようになります。そのシーズに投資し、インキュベートしていくという構想です。

壮大ですね

加茂:最後がグローバル化なんですが、研究に国境はあまり関係ないので、必然的にグローバルで戦わないといけないと考えています。実際にLabBase Xを運営する中でも、日本企業が「海外の研究者の情報を知りたい」というニーズが顕在化していることを目の当たりにすることも多く、逆に海外企業が日本の研究者の情報を求めるケースも少なくないです。

世界で一番、研究者や科学者にまつわる課題を解決できる会社になり、彼らが真にポテンシャルを発揮できるようになれば、科学や社会の発展スピードを数倍加速させられるのではないかと思っています。

研究者というフォーカスはややもするとニッチと判断されそうですよね

加茂:ですね。ただ、先ほどお話しした「科学技術版のY Combinator」構想などが実現できると、もはやニッチではなく研究関連市場を超えて全領域に対象市場が広がるなと思っています。LabTechプラットフォームで得た研究データやネットワークをもとに、ディープテック系の事業をどんどん立ち上げていく。無限の可能性が広がっていると思います。

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LabBaseの立ち上げってどういう戦略だったんですか

加茂:肝だったと思っているのが2つあります。1つが、ニワトリ卵問題の突破策として、泥臭く研究室まで学生に会いに行ったこと。もう1つが、プレスリリース大作戦です。

利用企業がいないと理系学生を集めにくいし、理系学生がいないと企業にも契約してもらいにくい。マッチングビジネスでは必ず当たる問題ですよね。POLはどちらからやったんですか

加茂:僕らの場合は学生からですね。どっちを先に集めるかという意思決定のときに、学生が集まったらそこに絶対企業は集まると考えたのが理由です。理系学生は研究室にいっぱい集まっているじゃないですか。じゃあそこに訪問しようと。獲得したいユーザーがあれだけ集まっている状況って珍しいですし、そこはラッキーだなと思いました。

なるほど、これは特有の状況ですね

加茂:「研究室を通して学生に登録してもらおう」ということで、僕や当時のメンバーで、研究室に訪問して「こういうのをやっています」「フィードバックください」「使ってください」とひたすら言いまくっていました。飛び込み営業みたいな感じですね。理系学生にプロフィールを書いてもらって、ある程度、300人ぐらい集まったタイミングでリリースしたという感じです。

プレスリリースを活用したそうですが、具体的にどんなことをしたんですか

加茂:「こういうLabBaseみたいなサービスがあったらいいな」って思った段階で「LabBaseというサービスがもうすぐリリースされます。事前登録募集開始しました」というプレスリリース打ったんです。

あ、まだサービスがないのに?

加茂:はい(笑。狙いとしては、どれぐらい企業から事前登録がくるかどうかで、ニーズの広さとか深さを測れるというのがありました。あと事前登録してくれたところに営業しに行って、ヒアリングもしながら「ここの仕様どうしたらやりやすいですか」と、聞きながらつくれるので必要とされるものを作りやすいんですよ。

あとは最初からもう「リリースします」「できなかったら返金します」みたいな勢いで契約も取ってました。

すごいアグレッシブな作戦ですね(笑

加茂:必死でしたね(笑。

当時の1号社員として入ってくれたエンジニアと一緒に徹夜しながらやっていました。ただ、数週間で何百社がガッとお問い合わせをくれたのでニーズはあるなって思って、自信を持って取り組めたというのが大きかったです。開発も始まってない段階から、有名な大手企業とかに飛び込んで、「もうすぐできますよ」となんとか契約を取ってきたり。

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明確なニーズと方法がわかっていれば確かに強いですよね。加茂さんは事業選定にあたって何を意識していましたか

加茂:社会的な意義と、自分がやる意味・やりたいと思うかという二軸を考えてました。前者に関しては、身の回りで解決したい課題は何かというのを常に探して、意識して生活していました。後者に関しては、もともと音楽や食が好きだったのもあり、当初はその周辺領域のスタートアップを結構リサーチしていました。

あとは、海外のトップティアのVCの最近の投資先をAngelListやCrunchbaseでずっとウォッチして、それらがなんでこのタイミングで出てきたのか仮説立てて調べたりしていました。

研究者にフォーカスしたのはどういうきっかけで

加茂:現在の事業に関しては、大学の理系の先輩が研究に追われて就活を大変そうにしていたことを課題に感じたのが始まりです。

でもニッチだった

加茂:そうです。理系学生向けの就活サービスというだけでは、そこまで大きくなることは見込めず、また事業内容としてもそれだけを一生やっていたいと思えてはいなかったので、それをもっと大きい文脈で捉え直そうと考えました。

そうしたら、就活以外にも研究領域には課題が多いってことに気が付いて。そこからですね。「LabTech Companyとして、研究関連課題を全て解決し、科学と社会の発展を加速する」という目標を語るようになったのは。

少し話題を起業前の話に変えたいと思います。元々、いくつかのスタートアップでインターンされていたとか

加茂:東大に入学してインターン先を探していて、まず最初に入ったのがホワイトプラスさんでした。当時は社長の近くで働いて、仕事とはどういう感じでやるのか、ベンチャーはどういう雰囲気なのかを知りたかったというのが大きかったです。本当に面倒見の良い方々のところで働くことができ、また井下社長との議論の中で本質とは何かについてかなり考えさせられ、鍛えてもらえる会社でした。

次は海外

加茂:はい。休学して半年間、シンガポールのREAPRAさんというエス・エム・エス創業者の諸藤さんが立ち上げた企業でインターンしました。ここは事業をゼロから作るという経験をさせていただいたので、シンガポールから帰ってすぐ起業しようと思っていたのですが、当時は事業が定まっていなかったので、決まるまでReproさんで働かせていただいていました。

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結構濃密なスタートアップ・インターン生活。事業に興味を持ったのはそこからですか?

加茂:いえ、高校時代に、祖父の死のタイミングで生きる意味について考え、死んだ後にも何か残したいと思ったのが始まりです。また共同創業者の吉田(行宏氏・元ガリバーインターナショナル※現IDOM専務取締役)の影響などもあり、世のため人のために事業をしたいと、そしてやるからには大きなインパクトで意義あることをしたいなと。

モチベーション保つの大変そうですね

加茂:ユーザベース創業者の新野良介さんに、「加茂君はつまり、人生を意義深くしたいんだ」って言われたことがあるんです。

深い

加茂:これはその通りだと思っていて、自分のモチベーションはちょっとした満足ではなく、意義に向いているのと、かつ欲求のタンクが大きいからこそ、大きな意義あることをしたいって方向にあるのだと思います。だからこそ自分が生きている間だけではなく、死んだ後も価値を永続的に生み出し続けられるような会社を作りたいっていう思考に至っているのではないかなと。

スタートアップの組織づくりは最近どこでも話題ですね。採用してもカルチャーフィットしなくてすぐ辞めてしまったり

加茂:特に長い時間軸で考えれば考えるほど組織が重要です。変化の激しい今の時代で永続する事業は存在しないと考えていて、そうなると永続的に価値を生み出し続ける会社を作るためには、時代時代にあった強い事業を生み出し続ける永続する組織を作るしかないと思っています。

今をときめく国内ネット巨人も創業時の事業だけで継続してる例って稀ですよね

加茂:強い価値観/バリューやカルチャーが軸となる、経営者人材が育つような、強い組織を作ることが大事だと思います。アーリーステージの会社ほど事業で精一杯で、組織創りは後回しになりがちだと思いますが、会社のDNAは6〜7割くらいは創業期に決まるので、事業も組織も大きくなったタイミングから組織を強くしようと考えるのは遅いのではないかとも思っています。

どなたかロールモデルはいらっしゃるんですか

加茂:共同創業者の吉田行宏さん(元ガリバー・インターナショナル専務取締役)は最も尊敬する経営者です。また、FiNCの溝口勇児さんも、志の高さや覚悟などの面でとても尊敬しています。当初はロールモデルがいたわけではなく、自分として初めての起業、初めての社会人経験で、色々な人を巻き込まなければいけないというのは感じていました。共同創業者や30代の1号社員・2号社員の方を巻き込んだことをきっかけに、色々なことが加速した感じですね。

確かに溝口さんも多くの方を巻き込みながら体を大きくされていますよね。同世代での起業家とはどのように考えてお付き合いされてます

加茂:自分の経営者としての視座や志を上げていかなければと思っているので、各界の超一流と言われる人たちとの接点を意図的に増やすようにしています。

長時間ありがとうございました!

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新卒がスタートアップを選ぶ理由は「未来の自分への投資」、STARTUP2019新卒合同入社式イベントレポート

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本稿は2019年4月2日に都内で開催されたSTART-UP2019新卒合同入社式のレポート 2018年のスタートアップ投資額は過去最高と言われ、時代はスタートアップブームと囁かれています。学生がスタートアップ起業するのもよく目にするようになりました。(筆者は22歳でスタートアップ起業に入社しましたが、その頃から比べても10代スタートアップや東大生起業家という人々が増えてきたように思います) 資金や…

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本稿は2019年4月2日に都内で開催されたSTART-UP2019新卒合同入社式のレポート

2018年のスタートアップ投資額は過去最高と言われ、時代はスタートアップブームと囁かれています。学生がスタートアップ起業するのもよく目にするようになりました。(筆者は22歳でスタートアップ起業に入社しましたが、その頃から比べても10代スタートアップや東大生起業家という人々が増えてきたように思います)

資金や人材において、業界に新しい資源が集まりつつある中で「新卒のファーストキャリアにスタートアップを選ぶ」という動きも、また新しい流れのひとつなのではないでしょうか。

なぜ彼らは、新卒でファーストキャリアとしてスタートアップ企業への入社を選択したのか。今回は都内で開催されたSTART-UP2019新卒合同入社式のイベント内で取材しながら、紐解いていきたいと思います。

なお、同イベントには主催の岩崎由夏氏が代表を務めるYOUTRUSTをはじめ、HERP、CAMPFIRE、Mirrativなど28社と参加企業へ入社した新卒50名が参加しました。

スタートアップ新卒の30年、40年先の人生を描く

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(以下、太字部分は全て筆者の質問、回答は主催者の岩崎由夏氏および新卒入社した社員の皆さま)

ーーまずは岩崎さん、今回のイベントを開催した経緯をお伺いしたいのですが

岩崎:イベントを企画していたのではなく、弊社の新卒メンバーについてブログを執筆したのがきっかけでした。同期のいない彼女をみなさんへの紹介の気持ちで書いたのですが、たくさんの方に反響を頂きまして。

私自身、DeNAの新卒時に繋がった同期に起業後も救われることが多く、彼女にもそういった繋がりを作って欲しいという想いから、周囲のスタートアップ企業の皆さまと合同で入社式をすることになりました。

ーー今回、参加されている企業の方々は「新卒を迎え入れた会社」になると思うんですが、新卒に入社してもらえる会社の特徴ってあるんですか?

岩崎:今回の参加企業は、インターンで仕事をしていたメンバーを新卒で採用したケースがほとんどだと思います。インターンの学生メンバーを作業人員として考えず、一戦力として仕事を任せているのは特徴だと思います。

働いてみた上で内定を出している人が多いので、入社後のイメージが共有できた上で入社してはもらえていると思いますね。

ーースタートアップへ入社する新卒メンバー側のメリットってありますか?

担当する職種の領域だけでなく、全ての業務を経験させてもらえることですね。弊社はフルタイム3人目の社員が新卒メンバーという状況です。これから、という中で部署や分野問わず、仕事が経験できるのは大規模な企業と違うところだと思います。

新卒メンバーもブランド思考というより、「なんでもやらせてもらえること」を望んでいる人が多い気がします。

ーーぶっちゃけ、即戦力が求められるスタートアップが新卒を採用するのってどうなんですか

岩崎:スタートアップという一括りでは、様々なチームがあるので一概には言えないと思います。ただ、スタートアップ企業としては新卒メンバーはカルチャー浸透しやすく、エネルギッシュに頑張れる存在なので一緒に歩みやすい存在だと思います。

ーーたしかに急速に成長や変化していくスタートアップでは、エネルギー超重要ですもんね

岩崎:はい。ただ、新卒メンバーが入社をしてくれた後に成長させられるスタートアップ企業はどれくらいあるのか、という課題もあります。規模の大きな会社と違って、すぐに部署移動をさせるような社内調整がききにくい、新卒に対しての知見が溜まっていない環境である、という部分は難しいと思います。

お互いが共に歩む未来が見えにくくなる中で、うまく彼らを導いてあげることが必要なんです。彼らの30年、40年後の人生を考えたときに、「結局あのタイミングでスタートアップに入った人、良くなかったよね」という残念な結果にならないようにしたいです。

ーーなるほど。それが今回の取り組みに繋がる、と

岩崎:はい、今後は入社式だけでなく研修などもできれば、同期の繋がりに対してより肉付けしていけると思っています。プロジェクトが文化になっていけば良いですね。

各々で入社式をしているとロールモデルや見れる先輩も減ってしまいますし、そこに避けるリソースも限られますが、知見やノウハウを共有して協力していけば、良い環境を作っていけると思います。

スタートアップに新卒社員として入社する若者たち

実際に新卒でスタートアップに入社する人々にも「なぜ新卒でスタートアップへの入社を選んだのか」聞かせていただきました。

YOUTRUST 堀内菜央さん

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堀内菜央さん、早稲田大学人間科学部卒業。大学では心理学を専攻。

ーーなぜファーストキャリアとしてスタートアップを選んだのですか

堀内:入社したのは本当にたまたまでした。代表の岩崎が起業ブログを書いていて、それをTwitterで発見したのがYOUTRUSTとの出会いのきっかけです。

もともと就活の際は、中小企業以上の大手企業への就職を考えていました。

ーースタートアップを視野に入れていなかったのに入社したんですか?

堀内:親の目などは気にならなくはなかったですね……。でも、岩崎さんの考え方に本当に共感していたので、その想いで親を説得したら納得してくれました。

私はいままで働くのをお金を貯める、生活するためだと思っていたのですが、YOUTRUSTの人々に出会って初めて働くことが楽しいと思えるようになったんです。

ーー入社後のキャリアはどのように考えていますか?

堀内:YOUTRUSTを通じて量より質の採用を浸透させていきたいです。「1人に会って1人採用する」をより多くの企業が実現できるように、目標に向かって会社のみなさんと頑張っていきたいと思います。

ーー正直、スタートアップで環境が整っていなくて不安な部分などはありませんか?

堀内:整っていない部分などは感じませんね。逆に自由だな、と思います。岩崎からも良い意味で「決まりごとはない」と言われていて、やるべき仕事を見つけてやれる環境が魅力的だと感じています。

POL 大野雅志さん

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大野雅志さん、九州大学大学院 機械系院卒業。POLではイベント事業部責任者を担当。

ーーなぜファーストキャリアとしてスタートアップを選んだのですか

大野:「自分の人生の中で世の中に対するインパクトを最大化したい」という想いを持っていました。それで大手企業とスタートアップを比べた時、スタートアップの環境の方がインパクトを最大化できると思ったんです。

ーースタートアップに新卒で入社することに抵抗はありませんでしたか?

大野:正直めちゃめちゃびびってて。1年半、POLでリモートのインターンをしていたんですが、社員の人たちを見て「なぜこんなにきついことに挑戦し続けるんだろう」と不思議でした。でも、実際にその人たちの「未来を加速させる研究を加速させたい」という思いを直接聞いたら、自分も、という気持ちになったんです。

ーー今回の入社式のような取り組みに関してどう感じましたか?

大野:実は、自分は推薦で内定をもらっている企業があり、絶対に内定を辞退できない状況だったんです。でも自分の思いは、「世の中を良い方向に持っていけるこの環境は今しかない」という気持ちで。

関係者には迷惑をかけるが、その分社会に良いインパクトを与えようと決意しました。ここに来て、内定辞退をしたマイノリティかと思っていましたが、似た経験の人も多いと分かって安心できました。

Mirrativ 安西佑介さん

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安西佑介さん、東京大学文学部卒業。新卒1年目でCTOを超えるのが目標。

ーー安西さんはなぜファーストキャリアとしてスタートアップを選んだのですか

安西:就職する際に成長できる環境を求めていました。成長するためには近くにいる人が大切だと考え、少数精鋭で優秀な人の間近で働けるMirrativに入社を決めました。

ーースタートアップに新卒で入社することに抵抗はありませんでしたか?

安西:職種がエンジニアなので、スキルが身につくことが一番だと思いました。大手企業は人数も多いので、そこでのアップサイドもなく。逆に今のMirrativが成長して、上場したときに新卒第一号だった自分として、その役割を担えるようになりたいです。

ーー今年、CTOの技術を超えるのが目標ということですが

安西:はい。月次で目標設定をしているので、そのために必要なことを週次でクリアしていく。あとは周りのエンジニアに力を借りて達成していきます!

エバーセンス 伊藤哲宇さん

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伊藤哲宇さん、神戸大学経営学部卒業。

ーー伊藤さんはなぜファーストキャリアとしてスタートアップを選んだのですか

伊藤:もともと家族、社会的組織としての家族という領域に興味がありました。その中で働きやすく、最も自分の考えに近い企業がエバーセンスだったのでスタートアップを選んだという感覚はありません。

ーースタートアップへの就職に抵抗はありませんでしたか?

伊藤:なかったです。自分はむしろマイノリティが好きなタイプなので、みんなが選ぶ進路は楽しくないんです(笑)。

もちろん不安はあって、倒産しないか、働きすぎないかなどは気になりました。そこに対しては面談で全体の現状売上やキャッシュ、社員の平均給与などを細かく聞いたので、納得感を持って入社しています。

ーー今回の入社式のような機会をどう感じましたか?

伊藤:めちゃくちゃ嬉しいです。会社で自分1人だけが新卒で、代表に新卒をもう1人入れて欲しいとも言っていたんですが難しく。

7カ月、入社前にインターンをしていたんですが、学生は1人だったので他の社員メンバーを見て、自分が何もできないと苦しい時期もありました。同じ境遇で喜怒哀楽を共にできる仲間が欲かったので、今後も今日出会えた人と励ましあっていきたいです。

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CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏による開会の挨拶にはじまり、自己紹介やグループワークといったコンテンツをまるで全員が同じ会社に入社するように実施されていました。

取材で「なぜ新卒でスタートアップを選択したのか」を紐解く中で、新卒メンバーたちはスタートアップが成長した未来に共感し、自分の人生という財産を投資している感覚があると感じました。

今後スタートアップに新卒が増加し、こういった動きが加速していくのか、またウォッチしていけたらと思います。取材にご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

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仮想通貨・ブロックチェーン特化のオンライン学習「PoL」ーー独自トークンによる学習インセンティブも

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ニュースサマリ:仮想通貨やブロックチェーンに特化したオンライン学習サービス「PoL」を運営するtechtecは11月29日、サービス公開とエンジェルラウンドにおける資金調達の実施を公表した。出資した個人投資家の氏名や調達した資金額については開示されていない。 PoLが用意する学習テーマは仮想通貨およびブロックチェーン。それぞれのテーマにカリキュラムコンテンツが用意されており、会員登録をするとそれら…

ニュースサマリ:仮想通貨やブロックチェーンに特化したオンライン学習サービスPoLを運営するtechtecは11月29日、サービス公開とエンジェルラウンドにおける資金調達の実施を公表した。出資した個人投資家の氏名や調達した資金額については開示されていない。

PoLが用意する学習テーマは仮想通貨およびブロックチェーン。それぞれのテーマにカリキュラムコンテンツが用意されており、会員登録をするとそれらを学習することができるほか、テストで習熟度をチェックすることもできる。利用は無料。

今回調達した資金で同社は独自トークンの発行を目指し社内体制を整備する。またオフライン講座についても実施を予定している。

話題のポイント:先日開催したNodeTokyoの会場で同社代表取締役の田上智裕さんに少しだけお話お伺いしたのですが、学習のモチベーション維持にトークンエコノミーを取り込むというのが主なアイデアのようです。その昔、ゲーミフィケーションと呼ばれたアチーブメントに応じたポイントを提供する代わりにトークンを渡すみたいなイメージですかね。

詳細はまだまだこれからのようですので具体的な実装ができた時にお伝えするとして、トークンをこういったインセンティブとして実装する考え方はALISと日本マイクロソフトが進めている投げ銭APIでも話題になっています。

最終的にこれらトークンが何らかの方法で市場流通して投機系の資金(もっと言うと法定通貨)がやってこないと、単なるゲーム内ポイントと何が違うんだ的なことになるのでこの辺りの経済圏デザインは非常に難しいところです。

一方で誰かがブレイクスルー見つけた瞬間に一気に広まる気もしてます。新しいビジネスモデルとしてブロックチェーンやトークン社会実装系の話題は引き続き注目しています。

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理系学生人材DB「LabBase(ラボベース)」運営のPOL(ポル)、プレシリーズAで個人投資家複数らから資金調達——共同研究の紹介事業も加速

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東京を拠点とするスタートアップで、理系学生の人材データベース「LabBase(ラボベース)」を運営する POL(ポル)は15日、プレシリーズ A ラウンドで複数の個人投資家から資金調達を実施したと発表した。調達金額は明らかになっていないが、関係者への取材などから数千万円程度とみられる。これは同社にとって、昨年実施した、BEENEXT のリードによるシードラウンドに続くものだ。 今回のラウンドに参加…

POL 創業者で CEO の加茂倫明氏
Image credit: POL

東京を拠点とするスタートアップで、理系学生の人材データベース「LabBase(ラボベース)」を運営する POL(ポル)は15日、プレシリーズ A ラウンドで複数の個人投資家から資金調達を実施したと発表した。調達金額は明らかになっていないが、関係者への取材などから数千万円程度とみられる。これは同社にとって、昨年実施した、BEENEXT のリードによるシードラウンドに続くものだ。

今回のラウンドに参加したのは、主に個人投資家で次の通り。

  • PKSHA Technology(東証:3993)
  • 千葉功太郎氏(個人投資家)
  • 松田良成氏(弁護士、漆間総合法律事務所)
  • 森本千賀子氏(morich 代表)
  • 御立尚資氏(BCG シニア・アドバイザー)
  • 岡野求氏(元 FiNC CHO)
  • その他、名前非開示の個人投資家1名

POL 創業者で CEO の加茂倫明氏によれば、同社のキャッシュフローはすでに単月ベースで黒字化しているということで、今回の調達は資金需要よりはむしろ、個人投資家らの人脈を生かしたサービスの認知拡大や浸透に意図があるようだ。定量的な数値は明らかになっていないが、「トップ10大学(旧帝大)に在籍する、理系院生修士の30%が LabBase を使っている計算になり、今期中には50%にまで達しそうな勢い(加茂氏)」だという。人材を求める企業の利用社数は有料ユーザベースで100社程度、学生とのマッチング数も順調に伸びているという。

POL の主要メンバー
Image credit: POL

LabBase が軌道に載ったことで、加茂氏が自身の時間の半分程度を新規事業開発に費やしているという。そうして生まれた事業の一つが「LabBase R&D」。こちらは人材ではなく、企業と大学の研究室の共同研究の〝出会い〟を生み出す SaaS プラットフォームだ。独立法人化し国からの予算が削られる中、大学にとって研究を活性化しつつ収入を得られる共同研究は関心を増しており、この流れは研究室で生まれた技術を生かした起業にも追い風となっている。LabBase R&D は、そんな需要に応えようというものだ。

Image credit: POL

POL は現在、 LabBase R&D をクローズドベータ版として運用していて、来年春頃の正式リリースを目指している。旗艦サービスである LabBase とあわせ、POL にとって収益の大きな柱となることが期待されるとともに、人材だけでなく共同研究という側面からも、POL は日本の理系研究者・研究トレンドの需要を把握できるようになる。加茂氏は「どこよりも研究者の情報を持っている会社になれると思うので、将来には有望な研究開発系の会社に投資するようなことも期待したい」と夢を語ってくれた。

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理系学生の人材データベース「LabBase(ラボベース)」運営のPOL(ポル)、シードラウンドでBEENEXTやCAVなどから5,000万円を調達

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東京を拠点とするスタートアップで、理系学生の人材データベース「LabBase(ラボベース)」を運営する POL(ポル)は24日、シードラウンドで5,000万円を調達することを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは BEENEXT が務め、他にサイバーエージェント・ベンチャーズ、Draper Nexus、Beyond Next Ventures、エンジェル投資家が参加している。なお、バリュ…

左から:BEENEXT パートナー 前田ヒロ氏、POL 代表取締役 加茂倫明氏、POL 取締役 吉田行宏氏、サイバーエージェント・ベンチャーズ 北尾崇氏

東京を拠点とするスタートアップで、理系学生の人材データベース「LabBase(ラボベース)」を運営する POL(ポル)は24日、シードラウンドで5,000万円を調達することを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは BEENEXT が務め、他にサイバーエージェント・ベンチャーズ、Draper Nexus、Beyond Next Ventures、エンジェル投資家が参加している。なお、バリュエーション、出資比率、エンジェル投資家の氏名については明らかにされていない。今回調達した資金を使って、POL ではシステム開発体制を強化するとしている。

POL は2016年9月、東京大学理科二類2年生の加茂倫明氏らが設立。加茂氏は以前、エス・エム・エス創業者の諸藤周平氏率いる、シンガポールの REAPRA グループ傘下の HealthBank で、オンラインダイエットサービス「BIVIE」の立ち上げに携わったシリアルアントレプレナーだ。POL にはこのほか、元ガリバーインターナショナル(現在の IDOM)専務取締役で、FiNC の社外取締役でもある吉田行宏氏が参画しており、コアメンバーは現在10名ほどで構成されている。

POL が取り組んでいるのは、理系学生の就職/採用市場における需給の不均衡是正だ。就職フェアや就職サイトといった一般的な採用市場に出てくる卒業予定の学生の多くは、8割が文系で残る2割が理系とされる。理系の学生が市場に出回らないのには、いくつかの理由が挙げられる。

  1. 学科や教授の推薦で、就職活動をする以前の段階で就職先が決まってしまっている。
  2. 研究に忙しく、就職活動に時間を割きにくい。研究室で、インターンが禁止されているケースもある。
  3. 就職活動に対する意識が高くない。(先輩も推薦で就職してるので、なんとかなるのでないか……との意識 など。

一方、理系学生が現在の就職環境に満足しているかというと、そんなことはない。彼らにとって、最大の問題は、自分の専門知識やスキルを磨いてみても、それらを活かせる職場環境がどこにあるかを容易に見つけることができない点だ。満足はいかないものの、適当なところで手を打って就職するか、または、期待する職場に就職できないために大学に残って研究を続け、結果的にポスドク問題を誘発しているのも事実だ。

採用企業側から見た、学生のスカウト画面

このような問題を解決するために、LabBase では、学生が研究ポートフォリオ、論文、学会での発表履歴、実験内容など、アカデミアに寄せたプロフィールを掲載でき、企業とつながれる環境を提供している。昨年12月末から企業側からの事前登録を開始し、約100社がサインアップした。今年の本サービス開始後からは、そのうち20社が有料で利用を開始しているそうだ。

一方、学生ユーザはこれまでに550名ほどが集まっていて、そのうち約7割が東京大学や東北大学の理系学生、そこに、北海道大学・筑波大学・京都大学・大阪大学の学生を加えると全体の9割を占めるという。これといった広告やマーケティング活動も行なっていないのに、これだけコアなユーザを集められている背景には、全国に50名程度いるアンバサダーという学生ネットワークの存在がある。彼らは無報酬で、金銭的なインセンティブが無いにもかかわらず、理系学生の就職を幸せなものにしたいという POL のビジョンに共感し、ユーザ獲得やエンゲージメント強化に協力してくれているのだそうだ。

この分野は「研究室(ラボ)×テック」から「ラボテック」と呼ばれ、国内ではアカリクが競合として先行するが、市場全体におけるシェアはドミナントなものには至っていない。アメリカにでは、ResearchGatefigshareThe Center for Open ScienceScience ExchangeInstrumentlQuartzy などのラボテック・スタートアップがあり、POL は今後、彼らの動向をベンチマークしていくものと見られる。

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